JPH0789180B2 - 電気光学分波装置及びビーム偏向装置 - Google Patents

電気光学分波装置及びビーム偏向装置

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JPH0789180B2
JPH0789180B2 JP1072347A JP7234789A JPH0789180B2 JP H0789180 B2 JPH0789180 B2 JP H0789180B2 JP 1072347 A JP1072347 A JP 1072347A JP 7234789 A JP7234789 A JP 7234789A JP H0789180 B2 JPH0789180 B2 JP H0789180B2
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哲郎 小林
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大阪大学長
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、電気光学材料素子を用い1本の光ビームから
周波数偏移した複数のサブビームを発生させる分波装置
に関するものである。
さらに、本発明は、周波数偏移された複数の光ビームを
合成することにより偏向ビームを発生させるビーム偏向
装置に関するものである。
(従来の技術) 従来位相格子による回折を利用した光制御素子として、
進行超音波を利用する音響光学偏向器や音響光学変調器
が既知である。例えば、音響光学偏向器をラマナンス領
域で用いると入射光ビームは回折され、1本の光ビーム
から周波数変調された複数の光ビームが発生する。用い
る超音波の周波数をfmとすると、n次回折光の光周波数
は入射光ビームに対してn×fmだけ周波数偏移するの
で、入射光の光周波数をνとするとn次回折光の光周
波数νは次式で与えられる。
ν=ν+nfm ……(1) ただし、nは整数(n=0,±1,±2・・・・・) 従って、この音響光学素子を用いれば、入射光に対して
nfmだけ周波数偏移し空間的に分離された複数の光ビー
ムを発生されることができる。しかしながら、音響波の
伝送損失は周波数が高くなればなる程大きくなるため高
周波変調を行なうには限界があり、現在の技術では使用
する音響波の周波数は数100MHzが限界である。従って、
より高い周波数で周波数偏移できるビーム発生装置の開
発が重要な課題である。
一方、より高い周波性で光制御できる装置として電気光
学変調器が既知である。この電気光学変調器は、印加電
界によって屈折率が変化するリチウムタンタレート(Li
TaO3)やリチウムニオベート(LiNbO3)で出来た電気光
学素子に直線偏光を垂直に入射させ、印加電界の強さに
応じて振幅変調するように構成されている。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者は、電気光学材料素子の高周波特性を鑑み、電
気光学材料素子を光偏向器に利用することを検討した。
すなわち、高周波電界を印加することにより電気光学材
料素子に進行電気波を発生させて位相回折格子を形成
し、この位相格子により周波数偏移した複数の光ビーム
を発生させる電気光学分波装置について検討した。しか
しながら、この電気光学分波装置には、以下に述べる問
題点があることが判明した。
(1) 位相格子により入射ビームを回折させるために
は、入射ビームの断面内に多周期に相当する位相格子を
存在させる必要がある。この場合、超音波は音速が遅く
波長が短いため(100MHzで、数10μm)、ビーム断面内
に多数の位相格子が形成される。しかしながら、電磁波
は、その伝播速度が速いため、位相格子の周期が長く
(1GHzで数cmから数10cmのオーダ)、光ビーム断面内に
多数の位相格子を形成することは極めて困難であり、実
