JPH0782122B2 - キューブコーナーリトロリフレクター - Google Patents

キューブコーナーリトロリフレクター

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JPH0782122B2
JPH0782122B2 JP3110744A JP11074491A JPH0782122B2 JP H0782122 B2 JPH0782122 B2 JP H0782122B2 JP 3110744 A JP3110744 A JP 3110744A JP 11074491 A JP11074491 A JP 11074491A JP H0782122 B2 JPH0782122 B2 JP H0782122B2
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JP
Japan
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reflector
light
reflected
mirror
cube
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JP3110744A
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JPH04318502A (ja
Inventor
伸夫 杉本
淳 湊
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国立環境研究所長
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザー測距やレーザ
ー長光路吸収測定などを行う場合にレーザー光を反射さ
せるために用いられるリフレクターに関するもので、特
に、3枚の平面状反射鏡を互いにほぼ垂直に配置したキ
ューブコーナーリトロリフレクターに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えばレーザー測距を行う場合には、目
標の地点に反射体、すなわちリフレクターを設置し、光
源から照射されたレーザー光がそのリフレクターによっ
て反射されて戻ってくるのを観測する。その場合、一般
にはその観測地点は光源の近傍に設定される。したがっ
て、そのリフレクターには、光を入射方向と同じ方向に
反射するという特性が求められる。そのように入射方向
と同じ方向に光を戻すものとして、キューブコーナーリ
トロリフレクターと呼ばれるものが知られている。この
キューブコーナーリトロリフレクターは、3枚の平面鏡
を互いに垂直に配置したもので、どのような方向から光
が入射した場合にもその光を全く同じ方向に戻すという
特徴を有している。
【0003】ところで、大気中の公害成分を調べるなど
のために、レーザー光を空中に照射して、吸収される光
の波長を求めるレーザー長光路吸収測定が行われること
がある。そのような場合には、人工衛星にリフレクター
を搭載して、地上観測局の光源から照射されたレーザー
光の反射光をその地上観測局において観測する。その場
合、光源に対する人工衛星の向きは刻々と変化するの
で、通常、そのリフレクターとしては上述のようなキュ
ーブコーナーリトロリフレクターが用いられる。
【0004】しかしながら、そのようなキューブコーナ
ーリトロリフレクターを人工衛星のように高速で移動す
るターゲットに搭載すると、光行差と呼ばれる現象のた
めに、反射光が入射光の光路に対してターゲットの進行
方向に傾くようになる。そのために、反射光は光源とは
異なる位置に戻ることになり、地上観測局で観測するこ
とができなくなってしまう。
【0005】そこで、そのような欠点を克服するため
に、従来は、キューブコーナーリトロリフレクターを構
成する3枚の平面鏡の間の角度を直角から意図的にずら
せて反射光の光路と入射光の光路との間に角度を持たせ
るようにしたり、リフレクターの前にシリンドリカルレ
ンズを配置して反射光を広げるようにしたりしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、平面鏡
間の角度を変えても、光はその角度によって定まる方向
にしか戻されない。したがって、人工衛星が地上観測局
に対して特定の位置関係にあるときには有効に機能する
としても、人工衛星の移動に伴ってその位置関係が崩れ
ると、もはや光源の近傍では反射光を観測することがで
きなくなってしまう。また、シリンドリカルレンズを用
いるものでは、大口径のリフレクターに適用することが
難しいばかりでなく、使用することのできる波長領域が
シリンドリカルレンズの材質によって制限されることに
なる。
【0007】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、反射光を任意に広げて、
広い視野範囲において反射光を効率よく観測地点に戻す
ことができ、かつ、大口径であっても広い波長領域で使
用することのできるキューブコーナーリトロリフレクタ
ーを得ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明では、キューブコーナーリトロリフレクター
を構成する3枚の平面状反射鏡のうちの少なくとも1枚
を曲面鏡とするようにしている。
【0009】
【作用】図2(A),(B)に示されているように、互
いに垂直に配置された2枚の反射鏡1,2からなるコー
ナーリフレクターを考える。いま、矢印P方向から光が
入射したとすると、その光は反射鏡1,2により2回反
射されて戻される。その場合、図2(A)のように反射
鏡1,2がともに平面鏡であると、その反射光の方向は
矢印S′で示されているように入射方向Pと平行にな
る。ところが、図2(B)のように一方の反射鏡1が例
えば凸面鏡であると、その反射光の方向は矢印Sで示さ
れているようになり、入射方向Pに対して角度をなすこ
とになる。したがって、その反射光はリフレクターの進
