JPH0785694B2 - 植物の養液栽培装置 - Google Patents

植物の養液栽培装置

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JPH0785694B2
JPH0785694B2 JP61107192A JP10719286A JPH0785694B2 JP H0785694 B2 JPH0785694 B2 JP H0785694B2 JP 61107192 A JP61107192 A JP 61107192A JP 10719286 A JP10719286 A JP 10719286A JP H0785694 B2 JPH0785694 B2 JP H0785694B2
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軍司 川嶋
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▲高▼木産業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、養液栽培などに用いる植物の養液栽培装置
に係り、特に、栽培養液供給の最適化に関する。
〔従来の技術〕
植物の栽培には、土壌を用いて行う従来からの土耕栽培
に対して、繊維状物質などの人工的な培養媒体に植物を
植え付けて、育成上必要な肥料などの養分を水に溶かし
た養液を供給して栽培を行う培地耕がある。
このような培地耕は、土耕栽培に比較して衛生的で、栽
培植物ごとに育成上の最適条件を設定でき、また、その
栽培管理が行い易いなど、優れた特徴を有しているが、
育成上、養液の管理が極めて重要である。
第7図は、植物の一般的な養液栽培装置の概要を示す。
この養液栽培装置は、養液混合希釈化装置2に農業用水
などの希釈水Wrとともに、養液Wmの基礎としての肥料な
どを溶かした高濃度養液(以下原液Mという)を原液タ
ンク4から供給し、この原液Mと希釈水Wrとを混合して
原液Mの濃度を希釈化することにより、植物の栽培に適
した肥料濃度に設定された養液Wmを得る。
そして、この養液Wmは、圧送ポンプや濾過器などからな
る養液供給装置6および供給管理8を経て栽培地10に送
られる。栽培地10では、供給管路8に取り付けた複数の
分岐管12を、植物14を植え付けたベッド16の近傍に配設
し、各分岐管12に対して植物単位ごとに供給ノズルとし
てのドリップノズル18を設ける。したがって、供給管路
8を通して圧送された養液Wmは、分岐管12を経てドリッ
プノズル18から植物の近傍に滴下して供給される。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このような養液栽培において、養液Wmの制御は、植物14
に対して最適な肥料濃度、pH値、供給時刻および供給量
を設定することが必要であり、その肥料濃度、pH値、供
給量、供給時刻および供給量は、植物ごとに異なる上、
その生育状態などの気象条件によっても大きく異なって
いるので、その都度、生育データや気象データを参照し
ながら、肥料濃度、pH値、供給量、供給時刻および供給
量を設定することが必要である。
従来、養液Wmの供給制御は、たとえば、供給管路にバル
ブを設けて、一定の時間間隔でバルブを開いて養液Wmを
栽培地に送る方法が用いられてきた。この方法は、日射
量などの気象条件や生育状態によって、植物が要求する
養液Wmの量が変化しても、植物について栽培データが不
足している場合には、その肥料濃度、pH値、供給時刻お
よび供給量を調整することは極めて困難であり、最適な
肥料濃度、pH値、供給時刻および供給量より養液Wmの肥
料濃度、pH値、供給時刻および供給量が多く、その分だ
け無駄になるとともに、最適水分量を越える場合には植
物に悪影響を及ぼしかねない。
このため、養液栽培において、栽培経験によって生育状
態が変化し、経験が乏しい場合には養液の供給条件を変
更できないなど、扱い難く、十分な成果を上げることが
