JPH0791665B2 - 高純度第4級ホスホニウムヒドロオキシドの製造法 - Google Patents

高純度第4級ホスホニウムヒドロオキシドの製造法

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JPH0791665B2 JP63249015A JP24901588A JPH0791665B2 JP H0791665 B2 JPH0791665 B2 JP H0791665B2 JP 63249015 A JP63249015 A JP 63249015A JP 24901588 A JP24901588 A JP 24901588A JP H0791665 B2 JPH0791665 B2 JP H0791665B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、高純度第4級ホスホニウムヒドロオキシドの
製造法に関する。更に言えば、ポリシロキサンの製造に
有用な重合触媒(英国特許794,119号明細書)、電解コ
ンデンサー電解質用第4級ホスホニウム塩の製造に用い
る中間原料(特開昭62−272,512号公報,特開昭62−27
2,513号公報)、さらには、半導体装置等の電子部品及
び電子機器の封止や含浸等に広く用いられる電気的特性
に優れたエポキシ樹脂の硬化触媒等に有用な高純度第4
級ホスホニウム塩の中間原料の高純度第4級ホスホニウ
ムヒドロオキシドを電解法により製造する方法に関する
ものである。
[従来の技術]および[発明が解決しようとする課題] 従来、第4級ホスホニウムヒドロオキシドの製造法とし
ては、テトラ−n−ブチルホスホニウムアイオダイドを
水溶液で酸化銀と反応させて、第4級ホスホニウムヒド
ロオキシドを得る方法(英国特許794,119号明細書)が
知られている。その反応式を下記に示す。
(n−C4H94PI+1/2AgO+1/2H2O →(n−C4H94POH+AgI しかしながら、この方法は酸化銀が高価である為に製造
コストが高くなり工業的に望ましい方法ではない。
他方、ジー エム コゾラホフ、エル メイアー共著
「オーガニック ホスホラス コンパウンド」ウイリー
−インターサイエンス社発行(G.M.KOSOLAPOFF and L.M
AIER「ORGANIC PHOSPHOR USCOMPOUND」WILEY−INTERSCI
ENCE,a Division of John Wiley & Sons,Inc.)Vol.2,
201頁,(1972年)では、第4級ホスホニウム塩はイオ
ン交換樹脂を用いてイオン交換できる事が記載されてい
る。
しかしながら、同書に記載されているように、イオン交
換樹脂を用いてイオン交換する場合には、一般に原液の
濃度を希薄にする必要があり、従ってイオン交換に長時
間を必要とする欠点がある。
又、この点を克服すべく、特開昭62−212,397号公報で
は比較的高濃度領域で第4級ホスホニウムハライドを強
塩基性アニオン交換樹脂(OH型)と接触して、イオン交
換する事によって第4級ホスホニウムヒドロオキシドを
得る方法が記載されている。しかし、この方法の場合に
は、その実施例に記載されているようにイオン交換が完
全に行われない為(収率66.4〜90.8%)、流出液中へ原
料である第4級ホスホニウムハライドが混入する事が避
けられない。従って、ハロゲン化炭化水素等の有機溶媒
を使用して混入した第4級ホスホニウムハライドを取り
除く工程が必要である。
また、このように溶媒を使用して原料の第4級ホスホニ
ウムハライドを取り除いたとしても、流出液から完全に
回収することは困難で、その流出液中のハロゲンを分析
すると数100〜数1000ppmは含まれている。
前記したとおり、従来法では、いずれも高純度の第4級
ホスホニウムヒドロオキシドが得られないか、又は工業
的には全く適応できないものである。
