JPH0782661B2 - ポリメチルメタクリレートからなる光学的情報貯蔵部材 - Google Patents
ポリメチルメタクリレートからなる光学的情報貯蔵部材Info
- Publication number
- JPH0782661B2 JPH0782661B2 JP5218372A JP21837293A JPH0782661B2 JP H0782661 B2 JPH0782661 B2 JP H0782661B2 JP 5218372 A JP5218372 A JP 5218372A JP 21837293 A JP21837293 A JP 21837293A JP H0782661 B2 JPH0782661 B2 JP H0782661B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- light
- disc
- optical
- injection molding
- disk
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光学的情報貯蔵部材
に用いるポリメチルメタクリレート材料に関する。
に用いるポリメチルメタクリレート材料に関する。
【0002】
【従来の技術】光学的情報貯蔵部材(光ディスク部材)
は、基板本体部材と、該基板本体部材に形成された情報
標識と、該情報標識を覆う反射被覆と、該反射被覆の上
に形成された保護被覆と、から構成されている。前記情
報標識は、光ディスク部材の表面上にトラック状に連続
的に配置された光反射領域及び光非反射領域から構成さ
れており、該光反射領域及び光非反射領域は周波数変調
信号を表わす様に配置されている。周波数帯の幅は0.
25Mz乃至10Mzに及んでおり、光ディスク部材を
用いて、複合ビデオ信号を表わす周波数変調信号を貯蔵
する。なお、複合ビデオ信号は輝度信号と共にクロミナ
ンス信号を含んでいる。
は、基板本体部材と、該基板本体部材に形成された情報
標識と、該情報標識を覆う反射被覆と、該反射被覆の上
に形成された保護被覆と、から構成されている。前記情
報標識は、光ディスク部材の表面上にトラック状に連続
的に配置された光反射領域及び光非反射領域から構成さ
れており、該光反射領域及び光非反射領域は周波数変調
信号を表わす様に配置されている。周波数帯の幅は0.
25Mz乃至10Mzに及んでおり、光ディスク部材を
用いて、複合ビデオ信号を表わす周波数変調信号を貯蔵
する。なお、複合ビデオ信号は輝度信号と共にクロミナ
ンス信号を含んでいる。
【0003】光ディスクの1つの動作様式では、読取ビ
ームは、保護層を通過して情報標識によって変調され、
変調された反射ビームにより情報が得られる。なお、反
射層は、光反射領域の光反射の程度並びに光非反射領域
の光の散乱の程度の両方を強める。
ームは、保護層を通過して情報標識によって変調され、
変調された反射ビームにより情報が得られる。なお、反
射層は、光反射領域の光反射の程度並びに光非反射領域
の光の散乱の程度の両方を強める。
【0004】第2の動作様式では、読取ビームは、光デ
ィスクの基板本体部材の下面に入射し、該基板本体部材
を通過する。この基板本体部材を通過した後、読取ビー
ムは、情報標識に入射し該情報標識によって変調され、
変調された反射ビームにより情報が得られる。この第2
の動作様式でも、やはり、反射層は、光反射領域からの
反射の程度を強めると共に、光非反射領域からの散乱の
程度をも強める。
ィスクの基板本体部材の下面に入射し、該基板本体部材
を通過する。この基板本体部材を通過した後、読取ビー
ムは、情報標識に入射し該情報標識によって変調され、
変調された反射ビームにより情報が得られる。この第2
の動作様式でも、やはり、反射層は、光反射領域からの
反射の程度を強めると共に、光非反射領域からの散乱の
程度をも強める。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の様な光ディスク
構造で、光ディスクから再生されてテレビジョン受像機
で表示されるビデオ画像の品質を改善する為に、いくつ
かの課題があり、以下、課題について説明する。
構造で、光ディスクから再生されてテレビジョン受像機
で表示されるビデオ画像の品質を改善する為に、いくつ
かの課題があり、以下、課題について説明する。
【0006】第1の課題としては、読取ビームが情報標
識に入射する以前に通過する保護層あるいは基板本体部
材に於ける澄明度並びに複屈折を改善し、これにより、
半径方向トラッキング誤差信号を改善することである。
なお、典型的な光ディスクは、その厚さが0.101M
M乃至2.5MMの範囲内である。この様な光ディスク
の複屈折は、ナノメータで測定され、ナノメータは、光
が透明な本体を通過する時の光の遅れ並びに光の歪みの
目安である。複屈折に関して許容し難い特性としては、
光ディスクの情報貯蔵区域の有する複屈折の値が一様で
ないことである。4ナノメータという低い値から100
ナノメータという高い値までのいろいろな値の複屈折が
測定された。情報貯蔵区域全体にわたり、±5ナノメー
タという略一様な値の複屈折が好ましい。
識に入射する以前に通過する保護層あるいは基板本体部
材に於ける澄明度並びに複屈折を改善し、これにより、
半径方向トラッキング誤差信号を改善することである。
なお、典型的な光ディスクは、その厚さが0.101M
M乃至2.5MMの範囲内である。この様な光ディスク
の複屈折は、ナノメータで測定され、ナノメータは、光
が透明な本体を通過する時の光の遅れ並びに光の歪みの
目安である。複屈折に関して許容し難い特性としては、
光ディスクの情報貯蔵区域の有する複屈折の値が一様で
ないことである。4ナノメータという低い値から100
ナノメータという高い値までのいろいろな値の複屈折が
測定された。情報貯蔵区域全体にわたり、±5ナノメー
タという略一様な値の複屈折が好ましい。
【0007】第2の課題としては、製造業者の指示に基
づいて、約480°Fの温度で2秒の射出サイクルを成
形時間として使うと、商業的に許容し難い特性を持つ光
ディスクが形成されてしまった。これらの光ディスクの
ディスク面は平坦ではなく、断面が傘状であった。な
お、この傘状は、ディスクの中心で測定された。この
為、ディスクの中心は、ディスクの外周上にある少なく
とも2点を通る平面から隔たっている。この隔たった距
離をディスクのクラウンと呼ぶ。上に述べた例では、こ
のクラウンが10MMであった。
づいて、約480°Fの温度で2秒の射出サイクルを成
形時間として使うと、商業的に許容し難い特性を持つ光
ディスクが形成されてしまった。これらの光ディスクの
ディスク面は平坦ではなく、断面が傘状であった。な
お、この傘状は、ディスクの中心で測定された。この
為、ディスクの中心は、ディスクの外周上にある少なく
とも2点を通る平面から隔たっている。この隔たった距
離をディスクのクラウンと呼ぶ。上に述べた例では、こ
