JPH0789318A - 車両のサスペンション装置 - Google Patents
車両のサスペンション装置Info
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- JPH0789318A JPH0789318A JP15752193A JP15752193A JPH0789318A JP H0789318 A JPH0789318 A JP H0789318A JP 15752193 A JP15752193 A JP 15752193A JP 15752193 A JP15752193 A JP 15752193A JP H0789318 A JPH0789318 A JP H0789318A
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- Japan
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- vibration
- vehicle
- controlled
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Abstract
(57)【要約】
【目的】車両に入力される振動の全周波数領域において
乗り心地および操縦安定性が共に良好なサスペンション
装置を提供する。 【構成】ハイパスフィルタ352においては、ばね上共
振点近傍の振動周波数F以上の成分のみを通過させる。
従って、サスペンション振動系の振動周波数が値F以上
の場合には、K1・X″2が加算器334に供給され、
支持力Uoが修正される。シリンダ装置が実際に発生し
ている支持力A・P(A:シリンダの有効面積)を算出
し、Uo>A・Pの場合には、弁11LはブロックAに
設定されて油圧室74Lに油圧の供給が行われる。Uo
<A・Pの場合には、弁11はブロックCに設定されて
油圧室75Lに油圧が供給される。一方、Uo=A・P
の場合には、弁11LはブロックBに設定されてシリン
ダ装置はその状態に保持される。Fを車両の振動特性に
応じて適宜設定することによって、車両に入力される全
振動周波数の領域において、乗り心地および操縦安定性
を向上させることができる。
乗り心地および操縦安定性が共に良好なサスペンション
装置を提供する。 【構成】ハイパスフィルタ352においては、ばね上共
振点近傍の振動周波数F以上の成分のみを通過させる。
従って、サスペンション振動系の振動周波数が値F以上
の場合には、K1・X″2が加算器334に供給され、
支持力Uoが修正される。シリンダ装置が実際に発生し
ている支持力A・P(A:シリンダの有効面積)を算出
し、Uo>A・Pの場合には、弁11LはブロックAに
設定されて油圧室74Lに油圧の供給が行われる。Uo
<A・Pの場合には、弁11はブロックCに設定されて
油圧室75Lに油圧が供給される。一方、Uo=A・P
の場合には、弁11LはブロックBに設定されてシリン
ダ装置はその状態に保持される。Fを車両の振動特性に
応じて適宜設定することによって、車両に入力される全
振動周波数の領域において、乗り心地および操縦安定性
を向上させることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のサスペンション
装置に関し、特に、全振動周波数領域において、車体姿
勢の安定性すなわち操縦安定性と車両の乗心地の両立を
図ったサスペンション装置に関するものである。
装置に関し、特に、全振動周波数領域において、車体姿
勢の安定性すなわち操縦安定性と車両の乗心地の両立を
図ったサスペンション装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】車両のサスペンション
装置としては、サスペンションスプリングおよびダンパ
ーから構成されたものが一般的である。このような装置
では、スプリングのばね定数およびダンパーの減衰力に
よって、サスペンション振動系の振動特性が予め一義的
に定まっている。従って、この振動特性を好適に設定す
ることにより、乗り心地、車輪の接地性、車体のローリ
ング、ピッチングあるいはバウンシングなどのサスペン
ション特性の改善を図っている。
装置としては、サスペンションスプリングおよびダンパ
ーから構成されたものが一般的である。このような装置
では、スプリングのばね定数およびダンパーの減衰力に
よって、サスペンション振動系の振動特性が予め一義的
