JPH0780441B2

JPH0780441B2 - シートベルトリトラクタ

Info

Publication number: JPH0780441B2
Application number: JP62294987A
Authority: JP
Inventors: ロナルド・アルバート・ウィリー
Original assignee: ティーアールダブリュー・ヴイークル・セーフテイ・システムズ・インコーポレーテッド
Priority date: 1986-11-21
Filing date: 1987-11-21
Publication date: 1995-08-30
Anticipated expiration: 2010-08-30
Also published as: EP0269909B1; JPS63199152A; US4768733A; BR8706272A; DE3771180D1; EP0269909A1

Description

【発明の詳細な説明】＜産業上の利用分野＞本発明はシートベルトリトラクタに関し、更に詳細には
ウエブ感知シートベルトリトラクタに関する。

＜従来技術およびその問題点＞ウエブ感知シートベルトリトラクタは既に知られてい
る。これらのリトラクタは所定速度以上の加速度におけ
るシートベルトの引き出しに応答してロックされシート
ベルトの引き出しが阻止される。リトラクタは引き出し
方向の急激なベルトの加速時、例えば高い減速度時にロ
ックされる。

ウエブ感知ロッキングリトラクタはシートベルトウエブ
が巻かれるスプールを備えている。スプールが回転する
とベルトウエブが引き出されまたは引き込まれる。ラチ
エットがスプールに固定されスプールと共に回転する。
回転可能な爪がラチエットと係合してベルト引き出し方
向へのスプールの回転を阻止する。典型的なウエブ感知
リトラクタはベルトの急速引き出しを受けるスプールの
加速についていけずスプールの回転に遅れる慣性部材を
も有する。従って、慣性部材とスプールは互いに回転す
る。この相対的回転がリトラクタをロックするように爪
の回転を起動するのに利用されている。

ウエブ感知シートベルトリトラクタは一般に比較的複雑
な構造になる傾向がある。従ってウエブ感知シートベル
トリトラクタの改良が望まれている。

＜問題点を解決するための手段＞本発明は新規かつ改良されたウエブ感知シートベルトリ
トラクタである。リトラクタはベルト引き出し方向また
はベルト引き込み方向に回転するスプールを支持するフ
レームを有する。爪はベルト引き出し方向にスプールを
回転させる解放位置とベルト引き出し方向のスプールの
回転を阻止するロック位置の間で回転する。爪はベルト
引き出し方向への所定速度以上のスプールの加速に応答
して解放位置からロック位置に向って回転する。バネは
爪がロック位置に向って所定位置をこえて動くと爪をロ
ック位置におしつける。

バネはリトラクタフレームに片末端でとりつけられたリ
ーフバネである。バネの第二の末端は爪に係合してい
る。爪の回転軸線とバネのフレームへのとりつけ位置を
結ぶ線で定義される所定位置をこえてロック位置に向っ
て爪とバネの第二の末端が動くときバネは爪を更にその
方向に動かす。そして、バネは爪が所定位置をこえてロ
ック位置へ向って動くとすぐロック位置まで動かす。

ベルト引き出し方向のスプールの所定速度以上の回転の
加速に応答するベルト加速応答手段が爪をロック位置に
向って動かす。このベルト加速応答手段は慣性機構を有
する。好適な具体例においては、爪は慣性機構とスプー
ルの相対的回転に応答してロック位置に向って動く。相
対的回転はスプールが所定速度以上の加速度でベルト引
き出し方向に回転するときに生ずる。慣性機構は所定速
度以上に加速できずそのためスプールに遅れて回転する
ような質量の慣性部材を有する。慣性機構が遅れて回転
すると爪はロック位置に向って回転することになる。

＜実施例＞ウエブ感知シートベルトリトラクタ10を第１図及び第２
図に示す。シートベルトリトラクタ10はフレーム12を有
する。フレーム12はベース部14と、これと一体に形成さ
れ横方向に間隔をあけた略平行な一対の側部16,18を有
する。リトラクタ10はまた、フレーム側部16,18の間に
位置するスプール20を備えている。シャフト22はフレー
ムの側部16と18で支承され、その長手方向中心軸線Ａの
周りに回転するようにスプール20を支持している。シー
トベルト24はスプール20に取付けられている。スプール
20がベルト引き込み方向に回転すると、スプール表面に
シートベルト24が巻きつけられる。スプール20がベルト
引き出し方向に回転すると、シートベルト24がスプール
から巻きほどかれる。

