JPH0785836B2 - 調質超高張力鋼の電子ビーム溶接方法 - Google Patents
調質超高張力鋼の電子ビーム溶接方法Info
- Publication number
- JPH0785836B2 JPH0785836B2 JP60090422A JP9042285A JPH0785836B2 JP H0785836 B2 JPH0785836 B2 JP H0785836B2 JP 60090422 A JP60090422 A JP 60090422A JP 9042285 A JP9042285 A JP 9042285A JP H0785836 B2 JPH0785836 B2 JP H0785836B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electron beam
- beam welding
- pass
- welding method
- strength steel
- Prior art date
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- Expired - Lifetime
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野) 本発明は調質超高張力鋼の電子ビーム溶接方法に関す
る。
る。
〔従来技術と問題点〕 電子ビーム溶接は、通常1パスで行なう。しかしなが
ら、0.2%耐力レベルが80〜120kg/mm2クラスの調質超高
張力鋼の電子ビーム溶接を1パスで行なうと、冷却速度
が遅いため、母材が溶けて再凝固した溶接金属の0.2%
耐力は母材の値より低くなり、時として母材の規格値を
下回るケースがある。
ら、0.2%耐力レベルが80〜120kg/mm2クラスの調質超高
張力鋼の電子ビーム溶接を1パスで行なうと、冷却速度
が遅いため、母材が溶けて再凝固した溶接金属の0.2%
耐力は母材の値より低くなり、時として母材の規格値を
下回るケースがある。
このようなことから、溶接部を再調質又は再焼戻しする
方法が開発されている。しかしながら、かかる方法では
溶接部のみの処理というわけにいかず、構造物全体を処
理する必要があるため、設備的,工業的に大きなロスが
生じる。
方法が開発されている。しかしながら、かかる方法では
溶接部のみの処理というわけにいかず、構造物全体を処
理する必要があるため、設備的,工業的に大きなロスが
生じる。
一方、予め鋼材の化学成分を電子ビーム溶接用に耐力が
高くなるように調製する方法もあるが、汎用性に乏し
い。
高くなるように調製する方法もあるが、汎用性に乏し
い。
本発明は溶接部を0.2%耐力の母材と同等以上に確保で
きる調質超高張力材の電子ビーム溶接方法を提供しよう
とするものである。
きる調質超高張力材の電子ビーム溶接方法を提供しよう
とするものである。
本発明は、調質超高張力鋼の電子ビーム溶接方法におい
て、 前記超高張力鋼の被溶接部に3回以上のパスを行い、か
つ1回目のパスは前記被溶接部の板厚を貫通して行な
い、2回目以降のパスは漸次溶込み深さが浅くなるよう
に行なうと共にその直前のパスにより形成された溶融金
属が冷却凝固した後にそれぞれ行なうことによって、溶
接金属の焼戻しを漸次深部側から表面側に向けて施すこ
とを特徴とする調質超高張力鋼の電子ビーム溶接方法で
ある。
て、 前記超高張力鋼の被溶接部に3回以上のパスを行い、か
つ1回目のパスは前記被溶接部の板厚を貫通して行な
い、2回目以降のパスは漸次溶込み深さが浅くなるよう
に行なうと共にその直前のパスにより形成された溶融金
属が冷却凝固した後にそれぞれ行なうことによって、溶
接金属の焼戻しを漸次深部側から表面側に向けて施すこ
とを特徴とする調質超高張力鋼の電子ビーム溶接方法で
ある。
以下、本発明を第1図〜第4図を参照して詳細に説明す
る。
る。
まず、第1図に示すように0.2%耐力80〜120kg/mm2クラ
スの調質超高張力鋼の母材1を電子ビーム2により1パ
ス目31はその板厚を貫通して溶接する。つづいて、第2
図に示すように2パス目32は板厚の1/2〜3/4程度の深さ
となるように溶接する。ひきつづき、第3図に示すよう
に3パス目33は板厚の1/4〜1/2程度の深さとなるように
溶接する。最後に第4図に示すように4パス目34は板厚
の1/4以下となるように溶接する。
スの調質超高張力鋼の母材1を電子ビーム2により1パ
ス目31はその板厚を貫通して溶接する。つづいて、第2
図に示すように2パス目32は板厚の1/2〜3/4程度の深さ
となるように溶接する。ひきつづき、第3図に示すよう
に3パス目33は板厚の1/4〜1/2程度の深さとなるように
溶接する。最後に第4図に示すように4パス目34は板厚
の1/4以下となるように溶接する。
上記調質超高張力鋼としては、例えば下記第1表に示す
化学成分,機械的性質を有するNS80,NS90,10Ni−8C0等
を挙げることができる。
化学成分,機械的性質を有するNS80,NS90,10Ni−8C0等
を挙げることができる。
〔作 用〕 上述した電子ビーム溶接方法において、1パス目31の溶
接金属はそのままでは0.2%耐力の低下が激しいが、2
パス目32の溶接を施した時に、その熱影響を受けて焼入
れ効果により0.2%耐力が回復する。2パス目32の溶接
金属は3パス目33の熱影響により、3パス目33の溶接部
は4パス目34の熱影響により夫々耐力が回復する。4パ
ス目34の溶接金属は、溶込み深さの浅い、つまり低入熱
の溶接であるので、もともと冷却速度が速く、焼入れさ
れた状態であるので、0.2%耐力は低下していない。こ
うした方法により母材の溶接部における板厚全体につい
て、該溶接部の0.2%耐力を母材と同等以上にできる。
接金属はそのままでは0.2%耐力の低下が激しいが、2
パス目32の溶接を施した時に、その熱影響を受けて焼入