に定まっている。従って、この振動特性を好適に設定す
ることにより、乗り心地、車輪の接地性、車体のローリ
ング、ピッチングあるいはバウンシングなどのサスペン
ション特性の改善を図っている。
【0003】しかしながら、一義的に定まった振動特性
を有するサスペンションによっては、その全振動周波数
領域において、車体姿勢すなわち操縦安定性と乗り心地
とを共に良好に維持することができない。近年において
は、上記のようなパッシブ・サスペンション装置の代わ
りに、車輪と車体との間に油圧シリンダなどの支持力発
生機構を配置した構成のサスペンション装置が提案され
ている。このような、スプリングやダンパーによる支持
機能以外の力で支持力を発生する、所謂アクティブ・サ
スペンション装置は、たとえば、特公昭59−1436
5号公報あるいはEPC出願01147575号公開公
報に開示されている。これらの公報に開示のサスペンシ
ョン装置においては、車輪および車体の間に油圧シリン
ダからなるアクチュエータが配置され、車高の変化およ
び上下加速度などに応じて、アクチュエータの動きを制
御している。この構成のサスペンション装置によれば、
アクチュエータの制御を変更してサスペンション振動特
性を変えることが可能である。しかしながら、車高姿勢
制御は操縦安定性を確保するために、基本的にばね上と
ばね下間の距離の変動を極力すくなくするように行うも
のであり、乗り心地を向上させるために上下加速度に基
づく制御はばね上の振動を極力すくなくするように行う
ものである。しかし、これらの制御は共に油圧シリンダ
への油圧制御によって所期の目的を達成するものであ
り、両者の干渉が生じることになる。
を有するサスペンションによっては、その全振動周波数
領域において、車体姿勢すなわち操縦安定性と乗り心地
とを共に良好に維持することができない。近年において
は、上記のようなパッシブ・サスペンション装置の代わ
りに、車輪と車体との間に油圧シリンダなどの支持力発
生機構を配置した構成のサスペンション装置が提案され
ている。このような、スプリングやダンパーによる支持
機能以外の力で支持力を発生する、所謂アクティブ・サ
スペンション装置は、たとえば、特公昭59−1436
5号公報あるいはEPC出願01147575号公開公
報に開示されている。これらの公報に開示のサスペンシ
ョン装置においては、車輪および車体の間に油圧シリン
ダからなるアクチュエータが配置され、車高の変化およ
び上下加速度などに応じて、アクチュエータの動きを制
御している。この構成のサスペンション装置によれば、
アクチュエータの制御を変更してサスペンション振動特
性を変えることが可能である。しかしながら、車高姿勢
制御は操縦安定性を確保するために、基本的にばね上と
ばね下間の距離の変動を極力すくなくするように行うも
のであり、乗り心地を向上させるために上下加速度に基
づく制御はばね上の振動を極力すくなくするように行う
ものである。しかし、これらの制御は共に油圧シリンダ
への油圧制御によって所期の目的を達成するものであ
り、両者の干渉が生じることになる。
【0004】すなわち、従来のサスペンション装置は、
車体に入力される振動の全周波数領域において乗り心地
と操縦安定性との両方において良好な結果を得ることが
できないという点において、不十分である。本発明は上
記のような共通の制御対象に対する異なる観点からの制
御の干渉の問題に鑑みて構成されたもので、この問題を
解決し、車両に入力される振動の全周波数領域において
乗り心地および操縦安定性が共に良好なサスペンション
装置を提供することを目的としている。
車体に入力される振動の全周波数領域において乗り心地
と操縦安定性との両方において良好な結果を得ることが
できないという点において、不十分である。本発明は上
記のような共通の制御対象に対する異なる観点からの制
御の干渉の問題に鑑みて構成されたもので、この問題を
解決し、車両に入力される振動の全周波数領域において
乗り心地および操縦安定性が共に良好なサスペンション
装置を提供することを目的としている。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明は、ばね上とば
ね下間に設けられたシリンダに対して流体を給排制御す
ることによって車体姿勢を制御するサスペンション装置
において、ばね上の上下加速度を検出する上下加速度セ
ンサと、ばね上、ばね下間に設けられた車高センサと、
上記上下加速度センサと車高センサの信号を入力し、両