シートベルトリトラクタ10はスプール20の末端に固定さ
れている歯のついたラチエット車26を有する。ラチエッ
ト車26はフレームの側部16に隣接しその内部に配置され
ている。バネ（図示せず）がフレームの他の側部18の外
部で室28の中に配置されている。このバネはスプール20
をベルト引き込み方向に付勢し、これによりスプール20
の表面にシートベルト24が巻きつけられる。

シートベルトリトラクタ10は、所定状態で矢印31（第２
図及び第３図）の方向にベルトが引き出されるとき矢印
27の方向にスプールが回転するのを妨げる爪30（第１図
及び第３図）を有する。この爪30はフレームの側部16に
取付けられたハウジング36の中で軸線Ｂの周りに回転す
るように支持されている。爪は軸線Ｂ上にありハウジン
グ36の部分32,34の開口29に支承されたシャフト25上で
回転する。爪30はラチエット車に隣接しこれを横切って
延びている。爪30は第１、３、４図に示す解放位置と第
２、５、６図に示すロック位置の間で回転可能である。
解放位置において爪30はラチエット車の周囲の歯38から
ずれてベルト引き出し方向27にスプール20を回転させ
る。ロック位置においては爪30は歯38に係合し、スプー
ル20がベルト引き出し方向27に回転するのを阻止する。
爪30がラチエットの歯と係合するときベルト24が矢印37
の方向にスプール上に引き込まれるときラチエット歯38
はスプール20を矢印35の方向に回転させる。

シートベルトリトラクタ10はＵ字形の鋼のリーフバネ40
（第３図〜第６図に示す）を有する。バネ40はハウジン
グ36に取付けられたピン42の一方の末端に固定されてい
る。バネ40の他端はロック用爪30の細くなった先端部44
と係合している。

バネ40は第３図および第４図に示される最初の位置と第
５図および第６図に示される第二の位置の間で動く。最
初の位置においてバネ40は第３図および第４図に矢印45
で示されるように爪30をラチエット車26から解放位置に
付勢する。第二の位置においては第５図および第６図に
矢印47で示されるようにラチエット車26に向ってロック
方向に付勢する。バネ40はロック用爪30の先端部44の動
きに従って所定位置を超えて最初の位置と第二の位置の
間で動く。所定位置は軸線Ｂとバネ40が接続しているピ
ン42の中心を結ぶ線Ｘで定められる。爪の先端部44が線
Ｘの一方の側から他の側に与えられた方向に動くとバネ
40は機械的に停止する迄、更に、爪を回転させる。爪30
はその先端部44がラチエット車26と係合するとき、また
は、シャフト25が第３図および第５図に示すようにハウ
ジングの部分32,34の開口29を形成する下方のアーチ形
表面と係合するとき機械的にその動きを止められる。爪
30が解放位置またはロック位置のいずれかにあるときバ
ネ40は爪30をその位置に保つように付勢する。

ベルト加速応答手段が設けられ、このベルト加速応答手
段は慣性機構46を有する。

爪の先端部44は機構46によって線Ｘの一方の側から他の
側へロック方向に動かされる。この動きは所定速度以上
の加速度でスプール20がベルト引き出し方向に回転する
のに応答して起きる。機構46（第４図および第６図）は
遊星ギヤ装置48とこの遊星ギヤ装置48をロック用爪30に
接続するための接続機構50を有する。遊星ギヤ装置48は
太陽ギヤ52、リングギヤ54および遊星ギヤ56を有する。
太陽ギヤ52は外周歯58を有する。リングギヤ54は内周歯
60を有する。遊星ギヤ56は太陽ギヤ52の外周歯58および
リングギヤ54の内周歯60とかみ合う外周歯62を有する。
遊星ギヤ56は太陽ギヤ52とリングギヤ54の相対的回転に
応答してシャフト22とスプール20の中心軸線Ａの周りを
動く。

太陽ギヤ52はシャフト22に接続されておりシャフトおよ
びスプールと共に回転する。中央シャフト64は太陽ギヤ
と一体として形成されそれから延びている。シャフト64
はリングギヤ54の中央ハブ66で受け止められている。太
陽ギヤ52とリングギヤ54は同軸であり軸線Ａの周りに回
転する。