用的に不可能であった。また、十分な回折効率で多数の
周波数偏移光を得るには大きな駆動電力が必要である。
これらの理由により、電気光学材料素子を用いた分波装
置は現実に実用化されていない。
従って、本発明は上述した課題を解決し、入射光ビーム
の断面内に多数の位相格子を形成でき、高効率で回折分
波できる電気光学分波装置を提供するものである。
さらに、本発明は、このような分波装置によって発生し
た複数のサブビームをフーリエ合成することによって高
解像度の偏向ビームを発生させるビーム偏向装置を提供
するものである。
(課題を解決するための手段) 本発明による電気光学分波装置は、印加電界に応じて屈
折率が変化する電気光学材料体及びこの電気光学材料体
をはさんで一方向に沿って延在する1対の細条状電極を
有し電極の一方の端部を無反射終端とした電気光学材料
素子と、前記1対の電極の他端に接続され前記1対の電
極にマイクロ波領域の高周波電圧を印加する高周波電源
とを具え、前記電気光学材料体の内部に、前記電極の延
在方向に沿って屈折分布を形成して進行波位相格子を形
成し、前記電気光学材料内における分波されるべき光ビ
ームの進行方向と進行波位相格子の進行方向とを斜交さ
せ、前記光ビームの進行波位相格子と交差する断面内に
少なくとも3周期の位相格子が含まれるように構成した
ことを特徴とするものである。
さらに本発明による別の電気光学分波装置は、印加電界
に応じて屈折率が変化する電気光学材料体及びこの電気
光学材料体をはさんで一方向に沿って延在する1対の細
条状電極を有し電極の一方の端部を反射終端とした電気
光学材料素子と、前記1対の電極の他端に接続され前記
1対の電極にマイクロ波領域の高周波電圧を印加する高
周波電源とを具え、前記電気光学材料素子を、前記電気
光学材料体に形成される定在波位相格子の形成方向と分
波されるべき入射ビームの進行方向とが斜交するように
配置し、前記高周波電源の出力周波数をfmとし、定在波
位相格子が前記光ビームに作用する相互作用長をlと
し、電気光学材料体中の入射光ビームの光速をV0とし、
光ビームと定在波位相子との交差角をθとし、定在波位
相格子を形成する電気波の速度をVmとした場合に式、 fml(1/V0cosθ/Vm)=1 を満足するように交差角θ及び相互作用長lを選択した
ことを特徴とするものである。
さらに、本発明による電気光学分波装置は、印加電界に
応じて屈折率が変化する電気光学材料体及びこの電気光
学材料体をはさんで一方向に沿って延在する1対の電極
を有する電気光学材料素子と、前記1対の電極に接続さ
れ前記電気光学材料体にマイクロ波領域の高周波電圧を
印加する高周波電源とを具え、前記1対の電極の一方の
電極を一方向に延在するプレート状の電極で構成し、他
方の電極を所定のピッチ∧で周期的に配列した複数の電
極指を有する第1の電極群と第1の電極群の電極指間に
それぞれ配置されピッチ∧の複数の電極指を有する第2
の電極群とで構成し、第1電極群及び第2電極群に相互
に位相がπだけずれた周波数fmの高周波電圧をそれぞれ
印加して電気光学材料体に電極群の配列方向に沿って等
価的な定在波位相格子を形成し、前記電気光学材料素子
を定在波位相格子の形成方向と分波されるべき入射ビー
ムの進行方向とが斜交するように配置し、前記定在波位
相格子が光ビームと作用する相互作用長をlとし、印加
電圧の周波数をfmとし、光ビームの電気光学材料体中で
の光速をV0とし、光ビームと位相格子と交差角をθとた
場合に式、 l(fm/V0cosθ/∧)=1 が成立するように交差角θ及び相互作用長lを選択した
ことを特徴とする。
さらに本発明による別の電気光学分波装置は、印加電界
に応じて屈折率が変化する電気光学材料体及びこの電気
光学材料体をはさんで一方向に沿って延在する1対の電
極を有する電気光学材料素子と、前記1対の電極に接続
され電気光学材料体にマイクロ波領域の高周波電圧を印
加する高周波電源とを具え、前記1対の電極を、所定の