センサの信号値を加算して制御流量を決定し、該流量を
上記シリンダに対し給排制御する制御手段と、低周波数
振動は車高センサによって決定される制御流量が支配的
となるようにする一方で、高周波振動は上下加速度セン
サによって決定される制御流量が低周波領域に比して増
大するように制御するフィルタとを備えたことを特徴と
する。
ね下間に設けられたシリンダに対して流体を給排制御す
ることによって車体姿勢を制御するサスペンション装置
において、ばね上の上下加速度を検出する上下加速度セ
ンサと、ばね上、ばね下間に設けられた車高センサと、
上記上下加速度センサと車高センサの信号を入力し、両
センサの信号値を加算して制御流量を決定し、該流量を
上記シリンダに対し給排制御する制御手段と、低周波数
振動は車高センサによって決定される制御流量が支配的
となるようにする一方で、高周波振動は上下加速度セン
サによって決定される制御流量が低周波領域に比して増
大するように制御するフィルタとを備えたことを特徴と
する。
【0006】
【作用】本発明によれば、車高センサに基づくシリンダ
への作動流体の流量制御と上下加速度センサに基づく流
量制御とのバランスを車両に入力される振動の周波数に
応じてによって変えるようにしている。すなわち、低周
波領域では、主として車高センサからの出力に基づいて
シリンダの流量制御を行うとともに、高周波領域では、
上下加速度センサからの出力も加味して流量制御を行う
ようにしている。低周波領域において上下加速度センサ
による流量制御の比重を高めても、低周波振動に対する
上下加速度は小さくなるので、所望の制御を行うために
は、制御感度を高める必要がある。単に、制御ゲインを
大きくするだけでは制御系が発振する等の不都合が生じ
る。また、上下加速度センサによる出力を重視しすぎる
と適正な車体姿勢を維持できなくなる恐れもあり、この
場合には、車両の接地性が損なわれ、また操縦安定性が
悪くなることにもつながる。
への作動流体の流量制御と上下加速度センサに基づく流
量制御とのバランスを車両に入力される振動の周波数に
応じてによって変えるようにしている。すなわち、低周
波領域では、主として車高センサからの出力に基づいて
シリンダの流量制御を行うとともに、高周波領域では、
上下加速度センサからの出力も加味して流量制御を行う
ようにしている。低周波領域において上下加速度センサ
による流量制御の比重を高めても、低周波振動に対する
上下加速度は小さくなるので、所望の制御を行うために
は、制御感度を高める必要がある。単に、制御ゲインを
大きくするだけでは制御系が発振する等の不都合が生じ
る。また、上下加速度センサによる出力を重視しすぎる
と適正な車体姿勢を維持できなくなる恐れもあり、この
場合には、車両の接地性が損なわれ、また操縦安定性が
悪くなることにもつながる。
【0007】また、車両に入力される高周波振動は、路
面の凹凸を走行することに起因することが多い。この振
動は、乗員に不快感を与えるので、これを低減すること
によって乗り心地を向上させることができる。高周波振
動を除去するためにはばね下を、該入力される振動を吸
収するように制御すればよい。この目的のためには、上
下加速度センサに基づいてシリンダへの油圧の給排を制
御することが効果的である。本発明はこのような車高セ
ンサと上下加速度センサによる制御の長所を引き出し、
短所を相補うように構成したものである。
面の凹凸を走行することに起因することが多い。この振
動は、乗員に不快感を与えるので、これを低減すること
によって乗り心地を向上させることができる。高周波振
動を除去するためにはばね下を、該入力される振動を吸
収するように制御すればよい。この目的のためには、上
下加速度センサに基づいてシリンダへの油圧の給排を制
御することが効果的である。本発明はこのような車高セ
ンサと上下加速度センサによる制御の長所を引き出し、
短所を相補うように構成したものである。
【0008】
【発明の効果】このように、本発明のサスペンション装
置においては、車両に入力される振動の低周波領域で
は、主として車高センサに基づいて車体姿勢制御を重点
的に行い、高周波領域では、上下加速度センサに基づく
流量制御をさらに加味することによって路面振動を有効
に除去することができるので、振動の全周波数領域にお
いて、乗り心地と操縦安定性を向上させることができ
る。
置においては、車両に入力される振動の低周波領域で
は、主として車高センサに基づいて車体姿勢制御を重点
