JPH0784215A - 立体視拡大投影鏡 - Google Patents

立体視拡大投影鏡

Info

Publication number
JPH0784215A
JPH0784215A JP5265362A JP26536293A JPH0784215A JP H0784215 A JPH0784215 A JP H0784215A JP 5265362 A JP5265362 A JP 5265362A JP 26536293 A JP26536293 A JP 26536293A JP H0784215 A JPH0784215 A JP H0784215A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
screen
lens
image
projection
back surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5265362A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Inoue
弘 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP5265362A priority Critical patent/JPH0784215A/ja
Publication of JPH0784215A publication Critical patent/JPH0784215A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)
  • Stereoscopic And Panoramic Photography (AREA)
  • Projection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 奥行のある被写体を拡大して観察する場合、
投影横倍率が大きいときでも、被写界深度が十分に深
く、且つ被写体の立体視を知覚できる映像が、観察方向
や位置を束縛されるようなことがなく獲得できる機能を
有し、かつ極めて製造が容易な部材及び構造から構成さ
れる。 【構成】 スクリーン面に投影された画像を反射させて
立体視知覚を与える投影鏡において、第1層に光線屈折
機能を有する微細な光学素子を多数個あて敷設し、第2
層に光線反射機能を有する光学素子を設置させたスクリ
ーンを、投影レンズからの結像位置に設置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、対物レンズの拡大投影
像を観察するとき、立体視知覚を与える装置に関する。
【0002】
【従来の技術】被写体を観察するとき、被写体が立体視
知覚されるのは、観察者の両眼が被写体を見る両視線の
なす角度、即ち視角の広狭の程度が観察者の頭脳へ心理
的に作用するからである。被写体が近接距離に存在する
ときは、視角が大きくなり、被写体の立体感が誇張され
る。遠方の被写体を観るときは、視角が狭いので、立体
感が乏しい。
【0003】投影光学系において、被写体を対物レンズ
でスクリーンに単純な手段で投影すると、光学原理によ
り、対物レンズからスクリーンに投射される光線の角度
は投影画像が拡大された程度だけ縮小されてるので、投
影倍率に反比例して角倍率は減少し、従って被写体を望
む視角が狭くなり、立体視感覚が得られなくなる。一
方、角倍率が縮減すると、立体視感覚が減少するととも
に、被写界深度が浅くなる不利な性質が二次付随的に現
れてくる。
【0004】投影光学系でこの立体視感覚を再現しよう
とする目的のため、種々の光学的又は機械的構造をもっ
た装置が従来提供されている。被写体を対物投影レンズ
でスクリーン面上に単純に投影したものや、そのスクリ
ーン面に微細な球面レンズを多数個敷設したもの、又は
対物レンズを複眼に設置して光路を2光束に分岐して投
影したもの等が存在し、その映像を観察して被写体を立
体視知覚する試みがある。
【0005】しかし、スクリーン面上に単純に投影した
映像は、そのスクリーンの透明度を比較的良好に作製し
ていても、立体視感覚が極めて乏しく、立体視知覚は殆
ど期待できない。
【0006】スクリーン面に微細な球面レンズ多数個敷
設した構造をもつものでは、受けた投影画像を微細な画
素に分割し、同時にその細分化された画素からの光束の
放散角を屈折拡大せしめて、スクリーン面で見掛けの角
倍率を増大させながら、単一の画像として認識するよう
にしている。対物レンズからスクリーンに投射される光
線の角度は、投影画像が拡大された程度だけ縮小されて
いるが、スクリーンの微細レンズ群によって拡張され、
見掛けの角倍率は拡大して、観察者の両眼への視角が増
大するために、被写体が立体的に感知されるのである。
しかし、微細レンズによる屈折力には限度があるので、
微細レンズ群が単層で構成されているだけでは十分な立
体感が得られない。
【0007】ここで、この屈折力を増強させ、このスク
リーンでの角倍率をできるだけ増大させるために、微細
レンズ群を各光軸に沿って複数枚積層し、各々のレンズ
が組み合わされてレンズ系を構成する試みが実施されて
いる。しかし、各光軸を合致せて組立て製造すること
は、そのレンズが極めて微小であり、また非常に個数が
多いので、大変に困難な作業である。そしてこの微細レ
ンズ群を順調に組立てたとしても、屈折力が増強されて
いるので、微細レンズからの放出光束が拡大して、スク
リーンの外側に形成される射出瞳の直径が拡大して、見
掛けの視野照度が低下する不利な性質が伴ってくる。
【0008】また上記の構成とは別に、2つの対物レン
ズを設置した双眼投影鏡の構成では、左右の光学系によ
る映像をスクリーン面上で合致させ、かつその放射光軸
上に観察者の両眼を設定することにより、左右別々の映
像を授受し、立体映像として心理的に知覚する機能を利
用している。しかし、左右2つの光路を有する双眼投影