ピッチ∧で周期的に配列した複数の電極指を有する第1
の電極群と第1の電極群の電極指間にそれぞれ配置され
ピッチ∧の複数の電極指を有する第2の電極群とで構成
し、第1電極群及び第2電極群に相互に位相がπだけず
れた周波数fmの高周波電圧をそれぞれ印加して電気光学
材料体に電極群の配列方向に沿って等価的な定在波位相
格子を形成し、前記電気光学材料素子を定在波位相格子
の形成方向と分波されるべき入射ビームの進行方向とが
斜交するように配置し、前記定在波位相格子が光ビーム
と作用する相互作用長をlとし、印加電圧の周波数をfm
とし、光ビームの電気光学材料体中での光速をV0とし、
光ビームと位相格子と交差角をθとた場合に式、 l(fm/V0cosθ/∧)=1 が成立するように交差角θ及び相互作用長lを選択した
ことを特徴とするものである。
本発明によるビーム偏向装置は、入射した光ビームを周
波数偏移され空間的に分離された複数のサブビームに分
離する電気光学分波装置と、分波されたサブビームを平
行光束とするためのフーリエ変換レンズと、各サブビー
ムの位相を同相にするための位相補償器と、同相にされ
たサブビームをフーリエ合成するためのフーリエ変換レ
ンズとを具え、 前記電気光学分波装置が、印加電界に応じて屈折率が変
化する電気光学材料体及びこの電気光学材料体に形成し
た1対の電極を有する電気光学材料素子と、前記1対の
電極に接続され前記電気光学材料体にマイクロ波領域の
高周波電圧を印加する高周波電源とを有し、前記電気光
学材料素子を、電気光学材料体に形成される位相格子と
入射光ビームとが斜交するように配置したことを特徴と
する。
(作 用) 印加電界によって屈折率が変化する電気光学材料体に一
方に延在する1対の電極を形成し、これら電極間に高周
波電圧を印加すると電気光学材料の内部に進行波位相格
子が形成される。この進行波位相格子を形成する電気波
と斜交するように入射光ビームを進行させると、光ビー
ムの断面内に存在する位相格子の数が実質的に増大し、
回折効率が増大する。この結果、周波数偏移された多数
のサブビームを空間的に分離させることができる。これ
により、電気光学材料素子を、周波数偏移されたサブビ
ームを発生させるための分波装置に適用することがで
き、従って、音響光学素子に比べてより高い周波数で周
波数偏移したサブビームを発生させることができる。
さらに、周波数偏移された多数のサブビームを位相補償
器により同相とし、同相のサブビームをフーリエ合成す
ると、干渉によって鋭い指向性を有する合成光ビームを
発生する。この合成光ビームは周期的に発生し一定方向
に沿って移動するから、良好な効率でパワー集中された
偏向ビームとなる。この結果、帰線消去の不要なビーム
偏向装置を実現することができる。
(実施例) 第1図は本発明による分波装置の一例の構成を示すもの
であり、第1図aは電気光学材料素子の構成を示す線図
的断面図、第1図bは全体構成を示す線図、及び第1図
cは光ビームと進行位相格子との交差状態を示す平面図
である。電気光学材料素子1はリチウムタンタレートや
リチウムニオベートのような電気光学材料体2を有し、
この電気光学材料体にコヒーレントな光ビームを入射さ
せる。電気光学材料体2の電気光学軸が延在する矢印a
方向と直交する方向の両側に第1及び第2の電極3及び
4を形成して電気光学材料素子を構成する。これら電極
3及び4はストリップ線路で構成することができる。電
極3及び4の一端に同軸ケーブルを介してマイクロ波領
域の周波数fmの高周波電圧を発生させる高周波電源5を
接続し、電極の他端は同軸ケーブル6の抵抗Rを介して
短絡し無反射終端を形成する。電気光学材料体2は印加
電界に応じて屈折率が変化するので、高周波電源5から
発生する高周波電圧により電気光学材料体2内に電極3
及び4の延在方向に沿って進行する進行波高周波電界が
形成され、この電界によって周期的な屈折率分布が形成
され、従って電気光学材料体2内に矢印b方向に進行す