本発明者らは、上記の諸問題に鑑み鋭意詳細に研究した
結果、陰イオン交換膜と陽イオン交換膜を隔膜として構
成する電解槽にて、第4級ホスホニウム塩水溶液を電解
したところ、予想外に高収率でかつ高純度の第4級ホス
ホニウムヒドロオキシドを製造できることを知見し本発
明を完成した。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明は、槽内を1の陰イオン交換膜とそれ
を挟む2の陽イオン交換膜で区画して、陽極室、陽極側
中間室、陰極側中間室および陰極室を設けた4槽構造の
電解槽において、前記陽極室に酸性電解質液を、陰極側
中間室に次の一般式(II) (式中、R1,R2,R3およびR4は炭素原子数1〜8のアルキ
ル基,アリール基,アラルキル基またはそれ等のいずれ
か少なくとも一種の基がヒドロキシル基若しくはアルコ
キシル基で置換されたものを表わし、X はアニオンを
示す)で表わされる第4級ホスホニウム塩水溶液を供給
し、直流電解して陽極側中間室からアニオンを、陰極室
から次の一般式(I) (式中、R1,R2,R3およびR4は前記と同じものを意味す
る) で表わされる第4級ホスホニウムヒドロオキシドを得る
ことを特徴とする高純度第4級ホスホニウムヒドロオキ
シドの製造法に係るものである。
以下、本発明について詳説する。
本発明により製造される高純度第4級ホスホニウムヒド
ロオキシドは、前記一般式[I]で表わされる高純度の
第4級ホスホニウムヒドロオキシド水溶液であり、該水
溶液中に含有されている各金属イオンまたはアニオンが
いずれも1ppm以下にあることを特徴とする。
前記一般式[I]において、R1,R2,R3およびR4は炭素原
子数1〜8のアルキル基,アリール基,アラルキル基ま
たはそれ等のいずれか少なくとも一種の基がヒドロキシ
ル基若しくはアルコキシル基で置換されたものを示す。
その具体例を示すと、R1〜R4がアルキル基としては例え
ばメチル,エチル,プロピル,ブチル,ペンチルおよび
オクチル等であり、アリール基としては例えばフェニ
ル,トリルまたはキシリル等であり、アラルキル基とし
ては例えばベンジル,フェニチル等であり、また前記の
各基のいずれか少なくとも一種の基がヒドロキシル基若
しくはアルコキシル基で置換されたものが挙げられる。
また、R1〜R4は同種又は異種であってもよい。
また、高純度第4級ホスホニウムヒドロオキシド水溶液
の濃度は通常2〜50wt%、好ましくは3〜30wt%の範囲
が望ましい。その理由は、低濃度では経済的でなく、ま
た50wt%をこえると第4級ホスホニウムヒドロオキシド
は分解しやすくなり好ましくない。
さらに、本発明により製造される高純度第4級ホスホニ
ウムヒドロオキシドの水溶液には、不純物として含有さ
れている各金属イオンまたはアニオンが極めて少なく、
その含有量はいずれも1ppm以下であり、後述の製造方法
によりその様な高純度にすることができる。また、水溶
液に含有されている金属イオンまたはアニオンとして
は、例えばNa,K,Fe,Ni,Cr,Cu,Ba,Pb,Ti,Zn,Al,Cl,Br,I,
SO4及び第4級ホスホニウム塩を構成する対アニオン等
が挙げられる。しかし、これ等は微量であるために、本
発明の高純度第4級ホスホニウムヒドロオキシドは、重
合触媒,電解コンデンサー電解質、エポキシ樹脂の硬化
触媒等に有用な高純度の第4級ホスホニウム塩の中間原
料として好適である。
次に、本発明の高純度第4級ホスホニウムヒドロオキシ
ドの製造法について説明する。
その具体的な方法は、電解槽を1の陰イオン交換膜とそ
れを挟む2の陽イオン交換膜で区画して陽極室,陰極
室、2つの中間室からなる4槽構造に形成し、陽極室に
酸性電解質液を、陰極室および陽極側中間室(中間室
I)に水を、および陰極側中間室(中間室II)に第4級
ホスホニウム塩水溶液をそれぞれ供給して、両極間に直