鏡は、構造が複雑である。そして、左右2つの光路に沿
って到達してきた映像は、焦点が同程度に確保されると
は限らないで、かつスクリーン面上で二重映像となりが
ちである。2つの映像をスクリーン面上で各独立に焦点
を合わせ、かつ2つの画像を合致させる組立て調整作業
は、高度の技能を必要とせねばならない難点がある。
【0009】二重像を合致のための十分な調整作業を企
てたとしても、スクリーンから放出される左右2つの光
束が外部に形成する射出瞳内で、観察者の両眼へそれぞ
れ独立して授受されるためには、射出瞳が交差してはい
けないので、光束の角倍率を必要以上に拡大するのは抑
制しなけらばならない制約がある。従って、その映像の
被写界深度は十分ではなくなり、被写体の前後の映像が
不鮮明となる。被写体の奥行を立体視する目的の場合に
特別に要求される被写体観察の透明感覚を得るには、欲
求不満が残るものである。更に、スクリーンから放出さ
れる左右2つの独立した映像を、観察者の両眼で授受す
るために、スクリーン外側に形成された2つの視野瞳の
中に、観察者は両眼を設定しなければならないという使
用上の不自由な制約を受けるものである。更に映像全体
の投影倍率を変更するとき、左右両対物レンズを同時に
交換しなければならない煩わしさが伴う。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの構
造・組立て作業上の難点を解決するものである。簡単な
部品で構成され、構成部品相互の調整作業は何ら必要と
しないで、十分な立体視知覚と、透明感を有する明るい
被写体の鮮明な映像を、任意の方向から観察し得る事が
できる拡大投影鏡を提供するものである。
【0011】即ち本発明は、十分な立体視知覚を得るこ
とを、第一の目的とする。次に、十分な被写界深度を確
保し、視野内で透明感ある被写体映像を得ることを、第
二の目的とする。更に第三の目的は、スクリーンを覗く
観察者の観察眼をどこの場所に置いても、映像を観察で
きる取扱い使用上の自由を確約するものである。更に第
四の目的は、その観察視野が明るく確保されていること
である。更に第五の目的は、極めて単純な構成で、必要
最小限の部材で構築されており、その部品は単純な構造
を有しており、部品相互を組立てるとき及び使用中に
も、何らの調整作業を必要としない装置を得ることであ
る。更に第六の目的は、投影拡大倍率を変更するとき、
唯一個の対物レンズを交換するだけで済むことであり、
並びに拡大倍率の変換手順を単純化するために、唯一の
対物レンズをズームレンズに置換できる構成を提供する
ことである。
【0012】
【発明が解決するための手段】投影光学系で、スクリー
ン面で授受した光線の角倍率を高めると、被写体を立体
視できる効果が向上することと、且つ被写界深度を深め
ることが同時に実施できるという光学原理と、並びに被
写体の立体視知覚は水平な両眼によるもので、実際の使
用には方向性があるという条件とを配慮しながらも、ス
クリーンからの光束を拡大しなけらば視野照度は低下し
ない事実に、本発明は着目したものである。
【0013】この目的を達成するために、本発明では、
光線の屈折力を単層のスクリーンでも十分に増大させる
意図により、スクリーン面に多数個敷設した微細レンズ
群に、屈折作用ばかりでなく反射作用も重複して機能さ
せるものである。即ち本発明のスクリーンは、平面状の
透明な媒質の裏面に微細なレンズ群を敷設し、その裏面
が反射膜で被覆された構造を有するものである。スクリ
ーン面上に投影して形成された画像は、微細レンズで細
分割され、光線は透明媒質の表面で屈折し、裏面の非平
面で反射され、再び表面で屈折して手前に戻る。細分割
された投影画像は、スクリーン面で反射して、巨視的に
は単一の画像として観察される。
【0014】また、スクリーンからの放出光束はスクリ
ーン外側に拡散されると、視野照度は漸次減衰されて行
くのであるが、本発明はスクリーンと観察眼との間に視
野レンズを設置することにより、光束の拡散を抑制し、
視野照度の低下を防止している。
【0015】
【作用】本発明はスクリーンによる反射作用を利用して
投影像を伝達するので、その光軸に沿って展開した光路
図(第1図)によって、光学作用を説明する。
【0016】被写体1からの光線は対物投影レンズ2に
よりスクリーン5へ投影される。その画像Pは、視野レ
ンズ6を通過して観察眼7で授受される。スクリーン5
の前面に設置される1つの集光レンズ4は、この展開光
路図ではスクリーン5の前後に2つの同等の集光レンズ
4及び4’として表現される。これらの集光レンズ4及
び4’は、対物投影レンズ2からの光線をスクリーン5
にほぼ垂直に照射及び反射させ、視野レンズ6に収束さ
せる作用をなす。
【0017】被写体1の大きさ、つまり像高OO’は、
スクリーン5面上でPP’になり、視野レンズ6の開口
絞り内ではQQ’に変換される。
【0018】対物投影レンズ2が物点O’を観る視角
は、その光束が、対物投影を通過したとき投影倍率に応
じて縮小して、スクリーン5に照射され、スクリーン5
の微細レンズにより拡大されて放出され、観察者の両眼
7及び7’に到達する。スクリーン5からの光束の角度
広がりが十分でないと、観察者は被写体を立体視できな
い。立体視できるようにするには、スクリーン5の微細
レンズによって、光束をできるだけ拡張する必要があ
る。
【0019】この光学的関係を、第1図を参考にして、
次に解析する。
【0020】被写体の物点O’を望む対物投影レンズ2
の開口角αは、対物投影レンズ2の口径比Fと投影倍
率mとに関係し、 α=m/2F(m+1) であり、投影倍率mが大きくなるほど、物体距離が短
くなり、従って開口角αは広がる。
【0021】被写体1の物点O’を望む対物投影レンズ
2の視角αは、光線がスクリーン5に投影されたとき角
度βに変わる。投影倍率mが大きくなるほど角度βが
縮小し、この角倍率β/αは、 β/α=1/m となり、投影倍率mに反比例する。