る進行波位相格子が形成されることになる。この進行波
位相格子は、高周波電界と同一の速度Vmで電気光学材料
体内を矢印b方向に進行する。
第1図bに示すように、半導体レーザ7から放射された
光ビームをシリドリカルレンズを含むコリメータ8によ
って偏平な平行ビームとしてから電気光学材料素子1に
入射させる。本発明では、入射光ビームが位相格子の進
行方向と斜交するように光ビームを電気光学材料素子1
に入射させる。入射した光ビームは、電気光学材料体2
内を進行する位相格子によって回折され、0次、±1次
……±n次の回折光が空間的に分離されたサブビームと
して出射する。このn次サブビームの光周波数νは入
射光の光周波数をνとすると次式で与えられる。
ν=ν+nfm ここで、fmは位相格子の周波数、すなわち高周波電源5
の周波数である。これらサブビームをフーリェ変換レン
ズ8により平行光束とする。この結果、電気光学材料素
子によって2n+1本の周波数偏移した空間分離されたサ
ブビームが形成されることになる。第1図cに示すよう
に、本発明では入射光ビームと進行波位相格子の進行方
向とが斜交するように電極3及び4を形成する。この場
合、入射光ビームの進行方向と進行波位相格子の進行方
向とを斜交させれば、光ビームと位相格子とのなす角度
をφとすると、光ビームと位相格子波との実効交差長は
ほぼ1/cosφ倍だけ増加し、この結果ビーム断面内に含
まれる位相格子もほぼ1/cosφ倍だけ増加することにな
る。この結果ビーム断面内に含まれる位相格子も実質的
に1/cosφ倍だけ増加することになる。この結果、光ビ
ーム断面内に多周期分の位相格子が含まれることによ
り、入射光ビームは充分良好な回折効率で回折され、周
波数偏移した多数のサブビームを発生させることができ
る。尚、電気光学材料素子の入射面における反射を防止
するため、無反射コーティングを施すことが望ましい。
第2図は本発明による電気光学材料素子の変形例の構成
を示す平面図である。本例では、長方体の電気光学材料
体2を用い、その長手軸線lと斜交するように電極3及
び4(図面上電極3だけを示す)を形成する。そして、
電気光学材料体2の長手軸線lと直交する端面2aに垂直
に光ビームを入射させる。このように構成すれば、電気
光学材料素子へ垂直に入射させても、光ビームと位相格
子波とを斜交させることができ、入射面における反射損
失を除去することができる。尚、入射光ビームと進行波
位相格子とのなす角度は、光ビームの進行波位相格子と
の交差断面内に少なくとも3周期に相当する位相格子が
存在すれば良好に分波することができる。
第3図は別の変形例の構成を示す平面である。本例で
は、長方体の電気光学材料体2を用い、その長手軸線l
に対して大きな入射角を以て光ビームを入射させると共
に、電極3も長手軸線lに対して斜交するように形成す
る。このように構成すれば、電気光学材料素子2内にお
いて光ビームの断面が偏平になるので、断面が小径の光
ビームを入射させても位相格子波と入射光ビームとの交
差長を極めて大きくすることができる。
第4図は電気光学材料素子が共振器を構成する場合の解
析モデルを示す模式図である。前述した実施例では、電
極3及び4の終端に整合負荷を接続して無反射終端とし
たが、電極の終端を開放又は短絡して反射終端とするこ
とにより共振器を構成することもできる。共振器を構成
すれば、電気光学材料素子内において電界は定在波とな
り、定在波位相格子によって回折が生ずる。この場合、
進行方向が互いに反対となる2個の進行波が形成される
ため、回折光は進行方向が反対向きの進行波位相格子に
よる回折光が合成されたものとなる。進行方向が反対の
位相格子により同一方向に回折された光は、その周波数
偏移の符号が逆転したものとなるから、位相格子の進行
方向に垂直に光ビームを入射させると回折によって空間
分離されたサブビームはいずれも2個の周波数成分を有
しており、周波数分離されたサブビームを発生させるこ
とができない。一方、定在波の進行方向に斜交するよう