のクラウンが10MMであった。
【0008】また、従来のディスクは脆くて、表面のひ
っかきが生じ易く、内部応力線が発生し易い結果、表面
にひび割れが生じる。
っかきが生じ易く、内部応力線が発生し易い結果、表面
にひび割れが生じる。
【0009】本発明は、上記従来の課題に鑑みて為され
たものであり、その目的は、光学的情報貯蔵部材に使用
する際に良好な光学的特性及び構造的特性を有するポリ
メチルメタクリレート材料を提供することである。
たものであり、その目的は、光学的情報貯蔵部材に使用
する際に良好な光学的特性及び構造的特性を有するポリ
メチルメタクリレート材料を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、光学的情報貯
蔵部材を射出成形するための澄明なポリメチルメタクリ
レート材料であって、アメリカ合衆国標準ASTM番号
D1238条件Iで測定された10分あたり約20乃至
23グラムである溶融物流量率を持つことを特徴とす
る。
蔵部材を射出成形するための澄明なポリメチルメタクリ
レート材料であって、アメリカ合衆国標準ASTM番号
D1238条件Iで測定された10分あたり約20乃至
23グラムである溶融物流量率を持つことを特徴とす
る。
【0011】
【作用】本発明においては、上記に示されるように、特
別の特性、すなわち、溶融物流量率の設定されたポリメ
チルメタクリレート材料が得られ、以下、詳述する。P
MMAは、ASTM番号D1238条件Iで測定して、
10分あたり約20乃至23グラムの溶融物流量率を持
つ様に処理され、すなわち、調製される。溶融物の流量
率をこの範囲より低くすると、重合体が一層粘性にな
り、重合体を型に流し込むのに圧力を高める必要があ
る。このように、圧力を高くすると、ディスク内の重合
体の密度に差が生じ、その結果、型から離した後、ディ
スクが傘状に反り返る。
別の特性、すなわち、溶融物流量率の設定されたポリメ
チルメタクリレート材料が得られ、以下、詳述する。P
MMAは、ASTM番号D1238条件Iで測定して、
10分あたり約20乃至23グラムの溶融物流量率を持
つ様に処理され、すなわち、調製される。溶融物の流量
率をこの範囲より低くすると、重合体が一層粘性にな
り、重合体を型に流し込むのに圧力を高める必要があ
る。このように、圧力を高くすると、ディスク内の重合
体の密度に差が生じ、その結果、型から離した後、ディ
スクが傘状に反り返る。
【0012】これに対し、上に述べた所望範囲の溶融物
の流量率では、ディスク内の重合体の密度が略一様であ
り、その結果、型から離した後、ディスクに反りが生ぜ
ず、比較的小さくて一様な複屈折を持つ。
の流量率では、ディスク内の重合体の密度が略一様であ
り、その結果、型から離した後、ディスクに反りが生ぜ
ず、比較的小さくて一様な複屈折を持つ。
【0013】一方、上に述べた範囲より大きな溶融物の
流量率にすると、プラスチックのディスク部材の環境特
性が許容し難くなる。例えばプラスチックが脆くなりす
ぎ、比較的低い温度で溶融し、堅さ、堅牢性及び引張り
強さが比較的小さくなる。
流量率にすると、プラスチックのディスク部材の環境特
性が許容し難くなる。例えばプラスチックが脆くなりす
ぎ、比較的低い温度で溶融し、堅さ、堅牢性及び引張り
強さが比較的小さくなる。
【0014】以上のように、本発明では、PMMAの溶
融物流量率を10分あたり約20乃至23グラムに設定
しているので、良好な光学的特性(比較的小さくて一様
な複屈折を持つ)が得られるとともに、良好な構造的特
性(型から離した後にディスクに反りが生じない且つデ
ィスク部材が脆くない)が得られる。
融物流量率を10分あたり約20乃至23グラムに設定
しているので、良好な光学的特性(比較的小さくて一様
な複屈折を持つ)が得られるとともに、良好な構造的特
性(型から離した後にディスクに反りが生じない且つデ
ィスク部材が脆くない)が得られる。
【0015】ここで、光ディスクの構造について説明し
ておく。光ディスクは、射出成形によって1枚の透明プ
ラスチックで作られる。この光ディスク構造は情報担持
面を含み、この情報担持面がトラック状に交互の位置に
逐次的に配置された光反射領域及び光非反射領域を持っ
ている。基板本体全体は透明であり、光反射領域及び光
非反射領域は、射出成形過程の間に形成される。
ておく。光ディスクは、射出成形によって1枚の透明プ
ラスチックで作られる。この光ディスク構造は情報担持
面を含み、この情報担持面がトラック状に交互の位置に
逐次的に配置された光反射領域及び光非反射領域を持っ
ている。基板本体全体は透明であり、光反射領域及び光
非反射領域は、射出成形過程の間に形成される。
【0016】光反射領域は平面状であるが、光非反射領
域はこの平面状領域を含む平面より上下に伸びる領域で
ある。光非反射領域は、ピット形であってもよいし、隆
起形であってもよい。全てのピット形の底部あるいは隆
起形の頂部は、光反射領域で構成される平面状領域から
隔たった共通平面内にある。光ディスク部材の回転速度
並びに各々の平面状領域から反射光を集める為に使われ
る対物レンズの最大分解能の為、これらの平面状領域の
間の不連続性は、光反射領域及び光非反射領域を識別す
る様に作用する。
域はこの平面状領域を含む平面より上下に伸びる領域で
ある。光非反射領域は、ピット形であってもよいし、隆
起形であってもよい。全てのピット形の底部あるいは隆
起形の頂部は、光反射領域で構成される平面状領域から
隔たった共通平面内にある。光ディスク部材の回転速度
並びに各々の平面状領域から反射光を集める為に使われ
る対物レンズの最大分解能の為、これらの平面状領域の
間の不連続性は、光反射領域及び光非反射領域を識別す
る様に作用する。
【0017】光反射領域及び光非反射領域の上に、反射
層を適用することにより、光を反射したり、或いは光を
反射しない様にする。次に反射層の上に保護層を形成す
る。入射する光ビームは光ディスク部材の下側から、射
出成形された本体を通り、光反射領域及び光非反射領域
によって変調される。
層を適用することにより、光を反射したり、或いは光を
反射しない様にする。次に反射層の上に保護層を形成す
る。入射する光ビームは光ディスク部材の下側から、射
出成形された本体を通り、光反射領域及び光非反射領域
によって変調される。
【0018】堅固な光ディスク部材では、基板本体の厚
さは0.101MM乃至2.5MMの範囲内に入る。つ
まり、入射するビームは、光反射領域及び光非反射領域
に入射する前に、強度、指向性並びに焦点が実質的に変
わらない状態で、基板本体の厚さを通過しなければなら
ない。読取ビームは、光反射領域及び光非反射領域に入
射することによって強度変調される。変調された読取ビ
ームが反射層によって反射され、光ディスクの基板本体
を逆に通る。光ビーム及び変調される反射ビームは、夫
々光ディスクの基板本体を1回目及び2回目に通過する
ことによって、読取光ビームの強度、指向性及び焦点が
