JPH078994Y2 - 電気温風機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、床面に設置し室内の暖房に供される電気温風
機に関する。

（従来の技術） 従来の電気温風機は、送風機の前方にマイカ板等の巻枠
に発熱線を巻回した発熱体を使用したものや、自己温度
制御特性を有する発熱体、いわゆるセラミックヒーター
を使用したものが一般的であった。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、前記した前者の発熱線を巻回した発熱体
を使用したものは、発熱線を赤熱させないため、また、
後者のセラミックヒーターを使用したものは所定電力を
出すための発熱体の通過風速が決まってしまい、風速を
大きくする必要があった。また、暖房効果上、温風によ
る室内暖房を行う場合は、風速を大きくして、温風の到
達距離を確保する必要もあった。

一方、これらの電気温風機は、暖房能力上人体の近傍に
置いて暖房する局部暖房として使用する場合が多く、温
風が人体の皮膚に強く当たり不快感があつた。

本考案は前記のような室内暖房しとて温風の到達距離を
確保することと、局部暖房としての不快感が生じる２つ
の矛盾する問題を解決し、室内及び局部暖房のいずれに
も適応がでる電気温風機を提供することを目的とするも
のである。

（課題を解決するための手段） 本考案は、このような問題点を解決するために、送風機
の前方に発熱体と、この発熱体の前方に吹出口を設けて
なるものにおいて、前記吹出口に対向し多数の通風孔を
有し開口率が異なり、それぞれが互いに区画された複数
の板面を持つ拡散板を移動自在に設けたものである。

（作用） 本考案は、送風機および発熱体に通電して温風による暖
房を行う。そして、室内暖房時には、拡散板を移動させ
多数の通風孔を有し開口率の大なる板面を吹出口に位置
させ通風抵抗を少なくして温風の到達距離を確保し、室
内全体を暖房する。また、局部暖房時には、拡散板を移
動させ多数の通風孔を有し開口率の小なる板面を吹出口
に位置させ通風抵抗を大きくして風速を抑えるとともに
暖房範囲を広げ、人体全体に対してマイルドな温風暖房
が行える。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を第１図乃至第３図を参照して
説明する。

１は上面及び前面が開口するとともに、背面に吸気孔２
を有する円筒状の中間ケースで、この中間ケース１内に
モーター３及びファン４からなる送風機５を内臓した送
風ダクト６と、この送風ダクト６の前方に連設した支持
部材７が設けられている。そして、この支持部材７には
前記送風ダクト５側から自己温度制御特性を有するセラ
ミックヒータからなる発熱体８と、整流板９を介して吹
出口10が順次設けられている。また、前記中間ケース１
の外周には前記吹出口10に対向して円筒状の拡散板11が
回動自在に設けられている。この拡散板11は120度毎に
吹出口10から吹出す温風が中間ケース１内に逆流しない
ように設けら仕切壁12により区画された３つの板面13a,
13b,13cを有し、この板面13a,13b,13cはそれぞれ板面13
aから板面13cに至るにつれて開口率が大から小になるよ
うに多数の通風孔14a,14b,14cが形成されている。15は
前記拡散板11を回動するときに用いられる取手である。
16は下部ケースでコード収納部17及びコード収納口18が
設けられている。19は前記中間ケース１の上部に設けら
れた上部ケースで、この上部ケース19内には加湿装置20
が設けられている。この加湿装置20は水タンク21と、こ
の水タンク21に連通し外周に発熱線22を巻回した加湿パ
イプ23と、この加湿パイプ23の上端に取付けられたスチ
ーム出口24からなっている。25はスイッチで前記送風機
５、発熱体８及び加湿装置20の発熱線22の通電を適宜切
替えるものである。

しかして、スイッチ25を切替えて送風機５及び発熱体８
に通電して温風による暖房が行われる。そして、室内暖
房を行う場合には、取手15を操作して拡散板11を移動さ
せ多数の通風孔14aを有し開口率の大なる板面13aを吹出
口10に対向位置させる。このように開口率の大なる板面
13aを吹出口10に対向位置させることにより通風抵抗を
少なくして温風の到達距離が確保され、室内全体を暖房
する。

また、人体を直接暖房する局部暖房を行う場合には、取
手15を操作して拡散板11を移動させ多数の通風孔14cを
有し開口率の小なる板面13cを吹出口10に位置させる。
このように開口率の小なる板面13cを吹出口10に対向位
置させることにより通風抵抗を大きくして風速を抑える
とともに暖房範囲を広げ、人体全体に対してマイルドな
温風暖房が行われる。

また、開口率が中間に位置する板面13bを吹出口10に対
向位置させた場合には、適度の室内暖房と局部暖房が行
われる。

一方、必要に応じてスイッチ25を切替えて加湿装置20の
発熱線22に通電し、室内に適度の湿り気が与えられる。

なお、拡散板11の開口率は所定面積当たりの通風孔14a,
14b,14cの孔の数または、面積を可変することにより行
えるものである。

［考案の効果］ 本考案によれば、吹出口に対向して多数の通風孔を有し
開口率が異なり、それぞれが互いに区画された複数の板
面を持つ拡散板を移動自在に設けたから、室内及び局部
暖房のいずれにも適応ができる電気温風機を提供できる
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の電気温風機の一実施例を示す縦断面
図、第２図は同じく電気温風機の全体の斜視図、第３図
は拡散板の斜視図である。 ５……送風機、６……発熱体、10……吹出口、11……拡
散板、13a,13b,13c……板面、14a,14b,14c……通風孔、

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】送風機の前方に発熱体と、この発熱体の前
   方に吹出口を設けてなるものにおいて、前記吹出口に対
   向し多数の通風孔を有し開口率が異なり、それぞれが互
   いに区画された複数の板面を持つ拡散板を移動自在に設
   けてなることを特徴とする電気温風機。