JPH078842Y2 - 燃料噴射系統 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、４サイクル・ディーゼル機関に使用される
燃料噴射系統、特に、ユニット・インジェクタを備える
燃料噴射系統に関する。

通常の４サイクル・ディーゼル機関では、ユニット・イ
ンジェクタを駆動するカム・シャフトは、機関回転数の
半分で回転されるので、燃料の噴射率および噴射圧を上
げようとすると、カムの周速度を上げる必要があり、従
って、カム径が大きくなり、その結果、機関の軽量化に
不向きになる傾向にあった。

また、噴射燃料スピル溝をスピル・ポートに合わせるよ
うにして、調量プランジャで燃料調量を行なうので、そ
の燃料調量は不安定で、そして、燃料噴射終わりには、
燃料噴射の切れが悪く、安定した燃料噴射を可能にする
点において、不充分であった。

この考案の目的・課題は、燃料の噴射率を向上させ、燃
料の噴射圧を上げ、燃料調量を正確にし、燃料噴射終わ
りの切れを向上させ、燃料噴射を安定させ、そして、機
関性能を向上させ、加えて、機関の軽量化を可能にする
ところのディーゼル機関に使用される燃料噴射系統の提
供にある。

上述の目的・課題に関連して、この考案の燃料噴射系統
は、ニードル・スピンドル・ボア，フリー・ピストン・
ボア、および、そのフリー・ピストン・ボアに連通され
るブースタ・プランジャ・ボアを有するポンプ本体、そ
のニードル・スピンドル・ボアに往復摺動可能に嵌め合
わせられるノズル・ニードル、そのノズル・ニードルの
ための圧力スプリング、そのブースタ・プランジャ・ボ
アに往復摺動可能に嵌め合わせられてそのブースタ・プ
ランジャ・ボアにブースタ・ポンピング・チャンバを形
成し、かつ、往復摺動することによってそのブースタ・
ポンピング・チャンバのフィード・ポートを開閉するブ
ースタ・プランジャ、そのフリー・ピストン・ボアに往
復摺動可能に嵌め合わせられてそのフリー・ピストン・
ボアに噴射ポンピング・チャンバを形成し、かつ、往復
摺動することによってその噴射ポンピング・チャンバの
メインおよびサブ・スピル・ポートを開閉するフリー・
ピストン、そのブースタ・プランジャに連結されるフォ
ロア、そして、そのフォロアのためのポンピング・スプ
リングで組み立てられ、そしてさらに、燃料リザーバ側
にその噴射ポンピング・チャンバを接続する燃料フィー
ド・チャンネル、そのニードル・スピンドル・ボアの燃
料溜りにその噴射ポンピング・チャンバを接続する圧力
カナール、およびそれらポートを互いに連絡する燃料ス
ピル・チャンネルを備えて４サイクル・ディーゼル機関
で駆動されるユニット・インジェクタと、その燃料リザ
ーバにその燃料フィード・チャンネルを接続する燃料配
管に配置されてその機関の1/2の回転数で駆動される調
量フィード・ポンプと、ロッカ・アーム・シャフトに揺
動可能に支持されてそのポンピング・スプリングに抗し
てそのブースタ・プランジャを押すロッカ・アームと、
そのロッカ・アームを突いてそのロッカ・アーム・シャ
フトのまわりにそのロッカ・アームを揺動させるプッシ
ュ・ロッドと、そのプッシュ・ロッドを押すカムを有し
てその機関の回転数で回転されるカム・シャフトとで構
成されるところである。

以下、この考案の燃料噴射系統の特定された具体例につ
いて、図面を参照して説明する。

図は、４サイクル・ディーゼル機関（図示せず）に使用
されたこの考案の燃料噴射系統の具体例10を示してい
る。

その燃料噴射系統10は、その４サイクル・ディーゼル機
関で駆動されるユニット・インジェクタ11と、そのディ
ーゼル機関で駆動される調量フィード・ポンプ12と、ロ
ッカ・アーム・シャフト13に揺動可能に支持されたロッ
カ・アーム14と、プッシュ・ロッド15と、タペット16
と、そのプッシュ・ロッド15を押すカム18を備えたカム
・シャフト17とで構成され、そして、その調量フィード
・ポンプ12は、通常のように、燃料入口70が燃料供給配
管74で燃料フィード・ポンプ71に接続されて燃料リザー
バ73の燃料がその燃料フィード・ポンプ71によって供給
されるところでそのユニット・インジェクタ11に接続さ
れ、一方、そのカム・シャフト17は、そのディーゼル機
関の回転数で回転されるところで設定された。勿論、そ
の材料フィード・ポンプ71は、通常のように、その燃料
供給配管74に接続されたリリーフ・バルブ72によって送
出し圧力が維持されている。