流電流を通電することにより、陰極室から高純度の第4
級ホスホニウムヒドロオキシドを得る方法である。
本発明において、陽イオン交換膜としては、通常の陽イ
オン交換膜を用いることができ、例えばセレミオンCM
V(旭硝子(株)製),ネオセプタCM−1(徳山曹達
(株)製)およびNafion324(デュポン社製)等が挙
げられる。
また、陰イオン交換膜としては、通常の陰イオン交換膜
を用いることができ、例えばセレミオンAMV(旭硝子
(株)製),ネオセプタAM−1(徳山曹達(株)製)
等が挙げられる。
また、電極を構成する材料としては、陽極には第4級ホ
スホニウム塩の電解によって発生するハロゲン,酸素等
に対して耐久性のある安定なものが良く、例えば黒鉛,
鉛及びその合金,各種金属に白金属金属を被覆した電極
等を用いるのが好ましい。また、陰極には耐アルカリ性
の材料が用いられ、例えばステンレス,ニッケル等を用
いるのが好ましい。
電解槽を構成する材料としては、陽極室,中間室はフッ
素系樹脂,ポリプロピレン,ポリエチレン等の合成樹脂
が用いられ、また陰極室は前記陽極室に用いられる合成
樹脂、その他に耐アルカリ性のステンレス等でも十分に
使用することができる。
本発明においては、陰極側中間室(中間室II)に供給さ
れる第4級ホスホニウム塩は、下記の一般式[II] (式中、R1,R2,R3およびR4は前記と同じものを意味す
る。X はアニオンを示す)で表わされる化合物が用い
られる。
前記一般式[II]において、R1〜R4は、前記と同じもの
を表わす。X はアニオン(酸基)を示し、例えばフッ
素,塩素,臭素,ヨウ素等のハロゲンイオン、ギ酸,酢
酸,シュウ酸等の有機カルボキシルイオン、硫酸,ジメ
チルおよびジエチル硫酸の各イオン、硝酸イオン、リン
酸イオン,メチルおよびジメチルリン酸イオン,エチル
およびジエチルリン酸等の有機リン酸イオンあるいは水
酸基(OH-)等が挙げられるが、これ等のアニオンに限
定されるものではない。
本発明の第4級ホスホニウム塩水溶液の電解にあたって
は直流電圧を印加するが、そのときの電流密度は通常1
〜50A/dm2、好ましくは2〜30A/dm2、電解液の温度は室
温下で十分であるが、陽極の腐食を防止し、また陰極液
中の目的物の分解を防止する為に、50℃以下に保つこと
が好ましい。
電解槽への第4級ホスホニウム塩水溶液の供給方法は、
循環式,連続式,半連続式のいずれでも実施することが
できる。この第4級ホスホニウム塩水溶液は陰極側中間
室(中間室II)に供給されるが、そのときの濃度は第4
級ホスホニウム塩の種類および陰極室に生成する目的物
の高純度第4級ホスホニウムヒドロオキシドの品質によ
っても異なるが、通常2〜50wt%、好ましくは3〜30wt
%に設定する。その理由は、陰極側中間室(中間室II)
に50wt%をこえる高濃度の第4級ホスホニウム塩を供給
するとアニオン(酸基)が陽イオン交換膜を通って陰極
室へ多少逆拡散する。この場合、その陰極側中間室(中
間室II)の濃度を前記の2〜50wt%の範囲に保つ事によ
ってアニオンが陰極室へ逆拡散することを押える事がで
きる。また、アニオンが水酸基の場合、即ち、粗製第4
級ホスホニウムヒドロオキシドを精製する場合にも本発
明に係る方法が適用でき、このときは、その濃度を特に
制限する必要はないが、一般に第4級ホスホニウムヒド
ロオキシドは安定性に乏しく、高濃度になると分解して
対応するホスフィンオキシドになるため、50wt%以上の
余り高い濃度での使用は好ましくない。
また、本発明において、特に第4級ホスホニウム塩水溶
液に主成分として、または不純物としてハロゲンイオン
や硝酸イオン等が含まれている場合には、それ等が電解
中に陽極に達すると有害かつ高腐蝕性のハロゲンや窒素
酸化物等のガスが高濃度で発生して陽極自体が腐蝕さ
れ、その腐蝕生成物が陰極液側に移行し、目的生成物で