変わらず、反射された変調ビームの強度、指向性も変わ
らず、雑音もないことが好ましい。
さは0.101MM乃至2.5MMの範囲内に入る。つ
まり、入射するビームは、光反射領域及び光非反射領域
に入射する前に、強度、指向性並びに焦点が実質的に変
わらない状態で、基板本体の厚さを通過しなければなら
ない。読取ビームは、光反射領域及び光非反射領域に入
射することによって強度変調される。変調された読取ビ
ームが反射層によって反射され、光ディスクの基板本体
を逆に通る。光ビーム及び変調される反射ビームは、夫
々光ディスクの基板本体を1回目及び2回目に通過する
ことによって、読取光ビームの強度、指向性及び焦点が
変わらず、反射された変調ビームの強度、指向性も変わ
らず、雑音もないことが好ましい。
【0019】入射する光ビーム及び反射され変調された
光ビームは、光ディスクの基板本体の組成物の影響を受
ける。光ディスクの基板本体の欠陥により、反射され変
調された読取ビームに雑音信号が導入される。こういう
歪みは反射信号の雑音となって現われ、標準型テレビジ
ョン受像機で表示した時、画像の品質を悪くする。
光ビームは、光ディスクの基板本体の組成物の影響を受
ける。光ディスクの基板本体の欠陥により、反射され変
調された読取ビームに雑音信号が導入される。こういう
歪みは反射信号の雑音となって現われ、標準型テレビジ
ョン受像機で表示した時、画像の品質を悪くする。
【0020】
【実施例】次に、ビデオ・ディスク及びビデオ・ディス
クを再生するためのビデオ・ディスク・プレイヤ装置に
ついて図面を参照しながら説明する。図1の(a)に
は、従来の典型的なビデオ・ディスク・プレイヤ装置に
使われる光学装置2が略図で示されている。光学装置2
が読取レーザ3を含み、これは、ビデオ・ディスク5に
貯蔵された周波数変調符号化信号を読取る為に使われる
読取ビーム4を発生するのに使われる。読取ビーム4は
予定の方向に偏光している。読取ビーム4が光学装置2
によってビデオ・ディスク5に向けられる。光学装置2
の別の作用は、ビデオ・ディスク5の入射点で、光ビー
ムをスポット6に結像することである。
クを再生するためのビデオ・ディスク・プレイヤ装置に
ついて図面を参照しながら説明する。図1の(a)に
は、従来の典型的なビデオ・ディスク・プレイヤ装置に
使われる光学装置2が略図で示されている。光学装置2
が読取レーザ3を含み、これは、ビデオ・ディスク5に
貯蔵された周波数変調符号化信号を読取る為に使われる
読取ビーム4を発生するのに使われる。読取ビーム4は
予定の方向に偏光している。読取ビーム4が光学装置2
によってビデオ・ディスク5に向けられる。光学装置2
の別の作用は、ビデオ・ディスク5の入射点で、光ビー
ムをスポット6に結像することである。
【0021】ビデオ・ディスク5の情報担持面7の一部
分が図1の(b)に拡大図で示されている。複数個の情
報トラックの各々を線9で示してある。この線は、相次
ぐ位置にある複数個の光反射領域10及び光非反射領域
11を通る様に描かれている。こういう領域10,11
は後で詳しく説明する。ディスク5が不動の読取ビーム
4の下を時計廻りに回転することが、矢印12によって
示されている。読取ビーム4は2つの運動の自由度を持
つ。その1つは両矢印14で示す半径方向である。各々
の矢印13,14の両端に矢頭を付けたことは、読取ビ
ーム4が半径方向でも接線方向でも、両方向に移動し得
ることを表わしている。
分が図1の(b)に拡大図で示されている。複数個の情
報トラックの各々を線9で示してある。この線は、相次
ぐ位置にある複数個の光反射領域10及び光非反射領域
11を通る様に描かれている。こういう領域10,11
は後で詳しく説明する。ディスク5が不動の読取ビーム
4の下を時計廻りに回転することが、矢印12によって
示されている。読取ビーム4は2つの運動の自由度を持
つ。その1つは両矢印14で示す半径方向である。各々
の矢印13,14の両端に矢頭を付けたことは、読取ビ
ーム4が半径方向でも接線方向でも、両方向に移動し得
ることを表わしている。
【0022】更に光学装置2がレンズ15を有する。こ
のレンズは、ビーム4を、顕微鏡用対物レンズ17の入
口開口16に完全に充たす様に整形する為に使われる。
対物レンズを使って、情報トラック9の領域10,11
への入射点で、光のスポット6を形成する。入口開口1
6が読取ビーム4によって過剰に充たされる時、改良さ
れた結果が認められた。この結果、スポット6の光強度
が最大になる。
のレンズは、ビーム4を、顕微鏡用対物レンズ17の入
口開口16に完全に充たす様に整形する為に使われる。
対物レンズを使って、情報トラック9の領域10,11
への入射点で、光のスポット6を形成する。入口開口1
6が読取ビーム4によって過剰に充たされる時、改良さ
れた結果が認められた。この結果、スポット6の光強度
が最大になる。
【0023】ビーム4がレンズ15によって正しく形成
された後、このビームがビーム分割プリズム20を通
る。ビーム4の透過部分が四分の一波長板22に加えら
れる。この板が、ビーム4を形成する入射光の偏光を4
5°変える。次に読取ビーム4が固定鏡24に入射す
る。この鏡が読取ビーム4を第1の枢着鏡26に向け
る。第1の枢着鏡26の作用は、光ビームを、ビデオ・
ディスク5の面7に対する接線方向である第1の運動の
自由度の方向に動かして、ディスク5を製造する時の偏
心の為に、読取ビーム4に入り込む時間ベース誤差を補
正することである。接線方向は、両矢印14で示す様
に、ビデオ・ディスク5上の情報トラック9に沿って前
向き及び後向きである。
された後、このビームがビーム分割プリズム20を通
る。ビーム4の透過部分が四分の一波長板22に加えら
れる。この板が、ビーム4を形成する入射光の偏光を4
5°変える。次に読取ビーム4が固定鏡24に入射す
る。この鏡が読取ビーム4を第1の枢着鏡26に向け
る。第1の枢着鏡26の作用は、光ビームを、ビデオ・
ディスク5の面7に対する接線方向である第1の運動の
自由度の方向に動かして、ディスク5を製造する時の偏
心の為に、読取ビーム4に入り込む時間ベース誤差を補
正することである。接線方向は、両矢印14で示す様
に、ビデオ・ディスク5上の情報トラック9に沿って前
向き及び後向きである。
【0024】第1の枢着鏡26が光ビームを第2の枢着
鏡28に向ける。第2の枢着鏡28は半径方向トラッキ
ング鏡として使われる。複合トラッキング誤差信号に応
答して、読取ビーム4に対するその物理的な位置を若干
変えて、読取ビーム4の入射点6を制御し、1個の情報
トラック9に沿って、情報担持部材10,11を半径方
向に追跡することが、トラッキング鏡28の作用であ
る。第2の枢着鏡28は1つの運動の自由度を持ち、こ
の自由度により、光ビームは、両矢印13で示す方向
に、ディスク5の表面上で半径方向に移動する。次に読
取ビーム4が前に述べた入口開口16に入射し、レンズ
17により、ビデオ・ディスク5の情報トラック9上の