的に行い、高周波領域では、上下加速度センサに基づく
流量制御をさらに加味することによって路面振動を有効
に除去することができるので、振動の全周波数領域にお
いて、乗り心地と操縦安定性を向上させることができ
る。
【0009】
【実施例】以下に、図面を参照して本発明の実施例によ
る車両のサスペンション装置を説明する。なお、以下の
実施例においては、前後車輪に配置されるサスペンショ
ン装置の構成は同一であるので、前車輪について説明を
する。第1実施例 図1は、本発明の第1の実施例による車両のサスペンシ
ョン装置の全体構成図である。図に示すように、左右の
車輪1L、1Rは、サスペンションアーム3L、3Rを
介して車体5に取付けられている。これらサスペンショ
ンアームは、車体5に枢着されており、したがって、車
輪1L、1Rは車体5に対して上下方向に揺動可能にな
っている。これらの左右輪に対して配置されるサスペン
ション機構は同一構成であるので、以下左側の前車輪1
Lについて説明する。まず、サスペンションアーム3L
と、車体5との間には、上下方向に向けてパワーシリン
ダ装置7Lが配置されている。このシリンダ装置7L
は、そのシリンダ本体71Lの後端が車体5の側に固着
され、そのシリンダ本体内を上下方向に摺動可能なピス
トン72Lに固着されたピストンロッド73Lはシリン
ダ本体の先端を貫通して下方に延び、上記のサスペンシ
ョンアーム3Lに連結されている。このように、パワー
シリンダによって支持機構が形成されており、このシリ
ンダ装置7Lに発生する油圧を制御することによって、
このシリンダ装置の発生する支持力を変更することがで
きる。
る車両のサスペンション装置を説明する。なお、以下の
実施例においては、前後車輪に配置されるサスペンショ
ン装置の構成は同一であるので、前車輪について説明を
する。第1実施例 図1は、本発明の第1の実施例による車両のサスペンシ
ョン装置の全体構成図である。図に示すように、左右の
車輪1L、1Rは、サスペンションアーム3L、3Rを
介して車体5に取付けられている。これらサスペンショ
ンアームは、車体5に枢着されており、したがって、車
輪1L、1Rは車体5に対して上下方向に揺動可能にな
っている。これらの左右輪に対して配置されるサスペン
ション機構は同一構成であるので、以下左側の前車輪1
Lについて説明する。まず、サスペンションアーム3L
と、車体5との間には、上下方向に向けてパワーシリン
ダ装置7Lが配置されている。このシリンダ装置7L
は、そのシリンダ本体71Lの後端が車体5の側に固着
され、そのシリンダ本体内を上下方向に摺動可能なピス
トン72Lに固着されたピストンロッド73Lはシリン
ダ本体の先端を貫通して下方に延び、上記のサスペンシ
ョンアーム3Lに連結されている。このように、パワー
シリンダによって支持機構が形成されており、このシリ
ンダ装置7Lに発生する油圧を制御することによって、
このシリンダ装置の発生する支持力を変更することがで
きる。
【0010】上記のシリンダ装置7Lに対する油圧供給
系を説明する。この供給系は、油圧ポンプ9と、このポ
ンプと上記のシリンダ装置7Lとの間を連通する油通路
に配置した流路切り換え弁11Lを基本構成としてい
る。この弁11Lは、電磁弁からなり、その設定位置が
ブロックAの場合には、シリンダ装置7Lの上方の側の
油圧室74Lに油の供給がなされ、そのピストンロッド
73Lは、下方へ向けて伸張する。また、その設定位置
がブロックBの場合には、シリンダ装置7Lに対する油
通路が遮断される。一方、設定位置がブロックCの場合
には、シリンダ装置の下側の油圧室75Lに対して油の
供給がなされ、ピストンロッド73Lは上方へ向けて縮
む。また、この油圧供給系において、13はリリーフ
弁、15はアキュムレータであり、油通路内を所定の油
圧に維持可能となっている。なお、17は油タンクであ
る。
系を説明する。この供給系は、油圧ポンプ9と、このポ
ンプと上記のシリンダ装置7Lとの間を連通する油通路
に配置した流路切り換え弁11Lを基本構成としてい
る。この弁11Lは、電磁弁からなり、その設定位置が
ブロックAの場合には、シリンダ装置7Lの上方の側の
油圧室74Lに油の供給がなされ、そのピストンロッド
73Lは、下方へ向けて伸張する。また、その設定位置
がブロックBの場合には、シリンダ装置7Lに対する油
通路が遮断される。一方、設定位置がブロックCの場合
には、シリンダ装置の下側の油圧室75Lに対して油の
供給がなされ、ピストンロッド73Lは上方へ向けて縮
