JPH0782534B2 - リニアアレイセンサ感度むら除去装置 - Google Patents

リニアアレイセンサ感度むら除去装置

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JPH0782534B2
JPH0782534B2 JP60177515A JP17751585A JPH0782534B2 JP H0782534 B2 JPH0782534 B2 JP H0782534B2 JP 60177515 A JP60177515 A JP 60177515A JP 17751585 A JP17751585 A JP 17751585A JP H0782534 B2 JPH0782534 B2 JP H0782534B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明はリニアアレイセンサ感度むら除去装置に係り、
特に少ない演算量を付加するだけで、対象画像自身から
最適な感度むら推定空間フイルタを決定するのに好適な
リニアアレイセンサ感度むら除去装置に関する。
〔発明の背景〕
まず、以下の説明で使用する主な用語の定義を述べる。
(1)荷重計算統計量とは、リニアアレイセンサ画像の
検出器別画像統計量すなわち、平均あるいは分散を求め
る際、統計に用いる所定走査ライン数を1周期とする三
角関数により各ライン番号ごとの荷重値を求め、該荷重
値を乗じつつ求めた統計量である。
(2)検出器別画像統計量とは、リニアアレイセンサ画
像の検出器別画像統計量すなわち、所定ライン数分の検
出器別平均あるいは分散を、上記荷重計算を行わず通常
の定義通りに求めたものである。
(3)検出器感度ばらつきの空間周波数特性とは、リニ
アアレイセンサの各検出器の感度すなわちオフセットあ
るいはゲインの、検出器番号に関する変化の周波数特性
である。
多数の画像検出器を一列に並べ、一括して一ライン分の
走査画像を入力するリニアアレイセンサでは、検出器相
互の感度のばらつきが画質劣化の原因となる。そこで、
画像検出器ごとに平均、分散等の画像統計量を求め、本
来画像統計量の検出器との変化は滑らかであるとの前提
から、フイルタ処理で得られる該統計量の高周波成分を
もとに検出器感度のばらつきを推定する。この場合、フ
イルタの形状は、検出器感度のばらつきの空間周波数特
性(以下、Ps(ω)で表わす)と検出器に感度ばらつき
が無い場合の検出器別画像統計量の空間周波数特性(以
下、Pe(ω)で表わす)から、ウイナーフイルタPs
(ω)/{Ps(ω)+Pe(ω)}として最適に決めるこ
とができる。
従来、上記手法によるリニアアレイセンサ感度むら除去
方式では、検出器感度ばらつきの空間周波数特性Ps
(ω)は、一定のパワーを持つ白色雑音と仮定し、ま
た、検出器に感度ばらつきが無い場合の検出器別画像統
計量の空間周波数特性(以下、Pe(ω)で表わす)は、
原画像に一般的相関モデルが成り立つことを仮定してい
た。このため、対象とする画像の相関モデルを画像ごと
に推定することが不可欠となり、またこれらの周波数特
性が、実際と異なつた場合には、フイルタ処理の最適性
が損なわれ検出器感度むら除去精度が低下するという欠
点があつた。
〔発明の目的〕
本発明は上記欠点を取り除くためになされたもので、そ
の目的とするところは、対象画像自身から、検出器の感
度ばらつきが無い場合の検出器別画像統計量の周波数特
性と、検出器感度ばらつきの空間周波数特性を推定し、
最適なウイーナーフイルタを構成することにより、精度
良くリニアアレイセンサの感度むらを除去できる装置を
提供することにある。
〔発明の概要〕
上記目的を達成するため本発明においては、検出器別画
像統計量を求める際、検出器別画像統計量を求めるため
に用いる画像のライン数を1周期とする三角関数の荷重
値を算出し、ライン番号に対応した上記荷重を乗じた荷
重計算統計量(これは、従来技術の“検出器に感度ばら
つきが無い場合の検出器別画像統計量”(明細書第3頁
6〜7行目参照)に対応する)も求め、本荷重計算統計
量の空間周波数特性を、補正(原)画像の検出器別画像
統計量の空間周波数特性Pe(ω)として用い、ウイーナ
ーフイルタを形成し、前記検出画像強度の統計量の高周