スポット6に集束される。
鏡28に向ける。第2の枢着鏡28は半径方向トラッキ
ング鏡として使われる。複合トラッキング誤差信号に応
答して、読取ビーム4に対するその物理的な位置を若干
変えて、読取ビーム4の入射点6を制御し、1個の情報
トラック9に沿って、情報担持部材10,11を半径方
向に追跡することが、トラッキング鏡28の作用であ
る。第2の枢着鏡28は1つの運動の自由度を持ち、こ
の自由度により、光ビームは、両矢印13で示す方向
に、ディスク5の表面上で半径方向に移動する。次に読
取ビーム4が前に述べた入口開口16に入射し、レンズ
17により、ビデオ・ディスク5の情報トラック9上の
スポット6に集束される。
【0025】普通の再生様式では、集束された光ビーム
が、周波数変調情報を表わす相次ぐ位置にある光反射領
域10及び光非反射領域11に入射する。好ましくは、
光非反射領域11はビデオ・ディスク5に担持される光
散乱要素である。
が、周波数変調情報を表わす相次ぐ位置にある光反射領
域10及び光非反射領域11に入射する。好ましくは、
光非反射領域11はビデオ・ディスク5に担持される光
散乱要素である。
【0026】反射ビーム4’は変調された光ビームであ
る。変調された反射ビーム4’は、トラック9内にある
光反射領域及び光非反射領域10,11によって表わさ
れる周波数変調信号に相当する光である。この変調され
た光ビームが、ビデオ・ディスク5上の相次ぐ位置にあ
る光反射領域10及び光非反射領域11によって反射さ
れる時、顕微鏡用対物レンズ17によって集められる。
る。変調された反射ビーム4’は、トラック9内にある
光反射領域及び光非反射領域10,11によって表わさ
れる周波数変調信号に相当する光である。この変調され
た光ビームが、ビデオ・ディスク5上の相次ぐ位置にあ
る光反射領域10及び光非反射領域11によって反射さ
れる時、顕微鏡用対物レンズ17によって集められる。
【0027】反射された読取ビーム4’は、入射する読
取ビーム4について前に述べたのと同じ通路の一部分を
戻る。この通路は、第2の枢着鏡28,第1の枢着鏡2
6及び固定鏡24からの逐次的な反射を含む。読取光学
装置2の共通の通路を使う為、入射光ビームに対しては
数字4を用い、反射ビームに対しては数字4’を用い
る。反射された読取ビーム4’が四分の一の波長板22
を通過する。四分の一波長板22は更に45°だけ偏光
を変え、この結果、入射読取ビーム4に対し、反射され
た読取ビーム4’の偏光は合計90°変化する。次に反
射された読取ビーム4’がビーム分割プリズム20に入
射し、このプリズムが反射された読取ビーム4’の内、
90°移相した部分を方向転換して、トラッキング誤差
信号再生回路30に入射させる。回路30が後で説明す
る半径方向トラッキング誤差信号を発生する。
取ビーム4について前に述べたのと同じ通路の一部分を
戻る。この通路は、第2の枢着鏡28,第1の枢着鏡2
6及び固定鏡24からの逐次的な反射を含む。読取光学
装置2の共通の通路を使う為、入射光ビームに対しては
数字4を用い、反射ビームに対しては数字4’を用い
る。反射された読取ビーム4’が四分の一の波長板22
を通過する。四分の一波長板22は更に45°だけ偏光
を変え、この結果、入射読取ビーム4に対し、反射され
た読取ビーム4’の偏光は合計90°変化する。次に反
射された読取ビーム4’がビーム分割プリズム20に入
射し、このプリズムが反射された読取ビーム4’の内、
90°移相した部分を方向転換して、トラッキング誤差
信号再生回路30に入射させる。回路30が後で説明す
る半径方向トラッキング誤差信号を発生する。
【0028】次に、ビデオ・ディスク5について詳細に
説明する。図2にはビデオ・ディスク部材5が一部分を
断面図で且つ一部分を斜視図で示してある。ビデオ・デ
ィスク5が基板部材53を持ち、これが第1の面すなわ
ち入口面55と第2の面すなわち情報担持面57とを有
する。上側の面57は平面状表面部分58を含み、この
表面部分が情報トラック9の光反射部分として作用する
セグメント10を含む。更に上側の面57が平面状でな
い表面領域59を含み、これが情報トラックの光散乱領
域11として作用する。各々の光反射セグメント10は
11a,11bに示す様な1対の光散乱領域の間にあ
る。
説明する。図2にはビデオ・ディスク部材5が一部分を
断面図で且つ一部分を斜視図で示してある。ビデオ・デ
ィスク5が基板部材53を持ち、これが第1の面すなわ
ち入口面55と第2の面すなわち情報担持面57とを有
する。上側の面57は平面状表面部分58を含み、この
表面部分が情報トラック9の光反射部分として作用する
セグメント10を含む。更に上側の面57が平面状でな
い表面領域59を含み、これが情報トラックの光散乱領
域11として作用する。各々の光反射セグメント10は
11a,11bに示す様な1対の光散乱領域の間にあ
る。
【0029】高度に反射性の層60が面57の上に形成
され、高度の反射層60の上に保護被覆61が形成され
る。図6には、複数個のトラック9a,9b,9cを含
む情報担持面57の一部分が略図で示されている。各々
の情報トラックは対の構造線63,65の間にあるリン
グ状の区域である。トラック9aはほぼ対の構造線63
a,65aの間にあり、トラック9bはほぼ構造線63
b,65bの間にあり、トラック9cはほぼ構造線63
c,65cの間にある。
され、高度の反射層60の上に保護被覆61が形成され
る。図6には、複数個のトラック9a,9b,9cを含
む情報担持面57の一部分が略図で示されている。各々
の情報トラックは対の構造線63,65の間にあるリン
グ状の区域である。トラック9aはほぼ対の構造線63
a,65aの間にあり、トラック9bはほぼ構造線63
b,65bの間にあり、トラック9cはほぼ構造線63
c,65cの間にある。
【0030】各々のリング形区域9a,9b,9cの幅
は半径方向であり、この幅を各々線67a,67b,6
7cの長さによって表わしてある。リング形区域9a,
9b,9cの長さは円周方向に測ったものであり、周知
の様に、リング形部材の半径に対して2πRで変わる。
は半径方向であり、この幅を各々線67a,67b,6
7cの長さによって表わしてある。リング形区域9a,
9b,9cの長さは円周方向に測ったものであり、周知
の様に、リング形部材の半径に対して2πRで変わる。
【0031】情報貯蔵面57の平面状部分58が、更に
9a,9bに示した様な隣合うトラックを分離する平面
状のトラック間保護領域69を含む。9aに示す様な情
報トラックの平面図で、平面状反射領域を10で示して
あり、散乱領域を11で示してある。図2及び図3に示
す例では、光散乱領域11が梯形断面を持つものとして
示してあり、前縁71及び後縁73を持ち、玉子形の平
面状の上面を有する。図2に示す様に、梯形断面を持つ
光散乱領域11は玉子形円錐台として示してあり、その
面59が玉子形の上面75及び側面77を含む。
9a,9bに示した様な隣合うトラックを分離する平面