に光ビームを入射させると、入射光ビームと定在波を構
成する2個の進行波(電源接続部から反射終端に向かう
進行波と反射終端から電源接続部側に向かう進行波)と
の交差角は互いに補角の関係になり、互いに相違する。
一方、入射光ビームに誘起される位相変化は、相互作用
長及び交差角度に依存するので、光ビームが斜めに入射
する場合2個の進行波が入射光ビームの光波に与える位
相変化量に差異が生ずる。第4図において、光ビーム
が、電気光学材料中をZ軸方向に進行するものとし、定
在波の進行波は速度VmでZ軸と角度θ及びπ−θで進行
するものとする。位相格子の進行方向をx′軸方向とす
ると相互作用空間における電気光学材料の入射偏波に対
する屈折率分布の変化n(x′)は次式で与えられる。
n(x′)=n0+Δnsin(2πfm(t−x′/Vm)) …
…(2) ここで、n0は入射波に対する電気光学材料の屈折率、 x′は定在波の進行方向の距離、 Vmは進行波の速度 lは相互作用長 fmは高周波電界の周波数 Δnは印加電界による変動振幅 tは時間 ∧は定在波の1周期長である。
x=一定の線上を相互作用長lで入射光ビームが伝播す
ると、光波の受ける光学長変化Δnl(l,t)は光の進行
と位相格子の時間空間的変動を考慮して計算され、次式
が成立する。
Δnl(l,t)=(Δnl)dcsin〔πfml(1/V0 −cosθ/Vm〕/〔πfml(1/V0−cosθ/Vm〕 ×sin〔2πfm{t−(1/V0−cosθ/Vm)l/2+φ〕……
(3) ここで、V0は電気光学材料中の光速 φはx=0における初期位相 上式において、cosθ=Vm/V0が速度整合に相当する。ま
た、 fml(1/V0−cosθ/Vm)=1 において光学長変化は長さlを通過する間に1周期分平
均化されて零となる。定在波位相格子中での屈折率変化
に対し次式が成立する。
n(x′)=n0+Δnsin(2πfmt)cos(2πfmx′/
Vm) =1/2〔{n0+Δnsin(2πfm(t−x′/Vm))} +{n0+Δnsin(2πfm(t+x′/Vm))}〕 ……
(4) これより定在波位相格子は+x′方向及び、−x′方向
に進む2個の、あるいは光ビームとの交差角がθとπ−
θの2個の進行波位相格子が合成されたものと考えるこ
とができる。
従って、(2),(4)式を比較することにより fml(1/V0±cosθ/Vm)=1 ……(5) (5)式が成立するようにl及びθを選択すれば、定在
波を構成する2個の進行波の一方の進行波だけによって
光波が回折されることになり、回折光は周波数偏移した
サブビーム毎に空間的に分離されることになる。
このように定在波を形成すれば、共振定在波によって位
相格子が形成されるので小さな駆動電力で振幅の大きな
位相格子を形成できる有益な効果を達成できる。この場
合、電気光学材料としてL1TaO3を用いると設計例として
以下の値となる。
(c:真空中の光束、ne:600nmにおける屈折率) (εrs:c軸偏光のマイクロ波の比誘電率) ここで、l=1.0cm,fm=10GHzとすると、 θ=82.8゜または97.2゜となる。
また、l=4.0cm,fm=10GHzとすると、 θ=35.8゜または144.2゜となる。
第5図は定在波励起型分波装置の変形例の構成を示す線
図である。分波されるべき光ビームと進行波位相格子と
を斜交させても波長短縮に限界がある。このため、本例
では周期電極を用いて電気光学材料素子内に強制的に周
期的な位相格子を形成し、電界を滑らかに変化させて位
相格子を形成し、この位相格子に光ビームを斜交させて
周波数変調されたサブビームを発生させる。第5図aに
示すように、長手軸線lを有する長方体の電気光学材料
素子10を用い、この素子10の下面に接地されているプレ
ート状の第1電極11を取り付け、上面に長手軸lと直交
する方向に延在する第1電極群12及び第2電極群13を長
手軸線l方向に沿ってピッチ∧で周期的に形成する。第
