JPH0791393B2 - 光沢を有するプラスチック成形体及びその成形方法 - Google Patents
光沢を有するプラスチック成形体及びその成形方法Info
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Description
な深みのある光沢を有するプラスチック成形体及びその
成形方法に関する
に特殊な光沢を発現させるためには、熱可塑性樹脂に雲
母等を含むパール顔料を添加する方法が一般的に採用さ
れており、パール調の光沢を有するプラスチック成形体
が、上記パール顔料を添加した熱可塑性樹脂を溶融成形
することによって得られている。しかし、上述のパール
顔料を添加する方法において、様々な感じの光沢感を発
現させるためには、上記パール顔料の粒径・添加量を変
化させる程度の手法しかなく、充分に変化に富んだ優れ
た外観の成形体を得ることはできず、装飾性の面からさ
らに変化に富んだ優れた外観を有する容器等のプラスチ
ック成形体が要求されているのが現状である。また、上
記パール顔料は、高価なためコストがかさむといった欠
点もある。
した樹脂組成物を利用して、プラスチック成形体に特殊
な光沢を発現させる方法が提案されている。例えば、特
公昭61─39336号公報には、ポリエステル樹脂1
0〜99重量%とポリオレフィン樹脂1〜90重量%と
からなる樹脂組成物を成形した容器であって、該容器の
肉薄部分が少なくとも1方向に配向されている金属調の
光沢を有する樹脂容器が開示されている。また他の方法
として、特公昭61─24253号公報には、ポリエス
テル系樹脂99.5〜90重量%とメタクリル系樹脂
0.5〜10重量%とからなる樹脂混合物を、延伸ブロ
ー成形することにより得られる乱雲状の流れ模様を有す
るプラスチック製化粧品用瓶が開示されている。
互いに相溶しない樹脂をブレンドした樹脂組成物を用
い、通常の方法で成形されたプラスチック成形体は、外
観上は綺麗ではあるものの、人間にきつい金属的な光沢
感しか有しておらず、高級感を必要とする化粧品等の容
器としては不適であり、更には、パール顔料入りのプラ
スチック成形体と比較して特に優位な光沢を有するとは
言えないという問題がある。また、上述のプラスチック
成形体では、優れた光沢と高い衝撃強度とを両立させる
ことが困難であった。
な異方的光沢を有するプラスチック成形体及びその成形
方法を提供することにある。また、本発明の他の目的
は、きめ細かで均一な異方的光沢にさらにやわらかな高
級感が付与された光沢を有するプラスチック成形体を提
供することにある。さらに、本発明の他の目的は、きめ
細かで均一な異方的光沢をより引き出す形状を有するプ
ラスチック成形体を提供することにある。さらにまた、
本発明の他の目的は、きめ細かで均一な異方的光沢と高
い衝撃強度とを両立させたプラスチック成形体を提供す
ることにある。
した結果、特定の組成、溶融粘度及び弾性率を有する樹
脂組成物を成形して得られる、特定の内部構造を有する
プラスチック成形体により、上記目的が達成されうるこ
とを知見すると共に、上記特定の樹脂組成物を構成する
樹脂が、成形条件下において特定の物性関係を有するよ
うに制御する成形方法により、上記目的が達成されうる
ことを知見した。
で、下記の光沢を有するプラスチック成形体を提供する
ことにある。熱可塑性ポリエステル樹脂(A)98〜5
0重量部と、該熱可塑性ポリエステル樹脂とは相溶しな
い樹脂(B)2〜50重量部とからなる樹脂組成物を成
形して得られ、上記樹脂(A)中に上記樹脂(B)が分
散されてなるプラスチック成形体であって、該プラスチ
ック成形体の厚さ方向の任意の層中において、上記樹脂
(B)が、下記式及び式を満足する略棒状の形状を
有しており、該プラスチック成形体の外表面に対し平行
に且つ成形時における樹脂組成物の流動方向に配向して
いることを特徴とする光沢を有するプラスチック成形
体。
子の形状の大きさを示し、それぞれ以下の値である。 L:粒子の伸長方向の平均長さ(μm) P:粒子の伸長方向に対し垂直な断面を楕円と近似した
場合の平均長径(μm) Q:粒子の伸長方向に対し垂直な断面を楕円と近似した
場合の平均短径(μm)
は下記式及び式を満足する上記樹脂(A)及び上記
樹脂(B)の組合せが好ましい。 ηB /ηA <0.5 式 EA <EB 式 ここで、ηA 、ηB 、EA 及びEB は、それぞれ以下に
示す値である。 ηA :射出時もしくは押出し時の樹脂温度と剪断速度に
おける上記樹脂(A)の溶融粘度 ηB :射出時もしくは押出し時の樹脂温度と剪断速度に
おける上記樹脂(B)の溶融粘度 EA :ブロー時または延伸時の樹脂温度における上記樹
脂(A)の弾性率 EB :ブロー時または延伸時の樹脂温度における上記樹
脂(B)の弾性率
ック成形体の好ましい成形方法として、下記(1)、
(2)及び(3)の成形方法を提供するものである。
98〜50重量部と、該熱可塑性ポリエステル樹脂とは
相溶しない樹脂(B)2〜50重量部とからなる樹脂組
成物を射出もしくは押し出し成形してプラスチック成形
体を成形する成形方法であって、射出もしくは押し出し
成形時において、上記樹脂(A)の溶融粘度ηA と上記
樹脂(B)の溶融粘度ηB との間にηB /ηA <0.5
の関係が成り立つように樹脂温度及び剪断速度を制御す
ることを特徴とするプラスチック成形体の成形方法。
98〜50重量部と、該熱可塑性ポリエステル樹脂とは
相溶しない樹脂(B)2〜50重量部とからなる樹脂組
成物をブロー成形してプラスチック成形体を成形する成
形方法であって、パリソン成形時における上記樹脂
(A)の溶融粘度ηA と上記樹脂(B)の溶融粘度ηB
との間にηB /ηA <0.5の関係が成り立つように樹
脂温度と剪断速度を制御し、且つブロー時の上記樹脂
(A)の弾性率EA と上記樹脂(B)の弾性率EB の間
にEA <EB の関係が成り立つようにパリソン温度を制
御することを特徴とするプラスチック成形体の成形方
法。
98〜50重量部と、該熱可塑性ポリエステル樹脂とは
相溶しない樹脂(B)2〜50重量部とからなる樹脂組
成物を射出ブロー成形してプラスチック成形体を成形す
る成形方法であって、パリソン成形時におけるゲート部
での剪断速度を、6.0×103 〜9.0×103 (s
ec-1)の範囲内で選択された剪断速度を境とした高剪
断側及び低剪断側の少なくとも2段階の剪断速度に切り
換えて、少なくとも上記高剪断側の剪断速度における上
記樹脂(A)の溶融粘度ηA と上記樹脂(B)の溶融粘
度ηB との間にηB /ηA <0.5の関係が成り立つよ
うに樹脂温度及び剪断速度を制御して射出によりパリソ
ン成形を行い、且つブロー時の上記樹脂(A)の弾性率
EA と上記樹脂(B)の弾性率EB との間にEA <EB
の関係が成り立つようにパリソン温度を制御することを
特徴とする成形体の成形方法。
下、まず、本発明の光沢を有するプラスチック成形体に
ついて詳述する。本発明において、上記樹脂組成物に用
いる上記熱可塑性ポリエステル樹脂(A)(以下、「樹
脂(A)」と称す)としては、主たる繰り返し単位がエ
チレンテレフタレートであるものが好ましく、具体的に
はポリエチレンテレフタレート、テレフタル酸とイソフ
タル酸とエチレングリコールとの共重合ポリエステル、
テレフタル酸とエチレングリコールと1,4−シクロヘ
キサンジメタノールとの共重合ポリエステル、テレフタ
ル酸とイソフタル酸とエチレングリコールとプロピレン
グリコールとの共重合ポリエステル等のエチレンテレフ
タレート含有重合体が挙げられる。
合体には、共重合成分として、コハク酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸、p−オキシ安
息香酸、ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸や、
ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ナ
フタレンジオール等のグリコール成分の1種もしくは2
種以上が、重合体中に10重量%以下共重合されていて
も良い。
1.40の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.70
〜1.20が望ましく、特に0.75〜1.20である