状のトラック間保護領域69を含む。9aに示す様な情
報トラックの平面図で、平面状反射領域を10で示して
あり、散乱領域を11で示してある。図2及び図3に示
す例では、光散乱領域11が梯形断面を持つものとして
示してあり、前縁71及び後縁73を持ち、玉子形の平
面状の上面を有する。図2に示す様に、梯形断面を持つ
光散乱領域11は玉子形円錐台として示してあり、その
面59が玉子形の上面75及び側面77を含む。
【0032】図3で、全ての光散乱領域11の上面75
が、線79で示す単一平面で終端することが示されてい
る。全ての光反射領域10が線81で示す単一平面で終
端することが示されている。高度の反射層60が保護層
61で覆われている。この図を見れば、保護層61が基
板本体53よりずっと薄手であることが認められよう。
側面図で示した対物レンズが、読取ビーム4を光反射領
域10に結像している。
が、線79で示す単一平面で終端することが示されてい
る。全ての光反射領域10が線81で示す単一平面で終
端することが示されている。高度の反射層60が保護層
61で覆われている。この図を見れば、保護層61が基
板本体53よりずっと薄手であることが認められよう。
側面図で示した対物レンズが、読取ビーム4を光反射領
域10に結像している。
【0033】図4には、ビデオ・ディスク構造5が略同
じ断面図で示されているが、光散乱領域11が面57か
らの凹みとして示されており、括弧83の中にある半円
形の線57aで評わされている。斜視図で見ると(図に
示してない)、この凹みは面57の半球形の空所であ
る。読取ビーム4が、一部分は光反射領域10、そして
一部分は光散乱領域11に結像されることが示されてい
る。
じ断面図で示されているが、光散乱領域11が面57か
らの凹みとして示されており、括弧83の中にある半円
形の線57aで評わされている。斜視図で見ると(図に
示してない)、この凹みは面57の半球形の空所であ
る。読取ビーム4が、一部分は光反射領域10、そして
一部分は光散乱領域11に結像されることが示されてい
る。
【0034】図5には、図1に示したビデオ・ディスク
・プレイヤで使うのに適したビデオ・ディスク構造5の
3番目の例が示されている。基板53が第1の面すなわ
ち入口面55と、第2の面すなわち情報担持面57とを
有する。平面状の光反射領域10を58に示してある。
光散乱領域11は、彎曲した表面領域59として示して
ある。反射層60が上面57の上に形成される。保護層
61が反射層60の上に形成されることが示されてい
る。対物レンズが読取ビーム4を一部分は情報担持面5
7の平面状の光反射部分58に、そして一部分は情報担
持面57の彎曲した部分59に結像している。
・プレイヤで使うのに適したビデオ・ディスク構造5の
3番目の例が示されている。基板53が第1の面すなわ
ち入口面55と、第2の面すなわち情報担持面57とを
有する。平面状の光反射領域10を58に示してある。
光散乱領域11は、彎曲した表面領域59として示して
ある。反射層60が上面57の上に形成される。保護層
61が反射層60の上に形成されることが示されてい
る。対物レンズが読取ビーム4を一部分は情報担持面5
7の平面状の光反射部分58に、そして一部分は情報担
持面57の彎曲した部分59に結像している。
【0035】次に、光ディスク構造の製法について、参
考例1〜参考例5を参照しながら説明する。これらの参
考例1〜参考例5ではポリメチルメタクリレート材料
(以下PMMAという)から光ディスクを形成してい
る。
考例1〜参考例5を参照しながら説明する。これらの参
考例1〜参考例5ではポリメチルメタクリレート材料
(以下PMMAという)から光ディスクを形成してい
る。
【0036】参考例 1 成形材料として、何等特別に調製しないPMMAを使っ
て、ビデオ・ディスク構造を形成する。射出成形サイク
ルの成形温度は480°Fに定め、射出成形サイクル時
間は2秒である。最初の成形温度は、射出成形材料の製
造業者がすすめる温度に定める。この様にして射出成形
によって製造したビデオ・ディスク構造を検査したとこ
ろ、約10ミリの隆起したクラウンを持つ傘状であるこ
とが判った。複屈折の測定値は、外側半径に於ける4ナ
ノメータの最小値から、ディスクの中心に於ける100
ナノメータの最大値に及んだ。このビデオ・ディスク構
造は非常に脆く、多数の表面のマークがあることが認め
られた。8.84cm(3.5吋)の半径で曲げると割れ
た。
て、ビデオ・ディスク構造を形成する。射出成形サイク
ルの成形温度は480°Fに定め、射出成形サイクル時
間は2秒である。最初の成形温度は、射出成形材料の製
造業者がすすめる温度に定める。この様にして射出成形
によって製造したビデオ・ディスク構造を検査したとこ
ろ、約10ミリの隆起したクラウンを持つ傘状であるこ
とが判った。複屈折の測定値は、外側半径に於ける4ナ
ノメータの最小値から、ディスクの中心に於ける100
ナノメータの最大値に及んだ。このビデオ・ディスク構
造は非常に脆く、多数の表面のマークがあることが認め
られた。8.84cm(3.5吋)の半径で曲げると割れ
た。
【0037】以下説明する参考例2乃至参考例5は、参
考例1に述べた射出成型機を使い、何等特別に調製しな
いPMMAを使って行われた。
考例1に述べた射出成型機を使い、何等特別に調製しな
いPMMAを使って行われた。
【0038】参考例 2 全てのPMMAの混合物を射出成型機で使った。溶融物
の温度は508°Fに上げ、射出成形時間は2秒のまま
にした。この射出成形サイクルで作られたビデオ・ディ
スク構造は、5ミリのクラウンを持つことが判った。デ
ィスクは、外側半径に於ける4ナノメータの小さな値か
ら始まって、ディスクの中心に於ける50ナノメータの
最大値までに及ぶいろいろな値の複屈折を示した。ディ
スクは脆く、多数の表面のマークがあった。この試験に
よると、溶融物の温度を上げると、複屈折の絶対値が減
少することが判った。製造業者がすすめる温度より高い
温度にすると、表面欠陥も増大した。
の温度は508°Fに上げ、射出成形時間は2秒のまま
にした。この射出成形サイクルで作られたビデオ・ディ
スク構造は、5ミリのクラウンを持つことが判った。デ
ィスクは、外側半径に於ける4ナノメータの小さな値か
ら始まって、ディスクの中心に於ける50ナノメータの
最大値までに及ぶいろいろな値の複屈折を示した。ディ
スクは脆く、多数の表面のマークがあった。この試験に
よると、溶融物の温度を上げると、複屈折の絶対値が減
少することが判った。製造業者がすすめる温度より高い
温度にすると、表面欠陥も増大した。
【0039】参考例 3 射出成形サイクルの組成物は全部PMMAのままにし
た。溶融物の温度を536°Fに上げ、射出成形時間は
2秒のままにした。この方法によって作られたビデオ・
ディスク構造は、平坦に近く、2ミリのクラウンを持つ
ことが判った。複屈折の値は、外側半径に於ける4ナノ
メータの最小値から始まって、ディスクの中心に於ける