困難であった。
そこで、この発明は、気象条件や生育状態に応じて養液
の肥料濃度、pH値、供給時刻および供給量の最適化を図
った植物の養液栽培装置の提供を目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明の植物の養液栽培装置は、栽培すべき植物(1
4)を植え付け、その植物の根を保持するとともに、通
水性を備えて前記植物に対して供給される養液(Wm)を
通過させる培地(ベッドBおよび苗木用培地102)と、
この培地に前記養液を滴下又は噴霧させるドリップノズ
ル(18)と、希釈水(Wr)を供給する希釈水供給路(供
給管路20)と前記培地側の前記ドリップノズルとの間に
設置されて前記希釈水供給路からの前記希釈水で第1又
は第2の原液(Ma、Mb)又は双方の原液を希釈して前記
養液を形成する養液混合希釈器(26)と、この養液混合
希釈器に供給すべき前記第1の原液を溜める第1の原液
タンク(28A)と、前記養液混合希釈器に供給すべき前
記第2の原液を溜める第2の原液タンク(28B)と、前
記第1の原液タンクと前記養液混合希釈器との間の原液
供給路に設置されて前記第1の原液を前記養液混合希釈
器に供給する第1の定量吐出器(30A)と、前記第2の
原液タンクと前記養液混合希釈器との間の原液供給路に
設置されて前記第2の原液を前記養液混合希釈器に供給
する第2の定量吐出器(30B)と、前記希釈水供給路に
設置されて前記希釈水の流量を検出する流量センサ(2
4)と、前記養液供給路に設定されて前記養液混合希釈
器の前記養液を培地側に圧送する圧送ポンプ(86)と、
前記流量センサからの流量データと、予め栽培条件によ
って設定される前記養液の濃度データとから前記養液混
合希釈器に供給すべき前記第1又は第2の原液の供給量
を演算し、その演算結果に応じて前記第1又は第2の定
量吐出器の一方又は第1及び第2の定量吐出器の双方を
動作させて前記第1又は第2の原液の一方又は第1及び
第2の原液の双方を前記養液混合希釈器に供給させる養
液調合制御部(33)と、前記流量センサからの前記流量
データと、予め栽培条件によって設定される前記養液の
供給量データとから前記培地に供給すべき前記養液供給
量を算出して前記圧送ポンプを制御する養液供給制御部
(38)と、栽培される植物の生育期間や生育状態、季節
的な気象条件、1日の気象条件を表す生育条件により、
前記養液調合制御部で設定される前記第1及び第2の原
液の供給量、前記養液供給制御部に設定される前記養液
供給量を制御する生育制御部(39)とを備えたことを特
徴とするものである。
〔作用〕
この発明の植物の養液栽培装置は、植物の生育データお
よび気象データに応じて定まる養液Wmの目標値としての
養液Wmの肥料濃度、pH値および供給量を、植物の生育状
態および気象の実測値データに応じて補正して養液Wmを
植物の育成に最も適するようにしている。そして、この
養液栽培装置では、養液Wmの温度についても目標値を設
定し、その養液Wmの温度を環境温度に応じて最適化する
ことによって植物の育成の促進が図られる。
栽培すべき植物を最も効率的に栽培するには、養液の濃
度及び供給量を気象条件や生育状態に応じて制御するこ
とである。先ず、植物の生育に必要な養液の肥料濃度は
pHで変化する。そこで、養液の肥料濃度は、季節により
栽培する植物の生育条件(Xn)により変化させることが
必要である。ある生育条件において、1年を周期として
日射量と濃度との関係を見ると、第8図に示すような関
係がある。即ち、ある生育状況の植物に対する肥料の供
給量は、春夏秋冬に関係なくほぼ一定である。しかし、
春夏秋冬では日射量が大幅に異なるので、肥料濃度はこ
の日射量の変化に対応して制御しなければ、植物はその
成分を吸収することができない。この点、肥料濃度につ
いて、日射量データの加味が必要となる。
次に、養液の供給量は、日射量、湿度及び生育日数によ
って変化する。第9図は日射量に対して供給すべき養液