む。また、この油圧供給系において、13はリリーフ
弁、15はアキュムレータであり、油通路内を所定の油
圧に維持可能となっている。なお、17は油タンクであ
る。
【0011】次に、上記の電磁弁11Lを駆動制御する
ための制御系を、図1ないし図3を参照して説明する。
この制御系は、コントローラ21とその入力側に接続さ
れた3個のセンサ23L、25L、27Lを基本構成要
素としている。センサ23Lは、圧力センサであり、シ
リンダの油圧室74L内の油圧Pを検出する。センサ2
5Lは変位センサであり、車体5と車輪1Lとの上下方
向の相対変位(X1−X2)を検出する。また、センサ
27Lは振動センサであり、車体5に取付けられ、ここ
に生ずる上下方向の振動加速度X″2(ばね上加速度)
を検出する。コントローラ21では、これらの検出値に
基づいて、後述のようにシリンダ装置7Lの発生すべき
支持力を算出し、シリンダ装置がこの算出した支持力を
発生するように制御する。
ための制御系を、図1ないし図3を参照して説明する。
この制御系は、コントローラ21とその入力側に接続さ
れた3個のセンサ23L、25L、27Lを基本構成要
素としている。センサ23Lは、圧力センサであり、シ
リンダの油圧室74L内の油圧Pを検出する。センサ2
5Lは変位センサであり、車体5と車輪1Lとの上下方
向の相対変位(X1−X2)を検出する。また、センサ
27Lは振動センサであり、車体5に取付けられ、ここ
に生ずる上下方向の振動加速度X″2(ばね上加速度)
を検出する。コントローラ21では、これらの検出値に
基づいて、後述のようにシリンダ装置7Lの発生すべき
支持力を算出し、シリンダ装置がこの算出した支持力を
発生するように制御する。
【0012】図2は、このコントローラ21の構成を示
すブロック図である。図に示すように、このコントロー
ラは、算出回路部33、変更回路部35および制御回路
部37から構成されている。算出回路部33は、車輪か
らの振動入力に対してシリンダ装置のピストン72Lが
予め設定した振動特性に従って振動するために必要とさ
れるシリンダ装置7Lの発生支持力Uoを算出する。す
なわち、変位センサ出力(X1−X2)を増幅器331
に入力して、予め設定した定数Kkを乗じ、Kk(X1
−X2)を算出する。また、上記のセンサ出力(X1−
X2)を微分器332を介して微分して、一次微分値
(X′1−X′2)を算出する。更にこの微分値を、増
幅器333を介して、一定の値Kcだけ増幅して、Kc
(X′1−X′2)を算出する。このようにして算出し
た二つの値を加算器334で加算して、次式で示し支持
力Uoを算出する。
すブロック図である。図に示すように、このコントロー
ラは、算出回路部33、変更回路部35および制御回路
部37から構成されている。算出回路部33は、車輪か
らの振動入力に対してシリンダ装置のピストン72Lが
予め設定した振動特性に従って振動するために必要とさ
れるシリンダ装置7Lの発生支持力Uoを算出する。す
なわち、変位センサ出力(X1−X2)を増幅器331
に入力して、予め設定した定数Kkを乗じ、Kk(X1
−X2)を算出する。また、上記のセンサ出力(X1−
X2)を微分器332を介して微分して、一次微分値
(X′1−X′2)を算出する。更にこの微分値を、増
幅器333を介して、一定の値Kcだけ増幅して、Kc
(X′1−X′2)を算出する。このようにして算出し
た二つの値を加算器334で加算して、次式で示し支持
力Uoを算出する。
【0013】 Uo=Kk(X1−X2)+Kc(X′1−X′2) 次に、変更回路部35は、上述のように算出された支持
力Uoを変更するための回路である。この回路部におい
ては、振動センサ出力X″2を増幅器351に入力し
て、一定の割合K1だけ増幅すると共に、その符号を反
転させる。すなわち、正方向の加速度は負方向の加速度
値に変換され、負方向のものは正に変換される。この増
幅器の出力K1・X″2をハイパスフィルタ352に入
力し、高周波数成分のみを上述の加算器334に供給す
る。詳述するに、このハイパスフィルタ352において
は、ばね上共振点近傍の振動周波数F以上の成分のみを
通過させる。従って、サスペンション振動系の振動周波
数が値F以上の場合には、K1・X″2が加算器334
に供給され、次式で示すように、支持力Uoが修正され
る。
力Uoを変更するための回路である。この回路部におい
ては、振動センサ出力X″2を増幅器351に入力し
