JPH0784604A - ゲイン調整方式 - Google Patents

ゲイン調整方式

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JPH0784604A
JPH0784604A JP5225782A JP22578293A JPH0784604A JP H0784604 A JPH0784604 A JP H0784604A JP 5225782 A JP5225782 A JP 5225782A JP 22578293 A JP22578293 A JP 22578293A JP H0784604 A JPH0784604 A JP H0784604A
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JP
Japan
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gain
control
inertia
parameter
signal
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JP5225782A
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Yutaka Yoshida
豊 吉田
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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  • Testing And Monitoring For Control Systems (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)
  • Control Of Position Or Direction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 閉ループゲインを調整するゲイン調整方式に
関し、制御対象のゲインが動作状態と共に変化しても、
その影響を取り除いて一定の動特性を維持するゲイン調
整方式の提供を目的とする。 【構成】 閉ループゲインを調整するゲイン調整方法で
あって、制御対象PにおけるゲインGe が変化したGt
場合、補正ゲイン1+εにより前記閉ループゲインを一
定に保つように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はゲイン調整方式に関し、
特に、多関節形マニピュレータの直列リンク機構、或い
は、大きな負荷を扱う自動機等のイナーシャ変化の大き
い機構等の閉ループゲインを調整するゲイン調整方式に
関する。例えば、多関節形マニピュレータ等において、
機構部の可動範囲内でイナーシャが変化する場合があ
る。そして、このようなイナーシャの変化に対しても、
適切な制御を行うことのできるゲイン調整方式が要望さ
れている。
【0002】
【従来の技術】メカトロニクスの制御に関連して、例え
ば、多関節形マニピュレータ等のように、機構部の可動
範囲内でイナーシャが変化する場合がある。その対処策
の一例としては、イナーシャの変化を引き起こすメカニ
ズムを定式化し、この計算によって得られた慣性力を制
御系にフィードフォワードする方式がある。また、他の
方法としては、動作中の各イナーシャの値からフィード
バックゲインをリアルタイムで算出し、逐次更新する方
式がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般
に、上述した各方式においては、それぞれ複雑な計算を
実行しなければなない。さらに、該各方式は、数式化し
たモデルと実システムとの間にずれが存在していると、
修正がきかない等の欠点を有している。本発明は、制御
対象のゲインが動作状態と共に変化しても、その影響を
取り除いて一定の動特性を維持するゲイン調整方式の提
供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の第1 の形態によ
れば、閉ループゲインを調整するゲイン調整方法であっ
て、制御対象PにおけるゲインGe が変化したGt 場
合、補正ゲイン1+εにより前記閉ループゲインを一定
に保つようにしたことを特徴とするゲイン調整方法が提
供される。
【0005】
【作用】本発明の第1 の形態のゲイン調整方法によれ
ば、制御対象PにおけるゲインGe が変化したGt 場合
には、補正ゲイン1+εにより閉ループゲインが一定に
保たれる。これによって、制御対象のゲインが動作状態
と共に変化しても、その影響を取り除いて一定の動特性
を維持することができる。
【0006】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の第1の形態〜
第4の形態における各実施例を説明する。図1は本発明
の第1の形態が適用されるサーボ制御装置のフィードバ
ックコントローラの一例を示すブロック図であり、同図
(a) はゲインGtを持つ制御対象Pに対して制御装置
(フィードバックコントローラ)Cを設計して構成した
閉ループ系を示し、また、同図(b) はゲインGtを有す
る制御対象PにおいてゲインがGeに変化した場合を示
している。
【0007】図1(a) および(b) において、符号uは制
御対象入力、yは制御対象出力、rは目標値、eは制御
偏差、Pは制御対象、Cは制御装置、Gp(s)は制御対象
の伝達関数、Gc(s)は制御装置の伝達関数、Gt は制御
対象ゲイン(初期値)、そして、Ge は制御対象ゲイン
(現在値)をそれぞれ示している。尚、本発明の第1の
形態は、イナーシャに限らず、一般化した閉ループゲイ
ンを調整するゲイン調整方式に関するものである。
【0008】図1(b) に示すように、図1(a) の制御装
置Cにおいて、制御対象PのゲインGtがGeに変化す
ると、同じ制御装置Cを使用した場合、閉ループ特性
は、GtGp(s) /(1+GtGp(s)Gc(s)) …… (1)から、 GeGp(s) /(1+GeGp(s)Gc(s)) …… (2)のように変化
してしまう。図2は本発明の第1の形態に係るゲイン調
整方式を適用したサーボ制御装置の原理構成を示すブロ
ック図である。ここで、本実施例のサーボ制御装置は、
制御対象のゲインが初期値GtからGeに変化した場合
でも、閉ループ特性を一定に保つような調整が行われる