1電極群12と第2電極群13とを交互に配列し、第1電極
群12及び第2電極群13を高周波電源14に接続する。尚、
第1電極群12と第2電極群13には互いに位相がπだけず
れた電圧を印加する。そして、電極群12及び13の配列方
向lに対して角度θを以て光ビームに入射させる。高周
波電源12から電極群に高周波電圧を印加すると、電気光
学材料素子10の厚さ方向に周期的に変化する電界が生
じ、その内部に滑らかに変化する屈折率分布を生じ、長
手軸線lに沿って位相格子が形成されることになる。こ
の場合、光ビーム断面内での印加電圧の強度は正弦波定
在波と同等であり、これによって生ずる屈折率変化も正
弦波と同等のものと考えることができる。従って、屈折
率変化式は次式が成立する。
n(x′)=n0+Δnsin(2πfmt)cos(2πx′/
∧) ……(6) 一方、Vm′=fm∧と考えることができるから、(6)式
は(4)式と同等の式と考えられる。従って、(7)式
を満足するように光ビームの入射角θ及び相互作用長l
を選択すれば、一方の定在波によってだけ回折される場
合と等価であり、空間的に分離され周波数偏移したサブ
ビームを発生することができる。
l(fm/V0cosθ/∧)=1 ……(7) このように構成すれば、電極周期(定在波周期でもあ
る)を小さくすることにより、等価的に位相格子の進行
速度Vm′を遅くすることができ、ビーム径の細い光ビー
ムを用いても十分に空間分離されたサブビームを発生す
ることができる。尚、第6図に示すように、電気光学材
料体の一平面上にピッチ∧で電極群12及び13を交互に形
成し、横方向に沿って屈折率分布した位相格子を形成す
ることもできる。この場合の交差角θは、以下のように
定められる。
(1)∧=2mm,fm=10GHz,l=2mmとすると θ=14.2゜又は165.8゜となる。
(2)∧=2mm,fm=1.0GHz,l=4mmとすると、 θ=60.2゜又は109.8゜となる 第7図は本発明によるビーム偏向装置の一例の構成を示
す線図である。同一周波数の2個の光ビームを干渉させ
ると干渉縞ができる。この場合、2個の光ビームの光周
波数がfmだけ相違すると、発生する干渉縞は移動周期1/
fmで周期的に移動する。従って、光周波数の異なる複数
のビームを干渉させることにより周期fmで偏向される偏
向ビームを発生させることができる。この場合多数の光
ビームが等間隔で並んだ点から同一位相で出射すると、
アレイアンテナと同様に鋭い指向性を有するビームが空
間的に周期性をもって形成されることになる。第7図に
おいて、周波数νの光ビーム20を本発明による分波装
置21に入射させる。入射した光ビームは、分波装置21に
よって回折され、上述したように光周波数ν=ν±
fmのサブビームか空間的に分離されて発生する。これら
サブビームをフーリエ変換レンズ22によりフーリエ分解
し、平行光ビームとして位相補償器23に入射させる。フ
ーリエ分解されたサブビームは光学的に半波長ずれてい
るサブビームが存在するため位相補償器23によって全て
のサブビームを同相にする。この位相補償器23は種々の
型式の位相補償器を用いることができ、例えば電界によ
って位相補償を行なうものや、厚さを変えて位相補償を
行なう位相補償器を用いることができる。この結果、位
相補償器23から中心周波数がνで±nfmだけ周波数偏
移した同相の多数のサブビームが発生することになる。
これらサブビームをフーリエ変換レンズ24に入射させフ
ーリエ合成する。この結果、周波数偏移し同相の多数の
サブビーム同士が干渉し合い干渉縞が発生する(図面を
簡略するため図面上3個の干渉縞だけを示す)。この干
渉縞は図面の上方から下方向に向けて周期的に移動する
から、空間的に1周期程度の幅に相当するウインド25を
設けると、ウインド25の外部に向けて一方に偏向された
合成光ビームが周期fmで周期的に発生することになる。
この合成偏光ビームは、サブビームの指向性が有限なた