【0022】スクリーン5は透明媒質で、その裏面は微
細な球面が多数個敷設されており、更に反射膜が付着さ
れている。スクリーン5への入射光は、透明媒質の表面
で屈折され、裏面で球面反射されて、再び表面に戻って
屈折して、表面外方に放出される。この光線が屈折及び
反射する挙動は、各微細レンズ毎に行われる。スクリー
ン5に投影された画像は、微細レンズ群によって細分割
されるが、観察者から巨視的に観れば、全体として1つ
の画像に認識される。
【0023】第2図において、スクリーン5に角度βで
入射した光線は、角度γで拡大して射出される。スクリ
ーン5の各微細レンズの口径比Fとすると、 γ=β−1/2F=α/m1−1/2F の関係がある。狭い角度βを広い角度γに拡大するの
で、各微細レンズの口径比Fは、F<0 である。
つまり原則として、虚像を形成して光線を放散する発散
光学系である。収束光学系を用いるときは、第3図に示
すように、対物投影レンズ2より収束した光線を受けて
実像を形成した後に、放散する事で容易に可能である。
【0024】スクリーン5から放出された光線は、視野
レンズ6を通過するとき放散角δに変化する。視野レン
ズFの見掛けの倍率mによって、スクリーンからの放
出角度γは、m倍に増幅される。 δ=mγ 従って、この投影光学系全体での角倍率δ/αは δ/α=(β/α)×(γ/β)×(δ/γ) =(1/m){(1−(m+1)F/F}(m
) ={1/m−(1+F/m)/F}m となる。
【0025】この式を解析すると、一般の投影器による
立体視知覚が乏しいのは、投影倍率mを拡大するほ
ど、角倍率δ/αが減少するからであることが理解され
る。立体視知覚を十分に獲得するためには、角倍率δ/
αを大きくする必要がある。対物投影レンズ2の口径比
並びに視野レンズ6の位置及び諸元mが設定され
ている場合、投影倍率mを選定されたときに大きな角
倍率δ/αを得るには、スクリーン5の微細レンズの口
径比Fをできるだけ小さくする必要がある。
【0026】媒質の屈折率n≒1.5,並びに口径D及
び片側表面の曲率半径rを有する単一の透過型レンズで
は、口径比Fが F=f/D=r/(n−1)D≒2r/D である。一般に3乃至5しか得られない。更に小さな数
値を求めるために、レンズを光軸に沿って重複積層させ
なけらばならない。2重に積層させると、その口径比が
漸く1乃至2に得られるに過ぎない。
【0027】本発明のように、曲率半径rの片側表面に
反射層を付着させた反射型のスクリーンでは、媒質の表
面で屈折し、曲率をもった面で反射し、更に媒質表面に
戻って再び屈折するので、屈折力が倍増する。このスク
リーンは、このように三重の拡散効果有することにな
る。媒質の厚さをdとすると、その口径比Fは、 F=1/{(2n/r)−(4d/r)}D≒r/2
nD≒r/3D となり、単一透過型レンズの機能を約6倍に増大でき
る。
【0028】即ち、本発明の構造を有するスクリーン5
によれば、単層の構成でも三重の拡散機能を有するため
に、単一透過型屈折系のスクリーンよりも格段の拡散効
果をもたらすことができる。従って、極めて簡単なスク
リーンの構造で、映像の立体視を可能にしてくれる。
【0029】スクリーン5の画像は外部から視野レンズ
6によって拡大されて観察されるので、スクリーン5面
上の微細レンズ球面の隣接縁が視野の光学雑音となって
観察像の品位を低下させる場合がある。スクリーン面を
視覚認識閾値以上の速度で回転又は常時移動させてるこ
とは、構造上可能で、画像の品位向上に効果がある。
【0030】また、光学原理として、見掛けの角倍率が
増大すると、被写界深度の付随して増大する。像側の深
度をΔとすれば、その被写界深度tは、 t=2F(m+1){1+(m+1)F
}/m Δ である。立体視観察鏡では、被写体の奥行を鮮明に観察
できることが、特別に要求されるので、被写界深度が深
くなる性質は大変好ましい傾向である。
【0031】しかしまた一方で、スクリーン5からの光
束が拡張すると、形成される射出瞳の大きさが拡大し
て、視野の照度が低下するのは、やむを得ない現象であ
る。立体視知覚及び被写界深度に対してこの視野の照度
を維持しようとする相反する欲求を両立させるために、
観察者が両眼を水平に保持するような姿勢で使用するの
が普通である実態に着目する。すなわち、観察者は水平
方向の立体視知覚を得れば十分であり、垂直方向の立体
視感覚はさほど必要としない。スクリーンに具備すべき
機能として、水平方向の角倍率をできるだけ大きく確保
しながらも、垂直方向の角倍率は必要な量だけに抑制し
てもよい。
【0032】第4図では、スクリーン5の表面には水平
方向に平行した曲率半径rの円柱面を敷設したレンテ
ィキュラーレンズが形成され、裏面には垂直方向に曲率
半径r平行した円柱面を敷設したレンティキュラーレ
ンズが形成され、かつその面に反射膜を付着させたもの
である。このように構造することにより、垂直方向の屈
折力を水平方向の屈折力よりも抑制することができる。
【0033】スクリーン5照射される光束は、その水平
成分がスクリーン表面のレンティキュラーレンズの母線
方向であるから、表面では単純な屈折を2回繰り返し、
裏面のレンティキュラーレンズの曲率方向で屈折力を与
えられながら反射されるので、口径比F25は前出の式
からF25≒r/2nD≒r/3Dである。また照
射光束の垂直方向の成分は、スクリーン表面の曲面で屈
折し、裏面で単純反射し、表面に戻って再度屈折して放
出される。この場合の口径比F15は、 F15=1/2{(n−1)/r+(n−1)d/
nr}D ≒r/2(n−1)D ≒r/D である。もし、表面のと裏面のレンティキュラーレンズ
の曲率半径が同等であれば、垂直方向の屈折力は水平方
向の屈折力の約1/3に抑制される。
【0034】
【実施例】図面を参考にして実施例を説明すると、第5
図において、対物投影レンズ2の真下に被写体1が設置
されている。対物投影レンズ2の真上に反射鏡3が傾斜