ようになっている。図2において、符号εは閉ループゲ
インを一定に保つための調整パラメータを示し、また、
Dは評価関数f(|e|)を用いて制御偏差eから可変
パラメータεを生成する制御特性評価部を示している。
【0009】図3は本発明の第1の形態のゲイン調整方
式における動特性の評価方法を説明するための図であ
る。ところで、図2に示すように、制御対象Pのゲイン
が最大の場合にこれをGtとし、この時の制御対象Pに
対応するフィードバックコントローラを設計して、該フ
ィードバックコントローラををGc(s)とする。さらに、
ゲインGt に対応する調整パラメータεを0とする。
【0010】制御対象のゲインがGt からGe に変化し
た時、ゲインGeを(1+ε)倍して閉ループ特性が初
期値のゲインGtの時とほぼ同じになるように調整す
る。このほぼ同じという評価の基準となる評価関数Jを
導入する。図3は本発明のサーボ制御装置の第1の形態
における動特性の評価方法を説明するための図である。
【0011】ところで、本来の意味からすると、図3に
示すように、ゲインGt の時の制御偏差の時系列サンプ
ルとゲインGe の時の制御偏差の時系列サンプルとを比
較すべきであるが、実時間処理の必要性から過去に遡っ
て時間方向への統計処理を施し、両者を比較する。すな
わち、評価関数Jを次の式(3) のように定義する。
【0012】
【数1】
【0013】ここで、f( ) は単調増加の任意の関数で
ある。評価関数JをゲインGt とゲインGe との場合で
比較し、それらの差がなくなるように調整パラメータε
を評価関数Jの関数として表現すると、 ε=関数(J)…… (4) となる。具体的に、例えば、ε= 0.1Jとなる。
【0014】このようにして、制御特性評価部Dの機能
を決定すると、調整パラメータεは実時間で求まるよう
になり、閉ループ特性は、次の式(5) のようになる。 Ge(1+ε)Gp(s)/(1+Ge(1+ε)Gp(s)Gc(s)) …… (5) この式(5) は、前述した式(1) と略等しくなる。図4は
本発明のサーボ制御装置の第1の形態における原理的処
理を説明するためのフローチャートである。
【0015】まず、ステップS11 において、サンプリン
グタイミングかどうかが判別され、サンプリングタイミ
ングの場合には、ステップS12 に進んで、センサ信号か
ら制御対象Pの出力yi を算出する。さらに、ステップ
S13 に進んで、目標入力riと制御対象Pの出力yi の
差(制御偏差)ei を求める。次に、ステップS14 にお
いて、フィードバックコントローラCの時系列演算を行
い、さらに、ステップS15 に進んで、制御偏差ei に対
して評価関数Ji を求める。そして、ステップS16 で、
調整パラメータεi を評価関数Ji から決めて更新す
る。
【0016】さらに、ステップS17 に進んで、制御対象
入力ui(=(1+εi)fbi)をI/Oへ出力し、ステップS18
において、時刻iを更新し、そして、ステップS11 に戻
り、前述したのと同様の処理を繰り返す。図5は本発明
の第1の形態のゲイン調整方式を適用したサーボ制御装
置の一実施例を示すブロック図であり、図6は本発明の
ゲイン調整方式が適用される一例としての6自由度垂直
多関節アームを示す図である。ここで、図6(a) はイナ
ーシャが小さい状態を示し、また、図6(b) はイナーシ
ャが大きい状態を示している。
【0017】図5および図6に示されるマニピュレータ
の第1関節軸のモデルにおいて、 Ge=Kpτ/I…… (6) Gp(s) =1/s2 …… (7) である。ここで、符号Kp はパワーアンプゲイン、τは
DCモータトルク定数、そして、Iはイナーシャを示し
ている。尚、イナーシャだけは、マニピュレータの姿勢
により変化する。
【0018】すなわち、図6(a) に示されるように、6
自由度垂直多関節アーム(マニピュレータ)が略垂直に
立った姿勢となっている場合には、第1関節軸(1軸)
に関して最もイナーシャが小さく、従って、最も閉ルー
プゲインGeが大きいことになる。このとき、ゲインG
e の値に対して状態フィードバックコントローラを構成
し、さらに、調整パラメータε=0に設定する。
【0019】これに対して、図6(b) に示されるよう
に、例えば、マニピュレータが第2関節軸(2軸)から
折れ曲がった場合、第1関節軸(1軸)に関するイナー
シャが増大する。このとき、ゲインGeは減少するた
め、該ゲインGeに対して1+εを乗じてゲイン補正を
行うようになっている。尚、調整パラメータεの値は、
逐次得られる制御偏差eの絶対値の100ステップ前ま
で遡った平均値から、次の式(8) に従って求めるように
なっている。
【0020】
【数2】
【0021】ここで、調整ゲインge の値は、図6(a)
および(b) の2つの条件下で制御偏差を比較して、概ね
一致する値を施行錯誤により選定している。図7は本発
明の第1の形態のゲイン調整方式における処理の一例を
示すフローチャートである。まず、ステップS21 におい
て、タイマ割り込みが有るかどうかが判別され、タイマ
割り込みが有る場合には、ステップS22 に進んで、パル
ス信号ysiをI/Oから入力する。ここで、ステップ21
では、例えば、2KHz のタイマが使用される。さら
に、ステップS23 において、回転角yi をパルス信号y
siから算出し、ステップS24 に進んで、目標回転角ri
と回転角yi の偏差量ei を求める。
【0022】次に、ステップS25 において、フィードバ
ックコントローラCでPD制御を行い、さらに、ステッ
プS26 に進んで、制御偏差ei に対して過去100サン
プリングの絶対値平均(Ji)をとる。そして、ステップ
S27 で、信号Ji に調整ゲインgi をかけて調整パラメ
ータεi をつくる。さらに、ステップS28 に進んで、フ
ィードフォワード信号ffi を加算する。また、ステップ
S29 において、制御対象入力ui(=(fbi+ffi)(1+εi))
をD/Aへ出力し、さらに、ステップS20 において、時
刻iを更新し、そして、ステップS21 に戻り、前述した
のと同様の処理を繰り返す。
【0023】以上、説明したように、本発明に係る第1
の形態のゲイン調整方式によれば、制御対象のゲインが
動作状態と共に変化しても、その影響を取り除いて一定
の動特性を維持することができる。さらに、本発明の第
1の形態のゲイン調整方式によれば、変化するパラメー
タの詳細な性質を認識することなく、簡単な制御演算で