て、一定の割合K1だけ増幅すると共に、その符号を反
転させる。すなわち、正方向の加速度は負方向の加速度
値に変換され、負方向のものは正に変換される。この増
幅器の出力K1・X″2をハイパスフィルタ352に入
力し、高周波数成分のみを上述の加算器334に供給す
る。詳述するに、このハイパスフィルタ352において
は、ばね上共振点近傍の振動周波数F以上の成分のみを
通過させる。従って、サスペンション振動系の振動周波
数が値F以上の場合には、K1・X″2が加算器334
に供給され、次式で示すように、支持力Uoが修正され
る。
【0014】Uo=K1・X″2+Kk(X1−X2)
+Kc(X′1−X′2) 従って、検出されたばね上加速度X″2が正方向、すな
わち上向きに生じている場合には、修正係数K1が負の
値を有しているので、修正量K1・X″2は負の値とな
り、支持力はその分だけ補正される。次に、制御回路部
37は、実際のシリンダ装置の発生支持力が、上記の算
出した支持力Uoとなるように閉ループ制御を行う。す
なわち、圧力センサ出力Pを取り込み、この値を増幅器
371を介して増幅して、シリンダ装置が実際に発生し
ている支持力A・P(A:シリンダの有効面積)を算出
し、また、上述のように算出された支持力Uoを取り込
み、これら両方の値を、比較器372で比較する。そし
て、実際の支持力A・Pが算出値Uoとなるように、こ
の比較器から駆動信号をドライバ373に供給する。こ
の信号に従って、ドライバ373では切り換え弁11L
を駆動する。詳述すると、Uo>A・Pの場合には、弁
11LはブロックAに設定されて油圧室74Lに油圧の
供給が行われる。Uo<A・Pの場合には、弁11はブ
ロックCに設定されて油圧室75Lに油圧が供給され
る。一方、Uo=A・Pの場合には、弁11Lはブロッ
クBに設定されてシリンダ装置はその状態に保持され
る。
+Kc(X′1−X′2) 従って、検出されたばね上加速度X″2が正方向、すな
わち上向きに生じている場合には、修正係数K1が負の
値を有しているので、修正量K1・X″2は負の値とな
り、支持力はその分だけ補正される。次に、制御回路部
37は、実際のシリンダ装置の発生支持力が、上記の算
出した支持力Uoとなるように閉ループ制御を行う。す
なわち、圧力センサ出力Pを取り込み、この値を増幅器
371を介して増幅して、シリンダ装置が実際に発生し
ている支持力A・P(A:シリンダの有効面積)を算出
し、また、上述のように算出された支持力Uoを取り込
み、これら両方の値を、比較器372で比較する。そし
て、実際の支持力A・Pが算出値Uoとなるように、こ
の比較器から駆動信号をドライバ373に供給する。こ
の信号に従って、ドライバ373では切り換え弁11L
を駆動する。詳述すると、Uo>A・Pの場合には、弁
11LはブロックAに設定されて油圧室74Lに油圧の
供給が行われる。Uo<A・Pの場合には、弁11はブ
ロックCに設定されて油圧室75Lに油圧が供給され
る。一方、Uo=A・Pの場合には、弁11Lはブロッ
クBに設定されてシリンダ装置はその状態に保持され
る。
【0015】ここで、図3に上記のハイパスフィルタ3
52の回路構成を示す。フィルタ特性は、RC時定数に
よって決定され、この値は公知のように次式で決定され
るので、f0 として上記の周波数Fを採用すれば、この
周波数F以上の周波数成分を通過させるフィルタ特性が
得られる。 R・C=1/2πf0 振動周波数が値Fよりも高い領域においては、係数Kが
負の値K1に近い値となるので、ばね上加速度X″2の
正負とは反対方向にシリンダ装置の支持力Uoが増減さ
れる。これに対して、振動周波数が値F以下の領域にお
いては、係数Kが零に近い値になるので、上述のような
支持力の修正は殆ど行われない。この振動数Fを車両の
振動特性に応じて適宜設定することによって、車両に入
力される全振動周波数の領域において、乗り心地および
操縦安定性を向上させることができる。
52の回路構成を示す。フィルタ特性は、RC時定数に
よって決定され、この値は公知のように次式で決定され
るので、f0 として上記の周波数Fを採用すれば、この
周波数F以上の周波数成分を通過させるフィルタ特性が
得られる。 R・C=1/2πf0 振動周波数が値Fよりも高い領域においては、係数Kが
負の値K1に近い値となるので、ばね上加速度X″2の
正負とは反対方向にシリンダ装置の支持力Uoが増減さ
れる。これに対して、振動周波数が値F以下の領域にお
いては、係数Kが零に近い値になるので、上述のような