めビーム偏向範囲も有限であるから、形成される干渉縞
もウインドの中心から上方及び下方に離れるに従って弱
くなる。従って、ウインド25を経て出射する偏光ビーム
は効率よく光パワーが集中される。この結果、帰線消去
が不要なビーム偏向装置を実現することができる。この
場合、発生する偏向ビームの解像度は、合成される変調
サブビームの数に依存するから、変調ビーム発生装置と
して本発明による分波装置を用いることができる。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明によれば分波されるべき光
ビームと進行波位相格子とを斜交させる構成としている
から、光ビーム断面内に依存する位相格子数を実質的に
増大することができ、この結果回折効率が増大し多数の
周波数偏移したサブビームを発生させることができる。
また、電気光学材料素子が共振器を構成し、一方の進行
波位相格子によってだけビーム回折を行なえば、低い駆
動電力で効率よく回折させることができる。
さらに、本発明では、周波数偏移した多数のサブビーム
を位相補償して多数の同相のサブビームを合成して干渉
縞を形成しているから、鋭い指向性を有する合成ビーム
を発生させることができ、この合成ビームは周期的に偏
向されるので、帰線消去が不要なビーム偏向装置を実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図a〜cは本発明による分波装置の一例の構成を示
す線図、 第2図及び第3図は分波装置の変形例の構成を示す線
図、 第4図は定在波励起型分波装置の解析用の模式図、 第5図a及びbは定在波励起型分波装置の一例の構成を
示す斜視図及び断面図、 第6図は定在波励起型分波装置の変形例の構成を示す斜
視図、 第7図は本発明によるビーム偏向装置の一例の構成を示
す線図である。 1……電気光学材料素子、2……電気光学材料体 3,4……電極、5……高周波電源 21……分波装置、22,24……フーリエ変換レンズ 23……位相補償器、25……ウインド

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】印加電界に応じて屈折率が変化する電気光
    学材料体及びこの電気光学材料体をはさんで一方向に沿
    って延在する1対の細条状電極を有し電極の一方の端部
    を無反射終端とした電気光学材料素子と、前記1対の電
    極の他端に接続され前記1対の電極にマイクロ波領域の
    高周波電圧を印加する高周波電源とを具え、前記電気光
    学材料体の内部に、前記電極の延在方向に沿って屈折分
    布を形成して進行波位相格子を形成し、前記電気光学材
    料内における分波されるべき光ビームの進行方向と進行
    波位相格子の進行方向とを斜交させ、前記光ビームの進
    行波位相格子と交差する断面内に少なくとも3周期の位
    相格子が含まれるように構成したことを特徴とする電気
    光学分波装置。
  2. 【請求項2】印加電界に応じて屈折率が変化する電気光
    学材料体及びこの電気光学材料体をはさんで一方向に沿
    って延在する1対の細条状電極を有し電極の一方の端部
    を反射終端とした電気光学材料素子と、前記1対の電極
    の他端に接続され前記1対の電極にマイクロ波領域の高
    周波電圧を印加する高周波電源とを具え、前記電気光学
    材料素子を、前記電気光学材料体に形成される定在波位
    相格子の形成方向と分波されるべき入射ビームの進行方
    向とが斜交するように配置し、前記高周波電源の出力周
    波数をfmとし、定在波位相格子が前記光ビームに作用す
    る相互作用長をlとし、電気光学材料体中の入射光ビー
    ムの光速をV0とし、光ビームを定在波位相格子との交差
    角をθとし、定在波位相格子を形成する電気波の速度を