サーボ制御装置を行うことができる。
【0024】次に、本発明の第2の形態に係る機構パラ
メータの同定方式を説明するが、本機構パラメータの同
定方式は、XYステージから多関節形マニピュレータに
至る自動機一般の制御装置の設計および調整課程で必要
となるイナーシャの同定作業に利用することができる。
精密ステージやマニピュレータの制御を行う場合、制御
対象となる駆動軸まわりのイナーシャの値が必要とな
る。ここで、従来、イナーシャを求めるには、2通りの
方法が知られている。
【0025】まず、第1の方法は、機構の設計図面をも
とに理論計算により求めるもので、正確な値を求めるこ
とができるが、複雑な機構になると計算式の導出に大変
な労力を要するという欠点がある。特に、多関節形マニ
ピュレータのように姿勢によってイナーシャが変化する
ような機構では非常に難しい解析が必要となる。次に、
第2の方法は、FFTアナライザ等の測定器を使用して
実測する方法である。この方法は、前者のような複雑な
解析が不用であり、設計図面と実物との間で食い違いが
ある場合にも的確な値を求めることができる。しかし、
測定条件によっては正しい値が得られないことや、測定
データから該当するイナーシャの値を求める変換計算
(伝達関数計算)が必要なこと、さらに、多関節形マニ
ピュレータのように姿勢によってイナーシャが変化する
ような機構(図6(a) および(b) 参照)では、多くのポ
イントで測定を繰り返さなければならないといった欠点
がある。
【0026】本発明の第2の形態に係る機構パラメータ
の同定方式は、特別な測定器を用いず、実際の制御装置
上でイナーシャを簡単に求めることが可能であり、特
に、イナーシャが変化する機構に有効なものである。図
8は本発明の第2の形態が適用される機構の構成例を示
すブロック図であり、負荷Lを減速機Gを介してアクチ
ュエータAで駆動する機構を示すものである。
【0027】図8に示されるように、アクチュエータA
にはセンサSが直結されており、駆動部(減速機Gの内
側)の位置を検出できるようになっている。図9は本発
明の第2の形態に係る機構パラメータの同定方式が適用
される機構制御装置の一例を示すブロック図であり、図
8の機構に制御装置を付けて閉ループ系を組んだモデル
を示している。
【0028】アクチュエータAにかかる換算負荷Jr
は、減速機Gの減速比をKr とすると、実際の負荷Jl
に対して、次の式(9) により求められる。 Jr =Jl /Kr2 …… (9) 従って、制御の観点から捉えると減速機Gから外側の機
構は無関係になる。図10は図9の機構制御装置におけ
る制御系の構成例を示すブロック図である。ここで、制
御装置の設計(すなわち、伝達関数Gc(s)の決定)は、
制御対象Pを次の式(10)と見做して行う。
【0029】 Gp(s)=Ga(s)gs /(Jr +Ja) …… (10) 尚、上記の式(10)において、Ja はアクチュエータ自体
が持つ質量またはイナーシャを意味する。ところで、図
8に示す減速機Gは多くの場合、何らかのコンプライア
ンスを持っていることが多い。ただし、その影響で図1
0のサーボ系の安定性を損なうような大きなコンプライ
アンスではないものとする。
【0030】図11は図10の制御系の一例としての減
速機のコンプライアンスを示す図である。ここで、制御
系の外側は、実際にはl自由度振動モデルとなってお
り、減速機Gが有するバネ定数をkとすると、この振動
モデルの共振周波数は、次の式(11)のようになる。 fr =k/Jl …… (11) この負荷側の振動は、図10の制御系において、アクチ
ュエータ側で制御則に従って発生したトルクによって生
じ、その反作用として制御系に対する外乱nとして働く
ことになる。
【0031】図12は図10の制御系における時間応答
例を説明するための図であり、台形速度カーブの目標速
度を与えて位置決め動作を行わせた場合の操作信号uと
センサ出力(現在位置)yの履歴を示すものである。す
なわち、同図(a) 〜(c) は、時間に対する目標速度(r),
操作信号(u),および, 制御偏差(y) を示している。図1
2(a) 〜(c) に示されるように、位置決めは正確に行わ
れるが、加速および減速時に与えられたトルクにより低
周波の振動成分が生じることが判る。これは、前述した
負荷側の振動によるもので、制御系の閉ループゲインを
小さくすれば(すなわち、外乱抑制効果を小さくすれ
ば)より顕著になる。この振動は、図11のバネ定数k
と負荷側のイナーシャJl により生じるもので、粘性係
数C0に従って減衰する。振動周波数をfr とすると、該
振動周波数fr は次の式(12)により与えられる。
【0032】
【数3】
【0033】さらに、時間応答から振動周波数fr を読
み取ることで、イナーシャJl はバネ定数kから次の式
(13)により求められる。 Jl =k/(2πfr)2 …… (13) また、イナーシャが変化する場合には、ある既知のイナ
ーシャJ11とその時の振動周波数fr1および新たに観測
した周波数fr2から、新たな位置でのイナーシャの値f
l2は次の式(14)により求められる。
【0034】J12=Jl1(fr1/fr2)2 …… (14) 次に、図6(a) および(b) に示されるような6自由度マ
ニピュレータの関節サーボを考える。各関節軸の駆動部
は、回転角検出用インクリメンタルエンコーダの付いた
DCサーボモータに対して減速機G(例えば、Harmonic
Drive:商品名)が使用されている。
【0035】図13は本発明の第2の形態に係る機構パ
ラメータの同定方式が適用される機構制御装置の一例を
示すブロック図であり、図14は図13の機構制御装置
における制御系の構成例を示すブロック図である。図1
4に示されるように、フィードバックコントローラC
は、ゲインを1,1/Tis, Tdsと変化させ得るように
構成されている。ここで、参照符号Kp は、比例ゲイン
を示している。
【0036】図13および図14を参照して、図6(a)
および(b) に示す6自由度マニピュレータでは、第1関
節軸まわりのイナーシャが異なるが、このイナーシャを
測定する手順を以下に示す。 まず、減速機G(例えば、Harmonic Drive:商品名)
の剛性係数はねじり角により変化するため、最大値と最
小値から平均を求め、これを減速機G剛性係数と定義す
る。
【0037】図6(a) に示すイナーシャが小さい姿勢
において、周波数特性をFFT(Fast Fourier Transfor