そのユニット・インジェクタ11は、ニードル・スピンド
ル・ボア34、そのニードル・スピンドル・ボア34に同軸
心的に連通されたスプリング・チャンバ・ボア39、フリ
ー・ピストン・ボア49、および、そのフリー・ピストン
・ボア49に軸線をオフ・セットさせて連通されたブース
タ・プランジャ・ボア52を形成したポンプ本体19、その
ニードル・スピンドル・ボア34に往復摺動可能に嵌め合
わせられたノズル・ニードル25、そのスプリング・チャ
ンバ・ボア39に配置されてそのニードル・スピンドル・
ボア34のバルブ・シート35にそのノズル・ニードル25を
押し付ける圧力スプリング26、そのブースタ・プランジ
ャ・ボア52に往復摺動可能に嵌め合わせられてそのブー
スタ・プランジャ・ボア52にブースタ・プランジャ・チ
ャンバ57を形成し、かつ、往復摺動することによってそ
のブースタ・ポンピング・チャンバ57のフィード・ポー
ト55を開閉するブースタ・プランジャ27、そのフリー・
ピストン・ボア49に往復摺動可能に嵌め合わせられてそ
のフリー・ピストン・ボア49に噴射ポンピング・チャン
バ44を形成し、かつ、往復摺動することによってその噴
射ポンピング・チャンバ44のメインおよびサブ・スピル
・ポート50,51を開閉するフリ・ピストン28、そのブー
スタ・プランジャ27に連結されたフォロア65、そして、
そのフォロア65のためのポンピング・スプリング67で組
み立てられ、そして、その調量フィード・ポンプ12側に
その噴射ポンピング・チャンバ44を接続した燃料フィー
ド・チャンネル29、そのニードル・スピンドル・ボア34
の燃料溜り38にその噴射ポンピング・チャンバ44を接続
した圧力カナール30,31、それらポート50,51,55を互い
に連絡した燃料スピル・チャンネル32、そして、そのス
プリング・チャンバ・ボア39にそのサブ・スピル・ポー
ト51を接続したスピル燃料連通チャンネル33を備えた構
造に製造される。

そのポンプ本体19は、ノズル20、圧力スプリング案内2
1、フリー・ピストン案内22、およびブースタ・プラン
ジャ案内23で構成され、そのブースタ・プランジャ案内
23がそのフリー・ピストン案内22にねじ結合され、そし
て、そのノズル20および圧力スプリング案内21がナット
24でそのフリー・ピストン案内22に共締めされて一体的
に組み立てられる。

そのノズル20は、バルブ・シート35、複数の噴口36,37
および燃料溜り38を有するニードル・スピンドル・ボア
34を備え、また、その燃料溜り38に連絡された圧力カナ
ール30を備えている。

その圧力スプリング案内21は、そのノズル20と共にナッ
ト24でフリー・ピストン案内22に組み付けられると、圧
力スプリング・チャンバ40を形成するように、そのニー
ドル・スピンドル・ボア34にほぼ同軸心的に整列される
ところのスプリング・チャンバ・ボア39を備えている。
勿論、そのスプリング・チャンバ・ボア39は、下端を開
放し、そのスプリング・チャンバ・ボア39には、ピン孔
42を備えたねじ込みディスク41がねじ込まれている。そ
のようにして、そのスプリング・チャンバ・ボア39がそ
のねじ込みディスク41によって閉じられてなる圧力スプ
リング・チャンバ40には、圧力スプリング26およびスプ
リング・シート43が配置されている。

また、その圧力スプリング案内21は、フリー・ピストン
案内側の端面すなわち、上方端面にポンピング・チャン
バ窪み44およびバルブ・ボア45を形成し、そのフリー・
ピストン案内22に連結されるとき、噴射ポンピング・チ
ャンバ46およびバルブ・チャンバ47を形成できるように
加工されている。勿論、そのポンピング・チャンバ窪み
44は、その圧力スプリング案内21がそのフリー・ピスト
ン案内22に連結されるとき、そのフリー・ピストン案内
22のプランジャ・ボア48に連絡するように、その圧力ス
プリング案内21の上方端面に形成されている。

さらに、その圧力スプリング案内21は、そのノズル20と
共にそのナット24でそのフリー・ピストン案内22に連結
されると、そのノズル20の圧力カナール30に連絡する圧
力カナール31を備えている。

