JPH0779005A - 有機物超格子光応答デバイス - Google Patents
有機物超格子光応答デバイスInfo
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- JPH0779005A JPH0779005A JP4242933A JP24293392A JPH0779005A JP H0779005 A JPH0779005 A JP H0779005A JP 4242933 A JP4242933 A JP 4242933A JP 24293392 A JP24293392 A JP 24293392A JP H0779005 A JPH0779005 A JP H0779005A
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Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
- Y02E10/549—Organic PV cells
Landscapes
- Photovoltaic Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 材料選択の自由度が広く、変換効率を上げ十
分な感度を得ることができる有機物超格子光応答デバイ
スを提供することを目的とするものである。 【構成】 バンドギャップがほぼ同じであって電子親和
力(イオン化ポテンシャル)が異なる有機物質を交互に
積層1、2して有機物超格子光応答デバイスを作成す
る。この構成により、電子量子井戸とホール量子井戸が
2つの相に分離して形成されるため、電子とホールがそ
れぞれの井戸に落ち込む。したがって、フォトセンサ等
の光応答デバイスとして高い感度を得ることができる。
分な感度を得ることができる有機物超格子光応答デバイ
スを提供することを目的とするものである。 【構成】 バンドギャップがほぼ同じであって電子親和
力(イオン化ポテンシャル)が異なる有機物質を交互に
積層1、2して有機物超格子光応答デバイスを作成す
る。この構成により、電子量子井戸とホール量子井戸が
2つの相に分離して形成されるため、電子とホールがそ
れぞれの井戸に落ち込む。したがって、フォトセンサ等
の光応答デバイスとして高い感度を得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機物の薄膜を交互に
積層して形成した有機物超格子光応答デバイスに関す
る。
積層して形成した有機物超格子光応答デバイスに関す
る。
【0002】
【従来の技術】フォトセンサや太陽電池に用いられる半
導体デバイスとして、GaAs系の異種の無機物質を使
って積層した超格子ヘテロ構造デバイス等がある。これ
は、GaAsとAlGaAs等の異種物質を組み合わせ
て面状、線状、格子状に積層して異種物質の障壁で電子
閉じ込め層を形成し、量子井戸、量子細線、量子箱とす
るものである。
導体デバイスとして、GaAs系の異種の無機物質を使
って積層した超格子ヘテロ構造デバイス等がある。これ
は、GaAsとAlGaAs等の異種物質を組み合わせ
て面状、線状、格子状に積層して異種物質の障壁で電子
閉じ込め層を形成し、量子井戸、量子細線、量子箱とす
るものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の無
機物質を材料とする超格子では、GaAsとAlGaA
sのように材料が特定のものに限られてしまい、材料選
択の自由度が少ないこと、実用化にはまだ変換効率が低
く、感度が十分でないという問題がある。
機物質を材料とする超格子では、GaAsとAlGaA
sのように材料が特定のものに限られてしまい、材料選
択の自由度が少ないこと、実用化にはまだ変換効率が低
く、感度が十分でないという問題がある。
【0004】本発明は、上記の課題を解決するものであ
って、材料選択の自由度が広く、変換効率の高い高感度
の有機物超格子光応答デバイスを提供することを目的と
するものである。
って、材料選択の自由度が広く、変換効率の高い高感度
の有機物超格子光応答デバイスを提供することを目的と