30ナノメータの最大値まで変わった。ビデオ・ディス
クは依然として脆く、参考例2に述べた方法で作られた
ディスクに較べて、表面のマークの数が増加した。
た。溶融物の温度を536°Fに上げ、射出成形時間は
2秒のままにした。この方法によって作られたビデオ・
ディスク構造は、平坦に近く、2ミリのクラウンを持つ
ことが判った。複屈折の値は、外側半径に於ける4ナノ
メータの最小値から始まって、ディスクの中心に於ける
30ナノメータの最大値まで変わった。ビデオ・ディス
クは依然として脆く、参考例2に述べた方法で作られた
ディスクに較べて、表面のマークの数が増加した。
【0040】参考例 4 射出成形用の溶融物の組成は100%PMMAにした。
溶融物の温度は536°Fに保ち、射出成形時間を1秒
に短縮した。この結果、略平坦なビデオ・ディスク構造
が得られ、クラウンはゼロ・ミリであった。複屈折の値
は、ディスクの周縁に於ける4ナノメータの小さな値か
ら、ディスクの中心部分に於ける15ナノメータまで変
った。ビデオ・ディスク構造は依然として脆く、参考例
3に述べたビデオ・ディスク構造に見られる表面のマー
クに較べて、更に表面のマークが生じた。 この試験か
ら、射出成形用の溶融物の温度が高い為、射出成形時間
を短縮することが可能であることが判った。この様な高
温により、射出成形用の空所に対する溶融物の流動に対
する抵抗が低下する。更にこの試験では、射出成形用の
溶融物の温度を更に高くし、射出成形時間を短縮する
と、脆さが著しくなり、表面欠陥が増大することが判っ
た。
溶融物の温度は536°Fに保ち、射出成形時間を1秒
に短縮した。この結果、略平坦なビデオ・ディスク構造
が得られ、クラウンはゼロ・ミリであった。複屈折の値
は、ディスクの周縁に於ける4ナノメータの小さな値か
ら、ディスクの中心部分に於ける15ナノメータまで変
った。ビデオ・ディスク構造は依然として脆く、参考例
3に述べたビデオ・ディスク構造に見られる表面のマー
クに較べて、更に表面のマークが生じた。 この試験か
ら、射出成形用の溶融物の温度が高い為、射出成形時間
を短縮することが可能であることが判った。この様な高
温により、射出成形用の空所に対する溶融物の流動に対
する抵抗が低下する。更にこの試験では、射出成形用の
溶融物の温度を更に高くし、射出成形時間を短縮する
と、脆さが著しくなり、表面欠陥が増大することが判っ
た。
【0041】参考例 5 射出成形用の溶融物の組成は100%PMMAである。
温度は536°Fに保ち、サイクル時間は0.5秒に短
縮した。この方法によって作られたビデオ・ディスク構
造は、実質的に平坦で、クラウンはゼロ・ミリであるこ
とが判った。複屈折の値は外側半径から内側半径まで、
4ナノメータから10ナノメータの勾配で低下し続け
た。ディスクの特性として、脆さは引続いて増大し、参
考例4に述べた方法で作られたディスク構造に較べて、
表面のマークが増加した。
温度は536°Fに保ち、サイクル時間は0.5秒に短
縮した。この方法によって作られたビデオ・ディスク構
造は、実質的に平坦で、クラウンはゼロ・ミリであるこ
とが判った。複屈折の値は外側半径から内側半径まで、
4ナノメータから10ナノメータの勾配で低下し続け
た。ディスクの特性として、脆さは引続いて増大し、参
考例4に述べた方法で作られたディスク構造に較べて、
表面のマークが増加した。
【0042】以上のように、参考例1〜参考例5におい
てはPMMAから光ディスクを形成しており、このよう
に形成された光ディスクは、満足できるものではなかっ
た。そこで、本発明の実施例においては、PMMAにつ
いていろいろと研究した結果、PMMAを特別に調製す
ることにより、良好な特性が得られることが分かった。
本発明の実施例は、まさしく、この点を特徴とするもの
である。
てはPMMAから光ディスクを形成しており、このよう
に形成された光ディスクは、満足できるものではなかっ
た。そこで、本発明の実施例においては、PMMAにつ
いていろいろと研究した結果、PMMAを特別に調製す
ることにより、良好な特性が得られることが分かった。
本発明の実施例は、まさしく、この点を特徴とするもの
である。
【0043】すなわち、本発明の実施例においては、P
MMAを特別に調製して、以下説明する様な溶融物の流
量、粒度、寸法安定性を持つ様にすると共に、単量体の
ない系にし、潤滑系を使えば、PMMAだけでプラスチ
ックの光ディスク構造を作ることが出来る。ここで、P
MMAとアクリル・ゴムから成る組成でプラスチックの
光ディスク構造をつくると良好な特性が得られるが、本
発明の実施例のように、PMMAを特別に調製した場合
には、PMMAとアクリル・ゴムとからつくった場合と
比較して少なくとも同じ程度によい特性を持たせること
が出来ることが判った。
MMAを特別に調製して、以下説明する様な溶融物の流
量、粒度、寸法安定性を持つ様にすると共に、単量体の
ない系にし、潤滑系を使えば、PMMAだけでプラスチ
ックの光ディスク構造を作ることが出来る。ここで、P
MMAとアクリル・ゴムから成る組成でプラスチックの
光ディスク構造をつくると良好な特性が得られるが、本
発明の実施例のように、PMMAを特別に調製した場合
には、PMMAとアクリル・ゴムとからつくった場合と
比較して少なくとも同じ程度によい特性を持たせること
が出来ることが判った。
【0044】以下、溶融物の流量、粒度、単量体及び安
定性、潤滑のそれぞれについて説明する。溶融物の流量 PMMAは、ASTM番号D1238条件Iで測定し
て、10分あたり約20乃至23グラムの溶融物流量を
持つ様に処理され、すなわち、調製される。溶融物の流
量をこれより低くすると、重合体が一層粘性になり、重
合体を型に流し込むのに圧力を高める必要がある。圧力
を高くすると、ディスク内の重合体の密度に差が生じ、
その結果、型から離した後、ディスクが傘状に反り返
る。上に述べた所望の溶融物の流量では、ディスク内の
重合体の密度が略一様であり、その結果、型から離した
後、ディスクに反りが生ぜず、比較的小さくて一様な複
屈折を持つ。
定性、潤滑のそれぞれについて説明する。溶融物の流量 PMMAは、ASTM番号D1238条件Iで測定し
て、10分あたり約20乃至23グラムの溶融物流量を
持つ様に処理され、すなわち、調製される。溶融物の流
量をこれより低くすると、重合体が一層粘性になり、重
合体を型に流し込むのに圧力を高める必要がある。圧力
を高くすると、ディスク内の重合体の密度に差が生じ、
その結果、型から離した後、ディスクが傘状に反り返
る。上に述べた所望の溶融物の流量では、ディスク内の
重合体の密度が略一様であり、その結果、型から離した
後、ディスクに反りが生ぜず、比較的小さくて一様な複
屈折を持つ。
【0045】上に述べた値より大きな溶融物の流量にす
ると、プラスチックのディスク部材の環境特性が許容し
難くなる。例えばプラスチックが脆くなりすぎ、比較的
低い温度で溶融し、堅さ、堅牢性及び引張り強さが比較