    Vmとした場合に式、 fml(1/V0cosθ/Vm)=1 を満足するように交差角θ及び相互作用長lを選択した
    ことを特徴とする電気光学分波装置。
  3. 【請求項3】印加電界に応じて屈折率が変化する電気光
    学材料体及びこの電気光学材料体をはさんで一方向に沿
    って延在する1対の電極を有する電気光学材料素子と、
    前記1対の電極に接続され前記電気光学材料体にマイク
    ロ波領域の高周波電圧を印加する高周波電源とを具え、
    前記1対の電極の一方の電極を一方向に延在するプレー
    ト状の電極で構成し、他方の電極を所定のピッチ∧で周
    期的に配列した複数の電極指を有する第1の電極群と第
    1の電極群の電極指間にそれぞれ配置されピッチ∧の複
    数の電極指を有する第2の電極群とで構成し、第1電極
    群及び第2電極群に相互に位相がπだけずれた周波数fm
    の高周波電圧をそれぞれ印加して電気光学材料体に電極
    群の配列方向に沿って等価的な定在波位相格子を形成
    し、前記電気光学材料素子を定在波位相格子の形成方向
    と分波されるべき入射ビームの進行方向とが斜交するよ
    うに配置し、前記定在波位相格子が光ビームと作用する
    相互作用長をlとし、印加電圧の周波数をfmとし、光ビ
    ームの電気光学材料体中での光速をV0とし、光ビームと
    位相格子と交差角をθとた場合に式、 l(fm/V0cosθ/∧)=1 が成立するように交差角θ及び相互作用長lを選択した
    ことを特徴とする電気光学分波装置。
  4. 【請求項4】印加電界に応じて屈折率が変化する電気光
    学材料体及びこの電気光学材料体の同一面上に形成され
    一方向に沿って延在する1対の電極を有する電気光学材
    料素子と、前記1対の電極に接続され前記電気光学材料
    体にマイクロ波領域の高周波電圧を印加する高周波電源
    とを具え、前記1対の電極を、所定のピッチ∧で周期的
    に配列した複数の電極指を有する第1の電極群と第1の
    電極群の電極指間にそれぞれ配置されピッチ∧の複数の
    電極指を有する第2の電極群とで構成し、第1電極群及
    び第2電極群に相互に位相がπだけずれた周波数fmの高
    周波電圧をそれぞれ印加して電気光学材料体に電極群の
    配列方向に沿って等価的な定在波位相格子を形成し、前
    記電気光学材料素子を定在波位相格子の形成方向と分波
    されるべき入射ビームの進行方向とが斜交するように配
    置し、前記定在波位相格子が光ビームと作用する相互作
    用長をlとし、印加電圧の周波数をfmとし、光ビームの
    電気光学材料体中での光速をV0とし、光ビームと位相格
    子と交差角をθとた場合に式、 l(fm/V0cosθ/∧)=1 が成立するように交差角θ及び相互作用長lを選択した
    ことを特徴とする電気光学分波装置。
  5. 【請求項5】入射した光ビームを周波数偏移され空間的
    に分離された複数のサブビームに分離する電気光学分波
    装置と、分波されたサブビームを平行光束とするための
    フーリエ変換レンズと、各サブビームの位相を同相にす
    るための位相補償器と、同相にされたサブビームをフー
    リエ合成するためのフーリエ変換レンズとを具え、 前記電気光学分波装置が、印加電界に応じて屈折率が変
    化する電気光学材料体及びこの電気光学材料体に形成し
    た1対の電極を有する電気光学材料素子と、前記1対の
    電極に接続され前記電気光学材料体にマイクロ波領域の
    高周波電圧を印加する高周波電源とを有し、前記電気光
    学材料素子を、電気光学材料体に形成される位相格子と
    入射光ビームとが斜交するように配置したことを特徴と
    するビーム偏向装置。
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