して置かれ、その横に反射鏡3’及び3”が傾斜して置
かれている。これらの鏡群からほぼ水平な光軸の延長線
上に集光レンズ4及びスクリーン5、が若干あて仰向に
傾斜して設置されている。スクリーン5の反射光軸の延
長上に視野レンズ6が設置されて、観察者はその外部の
光軸の延長線上に、観察眼7及び7’を置くことができ
る。
【0035】被写体1の映像は対物投影レンズ2によっ
て摂取されて通過するが、いわゆる裏絵となっているの
で、反射鏡3によって上下方向が逆転され、更に反射鏡
3’及び3”によって左右方向が入れ替わり、正立像に
矯正される。この映像光線は集光レンズ4によりほぼ平
行光線となり、スクリーン5に照射される。そして、ス
クリーン5の微細レンズ群により画像は微細な画素に分
割され、射出角が拡大し、放散されて、視野レンズ6の
方向に向かう。観察者は、視野レンズ6を通してこの画
素からの光線を巨視的に単一の画像として認識できる。
観察者の両眼7および7’が授受する光線は、対物投影
レンズ2が被写体1を望む視角に相当するので、観察者
は被写体1を立体視できる。
【0036】なお付言するに、スクリーンは、上記の構
造に限定されるものではなく、屈折機能を有する第1層
と反射機能を有する第2層とが分離されていても、上記
と同等の機能を発揮する。従って、例えば、透過レンズ
系で構成されたスクリーンの背後に、平面鏡を設置した
構造でも、光学作用としては容認される。
【0037】スクリーン5面での入射角及び反射角が大
きすぎると、スクリーン5面での画像はその収差が増加
する。これらの角度を小さく設定するには、対物投影レ
ンズ2及び視野レンズ6からスクリーン5迄の間隔を延
長しなければならない。これによる投影器の装置全体の
形態が拡張してしまうのを回避するため、その途中に鏡
を設置して光路を折り曲げるような設計手段は、採択で
きる。
【0038】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0039】対物投影レンズが唯一個であるので、投影
倍率の変換が非常に容易であり、そのレンズをズームレ
ンズに置換する事も可能である。
【0040】対物投影レンズからの投影光路が唯一個で
あるので、スクリーンでの焦点合わせが容易であり、結
像が二重になる心配は皆無で、画像は良品位に確保でき
る。
【0041】スクリーンからの光束が唯一個であるの
で、観察眼の位置が限定されず、観察者の観察姿勢は自
由である。
【0042】非常に簡単な構造のスクリーンでありなが
ら、被写体の立体視が強力に知覚させ得る。
【0043】スクリーンな構造が非常に簡単であるの
で、多数個の微細レンズの各光軸を合致させなければな
らない組立て作業などの煩わしさが、一切不要である。
【0044】視野レンズの作用で、スクリーンからの光
束が発散するのを抑制するので、視野の照度が低下しな
いで、明るい画像を観察できる。
【0045】表面及び裏面にレンティキュラーレンズを
敷設したスクリーンでは、被写体の立体視知覚を維持し
たまま、光束の垂直方向の射出角を抑制し定いるので、
更に比較的明るい視野照度が獲得できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の投影光学系において、光学素子を配置
した光軸に沿って展開した光路図である。
【図2】本発明のスクリーンの発散系の微細レンズにお
ける光学作用を示す説明図である。
【図3】本発明のスクリーンの収束系の微細レンズにお
ける光学作用を示す説明図である。
【図4】垂直方向と水平方向との屈折力を相違させる機
能を持たせた本発明のスクリーンを示す説明図である。
【図5】本発明の光学系における光学素子の配置を示す
斜視図である。
【符号の説明】
1 被写体 2 投影レンズ 3,3’及び3” 反射要素を組み合わせた光学部材 4 集光レンズ 5 スクリーン 6 視野レンズ 7及び7’ 観察者の両眼
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年1月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、対物レンズの拡大投影
像を観察するとき、立体視知覚を与える装置に関する。
【0002】
【従来の技術】被写体を観察するとき、被写体が立体視
知覚されるのは、観察者の両眼が被写体を見る両視線の
なす角度、即ち視角の広狭の程度が観察者の頭脳へ心理
的に作用するからである。被写体が近接距離に存在する
ときは、視角が大きくなり、被写体の立体感が誇張され
る。遠方の被写体を観るときは、視角が狭いので、立体
感が乏しい。
【0003】投影光学系において、被写体を対物レンズ
でスクリーンに単純な手段で投影すると、光学原理によ
り、対物レンズからスクリーンに投射される光立体
は投影画像が拡大された程度だけ縮小されてるので、
投影倍率に反比例して角倍率は減少し、従って被写体を
望む視角が狭くなり、立体視感覚が得られなくなる。一
方、角倍率が縮減すると、立体視感覚が減少するととも
に、被写界深度が浅くなる不利な性質が二次付随的に現
れてくる。
【0004】投影光学系でこの立体視感覚を再現しよう
とする目的のため、種々の光学的又は機械的構造をもっ
た装置が従来提供されている。被写体を対物投影レンズ
でスクリーン面上に単純に投影したものや、そのスクリ
ーン面に微細な球面レンズを多数個敷設したもの、又は
対物レンズを複眼に設置して光路を2光束に分岐して投
影したもの等が存在し、その映像を観察して被写体を立
体視知覚する試みがある。
【0005】しかし、スクリーン面上に単純に投影した
映像は、そのスクリーンの透明度を比較的良好に作製し
ていても、立体視感覚が極めて乏しく、立体視知覚は殆
ど期待できない。
【0006】光線を透過させるスクリーン面に微細な球
面レンズ多数個敷設した構造をもつものでは、受けた投
影画像を微細な画素に分割し、同時にその細分化された
