JPH078291B2 - 中空坐剤用コンテナおよびその製法 - Google Patents

中空坐剤用コンテナおよびその製法

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JPH078291B2
JPH078291B2 JP62094153A JP9415387A JPH078291B2 JP H078291 B2 JPH078291 B2 JP H078291B2 JP 62094153 A JP62094153 A JP 62094153A JP 9415387 A JP9415387 A JP 9415387A JP H078291 B2 JPH078291 B2 JP H078291B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は中空坐剤用コンテナおよびその製法に関する。
さらに詳しくは、中空坐剤への主薬添加を投与段階にお
いて安全かつ衛生的になしうるために、中空坐剤用コン
テナのシールを外殻のみを製造する段階と中空部に医薬
品を配合する投与段階との二段階においてなしうるよう
にした中空坐剤用コンテナおよびその製法に関する。
[従来の技術] 坐剤は、医薬の投与方法として古くから用いられてお
り、投与後の吸収、薬物代謝などの見地から、肛門など
の局所の治療のみでなく、鎮痛剤や抗生物質など全身治
療を目的とする医薬品の投与方法としても注目されてい
る。
従来の坐剤は、基剤となる油脂製物質に主剤を均一に分
散させたものであったが、これは主薬の安定性の低下や
製剤特性の変化などの問題があるため、本発明者の一人
によって中空坐剤が提案されている。
その中空坐剤(1)は、第9図に示されるように砲弾形
や魚雷形などに成形された基剤(2)の内部に中空部
(3)を形成し、その中に主薬(4)を入れるものであ
る。なお本明細書においては、坐剤(1)の挿入時に先
端側となる部分を頭部(5)、後端側となる部分を尾部
(6)といい、坐剤(1)および後述するコンテナ(1
0)を説明するばあいの方向性を示すものとする。
さて前記中空坐剤(1)は、坐剤の外殻部のみを製造し
た後に、他のメーカーや医療機関(病院、医院)、調剤
薬局などで主薬を処方箋に従い添加できるようにしたも
のであるが、従来の坐剤用コンテナは、製造段階でシー
ルされた部分をいったん開封すると、再度密封すること
ができない。
したがって、メーカーや医療機関などで主薬(4)を中
空部(3)内に入れたあとは、使用者が坐薬(1)を投
与するまでは、坐薬(1)がコンテナによって外部環境
から保護されず、安全性や衛生面での問題が残る。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は叙上の実情に鑑み、メーカーや医療機関での主
薬添加から実際に適用するまでの間においても、コンテ
ナで坐剤を包装しておけるようにしたコンテナおよびそ
の製法を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明の中空坐剤用コンテナは、中空坐剤の尾部側にお
いてヒートシールしうる一次シール部と二次シール部と
を設け、二次シール部をシールしないで前記尾部と一次
シール部との間に残し、一次シール部をシールしてなる
ことを特徴とする。なお前記中空坐剤とは油脂性基剤物
質で成形した中空殻体からなり、その中空部に医薬品を
充填できるようにした油脂性坐剤用カプセルをいう。
また本発明の製法は第1図に示されるように、(a)頭
部側が閉止され尾部側の二次シール部(12)および一次
シール部(11)が開口された状態のコンテナ(10)に油
脂製基剤(2)を充填する工程(A)、(b)充填され
た基剤(2)中に棒状のヒータ(7)を挿入し、冷却す
る工程(B)、(c)ヒータ(7)を加熱して基剤
(2)との接触面のみを溶融し、そののちヒータ(7)
を引き抜いて、基剤(2)中に中空部(3)が形成され
た中空坐剤(1)を成形する工程(C)、(d)中空坐
剤(1)の尾部(6)に近い二次シール部(12)をシー
ルしないで、端部の一次シール部(11)をヒートシール
する工程(D)からなることを特徴とする。
