JPH0778961A - 量子演算素子 - Google Patents
量子演算素子Info
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- JPH0778961A JPH0778961A JP17261893A JP17261893A JPH0778961A JP H0778961 A JPH0778961 A JP H0778961A JP 17261893 A JP17261893 A JP 17261893A JP 17261893 A JP17261893 A JP 17261893A JP H0778961 A JPH0778961 A JP H0778961A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 消費電力が極めて低く、XOR演算またはX
NOR演算を高速で行うことができ、しかも簡単な製造
プロセスにより製造することができる量子演算素子を実
現する。 【構成】 互いに電子がトンネリング可能な間隔で二段
の量子ドットQD1 および量子ドットQD2 を配置す
る。光励起により量子ドットQD2 内に電子を入力し、
この電子をトンネリングにより量子ドットQD1 内に入
れる。この量子ドットQD2 への電子の入力の有無を入
力ビット情報とする。出力は、量子ドットQD1 のサブ
バンド間のエネルギー差に共鳴する波長の光を照射し、
その吸収の有無を測定することにより行い、この光吸収
の有無を出力ビット情報とする。これによって、XOR
演算またはXNOR演算を行う。
NOR演算を高速で行うことができ、しかも簡単な製造
プロセスにより製造することができる量子演算素子を実
現する。 【構成】 互いに電子がトンネリング可能な間隔で二段
の量子ドットQD1 および量子ドットQD2 を配置す
る。光励起により量子ドットQD2 内に電子を入力し、
この電子をトンネリングにより量子ドットQD1 内に入
れる。この量子ドットQD2 への電子の入力の有無を入
力ビット情報とする。出力は、量子ドットQD1 のサブ
バンド間のエネルギー差に共鳴する波長の光を照射し、
その吸収の有無を測定することにより行い、この光吸収
の有無を出力ビット情報とする。これによって、XOR
演算またはXNOR演算を行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、量子演算素子に関
し、特に、いわゆる量子箱(量子ドットとも呼ばれる)
を用いた量子演算素子に関する。
し、特に、いわゆる量子箱(量子ドットとも呼ばれる)
を用いた量子演算素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の高集積の半導体メモリにおいて
は、メモリセルのキャパシターに蓄積された104 個程
度の電子により1ビットを表している。このような半導
体メモリにおいてビット間の演算を行う際には、あるメ
モリセルのキャパシターに蓄積された104 個程度の電
子を別のメモリセルのキャパシターに移す必要がある。
は、メモリセルのキャパシターに蓄積された104 個程
度の電子により1ビットを表している。このような半導
体メモリにおいてビット間の演算を行う際には、あるメ
モリセルのキャパシターに蓄積された104 個程度の電
子を別のメモリセルのキャパシターに移す必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ようにあるメモリセルのキャパシターから別のメモリセ
ルのキャパシターに104 個程度の電子を移すために
は、1電子当たり数eVのエネルギーが必要であること
により、1ビットの演算を行うだけでも少なくとも10
4 eV以上のエネルギーが消費されてしまう。すなわ
ち、従来の半導体メモリは、消費電力が高くならざるを
得なかった。
ようにあるメモリセルのキャパシターから別のメモリセ
ルのキャパシターに104 個程度の電子を移すために
は、1電子当たり数eVのエネルギーが必要であること
により、1ビットの演算を行うだけでも少なくとも10
4 eV以上のエネルギーが消費されてしまう。すなわ
ち、従来の半導体メモリは、消費電力が高くならざるを
得なかった。
【0004】特に、パターン処理などを行う場合には、
極めて多数のビット間の演算を行わなければならないの
で、消費電力は極めて高くなる。また、従来のパターン
間の演算は、半導体メモリ上にある一つ一つのメモリセ
ルに逐次アクセスして行わなければならないので、非常
に多数のトランジスタを配線で接続した複雑な回路が必
要となり、これが処理速度の遅延の原因となっている。
さらに、このような複雑な回路を実現するためには、非
常に複雑な製造プロセスが必要である。
極めて多数のビット間の演算を行わなければならないの