画素からの光束の放散角を屈折拡大せしめて、スクリー
ン面で見掛けの角倍率を増大させながら、単一の画像と
して認識するようにしている。対物レンズからスクリー
ンに投射される光線の角度は、投影画像が拡大された程
度だけ縮小されているが、スクリーンの微細レンズ群に
よって拡張され、見掛けの角倍率は拡大して、観察者の
両眼への視角が増大するために、被写体が立体的に感知
されるのである。しかし、微細レンズによる屈折力には
限度があるので、微細レンズ群が単層で構成されている
だけでは十分な立体感が得られない。
【0007】ここで、この屈折力を増強させ、このスク
リーンでの角倍率をできるだけ増大させるために、微細
レンズ群を各光軸に沿って複数枚積層し、各々のレンズ
が組み合わされてレンズ系を構成する試みが実施されて
いる。しかし、各光軸を合致せて組立て製造すること
は、そのレンズが極めて微小であり、また非常に個数が
多いので、大変に困難な作業である。しかし、すべての
微細レンズの各光軸が一致しないと、各微細レンズを通
過した光線は異なった方向に放射し、規定の光線性能が
発揮されない。ときには干渉によるモアレ縞が発生する
ことがある。そしてこの微細レンズ群を順調に組立てた
としても、屈折力が増強されているので、微細レンズか
らの放出光束が拡大して、スクリーンの外側に形成され
る射出瞳の直径が拡大して、見掛けの視野照度が低下す
る不利な性質が伴ってくる。
【0008】また上記の構成とは別に、2つの対物レン
ズを設置した双眼投影鏡の構成では、左右の光学系によ
る映像をスクリーン面上で合致させ、かつその放射光軸
上に観察者の両眼を設定することにより、左右別々の映
像を授受し、立体映像として心理的に知覚する機能を利
用している。しかし、左右2つの光路を有する双眼投影
鏡は、構造が複雑である。そして、左右2つの光路に沿
って到達してきた映像は、焦点が同程度に確保されると
は限らないで、かつスクリーン面上で二重映像となりが
ちである。2つの映像をスクリーン面上で各独立に焦点
を合わせ、かつ2つの画像を合致させる組立て調整作業
は、高度の技能を必要とせねばならない難点がある。
【0009】二重像を合致のための十分な調整作業を企
てたとしても、スクリーンから放出さる左右2つの光
束が外部に形成する射出瞳内で、観察者の両眼へそれぞ
れ独立して授受されるためには、射出瞳が交差してはい
けない制約があるので、光束の角倍率を必要以上に拡大
するのは抑制しなければならない。従って、その映像の
被写界深度は十分ではなくなり、被写体の前後の映像が
不鮮明となる。被写体の奥行を立体視する目的の場合
、被写体の観察には透明感覚が特別に要求されるの
で、欲求不満が残るものである。更に、スクリーンから
放出される左右2つの独立した映像を、観察者の両眼で
授受するために、スクリーン外側に形成された2つの視
野瞳の中に、観察者は両眼を設定しなければならないと
いう使用上の不自由な制約を受けるものである。更に映
像全体の投影倍率を変更するとき、左右両対物レンズを
同時に交換しなければならない煩わしさが伴う。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの構
上及び組立て作業上の難点を解決するものである。簡
単な部品で構成され、構成部品相互の調整作業は何ら必
要としないで、十分な立体視知覚と、透明感を有する明
るい被写体の鮮明な映像を、任意の方向から観察し得る
事ができる拡大投影鏡を提供するものである。
【0011】即ち本発明は、十分な立体視知覚を得るこ
とを、第一の目的とする。次に、十分な被写界深度を確
保し、視野内で透明感ある被写体映像を得ることを、第
二の目的とする。更に第三の目的は、スクリーンを覗く
観察者の観察眼をどこの場所に置いても、映像を観察で
きる取扱い使用上の自由を確約するものである。更に第
四の目的は、その観察視野が明るく確保されていること
である。更に第五の目的は、極めて単純な構成で、必要
最小限の部材で構築されており、その部品は単純な構造
を有しており、部品相互を組立てるとき及び使用中に
も、何らの調整作業を必要としない装置を得ることであ
る。更に第六の目的は、投影拡大倍率を変更するとき、
唯一個の対物レンズを交換するだけで済むことであり、
並びに拡大倍率の変換手順を単純化するために、唯一の
対物レンズをズームレンズに置換できる構成を提供する
ことである。
【0012】
【発明が解決するための手段】投影光学系で、スクリー
ン面で授受した光線の角倍率を高めると、被写体を立体
視できる効果が向上することと、且つ被写界深度を深め
ることが同時に実施できるという光学原理と、並びに被
写体の立体視知覚は水平な両眼によるもので、実際の使
用には方向性があるという条件とを配慮しながらも、ス
クリーンからの光束を拡大しなけば視野照度は低下し
ない事実に、本発明は着目したものである。
【0013】この目的を達成するために、本発明では、
光線の屈折力を単層のスクリーンでも十分に増大させる
意図により、スクリーン面に多数個敷設した微細レンズ
群に、屈折作用ばかりでなく反射作用も重複して機能さ
せるものである。即ち本発明のスクリーンは、平面状の
透明な媒質の裏面に微細なレンズ群を敷設し、その裏面
が反射膜で被覆された構造を有するものである。スクリ
ーン面上に投影して形成された画像は、微細レンズで細
分割され、光線は透明媒質の表面で屈折し、裏面の非平
面で反射され、再び表面で屈折して手前に戻る。細分割
された投影画は、スクリーン面で反射して、観察する
眼には集合した光線が入射して、巨視的には単一の画像
として観察される。
【0014】また、スクリーンからの放出光束はスクリ
ーン外側に拡散されると、視野照度は漸次減衰されて行
くのであるが、本発明はスクリーンと観察眼との間に視
野レンズを設置することにより、光束の拡散を抑制し、
視野照度の低下を抑制している。
【0015】
【作用】本発明はスクリーンによる反射作用を利用して