そのフリー・ピストン案内22は、ナット24で下端に圧力
スプリング案内21、ノズル20を順次連結し、また、上端
をブースタ・プランジャ案内23の下端にねじ結合可能に
構成されるもので、プランジャ・ボア48の下方部分を形
成するフリー・ピストン・ボア49を備えている。

そのフリー・ピストン案内22は所定の間隔で、そのフリ
ー・ピストン・ボア49の開口されたメイン・スピル・ポ
ート50およびサブ・スピル・ポート51を備えている。

そのブースタ・プランジャ案内23は、下端にそのフリー
・ピストン案内22をねじ連結したとき、そのフリー・ピ
ストン・ボア49の軸線からオフ・セットされた軸線を有
し、プランジャ・ボア48の上方部分を形成するブースタ
・プランジャ・ボア52を備えている。勿論、そのブース
タ・プランジャ・ボア52は、そのブースタ・プランジャ
案内23がそのフリー・ピストン案内22にねじ結合された
とき、オフ・セットされてそのフリー・ピストン・ボア
49に連絡される。

また、そのブースタ・プランジャ案内23は、そのブース
タ・プランジャ・ボア52に同軸的なフォロア・ガイド・
スリーブ部分53を上端に形成し、そのフォロア・ガイド
・スリーブ部分53の外周の上端面をポンピング・スプリ
ング67のスプリング・シート54にしている。

そのブースタ・プランジャ案内23は、所定の位置に、そ
のブースタ・プランジャ・ボア52に開口されたフィード
・ポート55を備えている。

そのノズル・ニードル25は、そのノズル20のバルブ・シ
ート35に着座されるようにして、そのニードル・スピン
ドル・ボア34に往復摺動可能に配置されている。

そのノズル・ニードル25は、また、ピン56を上端に同軸
心的に突出し、そのピン56を圧力スプリング案内21のピ
ン孔42に通し、圧力スプリング・チャンバ40内に配置さ
れるスプリング・シート43にピン先端を接し、常に、そ
の圧力スプリング・チャンバ40内に配置される圧力スプ
リング26でそのバルブ・シート35に押し付けられてい
る。

そのブースタ・プランジャ27は、そのフリー・ピストン
・ボア49に連通されたそのフリー・ピストン・ボア49側
のブースタ・プランジャ・ボア52内にブースタ・ポンピ
ング・チャンバ57を形成するように、そのブースタ・プ
ランジャ・ボア52内に往復摺動可能に配置され、フィー
ド・ポート55を開閉する。

そのブースタ・プランジャ27は、また、フォロア・ガイ
ド・スリーブ部分53に往復摺動可能に嵌め合わされたフ
ォロア65に上端を連結している。勿論、そのフォロア65
は、そのガイド・スリーブ部分53の外側に伸長され、ポ
ンピング・スプリング67のためのプランジャ66を伸長端
に備えている。

そのフリー・ピストン28は、そのポンピング・チャンバ
窪み44を噴射ポンピング・チャンバ46になし、また、そ
のブースタ・プランジャ27に協働して、そのフリー・ピ
ストン・ボア49に連通されたそのブースタ・プランジャ
・ボア52内にブースタ・ポンピング・チャンバ57を形成
するように、そのフリー・ピストン・ボア49内に往復摺
動可能に配置され、そのブースタ・プランジャ27のポン
ピング動作に応動して、そのフリー・ピストン・ボア49
内に往復動され、そのフリー・ピストン・ボア49に開口
されたメインおよびサブ・スピル・ポート50,51を開閉
する。

そのフリー・ピストン28は、所定の位置において、高圧
燃料スピル溝58を外周面に環状に形成し、また、一端を
下端に開口し、他端をその高圧燃料スピル溝58に連結さ
れた連通チャンネル59を備え、燃料の噴射終わりにおい
て、それらメインおよびサブ・スピル・ポート50,51を
開放する。

その燃料フィード・チャンネル29は、そのフリー・ピス
トン案内22からそのブースタ・プランジャ案内23に伸長
され、その圧力スプリング案内21のポンピング・チャン
バ窪み44に開口された一端には、バルブ・シート60を形
成し、また、そのブースタ・プランジャ案内23の接続口
61に他端を接続している。勿論、その接続口61には、燃
料配管68を介してその調量フィード・ポンプ12が接続さ
れ、その燃料フィード・ポンプ71からその調量フィード
・ポンプ12に圧送され、そして、その調量フィード・ポ
ンプ12でさらに加圧されたところのその燃料リザーバ73
の燃料がその噴射ポンピング・チャンバ46に供給可能に
される。