円形の重りを有するボディ68がリングギヤの半径方向に
延びている外側の側部表面に隣接して接続されている。
重りを有するボディ68には中央開口70が設けてあり、半
径方向により小さい開口72が配置されている。中央ハブ
66が開口70から突出しており、重りを有するボディ68を
支持している。リングギヤ54上に軸方向に延びているピ
ン74が半径方向に配置されたより小さな開口72に突出し
ており、リングギヤと重りを有するボディ68の相対的回
転を阻止する。リングギヤ54と重りを有するボディ68は
スプール20および太陽ギヤと相対的に回転する慣性機構
を構成する。慣性機構の質量はスプール20が所望の所定
速度以下の加速度でベルト引き出し方向に回転するとき
太陽ギヤ52が遊星ギヤ56を動かし、順次遊星ギヤがリン
グギヤ54を動かし、そのリングギヤの動きが太陽ギヤ52
と一体となるように設定される。このような相対的に小
さい加速度はシートベルト24を締めるために引き出すと
き、または通常の運転中に経験される。スプール20が所
定速度をこえる速度に加速されるとき慣性機構とリング
ギヤ54の回転は太陽ギヤ52の回転に遅れる。このような
相対的に大きい加速度は車の事故や突然の減速時にシー
トベルト24が突然引き出される場合に経験される。

慣性機構がスプール20および太陽ギヤ52と一体となって
回転するとき、遊星ギヤ56は第４図に示すように軸線Ａ
の周りを動かない。慣性機構の回転がスプール20および
太陽ギヤ52から遅れる関係にあるとき遊星ギヤは軸線Ａ
の周りを動く。これが遊星ギヤ56が第４図の位置と第６
図の位置とで少し動いている原因である。このような遊
星ギヤ56の動きは爪30を第４図の解放位置から第６図の
ロック位置へ向って動かす原因となる。接続機構50が遊
星ギヤ56を爪30とつなぐため爪30のロック位置へ向かう
動きが生ずる。このように接続機構は軸線Ａ周りの遊星
ギヤ56の動きを爪に伝える。爪の先端部44がロック位置
に向って線Ｘをこえて動くとバネ40は爪をロック位置に
おしつけ、ラチエット車26と係合させる。先端部44はラ
チエット車の歯38と係合して第６図に示すようにスプー
ル20が時計回りに更に回転するのを妨げベルトの引き出
しを阻止する。

接続機構50は第１図及び第２図に示すように一方には太
陽ギヤ52とリングギヤ54の間に配置された円板を有し他
方にはハウジングの壁78を有する。円板76はハウジング
の壁78と一体として作られ、中央ハブ80に回転可能には
めこまれている。リングギヤ52のシャフト部82は中央ハ
ブ80をこえて広がっており、シャフト22とリングギヤを
駆動的に接続している。円板76は軸線Ａの周りにハブ8
0、スプール20、太陽ギヤ52およびリングギヤ54と相対
的に回転可能である。ピン84は軸線Ａから半径方向外側
に位置する点で太陽ギヤの歯58とリングギヤの歯60の間
に固定されている。遊星ギヤ56はピン84に回転可能には
めこまれている。起動アーム86は円板76の外面に接続さ
れ半径方向外側に突き出ている。アーム86の最外端に固
定されたピン92が軸線方向にアームから突き出ている。
ピン92は爪30に接続し爪と共に回転するリンク88の細長
い穴の先端部90で受けとめられている。

遊星ギヤ56が第４図の位置から第６図の位置へ軸線Ａの
周りに動くと円板76は軸線Ａの周りに時計周りに回転す
る。起動アーム86はリンク88とロック用爪30をその回転
軸線Ｂの周りに反時計回りに回転させる。爪30の先端部
44が線Ｘをこえて動くとバネ40は軸線Ｂの周りに反時計
方向に爪を更に動かせロック位置に押しつける。シート
ベルト24に使用者の動きの力による張力が残っている間
爪30はラチエット車の歯38と係合状態を保つ。シートベ
ルト24から一旦、張力がとりさられると室28中の引き込
みバネがスプール20をベルト引き込み方向に回転させ
る。しかし、爪30はバネ40によってロック位置に付勢さ
れており従ってシートベルト24の引き出しは阻止され
る。