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そのために本発明の有機
物超格子光応答デバイスは、バンドギャップがほぼ同じ
であって電子親和力(イオン化ポテンシャル)が異なる
有機物質を数十Åの膜厚で交互に積層したことを特徴と
するものである。
物超格子光応答デバイスは、バンドギャップがほぼ同じ
であって電子親和力(イオン化ポテンシャル)が異なる
有機物質を数十Åの膜厚で交互に積層したことを特徴と
するものである。
【0006】
【作用】本発明の有機物超格子光応答デバイスでは、バ
ンドギャップがほぼ同じであって電子親和力(イオン化
ポテンシャル)が異なる有機物質を数十Åの膜厚で交互
に積層するので、電子量子井戸とホール量子井戸が空間
的に分離して形成されるため、電子とホールがそれぞれ
の井戸に落ち込む。したがって、フォトセンサ等の光応
答デバイスとして高い感度を得ることができる。
ンドギャップがほぼ同じであって電子親和力(イオン化
ポテンシャル)が異なる有機物質を数十Åの膜厚で交互
に積層するので、電子量子井戸とホール量子井戸が空間
的に分離して形成されるため、電子とホールがそれぞれ
の井戸に落ち込む。したがって、フォトセンサ等の光応
答デバイスとして高い感度を得ることができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。図1は本発明の有機物超格子光応答デバイスの
1実施例を示す図、図2は本発明の有機物超格子光応答
デバイスの構造の電子とホールの状態、バンドギャップ
を説明するための図であり、図1において、1はフタロ
シアニン層、2はインジゴ層、3と4は電極、5はガラ
ス基板を示す。
明する。図1は本発明の有機物超格子光応答デバイスの
1実施例を示す図、図2は本発明の有機物超格子光応答
デバイスの構造の電子とホールの状態、バンドギャップ
を説明するための図であり、図1において、1はフタロ
シアニン層、2はインジゴ層、3と4は電極、5はガラ
ス基板を示す。
【0008】本発明の有機物超格子光応答デバイスは、
図1に示すようにガラス基板5上に真空蒸着法により、
フタロシアニン層1、インジゴ層2からなる有機物質の
薄膜を交互に積層した超格子を形成し、両側に電極3と
4を設けたものである。
図1に示すようにガラス基板5上に真空蒸着法により、
フタロシアニン層1、インジゴ層2からなる有機物質の
薄膜を交互に積層した超格子を形成し、両側に電極3と
4を設けたものである。
【0009】一般に有機物質中において、光励起された
電子とホールは、エキシトンを形成し光電流には寄与で
きない。そこで、超格子構造中にできたエネルギー勾配
や量子井戸を利用してエキシトンを電子とホールに解離
する方法が考えられるが、光吸収帯(バンドギャップ)
の異なる物質で超格子構造を形成する方法では、エキシ
トンが層に閉じ込められるため、かえって電子とホール
の結合エネルギーが増加し有効ではない。
電子とホールは、エキシトンを形成し光電流には寄与で
きない。そこで、超格子構造中にできたエネルギー勾配
や量子井戸を利用してエキシトンを電子とホールに解離
する方法が考えられるが、光吸収帯(バンドギャップ)
の異なる物質で超格子構造を形成する方法では、エキシ
トンが層に閉じ込められるため、かえって電子とホール
の結合エネルギーが増加し有効ではない。
【0010】上記本発明の有機物超格子光応答デバイス
は、超格子中でのエキシトンの閉じ込めを防ぎ、結合エ
ネルギーを低下させるため、光吸収帯の重なっている波
長領域が広い2種類の有機物から超格子を作成するもの
であり、その2種類の有機物に相当するのが例えばフタ
ロシアニン層1とインジゴ層2である。
は、超格子中でのエキシトンの閉じ込めを防ぎ、結合エ
ネルギーを低下させるため、光吸収帯の重なっている波
長領域が広い2種類の有機物から超格子を作成するもの
であり、その2種類の有機物に相当するのが例えばフタ
ロシアニン層1とインジゴ層2である。
【0011】上記本発明の有機物超格子光応答デバイス
に、この光吸収帯域の波長の光を照射すると、それぞれ
の系でエキシトンが発生し、互いに相互作用することに
よって、波動関数が広がる。そして、図2(イ)に示す
ように電子量子井戸とホール量子井戸がフタロシアニン