投影像を伝達するので、その光軸に沿って展開した光路
図(図1)によって、光学作用を説明する。
【0016】被写体1からの光線は対物投影レンズ2に
よりスクリーン5へ投影される。その画像Pは、視野レ
ンズ6を通過して観察眼7で授受される。スクリーン5
の前面に設置される1つの集光レンズ4は、この展開光
路図ではスクリーン5の前後に2つの同等の集光レンズ
4及び4’として表現される。これらの集光レンズ4及
び4’は、対物投影レンズ2からの光線をスクリーン5
にほぼ垂直に照射及び反射させ、視野レンズ6に収束さ
せる作用をなす。
【0017】被写体1の大きさ、つまり像高OO’は、
スクリーン5面上でPP’になり、視野レンズ6の開口
絞り内ではQQ’に変換される。
【0018】対物投影レンズ2が物点O’を観る視角
は、その光束が、対物投影を通過したとき投影倍率に応
じて縮小して、スクリーン5に照射され、スクリーン5
の微細レンズにより拡大されて放出され、観察者の両眼
7及び7’に到達する。スクリーン5からの光束の角度
広がりが十分でないと、観察者は彼写体を立体視できな
い。立体視できるようにするには、スクリーン5の微細
レンズによって、光束をできるだけ拡張する必要があ
る。
【0019】この光学的関係を、図1を参考にして、次
説明する。
【0020】被写体の物点O’を望む対物投影レンズ
2の開口角αは、対物投影レンズ2の口径比Fと投影
倍率mとに関係し、 α=m/2F(m+1) であり、投影倍率mが大きくなるほど、物体距離が短
くなり、従って開口角αは広がる。
【0021】被写体1の物点O’を望む対物投影レンズ
2の開口角αは、光線がスクリーン5に投影されたとき
射出角βに変わる。β=1/[2F(m+1)] 投影倍率mが大きくなるほど角度βが縮小し、この角
倍率β/αは、 β/α=1/m となり、投影倍率mに反比例する。
【0022】スクリーン5は透明媒質で、その裏面は微
細な球面が多数個敷設されており、更に反射膜が付着さ
れている。スクリーン5への入射光は、透明媒質の表面
で屈折され、裏面で球面反射されて、再び表面に戻って
屈折して、表面外方に放出される。この光線が屈折及び
反射する挙動は、各微細レンズ毎に行われる。スクリー
ン5に投影された画像は、微細レンズ群によって細分割
されるが、観察者から巨視的に観れば、全体として1つ
の画像に認識される。
【0023】図2において、スクリーン5に角度βで入
射した光線は、角度γで拡大して射出される。スクリー
ン5の各微細レンズの口径比Fとすると、 γ=β−1/2F=α/ −1/2F したがって、スクリーン5による角倍率γ/βは、 γ/β=1−1/2Fβ=1−(m+1)F/F
の関係がある。狭い角度βを広い角度γに拡大するの
で、各微細レンズの口径比Fは、F<0 である。
つまり原則として、このレンズにより虚像を形成して光
線を放散する発散光学系である。収束光学系を用いると
きは、図3に示すように、対物投影レンズ2より収束
した光線を受けて実像を形成した後に、放散する事で容
易に可能である。
【0024】スクリーン5から放出された光線は角度γ
で放散され、そのうちで観察眼に入射する光線の角度は
δである。視野レンズ6を通過するとき放散角εに変化
して観察している眼に入る。すなわち視野レンズFの見
掛けの倍率mによって増幅される。 ε=mδ 従って、この投影光学系全体での角倍率ε/αε/α =(β/α)×(γ/β)×(ε/δ) =(1/m){(1−(m+1)F/F}(m
) ={1/m−(1+F/m)/F}m となる。
【0025】この式を解析すると、一般の投影器による
立体視知覚が乏しいのは、投影倍率mを拡大するほ
ど、角倍率δ/αが減少するからであることが理解され
る。立体視知覚を十分に獲得するためには、角倍率δ/
αを大きくする必要がある。対物投影レンズ2の口径比
並びに視野レンズ6の位置及び諸元mが設定され
ている場合、投影倍率mを選定されたときに大きな角
倍率δ/αを得るには、スクリーン5の微細レンズの口
径比Fをできるだけ小さくする必要がある。
【0026】媒質の屈折率n≒1.5,並びに口径D及
び片側表面の曲率半径rを有する単一の透過型レンズで
は、口径比Fが F=f/D=r/(n−1)D≒2r/D である。一般に3乃至5しか得られない。更に小さな数
値を求めるために、レンズを光軸に沿って重複積層させ
なけらばならない。2重に積層させると、その口径比が
漸く約2に得られるに過ぎない。
【0027】本発明のように、曲率半径rの片側表面に
反射層を付着させた反射型のスクリーンでは、媒質の表
面で屈折し、曲率をもった面で反射し、更に媒質表面に
戻って再び屈折するので、屈折力が倍増する。このスク
リーンは、このように三重の拡散効果有することにな
る。媒質の厚さをdとすると、その口径比Fは、 F=1/{(2n/r)−(4d/r)}D≒r/2
nD≒r/3D となり、単一透過型レンズの機能を約6倍に増大でき
る。
【0028】即ち、本発明の構造を有するスクリーン5
によれば、単層の構成でも三重の拡散機能を有するため
に、単一透過型屈折系のスクリーンよりも格段の拡散効
果をもたらすことができる。従って、極めて簡単なスク
リーンの構造で、映像の立体視を可能にしてくれる。
【0029】スクリーン5の画像は外部から視野レンズ
6によって拡大されて観察されるので、スクリーン5面
上の微細レンズ球面の隣接縁が視野の光学雑音となって
観察像の品位を低下させる場合がある。これを予防する
ために、スクリーン面を視覚認識閾値以上の速度で回転
又は常時移動させてることは、構造上可能で、画像の品
位向上に効果がある。
【0030】また、光学原理として、光学系全体の見掛
けの角倍率が増大すると、被写界深度付随して増大す
る。像側の所要の深度をΔとすれば、その被写界深度t
は、 t=2F(m+1){1+(m+1)F
}/m Δ である。立体視観察鏡では、被写体の奥行を鮮明に観察
できることが、特別に要求されるので、立体視知覚を増