の供給量、第10図は生育日数に対して供給すべき養液の
供給量、第11図は気温(℃)に対して供給すべき養液の
供給量を表す。第11図における気温は、条件Xpを表して
いる。
したがって、このような複数のファクタを総合的に制御
するため、この発明の植物の養液栽培装置では、養液調
合制御部、養液供給制御部及び生育制御部を備え、最適
かつ効率的な植物栽培を実現することができる。
そして、養液混合器が閉回路を成していれば、吐出養液
Wmを養液流量センサで計測できるので、必要量の確認が
できる。この発明では、大気開放経回路であって、養液
供給装置から突出される単位時間当りの養液供給量は一
定で、養液Wmは時間で制御することとしている。しかし
ながら、このような方式では、供給量の誤差も無視でき
ないので、一回の供給が完了したとき、養液の実測値と
理論値とを比較し、次回の供給量の設定について補正を
行う。このような方式は、原水の断水又は養液供給装置
の異常も検出可能である。
〔実 施 例〕 第1図は、この発明の植物の養液栽培装置の実施例を示
す。
特定濃度の養液Wmを得るための希釈水Wrには、たとえ
ば、地下水、雨水などの農業用水を用いる。この希釈水
Wrは、図示していないタンクなどから希釈水供給路とし
ての供給管路20を通して連続的に供給されるが、供給管
路20の途上に、希釈水Wrの流量wrを検出する流量検出手
段として流量センサ24が設置され、この流量センサ24に
よって希釈水Wrの流量wrが電気的に検出される。
Vwrは希釈水Wrの流量wrを表わす流量信号を示す。
この希釈水Wrは、原液Ma、Mbと混合するための養液混合
希釈化手段として設置された養液混合希釈器26に供給さ
れる。この養液混合希釈器26に供給するための第1およ
び第2の原液Ma、Mbを溜める原液貯留手段としての第1
および第2の原液タンク28A、28Bが設置されており、こ
れら原液タンク28A、28Bの原液Ma、Mbは、電気的に制御
される原液供給手段としての第1および第2の定量吐出
器30A、30Bを介して養液混合希釈器26に供給される。原
液Ma、Mbの養液混合希釈器26への供給は、たとえば、定
量吐出器30A、30Bを通して必要な量の原液MaまたはMbが
重力または特定の圧力によって滴下するように設定され
る。
そして、流量センサ24で得られた流量信号Vwrは、栽培
制御を行う栽培制御装置32に養液調合制御手段として設
置された養液調合制御部33に加えられる。この養液調合
制御部33は、刻々と変化する流量信号Vwrによって得ら
れる流量データと、必要に応じて設定された濃度Xnを表
わす濃度データと、養液Wmの濃度、pH濃度、温度などの
状態を検出する養液状態センサ34からの検出データとか
ら、その濃度Xnを得るに必要な原液量およびpH補正原液
量などの原液量mnを供給するのに必要な原液供給駆動信
号Va、Vbを出力して各定量吐出器30A、30Bに加える。定
量吐出器30A、30Bの動作時間が制御されて、この定量吐
出器30A、30Bから希釈水Wrの流量wrに対して設定濃度Xn
を得るのに必要な量の原液Maまたは原液Mbあるいは双方
が養液混合希釈器26に供給される。
供給された原液Ma、Mbは、養液混合希釈器26の内部で希
釈水Wrの水流に応じて撹拌されて必要な濃度の養液Wmが
得られ、栽培地側に養液供給装置36および養液供給路と
しての供給管路8を通じて供給される。養液供給装置36
は、養液Wmを圧送する圧送ポンプおよび養液Wmを濾過す
るフィルタなどで構成される。
養液供給制御部38は、養液供給装置36の制御手段として
設置されたものであり、希釈水Wrの流量および設定供給
量Xmqに応じた供給量を養液供給装置36に設定する。Vmq
は、供給量Xmqを表わす供給制御信号である。したがっ
て、養液供給装置36は一定時間ごとに必要な養液Wmを吐
出し、養液Wmは供給管路8を通して栽培地に圧送され
る。
そして、生育制御部39は、養液調合制御部33および養液
供給制御部38に対して、内部に格納している目標値とし