[作 用] 本発明の製法でえられたコンテナ(10)は、第1図
(D)に示されるように、二次シール部(12)がシール
されておらず、一次シール部(11)のみがシールされて
いる。外殻部の製造段階でこのように構成されたあと、
メーカーや医療機関などに出荷されるが、そののちは第
2図に示されるように扱われる。
メーカーや医療機関で主薬を添加するときは、一次シー
ル部(11)をカッターやハサミなどで切除し(同図
(E))、中空部(3)内に主薬(4)を入れる(同図
(F))。ついで二次シール部(12)をコテなどでヒー
トシールすれば、坐剤(1)は再びコンテナ(10)で密
封される。
本発明によれば、メーカーや医療機関などでの投与段階
においても、コンテナ(10)を再度シールすることがで
きるので、使用直前に至るまで坐剤(1)の安全性が確
保され、衛生的である。
[実施例] つぎに本発明の実施例を説明する。
第1図は本発明の製法の説明図、第2図は中空坐剤の販
売段階の取扱いを示す説明図、第3図は本発明の一実施
例にかかわる製法の説明図、第4図は準備工程(S)に
おけるコンテナ(10)の斜視図、第5図は本発明の製法
における最終工程(D)でえたコンテナ(10)の斜視
図、第6図は主薬を添付する段階(F)におけるコンテ
ナ(10)の斜視図、第7図は二次シール部をシールした
コンテナ(10)の斜視図、第8図はヒータの正面図、第
9図は中空坐剤の断面図である。
第3図に基づき本発明の製法の一実施例を説明する。同
図において、(20)はベルトコンベヤ、(21)はコンテ
ナ保持器、(22)は充填機、(23)はシール機である。
また(S)は準備工程、(A)は充填工程、(B1)は挿
入工程、(B2)は冷却工程、(C1)は加熱工程、(C2)
は成形工程、(D)はシール工程を示す。以下各工程を
順に説明する。
[準備工程(S)] この工程は、ベルトコンベヤ(20)にコンテナ保持器
(21)を載せる準備工程である。コンテナ保持器(21)
は多数のコンテナ(10)を保持している。図示の保持器
(21)には4個のコンテナ(10)しか示していないが、
実際にはもっと多数のコンテナ(10)を保持しうるもの
が用いられ、またその構成は、コンテナ(10)を安定的
に保持し、挿入・取出しが容易であればどのようなもの
でもよい。
この工程で保持器(21)に保持されたコンテナ(10)
は、尾部側のシール部が開口した状態で上向きにされて
いる。第4図に基づき詳述する。コンテナ(10)は表裏
両面のコンテナ片を貼着して構成されており、坐剤を収
容するための収容室(13)とその周囲の貼着部(14)を
有している。収容室(13)の形状は収容すべき坐剤の形
状に合わせて魚雷形や砲弾形その他任意の形状に形成さ
れる。コンテナ(10)の尾部側には一次シール部(11)
と二次シール部(12)とが設けられる。一次シール部
(11)はコンテナ(10)の端末部に設けられ、二次シー
ル部(12)は収容室(13)の尾部に重複して設けられて
いる。コンテナ(10)の頭部側にはつまみ部(15)が設
けられている。このつまみ部(15)は坐剤をコンテナ
(10)から取り出す際に、指でつまんで表裏両面の貼着
部(14)を引きはがすためのものである。
コンテナ(10)の材質としては、ヒートシール性があ
り、ハサミなどで切断しうることが要求されるので、プ
ラスチックシートや、アルミコーティング紙、プラスチ
ックラミネート紙などが用いられる。
なおコンテナ(10)を保持器(21)で保持する際、個々
のコンテナ(10)を単体で保持してもよく、シート状に
連結したままの多数のコンテナ(10)をそのまま保持す
るようにしてもよい。
[充填工程(A)] この工程ではコンテナ(10)内に坐材の基剤となる油脂
(2)を充填する。充填機(22)は任意の機構のものを
用いることができる。充填される油脂(2)は、坐剤の
殻体となるものであるから常温で固化し、体温で融解す
るもとが用いられる。そのような油脂としては、たとえ
ばカカオ脂、ラウリン脂などの天然油脂、各種硬化油脂
類やその混合体およびこれらの油脂類に脂肪酸ジグリセ
ライドやモノグリセライドなどを添加したものなどがあ
る。
油脂(2)の充填量としては、通常坐剤として必要な1