的小さくなる。所望の溶融物の流量で、ディスクに著し
い脆さが生じた場合、ディスクを一層厚手に作ることに
より、この脆さを最小限に抑えることが出来る。型を一
層厚手に作るか、又は2枚のディスクを1枚のディスク
に合わせるこにより、ディスクを一層厚手にすることが
出来る。
ると、プラスチックのディスク部材の環境特性が許容し
難くなる。例えばプラスチックが脆くなりすぎ、比較的
低い温度で溶融し、堅さ、堅牢性及び引張り強さが比較
的小さくなる。所望の溶融物の流量で、ディスクに著し
い脆さが生じた場合、ディスクを一層厚手に作ることに
より、この脆さを最小限に抑えることが出来る。型を一
層厚手に作るか、又は2枚のディスクを1枚のディスク
に合わせるこにより、ディスクを一層厚手にすることが
出来る。
【0046】粒 度 PMMA中に異物粒子があると光ビームがディスクを通
過する時にそれるので、それをなくさなければならな
い。これは、紫外線吸収剤、トナー又はその他の異物粒
子を製造時に重合体に添加しないこにより、又はPMM
A中の粒子の寸法が1乃至10ミクロンより大きくなら
ない様に重合体を濾過することによって達成することが
出来る。
過する時にそれるので、それをなくさなければならな
い。これは、紫外線吸収剤、トナー又はその他の異物粒
子を製造時に重合体に添加しないこにより、又はPMM
A中の粒子の寸法が1乃至10ミクロンより大きくなら
ない様に重合体を濾過することによって達成することが
出来る。
【0047】単量体及び安定性 重合体の中にPMMA単量体が存在すると、成形中にデ
ィスクの火ぶくれを生じ、真空溶射後にアルミニウムの
反射被覆に火ぶくれを生ずるので、こういう単量体をな
くすべきである。重合体が分断される場合、成形中にP
MMA単量体が出来ることもある。この為、重合体は安
定であるべきであり、ここで説明した処理又は成形条件
の下で劣化してはならない。
ィスクの火ぶくれを生じ、真空溶射後にアルミニウムの
反射被覆に火ぶくれを生ずるので、こういう単量体をな
くすべきである。重合体が分断される場合、成形中にP
MMA単量体が出来ることもある。この為、重合体は安
定であるべきであり、ここで説明した処理又は成形条件
の下で劣化してはならない。
【0048】潤 滑 適当な潤滑剤をPMMAと混合して、ディスク構造が型
から容易に離れる様にする。潤滑剤がなくなって、型を
開いた時に、飛散ってディスクの表面を汚す惧れがある
ので、そういうことを避ける為に、潤滑剤は成形温度よ
り低い蒸気圧を持つ様に選ぶべきである。適当な潤滑剤
の例としては、ステアリル・アルコール、ステアリン
酸、ステアリン酸亜鉛又はカルシウムの様なステアリン
酸金属、結晶状パラフインろう及びモンタンろうがあ
る。
から容易に離れる様にする。潤滑剤がなくなって、型を
開いた時に、飛散ってディスクの表面を汚す惧れがある
ので、そういうことを避ける為に、潤滑剤は成形温度よ
り低い蒸気圧を持つ様に選ぶべきである。適当な潤滑剤
の例としては、ステアリル・アルコール、ステアリン
酸、ステアリン酸亜鉛又はカルシウムの様なステアリン
酸金属、結晶状パラフインろう及びモンタンろうがあ
る。
【0049】潤滑剤は、型から離れ易くする為、並びに
プラスチック・ディスクと真空蒸着したアルミニウムと
の間に十分な接着が生ずる様にするため、プラスチック
の約0.5乃至0.8重量%分量にすべきである。
プラスチック・ディスクと真空蒸着したアルミニウムと
の間に十分な接着が生ずる様にするため、プラスチック
の約0.5乃至0.8重量%分量にすべきである。
【0050】上記のように特別に調製したPMMAを、
前記参考例1〜参考例5で述べたのと同じ処理条件の下
で射出成形した。このように特別に調製したPMMAを
用いて射出成形すると、良好な光ディスクが得られる。
前記参考例1〜参考例5で述べたのと同じ処理条件の下
で射出成形した。このように特別に調製したPMMAを
用いて射出成形すると、良好な光ディスクが得られる。
【0051】以上のように、本発明の実施例によれば、
PMMAを特別に調製する、すなわち、溶融物の流量、
粒度、単量体及び安定性、潤滑を適切に設定することに
より、良好な特性を有する光ディスク構造を得ることが
できる。
PMMAを特別に調製する、すなわち、溶融物の流量、
粒度、単量体及び安定性、潤滑を適切に設定することに
より、良好な特性を有する光ディスク構造を得ることが
できる。
【0052】次に、図7には、1個の情報トラック9を
持つ光学的に読取可能な部材5が断面図で示されてい
る。情報トラック9は光反射領域10及び光散乱領域1
1を有する。部材112をスペーサ部材114と機械的
に結合する。スペーサ部材114がこの発明に従って作
られた光学的に澄明な部材116を機械的に保持する。
読取ビーム4を光散乱領域11に結像した場合を示して
ある。光学的に澄明な部材116が全体を保護するシー
ト部材のダスト・カバーとして作用し、部材5を環境か
ら保護する。その長さ全体にわたって一様な厚さを持つ
ものとして示した光学的に澄明な部材116が、読取ビ
ーム4の強度、指向性及び/又は焦点に干渉しない様な
組成であることが重要である。光学的に澄明な部材11
6を読取ビーム4の源とビデオ・ディスク部材5との間
に配置し、読取ビーム4を情報トラック9に結像するこ
とにより、ビデオ・ディスク部材5の読取が行われる。
持つ光学的に読取可能な部材5が断面図で示されてい
る。情報トラック9は光反射領域10及び光散乱領域1
1を有する。部材112をスペーサ部材114と機械的
に結合する。スペーサ部材114がこの発明に従って作
られた光学的に澄明な部材116を機械的に保持する。
読取ビーム4を光散乱領域11に結像した場合を示して
ある。光学的に澄明な部材116が全体を保護するシー
ト部材のダスト・カバーとして作用し、部材5を環境か
ら保護する。その長さ全体にわたって一様な厚さを持つ
ものとして示した光学的に澄明な部材116が、読取ビ
ーム4の強度、指向性及び/又は焦点に干渉しない様な
組成であることが重要である。光学的に澄明な部材11
6を読取ビーム4の源とビデオ・ディスク部材5との間
に配置し、読取ビーム4を情報トラック9に結像するこ
とにより、ビデオ・ディスク部材5の読取が行われる。
【0053】
【発明の効果】本発明によるポリメチルメタクリレート
材料を用いて、光学的情報貯蔵部材を射出成形すると、
良好な光学的特性及び構造的特性が得られる。
材料を用いて、光学的情報貯蔵部材を射出成形すると、
良好な光学的特性及び構造的特性が得られる。
【図1】ビデオ・ディスク・プレイヤのブロック図であ
り、(a)はビデオ・ディスクとプレイヤに使われる他
の電子回路との関係を示す図で、(b)は(a)に示し
たビデオ・ディスクの一部分を著しく拡大した略図、
り、(a)はビデオ・ディスクとプレイヤに使われる他
の電子回路との関係を示す図で、(b)は(a)に示し
たビデオ・ディスクの一部分を著しく拡大した略図、