m)アナライザを用いて実測し、イナーシャJl1を求め
る。 第1関節軸の閉ループゲインを少し小さくする。 図6(a) に示すイナーシャが小さい姿勢で第1関節軸
のみを動かし、加減速時の振動周波数fr1を求める。
【0038】次に、第2関節軸を動かし、図6(b) に
示すイナーシャが大きい姿勢に変え、その姿勢で第1関
節軸のみを動かして加減速時の振動周波数fr2を求め
る。 イナーシャJl1, 振動周波数fr1, fr2から、式(14)
により図6(b) に示すイナーシャが大きい姿勢における
第1関節軸まわりのイナーシャJl2を求める。 図15は本発明の第2の形態の機構パラメータの同定方
式を適用したイナーシャ同定システムの一例を示すブロ
ック図であり、また、図16は本発明の第2の形態の機
構パラメータの同定方式におけるイナーシャ同定処理の
一例を示すフローチャートである。
【0039】図15において、参照符号1はホストCP
Uを示し、また、2はリアルタイムコントローラを示し
ている。ホストCPU1は、目標軌道指示部11, フィー
ドバックゲイン算出部12, 制御信号モニタ部13, およ
び,イナーシャ算出部14を備え、また、リアルタイムコ
ントローラ2は、目標位置発生部21, フィードバック制
御部22(C),および, 制御信号トレースメモリ23を備えて
いる。
【0040】図16に示されるように、イナーシャ同定
処理は、まず、ステップS31 において、式(9) で表され
る換算負荷Jr を適当な値に設定する。具体的に、例え
ば、アクチュエータAのイナーシャJa と同じ値に設定
する。次に、ステップS32 に進んで、式(10)のように、
制御対象Pの特性が一応決まるので、これに対応する適
当な(安定化可能な)コントローラの伝達関数Gc(s)を
規定する。具体的に、例えば、PIDコントローラ:U
i =Kp ei +Kd(ei-ei-1)+Ki wi (ただし、w
i =wi-1 +ei , ei =ri-yi 、Kp は比例ゲイ
ン、Kd は微分ゲイン、そして、Ki は積分ゲインを示
している。)の場合、式(11)において、Jl =Ja と置
いた制御対象(P) に対してKp,Kd,Ki を決定する。
【0041】さらに、ステップS33 において、外乱nの
影響を図10の制御ループの中でモニタできるようにコ
ントローラの伝達関数Gc(s)のフィードバック係数を小
さめに設定する。例えば、PIDコントローラでは、3
個のゲインKp,Kd,Ki を小さく調整する。そして、ス
テップS34 に進んで、図10のように目標位置入力ri
を加えて、図11の負荷側に慣性力を発生させる。具体
的に、例えば、図12(図12(a))のように、一定加速
度(速度としては、直線の傾きを持つ)の動作指令を発
生させる。
【0042】そして、ステップS35 において、図11の
共振モデルの影響で、加速または減速中に制御ループ内
の信号に混入する振動波形から式(12)の共振周波数fr
を測定する。具体的に、例えば、図12の制御偏差ei
の振動数を時間軸に沿って数えることにより共振周波数
fr を容易に得ることができる。さらに、ステップS36
に進んで、共振周波数fr を式(13)に代入して負荷イナ
ーシャJl を算出する。
【0043】上述したように、本発明の第2の形態に係
る機構パラメータの同定方式によれば、機構制御に必要
なパラメータであるイナーシャの同定を実際の制御シス
テムの時間応答から容易に行うことができる。さらに、
本発明の第2の形態に係る機構パラメータの同定方式に
よれば、イナーシャが変化するような機構に対しても柔
軟に対応することができる。
【0044】図17は本発明の第3の形態の軌跡生成方
式が対象とする台形速度カーブを示す図であり、図18
は図17の台形速度カーブにおける速度の演算処理に要
する時間を示す図である。サーボ制御装置において、各
サンプリング時間における目標位置を発生するために、
図17に示すような台形速度カーブが広く利用されてい
る。この台形速度カーブは、加速領域,等速領域,およ
び,減速領域の3つの領域で構成され、各領域におい
て、それぞれ演算の種類が異なっている。特に、減速領
域では、最終的に速度0で特定された位置に到達する必
要があるため、速度は次の式(15)により算出される。
【0045】 速度=関数(残りの距離、加速度)…… (15) すなわち、従来技術において、速度は、残りの距離に基
づいて計算するようになっていた。ここで、式(15)にお
ける関数は、残りの距離が0のとき、速度も0になるよ
うな関数となっている。具体的に、例えば、 ν=(2|a|r)1/2 …… (16) のような平方根がよく使われる。ここで、式(16)におい
て、符号νは速度、aは加速度、そして、rは残りの距
離を示している。
【0046】しかしながら、式(16)の場合には、通常の
加減算や乗算に比べて著しく演算時間を必要とし、図1
8のように各領域での演算時間の差ができる。このよう
な減速時における長時間の演算処理のために、サンプリ
ング時間に制約ができ、その結果、サーボ系の制御性能
に影響を与えることになっていた。図19は図17の台
形速度カーブとサンプリング点との関係を示す図であ
り、同図(a) は台形速度カーブとサンプリング点との間
に誤差がない場合を示し、また、同図(b) は台形速度カ
ーブとサンプリング点との間に誤差がある場合を示して
いる。
【0047】すなわち、加速領域および等速領域(加速
時および等速時)は差分演算(累積)であるが、減速領
域(減速時)において直接に式(15)のように速度を求め
る必要が生じるのは、差分演算の累積誤差の他に、図1
9(a) および(b) のように各領域の切り替え点がサンプ
リング点と一致しないことに起因している。本発明の第
3の形態の軌跡生成方式は、図19(b) に示すような上
記誤差を減速時に吸収できるように、加速度を微調整す
る機能を有し、減速時も差分演算のまま実行することに
より演算時間の大幅な節約を狙ったものである。
【0048】図20は本発明の第3の形態の軌跡生成方
式の原理を説明するための図である。図20において、
直線c1 は実際の減速開始時の減速カーブ, 直線c2 は
逆算した加速度amax の減速カーブ, そして,直線c3
は直線c1 から1サンプリング時間ずれた減速カーブを
示している。また、図20において、adefは実際の減速
開始時の残りの距離,bdeは理想的な減速開始時の残りの
距離, そして,abeは減速開始時の位置ずれ量を示してい
る。