で、消費電力は極めて高くなる。また、従来のパターン
間の演算は、半導体メモリ上にある一つ一つのメモリセ
ルに逐次アクセスして行わなければならないので、非常
に多数のトランジスタを配線で接続した複雑な回路が必
要となり、これが処理速度の遅延の原因となっている。
さらに、このような複雑な回路を実現するためには、非
常に複雑な製造プロセスが必要である。
【0005】従って、この発明の目的は、消費電力が極
めて低い量子演算素子を提供することにある。
めて低い量子演算素子を提供することにある。
【0006】この発明の他の目的は、構造が簡単である
ために簡単な製造プロセスにより製造することができる
量子演算素子を提供することにある。
ために簡単な製造プロセスにより製造することができる
量子演算素子を提供することにある。
【0007】この発明の他の目的は、演算を極めて高速
で行うことができる量子演算素子を提供することにあ
る。
で行うことができる量子演算素子を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の第1の発明は、互いに電子または正孔の
トンネリングが可能な間隔で配置された二段の量子箱
(QD1 、QD2 )を有し、量子箱(QD1 、QD2 )
への電子または正孔の入力の有無を入力ビット情報とす
ることを特徴とする量子演算素子である。
に、この発明の第1の発明は、互いに電子または正孔の
トンネリングが可能な間隔で配置された二段の量子箱
(QD1 、QD2 )を有し、量子箱(QD1 、QD2 )
への電子または正孔の入力の有無を入力ビット情報とす
ることを特徴とする量子演算素子である。
【0009】この発明の第2の発明は、互いに電子また
は正孔のトンネリングが可能な間隔で配置された二段の
量子箱(QD1 、QD2 )が二次元アレー状に複数配列
された構造を有し、量子箱(QD1 、QD2 )への電子
または正孔の入力の有無を入力ビット情報とすることを
特徴とする量子演算素子である。
は正孔のトンネリングが可能な間隔で配置された二段の
量子箱(QD1 、QD2 )が二次元アレー状に複数配列
された構造を有し、量子箱(QD1 、QD2 )への電子
または正孔の入力の有無を入力ビット情報とすることを
特徴とする量子演算素子である。
【0010】この発明の第3の発明は、第1の発明また
は第2の発明による量子演算素子において、上段の量子
箱(QD2 )側が下段の量子箱(QD1 )側よりも低い
電位になるようにバイアス電圧を印加した状態で、上段
の量子箱(QD2 )の電子−正孔対生成エネルギーに共
鳴する波長の光を上段の量子箱(QD2 )に照射して電
子−正孔対を生成することにより上段の量子箱(Q
D2 )への電子の入力を行い、出力時には、下段の量子
箱(QD1 )のサブバンド間のエネルギー差に共鳴する
波長の光を下段の量子箱(QD1 )に照射して光吸収を
測定するようにしたことを特徴とする量子演算素子であ
る。
は第2の発明による量子演算素子において、上段の量子
箱(QD2 )側が下段の量子箱(QD1 )側よりも低い
電位になるようにバイアス電圧を印加した状態で、上段
の量子箱(QD2 )の電子−正孔対生成エネルギーに共
鳴する波長の光を上段の量子箱(QD2 )に照射して電
子−正孔対を生成することにより上段の量子箱(Q
D2 )への電子の入力を行い、出力時には、下段の量子
箱(QD1 )のサブバンド間のエネルギー差に共鳴する
波長の光を下段の量子箱(QD1 )に照射して光吸収を
測定するようにしたことを特徴とする量子演算素子であ
る。
【0011】この発明の第4の発明は、第3の発明によ
る量子演算素子において、バイアス電圧を実質的に除去
するかまたはバイアス電圧と逆極性のバイアス電圧を印
加して下段の量子箱(QD1 )内の電子を正孔と再結合
させることにより消去を行うようにしたことを特徴とす
る量子演算素子である。
る量子演算素子において、バイアス電圧を実質的に除去
するかまたはバイアス電圧と逆極性のバイアス電圧を印
加して下段の量子箱(QD1 )内の電子を正孔と再結合
させることにより消去を行うようにしたことを特徴とす
る量子演算素子である。
【0012】この発明の第5の発明は、第1の発明、第
2の発明、第3の発明または第4の発明による量子演算
素子において、量子箱(QD1 、QD2 )はタイプII
のヘテロ接合超格子により形成されていることを特徴と
する量子演算素子である。
2の発明、第3の発明または第4の発明による量子演算
素子において、量子箱(QD1 、QD2 )はタイプII
のヘテロ接合超格子により形成されていることを特徴と
する量子演算素子である。
【0013】
【作用】上述のように構成された第1の発明による量子
演算素子および第2の発明による量子演算素子によれ
ば、二段の量子箱(QD1 、QD2 )の配列方向に適当