〜3g程度が好ましい。
[挿入工程(B1)] この工程は油脂(2)中にヒータ(7)を挿入する工程
であり、充填工程(A)の直後に油脂(2)が硬化しは
じめる前に行われる。
ヒータ(7)は第9図に示される中空部(3)を形成す
るためのものであり、本実施例では第8図に示されるも
のが用いられている。ヒータ(7)の挿入部(7a)は中
空部(3)の内径と等しい外径を有する棒状部材であ
り、一端に基部(7b)が設けられ、それに導線(7c)が
2本接続されている。なお導線(7c)にはビニルチュー
ブ(7d)が被せられている。挿入部(7a)は通電時に熱
を発生するものであり、衛生面や耐食性の面からステン
レスなどの材料で形成されている。
ヒータ(7)をコンテナ(10)の油脂(2)中に挿入す
る機構としては、位置決めが正確に行われ、挿入深さを
正確に制御しうるものであれば、どのようなものでもよ
い。
ヒータ(7)の挿入量は、主薬を挿入する中空部(3)
の大きさを決定するものであり、主薬の添付量やヒータ
(7)の挿入部(7a)の直径などにより左右されるが、
一般に充填された油脂(2)の頂面から5〜30mm程度と
される。
[冷却工程(B2)] この工程はヒータ(7)を油脂(2)中に挿入したまま
で行われる。冷却方法としては強制冷却でも自然空冷で
も採用しうるが、強制冷却を行なうばあいは冷却力が強
すぎると、油脂の種類によっては、亀裂を生じる恐れが
あるので強すぎないようにしなければならない。
この工程は油脂(2)が坐剤の基剤として、その形状が
安定するまで続けられる。
[加熱工程(C1)] この工程は次工程でヒータ(7)を引き抜くための準備
工程である。ヒータ(7)に通電し、発熱させると、ヒ
ータ(7)の挿入部(7a)と接触している部分の油脂
(2)が融解する。通電は接触面がわずかに融解した段
階で止め、それ以上発熱させて油脂(2)の基剤形状を
崩してはならない。したがって油脂(2)が融解しはじ
めると、直ちに次工程(C2)に移らなければならない。
[成形工程(C2)] 前記工程(C1)のつぎにヒータ(7)が引き上げられ
る。ヒータ(7)が引き抜かれるとき油脂(2)との接
触面が融解しているので、引き抜きは円滑に行われ、中
空部(3)の形状が崩れることなく、ヒータ(7)の挿
入部(7a)形状のが凹所としてそのまま残される。
本実施例の加熱・成形工程(C1、C2)は油脂製基剤
(2)の接触面のみをわずかに融解させることにより、
中空部(3)を形成するので、ドリル加工で中空部を穿
孔したり、挿入しておいた中子を機械的に引き抜くばあ
いに生ずる切粉や破片が生じないので、中空部(3)の
成形がやりやすいという利点がある。
[シール工程(D)] この工程は最終工程であり、コンテナ(10)の一次シー
ル部(11)がシールされる。シール機(23)としては任
意のシール機を用いることができる。本発明では、二次
シール部(12)をあえてシールしないことが肝要であ
り、一次シール部(11)のシール完了後、コンテナ(1
0)が保持器(21)から取り出される。
以上の工程により、本発明のコンテナ(10)がえられ
る。
えられたコンテナ(10)を第5図に基づき説明する。図
示されるように、このコンテナ(10)は一次シール部
(11)が完全にシールされているが、二次シール部(1
2)は収容室(13)の尾部がその形状を保っておりシー
ルされていない。そしてコンテナ(10)の内部では、第
1図(D)に示されているように中空部(3)が形成さ
れた油脂製基剤(2)が収容されており、二次シール部
(12)の内側では油脂製基剤(2)の頂面との間に空間
が残されている。
製造段階では、以上のように一次シール部(11)をシー
ルすることによりコンテナ(10)の内部が密閉され、坐
剤が外部環境より保護される。そしてこの状態でメーカ
ーや医療機関に出荷される。
本発明のコンテナ(10)は、薬局などでの販売段階から
実際に使用するまでの間につぎのような利点を奏しう
る。
本発明のコンテナ(10)が用いられる中空坐剤(1)は
メーカーや医療機関での投与段階で、その中空部(3)
に主薬(4)を添加するのが本来の使い方である。薬局
などで主薬(4)を添加するために、コンテナ(10)は