れ効果により0.2%耐力が回復する。2パス目32の溶接
金属は3パス目33の熱影響により、3パス目33の溶接部
は4パス目34の熱影響により夫々耐力が回復する。4パ
ス目34の溶接金属は、溶込み深さの浅い、つまり低入熱
の溶接であるので、もともと冷却速度が速く、焼入れさ
れた状態であるので、0.2%耐力は低下していない。こ
うした方法により母材の溶接部における板厚全体につい
て、該溶接部の0.2%耐力を母材と同等以上にできる。
なお、板厚が比較的薄い母材の電子ビーム溶接の場合に
は、3パス施工又は2パス施工でも十分な効果が得られ
る。
は、3パス施工又は2パス施工でも十分な効果が得られ
る。
前記第1表に示す化学成分,機械的性質のNS80からなる
板厚の異なる母材を用い、これら母材を下記第2表に示
す条件で電子ビーム溶接を行なった。
板厚の異なる母材を用い、これら母材を下記第2表に示
す条件で電子ビーム溶接を行なった。
しかして、電子ビーム溶接段の溶接金属の機械的性質を
調べた。その結果を、同第2表に併記した。なお、第2
表中には1パス施行による従来法についても併記した。
調べた。その結果を、同第2表に併記した。なお、第2
表中には1パス施行による従来法についても併記した。
上表より明らかな如く、本発明によれば溶接金属の0.2
%耐力は母材と同等又はそれ以上に改善されることがわ
かる。
%耐力は母材と同等又はそれ以上に改善されることがわ
かる。
以上詳述した如く、本発明の調質超高張力材の電子ビー
ム溶接方法によれば、溶接部を0.2%耐力の母材と同等
以上に確保でき、ひいては潜水船耐圧殻その他調質超高
張力材の溶接製品の製作に有効に利用できる等顕著な効
果を有する。
ム溶接方法によれば、溶接部を0.2%耐力の母材と同等
以上に確保でき、ひいては潜水船耐圧殻その他調質超高
張力材の溶接製品の製作に有効に利用できる等顕著な効
果を有する。
第1図〜第4図は本発明の電子ビーム溶接方法を工程順
に示す斜視図である。 1……調質超高張力鋼の母材、2……電子ビーム、31…
…1パス目、32……2パス目、33……3パス目、34……
4パス目。
に示す斜視図である。 1……調質超高張力鋼の母材、2……電子ビーム、31…
…1パス目、32……2パス目、33……3パス目、34……
4パス目。
Claims (1)
- 【請求項1】調質超高張力鋼の電子ビーム溶接方法にお
いて、 前記超高張力鋼の被溶接部に3回以上のパスを行い、か
つ1回目のパスは前記被溶接部の板厚を貫通して行な
い、2回目以降のパスは漸次溶込み深さが浅くなるよう
に行なうと共にその直前のパスにより形成された溶融金
属が冷却凝固した後にそれぞれ行なうことによって、溶
接金属の焼戻しを漸次深部側から表面側に向けて施すこ
とを特徴とする調質超高張力鋼の電子ビーム溶接方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60090422A JPH0785836B2 (ja) | 1985-04-26 | 1985-04-26 | 調質超高張力鋼の電子ビーム溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60090422A JPH0785836B2 (ja) | 1985-04-26 | 1985-04-26 | 調質超高張力鋼の電子ビーム溶接方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61249688A JPS61249688A (ja) | 1986-11-06 |
JPH0785836B2 true JPH0785836B2 (ja) | 1995-09-20 |
Family
ID=13998163
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60090422A Expired - Lifetime JPH0785836B2 (ja) | 1985-04-26 | 1985-04-26 | 調質超高張力鋼の電子ビーム溶接方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0785836B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4719118B2 (ja) * | 2006-10-02 | 2011-07-06 | 新日本製鐵株式会社 | 耐脆性破壊発生特性に優れた電子ビーム溶接継手 |
WO2011068201A1 (ja) * | 2009-12-04 | 2011-06-09 | 新日本製鐵株式会社 | 突合せ溶接継手及びその製造方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS51107245A (ja) * | 1975-03-19 | 1976-09-22 | Hitachi Ltd | Koenerugiimitsudobiimuyosetsuhoho |
JPS5270959A (en) * | 1975-12-10 | 1977-06-13 | Hitachi Ltd | Weld structure welded by high energy density beam and its welding method and device |
-
1985
- 1985-04-26 JP JP60090422A patent/JPH0785836B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61249688A (ja) | 1986-11-06 |
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Legal Events
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