なバイアス電圧を印加した状態で光の照射などにより上
段の量子箱(QD2 )内に電子または正孔を入力する
と、これと同時にこの上段の量子箱(QD2 )内の電子
または正孔はトンネリングにより下段の量子箱(Q
D1 )内に入る。このような量子箱(QD1 、QD2 )
への電子または正孔の入力の有無を入力ビット情報とす
る。また、出力は、下段の量子箱(QD1 )のサブバン
ド間のエネルギー差に共鳴する波長の光をこの下段の量
子箱(QD1 )に照射して光吸収を測定することにより
行い、その光吸収の有無を出力ビット情報とする。これ
によって、XOR演算あるいはXNOR演算を行うこと
ができる。この場合、1ビットの演算を行う際に消費す
るエネルギーは極めて小さいため、この量子演算素子は
極めて低消費電力である。また、この量子演算素子は構
造が簡単であるため、簡単な製造プロセスにより製造す
ることができる。
演算素子および第2の発明による量子演算素子によれ
ば、二段の量子箱(QD1 、QD2 )の配列方向に適当
なバイアス電圧を印加した状態で光の照射などにより上
段の量子箱(QD2 )内に電子または正孔を入力する
と、これと同時にこの上段の量子箱(QD2 )内の電子
または正孔はトンネリングにより下段の量子箱(Q
D1 )内に入る。このような量子箱(QD1 、QD2 )
への電子または正孔の入力の有無を入力ビット情報とす
る。また、出力は、下段の量子箱(QD1 )のサブバン
ド間のエネルギー差に共鳴する波長の光をこの下段の量
子箱(QD1 )に照射して光吸収を測定することにより
行い、その光吸収の有無を出力ビット情報とする。これ
によって、XOR演算あるいはXNOR演算を行うこと
ができる。この場合、1ビットの演算を行う際に消費す
るエネルギーは極めて小さいため、この量子演算素子は
極めて低消費電力である。また、この量子演算素子は構
造が簡単であるため、簡単な製造プロセスにより製造す
ることができる。
【0014】さらに、第2の発明による量子演算素子に
よれば、二段の量子箱(QD1 、QD2 )が2次元アレ
ー状に複数配列された構造を有することにより、全ビッ
ト間の演算を並列的に行うことができる。このため、演
算を極めて高速で行うことができ、例えばパターン処理
を極めて高速で行うことができる。
よれば、二段の量子箱(QD1 、QD2 )が2次元アレ
ー状に複数配列された構造を有することにより、全ビッ
ト間の演算を並列的に行うことができる。このため、演
算を極めて高速で行うことができ、例えばパターン処理
を極めて高速で行うことができる。
【0015】第3の発明による量子演算素子によれば、
光照射により入力を行い、光吸収により出力を行う量子
演算素子を実現することができる。
光照射により入力を行い、光吸収により出力を行う量子
演算素子を実現することができる。
【0016】第4の発明による量子演算素子によれば、
バイアス電圧を実質的に除去するかまたは逆極性のバイ
アス電圧を印加することにより、簡単に情報の消去を行
うことができる。
バイアス電圧を実質的に除去するかまたは逆極性のバイ
アス電圧を印加することにより、簡単に情報の消去を行
うことができる。
【0017】第5の発明による量子演算素子によれば、
ヘテロエピタキシャル成長により容易に形成可能なAl
Sb/InAsヘテロ接合などのタイプIIのヘテロ接
合超格子により量子箱(QD1 、QD2 )が形成される
ことから、量子演算素子の製造を容易に行うことができ
る。
ヘテロエピタキシャル成長により容易に形成可能なAl
Sb/InAsヘテロ接合などのタイプIIのヘテロ接
合超格子により量子箱(QD1 、QD2 )が形成される
ことから、量子演算素子の製造を容易に行うことができ
る。
【0018】
【実施例】以下、この発明の実施例について図面を参照
しながら説明する。なお、実施例の全図において、同一
または対応する部分には同一の符号を付す。また、以下
の実施例においては、量子箱のことを量子ドットと呼
ぶ。
しながら説明する。なお、実施例の全図において、同一
または対応する部分には同一の符号を付す。また、以下
の実施例においては、量子箱のことを量子ドットと呼
ぶ。
【0019】まず、この発明の第1実施例による量子演
算素子について説明する。
算素子について説明する。
【0020】図1はこの第1実施例による量子演算素子
の斜視図を示し、図2は図1の線II−IIに沿う方向
の断面図を示す。なお、図1の線III−IIIに沿う
方向の断面図も図2と同様である。
の斜視図を示し、図2は図1の線II−IIに沿う方向
の断面図を示す。なお、図1の線III−IIIに沿う
方向の断面図も図2と同様である。
【0021】図1および図2において、符号W1 、W2
はそれぞれ第1の物質および第2の物質により形成され