その燃料スピル・チャンネル32は、そのフリー・ピスト
ン案内22からそのブースタ・プランジャ案内23に伸長さ
れ、それらポート50,51,55を互いに連絡し、この燃料ス
ピル・チャンネル32は、また、通常のように、接続口69
において、燃料戻し配管75でその燃料供給配管74に接続
され、その調量フィード・ポンプ12によって燃料が供給
されないときにそのユニット・インジェクタ11がそのフ
リー・ピストン28をそのフリー・ピストン・ボア49の最
下位置に維持させてポンピング動作する際、言い換えれ
ば、そのユニット・インジェクタ11において、燃料の無
噴射動作が行われた際、そのブースタ・ポンピング・チ
ャンバ57内には、その燃料フィード・ポンプ71およびリ
リーフ・バルブ72で調圧された圧力がかけられ、そし
て、次の燃料噴射のために、そのブースタ・プランジャ
27がポンピング動作される際に、そのブースタ・ポンピ
ング・チャンバ57内が負圧にならず、そして、気泡がそ
のブースタ・ポンピング・チャンバ57内に発生されずに
そのフリー・ピストン28の調量に何ら影響を与えないよ
うにしている。

そのスピル燃料連通チャンネル33は、圧力スプリング案
内21からフリー・ピストン案内22に伸長され、一端を圧
力スプリング・チャンバ40に、他端をサブ・スピル・ポ
ート51にそれぞれ接続し、燃料噴射終わりにおいて、噴
射ポンピング・チャンバ46内の高圧燃料、すなわち、逃
し燃料圧油を圧力スプリング・チャンバ40内に導びき、
そのノズル・ニードル25の締切りを改善している。すな
わち、そのようにして、そのスピル燃料連通チャンネル
33は高い逃し油圧を圧力スプリング・チャンバ40内に導
びき、燃料切れを向上させる。

このユニット・インジェクタ11は、また、バルブ・ボア
45に逆止弁62を配置している。その逆止弁62は、ポペッ
ト63とバルブ・スプリング64からなり、燃料噴射の際、
高圧の燃料が調量フィード・ポンプ12側に流れないよう
にしている。

その調量フィード・ポンプ12は、ポッシュ型燃料噴射ポ
ンプが使用され、そのディーゼル機関に回転数の半分の
回転数でそのディーゼル機関によって駆動される。勿
論、この調量フィード・ポンプ12は、通常のフィード・
ポンプと、コントローラで制御される電磁弁との組み合
わせに置き換え可能で、その場合、燃料の調量は、その
電磁弁の開閉時間によって行なわれる。

また、この燃料噴射系統10では、そのカム・シャフト17
がそのディーゼル機関の回転数で回転されてカム周速度
が上げられたので、そのカム18は、従来のカムに比して
カム径を小さくして小型に形成された。その結果、この
燃料噴射系統10では、そのユニット・インジェクタ11の
駆動機構まわりがコンパクトにまとめられ、そのディー
ゼル機関が軽量化された。

次に、上述の燃料噴射系統10の動作について説明する
に、今、ディーゼル機関が運転されていると、カム・シ
ャフト17は、そのディーゼル機関の回転数で回転され、
また、調量フィード・ポンプ12はそのディーゼル機関の
回転数の半分の回転数で回転され、他方、フォロア65に
連結されたブースタ・プランジャ27は、カム・シャフト
17の回転に伴なって、タペット16、シャフト17の回転に
伴なって、タペット16、プッシュ・ロッド15を介して揺
動されるロッカ・アーム14とポンピング・スプリング67
とによって、ブースタ・プランジャ・ボア52内に往復摺
動されるので、燃料は、燃料配管68を経て、燃料リザー
バから燃料フィード・チャンネル29に導びかれ、逆止弁
62を押し開いて噴射ポンピング・チャンバ46内に流入す
る。

その噴射ポンピング・チャンバ46内に流入される燃料
は、ブースタ・プランジャ27の上方動きに伴なわれて上
方に動かされるフリー・ピストン28によって行なわれ
る。そのようにして、機関の回転数、負荷に応じて調量
フィード・ポンプ12から供給される燃料は、フリー・ピ
ストン28によってより正確に調量される。