行方向に平行な面内で広げられることになる。
【0010】キューブコーナーリトロリフレクターの場
合には、3枚の反射鏡によってそのような反射が行われ
る。したがって、1枚の反射鏡を曲面鏡とすると、反射
光はリフレクターの進行方向及びそれに垂直な方向に広
げられることになる。そして、反射光の広がりは、反射
鏡の曲面の曲率やその配置などによって決定される。し
たがって、その曲面を適宜選定することにより、反射光
を任意に広げることができる。しかも、レンズは使用し
ないので、大口径のリフレクターにも適用することがで
きるようになり、また、レンズの材質等によって使用可
能な波長範囲が制限されるようなこともなくなる。
【0011】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。図中、図1は本発明によるキューブコーナーリトロ
リフレクターの一実施例を示す斜視図である。
【0012】この図から明らかなように、このキューブ
コーナーリトロリフレクター10は互いに垂直な3枚の
反射鏡11,12,13を備えている。X−Y面内に配
置される反射鏡11は凸面鏡とされている。また、Y−
Z面及びZ−X面内にそれぞれ配置される反射鏡12,
13はともに平面鏡とされている。レーザーを用いた地
上・衛星間の長光路吸収測定を行うときには、このリフ
レクター10は、その凸曲面の反射鏡11が進行方向に
面するようにして人工衛星に搭載される。
【0013】このようなキューブコーナーリトロリフレ
クター10を搭載した人工衛星において、地上観測局か
らレーザー光が照射されると、そのレーザー光はリフレ
クター10によって反射されて地上に戻される。その場
合、凸曲面の反射鏡11が人工衛星の進行方向に面する
ように設置されているので、反射レーザー光は進行方向
に平行な面内で広げられる。したがって、人工衛星の高
速移動に伴う光行差にもかかわらず、その反射レーザー
光の一部は必ず地上観測局でも受光される。
【0014】このようなキューブコーナーリトロリフレ
クターについてのコンピューターシミュレーションを行
った。計算の条件は、口径50cmのリフレクターを搭載
した衛星が高度800kmにおいて南に向かって秒速7km
で進んでおり、地上観測局から北に460km離れた位置
にあるものとした。また、用いるリフレクターは、正面
から平面波が入射したときの反射波波面の位相が図3の
ようになるものであるとした。波長は623.8nm(ヘ
リウム・ネオンレーザーの波長)である。実際には、キ
ューブコーナーを作るときに、レーザー干渉計で見た波
面が図3と同じになるようにすればよい。この反射波の
波面を用い、光の波長が1μm の場合と10μm の場合
とについて、リフレクターから反射された光の地上観測
局周辺における強度分布を求めた。その結果を図4〜図
9に示す。これらの図において、一辺の長さは80mで
ある。また、図の上方が人工衛星の進行方向、すなわち
南である。そして、点Oが地上観測局の位置を示し、点
Rが反射レーザー光の中心位置を示す。なお、反射レー
ザー光は図の上方にも対称に現れる。
【0015】まず、図4は、3枚の反射鏡がいずれも平
面鏡で、互いに垂直に交わっている従来のキューブコー
ナーリトロリフレクターにより、波長1μm の光を反射
させた場合を示すものである。また、図5は、同じリフ
レクターにより波長10μmの光を反射させた場合を示
すものである。これらの図から明らかなように、地上に
戻される反射レーザー光の中心Rは、光行差のために地
上観測局Oから南に約40m 離れた位置となる。そし
て、光の波長が1μm の場合には、反射レーザー光はそ
の中心位置R付近に集中する。また、光の波長が10μ
m の場合には、回折によって反射レーザー光はその中心
Rから同心円状に広がるが、その広がりは比較的小さ
い。したがって、これらいずれの場合にも、光は地上観
測局Oには戻らない。
【0016】図6及び図7は、1枚の反射鏡を曲率半径
13.9kmの凸球面鏡とした図1のようなキューブコー
ナーリトロリフレクターを用いて、波長1μm の光を反
射させた場合と10μm の光を反射させた場合とをそれ
ぞれ示すものである。この場合には、反射光が人工衛星
の進行方向及びそれに垂直な方向に広げられ、その強い
領域がその中心Rの前後左右にそれぞれ生じて、地上観
測局Oにおいても受光されることがわかる。そして、波
長が1μm の光の場合には、図6に示されているように
地上観測局Oに戻る反射光は比較的弱いが、波長が10
μm の場合には、図7に示されているように地上観測局
Oが反射光の強い領域の中心に位置するので、受光強度
は十分な大きさとなる。
【0017】図8及び図9は、図6,7の実施例におけ
るリフレクターの凸球面の反射鏡を更に進行方向に角度
25μrad だけ傾けたとき、すなわちその凸球面の反射
鏡が他の反射鏡に対して直角よりわずかに小さい角度を
なすようにしたときの反射レーザー光の強度分布を示す
ものである。この場合には、反射鏡の傾きによって、反
射光の強い領域が図6,7の場合よりもその中心Rに近
付くようにずらされる。したがって、地上観測局Oがそ
の領域の中心付近に位置するようになり、光の波長が1
μm の図8の場合及び10μm の図9の場合のいずれに
おいても、十分に強度の高い反射光が受光される。
【0018】このように、キューブコーナーリトロリフ
レクターを構成する3枚の平面状反射鏡のうちの1枚に
曲率を付けることによって、あるいは更にその反射鏡に
角度を持たせることによって、反射光を広げ、強く反射
される領域の方向を変えることができる。しかも、その
方向は、反射曲面鏡の曲率あるいは角度を選定すること
によって任意に調整することができる。したがって、高
速で移動する人工衛星等に搭載した場合にも、地上観測
局から照射されたレーザー光の反射光が必ずその地上観
測局に戻るようにすることができる。
【0019】なお、上記実施例においては、1枚の反射
鏡を凸面鏡とした場合について説明したが、それを凹面