ある第4級ホスホニウムヒドロオキシドの純度の低下を
招くほか、合成樹脂製の陽極室や陽イオン交換膜,陰イ
オン交換膜を劣化させる原因となる。従って、陰極側中
間室(中間室II)へ供給された第4級ホスホニウム塩水
溶液から遊離するハロゲンイオンを代表とする腐蝕性ア
ニオンが電解中に陰極側中間室(中間室II)から陽極側
中間室(中間室I)を通過して陽極室へ移行するのを阻
止する目的で、陰極側中間室(中間室II)と陽極側中間
室(中間室I)との隔膜として陰イオン交換膜を、およ
び陽極側中間室(中間室I)と陽極室との隔膜として陽
イオン交換膜を二重に使用することに本方法の重要な意
義がある。
即ち、陽極室と陰極側中間室(中間室II)との隔膜に陰
イオン交換膜および陽イオン交換膜を使用することによ
って、電解中に陽極,陽極室,陽イオン交換膜および陰
イオン交換膜の劣化の原因となる腐蝕性ガスの発生を抑
制する事が出来る。
他方、陰極室と陰極側中間室(中間室II)との隔膜であ
る陽イオン交換膜の存在により、目的とする第4級ホス
ホニウムカチオンのみを陰極側中間室(中間室II)から
陰極室へ移行せしめ陰極室にて高純度の第4級ホスホニ
ウムヒドロオキシドを得ることができる。
次に、陽極室に供給する溶液に使用する酸性電解室とし
ては、陽極室を構成する材質の腐蝕や劣化が少なく、か
つ腐蝕性又は有毒なガスを発生しないものが用いられ
る。例えば、硫酸,りん酸等の稀薄水溶液、蟻酸、シュ
ウ酸および酒石酸等の有機酸の水溶液が挙げられる。こ
れらの酸性電解質は高濃度で使用する必要はなく電解に
必要な電導度、例えば5〜300mS、好ましくは10〜200mS
になる程度の濃度であれば十分である。これらの濃度を
具体的な数値で表わすと、硫酸では1.0〜10.0wt%,シ
ュウ酸では2.0〜10wt%である。
一方、陰極室および陽極室中間室(中間室I)には純水
を供給するが、運転開始当初、純水では電解が起りにく
いので電解質として目的生成物である第4級ホスホニウ
ムヒドロオキシドを少量、例えば0.01〜10.0wt%程度添
加するのが好ましい。
また、陽極室,陽極側中間室(中間室I),陰極側中間
室(中間室II)および陰極室に各々の水溶液を供給する
方法は、循環式,連続式,半連続式のいずれでも実施す
る事が出来る。各室における各水溶液の滞留時間は1〜
60秒、好ましくは1〜10秒間にて実施する。
電解が進行するにつれて、陰極室液中の目的生成物の高
純度第4級ホスホニウムヒドロオキシドの濃度は高くな
ってくるが、第4級ホスホニウムヒドロオキシドの安定
性を考慮して50wt%までの所望の濃度に達したところで
水で希釈するとともに連続的又はバッチ的に回収する。
陰極側中間室(中間室II)に供給した第4級ホスホニウ
ム塩は消費されて濃度が低下してくるが、逐次第4級ホ
スホニウム塩を補なえば良い。また、陽極側中間室(中
間室I)では、第4級ホスホニウム塩の対アニオンの濃
度が増加してゆくが、水で希釈すると共に連続的又はバ
ッチ的に系外に回収する。
かくて、第4級ホスホニウム塩から第4級ホスホニウム
ヒドロオキシドを連続的かつ収率良く製造する事が可能
となった。
なお、電解を開始するにあたり、予め電極や電解槽等の
系を十分純水で洗浄し不純物が混入しない様にしておく
事は言うまでもない。
[作用] 本発明の高純度第4級ホスホニウムヒドロオキシドの製
造法は、陽イオン交換膜で区画された陽極室に酸性電解
質液を,陰極室に水をそれぞれ供給し、また陰イオン交
換膜と陽イオン交換膜で区画された陽極側中間室(中間
室I)に水を,陰極側中間室(中間室II)に第4級ホス
ホニウム塩水溶液をそれぞれ供給して両極間に直流電流
を通電することにより、選択的な透過作用を有する陰イ
オン交換膜および陽イオン交換膜の2つの交換膜により
区画されている陽極室には第4級ホスホニウム塩の主成
分または不純物として含有されているハロゲンイオンの