【0049】まず、加速時および等速時においては、与
えられた最大速度を越えるまで一定の与えられた加速度
で加速し、与えられた最大速度を越えた場合には最大速
度に合わせる。また、同時に、残りの距離drを計算
し、この値が加速時に移動した距離r1(減速時の距離で
もある)より少なければ、減速モードに移行する。尚、
加速時に要した時間t1 も記憶しておく。
【0050】一方、減速時には、次の式(17)に示す本来
の加速度a0 : a0 =vmax /t1 …… (17) の代わりに、次の式(18)を満足する最小のnを求め、 nT v/2 < dr <(n+1)T v/2 …… (18) 次の式(19)を満足する加速度aを求める。
【0051】a=v/(nT)…… (19) 従って、速度vは、 vi =vi-1 +a …… (20) として求められる。図21は本発明の第3の形態の軌跡
生成方式における処理の一例を示すフローチャート、図
22は本発明の第3の形態の軌跡生成方式の処理を説明
するための図、そして、図23は本発明の第3の形態の
軌跡生成方式における加速度の調整を説明するための図
である。ここで、加速時のモードをmode=1とし、等速
時のモードをmode=2とし、そして、減速時のモードを
mode=3とする。
【0052】図21に示されるように、軌跡生成処理の
動作が開始されると、ステップS41において、mode=1
として加速時のモードを設定して、ステップS42 に進
む。ステップS42 では、サンプリングタイミングかどう
かが判別され、サンプリングタイミングであると判別さ
れると、ステップS43 において、モードが何かが判別さ
れる。すなわち、ステップS43 において、mode=1と判
別されるとステップS44に進んで加速モードの処理を行
い、mode=2と判別されるとステップS45 に進んで等速
モードの処理を行い、そして、mode=3と判別されると
ステップS46 に進んで減速モードの処理を行う。
【0053】まず、ステップS44 においては、加速度a
i を本来の加速度a0 とし(ai =a0)、ステップS441
において速度vi を更新し、ステップS442に進んで速度
vの絶対値が本来の速度v0 の絶対値よりも大きいかど
うか(|v|>|v0 |)を判別する。ステップS442に
おいて、|v|>|v0 |が成立すると判別されると、
ステップS443において、vi =v0 かつmode=2として
ステップS444に進む。逆に、ステップS442において、|
v|>|v0 |が成立しないと判別されると、直接ステ
ップS444に進む。ステップS444では、位置ri を更新
し、さらに、位置残差dr および加速距離r1 を更新し
て、ステップS47 に進む。
【0054】また、ステップS45 においては、加速度a
i を0とし(ai =0)、位置riおよび位置残差dr
を更新して、ステップS47 に進む。ステップS47 では、
加速距離r1 が位置残差dr よりも大きいかどうか(r
1 >dr)を判別し、r1 >dr が成立すると判別される
と、ステップS48 でmode=2としてステップS40 に進
む。逆に、ステップS47 において、r1 >dr が成立し
ないと判別されると、直接ステップS40 に進む。
【0055】さらに、ステップS46 においては、加速度
ai をai =vi-1/(nT)とし、速度vi を更新し、さ
らに、位置ri および位置残差dr を更新して、ステッ
プS49 に進む。ステップS49 では、位置残差dr が0か
どうか(dr =0)を判別し、dr =0が成立すると判
別されると、軌跡生成処理の動作を終了し、逆に、dr
=0が成立しないと判別されると、ステップS40 に進む
ことになる。ステップS40 では、i=i+1として、ス
テップS42 に戻る。
【0056】以上、説明したように、本発明の第3の形
態に係る軌跡生成方式によれば、機構制御に必要な軌跡
生成演算を減速時においても差分演算で実行でき演算時
間を短縮することが可能となる。その結果、サンプリン
グ周波数を上げてサーボ制御系の動特性を向上させるこ
とになる。次に、本発明の第4の形態に係る外乱抑制制
御方式を説明する。
【0057】従来、メカトロニクスの制御に関連してア
クチュエータのトルク外乱を抑える問題があり、その対
処策としては大きく2通りの方法が知られている。すな
わち、第1の手法は、線型モデルで設計したフィードバ
ック系のゲインをできるだけ高めるとか積分フィードバ
ックを付加してロバスト性を高める等の手法である。ま
た、第2の手法は、外乱の性質がある程度明らかな場合
で、予め外乱の大きさを計算して、フィードフォワード
する手法である。
【0058】上記の第1の手法に関しては、外乱が制御
対象とは相関関係がなく単なるノイズと見なせるような
場合では有効であるが、逆に制御対象の状態に依存して
変化するような場合、例えば、垂直多関節形マニピュレ
ータにおける重力の影響の場合等では制御が難しいとい
った問題がある。一方、第2の手法は、外乱の特性が数
学的に明確に記述できなければならないし、一般に計算
式が複雑で処理時間を要するといった問題がある。
【0059】本発明の第4の形態では、外乱の性質があ
る程度明らかな場合、すなわち、状態に依存した複雑な
外乱に対して、その細部の性質を知らなくてもうまくそ
の影響を取り除き制御系の動特性を向上させることが可
能な外乱抑制制御方式である。図24は本発明の第4の
形態の外乱抑制制御方式の原理を示すブロック図であ
る。同図において、参照符号nは外乱, uは制御対象入
力, yは制御対象出力,fb はフィードバック制御信号,
fn は外乱抽出成分, ff は外乱補償制御信号, uc
は制御信号を示し、また、Pは制御対象, Cはフィード
バックコントローラ, SSは周波数分離要素を示してい
る。
【0060】図24を参照して本発明の第4の形態の動
作原理を説明する。まず、制御対象Pに対して、外乱n
が不規則ノイズだと想定して通常通りにフィードバック
コントローラCを設計する。仮定通り外乱nが不規則ノ
イズならば制御出力fc を制御対象に加えればよいが
(uc の代わりにfc を入れる)、実際には外乱nが単
なる不規則ノイズでないので、制御出力fc はこの規則
性のある外乱の影響を含んでいる。今この外乱nが周波
数成分に関して特徴を持っていることを前提に以下の手
段を講じる。
【0061】次に、制御出力fb を周波数成分を分離す
る機能を持った要素SSで制御出力fb 中の外乱による影