ことがより一層好ましい。上記固有粘度が0.65未満
であると、プラスチック成形体の耐衝撃性が著しく損な
われ、また、押し出し成形する場合にドローダウンが激
しく成形が困難になり、1.40を超えると射出成形等
が非常に困難になるので好ましくない。
重量平均分子量で1万〜100万であることが好まし
い。
記樹脂(A)とは相溶しない樹脂(B)(以下、「樹脂
(B)」と称す)としては、ポリオレフィン系樹脂、ポ
リ(メタ)アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ
カーボネイト系樹脂、ポリアミド系樹脂からなる群から
選ばれる少なくとも1種以上の樹脂が挙げられる。
しては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレ
ン−プロピレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エ
チレン−メタクリル酸共重合体及びそのアルカリ金属
塩、無水マレイン酸等で変性された酸変性ポリエチレ
ン、酸変性ポリプロピレン、酸変性エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、グリシジルメタクリレート等を共重合した
エポキシ変性ポリエチレン等のオレフィン系樹脂等、上
記ポリ(メタ)アクリル系樹脂としては、メチルメタク
リレート、メチルアクリレート(以下、両方を総称し
て、(メタ)アクリレートと称する)、エチル(メタ)
アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどの低級
アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニト
リル等の単独重合体またはこれらを共重合した共重合
(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル
共重合体等、上記ポリスチレン系樹脂としては、ポリス
チレン、耐衝撃性ポリスチレン、ポリメチルスチレン
等、上記ポリカーボネート系樹脂としては、ポリ(オキ
シカルボニルオキシビス(1,4−(3,5−ジクロロ
フェニレン))、ポリ(オキシカルボニルオキシ−1,
4−フェニレンブチリデン−1,4−フェニレン)、ポ
リ(オキシカルボニルオキシ−1,4−フェニレンシク
ロヘキシリデン−1,4−フェニレン)、ポリ(オキシ
カルボニルオキシ−1,4−フェニレン−1,3−ジメ
チル−ブチリデン−1,4−フェニレン)、ポリ(オキ
シカルボニルオキシ−1,4−フェニレンジフェニル−
メチレン−1,4−フェニレン)、ポリ(オキシカルボ
ニルオキシ−1,4−フェニレンエチリデン−1,4−
フェニレン)、ポリ(オキシカルボニルオキシ−1,4
−フェニレンイソブチリデン−1,4−フェニレン)、
ポリ(オキシカルボニルオキシ−1,4−フェニレンイ
ソプロピリデン−1,4−フェニレン)、ポリ(オキシ
カルボニルオキシ−1,4−フェニレン−1−メチル−
ブチリデン−1,4−フェニレン)、ポリ(オキシカル
ボニルオキシ−1,4−フェニレン−1−プロピル−ブ
チリデン−1,4−フェニレン)等のビスフェノール系
の樹脂等、上記ポリアミド系樹脂としては、ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン12等のポリアミド系樹脂
が挙げられ、使用に際しては1種若しくは2種以上を併
用して用いることができる。
重量平均分子量で1万〜100万であることが好まし
い。
(A)と組み合わせた場合に異方性のある光沢を呈する
が、本発明においては、上記樹脂(A)と上記樹脂
(B)との20℃における屈折率の差が、0.05以上
であることが望ましい。0.05未満であると、本発明
の特徴である異方性のある光沢が弱くなるので好ましく
ない。このような条件を満たす上記樹脂(A)と上記樹
脂(B)との組み合わせとしては、例えば、樹脂(A)
としてポリエチレンテレフタレート、テレフタル酸とエ
チレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノー
ルとの共重合ポリエステル等と、樹脂(B)としてポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、ポリメチルメタクリレート等との組み合わせが好
ましい。
上記樹脂(A)と上記樹脂(B)とは、それぞれ、樹脂
(A)が98〜50重量部の範囲、樹脂(B)が2〜5
0重量部の範囲の割合で配合されていることが必要であ
り、好ましくは、樹脂(A)が95〜60重量部の範
囲、樹脂(B)が5〜40重量部の範囲、さらには、樹
脂(A)90〜70重量部の範囲、樹脂(B)が10〜
30重量部の範囲の割合で配合されていることが好まし
い。上記範囲外であると、本発明の特徴である異方的な
光沢が十分発現しない。
いては、あらかじめ所望の組成で混練りした樹脂組成物
を成形機に供給するか、または、ドライブレンドした樹
脂組成物をそのまま成形機に供給して成形を行うことが
できる。
なわない範囲で、上記樹脂組成物に、顔料または染料等
の着色剤、帯電防止剤、離型剤、造核剤等の添加剤を添
加して、マトリックス相である上記樹脂(A)の相又は
分散相である上記樹脂(B)の相に存在させることもで
きる。
組成物を成形して得られる上記樹脂(A)中に上記樹脂
(B)が分散されてなるプラスチック成形体であって、
該プラスチック成形体の厚さ方向の任意の層中におい
て、特定の内部構造を有するものである。
方向の任意の層」とは、厚さ方向における任意の位置の
意であり、例えば、上記プラスチック成形体が、複数の
層を配列してなる多層体である場合にはそのうちの1つ
の層等、単一の層からなる場合にはその厚さ方向におけ
る1部分等である。
特定の内部構造とは、樹脂(B)が下記の式及び式
を満足する略棒状の形状を有しており、上記プラスチッ
ク成形体の外表面に対し平行に且つ成形時における樹脂
組成物の流動方向に配向している構造である。 1≦P/Q≦10 式 (P+Q)/L≦0.5 式 L、P及びQは、それぞれ前述した通りである(以下、
同じ)。
の範囲外であると、十分な光沢の異方性が得られず、本
発明の特徴的な光沢感に乏しいものとなる。
面」とは、成形体の外部から認識できる表面である。ま
た、上記「成形時における樹脂組成物の流動方向に配向
する」とは、溶融成形時における樹脂の流動の方向に、
略棒状の樹脂(B)が配向している状態であれば良いこ
とを意味しており、必ずしも全ての略棒状の樹脂(B)
が1方向に配向している必要はない。例えば、略棒状の
樹脂(B)がある1点から放射状に配向していてもよ
く、また、略棒状の樹脂(B)が1方向に配向した小さ
な領域が多数隣合っており、その各々が任意の方向に配
向していてもよく、これらの場合には、全ての略棒状の
樹脂(B)が1方向に配向した場合とは異なる特徴的な
光沢感を与えることができる。
体は、上記樹脂(B)が配向した方向とそれと90°を
なす方向とで光の反射の仕方が大きく異なるため、プラ
スチック成形体表面への光源の映り込みを中心に略棒状
の樹脂(B)の配向方向と90°をなす両方向に伸びる
光の筋が見られる。即ち、略棒状の樹脂(B)の配向方
向には反射光の広がりは小さく、それと90°をなす方
向には広い角度範囲にわたって相対的に非常に強い反射
光をもたらすことが本発明者らの研究の結果明らかにな
った。そのような反射光の異方性が、今までにない高級
感を持つ立体的な深みのある光沢を与えていると考えら
れる。従って、上記の内部構造を有するプラスチック成
形体は、化粧品瓶、パーソナルケア製品等の容器として
最適な高級感を持った特異な光沢を有する。
て、より強い光沢の異方性を実現するためには、樹脂
(B)の形成する棒状形状において、棒の長さLが長い
程好ましく、棒の長さ方向に垂直な断面の形状が円形に
近く長さLに対して十分小さい程好ましい。具体的に
は、下記式’及び式’を満足する形状であるのが好
ましく、更に下記式''及び式''を満足するのが好ま
しい。 1≦P/Q≦8 式’ (P+Q)/L≦0.3 式’ 1≦P/Q≦5 式'' (P+Q)/L≦0.1 式'' 上記比率を満足していれば基本的には異方的光沢を発す
るが、好ましくは略棒状の樹脂(B)の大きさである
L、P及びQの値は、Lが1μm以上、P及びQが0.