濃縮や窒素酸化物等のガスの発生や逆拡散が起こらず、
かつ陰極室では第4級ホスホニウムカチオンのみが陽極
から陰極へ陽イオン交換膜を選択的に透過する為に高純
度の第4級ホスホニウムヒドロオキシドを得ることがで
きる。
[実施例] 以下、実施例を示し本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1 2枚の陽イオン交換膜ナフィオン(Nafion)324(デュ
ポン社製、フッ素樹脂系陽イオン交換膜)と、それらの
間に1枚の陰イオン交換膜AMV(旭硝子社製、ポリスチ
レン系陰イオン交換膜)を使用して電解槽を陽極室、中
間室I(陽極側中間室)、中間室II(陰極側中間室)及
び陰極室の4室に区画した。
陽極としてチタン板に白金被覆したものを、また陰極と
してステンレス(SUS 304)板を使用し、4室とも予め
十分に純水で洗浄した。
次いで、陽極室に2.93wt%のシユウ酸4.28kgを、中間室
Iに2.51wt%の臭化水素酸12.5kgを、中間室IIに7.61wt
%のテトラエチルホスホニウムブロマイド11.6kgを、ま
た陰極室には2.0wt%のテトラエチルホスホニウムヒド
ロオキシドの水溶液11.6kgを供給し、室温下で陽極と陰
極との間に18〜22Vの直流電圧を印加して26時間電気分
解を行なった。その結果、陰極室に8.68wt%のテトラエ
チルホスホニウムヒドロオキシド水溶液12.04kgを得
た。このときの通電量は8.33Fで電流効率は59.4%であ
った。
陰極室で得られたテトラエチルホスホニウムヒドロオキ
シド水溶液中の不純物を分析した結果、Na≦0.05ppm,K
≦0.01ppm,Fe≦0.01ppm,Ni≦0.02ppm,Cr≦0.01ppm,Cu≦
0.02ppm,Ba≦0.02ppm,Pb≦0.05ppm,Ti≦0.01ppm,Cl≦0.
2ppm,Br≦0.2ppm,SO4≦0.2ppmで極めて純度の高いもの
であった。
実施例2 実施例1と同じ装置を用いて、陽極室に1.0wt%の硫酸
4.12kg、中間室Iに0.90wt%の臭化水素酸14.9kg、中間
室IIに10.0wt%のテトラエチルホスホニウムブロマイド
16.6kgを、また陰極室には0.66wt%のテトラエチルホス
ホニウムヒドロオキシドの水溶液3.92kgを供給し、室温
下で陽極と陰極との間に20〜22Vの直流電圧を印加して3
7時間電気分解を行なった。その結果、陰極室に10.5wt
%のテトラエチルホスホニウムヒドロオキシド水溶液4.
27kgを得た。このときの通電量は4.5Fで電流効率は57%
であった。
得られたテトラエチルホスホニウムヒドロオキシド水溶
液中の不純物を分析した結果、Na=0.07ppm,K≦0.01pp
m,Fe=0.03ppm,Ni≦0.01ppm,Cr≦0.01ppm,Cu≦0.02ppm,
Ba=0.004ppm,Ti≦0.01ppm,Cl≦0.2ppm,Br≦0.2ppm,SO4
=0.45ppmで極めて純度の高いものであった。
実施例3 実施例1と同じ装置を用いて、陽極室に4.6wt%のシュ
ウ酸水溶液4.02kg、中間室Iに3.24wt%のヨウ化水素酸
15.0kg、中間室IIに9.8wt%のトリエチルメチルホスホ
ニウムヨーダイド9.5kgを、また陰極室には0.35wt%の
トリエチルメチルホスホニウムヒドロオキシドの水溶液
3.99kgを供給し、室温下で陽極と陰極との間に20〜22V
の直流電圧を印加して25時間電気分解を行なった。その
結果、陰極室に9.3wt%のトリエチルメチルホスホニウ
ムヒドロオキシド水溶液4.65kgを得た。このときの通電
量は3.90Fで電流効率は71.5%であった。
得られたトリエチルメチルホスホニウムヒドロオキシド
水溶液中の不純物を分析した結果、Na≦0.05ppm,K≦0.0