大させるため角倍率を増大させることは、被写界深度が
深くなる性質につながり大変好ましい傾向である。
【0031】しかしまた一方で、スクリーン5からの光
束が拡張すると、形成される射出瞳の大きさが拡大し
て、視野の照度が低下するのは、やむを得ない現象であ
る。立体視知覚及び被写界深度に対してこの視野の照度
を維持しようとする相反する欲求を両立させるために、
観察者が両眼を水平に保持するような姿勢で使用するの
が普通である実態に着目する。すなわち、観察者は水平
方向の立体視知覚を得れば十分であり、垂直方向の立体
視感覚はさほど必要としない。スクリーンに具備すべき
機能として、水平方向の角倍率をできるだけ大きく確保
しながらも、垂直方向の角倍率は必要な量だけに抑制し
てもよい。
【0032】図4では、スクリーン5の表面には水平方
向に平行した曲率半径rの円柱面を敷設したレンティ
キュラーレンズが形成され、裏面には垂直方向に曲率半
径r 平行した円柱面を敷設したレンティキュラーレ
ンズが形成され、かつその面に反射膜を付着させたもの
である。このように構造することにより、垂直方向の屈
折力を水平方向の屈折力よりも抑制することができる。
【0033】すなわち、スクリーン5照射される光束
は、その水平成分がスクリーン表面のレンティキュラー
レンズの母線方向であるから、表面では単純な屈折を2
回繰り返し、裏面のレンティキュラーレンズの曲率方向
で屈折力を与えられながら反射されるので、口径比F
25は前出の式から F25≒r/2nD≒r/3D である。また照射光束の垂直方向の成分は、スクリーン
表面の曲面で屈折し、裏面で単純反射し、表面に戻って
再度屈折して放出される。この場合の口径比F15は、 F15=1/2{(n−1)/r+(n−1)d/
nr}D ≒r/2(n−1)D ≒r/D である。口径比F25とF15とを比較すると理解され
得るように、もし、表面のと裏面のレンティキュラーレ
ンズの曲率半径が同等であれば、垂直方向の屈折力は水
平方向の屈折力の約1/3に抑制される。
【0034】
【実施例】図面を参考にして実施例を説明すると、図5
において、対物投影レンズ2の真下に被写体1が設置さ
れている。対物投影レンズ2の真上に反射鏡3が傾斜し
て置かれ、その横に反射鏡3’及び3”が傾斜して置か
れている。これらの鏡群からほぼ水平な光軸の延長線上
に集光レンズ4及びスクリーン5が、若干あて仰向に傾
斜して設置されている。スクリーン5の反射光軸の延長
上に視野レンズ6が設置されて、観察者はその外部の光
軸の延長線上に、観察眼7及び7’を置くことができ
る。
【0035】被写体1の映像は対物投影レンズ2によっ
て摂取されて通過するが、いわゆる回転した裏絵となっ
ているので、反射鏡3によって上下方向が逆転され、更
に反射鏡3’及び3”によって左右方向が入れ替わり、
正立像に矯正される。この映像光線は集光レンズ4によ
りほぼ平行光線となり、スクリーン5に照射される。そ
して、スクリーン5の微細レンズ群により画像は微細な
画素に分割され、射出角が拡大し、再び集光レンズ4を
通過して放散されて、視野レンズ6の方向に向かう。観
察者は、視野レンズ6を通してこの画素からの光線を巨
視的に単一の画像として認識できる。観察者の両眼7お
よび7’が授受する光線は、対物投影レンズ2が被写体
1を望む視角を角倍率であるε/α倍にした角度に相当
するので、観察者は被写体1を立体視できる。
【0036】なお付言するに、スクリーンは、上記の構
造に限定されるものではなく、屈折機能を有する第1層
と反射機能を有する第2層とが分離されていても、上記
と同等の機能を発揮する。従って、例えば、透過レンズ
系で構成されたスクリーンの背後に、平面鏡を設置した
構造でも、光学作用としては容認される。
【0037】スクリーン5面での入射角及び反射角が大
きすぎると、スクリーン5面での画像はその収差が増加
する。これらの角度を小さく設定するには、対物投影レ
ンズ2及び視野レンズ6からスクリーン5を望む角度を
小さくし、スクリーン5迄の間隔を延長しなければなら
ない。これによる投影器の装置全体の形態が拡張してし
まうのを回避するため、その途中に鏡を設置して光路を
折り曲げるような設計手段は、採択できる。
【0038】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0039】対物投影レンズが唯一個であるので、投影
倍率の変換が非常に容易であり、そのレンズをズームレ
ンズに置換する事も可能である。
【0040】対物投影レンズからの投影光路が唯一個で
あるので、スクリーンでの焦点合わせが容易であり、結
像が二重になる心配は皆無で、画像は良品位に確保でき
る。
【0041】スクリーンからの光束が唯一個であるの
で、観察眼の位置が限定されず、観察者の観察姿勢は自
由である。
【0042】非常に簡単な構造のスクリーンでありなが
ら、被写体の立体視が強力に知覚させ得る。
【0043】スクリーン構造が非常に簡単であるの
で、多数個の微細レンズの各光軸を合致させなければな
らない組立て作業などの煩わしさが、一切不要である。
【0044】視野レンズの作用で、スクリーンからの光
束が発散するのを抑制するので、視野の照度が低下しな
いで、明るい画像を観察できる。
【0045】表面及び裏面にレンティキュラーレンズを
敷設したスクリーンでは、被写体の立体視知覚を維持し
たまま、光束の垂直方向の射出角を抑制しいるので、
更に比較的明るい視野照度が獲得できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】投影レンズの結像位置に設置したスクリー
    ンにおいて、第1層が光線屈折機能を有する多数個の微
    細な光学素子を平面状に敷設し、第2層が光線反射機能
    を有する光学素子から構成されることを特徴とする立体
    視拡大投影鏡。
  2. 【請求項2】投影レンズの結像位置に設置したスクリー