02μm以上50μm以下であることが望ましい。この
範囲を逸脱した場合には、充分な異方的光沢が得難くな
ることがあるので好ましくない。
体の厚さ方向の一部の層にあればよく、上記内部構造を
有していれば、他のプラスチック等との積層体であって
も問題なく異方的光沢を得ることができる。ただし、こ
の場合には、略棒状の樹脂(B)を有する層の外表面側
の層は、ある程度の透明性を有する必要があり、また、
外表面側の透明性を調節することにより、異方的光沢の
強さをコントロールできる。外表面側の上記層が不透明
な層であると、光沢の異方性を弱めるので好ましくな
い。
棒状、板状、シート状、フィルム状、筒状、チューブ
状、中空状のボトル等またはそれらの積層体が挙げら
れ、さらにそれらを上記内部構造を損なわない範囲で加
工したものであってもよい。
ては、光沢のやわらかさ、落ち着き有る高級感及び遮光
性をさらに高めるために、上記樹脂組成物に、さらに無
機充填剤を好ましくは0.5重量%以下、特に好ましく
は0.05〜0.3重量%含有させるのが望ましい。上
記無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、酸化
チタン、タルク、雲母等が挙げられ、該充填剤の平均粒
径は、0.02〜50μmであることが好ましい。
記異方性のある光沢が無機充填剤によるぼかし効果によ
りやわらかな光沢として得られ、また、無機充填剤の添
加量を調節することにより好みの光沢にコントロールで
きる。上記無機充填剤の含有量が、0.5重量%を超え
ると、本発明の特徴とする異方的光沢が大きく損なわれ
るので好ましくない。さらに、0.05〜0.3重量%
では、適度なぼかし効果が得られる。無機充填剤を含有
する上記プラスチック成形体は、化粧品・パーソナル用
品等の容器として好適である。
さと落ち着き有る高級感や遮光性をさらに高めるため
に、上記プラスチック成形体が、略棒状の形状を有する
上記樹脂(B)が分散されている層、即ち、上記内部構
造を有する層の内側(上記プラスチック成形体の内表面
側)に、下記式を満足する略球状の形状の上記樹脂
(B)が分散されている層、または下記式を満足する
略球状の充填剤を含む層を有するのが好ましい。 0.25≦Q’/L’ 式 ここで、L’及びQ’は、上記樹脂(B)又は充填剤が
形成する形状の大きさを示し、それぞれ以下の値であ
る。 L’:粒子の伸長方向の平均長さ(μm) Q’:粒子の伸長方向に対し垂直な断面を楕円と近似し
た場合の平均短径(μm)
ウム、酸化チタン、タルク、雲母等の無機充填剤、また
は熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂からなる有機充填剤等が
好ましく挙げられる。また、この際の充填剤の使用量
は、1〜50重量%であることが好ましく、L’及び
Q’の値は、共に0.02〜50μmであることが好ま
しい。
ている層又は略球状の充填剤を含む層(以下、「略球状
粒子を含む層」と称す)は、層中に略球状樹脂(B)又
は充填剤(以下、「略球状粒子」と称す)を含んでいる
ので、反射光のなかに拡散光成分(例えば、チョークの
表面反射光)を増加させ、光沢にやわらかさと落ち着
き、さらには遮光性を向上させる。この場合、光を拡散
させる効果(光を等方的に反射させる効果)を有する上
記略球状粒子が上記内部構造を有する層の外表面側に多
く存在すると、異方的な光沢が得難くなるので、上記内
部構造を有する層の外表面側に、上記略球状粒子を含む
層を有するのは好ましくない。上述の略球状粒子が、上
記内部構造を有する層の内表面側にあることにより、外
表面側の略棒状の樹脂(B)のもたらす異方的な反射光
を遮ることなく、拡散光がバックグラウンド的に単純に
増加し、深い光沢にさらに落ち着きが与えられる。ま
た、本発明のプラスチック成形体においては、光沢のや
わらかさと落ち着き有る高級感をさらに高めるために、
上記プラスチック成形体が、該成形体の表面にしぼ加工
が施されていることが好ましい。この場合には、該プラ
スチック成形体の表面の凹凸により反射光のなかの表面
反射光成分を散乱させ、落ち着きのある光沢として得ら
れる。ここで、しぼ加工とは、ブロー或いは射出金型表
面をサンドブラスト法等によって凹凸をつけたもので成
形したものが挙げられる。
形体と、上述の略球状粒子を含む層を有するプラスチッ
ク成形体との違いは、前者では光沢の異方性を弱めるこ
とによりやわらかさを与え、後者では光沢の異方性は弱
めずにやわらかさを与える、という点にあり、実際に成
形された成形体の光沢感は互いに質感の異なるものとな
る。
衝撃性とを両立させるために、上記プラスチック成形体
の一部において、少なくとも該プラスチック成形体の外
表面近傍の層中における上記樹脂(B)が、下記式及
び式を満足するか又は下記式及び式を満足する形
状であるのが好ましい。 10≦P/Q≦20 式 0.1≦(P+Q)/L≦2 式 1≦P/Q≦10 式 0.3≦(P+Q)/L≦2 式 ここで、L、P、Qの値は、共に50μm以下であるこ
とが好ましい。
構造を有することにより、優れた異方的光沢をもたらす
が、上記内部構造が特に上記プラスチック成形体の表面
付近の層中に存在すると、落下強度等に対する耐衝撃性
が不十分となる場合がある。これは、マトリックス相と
分散相との界面破壊が分散相である樹脂(B)間を伝播
し易くなることに起因するものと思われる。そのような
問題は、特に上記樹脂(A)と上記樹脂(B)との界面
の接着性が弱い場合や、プラスチック成形体が構造上衝
撃に弱い場合に顕著に現れる。
から球状にすれば向上するが、球状とすると、異方的光
沢は不十分なものとなる。しかし、上記内部構造、及び
上記式及び式又は上記式及び式を満足する形状
の樹脂(B)を有する構造を、プラスチック成形体の異
なる部位に、別々に配することにより、光沢と耐衝撃性
の両方を十分に満足させることができる。
層中には、上記内部構造を配し、落下等の衝撃によりプ
ラスチック成形体が破損する起点となりやすい部分の表
面近傍の層中には、上記式及び式又は上記式及び
式を満足する形状の樹脂(B)を有する構造を配する
ことにより、光沢と耐衝撃性とが十分に満足されたプラ
スチック成形体が得られる。
足する形状を有する樹脂(B)を含有しない場合には、
落下等の衝撃を受けることによってプラスチック成形体
に層状の亀裂が生じやすくなることがあるので、用途
上、耐衝撃性を必要とするプラスチック成形体において
は好ましくない。
形状の樹脂(B)を有する構造とは、それぞれ、必要と
される異なる部位に配されていればよく、その他の部分
の表面近傍の層における上記樹脂(B)の形状が、上記
式及び式または式及び式を満足するものでなく
てもよい。
沢に更に特殊な模様状の光沢を付与するために、上記プ
ラスチック成形体において、その外表面が、それぞれに
直交する3軸の方向から投影あるいは透視した平面に表
される形状のうち、少なくとも2平面に表される形状と
して曲線部を有し、且つ該曲線部が10mm乃至300
mmの半径を持つ3次曲面部を有するのが好ましい。こ
こで、上記3次曲面とは、ラベル等の平面状のフィルム
が均一にその表面に貼れないような曲面をいう。
ラスチック成形体への光源の映り込みの両側には光の筋
が伸びて見えるが、上記範囲の3次曲面部分に上記内部
構造を設けると、更にこれまでにない非常に不思議な幾
何学模様を呈する。
に、光源の反射像を中心にして一つの丸い輪または円弧
のようなパール光沢の反射模様が呈される。また、複数
光源下においては該3次曲面上にパール光沢の丸い輪が
幾重にも重なり、交錯したようなモアレ模様状の幾何学
模様が現れる。
関係している。即ち、上記樹脂(B)が略棒状の形状で
あり、反射光が1方向に広がる異方性を呈することが、
ゆるやかな3次曲面上では複数の光の反射光の模様が交
錯して現れて、幾重にも重なったような網目状の幾何学
的な模様になるものと推測される。この場合、どの角度
から見ても該3次曲面上には同様な幾何学的模様を呈す
るが、見る方向を移動するにつれてその模様が移動して
網目の絡み位置が変わって微妙な外観の変化を示し、特
異な立体感を与えるような不思議な光沢感覚を与える。
更に、上記網目の間隔は、上記3次曲面の曲率によって
変化し、曲率が小さい場合、即ち、曲面の半径が大きい
場合には、網目は太く、間隔は大きくなり、逆に曲率が
大きい場合、即ち、曲面の半径が小さい場合には、網目
は細く、間隔も短い、細かい模様となる。
00mmを超えると、模様の間隔が大きくなり過ぎて、
2次曲面の光沢と差が無くなり、モアレ模様を形成せ
ず、曲率半径が10mm未満であると、網目模様の間隔
も小さくなり過ぎ、細かすぎてその模様が判別しづらく
なるため、モアレ模様を呈しないので好ましくない。
を、下記式もしくは下記式及び下記式を満足す
る、上記樹脂(A)及び上記樹脂(B)との組み合わせ
とするのが、上記内部構造を得る上で好ましい。 ηB /ηA <0.5 式 EA <EB 式 ここで、ηA 、ηB 、EA 及びEB は、それぞれ前述の
とおりである。
に樹脂(B)が効果的に棒状に変形するための条件であ
り、上記式は、形成された棒状の樹脂(B)がブロー
または延伸時にさらに大きな変形を受けないための条件
である。この条件を満たす樹脂の組み合わせにより、効
果的に略棒状の樹脂(B)の配向した内部構造を有する
プラスチック成形体を、より効果的に得ることができ
る。
が、球状もしくは板状の形状となりやすくなり、得られ
るプラスチック成形体の光沢が不透明で何ら特徴のない
光沢や金属的な高級感に乏しい光沢となるので好ましく