支持力の修正は殆ど行われない。この振動数Fを車両の
振動特性に応じて適宜設定することによって、車両に入
力される全振動周波数の領域において、乗り心地および
操縦安定性を向上させることができる。
【0016】なお、上述の例においては、コントローラ
をアナログ回路構成としたが、これをデジタル回路構成
とすることもできる。第2実施例 図4および図5は、本発明の第2実施例を示す図であ
る。本例は、前述した第1実施例とほぼ同一の構成を有
しており、ただ油圧供給系に一部変更を施したものであ
る。従って、以下の説明においては、第1実施例の構成
要素に対応する個所には同一の符号を附し、その説明を
省略する。
をアナログ回路構成としたが、これをデジタル回路構成
とすることもできる。第2実施例 図4および図5は、本発明の第2実施例を示す図であ
る。本例は、前述した第1実施例とほぼ同一の構成を有
しており、ただ油圧供給系に一部変更を施したものであ
る。従って、以下の説明においては、第1実施例の構成
要素に対応する個所には同一の符号を附し、その説明を
省略する。
【0017】本例においては、パワーシリンダ装置7L
の油圧室74Lに、オリフィス41Lを介して連通させ
たエアバネ43Lを有しており、このエアバネ43Lに
よって、サスペンション振動系のばね定数Kkが規定さ
れ、またオリフィス41Lの絞りによってその減衰定数
Kcが規定される。また、油圧の供給は油圧室74Lに
対してのみ行うように構成され、かかる供給制御に適し
た切り換え弁11Lを配置してある。
の油圧室74Lに、オリフィス41Lを介して連通させ
たエアバネ43Lを有しており、このエアバネ43Lに
よって、サスペンション振動系のばね定数Kkが規定さ
れ、またオリフィス41Lの絞りによってその減衰定数
Kcが規定される。また、油圧の供給は油圧室74Lに
対してのみ行うように構成され、かかる供給制御に適し
た切り換え弁11Lを配置してある。
【0018】図5に示すように、かかる変更に対応し
て、コントローラ21の構成にも一部変更を施してあ
る。すなわち、制御回路部37は減算器374を有し、
この減算器374に対して、実際のシリンダ支持力A・
Pおよび算出回路部33で算出された支持力を供給し
て、次式で示す減算をおこなわせる。 T=A・P−{Kk(X1−X2)+Kc(X′1−
X′2)} この減算値Tを比較器372に供給して、変更回路部3
5で算出された値K・X″2と比較し、この比較結果に
基づいて切り換え弁11Lを制御する。すなわち、K・
X″2>Tの場合は、油圧室74Lに油圧を供給する方
向に制御し、K・X″2<Tの場合は逆に油圧室から油
圧を抜く方向に制御する。また、K・X″2=Tの場合
には、そのままの状態を保持する。
て、コントローラ21の構成にも一部変更を施してあ
る。すなわち、制御回路部37は減算器374を有し、
この減算器374に対して、実際のシリンダ支持力A・
Pおよび算出回路部33で算出された支持力を供給し
て、次式で示す減算をおこなわせる。 T=A・P−{Kk(X1−X2)+Kc(X′1−
X′2)} この減算値Tを比較器372に供給して、変更回路部3
5で算出された値K・X″2と比較し、この比較結果に
基づいて切り換え弁11Lを制御する。すなわち、K・
X″2>Tの場合は、油圧室74Lに油圧を供給する方
向に制御し、K・X″2<Tの場合は逆に油圧室から油
圧を抜く方向に制御する。また、K・X″2=Tの場合
には、そのままの状態を保持する。
【0019】このように構成した本例においても、前述
の第1実施例と同様に、全周波数領域において、乗り心
地および操縦安定性を共に良好に保つことができる。
の第1実施例と同様に、全周波数領域において、乗り心
地および操縦安定性を共に良好に保つことができる。
【図1】本発明の第1実施例の構成を示す構成図。
【図2】図4のコントローラの構成を示すブロック図。
【図3】図5のハイパスフィルタの例を示す回路図。
【図4】本発明の第2実施例を示す構成図。
【図5】図4のコントローラの構成を示すブロック図。
1L 車輪 3L サスペンションアーム 5 車体 7L パワーシリンダ装置 9 油圧ポンプ 11L 切り換え弁 21 コントローラ 23 圧力センサ 25 変位センサ 27 振動センサ 33 算出回路部 35 変更回路部 37 制御回路部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 晴幸 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 ばね上とばね下間に設けられたシリンダ