ての植物の生育データおよび気象データと、実測値とし
ての生育データおよび気象データなどの栽培条件Xpとを
比較して養液Wmの濃度、pH濃度、供給量などの養液状態
および供給状態を最適化する。
したがって、このような栽培制御によれば、植物の生育
データおよび気象データに応じて定まる養液Wmについて
の肥料濃度、pH値および供給量を目標値として設定し、
その目標値を植物の生育状態および気象の実測値データ
に応じて補正して養液Wmの最適化を図り、その最適化さ
れた肥料濃度、pH値および供給量の養液Wmを供給するの
で、植物の生育の促進を図ることができる。
そして、このような栽培制御において、養液Wmの温度に
ついても目標値を設定し、その目標値を植物の生育状態
および気象の実測値データによって補正すれば、植物の
養液Wm中の養分の吸収が良好になり、植物の生育を促進
することができる。
次に、第2図は、第1図に示した養液混合希釈器26およ
び養液供給装置36などの希釈水Wrの取り込みから養液Wm
の調合、供給に至る系統についての具体的な構成例を示
す。
希釈水Wrは、フィルタ40によって不純物などを濾過した
後、供給管路42を通して原液タンク28A、28B、28Cに供
給されるとともに、供給管路20を通して養液混合希釈器
26としての混合希釈化タンク260に供給される。希釈水W
rの流量はバルブ44によって調整されるが、その流量
は、流量センサ24によって電気的に検出される。
また、希釈水Wrの水量は水量計45によって計測されると
ともに、各原液タンク28A、28B、28Cに対する希釈水Wr
の供給量はバルブ46、48、50によって個別に調整され
る。この原液タンク28A、28B、28Cには肥料または肥料
とともにpH補正剤を装填し、その原液Ma、Mb、Mcと希釈
水Wrとを混合して養液Wmが形成される。原液Ma、Mbを成
分の異なる肥料原液とし、原液Mcを養液WmのpH補正原液
としてもよい。各原液タンク28A、28B、28C内の原液M
a、Mb、Mcは、フロートスイッチ52、54、56によって電
気的に検出され、FSW1、FSW2、FSW3は原液Ma、Mb、Mcの
容量を表わす容量信号を示す。そして、各原液タンク28
A、28B、28Cの原液Ma、Mb、Mcは、駆動信号VPC1
VPC2、VPC3によって個別に駆動される定量吐出器58、6
0、62の動作によって混合希釈化タンク260に供給され
る。ボールバルブ64は、一定の液位に応じて開閉する弁
であり、液位の低下に従って希釈水Wrおよび原液Ma、M
b、Mcが混合希釈化タンク260に供給される。したがっ
て、混合希釈化タンク260には供給管路20から希釈水Wr
が所定量供給されるとともに、各原液タンク28A、28B、
28Cから原液Ma、Mb、Mcが供給され、両者が混合されて
養液Wmが形成されるので、混合希釈化タンク260は、養
液Wmを蓄積するとともに、希釈水Wrと原液Ma、Mb、Mcと
の混合手段を兼ねている。この混合希釈化タンク260に
は、養液Wmの容量を電気的に検出する水位センサ66、養
液Wmの温度を電気的に計測する温度センサ68、養液Wmの
pH濃度を電気的に検出するPHセンサ70、養液Wmの濃度を
電気的に検出する濃度センサ72、74が設けられ、VER
水位信号、VRWは温度信号、VPHはpH信号、VEC1、VEC2
濃度信号を表わす。
また、供給管路42にはバルブ76を挟んで分岐管78、80が
設けられ、各分岐管78、80にはバルブ81、82が設けられ
て混合希釈化タンク260に導かれ、各分岐管78、80から
も希釈水Wrが混合希釈化タンク260に供給される。
そして、混合希釈化タンク260の養液Wmは、供給管路8
を通してバルブ84を通過した後、養液供給装置36として
設置された圧送ポンプ86によって圧送される。この圧送
ポンプ86の吐出側には希釈水Wrの供給管路42に連結され
た分岐管88が設けられており、希釈水Wrを供給管路8に
通すことが可能であり、圧送ポンプ86によって圧送され