響成分fn を抽出する。さらに、信号fn にゲインGを
掛けて制御出力ff を作る。このとき、ゲインGは、f
f =nに近付けるように選定する。そして、外乱補償信
号ff を本来のフィードバック制御信号fb に加算して
制御信号uc を生成し、このuc と外乱nの加算結果が
制御対象の入力uとなるように制御ループを組む。
【0062】このようにして、ある特定周波数成分で特
徴つけられる外乱nを制御信号ffで補償することがで
き、その結果、フィードバック制御信号fb を外乱nが
存在しない場合と等価にすることができる。すなわち、
制御対象の出力yは、要素PとSSからなる単純な系と同
等の制御性能とすることができる。図25は本発明の第
4の形態の外乱抑制制御方式における一実施例を示すブ
ロック図であり、図26は本発明の外乱抑制制御方式が
適用される一例としての6自由度垂直多関節アームを示
す図である。すなわち、図25に示す実施例は、図26
の6軸アームの第2関節のDCサーボ系を表したもので
ある。ここで、第2関節(第2軸)には、第2,第3,
第4,および,第5関節の角度に対応した重力モーメン
トがかかることになる。なお、この第5関節の角度に対
応した重力モーメントの値をアームの機構パラメータか
ら算出することも可能であるが、本実施例では、該アー
ムの機構パラメータを使用した算出よりも一層簡単な制
御系で重力補償を行うことができる。
【0063】図25における参照符号は図24に対応し
ているが、図25では、さらに操作電圧uc と駆動トル
クτの変換要素M(パワーアンプ+DCモータ)、およ
び、回転角yを追従させる目標値入力rが付け加えられ
ている。これにより、駆動トルクτと重力nによる外乱
トルクの和が6軸アームの駆動源uになり、また、目標
値rと回転角yの差を状態フィードバック部へ入力する
ことになる。なお、周波数成分分離要素SSは、ローパス
フィルタまたバンドパスフィルタにより構成される。
【0064】図27は本発明の第4の形態の外乱抑制制
御方式が適用されるシステムにおける制御特性を示す図
であり、同図(a) 〜(c) は重力補償がない場合の制御特
性を示し、また、同図(d) 〜(f) は重力補償が有る場合
の制御特性を示している。まず、図25における周波数
成分分離要素SSがない場合の制御信号fb は、図27
(a) 〜(c) に示されるように、重力の影響により移動角
度に応じて変化し、ある傾きをもった低周波成分が混在
してしまう。これによって、制御対象の回転角yは、目
標値rから大きくずれる(制御偏差eが大きくなる)こ
とになる。次に、ローパスフィルタSSを入れて低周波の
重力成分を抽出して重力補償を行うと、制御信号fb
は、図27(d) 〜(f) に示されるように、重力の影響が
ない場合と同様の特性を示し、その結果、制御偏差eも
小さくなる。
【0065】図28は本発明の第4の形態の外乱抑制制
御方式における原理的処理を示すフローチャートであ
り、図29は本発明の第4の形態の外乱抑制制御方式が
適用される構成例を示すブロック図である。図28およ
び図29に示されるように、まず、ステップS51 におい
て、サンプリングタイミングかどうかが判別され、サン
プリングタイミングの場合には、ステップS52 に進ん
で、センサ信号ysiをI/Oから入力する。さらに、ス
テップS53 に進んで、制御対象Pの出力yi をセンサ信
号ysiから算出する(yi =Kp ysi) 。
【0066】次に、ステップS54 において、フィードバ
ックコントローラCの時系列演算を行う(fbi=fc(y
i,i-1,i-2,, i-m+1;ui,i-1,i-2,,
i-n+1)。さらに、ステップS55 に進んで、制御信号fbi
に対してノイズni の周波数領域の信号fniを取り出す
(fli=fl(fbi,fbi-1,fbi-2,, fbi-p+1;fni,fni-1,
fni-2,, fni-q+1)。そして、ステップS56 で、信号f
niに調整ゲインGを掛けて制御信号ffiをつくる(ffi
=Gfni)。
【0067】さらに、ステップS57 に進んで、制御信号
ffiとfniを加算する(uci=fni+ffi)。また、ス
テップS58 において、信号uciをI/Oへ出力し、ステ
ップS59 において、時刻iを更新し、そして、ステップ
S51 に戻り、前述したのと同様の処理を繰り返す。図3
0は本発明の第4の形態の外乱抑制制御方式における処
理の一例を示すフローチャートである。
【0068】図30に示されるように、まず、ステップ
S61 において、タイマ割り込み(例えば2KHzのタイ
マ)が有るかどうかが判別され、タイマ割り込みが有る
場合には、ステップS62 に進んで、パルス信号ysiをI
/Oから入力する。さらに、ステップS63 に進んで、回
転角yi をysiから算出する。次に、ステップS64 にお
いて、目標回転角ri と回転角yi の偏差量ei を求め
る(ei =ri −yi)。さらに、ステップS65 に進ん
で、フィードバックコントローラCでPDの制御を行う
(fbi= K1ei +K2(ei + ei-1)。そして、ステップS6
6 で、制御信号fbiに対して過去100サンプルの平均
をとる(fli=fl i-1+ (fbi - fbi-99) 。また、ステッ
プS67 で、信号fniに調整ゲインGを掛けて制御信号f
fiをつくる(ffi=Gfni)。
【0069】さらに、ステップS68 に進んで、制御信号
ffiとfniを加算する(uci=fni+ffi)。また、ス
テップS69 において、信号uciをD/Aへ出力し、ステ
ップS60 において、時刻iを更新し、そして、ステップ
S61 に戻り、前述したのと同様の処理を繰り返す。以
上、説明したように、本発明の第4の形態に係る外乱抑
制制御方式によれば、不規則外乱以外の信号成分が制御
対象の入力部に混入しても、その影響を取り除くことが
できる。また、本発明の第4の形態に係る外乱抑制制御
方式によれば、外乱の詳細な性質は必要としないため、
簡単な制御演算で外乱抑止効果を生み出すことができ、
さらに、従来のフィードバック系をそのまま生かすこと
で、コスト的にも安価なコントローラに外乱抑止機能を
与えることができる。
【0070】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明の第1の
形態に係るゲイン調整方式によれば、制御対象のゲイン
が動作状態と共に変化しても、その影響を取り除いて一