に対して流体を給排制御することによって車体姿勢を制
御するサスペンション装置において、 ばね上の上下加速度を検出する上下加速度センサと、 ばね上、ばね下間に設けられた車高センサと、 上記上下加速度センサと車高センサの信号を入力し、両
センサの信号値を加算して制御流量を決定し、該流量を
上記シリンダに対し給排制御する制御手段と、 低周波数振動領域では車高センサによって決定される制
御流量が支配的となるようにする一方で、高周波振動領
域では上下加速度センサによって決定される制御流量が
低周波振動領域に比して増大するように制御するフィル
タとを備えたことを特徴とする車両のサスペンション装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15752193A JPH0789318A (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | 車両のサスペンション装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15752193A JPH0789318A (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | 車両のサスペンション装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18375886A Division JPS6341220A (ja) | 1986-08-05 | 1986-08-05 | 車両のサスペンシヨン装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0789318A true JPH0789318A (ja) | 1995-04-04 |
Family
ID=15651495
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15752193A Pending JPH0789318A (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | 車両のサスペンション装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0789318A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5279438A (en) * | 1975-12-24 | 1977-07-04 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | Control mechanism of suspension device for vehicle |
JPS6118513A (ja) * | 1984-07-04 | 1986-01-27 | Nissan Motor Co Ltd | 車両用サスペンシヨン制御装置 |
JPS62139709A (ja) * | 1985-12-12 | 1987-06-23 | Fuji Heavy Ind Ltd | 自動車のアクテイブ・サスペンシヨン装置 |
-
1993
- 1993-06-28 JP JP15752193A patent/JPH0789318A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5279438A (en) * | 1975-12-24 | 1977-07-04 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | Control mechanism of suspension device for vehicle |
JPS6118513A (ja) * | 1984-07-04 | 1986-01-27 | Nissan Motor Co Ltd | 車両用サスペンシヨン制御装置 |
JPS62139709A (ja) * | 1985-12-12 | 1987-06-23 | Fuji Heavy Ind Ltd | 自動車のアクテイブ・サスペンシヨン装置 |
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