次に、そのブースタ・プランジャ27が下方に動かされる
と、フィード・ポート55が閉じられ、そのブースタ・ポ
ンピング・チャンバ57内の燃料は圧縮され、また、その
燃料の圧縮に伴なって、そのフリー・ピストン28は下方
に動かされ、その噴射ポンピング・チャンバ46内の燃料
はそのフリー・ピストン28によって圧縮され、圧力カナ
ール30,31を経て、燃料溜り38に流れ、その燃料溜り38
内の圧力が所定の圧力に達すると、ノズル・ニードル25
が圧力スプリング26に抗して持ち上げられ、燃料が噴口
36,37から鋸状噴射される。

さらに、そのブースタ・プランジャ27が下方に動かさ
れ、下方位置に近づくと、そのフリー・ピストン28もま
た、下方に動かされ下方位置に近づけられ、そのフリー
・ピストン28の高圧燃料スピル溝58がサブ・スピル・ポ
ート51に連絡されるので、噴射ポンピング・チャンバ46
内の高圧燃料は、連通チャンネル59および高圧燃料スピ
ル溝58を経てサブ・スピル・ポート51に逃がれ、さら
に、その高圧燃料はスピル燃料連通チャンネル33を経
て、圧力スプリング・チャンバ40に導びかれ、背圧とし
て、その高圧燃料すなわち、スピル燃料圧をそのノズル
・ニードル25に作用し、そのノズル・ニードル25の締切
り速度を大きくし、燃料の切れを良くする。

引き続いて、そのメイン・スピル・ポート50がそのフリ
ー・ピストン28によって開かれ、そのブースタ・プラン
ジャ27はポンピング動作を終了する。そして、再びその
ブースタ・プランジャ27は、そのカム・シャフト17の回
転に伴ってそのタペット16およびプッシュ・ロッド15を
介して揺動されるそのロッカ・アーム14とそのポンピン
グ・スプリング67とによって、そのブースタ・プランジ
ャ・ボア52内に往復摺動されるが、このポンピング動作
の際には、その調量フィード・ポンプ12によって燃料が
供給されないので、そのフリー・ピストン28は燃料の調
量することなく、そのフリー・ピストン・ボア49の最下
位置に維持されて燃料の噴射は行われない。

この燃料噴射系統10では、カム・シャフト17の回転に伴
なって揺動されるロッカ・アーム14およびポンピング・
スプリング67によってユニット・インジェクタ11が上述
の動作を周期的に繰り返し、調量フィード・ポンプ12が
機関の回転数および負荷に応じて調量された燃料をその
ユニット・インジェクタ11に周期的に供給する。

先に図面を参照して説明されたところのこの考案の特定
された具体例から明らかであるように、この考案の属す
る技術の分野における通常の知識を有する者にとって、
この考案の内容は、その考案の性質および本質に由来
し、そして、それらを内在させると客観的に認められる
その他の態様に容易に具体化される。勿論、この考案の
内容は、その考案の課題に相応し、そして、その考案の
成立に必須である。

上述から理解されるように、この考案の燃料噴射系統
は、ニードル・スピンドル・ボア，フリー・ピストン・
ボア、および、そのフリー・ピストン・ボアに連通され
るブースタ・プランジャ・ボアを有するポンプ本体、そ
のニードル・スピンドル・ボアに往復摺動可能に嵌め合
わせられるノズル・ニードル、そのノズル・ニードルの
ための圧力スプリング、そのブースタ・プランジャ・ボ
アに往復摺動可能に嵌め合わせられてそのブースタ・プ
ランジャ・ボアにブースタ・ポンピング・チャンバを形
成し、かつ、往復摺動することによってそのブースタ・
ポンピング・チャンバのフィード・ポートを開閉するブ
ースタ・プランジャ、そのフリー・ピストン・ボアに往
復摺動可能に嵌め合わせられてそのフリー・ピストン・
ボアに噴射ポンピング・チャンバを形成し、かつ、往復
摺動することによってその噴射ポンピング・チャンバの
メインおよびサブ・スピル・ポートを開閉するフリー・
ピストン、そのブースタ・プランジャに連結されるフォ
ロア、そして、そのフォロアのためのポンピング・スプ
リングで組み立てられ、そしてさらに、燃料リザーバ側
にその噴射ポンピング・チャンバを接続する燃料フィー
ド・チャンネル、そのニードル・スピンドル・ボアの燃
料溜りにその噴射ポンピング・チャンバを接続す圧力カ
ナール、およびそれらポートを互いに連絡する燃料スピ
ル・チャンネルを備えて４サイクル・ディーゼル機関で
駆動されるユニット・インジェクタと、その燃料リザー
バにその燃料フィード・チャンネルを接続する燃料配管
に配置されてその機関の1/2の回転数で駆動される調量
フィード・ポンプと、ロッカ・アーム・シャフトに揺動
可能に支持されてそのポンピング・スプリングに抗して
そのブースタ・プランジャを押すロッカ・アームと、そ
のロッカ・アームを突いてそのロッカ・アーム・シャフ
トのまわりにそのロッカ・アームを揺動させるプッシュ
・ロッドと、そのプッシュ・ロッドを押すカムを有して
その機関の回転数で回転されるカム・シャフトとを含む
ので、この考案の燃料噴射系統では、そのカム・シャフ
トをその機関の回転数で回転させることによってカム周
速度が上げられてそのカムが機関回転数の半分で回転さ
れるところの通常のカムに比して小径にできて小型化さ
れ、それに伴って、そのカム・シャフトまわりが小型化
されて機関全体が軽量化され、また、そのようにカムを
機関回転数で回転させることによって、燃料の噴射圧が
上げられ、燃料の噴射率が向上され、燃料調量が正確に
なり、燃料噴射終わりの切れが向上され、燃料噴射が安
定され、そして、機関性能が向上され、その結果、４サ
イクル・ディーゼル機関にとって非常に有用で実用的で
ある。