定の動特性を維持することができる。また、本発明の第
2の形態に係る機構パラメータの同定方式によれば、機
構制御に必要なパラメータであるイナーシャの同定を実
際の制御システムの時間応答から容易に行うことがで
き、さらに、イナーシャが変化するような機構に対して
も柔軟に対応することができる。さらに、本発明の第3
の形態に係る軌跡生成方式によれば、機構制御に必要な
軌跡生成演算を減速時においても差分演算で実行でき演
算時間を短縮することができ、その結果、サンプリング
周波数を上げてサーボ制御系の動特性を向上させること
が可能となる。そして、本発明の第4の形態に係る外乱
抑制制御方式によれば、不規則外乱以外の信号成分が制
御対象の入力部に混入しても、その影響を取り除くこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の形態が適用されるサーボ制御装
置のフィードバックコントローラの一例を示すブロック
図である。
【図2】本発明の第1の形態に係るゲイン調整方式を適
用したサーボ制御装置の原理構成を示すブロック図であ
る。
【図3】本発明の第1の形態のゲイン調整方式における
動特性の評価方法を説明するための図である。
【図4】本発明の第1の形態のゲイン調整方式における
原理的処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の形態のゲイン調整方式を適用し
たサーボ制御装置の一実施例を示すブロック図である。
【図6】本発明のゲイン調整方式が適用される一例とし
ての6自由度垂直多関節アームを示す図である。
【図7】本発明の第1の形態のゲイン調整方式における
処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の形態が適用される機構の構成例
を示すブロック図である。
【図9】本発明の第2の形態に係る機構パラメータの同
定方式が適用される機構制御装置の一例を示すブロック
図である。
【図10】図9の機構制御装置における制御系の構成例
を示すブロック図である。
【図11】図10の制御系の一例としての減速機のコン
プライアンスを示す図である。
【図12】図10の制御系における時間応答例を説明す
るための図である。
【図13】本発明の第2の形態に係る機構パラメータの
同定方式が適用される機構制御装置の一例を示すブロッ
ク図である。
【図14】図13の機構制御装置における制御系の構成
例を示すブロック図である。
【図15】本発明の第2の形態の機構パラメータの同定
方式を適用したイナーシャ同定システムの一例を示すブ
ロック図である。
【図16】本発明の第2の形態の機構パラメータの同定
方式におけるイナーシャ同定処理の一例を示すフローチ
ャートである。
【図17】本発明の第3の形態の軌跡生成方式が対象と
する台形速度カーブを示す図である。
【図18】図17の台形速度カーブにおける速度の演算
処理に要する時間を示す図である。
【図19】図17の台形速度カーブとサンプリング点と
の関係を示す図である。
【図20】本発明の第3の形態の軌跡生成方式の原理を
説明するための図である。
【図21】本発明の第3の形態の軌跡生成方式における
処理の一例を示すフローチャートである。
【図22】本発明の第3の形態の軌跡生成方式の処理を
説明するための図である。
【図23】本発明の第3の形態の軌跡生成方式における
加速度の調整を説明するための図である。
【図24】本発明の第4の形態の外乱抑制制御方式の原
理を示すブロック図である。
【図25】本発明の第4の形態の外乱抑制制御方式にお
ける一実施例を示すブロック図である。
【図26】本発明の外乱抑制制御方式が適用される一例
としての6自由度垂直多関節アームを示す図である。
【図27】本発明の第4の形態の外乱抑制制御方式が適
用されるシステムにおける制御特性を示す図である。
【図28】本発明の第4の形態の外乱抑制制御方式にお
ける原理的処理を示すフローチャートである。
【図29】本発明の第4の形態の外乱抑制制御方式が適
用される構成例を示すブロック図である。
【図30】本発明の第4の形態の外乱抑制制御方式にお
ける処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
C…制御装置(フィードバックコントローラ) D…制御特性評価部 P…制御対象 e…制御偏差 r…目標値 u…制御対象入力 y…制御対象出力 Gc(s)…制御装置の伝達関数 Gp(s)…制御対象の伝達関数 Ge …制御対象ゲイン(現在値) Gt …制御対象ゲイン(初期値) 1…ホストCPU 11…目標軌道指示部 12…フィードバックゲイン算出部 13…制御信号モニタ部 14…イナーシャ算出部 2…リアルタイムコントローラ 21…目標位置発生部 22…フィードバック制御部 23…制御信号トレースメモリ A…アクチュエータ(DCサーボモータ) G…減速機 Kd …微分ゲイン Ki …積分ゲイン Kp …比例ゲイン L…負荷(第1関節軸の換算負荷) S…センサ(エンコーダ) SS…周波数分離要素(ローパスフィルタ、バンドパスフ
ィルタ)

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 閉ループゲインを調整するゲイン調整方
    法であって、 制御対象(P)におけるゲイン(Ge)が変化した(Gt)
    場合、補正ゲイン(1+ε)により前記閉ループゲイン
    を一定に保つようにしたことを特徴とするゲイン調整方
    法。
  2. 【請求項2】 前記閉ループゲインの変化を、制御偏差
    (e)の絶対値を変数に持つ評価関数(J)により検出
    するようにしたことを特徴とする請求項1のゲイン調整
    方法。
  3. 【請求項3】 前記評価関数(J)で閉ループゲインの
    変化を検出した場合、前記補正ゲイン(1+ε)におけ
    る調整パラメータ(ε)を実時間で更新するようにした
    ことを特徴とする請求項2のゲイン調整方法。
  4. 【請求項4】 前記調整パラメータ(ε)を前記評価関
    数(J)の関数として定義する際、必要に応じて複数の
    関数を使用するようにしたことを特徴とする請求項2の
    ゲイン調整方法。
  5. 【請求項5】 閉ループゲインを調整するゲイン調整方
    法であって、 センサ信号から制御対象(P)の出力(yi)を算出する
    手段と、 目標入力(ri)と前記制御対象の出力(yi)との差であ