シートベルトリトラクタ10は更に解放手段を有し、この
解放手段は、ロック用爪30に接続されこの爪と共に回転
可能であり、且つスプール20に巻かれたベルトの量を感
知するアーム94（第１、２、３および４図）を備えてい
る。アーム94はベルトの縁をおおって位置しベルトと係
合しスプールに巻かれるベルトの量が増すにつれ半径方
向外側に動く。ベルト24がスプール20に所定量巻かれる
とアーム94が動いて爪30を回転させる。ロック用爪30は
アーム94によって第４図に示すようにロック位置から解
放位置に向って時計回りに回転させられる。爪30の先端
部44が線Ｘによって定められる所定位置をすぎて戻ると
第６図に示すようにバネ40が爪30を更に解放位置に向っ
て時計回りに回転させる。

太陽ギヤ52、リングギヤ54、遊星ギヤ56および円板76は
金属又はプラスチックで作ることができる。もし、リン
グギヤ54がプラスチック製であれば重りを有するボディ
68はリングギヤに質量を与え所望の質量を供給するため
金属製とすることが好ましい。

＜発明の効果＞本発明によれば、上述の如く、爪を作動するバネと、爪
をロック位置に向って移動するベルト加速応答手段と、
爪を解放位置に向って移動する解放手段を設けたことに
よって爪の作動を円滑且つ確実に行えるという実益があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施するウエブ感知シートベルトリト
ラクタの一部断面せる平面図、第２図はリトラクタの別
な位置における第１図同様の平面図、第３図は第１図の
３−３線から見た断面図、第４図は第１図の４−４線か
ら見た一部切欠せる側面図、第５図は第２図の５−５線
から見たリトラクタの断面図、第６図は第２図の６−６
線から見た一部切欠せる側面図である。 10……シートベルトリトラクタ 12……フレーム、20……スプール 24……シートベルト、26……ラチエット車 30……爪

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】フレームと、軸線の周りに回転するように
前記フレームによって支持されたスプールと、前記スプ
ールに接続されベルト引き出し方向のスプールの回転時
にスプールから巻きほどかれベルト引き込み方向のスプ
ールの回転時にスプールに巻きつけられるシートベルト
ウエブと、前記スプールに接続され該スプールと共に回
転可能なラチエット車と、前記ラチエット車から解放さ
れて前記スプールを回転させる解放位置と前記ラチエッ
ト車と係合して前記スプールのベルト引き出し方向への
回転を阻止するロック位置との間に移動可能な爪と、該
爪を前記ロック位置又は解放位置のいずれかに付勢する
と共に前記フレームに接続されたバネと、前記スプール
および爪に組込まれたベルト加速応答手段と、解放手段
とを備え、前記バネは、前記爪の枢着位置と、解放位置
およびロック位置の夫々に向かう方向で該バネのフレー
ムに接続されている点とを結ぶ線によって画定される所
定位置を超えて爪が移動した後に、該爪を解放位置又は
ロック位置のいずれかに移動せしめ、前記ベルト加速応
答手段は、前記バネが前記爪をロック位置に移動するこ
とができるようにスプールが所定以上の加速度でベルト
引き出し方向へ回転するのに応じて前記爪を前記解放位
置から前記ロック位置に向って前記所定位置を超えて移
動せしめ、該ベルト加速応答手段は、前記スプールが所
定以上の加速度で回転するときに前記スプールに対して
遅れて回転する慣性機構を含み、前記バネは、前記爪が
そのロック位置に移動した後に該爪をそのロック位置に
保持し、前記解放手段は、前記バネが前記爪を解放位置
に移動することができるように所定量のシートベルトウ
エブがスプール上に巻きつけられるのに応じて前記爪を
ロック位置から解放位置に向かって前記所定位置を超え
て移動せしめ、且つ該解放手段は前記スプールに巻きつ
けられるシートベルトウエブに係合し且つ爪を解放位置
に向かって移動するように爪に接続されたアームを備え
て成るシートベルトリトラクタ。
【請求項２】前記慣性機構は軸線周りに回転可能な遊星
ギヤを有する遊星ギヤ装置と、前記遊星ギヤが軸線周り
に回転するのに応じて前記爪を解放位置からロック位置
に向かって移動するように前記遊星ギヤを爪に接続する
接続機構とを含み、前記慣性機構は、前記スプールの加
速度が所定の加速度を超えたとき遊星ギヤを軸線周りに
旋回せしめるように遊星ギヤ装置に作用する特許請求の
範囲第１項記載のシートベルトリトラクタ。