ない。
の説明>次に、本発明のプラスチック成形体の成形方法
について詳述する。本発明のプラスチック成形体を成形
するには、所望のプラスチック成形体の形態に適した成
形法を用いる必要がある。即ち、所望の形態に応じて、
射出成形もしくは押し出し成形法、ブロー成形法等の成
形法を適宜、適用する。
し成形法によって成形する場合には、射出もしくは押し
出し成形時において、上記樹脂(A)の溶融粘度ηA と
上記樹脂(B)の溶融粘度ηB との間にηB /ηA <
0.5の関係が成り立つよう樹脂温度及び剪断速度を制
御する。
形時における樹脂の温度で、通常、180〜330℃の
範囲である。また、上記剪断速度は、射出ゲートもしく
は押し出しダイスリットにおける剪断速度である。
度とを制御することにより、得られるプラスチック成形
体の任意の層中において、上記式及び式を満足する
略棒状の樹脂(B)が、成形時における樹脂組成物の流
動方向に配向したプラスチック成形体が得られる。ηB
/ηA ≧0.5であると、樹脂(B)の形状が、上記式
及び式を満たす略棒状の形状でなく、球状に近いも
のとなり、異方的な光沢が十分に得られない。
樹脂組成物を延伸する工程を含み、且つ該延伸を行う場
合に、上記樹脂(A)の弾性率EA と上記樹脂(B)の
弾性率EB の間にEA <EB の関係が成り立つように樹
脂温度を制御することもできる。
り、射出成形もしくは押し出し成形において形成された
略棒状の樹脂(B)は幅方向には余り延伸されず、配向
した棒状の形状が保持される。EA ≧EB の場合には、
延伸前に形成された棒状の形状が平板状になり金属的光
沢を呈したり、略棒状の樹脂(B)のアスペクト比が小
さくなるなどして異方的光沢の劣ったものとなりやす
い。
組成物の流動方向とは異なる方向へ延伸する工程であ
る。樹脂組成物の流動方向と同方向への延伸を行う場合
には、上記弾性率の条件が満たされていなくても異方的
光沢は損なわれない。また、上記延伸とは、分子配向効
果のあるものでも無いものでもよく、延伸工程は、射出
もしくは押し出し成形の直後にあっても、冷却された射
出もしくは押し出しプラスチック成形体を再加熱した後
行ってもよい。また、延伸温度は通常、80〜250℃
の範囲である。
は、具体的には、射出成形、共射出成形(サンドイッチ
成形、2色成形等)、インフーション法もしくはTダイ
法等の押し出し成形または共押し出し成形、ラミネート
成形、パイプ成形等が挙げられ、さらにそれらの成形方
法に延伸工程を加えることもできる。さらに、上記成形
を行った後、上記内部構造を損なわない範囲で加工する
こともできる。
得られるプラスチック成形体の形態としては、単層もし
くは多層の棒状、板状、シート状、フィルム状、パイプ
状、チューブ状、カップ状、袋状等が挙げられる。
ラスチック成形体をブロー成形によって、成形する場合
には、パリソン成形時における上記樹脂(A)の溶融粘
度ηA と上記樹脂(B)の溶融粘度ηB との間にηB /
ηA <0.5の関係が成り立つように樹脂温度と剪断速
度を制御し、且つブロー時の上記樹脂(A)の弾性率E
A と上記樹脂(B)の弾性率EB の間にEA <EB の関
係が成り立つようにパリソン温度を制御する。
または押し出しブロー成形が好ましく、射出ブロー成形
法としてはホットパリソン法でもコールドパリソン法で
もよく、いずれも分子配向効果のあるものでも無いもの
でもよい。また、共射出もしくは共押し出しを用いた多
層成形でも構わない。
成形する場合には、まず、第一に射出もしくは押し出し
によりパリソン(以下、射出成形により得られるパリソ
ンを「射出パリソン」と称し、押し出し成形により得ら
れるパリソンを「押し出しパリソン」と称す。また、そ
の両方を含む場合には、単に、「パリソン」と称す
る。)を形成するが、最終的に得られるプラスチック成
形体が異方的光沢を有するためには、該パリソン中に上
記式及び式を満たす略棒状の樹脂(B)が上述のよ
うに配向された層を有する必要がある。
を形成するためには、パリソン成形時(通常180〜3
30℃)における樹脂(A)の溶融粘度ηA と樹脂
(B)のηB の間にηB /ηA <0.5の関係の成り立
つことが必要である。ηB /ηA≧0.5であると、樹
脂(B)の形状が、上記式及び式を満たす略棒状の
形状でなく、球状に近いものになり、異方的な光沢が十
分に得られない。
ン温度(通常80〜250℃)での樹脂(A)の弾性率
EA と樹脂(B)の弾性率EB との間に、EA <EB の
関係が成り立つことが必要である。これによって、ブロ
ー成型時には、パリソン中に分散している略棒状の樹脂
(B)も延伸の力を受けるが、ブロー成形温度において
EA <EB の関係があれば略棒状の樹脂(B)は幅方向
には余り延伸されず、配向した棒状の形状が保持され
る。EA ≧EB の場合には、ブロー前に形成された棒状
の形状が平板状になり金属的光沢を呈したり、略棒状の
樹脂(B)のアスペクト比が小さくなるなどして異方的
光沢の劣ったものとなりやすい。上記ブロー成形法によ
り得られるプラスチック成形体の形態としては、中空状
のボトル等の容器等が得られる。
成形法により得られるボトルなどのプラスチック成形体
は、優れた異方的光沢を有するものの、上述の内部構造
を表面付近に有すると、耐衝撃性に劣る場合がある。
た異方的光沢を与える構造を、また、耐衝撃強度を必要
とする部位には、高い耐衝撃強度を与える構造をそれぞ
れ付与して、優れた異方的光沢と高い衝撃強度とを同時
に満足するプラスチック成形体を得るために、以下に示
す成形方法を採用する。
て、プラスチック成形体を成形する成形方法であって、
パリソン成形時におけるゲート部での剪断速度を、特定
範囲内で選択された剪断速度を境とした高剪断側の剪断
速度と低剪断側の剪断速度との少なくとも2段階の剪断
速度に切り換えて、パリソン成形を行うとともに、少な
くとも該高剪断側の剪断速度における上記樹脂(A)と
上記樹脂(B)との間に特定の関係が成り立つように射
出を行い、且つブロー時の上記樹脂(A)と上記樹脂
(B)との間に特定の関係が成り立つようにパリソン温
度を制御する。
を同時に満足するプラスチック成形体を得るには、射出
ブロー成形法を用いる必要がある。
囲内とは、6.0×103 〜9.0×103 (se
c-1)の範囲である。上記範囲外の場合には、異方的光
沢または耐衝撃強度のいずれかが不十分なものとなる。
上記高剪断側剪断速度とは、境とした剪断速度よりも高
い剪断速度であり、光沢を必要とする部位を射出成形す
る際に採用する剪断速度である。一方、上記低剪断側剪
断速度とは、境とした剪断速度よりも低い剪断速度であ
り、衝撃強度を必要とする部位を射出成形する際に採用
する剪断速度である。
において成り立つ上記樹脂(A)と上記樹脂(B)との
間の特定の関係とは、その時の樹脂温度および剪断速度
において樹脂(A)の溶融粘度ηA と樹脂(B)の溶融
粘度ηB の間にηB /ηA <0.5の関係が成り立つこ
とである。ηB /ηA ≧0.5であると、樹脂(B)の
形状を棒状とするのが非常に困難になる。また、低剪断
側の剪断速度が6.0×103 (sec-1)以上である
場合には、その時の樹脂温度および剪断速度において樹
脂(A)の溶融粘度ηA と樹脂(B)の溶融粘度ηB の
間にηB /ηA <0.5の関係を成り立たせることが好
ましい。この場合には、耐衝撃性に加えて、ある程度の
異方的光沢を付与することができる。
ど優れた異方的光沢を成形体に付与することができる
が、その上限としては、好ましくは1×107 (sec
-1)であり、特に好ましくは1×106 (sec-1)で
ある。また、耐衝撃性を必要とする部位に相当する部分
の射出時の剪断速度、即ち、低剪断側の剪断速度を低く
するために、余りにゆっくりと射出を行うと、慎重な温
度コントロールを行ってもブロー成形が困難になるの
で、その下限を、成形機、射出パリソン金型、樹脂等に
よって異なるが、1×102 (sec-1)とするのが好
ましい。
次式によって与えられる。 S=(4V/π・t・r3 )〔ここで、V(mm3 )は
樹脂の流量、t(sec)はVの樹脂を射出するのに要
した時間、r(mm)はゲートの半径である。〕。ま
た、一回の射出が剪断速度の異なる幾つかのパートから
成るときは、各パートにおける樹脂流量とそれに要した
時間から剪断速度を求めることが必要である。
パリソンを成形する方法としては、樹脂流量を逐次変化
させて剪断速度を変える方法が挙げられる。また、射出
の際のゲートが複数ある場合には、樹脂が流れる各流路
毎に適切な形状にする方法や、複数の射出機を用いる方
法等が挙げられる。
脂(B)との間の特定の関係とは、樹脂(A)の弾性率
EA と樹脂(B)の弾性率EB との間に、EA <EB の
関係が成立することである。これによって、射出パリソ
ンの光沢を必要とする部位に分散している略棒状の樹脂
(B)がその幅方向には余り延伸されず、配向した棒状
の形状が保持される。EA ≧EB の場合には、ブロー延
伸前に形成された棒状の樹脂(B)が平板状になり金属
的光沢を呈したり、略棒状の樹脂(B)のアスペクト比
が小さくなるなどして異方的光沢の劣ったものとなりや
すい。
て、略棒状粒子を有する層の内側に略球状粒子を有する
層を形成する方法として、以下の2つの方法が挙げられ
る。第1の方法は、延伸工程の無い射出成形または押し
出し成形による成形体の肉厚が1mm以上である場合、
もしくは射出成形または押し出し成形による延伸工程前
の前駆体またはブロー成形におけるパリソンの肉厚が1
mm以上の場合である。この条件で得られる成形体に