【図面の簡単な説明】

図は、４サイクル・ディーゼル機関に使用されたこの考
案の燃料噴射系統の具体例を示す縦断面図である。 11……ユニット・インジェクタ、12……調量フィード・
ポンプ、14……ロッカ・アーム、15……プッシュ・ロッ
ド、17……カム・シャフト、18……カム、19……ポンプ
本体、20……ノズル、21……圧力スプリング案内、22…
…フリー・ピストン案内、23……ブースタ・プランジャ
案内、25……ノズル・ニードル、26……圧力スプリン
グ、27……ブースタ・プランジャ、28……フリー・ピス
トン、29……燃料フィード・チャンネル、30,31……圧
力カナール、32……燃料スピル・チャンネル、33……ス
ピル燃料連通チャンネル、65……フォロア、67……ポン
ピング・スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ニードル・スピンドル・ボア、フリー・ピ
   ストン・ボア、および、そのフリー・ピストン・ボアに
   連通されるブースタ・プランジャ・ボアを有するポンプ
   本体、そのニードル・スピンドル・ボアに往復摺動可能
   に嵌め合わせられるノズル・ニードル、そのノズル・ニ
   ードルのための圧力スプリング、そのブースタ・プラン
   ジャ・ボアに往復摺動可能に嵌め合わせられてそのブー
   スタ・プランジャ・ボアにブースタ・ポンピング・チャ
   ンバを形成し、かつ、往復摺動することによってそのブ
   ースタ・ポンピング・チャンバのフィード・ポートを開
   閉するブースタ・プランジャ、そのフリー・ピストン・
   ボアに往復摺動可能に嵌め合わせられてそのフリー・ピ
   ストン・ボアに噴射ポンピング・チャンバを形成し、か
   つ、往復摺動することによってその噴射ポンピング・チ
   ャンバのメインおよびサブ・スピル・ポートを開閉する
   フリー・ピストン、そのブースタ・プランジャに連結さ
   れるフォロア、そして、そのフォロアのためのポンピン
   グ・スプリングで組み立てられ、そしてさらに、燃料リ
   ザーバ側にその噴射ポンピング・チャンバを接続する燃
   料フィード・チャンネル、そのニードル・スピンドル・
   ボアの燃料溜りにその噴射ポンピング・チャンバを接続
   する圧力カナール、およびそれらポートを互いに連絡す
   る燃料スピル・チャンネルを備えて４サイクル・ディー
   ゼル機関で駆動されるユニット・インジェクタと、 その燃料リザーバにその燃料フィード・チャンネルを接
   続する燃料配管に配置されてその機関の1/2の回転数で
   駆動される調量フィード・ポンプと、 ロッカ・アーム・シャフトに揺動可能に支持されてその
   ポンピング・スプリングに抗してそのブースタ・プラン
   ジャを押すロッカ・アームと、 そのロッカ・アームを突いてそのロッカ・アーム・シャ
   フトのまわりにそのロッカ・アームを揺動させるプッシ
   ュ・ロッドと、 そのプッシュ・ロッドを押すカムを有してその機関の回
   転数で回転されるカム・シャフト とを含む燃料噴射系統。