る養液Wmの管内圧力は、圧力センサ90によって電気的に
検出される。VP1はその圧力信号を示す。
供給管路8には、養液Wmを濾過する濾過手段として設置
されたフィルタ92によって濾過された後、圧力検出手段
としての圧力センサ94によって管内圧力の異常が検出さ
れる。VP2はその圧力信号を示す。養液Wmの圧力低下
は、たとえば、圧送ポンプ86の故障、フィルタ92の目詰
まりを表わす。
そして、養液Wmは、供給管路8を通して植物14の栽培地
10に設置された複数のベッドB1、B2・・・Bnに供給され
た後、植物14の栽培地10から戻り管96を経て再び混合希
釈化タンク260に回収される。この場合、戻り養液Wm
は、バルブ98の開閉で調整される。
第3図は、栽培地10の構成を示す。
栽培地10は、特定の環境を設定する建屋100内に設定
し、人工培地としてのベッドBを形成して、その上面に
苗木用培地102を設置する。これらベッドBおよび苗木
用培地102は、ロックウール(商標)としての栽培用媒
体で構成して植物14を植付けする。すなわち、ベッドB
および苗木用培地102は、栽培すべき植物14を植え付け
る培地であって、植え付けられた植物14の根を保持する
とともに、供給された養液Wmを通過させる通水性を有す
るものである。そして、栽培地10に引いた養液Wmの供給
管路8には、養液Wmを植物14に導く養液ノズルとしての
ドリップノズル18を設置し、このドリップノズル18を介
して養液Wmを植物14の根元に滴下または噴霧する。
この場合、栽培地10には、建屋100内に環境状態を検出
するための環境センサとして、日射を電気的に検出する
日射センサ14、温度を電気的に検出する温度センサ106
および湿度を電気的に検出する湿度センサ108を設置す
る。
VSは日射信号、VTは温度信号、VWは湿度信号を表わす。
また、栽培地10の状況を検出する培地センサとして栽培
媒体の温度を電気的に検出する温度センサ110およびベ
ッドBの湿潤状態を電気的に検出する湿度センサ112を
設置する。VRは温度信号、VTWは湿度信号を表わす。
そして、第4図は、第1図に示した栽培制御装置32の具
体的な構成例を示す。
栽培地10および管路系統などで得られたアナログ信号で
与えられる温度信号VRW、pH信号VPH、濃度信号VEC1、V
EC2、日射信号VS、温度信号VT、湿度信号VW、温度信号V
R、湿度信号VTW、濃度設定信号Xn、養液Wmの供給量設定
信号Xmq、生育および気象変更データ信号Xpは、第1の
信号入力部114に加えられるが、アナログ信号変換マル
チプレクサ116によって時分割的に交互に取り込まれ
て、AD変換部118によってディジタル信号に変換された
後、中央演算処理部120に取り込まれる。また、ディジ
タル信号で与えられる圧力信号VP1、VP2、流量信号Vw
r、水位信号VERは、第2の信号入力部122に加えられ
て、中央演算処理部120に取り込まれる。
カレンダー部124は、植物14の生育についての年月日お
よび時刻を制御するタイマー制御部を構成しており、季
節制御(月による制御)、生育日数、生育ステージ制御
(日による制御)および潅水時刻制御(1日の時刻によ
る制御)のための季節信号、生育信号、供給時刻信号な
どを出力し、電池による駆動のバックアップが図られて
いる。
制御プログラム記憶部126は、作物情報に応じてその生
育の目標値を実現するための生育制御、異常時の警報制
御、養液Wmの濃度制御などの制御プログラムを記憶して
いる。
データ補助記憶部128は、マニュアルで作物情報を設定
した場合、環境条件測定値のデータの記憶、異常データ
の記憶などを行うRAMで構成され、作物データプログラ
ム記憶部130の記憶データも一時的に記憶する。
作物データプログラム記憶部130は、作物を栽培する時
に使用する肥料濃度、潅水量(養液Wmの供給量)、液温
(養液Wmの温度)、培地温度、生育日数などにおいて、
目標値の変更、日射量による潅水量の変更、季節など気