は、多層成形などの特別な成形方法を用いなくても、樹
脂(B)からなる略球状粒子の分散する層が得られる。
1mm以下の肉厚では略球状粒子の形成が困難になる。
第2の方法として、共射出、共押し出しまたはラミネー
ト成形などの多層成形法を用いることにより、略棒状の
樹脂(B)が分散されてなる層と略球状粒子の分散した
層を有する多層成形体を得ることができる。
において、成形機中で可塑化された状態での成形直前の
樹脂組成物における樹脂(B)の平均分散粒子径は、
0.1μm以上であることが好ましい。
する場合には、成形機等で可塑化された状態の成形直前
の樹脂組成物中における上記樹脂(B)の平均分散粒子
径は、0.1μm以上10μm未満、好ましくは0.1
μm以上5μm未満、さらに好ましくは0.1μm以上
2μm未満であることが好ましい。0.1μm未満では
略棒状粒子の形成が困難であり、10μmを上回ると、
射出もしくは押し出し成形により形成される棒状の樹脂
(B)において、その長さ方向と90°をなす断面の面
積が大きくなる傾向にある。樹脂(B)が、このような
形状となると、弾性率が上記の条件を満たしていても、
延伸もしくはブロー成形によって、棒状の樹脂(B)が
平板状に引き延ばされる。その結果、得られるプラスチ
ック成形体が、金属調の光沢を呈しやすく、本発明の異
方的な光沢を得難くなるので好ましくない。延伸工程ま
たはブローを有しない成形方法により成形する場合に
は、10μmを超えた場合でも本発明の異方的な光沢を
得る点において何ら問題はない。
ような、一般に優れた外観を必要とし販売促進効果を必
要とするもの、またはそれらを収納する容器として好適
である。例えば、ヘアーブラシ、櫛、歯ブラシのハンド
ル等の成形体;歯磨き粉、洗顔クリーム等のペースト状
内容物の押し出しチューブ容器;包装紙、リボン、粉
状、液状若しくはペースト状内容物等を収納するピロー
包装、又はスタンディングパウチ用のフィルム;モイス
チャーローション、マッサージローション、スキンロー
ション、クレンジングローション、エモリエントローシ
ョン若しくはベビーオイル等の各種スキンローション、
化粧下クリーム、バニシングクリーム若しくはエモリエ
ントクリーム等各種スキンクリーム、リキッドファンデ
ーション若しくはクリーミーファンデーション等各種フ
ェイスケア、スキンケア、ボディケア、メーキャップ化
粧品、シャンプー、リンス、ヘアコンディショナー、ボ
ディケア、ハンドケア用品、液体衣料用洗剤、かびとり
剤、ガラスクリーナー、漂白剤、柔軟剤、のり剤、食器
用洗剤、クレンザー、各種住居用洗剤、その他食料品、
又は医薬品等を収納するボトル等の中空容器等である。
本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではな
い。
いて、下記の成形方法、成形体形状等により、テスト例
1〜30のプラスチック成形体をそれぞれ得た。また、
この際、使用した樹脂のリストを〔表4〕に示す。な
お、樹脂組成物は、2軸混練り機にて〔表1〕〜〔表
3〕に示す各組成の樹脂組成物を調整した後、ペレット
化して得たペレットを用いた。混練り条件は、シリンダ
ー温度約280℃で行った。
組成物を樹脂温度280℃で射出成形機(日本製鋼所
(株)J75E−D)により板状の成形体を成形した。
得られた成形体の形状は、長さ12cm、幅4cm、厚
さ3mmであった。
組成物をフィルム成形機((株)東洋精機製作所製ラボ
プラストミル(30C150)に2軸押し出し機(2D
25S)とTダイ(T120C)を取り付けて使用)を
用い、〔表1〕に示す各樹脂温度にてフィルム成形を行
い、厚さ0.06〜0.08mmのフィルム状成形体を
得た。
の外層と、PETGに酸化チタンを添加した内層との2
層からなる、外径約35mm、厚さ約0.4mmのチュ
ーブ状成形体を、チューブ成形機((株)マックインタ
ーナショナルアソシエイツ、押出機MAC−EX38−
24−2、押し出しヘッドMAC−5S−M−80)に
より成形した。なお、外層と内層の厚さの比は約1:1
である。
にそれぞれ示す各樹脂組成物を用いて、射出ブロー成形
機(日精ASB(株)製ASB50MH、ホットパリソ
ン法)により樹脂温度280℃で有底パリソンを成形し
た後、各温度でブロー成形を行いボトル状成形体を得
た。この成形機における成形のプロセスは、射出成形
ステージ(パリソンの射出成形)、温調ステージ(パ
リソン温度調整)、ストレッチ・ブローステージ(ボ
トル形状へのブロー成形)、取り出しステージの順で
行った。得られたボトルの形状は、ボトルI、ボトルI
I、ボトルIII の3種類であり、ボトルIは図1に、ボ
トルIIは図2に、ボトルIII は図3に、それぞれ示す。
で用いたものと同じ射出ブロー成形機を用い、〔表3〕
に示す樹脂組成物を〔表3〕に示す構成で2種3層の多
層ボトル成形を行った。外層、中間層、内層の厚さの比
は、テスト例28では約1.5:7:1.5、テスト例
29では約4:2:4となるように調製した。
物を用い、押し出しブロー成形機(ベクム社製BMO4
D)により押し出し時の樹脂温度を220℃、2次ブロ
ー時の樹脂温度100℃でボトル成形を行い、ボトル状
の成形体を得た。 <テスト例31>(表1)に示すテスト例9と同じ樹脂
組成物を、同じ射出ブロー成形機を用い、同様の成形を
行った。但し、ブロー金型は粒度#80のサンドブラス
ト加工を施してあるものを用いた。
強さは、それぞれ以下の方法で測定した。その結果を
〔表1〕〜〔表3〕に示す。
った。〔表4〕に示すPET、LDPE及びPMM
Aを用いた測定例の結果をを図4に示す。 測定装置:東洋精機製作所 キャピログラフ1B 測定温度:射出もしくは押出し時の樹脂温度 剪断速度:成形時の剪断速度
条件で測定した。 動的固体粘弾性測定装置:レオメトリックス社 RSA
2 測定温度:延伸またはブロー成型時の樹脂温度 振動数:1Hz (b)溶融領域(ガラス転移温度以上) 動的溶融粘弾性測定装置:レオメトリックス社 RDS
7700 測定温度:延伸またはブロー成型時の樹脂温度 角速度:0.1rad/sec
樹脂が結晶化状態(固体)であるか、非晶状態(溶融
体)であるかによって、大きく弾性率が異なり、成形体
内部の分散構造を左右する。即ち、融点が延伸またはブ
ロー温度付近にある結晶性樹脂(例えば、オレフィン系
樹脂等)の場合には、通常の動的固体粘弾性測定法で
は、結晶化の影響による弾性率の増加が生じ、実際の成
形時における樹脂の示す弾性率よりも大きい値を示す。
結晶化の測定結果と動的溶融粘弾性測定の値とを合わせ
て弾性率を推定した。実際、この推定値を弾性率として
成形に応用することには、何ら支障がない。なお、DS
C測定と延伸またはブロー温度との関係のモデルケース
として、ポリプロピレン樹脂の温度とDSC測定値との
関係を示すグラフを図5に示す。また、図5で用いたも
のと同様のポリプロピレン樹脂における動的固体粘弾性
測定、動的溶融粘弾性測定及びDSC測定結果からの、
各延伸またはブロー温度における弾性率を推定するため
のグラフを図6に示す。
う成形法、ホットパリソン法の射出ブロー成形の成形
法、または押し出しブロー成形法の場合 上述の成形法の場合、樹脂は完全溶融状態から延伸また
はブロー直前まで冷却される。従って、DSC測定は、
試料をセットした後、融点以上の溶融状態から50℃/
minの降温速度で樹脂を冷却して測定を行った。
温度よりも低温側に存在する場合(延伸またはブロー温
度が、図5におけるAである場合)には、前駆体または
パリソンは、延伸またはブロー時においては非晶状態で
あると考えられるので、溶融粘弾性測定の結果を3倍
(3倍則:E* =3G* による、ここで、E* は伸長測
定による複素弾性率、G* はずり測定による複素弾性率
である)し、延伸またはブロー温度まで外挿した値を弾
性率とした(図6における延伸またはブロー温度Aから
の弾性率A)。
度よりもやや高いところにあるかもしくは重なる場合
(延伸またはブロー温度が、図5におけるBである場
合)には、成形時には結晶化が進み、弾性率が高くなる
と考えられるので、弾性率は動的固体粘弾性測定によっ
て得られる値とした(図6における延伸またはブロー温
度Bからの弾性率B)。
温度よりも十分高い場合(例えば、ポリエステル系樹脂
等)には、非晶状態の固体状試料を用いて、動的固体粘
弾性測定装置により、非晶性樹脂の場合(1.)と同様
の条件で測定を行った。
温度と弾性率との関係を図7に示す。なお、約110℃
以上の弾性率は、図7の点線上にあるとして求めること
になる。
駆体を再加熱して延伸を行う成形法、またはコールドパ
リソン法の射出ブロー成形法の場合 上述の成形法の場合、室温まで冷却された前駆体または
パリソンを、再度延伸またはブロー温度まで加熱するの
で、延伸またはブロー温度が溶融温度以下である場合に
は結晶化が進行する。そのため弾性率は、動的固体粘弾
性測定の値とする(測定条件は非晶性樹脂の場合の
(a)と同様)。延伸またはブロー温度が溶融温度以上
である場合には、結晶化は生じないので、弾性率は、動
的溶融粘弾性測定の値とする(測定条件は非晶性樹脂の
場合の(b)と同様)。
いかなる成形法を採用する場合においても、延伸または
ブロー温度における結晶化の有無を十分検討する必要が
ある。
性が生じる原理について説明する。図15は、テスト例
9で得られた本発明のプラスチック成形体と、テスト例
26で得られた従来のプラスチック成形体とを比較対比
して示す概略斜視図である。図15において、Aは、本
発明のプラスチック成形体であり、Bは、従来のプラス