波成分を抽出し、抽出した画像統計量高周波成分を画像
検出器の強度補正量に変換し、それにより補正量に応じ
て、リニアアレイセンサ出力画像上の検出器感度むらを
補正する点に特徴がある。
従来、“検出器に感度ばらつきが無い場合の検出器別画
像統計量の周波数特性”は、画像の相関モデルを仮定し
て求めていたが、仮定した統計モデルが実際と異なった
場合には、ウイーナーフィルタの最適性がくずれ、リニ
アアレイセンサの検出器感度のばらつきの推定精度が低
下し、補正精度が低下する。これに比べ、前記荷重値を
乗じた統計量を求め、“検出器に感度ばらつきが無い場
合の検出器別画像統計量の周波数特性”算出に用いれ
ば、上記相関モデルが成立せずとも、対象画像の実際の
検出器別画像統計量を誤差なく、撮像画像データ自身か
ら推定でき、従って最適なウイーナーフィルタとなり、
補正精度の最適性を確保することができる。
〔発明の実施例〕
いま、k番目の検出器の感度むら、すなわち、ゲインと
オフセツトをa(k),b(k)とすると、出力画像x′
(j,k)は入力画像すなわち、感度むらのない補正
(原)画像x(j,k)により、 x′(j,k)=a(k)・x(j,k)+b(k) ……
(1) と表わされる。k番目の検出器に関するNライン分の画
像の入力および出力画像の平均m(k),m′(k)と分
関σ(k),σ′(k)の間には、 m′(k)=a(k)・m(k)+b(k)……(2) σ′(k)=a(k)・σ(k) ……(3) が成立つ。ここで、 である。
まず、(3)式から検出器ゲインa(k)を推定する。
相対補正すべき検出器ゲイン誤差 が充分小さいとし、分散σ(k)の高周波変化成分は
平均σ0 2に比べ充分小さいとする。σ(k)=σ0 2
σ+ 2とすると、 σ′(k)≒σ0 2+σ+ 2(k)+2σ0 2Δa(k)…
…(5) であり、出力画像の分散σ′(k)から右辺第3項を
推定することになる。本来、(5)式で右辺第3項を自
乗誤差最小で推定するウイーナーフイルタは、第2項と
第3項の相関が無いため、周波数空間で と表わされる。ここでP〔・〕はパワースペクトルを示
す。入力画像の分散のパワースペクトルを直接出力画像
から推定することは不可能であるが、いま、2次元デー
タ{x(j,k)−m(k)}の2次元パワースペクト
ルを考えると、k軸に対応する周波数軸上の値すなわち
P〔σ+ 2(k)〕は、周波数空間での隣接ラインの値、
すなわち次式の一次元パワースペクトラムとほぼ等し
く、また、(5) 式の近似の前提からウイーナーフイルタ用には P〔σ1 2(k)〕≒P〔σ1 2′(k)〕 ……(8) と近似をしてよいため、結局ウイーナーフイルタは出力
画像情報だけから と求まる。なお、(7)式と同様 である。以上より、検出器ゲイン誤差Δa(k)は、 と求まる。ここで、Fはフーリエ変換を表わす。
(3)式から始めて上記のごとく検出器ゲイン誤差Δa
(k)を求めるように、(2)式から検出器オフセツト
誤差を求める次式が得られる。
(11),(12)式で求まる、各検出器のゲイン・オフセ
ツト誤差の推定値から、画像1画素ごとの補正は、 (j,k)={x′(j,k)−(k)}/(1+Δ
(k)) ……(13) と行えばよい。
なお、(12)式の荷重計算による平均m1′(k)と同分
散σ1 2′(k)は次のように、出力画像x′(j,k)の
走査ライン番号に関する逐次処理で求めることができ
る。
以下、本発明の一実施例を第1図により説明する。撮像
対象1を多数の検出器が1例に並んだリニアアレイセン
サ2が位置をずらしつつ走査し、1ラインずつ走査画像
データを出力する。出力画像データは記憶装置3に格納
されるとともに、画像ラインバツフア4に一時記憶され
る。画像ラインバツフア4内の走査画像データは1画素
ずつ読み出され、2乗演算器5により2乗値が求めら
れ、乗算器6により、荷重計算装置7から出力された荷
重との積が求められ、さらに加算器8により、累積加算
ラインバツフア9の該画素と対応する画素位置から読み
出された累積加算画像と加算され、再び同じ画素位置の
ラインバツフア9に結果が書き込まれる。荷重計算装置
7は、下式を計算し、画像ライン番号j(j=1,……,
N)に関する荷重を複素数として出力する。
2乗演算器5からの画素2乗値は、上記処理と並行し、