象条件の変更、植物の種別による目標値の変更など栽培
に関する各種のデータを記憶する。たとえば、同一植物
でも抑制栽培、促成栽培、年二回栽培、周年栽培などの
栽培形態によって栽培データは異なる。
出力記憶部132は、信号入力部114、122に加えられた入
力信号からのデータと、制御プログラム記憶部126から
与えられた目標値データとの比較演算によって中央演算
処理部120で得られた制御出力を記憶する。制御出力
は、制御出力機器の制御動作状態を表わす。
制御出力部134は、出力記憶部132から与えられた制御出
力に応じた各種の駆動制御出力を発生し、VPOUTは圧送
ポンプ86に対する駆動制御信号、VPC1は定量吐出器58に
対する駆動制御信号、VPC2は定量吐出器60に対する駆動
制御信号、VPC3は定量吐出器62に対する駆動制御信号を
表わす。
制御データ記憶部136は、変更制御のために任意に設定
された養液Wmの濃度Xn、養液Wmの供給量Xmq、生育デー
タおよび気象データなどの栽培データXpなどを記憶し、
書込み読出し可能な記憶素子(RAM)で構成される。
そして、操作・表示部138は、栽培プログラムデータの
設定、変更などの操作を行うとともに、設定されている
作物の栽培プログラムデータおよび環境条件データ、養
液Wmの各種測定データを表示するものである。この操作
・表示部138の操作・表示パネル面140には、第5図に示
すように、各種の機能を分類した機能表142、液晶表示
器などで構成されたデータ表示部144、データなどを入
力するテンキー146、機能番号選択キー148A、148B、書
込み準備キー150A、書込み完了キー150Bが設置されてい
る。
したがって、この栽培制御装置32において、栽培制御装
置32を駆動状態にして、操作・表示部138の操作・表示
パネル面140のテンキー146の操作により、年月日、時
刻、植物の生育日数をセットする。これらのデータは、
カレンダー部124、データ補助記憶部128に記憶される。
そして、栽培制御プログラムの実行によって、作物デー
タプログラム記憶部130から季節、時刻、生育日数に対
応した栽培目標値としての養液Wmの供給時刻、肥料濃
度、pH値、供給量などの栽培データが読み出されて、デ
ータ補助記憶部128に書き込まれる。この結果、設定さ
れた栽培データと、目標値としての栽培データとが比較
されて、最適化された栽培データが得られる。
目標値としての栽培データまたは修正された栽培データ
は、出力記憶部132に書き込まれ、この出力記憶部132か
ら養液Wmの供給時刻、供給量、濃度、pH濃度などを表わ
す制御信号が出力される。これらの制御信号によって、
制御出力部134は圧送ポンプ86の駆動制御信号VPOUT、定
量吐出器58、60、62に対する駆動制御信号VPC1、VPC2
VPC3を出力する。この結果、養液Wmの最適な調合、供給
などの栽培管理が自動化される。
第6図は、この養液栽培装置における養液Wmの供給量の
日射補正の一例を示す。
制御開始の初日では、日射量Sを検出するのみで、その
日射量補正をすることなく、目標値に沿った一定の供給
量Xmqを表わす単位供給時間Tに圧送ポンプ86を駆動
し、栽培地10に養液Wmを供給する。
第6図のAに示すように、S0は前日(初日)の1日中の
積算日射量、S1は二日目の9〜11時の積算日射量、S2
二日目の11〜13時の積算日射量、S3は二日目の13〜15時
の積算日射量、S4は初日の15〜21時の積算日射量、S5
二日目の21〜0時の積算日射量を表わす。各日射量のレ
ベルは、晴天、曇天、降雨時を表し、積算時間を異なら
せているので、日射量Sが1日の時刻において大きく異
なるので、平均的な積算日射量から検出時間を設定する
とともに、それに合わせて養液Wmの供給時刻tおよび供
給時間Tを設定するためである。
第6図のBに示すように、次の日の0時から日射補正を
行い、時刻t1ないしt3では単位時間Tによる養液Wmの供
給が行われ、t4、t5では供給時間T1、T2のように日射量