チック成形体である。図8は、図15に示す本発明のプ
ラスチック成形体を切断した切断片を示す拡大模式図で
あり、図8(a)は、その斜視図である。図8(a)に
示すように、本発明のプラスチック成形体においては、
マトリックス中に棒状の樹脂が一方向に配向して分散さ
れた構造を有している。また、図15に示す本発明のプ
ラスチック成形体において、図8(a)に示す構造に対
応する構造の断面の透過型電子顕微鏡写真を図9及び図
10に示す。 図8(a)に示す構造を有する成形体
に、光が入射し、反射される様子を2つの場合に分けて
考える。棒状の樹脂の長さ方向における光の入射、反射
を考えると(図8(b)参照)、マトリックス相/分散
相の界面は成形体の外表面に常に平行であるため、内部
に透過した光は表面に対して入射角=反射角の条件を満
たす方向のみに反射される。一方、棒の長さ方向に垂直
な方向について考えた場合には(図8(c)参照)、マ
トリックス相/分散相界面は表面に対しあらゆる角度を
とるために、内部に透過した光は様々な方向に反射され
ることになる。これにより、光沢の異方性が生じる。
体の内部構造は、図11、12の透過型電子顕微鏡写真
に示されるように、異方性の無い板状の粒子が分散した
構造しか有していない。
件で測定を行った。 測定装置:村上色彩科学研究所 変角分光測色機GCM
S−3 入射角 :45° 受光角 :−15°〜75° 測定間隔:5° 測定方向:成形体の樹脂流動方向および樹脂流動方
向に対し90°をなす方向
示す。反射光強度は、リファレンス(硫酸バリウム板)
からの反射光強度を100とした場合の相対値として得
られる。図13は、テスト例26で得られた、金属調の
光沢を有する従来の成形体の各方向における測定結果を
示すグラフである。図13から明らかなように、金属調
の光沢に特有の富士山型の反射光分布を持ち、なおかつ
異方性は非常に小さいことが判る。図14は、テスト例
9で得られた本発明のプラスチック成形体について測定
した結果を示すグラフである。図13と異なり強い異方
性を持ち、特異な反射光分布を持つことがわかる。
す値の求め方を説明する。図14のように、高い異方性
を持った成形体は、樹脂流動方向と樹脂流動方向と
90°をなす方向とで反射光強度の角度依存性が大きく
異なる。光沢の異方性を示す値Dは、両方向の反射強度
の差を−15°から40°まで積分した値で定義した
(図14における斜線部の面積)。この場合、値Dが大
きな程、高い光沢の異方性を有していることを意味す
る。上記値Dにより、光沢の異方性の程度を比較した。
よる光沢の異方性」とは、異方性を有する光沢の有無を
目視により判断した結果であり、各記号は以下に示す通
りである。 ◎:非常に優れた異方性を有する光沢を呈している ○:優れた異方性を有する光沢を呈している ×:異方性を有する優れた光沢を呈さない
樹脂組成物の流動方向及び該流動方向と90°をなす方
向の各断面の超薄切片を、ミクロトームによって作成、
染色した後、透過型電子顕微鏡を用いることにより行っ
た。分散されている樹脂のL、P及びQの値は以下の方
法で求めた。 (1) 樹脂のL、P及びQの値の平均を計算する(但
し、それぞれの大きさが0.02μm未満であるものを
除く。)。 (2) (1)の平均値以上のものについて再度平均を
とる〔なぜなら(1)の平均値よりも小さなものは分散
されている樹脂のごく一部の断面しか現れていないと見
なしたからである。〕。
9について、受光角─15°における反射強度を測定し
た。その結果を〔表5〕に示す。また、テスト例12,
13,9,14及び15について、成形体の底部におけ
る分散されている樹脂の形状及び落下強度を測定した。
その結果を〔表6〕及び〔表7〕に示す。なお、受光角
─15°における反射強度及び落下強度は、それぞれ以
下に示す方法により測定した。
6は、テスト例5で得られた、上記内部構造をプラスチ
ック成形体の厚さ方向全体にわたって有する、異方的光
沢を示すフィルム状成形体の光沢測定結果を示すグラフ
であり、図17は、テスト例8で得られた、上記内部構
造を有する層の内表面側に球状の粒子状酸化チタンが分
散した層を有するチューブ状成形体の光沢測定結果を示
すグラフである。
することにより、正反射角(この場合45°)から離れ
た角度(例えば、図16及び図17における、受角−1
5〜20°程度の領域)で特に樹脂流動方向の光の反射
強度が相対的に強くなることが判る。正反射角から離れ
た角度領域での反射光強度が大きいほど、光沢のやわら
かさも増すという相関があることから、以下光沢のやわ
らかさの指標として、樹脂流動方向の測定結果における
受光角−15°での反射強度を用いた。なお、反射強度
の測定は、光沢の異方性を数値化するための測定と同様
の条件にて行った。
と最初に接触する部分は底部であるため、底部には衝撃
強度の高い内部構造を形成し、底部を除く部分には異方
的な光沢を与える内部構造を形成することが光沢と強度
とを両立させる望ましい一つの方法と言える。本実施例
で用いた成形方法では、有底パリソンの射出成形におけ
るゲートの位置はパリソン底部にあるために、射出によ
る樹脂の充填はボトルの底部に相当するパリソン底部か
ら始まりボトル最上部の口部に相当する部分で終了する
ことになる。従って、上記内部構造を得るために、射出
の前半で希望のボトル底部に相当する分の樹脂を、境界
として選択した剪断速度の低剪断側で射出充填し、後半
で残りの樹脂を高剪断側で射出充填を行った。〔表6〕
には、射出の前半、後半それぞれにおいて充填した樹脂
量の全樹脂量に対する割合と、その充填に要した時間及
びその時のゲート部における剪断速度、またボトル底部
の表面近傍における分散されている樹脂形状を示す。こ
こで、光沢を必要とするボトル胴部の表面近傍における
分散されている樹脂形状は〔表1〕〜〔表3〕に示して
ある。なお、〔表6〕において射出前半にしか数値を記
入していないものは、樹脂の全量をその条件で一度に射
出したことを示している。
ンは、長さ約130mm、断面が円形で胴部中央の外径
約28mm、樹脂の占める体積が35.3cm3 である
有底の円筒形状のものであり、パリソンの射出成形にお
けるゲートの直径は2.0mmである。
25%、光沢部として75%の樹脂を充填するよう設定
した。この場合、ボトルの底からおおよそ20mmまで
の部分が前半の射出によって形成されることとなる。
〔表1〕〜〔表3〕に示す分散されている樹脂形状の測
定値は、異方的光沢を要する部分としてボトルの底から
100mmの高さの胴部から断片を切りだして行った。
一方、〔表6〕に示す分散されている樹脂形状の測定値
は、衝撃強度の必要な部分としてボトルの底から10m
mの高さの底部から断片を切りだし、ボトル表面から厚
さ方向に向かい20μmから30μmまでの10μmを
有する表面近傍の層中において測定を行った結果であ
る。
入れキャップをしたボトルを5℃の恒温室に24時間保
存した後、1mの高さから平滑なコンクリートの床上に
自由落下させて、最高10回までの何回目で割れるかを
各条件につき10本づつ行った。結果を〔表7〕に示
す。
各テスト例で得られた成形体について、以下のことが判
った。以下、本発明の実施例A、比較例、本発明の実施
例B、本発明の実施例C、本発明の実施例D、及び本発
明の実施例Eに分けて説明する。
5未満であった。板中心部の表面から肉厚の約1/50
の位置の約10μmの厚さを有する層において、分散さ
れている樹脂形状の観察を行ったところ、〔表1〕に示
す形状の樹脂が成形時における樹脂組成物の流動方向に
配向した内部構造を有しており、該内部構造が、表面か
ら肉厚の約1/4程度の層中まで続いていた。光沢異方
性を示す値Dは十分大きく、目視による評価でも優れた
異方的光沢が認められた。
比は共に0.5未満であった。表面から肉厚の約1/3
の位置の約10μmの厚さを有する層において分散され
ている樹脂形状の観察を行ったところ、〔表1〕に示す
形状の樹脂が成形時においける樹脂組成物の流動方向に
配向した内部構造を有しており、該内部構造が成形体の
厚さ方向全体にわたり続いていた。光沢は優れた異方性
を呈しており、光沢の測定結果も異方性が大きいことを
示した。
22、25>樹脂組成物の溶融粘度比は共に0.5未満
であり、用いた各樹脂のブロー時における弾性率は、い
ずれもEA <EB であった。ボトル胴部(図1における
Cの位置)の一部を切りだして表面より肉厚の約1/1
0の位置における約10μmの厚さの層中で内部構造の
観察を行ったところ、〔表1〕〜〔表3〕に示す形状の
分散されている樹脂がボトルの縦方向に配向した内部構
造を有しており、また、該内部構造が表面から肉厚の1
/4〜1/5程度の深さまで続いていた。光沢は優れた
異方性を呈しており、光沢の測定結果も異方性が大きい
ことを示した。
から中心部に向かい約10μmの深さまでの層におい
て、内部構造の観察を行ったところ、〔表3〕に示す形
状の分散されている樹脂がボトルの高さ方向に配向した
構造を有していた。光沢は優れた異方性を呈しており、
光沢の測定結果も異方性が大きいことを示した。
は共に0.5未満であり、用いた各樹脂のブロー時にお
ける弾性率は、いずれもEA <EB であった。ボトル胴
部(図1におけるCの位置)の一部を切りだして表面よ
り肉厚の約1/10の位置を約10μmの深さで内部構
造の観察を行ったところ、〔表3〕に示す形状の分散さ
れている樹脂がボトルの縦方向に配向した内部構造を有
しており、また、該内部構造が表面から肉厚の約1/5
の深さまで続いていた。光沢は優れた異方性を呈してお
り、光沢の測定結果も異方性が大きいことを示した。