層1とインジゴ層2からなる2つの相に分離して形成さ
れているため、電子とホールがそれぞれの井戸に落ち込
む。したがって、このような電子とホールは、電極3、
4を配置してフタロシアニン層1とインジゴ層2が交互
に積層してなる層に平行に電圧をかけることにより電流
として取り出すことができる。
に、この光吸収帯域の波長の光を照射すると、それぞれ
の系でエキシトンが発生し、互いに相互作用することに
よって、波動関数が広がる。そして、図2(イ)に示す
ように電子量子井戸とホール量子井戸がフタロシアニン
層1とインジゴ層2からなる2つの相に分離して形成さ
れているため、電子とホールがそれぞれの井戸に落ち込
む。したがって、このような電子とホールは、電極3、
4を配置してフタロシアニン層1とインジゴ層2が交互
に積層してなる層に平行に電圧をかけることにより電流
として取り出すことができる。
【0012】フタロシアニン層1とインジゴ層2のよう
に光吸収帯の重なっている波長領域が広い2種類の有機
物質は、図2(ロ)に示すようにLUMO(Lowest Unoc
cupied Moleculer Orbital) とHOMO(Highest Occup
ied Moleculer Orbital)との間のバンドギャップΔEが
ほぼ同じであって電子親和力(イオン化ポテンシャル)
が異なるものである。これらを真空蒸着によりガラス基
板5上にそれぞれ数十Åの膜厚で交互に積層することは
容易である。
に光吸収帯の重なっている波長領域が広い2種類の有機
物質は、図2(ロ)に示すようにLUMO(Lowest Unoc
cupied Moleculer Orbital) とHOMO(Highest Occup
ied Moleculer Orbital)との間のバンドギャップΔEが
ほぼ同じであって電子親和力(イオン化ポテンシャル)
が異なるものである。これらを真空蒸着によりガラス基
板5上にそれぞれ数十Åの膜厚で交互に積層することは
容易である。
【0013】図3はフタロシアニンとインジゴ及びこれ
らの超格子の光吸収スペクトルを示す図、図4は超格子
の光電流作用スペクトルを示す図である。
らの超格子の光吸収スペクトルを示す図、図4は超格子
の光電流作用スペクトルを示す図である。
【0014】インジゴ単独成分の薄膜の光吸収スペクト
ルは、図3のaに示すように700nm近い波長領域に
ピークがあるのに対し、フタロシアニン単独成分の薄膜
の光吸収スペクトルは、図3のbに示すように700n
mよりのやや短い波長領域にピークがある。そして、こ
れらフタロシアニンとインジゴを10-5Torrにてガ
ラス基板上に30Åずつ交互に蒸着して300Åの薄膜
を作成した超格子における光吸収スペクトルは、図3の
c(dは基準レベルをシフトしたもの)に示すように単
独成分の薄膜で現れるピークに対応する波長領域に2つ
の山が現れる。これらから、フタロシアニンとインジゴ
を交互蒸着した薄膜の光吸収スペクトルは、単独成分の
薄膜の光吸収スペクトルの重ね合わせで再現され、新し
いピークは現れていないことが判る。また、近紫外領域
にも新たな吸収帯は見られなかった。暗状態での電流と
電圧は比例していて導電率は、4×10-8S/cmであ
った。なお、交互蒸着膜の光電流作用スペクトルは、膜
の表面に金電極を真空蒸着でつけて1kV/cmを印加
して測定した。光電流スペクトルの形を示したのが図4
であり、インジゴの光吸収スペクトルに似ている。ま
た、フタロシアニンとインジゴの単成分薄膜の光電流
は、交互蒸着膜の光電流の数%以下であった。
ルは、図3のaに示すように700nm近い波長領域に
ピークがあるのに対し、フタロシアニン単独成分の薄膜
の光吸収スペクトルは、図3のbに示すように700n
mよりのやや短い波長領域にピークがある。そして、こ
れらフタロシアニンとインジゴを10-5Torrにてガ
ラス基板上に30Åずつ交互に蒸着して300Åの薄膜
を作成した超格子における光吸収スペクトルは、図3の
c(dは基準レベルをシフトしたもの)に示すように単
独成分の薄膜で現れるピークに対応する波長領域に2つ
の山が現れる。これらから、フタロシアニンとインジゴ
を交互蒸着した薄膜の光吸収スペクトルは、単独成分の
薄膜の光吸収スペクトルの重ね合わせで再現され、新し