    る制御偏差(ei)を算出する手段と、 フィードバックコントローラ(C)の時系列演算を行う
    手段と、 前記制御偏差(ei)に対する評価関数(Ji)を求め、該
    評価関数(Ji)から調整パラメータ(εi)を決定して更
    新する手段と、 前記フィードバックコントローラの時系列演算および前
    記調整パラメータ(εi)から制御対象入力(ui)を算出
    する手段を具備し、該制御対象入力(ui)をI/Oへ出
    力するようにしたことを具備することを特徴とするゲイ
    ン調整方法。
  6. 【請求項6】 前記ゲイン調整方法を、サーボ制御に適
    用したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかのゲイ
    ン調整方法。
  7. 【請求項7】 アクチュエータ(A)と、該アクチュエ
    ータにより減速機(G)を介して駆動される負荷手段
    (L)と、該アクチュエータ(A)に直結されたセンサ
    (S)とを有する機構におけるパラメータの同定方法で
    あって、 前記減速機(G)のコンプライアンスに起因する振動の
    反作用で制御系の外乱トルク(n)として入力した振動
    を、該制御系の操作信号(u)または制御偏差(e)の
    振動成分として検出し、所定の式に従って機構パラメー
    タを同定するようにしたことを特徴とする機構パラメー
    タの同定方法。
  8. 【請求項8】 前記機構パラメータはイナーシャであ
    り、前記検出された振動成分の周波数(fr)と既知の減
    速機剛性係数(k)から、該イナーシャ(J1)を、次の
    式に従って、 J1 =k/(2πfr)2 算出するようにしたことを特徴とする請求項7の機構パ
    ラメータの同定方法。
  9. 【請求項9】 前記機構パラメータはイナーシャであ
    り、第1の位置における既知のイナーシャ(Jl1),該既
    知のイナーシャの時に検出された振動成分の周波数(f
    r1),および, 新たに検出された振動成分の周波数(f
    r2)から、新たな位置でのイナーシャ(J12)を、次の
    式に従って、 J12=Jl1(fr1/fr2)2 算出するようにしたことを特徴とする請求項7の機構パ
    ラメータの同定方法。
  10. 【請求項10】 前記式を用いたイナーシャの算出を制
    御中に実時間で実行し、制御パラメータの更新に用いる
    ようにしたことを特徴とする請求項8または9の機構パ
    ラメータの同定方法。
  11. 【請求項11】 換算負荷(Jr)を適当な値に設定し、
    制御対象(P)の特性に対応するフィードバックコント
    ローラ(C)の伝達関数(Gc(s))を規定する手段と、 外乱(n)の影響を制御ループの中でモニタできるよう
    に前記フィードバックコントローラの伝達関数(Gc
    (s))のフィードバック係数を小さめに設定する手段
    と、 前記フィードバックコントローラ(C)の入力に対して
    目標位置入力(ri)を加えて負荷側に慣性力を発生させ
    る手段と、 共振モデルの影響で加速または減速中に制御ループ内の
    信号に混入する振動波形から共振周波数(fr)を測定す
    る手段と、 該測定された共振周波数(fr)を使用して負荷イナーシ
    ャ(Jl)を算出する手段とを具備することを特徴とする
    機構パラメータの同定方法。
  12. 【請求項12】 制御対象(P)の加速時, 等速時, お
    よび, 減速時の速度制御を台形速度カーブに従って行
    い、該減速時における制御対象(P)の軌跡生成を、該
    加速時および等速時における軌跡制御と同様に、差分形
    式で演算するようにしたことを特徴とする軌跡生成方
    法。
  13. 【請求項13】 前記軌跡生成方法を、加速度の値を指
    定された最大加速度を越えない範囲で微調整するように
    したことを特徴とする請求項12の軌跡生成方法。
  14. 【請求項14】 前記軌跡生成方法を、サーボ制御に適
    用したことを特徴とする請求項12または13の軌跡生
    成方法。
  15. 【請求項15】 閉ループ制御系において、外乱(n)
    を特徴的な周波数成分を持った信号としてモデリング
    し、所定のゲイン(G)を与えてフィードバック制御す
    るようにしたことを特徴とする外乱抑制制御方法。
  16. 【請求項16】 前記外乱は重力(n)であり、前記ゲ
    イン(G)は、制御信号(ff)と該重力(n)とが互い
    に打ち消しあった結果、フィードバック制御信号(fb)
    を前記重力(n)が作用しない場合と等価になるように
    設定するようにしたことを特徴とする請求項15の外乱
    抑制制御方法。
  17. 【請求項17】 前記ゲイン(G)を、制御対象(P)
    の姿勢に応じて可変としたことを特徴とする請求項16
    の外乱抑制制御方法。
  18. 【請求項18】 制御対象(P)の出力(yi)をセンサ
    信号(ysi)から算出する手段と、 フィードバックコントローラ(C)の時系列演算を行う
    手段と、 第1の制御信号(fbi)に対して、特徴的な周波数成分
    を持ったノイズ(ni)の周波数領域の信号(fni)を取
    り出す手段と、 前記ノイズの周波数領域の信号(fni)に調整ゲイン
    (G)を掛けて第2の制御信号(ffi)を算出する手段
    と、 前記第1の制御信号(fbi)および前記第2の制御信号
    (ffi)を加算して第3の制御信号(uci)を算出する
    手段とを具備し、該第3の制御信号(uci)をI/Oへ
    出力するようにしたことを特徴とする外乱抑制制御方
    法。
  19. 【請求項19】 前記外乱抑制制御方法は、サーボ制御
    装置に適用されるようになっていることを特徴とする請
    求項15〜18のいずれかの外乱抑制制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009122907A (ja) * 2007-11-14 2009-06-04 Toyota Central R&D Labs Inc パラメータ同定装置及びパラメータ同定プログラム
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