であり、テスト例1及び2と同様に分散されている樹脂
形状を観察したところ、〔表1〕に示すように本発明の
範囲外であり、同様の形状にて厚さ方向全体に分散され
ていた。光沢には異方性が認められず、光沢の測定結果
からもDの値は小さく異方的光沢が非常に弱いことが判
る。
比は2.14であり、テスト例4及び5と同様に分散さ
れている樹脂形状を観察したところ、〔表1〕に示すよ
うに本発明の範囲外であり、同様の形状にて厚さ方向全
体に分散されていた。光沢には異方性が認められず、光
沢の測定結果からもDの値は小さかった。
されている樹脂の形状を観察したところ、分散されてい
る樹脂形状は、本発明の範囲内にあるが、樹脂組成物の
組成比が99:1であるため、成形体の外観は全体に透
明に近く、異方的光沢はほとんど認められなかった。
0:60であるため、成形性が悪く、テスト例9と同様
に分散されている樹脂の形状を観察したところ、マトリ
ックス相がPMMAで分散相がPETとなり、テスト例
9の内部構造に対して逆転していることがわかった。成
形体の光沢は全体に白く不透明で、異方的光沢は全く示
さなかった。
ト例9と同様に分散されている樹脂の形状を観察したと
ころ分散されている樹脂形状は〔表3〕に示すように本
発明の範囲外であった。成形体の光沢は異方的光沢は認
められず、また、テスト例26、27では分散されてい
る樹脂が板状になり金属光沢を呈した。光沢異方性の程
度Dも、全て低い値であった。
充填剤を含む成形体の実施例) <テスト例6>表面から肉厚の約1/3の位置を約10
μmの厚さで分散されている樹脂形状の観察を行ったと
ころ、〔表1〕に示す形状の分散されている樹脂が樹脂
組成物の流動方向に配向し、且つ酸化チタン粒子が均一
に分散された内部構造を有しており、該内部構造が成形
体の厚さ方向全体にわたり続いていた。成形体の光沢
は、優れた異方的光沢を呈しながらも微妙にやわらげら
れ、落ち着いた高級感を与えるものであった。これは、
例えば、テスト例4の成形体に比して、同等の異方的光
沢を呈し、且つ該異方的光沢を和らげるものであった。
るCの位置)の一部を切りだして表面より肉厚の約1/
10の位置を約10μmの深さで内部構造の観察を行っ
たところ、〔表2〕に示す形状の分散されている樹脂が
ボトルの縦方向に配向し、且つ酸化チタン粒子が均一に
分散した内部構造を有しており、また、同様の構造が表
面から肉厚の1/4程度の深さまで続いていた。成形体
の光沢は、優れた異方的光沢を呈しながらも微妙にやわ
らげられ、落ち着いた高級感を与えるものであった。こ
れは、例えば、テスト例9の成形体に比して、同等の異
方的光沢を呈し、且つ該異方的光沢を和らげるものであ
った。
れている層の内表面側に略球状の粒子を含む層を有する
成形体 <テスト例1>成形体の厚さ方向の中心部において、分
散されている樹脂の形状の観察を行ったところ、〔表
5〕に示す略球状のPMMA粒子が分散されていた。−
15°での樹脂流動方向の反射強度も大きく、成形体の
光沢は落ち着き有る高級感を与えるものであり、テスト
例4及び5に比して、異方的光沢が和らげられていた。
ら成る外層における、表面から肉厚の約1/10の位置
での約10μmの厚さを有する層中では、〔表1〕に示
す棒状の分散されている樹脂が配向した構造を有し、一
方内層では略球状の酸化チタン粒子が分散された構造を
有していた。成形体の光沢は落ち着き有る高級感を与え
るものであり、テスト例4及び5に比して、異方的光沢
が和らげられていた。
Cの位置)の一部を切りだして、表面より肉厚の約1/
10の位置の約10μmの深さを有する層中で内部構造
を観察したところ、〔表1〕に示す形状の分散されてい
る樹脂がボトルの縦方向に配向しており、一方、厚さ方
向の中心部では〔表5〕に示す略球状のPMMAが分散
していた。成形体の光沢は落ち着き有る高級感を与える
ものであり、テスト例4及び5に比して、異方的光沢が
和らげられていた。
構造を観察したところ、〔表3〕に示す形状の棒状の分
散されている樹脂がボトルの縦方向に配向しており、一
方、その内表面側の層では、略球状の酸化チタン粒子が
分散した構造を有していた。成形体の光沢は、落ち着き
ある高級感を与えるものであり、テスト4及び5に比し
て、異方的光沢が和らげられていた。 <テスト例31>成形体表面は、サンドブラスト加工さ
れた金型の凹凸が転写されていた。また、ボトル胴部
(図1におけるCの位置)の一部を切り出して、表面よ
り肉厚の約1/10の位置の約10μmの深さを有する
層中で内部構造を観察したところ、〔表1〕に示す形状
の分散されている樹脂がボトルの縦方向に配向してあ
り、一方厚さ方向の中心部では〔表5〕に示す略球状の
PMMAが分散していた。成形体の光沢は落ち着き有る
高級感を与えるものであり、かつ表面反射光が散乱され
テスト例9に比してやわらかみのある光沢であった。目
視による光沢のやわらかさの評価は、「○〜◎」であっ
た。
とを有する成形体の実施例) <テスト例9>テスト例9で得られた成形体の形状は、
ボトル上部が半径60mmの曲率をもつ略半球状の3次
曲面A(長半径/短半径=1.2)を有し、また低部近
辺は短半径11.5mmと長半径52mmの曲率を持つ
3次曲面B(長半径/短半径=2.2)で構成されてい
る。胴部中央は半径50mmの2次曲面Cで構成されて
いる。ボトルの壁面部分A,B,C(図1参照)をそれ
ぞれ切り取り、表面より肉厚の約1/10の位置で約1
0μmの厚さを有する層中で分散されている樹脂形状を
観察したところ、平均で〔表1〕に示す形状の分散され
ている樹脂がボトルの縦方向に配向しており、本発明の
条件を満たしていた。ボトルの外観は、全体に異方性を
有するパール調光沢を示し、A部とB部では複数光源下
で幾何学模様状の異方的パール光沢を呈した。特にA部
は網目の模様の間隔が比較的大きくなり、丸い反射像が
交錯して、優れたモアレ模様状パール光沢を示した。一
方、C部の2次曲面部には、パール光沢は発現してはい
るが、A,B部のようなモアレ模様は全く現れなかっ
た。
成形体の形状は、ボトル状であり、その上部が長半径4
1mm、短半径30mmの曲率をもつ偏平球状の3次曲
面A(長半径/短半径=1.36)を有し、また下部が
半径50mmと半径40mmの曲率を持つ偏平球状の3
次曲面B(長半径/短半径=1.25)を有している。
また胴部中央は半径26mmの2次曲面Cを有してい
る。
照)をカッターで切り取り、テスト例9と同様にして内
部構造の観察を行ったところ、いずれも棒状の分散され
ている樹脂がボトルの高さ方向に配向した構造を有して
いた。この棒状構造は、A,B,Cの壁面ではあまり大
きくは変わらず、平均で〔表1〕に示す形状であり、本
発明の範囲内であった。
光沢を示したが、特にA部とB部は、モアレ模様状の網
目模様を形成し、見る方向を移動すると、模様も移動
し、特異な立体感を示した。一方、C部の2次曲面部
は、パール光沢は発現してはいるが、A,B部のような
モアレ模様は現れなかった。また、テスト例1及び8な
どの3次曲面を有しない成形体では、このようなモアレ
模様は見られなかった。
成形体のの形状は、上部の円錐台状の形状Aと、下部の
半径50mmの円筒型の形状Bからなるボトルである。
また、該ボトルの口部と円錐台部分のつなぎ目、及び円
錐台と円筒形状部分のつなぎ目は3次曲面を有する。即
ち、口部に接続する部分は、長半径48mm、短半径6
mmの3次曲面Cで構成され、また円錐台部分と円筒状
部分の接続部分は、長半径50mm、短半径8mmの3
次曲面Dで構成されているが、上述の3次曲面ではない
ので、モアレ模様状の網目模様は全く見られなかった。
3参照)をカッターで切り取り、テスト例9と同様にし
て内部構造の観察を行ったところ、いずれも棒状の分散
されている樹脂がボトルの高さ方向に配向した構造を有
していた。この棒状構造は、A,B,C,Dの壁面では
あまり大きくは変わらず、平均で〔表2〕に示す形状と
なり、本発明の条件を満たしていた。ボトルの外観は、
全体に異方性を有する異方的なパール調光沢を示した。
強度が両立した成形体) <テスト例12、13>樹脂組成物の溶融粘度比は共に
0.5未満であり、用いた各樹脂のブロー時における弾
性率は、いずれもEA <EB であった。また、パリソン
射出成形時における前半・後半それぞれのゲート部での
剪断速度も低剪断側及び高剪断側で本発明の条件をみた
すものであった。ボトル胴部の分散されている樹脂形状
を観察したところ、表面より肉厚の1/10の位置にお
ける10μmの層中では〔表2〕に示す形状を有し、同
様の構造が表面から肉厚の約1/4の厚さまで続いてい
た。一方、底部の表面近傍における分散されている樹脂
形状は〔表6〕に示す通りであった。ボトル胴部におい
て測定した光沢異方性の値Dは十分大きく、目視による
光沢の評価においても異方的光沢が十分発現していた。
また、落下試験の結果は〔表7〕に示すように十分な衝
撃強度を有しており、異方的光沢及び衝撃強度共に優れ
た成形体であった。
的光沢を有するプラスチック成形体及びその成形方法が
提供される。また、本発明によれば、きめ細かで均一な
異方的光沢にさらにやわらかな高級感が付与された光沢
を有するプラスチック成形体を提供される。さらに、本
発明によれば、きめ細かで均一な異方的光沢をより引き
出す形状を有するプラスチック成形体を提供される。さ
らにまた、本発明によれば、きめ細かで均一な異方的光
沢と高い衝撃強度とを両立させたプラスチック成形体を
提供される。
の1実施例を示す側面図であり、図1(b)は、本発明
のプラスチック成形体の1実施例を示す平面図である。