    ンにおいて、その裏面に多数個の微細な球面を敷設し、
    かつ反射性の物質膜を付着せしめたことを特徴とする立
    体視拡大投影鏡。
  3. 【請求項3】投影レンズの結像位置に設置したスクリー
    ンにおいて、その表面の水平方向に多数個の円柱面を敷
    設し、並びにその裏面の垂直方向に多数個の円柱面を敷
    設し、かつ反射性の物質膜を付着せしめたことを特徴と
    する立体視拡大投影鏡。
JP5265362A 1993-09-16 1993-09-16 立体視拡大投影鏡 Pending JPH0784215A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5265362A JPH0784215A (ja) 1993-09-16 1993-09-16 立体視拡大投影鏡

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5265362A JPH0784215A (ja) 1993-09-16 1993-09-16 立体視拡大投影鏡

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0784215A true JPH0784215A (ja) 1995-03-31

Family

ID=17416126

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5265362A Pending JPH0784215A (ja) 1993-09-16 1993-09-16 立体視拡大投影鏡

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0784215A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014071344A (ja) * 2012-09-28 2014-04-21 Dainippon Printing Co Ltd 反射スクリーン、映像表示システム
US11880164B2 (en) 2021-01-04 2024-01-23 Electronics And Telecommunications Research Institute Module controlling viewing window, device for hologram display and method for displaying hologram

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014071344A (ja) * 2012-09-28 2014-04-21 Dainippon Printing Co Ltd 反射スクリーン、映像表示システム
US11880164B2 (en) 2021-01-04 2024-01-23 Electronics And Telecommunications Research Institute Module controlling viewing window, device for hologram display and method for displaying hologram

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4078854A (en) Stereo imaging system
JP6821574B2 (ja) 全反射を有するディスプレイ装置
US8040617B2 (en) Real image display device with wide viewing angle
USRE39643E1 (en) Wide field of view imaging system
JP4508655B2 (ja) 光導体光学装置
US20120127570A1 (en) Auto-stereoscopic display
US6755532B1 (en) Method and apparatus for monocentric projection of an image
TWI572906B (zh) 立體光場建立裝置
US4756601A (en) Three-dimensional image-viewing apparatus
JPH04339488A (ja) 三次元映像表示方法および装置
JPH0428091B2 (ja)
CN104620047A (zh) 用于会聚角切片真3d显示器的系统和方法
JPS62226778A (ja) リアプロジユクシヨン装置
US20070139767A1 (en) Stereoscopic image display apparatus
JPS6193424A (ja) 光投射装置
JP4425273B2 (ja) 自動立体光学装置
AU774416B2 (en) Stereoscopic system
JP3990536B2 (ja) 光学補正をしたホログラフィック・スクリーン・プロジェクション・テレビジョン
JPH0784215A (ja) 立体視拡大投影鏡
JP6955388B2 (ja) 画像表示装置
RU2817180C1 (ru) Устройство формирования многоракурсного трехмерного (3d) изображения проекционного типа
JPH0618810A (ja) 表示装置
JP2573852B2 (ja) 凸レンズ式虚像画像表示装置
US20240142797A1 (en) Splicing display apparatus for floating image and multi-layer display device comprising the same
JP2002512703A (ja) ホログラフィックスクリーンを使用する投影テレビジョン