鏡とすることもできる。凹面鏡を用いても、光が反転さ
れるだけで反射光は広げられるので、同様の作用効果を
得ることができる。また、2枚あるいは3枚の反射鏡を
それぞれ曲面鏡とすることもできる。そのようにすれ
ば、反射光が種々の方向に広げられるようになるので、
その曲面鏡が進行方向に面していないような場合にも地
上観測局で受光することが可能となる。更に、球面鏡を
用いた場合について説明したが、放物面鏡あるいは楕円
体面鏡などを用いることもできる。
【0020】また、上記実施例においては、反射鏡に角
度を持たせる場合、曲面鏡を傾けるものとしているが、
平面鏡を傾けるようにしてもよい。更に、2枚の反射鏡
に角度を持たせるようにすることもできる。
【0021】そして、本発明のキューブコーナーリトロ
リフレクターは、上記実施例のように人工衛星などの高
速移動体に搭載される場合にのみ用いられるとは限ら
ず、例えば観測地点が光源から離れて移動するような場
合には、静止したリフレクターであっても、それを用い
ることによって同様な効果を得ることができる。
【0022】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、キューブコーナーリトロリフレクターを構成
する3枚の反射鏡のうちの少なくとも1枚を曲面鏡とす
るようにしているので、入射光の方向に対して反射光に
角度を持たせて広げることができる。したがって、光行
差などにより反射光の方向がずれるような場合にも、リ
フレクターの広い視野範囲においてその反射光を観測地
点に効率よく戻すことができる。また、レンズを用いな
いので、大口径のリフレクターにも適用することができ
るばかりでなく、広い波長領域で使用可能なリフレクタ
ーとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるキューブコーナーリトロリフレク
ターの一実施例を示す斜視図である。
【図2】そのリフレクターの原理を説明するための説明
図である。
【図3】コンピューターシミュレーションに用いたリフ
レクターの、正面から平面波が入射した場合における反
射波波面の位相を示す図である。
【図4】従来一般のキューブコーナーリトロリフレクタ
ーによる反射光の強度分布をコンピューターシミュレー
ションによって求めた結果を示すパターン図である。
【図5】図4において用いたリフレクターにより光の波
長を変えた場合に得られる反射光の強度分布を示す同様
のパターン図である。
【図6】図3のリフレクターを用いて反射光の強度分布
を求めた図4と同様のパターン図である。
【図7】図6において光の波長を変えた場合の同様のパ
ターン図である。
【図8】図6において用いたリフレクターの曲面鏡の角
度を変えた場合の同様のパターン図である。
【図9】図8において光の波長を変えた場合の同様のパ
ターン図である。
【符号の説明】
10 キューブコーナーリトロリフレクター 11 反射鏡(曲面鏡) 12 反射鏡(平面鏡) 13 反射鏡(平面鏡)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いにほぼ垂直に配置される3枚の平面
    状反射鏡からなるキューブコーナーリトロリフレクター
    において;前記反射鏡の少なくとも1枚が曲面鏡とされ
    ていることを特徴とする、キューブコーナーリトロリフ
    レクター。
  2. 【請求項2】 前記反射鏡の少なくとも1枚が、他の反
    射鏡に対して直角からわずかに外れた角度をなすように
    配置されていることを特徴とする、請求項1記載のキュ
    ーブコーナーリトロリフレクター。
JP3110744A 1991-04-17 1991-04-17 キューブコーナーリトロリフレクター Expired - Lifetime JPH0782122B2 (ja)

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JP3110744A JPH0782122B2 (ja) 1991-04-17 1991-04-17 キューブコーナーリトロリフレクター

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JP3110744A JPH0782122B2 (ja) 1991-04-17 1991-04-17 キューブコーナーリトロリフレクター

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JPH04318502A JPH04318502A (ja) 1992-11-10
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JP3110744A Expired - Lifetime JPH0782122B2 (ja) 1991-04-17 1991-04-17 キューブコーナーリトロリフレクター

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DE10119671A1 (de) * 2001-04-20 2002-10-24 Sen Hans-Erich Gubela Umlenkspiegelstruktur, bestehend aus einer Vielzahl von Tripeln
DE102005063331A1 (de) 2005-06-23 2006-12-28 Imos Gubela Gmbh Licht reflektierendes Tripel, Reflektor sowie Verfahren zur Erkennung eines Gegenstands
CN102809549A (zh) * 2012-08-24 2012-12-05 北京爱尔达电子设备有限公司 一种同源双目标透射能见度仪用反射装置及使用方法

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