【図2】図1の(a)に示したビデオ・ディスク構造の
一部分を断面で示した斜視図、
一部分を断面で示した斜視図、
【図3】図2に示したビデオ・ディスクを線3−3で切
った半径方向断面であるが、図1に示した対物レンズも
側面で示す図、
った半径方向断面であるが、図1に示した対物レンズも
側面で示す図、
【図4】ビデオ・ディスク構造の第2の実施例を示す半
径方向断面図、
径方向断面図、
【図5】ビデオ・ディスク構造の第3の実施例を示す半
径方向断面図、
径方向断面図、
【図6】図1に示したビデオ・ディスク部材の表面の一
部分の拡大図、
部分の拡大図、
【図7】この発明に従って作られた光学的に澄明な部材
を介して記録を読取る状態を示す断面図である。
を介して記録を読取る状態を示す断面図である。
2 光学装置 3 読取レーザ 4 読取ビーム 5 ビデオ・ディスク 9 情報トラック 10 光反射部材 11 非光反射部材 17 顕微鏡用対物レンズ 20 分割プリズム 24 固定鏡 26 第1の枢着鏡 28 第2の枢着鏡(半径方向トラッキング鏡) 30 トラッキング誤差信号再生回路 53 基板部材 55 入口面(第1の面) 57 情報担持面(第2の面) 60 高度の反射層 61 保護層
Claims (1)
- 【請求項1】 光学的情報貯蔵部材を射出成形する方法
における組成物であって、アメリカ合衆国標準ASTM
番号D1238条件Iで測定された10分あたり約20
乃至23グラムである溶融物流量率を持つことを特徴と
するポリメチルメタクリレートからなる光学的情報貯蔵
部材。
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US93722178A | 1978-08-28 | 1978-08-28 | |
US3120679A | 1979-04-18 | 1979-04-18 | |
US937221 | 1979-04-18 | ||
US031206 | 1979-04-18 | ||
JP62256441A JPS63183949A (ja) | 1978-08-28 | 1987-10-13 | ポリメチルメタクリレート材料 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62256441A Division JPS63183949A (ja) | 1978-08-28 | 1987-10-13 | ポリメチルメタクリレート材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06184238A JPH06184238A (ja) | 1994-07-05 |
JPH0782661B2 true JPH0782661B2 (ja) | 1995-09-06 |
Family
ID=27334531
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5218372A Expired - Lifetime JPH0782661B2 (ja) | 1978-08-28 | 1993-09-02 | ポリメチルメタクリレートからなる光学的情報貯蔵部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0782661B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4829452A (ja) * | 1971-08-18 | 1973-04-19 | ||
JPS4922475A (ja) * | 1972-06-22 | 1974-02-27 |
-
1993
- 1993-09-02 JP JP5218372A patent/JPH0782661B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06184238A (ja) | 1994-07-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0745985B1 (en) | Optical disk | |
US5966367A (en) | Optical information recording medium | |
US5485452A (en) | Optical information recording medium | |
US4310919A (en) | Optical video disc structure | |
EP0520619A1 (en) | Optical information recording medium | |
KR20020037375A (ko) | 렌즈, 광헤드, 광정보 기록재생장치 및 광정보 기록매체기록재생방법 | |
JPH10269621A (ja) | 光ディスク基板及びこれを用いた光ディスク | |
US4441179A (en) | Optical video disc structure | |
KR100616377B1 (ko) | 광 픽업 장치, 광 정보 기록 매체 재생 기록 장치, 및 광 픽업 장치용 집광 광학계 | |
US4397805A (en) | Method for making a video disc | |
JP2566371B2 (ja) | 光ディスク構造を形成する方法 | |
US5883879A (en) | High density optical disc configuration | |
JPH0341905B2 (ja) | ||
JPH0782661B2 (ja) | ポリメチルメタクリレートからなる光学的情報貯蔵部材 | |
US4313190A (en) | Method for making a composite video disc | |
JPS63183949A (ja) | ポリメチルメタクリレート材料 | |
JP2005535063A (ja) | 2種類の材料で形成された対物レンズを含むスキャン装置 | |
JP3757962B2 (ja) | 光ピックアップ用プリズム及び光ピックアップの製造方法 | |
JPH06274940A (ja) | 光ディスク及びその製造方法 | |
KR900004894B1 (ko) | 폴리메틸메타크릴레이트로부터제조된디스크 | |
EP1394787A2 (en) | Optical disc and optical disc apparatus | |
US7304934B2 (en) | Lens, optical head apparatus, and objective lens for the optical head apparatus | |
KR100200875B1 (ko) | 이층 광디스크의 포커싱 서보방법 | |
KR100597911B1 (ko) | 테스트 디스크 | |
JP2001134984A (ja) | 光ディスク |