そのまま加算器10に送られ、累積加算ラインバツフア11
の対応画素位置の累積値と加算され、再び同ラインバツ
フア11に書きこまれる。一方、入力画素データは、乗算
器12で荷重計算装置7からの荷重と乗ぜられ、加算器13
で累積値と加算され、ラインバツフア14に貯えられる。
さらに、入力画素データは、直接、加算器15により累積
値と加算され累積加算ラインバツフア16に貯えられる。
以上の累積値の更新処理が、リニアアレイセンサ2の走
査ライン入力ごとに繰返され、所定のライン数Nの入力
が完了した段階で、各ラインバツフア9,11,14,16には次
の各累積値b1(k)〜b4(k)が格納されている。
所定のライン数Nの走査画像の入力が完了し、各ライン
バツフアに上記データが得られた段階で、補正係数演算
装置17は、第2図に示す手順に従いリニアアレイ2の各
検出器に関する画像補正係数(k),(k)を算出
する。すなわち、検出器番号k(=1,……、M)に対
し、 〔ボツクス20〕 〔ボツクス21〕 〔ボツクス22〕 〔ボツクス23〕 〔ボツクス24〕 を求めた後、 〔ボツクス25〕 〔ボツクス26〕 を求める。ここで、パワースペクトル演算P〔・〕は、
次のHannangウインドウw(k)の乗算後、フーリエ変
換ノルム二乗計算により実現する。
w(k)=0.5+0.5cos{2π(k−M/2)/M} ……(2
8) 補正係数演算装置17からの補正係数(k),(k)
は、画像補正装置18に送られ、記憶装置3から読み出さ
れた、走査画像データx′(j,k)は、1ラインずつ読
出され、ライン番号jに関し1画素ごとに、次式の計算
により補正される。補 (j,k)={x′(j,k)−(k)}/(k)……
(29) 正された画像は、磁気テープ19に1ラインずつ書き込ま
れる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、撮像画像データ自身から、検出器に感
度ばらつきが無い場合の検出器別画像統計量の周波数特
性と、検出器感度ばらつきの周波数特性を推定し、最適
なウイーナーフイルタを構成でき、それにより検出器別
画像統計量から最適に検出器ごとの感度ばらつきを推定
し、撮像画像を補正できる。特に、検出器に感度ばらつ
きが無い場合の検出器別画像統計量の周波数特性を推定
するための、荷重統計量計算は、1画素あたり9回の乗
加算ですむため、従来の、固定的ウイーナーフイルタ算
出と比べ、わすかな演算量を付加するだけで感度むら除
去の最適性が確保できるという利点を持つ。したがつ
て、本発明は、地球観測衛星撮像センサ,CT装置X線検
出器,フアツクス装置画像センサ等、多数の検出器が一
列に並んだリニアアレイセンサ型の画像検出器すべてに
対し、絶大な効果を持つ検出器感度むら除去装置を提供
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明によるリニアアレイセンサ感度むら補
正装置のブロツク構成図、第2図は画像補正係数算出装
置における演算手順を示すフローチヤートである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像検出器ごとに所定走査ライン数の検出
    器別画像統計量を算出する手段と、該検出器別画像統計
    量に検出器感度ばらつきの空間周波数特性と補正画像の
    検出器別統計量の空間周波数特性から決まるウィーナー
    フィルタを作用させ空間的高周波数成分を抽出する手段
    と、該高周波数成分を上記検出器の強度補正量に変換す
    る手段と、該強度補正量に応じて出力画像を補正する手
    段とからなるリニアアレイセンサ感度むら除去装置にお
    いて、上記所定走査ライン数を1周期とするように各ラ
    イン番号に対応した三角関数の荷重値を算出する手段
    と、該荷重値を乗算して所定走査ライン数分の検出器別
    画像統計量を算出する手段と、該画像統計量の空間周波
    数特性を求め、上記ウィーナーフィルタ用の補正画像の
    検出器別画像統計量の空間周波数特性とする手段を設け
    たことを特徴とするリニアアレイセンサ感度むら除去装
    置。
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