Sに応じて供給時間Tより短くなっており、供給量Xmq
の最適化が実現している。なお、T1はT×曇天時供給量
(%)/100、T2はT×降雨時供給量(%)/100を表わ
す。
次に、生育時間の制御では、生育時間が経過すると、そ
の生育の経過に従った情報プログラムが作物データプロ
グラム記憶部130から出力されるので、栽培データの目
標値が植物の生育に従って更新され、その生育に追従し
た最適化が図られる。すなわち、植物には、その生育に
応じた最適な養液Wmの調合(濃度)、供給時刻、供給量
などが与えられる。この場合、生育ステージが変化して
も常に最適な栽培条件が設定されるとともに、環境条件
に合わせて栽培データが変更される。
そして、実行中の目標値および測定データは、操作・表
示パネル面140のデータ表示部144に表示される。
生育中に操作・表示部138の操作によって目標値を変更
することにより、急激な環境変化に対応させるととも
に、特定の時間(月)の経過によって平常の栽培プログ
ラムに自動的に戻すことが可能である。
また、制御データ記憶部136には、目標値、マニュアル
変更値、一定時間(10分または1時間)ごとの環境測定
値、養液Wmの濃度、pH濃度、温度、培地温度などが記憶
されるので、制御装置を含む全系統の可動状況の分析、
環境条件の分析を行うことができる。
次に、測定値および目標値の表示は、第5図の操作・表
示パネル面140の機能表142からデータ内容に対応する機
能番号を探して行う。たとえば、養液Wmの温度の機能番
号は32であるから、この機能番号「32」をセットするに
は、機能番号選択キー148Aを押すと、その操作によって
機能番号がデータ表示部144に1から順に表示される。
機能番号「32」が表示されると、それと同時にデータと
して液温測定値が表示される。第1表は機能番号および
そのデータ内容の一覧表を示す。
また、栽培において、目標値を変更したい場合には、デ
ータ表示部144に変更したい目標値の機能番号およびデ
ータ内容を表示させる。そこで、書込み準備キー150Aを
押して、変更したい内容が点滅するようにし、その部分
にテンキー146から所望の数値を入力する。その入力数
値を確認した後、*キーを操作し、次に、書込み完了キ
ー150Bを操作し、修正、変更を完了する。この時点で変
更、修正部分の点滅は解除され、新しい目標値によって
栽培制御プログラムが実行される。なお、テンキー146
の操作ミスは、再度書込み準備キー150Aの操作によって
キャンセルでき、再び、書込み準備キー150Aの操作によ
ってデータ内容の変更を行うことができる。
また、養液Wmの濃度異常や供給量不足などの異常状態
は、制御データ記憶部136の記憶内容から判別すること
ができ、その異常状態の発生をデータ表示部144に表示
することができる。第2表は異常を告知する番号および
その番号が表わす警告内容を示す。
なお、実施例ではマイクロコンピュータなどのディジタ
ル演算制御を用いているが、アナログ制御を用いても栽
培制御を行うことができる。
〔発明の効果〕 以上説明したように、この発明によれば、栽培すべき植
物は通水性を持つ培地に植え付けられており、その植物
はドリップノズルを通して滴下又は噴霧によって供給さ
れる養液供給時のみ水分の供給を受けるように設定され
て、植物の生育条件や気象条件に応じて定まる養液の肥
料濃度、pH値および供給量についての目標値を設定し、
その目標値を生育状態や気象状態によって補正するの
で、生育状態および環境条件に合わせて養液の供給の最
適化を図ることができ、植物の生育を促進し、効率的な
収穫を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の植物の養液栽培装置の実施例を示す
ブロック図、第2図は第1図に示した植物の養液栽培装
置における流量センサ、養液混合希釈器および栽培地に
至る養液系統を示す図、第3図は栽培地の状況を示す
図、第4図は第1図に示した養液栽培装置の栽培制御装
置の具体的な構成例を示すブロック図、第5図は第4図