の1実施例を示す側面図であり、図2(b)は、本発明
のプラスチック成形体の1実施例を示す平面図である。
の1実施例を示す側面図であり、図3(b)は、本発明
のプラスチック成形体の1実施例を示す平面図である。
での剪断速度と、各樹脂の溶融粘度との関係を示すグラ
フである。
ン樹脂の温度とDSC測定値との関係を示すグラフであ
る。
性測定及びDSC測定結果からブロー温度でのポリプロ
ピレン樹脂の粘弾性を推定するためのグラフである。
と弾性率との関係を示すグラフである。
成形体を切断した切断片を示す拡大模式図であり、図8
(a)は、その斜視図であり、図8(b)は、図8
(a)に示す切断片の断面α側から観た棒状の形状の樹
脂(B)の長さ方向での光の入射及び反射光を示す断面
図であり、図8(c)は、図8(a)に示す切断片の断
面β側から観た棒状の形状の樹脂(B)の長さ方向に垂
直な方向での光の入射及び反射光を示す断面図である。
成形体の成形時における樹脂組成物の流動方向断面(図
8(a)における断面αに対応)の透過電子顕微鏡写真
のコピーである。
ック成形体の成形時における樹脂組成物の流動方向と9
0°をなす方向の断面(図8(a)における断面βに対
応)の透過電子顕微鏡写真のコピーである。
ク成形体の成形時における樹脂組成物の流動方向断面
(図8(a)における断面αに対応)の透過電子顕微鏡
写真のコピーである。
ク成形体の成形時における樹脂組成物の流動方向と90
°をなす方向の断面(図8(a)における断面βに対
応)の透過電子顕微鏡写真のコピーである。
プラスチック成形体の反射光強度分布を示すグラフであ
る。
ック成形体の反射光強度分布を示すグラフである。
プラスチック成形体と、テスト例26で得られた従来の
プラスチック成形体とを比較対比して示す概略斜視図で
ある。
部構造をプラスチック成形体の厚さ方向全体にわたって
有する、異方的光沢を示すフィルム状成形体の反射光強
度分布を示すグラフである。
構造を有する層の内表面側に球状の粒子状酸化チタンが
分散した層を有するチューブ状成形体の反射光強度分布
を示すグラフである
Claims (14)
- 【請求項1】 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)98〜
50重量部と、該樹脂(A)とは相溶しない樹脂(B)
2〜50重量部とからなる樹脂組成物を成形して得ら
れ、上記樹脂(A)中に上記樹脂(B)が分散されてな
るプラスチック成形体であって、該プラスチック成形体
の厚さ方向の任意の層中において、上記樹脂(B)が、
下記式及び式を満足する略棒状の形状を有してお
り、該プラスチック成形体の外表面に対し平行に且つ成
形時における樹脂組成物の流動方向に配向していること
を特徴とする光沢を有するプラスチック成形体。 1≦P/Q≦10 式 (P+Q)/L≦0.5 式 ここで、L、P及びQは、上記樹脂(B)が形成する粒
子の形状の大きさを示し、それぞれ以下の値である。 L:粒子の伸長方向の平均長さ(μm) P:粒子の伸長方向に対し垂直な断面を楕円と近似した
場合の平均長径(μm) Q:粒子の伸長方向に対し垂直な断面を楕円と近似した
場合の平均短径(μm) - 【請求項2】 上記樹脂組成物が、更に無機充填剤を
0.5重量%以下含有することを特徴とする請求項1記
載のプラスチック成形体。 - 【請求項3】 略棒状の形状を有する上記樹脂(B)が
分散されている層の内側(上記プラスチック成形体の内
表面側)に、下記式を満足する略球状の形状の上記樹
脂(B)が分散されている層、または下記式を満足す
る略球状の充填剤を含む層を有していることを特徴とす
る請求項1または2記載のプラスチック成形体。 0.25≦Q’/L’ 式 ここで、L’及びQ’は、上記樹脂(B)又は充填剤が
形成する粒子の形状の大きさを示し、それぞれ以下の値
である。 L’:粒子の伸長方向の平均長さ(μm) Q’:粒子の伸長方向に対し垂直な断面を楕円と近似し
た場合の平均短径(μm) - 【請求項4】 上記プラスチック成形体において、その
外表面が、それぞれに直交する3軸の方向から投影ある
いは透視した平面に表される形状のうち、少なくとも2
平面に表される形状として曲線部を有し、且つ該曲線部
が10mm乃至300mmの半径を持つ3次曲面部を有
することを特徴とする請求項1乃至3記載のプラスチッ
ク成形体。 - 【請求項5】 上記プラスチック成形体の一部におい
て、少なくとも該プラスチック成形体の外表面近傍の層
中における上記樹脂(B)が、下記式及び式を満足
するか又は下記式及び式を満足する形状であること
を特徴とする請求項1乃至4記載のプラスチック成形
体。 10≦P/Q≦20 式 0.1≦(P+Q)/L≦2 式 1≦P/Q≦10 式 0.3≦(P+Q)/L≦2 式 ここで、L、P及びQは、前述のとおりである。 - 【請求項6】 上記樹脂組成物が、下記式もしくは下
記式及び式を満足する上記樹脂(A)及び上記樹脂
(B)の組合せからなることを特徴とする請求項1乃至
5記載のプラスチック成形体。 ηB /ηA <0.5 式 EA <EB 式 ここで、ηA 、ηB 、EA 及びEB は、それぞれ以下に
示す値である。 ηA :射出時もしくは押出し時の樹脂温度と剪断速度に
おける上記樹脂(A)の溶融粘度 ηB :射出時もしくは押出し時の樹脂温度と剪断速度に
おける上記樹脂(B)の溶融粘度 EA :ブロー時または延伸時の樹脂温度における上記樹
脂(A)の弾性率 EB :ブロー時または延伸時の樹脂温度における上記樹
脂(B)の弾性率 - 【請求項7】 上記樹脂(A)が、主たる繰り返し単位
としてエチレンテレフタレートを有し、且つ0.65〜
1.40の固有粘度を有することを特徴とする請求項1
乃至6記載のプラスチック成形体。 - 【請求項8】 上記樹脂(B)が、ポリオレフィン系樹
脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹
脂、ポリカーボネイト系樹脂、ポリアミド系樹脂からな
る群から選択された少なくとも一つ以上の樹脂であるこ
とを特徴とする請求項1乃至7記載のプラスチック成形
体。 - 【請求項9】 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)98〜
50重量部と、該熱可塑性ポリエステル樹脂とは相溶し
ない樹脂(B)2〜50重量部とからなる樹脂組成物を
射出もしくは押し出し成形してプラスチック成形体を成
形する成形方法であって、射出もしくは押し出し成形時
において、上記樹脂(A)の溶融粘度ηAと上記樹脂
(B)の溶融粘度ηB との間にηB /ηA <0.5の関
係が成り立つように樹脂温度及び剪断速度を制御するこ
とを特徴とするプラスチック成形体の成形方法。 - 【請求項10】 更に上記樹脂組成物を延伸する工程を
含み、且つ該延伸を行う場合に、上記樹脂(A)の弾性
率EA と上記樹脂(B)の弾性率EB の間にEA <EB
の関係が成り立つように樹脂温度を制御することを特徴
とする請求項9記載のプラスチック成形体の成形方法。 - 【請求項11】 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)98
〜50重量部と、該熱可塑性ポリエステル樹脂とは相溶
しない樹脂(B)2〜50重量部とからなる樹脂組成物
をブロー成形してプラスチック成形体を成形する成形方
法であって、パリソン成形時における上記樹脂(A)の
溶融粘度ηA と上記樹脂(B)の溶融粘度ηB との間に
ηB /ηA <0.5の関係が成り立つように樹脂温度と
剪断速度を制御し、且つブロー時の上記樹脂(A)の弾
性率EA と上記樹脂(B)の弾性率EB の間にEA <E
B の関係が成り立つようにパリソン温度を制御すること
を特徴とするプラスチック成形体の成形方法。 - 【請求項12】 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)98
〜50重量部と、該熱可塑性ポリエステル樹脂とは相溶
しない樹脂(B)2〜50重量部とからなる樹脂組成物
を射出ブロー成形してプラスチック成形体を成形する成
形方法であって、パリソン成形時におけるゲート部での
剪断速度を、6.0×103 〜9.0×103 (sec
-1)の範囲内で選択された剪断速度を境とした高剪断側
及び低剪断側の少なくとも2段階の剪断速度に切り換え
て、少なくとも上記高剪断側の剪断速度における上記樹
脂(A)の溶融粘度ηA と上記樹脂(B)の溶融粘度η
B との間にηB /ηA <0.5の関係が成り立つように
樹脂温度及び剪断速度を制御して射出によりパリソン成
形を行い、且つブロー時の上記樹脂(A)の弾性率EA
と上記樹脂(B)の弾性率EB との間にEA <EB の関
係が成り立つようにパリソン温度を制御することを特徴
とする成形体の成形方法。 - 【請求項13】 上記低剪断側の剪断速度が6.0×1
03 (sec-1)以上であり、上記低剪断側の剪断速度
における上記樹脂(A)の溶融粘度ηA と上記樹脂
(B)の溶融粘度ηB との間にηB /ηA <0.5の関
係が成り立つように樹脂温度及び剪断速度を制御して射
出を行うことを特徴とする請求項12記載の成形方法。 - 【請求項14】 上記高剪断側の剪断速度の上限が、
1.0×107 (sec-1)であり、上記低剪断側の剪
断速度の下限が、1.0×102 (sec-1)であるこ
とを特徴とする請求項12記載の成形方法。
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