いピークは現れていないことが判る。また、近紫外領域
にも新たな吸収帯は見られなかった。暗状態での電流と
電圧は比例していて導電率は、4×10-8S/cmであ
った。なお、交互蒸着膜の光電流作用スペクトルは、膜
の表面に金電極を真空蒸着でつけて1kV/cmを印加
して測定した。光電流スペクトルの形を示したのが図4
であり、インジゴの光吸収スペクトルに似ている。ま
た、フタロシアニンとインジゴの単成分薄膜の光電流
は、交互蒸着膜の光電流の数%以下であった。
【0015】次に、光吸収帯の異なる有機物質で超格子
を作成した場合と光吸収帯の重なっている波長領域が広
い2種類の有機物で超格子を作成した場合の比較例につ
いて説明する。
を作成した場合と光吸収帯の重なっている波長領域が広
い2種類の有機物で超格子を作成した場合の比較例につ
いて説明する。
【0016】図5はフタロシアニンの光電流作用スペク
トルを示す図、図6はPTCDA(ペリレンテトラカル
ボン酸二無水物)の光電流作用スペクトルを示す図、図
7はフタロシアニンとPTCDAの実測された吸収スペ
クトル及びこれらを重ね合わせた光吸収スペクトルの計
算値を示す図、図8はフタロシアニンとPTCDAの超
格子の光吸収スペクトルの実測値を示す図である。
トルを示す図、図6はPTCDA(ペリレンテトラカル
ボン酸二無水物)の光電流作用スペクトルを示す図、図
7はフタロシアニンとPTCDAの実測された吸収スペ
クトル及びこれらを重ね合わせた光吸収スペクトルの計
算値を示す図、図8はフタロシアニンとPTCDAの超
格子の光吸収スペクトルの実測値を示す図である。
【0017】上記実施例では、光吸収帯の重なっている
波長領域が広い2種類の有機物であるフタロシアニンと
インジゴで超格子を作成したが、これらとは光吸収帯の
異なるPTCDAをフタロシアニンと組み合わせた場合
について説明する。まず、光電流作用スペクトルは、フ
タロシアニンの例をみると図5に示すように600nm
付近の波長領域にピークができる。また、PTCDAの
例をみると図6に示すようにフタロシアニンより短い波
長領域の480nm付近の波長領域にピークができる。
また、光吸収スペクトルは、フタロシアニンが図7のa
に示すように620nm付近の波長領域にピークがで
き、PTCDAが図7のbに示すように480nm付近
の波長領域にピークができるので、これらを重ね合わせ
た場合の計算値は図7のcのようにそれぞれの波長領域
に対応して2つのピークができる。これに対し、フタロ
シアニンとPTCDAの超格子では、ほぼ計算値とおり
の図8に示すような光吸収特性が得られた。このフタロ
シアニンとPTCDAの超格子を先に説明した本発明の
実施例のフタロシアニンとインジゴの超格子と比較した
のが下記の表1である。
波長領域が広い2種類の有機物であるフタロシアニンと
インジゴで超格子を作成したが、これらとは光吸収帯の
異なるPTCDAをフタロシアニンと組み合わせた場合
について説明する。まず、光電流作用スペクトルは、フ
タロシアニンの例をみると図5に示すように600nm
付近の波長領域にピークができる。また、PTCDAの
例をみると図6に示すようにフタロシアニンより短い波
長領域の480nm付近の波長領域にピークができる。
また、光吸収スペクトルは、フタロシアニンが図7のa
に示すように620nm付近の波長領域にピークがで
き、PTCDAが図7のbに示すように480nm付近
の波長領域にピークができるので、これらを重ね合わせ
た場合の計算値は図7のcのようにそれぞれの波長領域
に対応して2つのピークができる。これに対し、フタロ
シアニンとPTCDAの超格子では、ほぼ計算値とおり
の図8に示すような光吸収特性が得られた。このフタロ
シアニンとPTCDAの超格子を先に説明した本発明の
実施例のフタロシアニンとインジゴの超格子と比較した
のが下記の表1である。
【0018】
【表1】 表1において、ΔEはバンドギャップ(eV)、σd は
暗導電率(S/cm)、Δσp は光導電率(光照射によ
り増加した分:S/cm)、超格子Aはインジゴとフタ
ロシアニン(NiPc)との超格子、超格子BはPTC
DAとフタロシアニンとの超格子である。
暗導電率(S/cm)、Δσp は光導電率(光照射によ