に示した栽培制御装置の操作・表示部における操作・表
示パネル面の構成を示す図、第6図は日射量および養液
の供給状況を示す図、第7図は植物の一般的な養液栽培
装置の概要を示すブロック図、第8図は日射量と肥料濃
度との関係を示す図、第9図は日射量に対する養液の供
給量を示す図、第10図は成育日数に対する養液の供給量
を示す図、第11図は気温に対する養液の供給量を示す図
である。 Wr……希釈水 Wm……養液 Ma……第1の原液 Mb……第2の原液 B……ベッド 8……供給管路(養液供給路) 14……植物 18……ドリップノズル 20……供給管路(希釈水供給路) 24……流量センサ 26……養液混合希釈器 28A……第1の原液タンク 28B……第2の原液タンク 30A……第1の定量吐出器 30B……第2の定量吐出器 33……養液調合制御部 38……養液供給制御部 39……生育制御部 86……圧送ポンプ 102……苗木用培地
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠原 占三 静岡県富士市西柏原新田201番地 ▲高▼ 木産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−137217(JP,A) 特開 昭50−75822(JP,A) 特開 昭61−67421(JP,A) 特開 昭60−172242(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】栽培すべき植物を植え付け、その植物の根
    を保持するとともに、通水性を備えて前記植物に対して
    供給される養液を通過させる培地と、 この培地に前記養液を滴下又は噴霧させるドリップノズ
    ルと、 希釈水を供給する希釈水供給路と前記培地側の前記ドリ
    ップノズルとの間に設置されて前記希釈水供給路からの
    前記希釈水で第1又は第2の原液又は双方の原液を希釈
    して前記養液を形成する養液混合希釈器と、 この養液混合希釈器に供給すべき前記第1の原液を溜め
    る第1の原液タンクと、 前記養液混合希釈器に供給すべき前記第2の原液を溜め
    る第2の原液タンクと、 前記第1の原液タンクと前記養液混合希釈器との間の原
    液供給路に設置されて前記第1の原液を前記養液混合希
    釈器に供給する第1の定量吐出器と、 前記第2の原液タンクと前記養液混合希釈器との間の原
    液供給路に設置されて前記第2の原液を前記養液混合希
    釈器に供給する第2の定量吐出器と、 前記希釈水供給路に設置されて前記希釈水の流量を検出
    する流量センサと、 前記養液供給路に設定されて前記養液混合希釈器の前記
    養液を培地側に圧送する圧送ポンプと、 前記流量センサからの流量データと、予め栽培条件によ
    って設定される前記養液の濃度データとから前記養液混
    合希釈器に供給すべき前記第1又は第2の原液の供給量
    を演算し、その演算結果に応じて前記第1又は第2の定
    量吐出器の一方又は第1及び第2の定量吐出器の双方を
    動作させて前記第1又は第2の原液の一方又は第1及び
    第2の原液の双方を前記養液混合希釈器に供給させる養
    液調合制御部と、 前記流量センサからの前記流量データと、予め栽培条件
    によって設定される前記養液の供給量データとから前記
    培地に供給すべき前記養液供給量を算出して前記圧送ポ
    ンプを制御する養液供給制御部と、 栽培される植物の生育期間や生育状態、季節的な気象条
    件、1日の気象条件を表す生育条件により、前記養液調
    合制御部で設定される前記第1及び第2の原液の供給
    量、前記養液供給制御部に設定される前記養液供給量を
    制御する生育制御部とを備えたことを特徴とする植物の
    養液栽培装置。
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