第6図および第2図(E)に示されるように、二次シー
ル部(12)の一次シール部(11)に近い所がハサミなど
で切断される。切断された部分には、収容室(13)の尾
部が開口しているので、そこから主薬を中空部(3)内
に入れることができる。なおここに用いられる主薬
(4)には基剤と相互作用を有し、基剤を軟化さらには
液化させるばあいを除き特に制限はなく、粉末、粒子、
水溶液、プロピレングリコール、低分子量マクロゴール
などの溶液もしくは中高分子量ペースト状、ワックス状
混合体などマクロゴールとの添加量や性質に応じて広く
選択できるものである。
主薬(4)を添加したのちは二次シール部(12)をシー
ルする。シールする手段にはとくに制限がなく、確実に
シールしうるものであればどのような手段でも用いるこ
とができる。二次シール部(12)をシールするときは、
油脂製基剤(2)の尾部にも圧力をかけて中央に寄せ、
第2図(G)に示されるように、中空部(3)の開口部
を塞ぐようにして行われる。そうすることにより中空部
(3)内の主薬(4)は坐剤(1)内に密閉され、坐剤
(1)自体の最終成形が行われる。
以上のごとく、二次シール部(12)がシールされた状態
のコンテナ(10)が第7図に示されている。投与段階で
このように二次シール部(12)がシールされると内部の
坐剤(1)はコンテナ(10)で密閉されるので、坐剤
(1)が外部環境から保護される。なお使用者が実際に
坐剤(1)を投与するときは、つまみ(15)を指でつま
んで引張り、貼着部(14)を引きはがして、坐剤(1)
を取り出すとよい。
以上のごとく本発明によれば、中空坐剤(1)を外殻部
を製造する段階から投与する段階を経て、実際に適用さ
れる直前まで、コンテナ(10)で密閉しておくことがで
きるので、坐剤(1)を安全かつ衛生的に取り扱うこと
ができる。
[発明の効果] 本発明によれば、外殻部の製造段階から、主薬を添加す
る投与段階を経て、実際に適用されるまでの間、中空坐
剤を外部環境から保護することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の製法の説明図、第2図は中空坐剤の販
売段階の取扱いを示す説明図、第3図は本発明の一実施
例にかかわる製法の説明図、第4図は準備工程(S)に
おけるコンテナ(10)の斜視図、第5図は本発明の製法
における最終工程(D)でえたコンテナ(10)の斜視
図、第6図は主薬を添付する段階(F)におけるコンテ
ナ(10)の斜視図、第7図は二次シール部をシールした
コンテナ(10)の斜視図、第8図はヒータの正面図、第
9図は中空坐剤の断面図である。 (図面の主要符号) (1):中空坐剤 (2):基剤 (3):中空部 (4):主薬 (5):頭部 (6):尾部 (7):ヒータ (10):コンテナ (11):一次シール部 (12):二次シール部 (13):収容部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中空坐剤のコンテナであって、中空坐剤の
    尾部側においてヒートシールしうる一次シール部と二次
    シール部とを設け、二次シール部をシールしないで前記
    尾部と一次シール部との間に残し、一次シール部をシー
    ルしてなる中空坐剤用コンテナ。
  2. 【請求項2】(a)頭部側が閉止され尾部側の二次シー
    ル部および一次シール部が開口された状態のコンテナに
    油脂製基剤を充填する工程、 (b)充填された基剤中に棒状のヒータを挿入し、冷却
    する工程、 (c)ヒータを加熱して基剤との接触面のみを溶融し、
    そののちヒータを引き抜いて、基剤中に中空部が形成さ
    れた中空坐剤を成形する工程、 (d)中空坐剤の尾部に近い二次シール部をシールしな
    いで、端部の一次シール部をヒートシールする工程 からなる中空坐剤用コンテナの製法。
JP62094153A 1987-04-16 1987-04-16 中空坐剤用コンテナおよびその製法 Expired - Lifetime JPH078291B2 (ja)

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