り増加した分:S/cm)、超格子Aはインジゴとフタ
ロシアニン(NiPc)との超格子、超格子BはPTC
DAとフタロシアニンとの超格子である。
【0019】上記表1から明らかなようにインジゴとフ
タロシアニンからなる超格子Aでは、大きい光導電率Δ
σp が得られたが、PTCDAとフタロシアニンからな
る超格子Bでは、光導電率Δσp が小さく例えばフォト
センサとして使用できるような感度は得られなかった。
タロシアニンからなる超格子Aでは、大きい光導電率Δ
σp が得られたが、PTCDAとフタロシアニンからな
る超格子Bでは、光導電率Δσp が小さく例えばフォト
センサとして使用できるような感度は得られなかった。
【0020】上記のようにPTCDAとフタロシアニン
からなる超格子の場合には、フォトセンサに使えるよう
な高い感度が得られなかったが、PTCDAに対し光吸
収帯の重なっている波長領域が広い例えばキナクリドン
を組み合わせれば、インジゴとフタロシアニンからなる
超格子と同様に感度を高めることができる。
からなる超格子の場合には、フォトセンサに使えるよう
な高い感度が得られなかったが、PTCDAに対し光吸
収帯の重なっている波長領域が広い例えばキナクリドン
を組み合わせれば、インジゴとフタロシアニンからなる
超格子と同様に感度を高めることができる。
【0021】なお、本発明は、上記の実施例に限定され
るものではなく、種々の変形が可能である。例えば上記
の実施例では、バンドギャップΔEがほぼ同じであって
電子親和力(イオン化ポテンシャル)が異なる有機物質
を数十Åの膜厚で交互に積層したが、それぞれの膜厚を
同一にするだけでなく、異なる膜厚にしてもよい。ま
た、フォトセンサとして説明したが、有機物の仕事関数
が他物質の吸着により変化することを利用することによ
って、煙センサやガスセンサ、食物等の鮮度センサその
他の特定の物質を選択的に検出するセンサ等として構成
できることはいうまでもない。例えば煙センサの場合に
は、所定の光源により本発明のデバイスに照射しておく
ことによって、光源とデバイスとの間の煙濃度に対応し
た出力信号を取り出すようにすればよい。さらに、本発
明は、EL、発光素子としても応用できる。
るものではなく、種々の変形が可能である。例えば上記
の実施例では、バンドギャップΔEがほぼ同じであって
電子親和力(イオン化ポテンシャル)が異なる有機物質
を数十Åの膜厚で交互に積層したが、それぞれの膜厚を
同一にするだけでなく、異なる膜厚にしてもよい。ま
た、フォトセンサとして説明したが、有機物の仕事関数
が他物質の吸着により変化することを利用することによ
って、煙センサやガスセンサ、食物等の鮮度センサその
他の特定の物質を選択的に検出するセンサ等として構成
できることはいうまでもない。例えば煙センサの場合に
は、所定の光源により本発明のデバイスに照射しておく
ことによって、光源とデバイスとの間の煙濃度に対応し
た出力信号を取り出すようにすればよい。さらに、本発
明は、EL、発光素子としても応用できる。
【0022】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、バンドギャップΔEがほぼ同じであって電子
親和力(イオン化ポテンシャル)が異なる有機物質を数
十Åの膜厚で交互に積層するので、無機物半導体に比べ
て非常に多種の組み合わせを選択することができ、波長
選択の自由度の高い有機物超格子光応答デバイスを提供
することができる。しかも、用途に応じ多様な材料を選
択することができ、変換効率の高い高感度のデバイスを
得ることができる。
によれば、バンドギャップΔEがほぼ同じであって電子
親和力(イオン化ポテンシャル)が異なる有機物質を数
十Åの膜厚で交互に積層するので、無機物半導体に比べ
て非常に多種の組み合わせを選択することができ、波長
選択の自由度の高い有機物超格子光応答デバイスを提供
することができる。しかも、用途に応じ多様な材料を選
択することができ、変換効率の高い高感度のデバイスを
得ることができる。
【図1】 本発明の有機物超格子光応答デバイスの1実
施例を示す図である。
施例を示す図である。
【図2】 本発明の有機物超格子光応答デバイスの構造
の電子とホールの状態、バンドギャップを説明するため