1ppm,Fe=0.01ppm,Ni≦0.01ppm,Cr≦0.01ppm,Cu≦0.02p
pm,Ba≦0.02ppm,Pb≦0.05ppm,Ti≦0.01ppm,Cl≦0.1ppm,
Br≦0.1ppm,I≦0.3ppm,SO4≦0.2ppmで極めて純度の高い
ものであった。
実施例4 実施例1と同じ装置を用いて、陽極室に4.5wt%のシュ
ウ酸水溶液4.5kg、中間室Iに1.0wt%の臭化水素酸4.3k
g、中間室IIに8.5wt%のテトラエチルホスホニウムヒド
ロオキシド17.8kgを、また陰極室には2.3wt%のテトラ
エチルホスホニウムヒドロオキシド水溶液4.5kgを供給
し、室温下で陽極と陰極との間に20〜22Vの直流電圧を
印加して24時間電気分解を行なった。その結果、陰極室
に11.8wt%のテトラエチルホスホニウムヒドロオキシド
水溶液4.95kgを得た。このときの通電量は4.48Fで電流
効率は65.4%であった。
電解前および電解後のテトラエチルホスホニウムヒドロ
オキシド水溶液中の不純物を分析した結果は下記の表1
のとおりであった。
[発明の効果] 以上説明した様に、本発明により得られた高純度第4級
ホスホニウムヒドロオキシドは高純度のため、重合触
媒,電解コンデンサー電解質用第4級ホスホニウム塩の
製造に用いる中間原料,半導体装置等の電子部品及び電
子機器の封止や含浸等に広く用いられる電気的特性に優
れたエポキシ樹脂の硬化触媒の原料等に有用である。
また、本発明は、1の陰イオン交換膜とそれを挟む2の
陽イオン交換膜で区画された4槽構造の電解槽にて、第
4級ホスホニウム塩水溶液を直流電解することにより、
第4級ホスホニウムヒドロオキシドを高純度,高収率で
得ることができ、本発明の工業的価値は極めて高いもの
である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】槽内を1の陰イオン交換膜とそれを挟む2
    の陽イオン交換膜で区画して、陽極室、陽極側中間室、
    陰極側中間室および陰極室を設けた4槽構造の電解槽に
    おいて、前記陽極室に酸性電解質液を、陰極側中間室に
    次の一般式(II) (式中、R1,R2,R3およびR4は炭素原子数1〜8のアルキ
    ル基,アリール基,アラルキル基またはそれ等のいずれ
    か少なくとも一種の基がヒドロキシル基若しくはアルコ
    キシル基で置換されたものを表わし、X はアニオンを
    示す)で表わされる第4級ホスホニウム塩水溶液を供給
    し、直流電解して陽極側中間室からアニオンを、陰極室
    から次の一般式(I) (式中、R1,R2,R3およびR4は前記と同じものを意味す
    る) で表わされる第4級ホスホニウムヒドロオキシドを得る
    ことを特徴とする高純度第4級ホスホニウムヒドロオキ
    シドの製造法。
  2. 【請求項2】第4級ホスホニウム塩水溶液の直流電解
    は、温度50℃以下において、電流密度1〜50A/dm2で電
    圧1〜50Vの条件で行う請求項1記載の高純度第4級ホ
    スホニウムヒドロオキシドの製造法。
  3. 【請求項3】第4級ホスホニウム塩水溶液の供給濃度が
    2〜50wt%である請求項1記載の高純度第4級ホスホニ
    ウムヒドロオキシドの製造法。
  4. 【請求項4】第4級ホスホニウム塩水溶液がテトラエチ
    ルホスホニウムブロマイド水溶液である請求項1乃至3
    のいずれかの項記載の高純度第4級ホスホニウムヒドロ
    オキシドの製造法。
JP63249015A 1988-10-04 1988-10-04 高純度第4級ホスホニウムヒドロオキシドの製造法 Expired - Fee Related JPH0791665B2 (ja)

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