の図である。
の電子とホールの状態、バンドギャップを説明するため
の図である。
【図3】 フタロシアニンとインジゴ及びこれらの超格
子の光吸収スペクトルを示す図である。
子の光吸収スペクトルを示す図である。
【図4】 超格子の光電流作用スペクトルを示す図を示
す図である。
す図である。
【図5】 フタロシアニンの光電流作用スペクトルを示
す図である。
す図である。
【図6】 PTCDA(ペリレンテトラカルボン酸二無
水物)の光電流作用スペクトルを示す図である。
水物)の光電流作用スペクトルを示す図である。
【図7】 フタロシアニンとPTCDA及びこれらを重
ね合わせた光吸収スペクトルの計算値を示す図である。
ね合わせた光吸収スペクトルの計算値を示す図である。
【図8】 フタロシアニンとPTCDAの超格子の光吸
収スペクトルの計測値を示す図である。
収スペクトルの計測値を示す図である。
1…フタロシアニン層、2…インジゴ層、3と4…電
極、5…ガラス基板
極、5…ガラス基板
Claims (2)
- 【請求項1】 バンドギャップがほぼ同じであって電子
親和力が異なる有機物質の薄膜を交互に積層して超格子
構造としたことを特徴とする有機物超格子光応答デバイ
ス。 - 【請求項2】 異なる有機物質をガラス基板上に真空蒸
着して薄膜を交互に積層し両側に電極を配置したことを
特徴とする請求項1記載の有機物超格子光応答デバイ
ス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4242933A JPH0779005A (ja) | 1992-09-11 | 1992-09-11 | 有機物超格子光応答デバイス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4242933A JPH0779005A (ja) | 1992-09-11 | 1992-09-11 | 有機物超格子光応答デバイス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0779005A true JPH0779005A (ja) | 1995-03-20 |
Family
ID=17096380
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4242933A Pending JPH0779005A (ja) | 1992-09-11 | 1992-09-11 | 有機物超格子光応答デバイス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0779005A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001357975A (ja) * | 2000-06-16 | 2001-12-26 | Rohm Co Ltd | 有機el素子 |
JP2002523904A (ja) * | 1998-08-19 | 2002-07-30 | ザ、トラスティーズ オブ プリンストン ユニバーシティ | 有機感光性光電子装置 |
US8519258B2 (en) | 1998-08-19 | 2013-08-27 | The Trustees Of Princeton University | Organic photosensitive optoelectronic devices with transparent electrodes |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS62222668A (ja) * | 1986-03-25 | 1987-09-30 | Toshiba Corp | 有機薄膜素子 |
JPH04137666A (ja) * | 1990-09-28 | 1992-05-12 | Toshiba Corp | 有機薄膜素子 |
-
1992
- 1992-09-11 JP JP4242933A patent/JPH0779005A/ja active Pending
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