た箱状の井戸層を示し、Bは第3の物質により形成され
た障壁層を示す。この場合、z方向に関して、井戸層W
1 と井戸層W2 とは同軸上にある。第1の物質および第
2の物質としては例えばInAsが用いられ、第3の物
質としては例えばAlSbが用いられる。ただし、第1
の物質および第2の物質として互いに異なるものを用い
てもよい。
はそれぞれ第1の物質および第2の物質により形成され
た箱状の井戸層を示し、Bは第3の物質により形成され
た障壁層を示す。この場合、z方向に関して、井戸層W
1 と井戸層W2 とは同軸上にある。第1の物質および第
2の物質としては例えばInAsが用いられ、第3の物
質としては例えばAlSbが用いられる。ただし、第1
の物質および第2の物質として互いに異なるものを用い
てもよい。
【0022】この場合、井戸層W1 が障壁層Bで囲まれ
た構造により図2中下段、すなわち一段目の量子ドット
QD1 が形成され、井戸層W2 が障壁層Bで囲まれた構
造により図1中上段、すなわち二段目の量子ドットQD
2 が形成されている。上述のように第1の物質および第
2の物質としてInAsを用い、第3の物質としてAl
Sbを用いた場合、これらの量子ドットQD1 および量
子ドットQD2 を構成するAlSb/InAsヘテロ接
合は、いわゆるタイプIIのヘテロ接合超格子である。
た構造により図2中下段、すなわち一段目の量子ドット
QD1 が形成され、井戸層W2 が障壁層Bで囲まれた構
造により図1中上段、すなわち二段目の量子ドットQD
2 が形成されている。上述のように第1の物質および第
2の物質としてInAsを用い、第3の物質としてAl
Sbを用いた場合、これらの量子ドットQD1 および量
子ドットQD2 を構成するAlSb/InAsヘテロ接
合は、いわゆるタイプIIのヘテロ接合超格子である。
【0023】障壁層Bの上面および下面には金属から成
る上部電極ELU および下部電極ELL がそれぞれ形成
されている。これらの上部電極ELU および下部電極E
LLは、量子ドットQD1 および量子ドットQD2 に対
応する部分に、それぞれ開口O1 、O2 を有する。後述
のように、これらの開口O1 、O2 は光入出力を行うた
めに用いられる。
る上部電極ELU および下部電極ELL がそれぞれ形成
されている。これらの上部電極ELU および下部電極E
LLは、量子ドットQD1 および量子ドットQD2 に対
応する部分に、それぞれ開口O1 、O2 を有する。後述
のように、これらの開口O1 、O2 は光入出力を行うた
めに用いられる。
【0024】図2の線α−αに沿う方向のエネルギーバ
ンド図を図3に示す。図3中、Ec1およびEv1はそれぞ
れ第1の物質の伝導帯の下端のエネルギーおよび価電子
帯の上端のエネルギー、Ec2およびEv2はそれぞれ第2
の物質の伝導帯の下端のエネルギーおよび価電子帯の上
端のエネルギー、Ec3およびEv3はそれぞれ第3の物質
の伝導帯の下端のエネルギーおよび価電子帯の上端のエ
ネルギー、EF はフェルミエネルギーを示す。また、φ
1 、φ2 、φ3 はそれぞれ第1の物質、第2の物質およ
び第3の物質の電子親和力を示し、これらは次式を満足
している。
ンド図を図3に示す。図3中、Ec1およびEv1はそれぞ
れ第1の物質の伝導帯の下端のエネルギーおよび価電子
帯の上端のエネルギー、Ec2およびEv2はそれぞれ第2
の物質の伝導帯の下端のエネルギーおよび価電子帯の上
端のエネルギー、Ec3およびEv3はそれぞれ第3の物質
の伝導帯の下端のエネルギーおよび価電子帯の上端のエ
ネルギー、EF はフェルミエネルギーを示す。また、φ
1 、φ2 、φ3 はそれぞれ第1の物質、第2の物質およ
び第3の物質の電子親和力を示し、これらは次式を満足
している。
【0025】 φ1 、φ2 >φ3 (1)
【0026】上述のように第1の物質および第2の物質
としてInAsを用い、第3の物質としてAlSbを用
いた場合には、(1)式は満足されている。この場合に
は、φ1 =φ2 となる。
としてInAsを用い、第3の物質としてAlSbを用
いた場合には、(1)式は満足されている。この場合に
は、φ1 =φ2 となる。
【0027】また、E10、E11はそれぞれ、第1の物質
により井戸層W1 が形成された量子ドットQD1 内にお
ける1電子状態に対する基底エネルギー準位および第1
励起エネルギー準位である。同様に、E20、E21はそれ
ぞれ、第2の物質により井戸層W2 が形成された量子ド
ットQD2 内における1電子状態に対する基底エネルギ
ー準位および第1励起エネルギー準位である。また、E
10+U1 およびE11+U1 +δE11は、量子ドットQD
1 内に電子が2個入ったときに生じるこの量子ドットQ
D1 内での電子間クーロン相互作用によるエネルギー上
昇分を考慮した1電子状態のエネルギー準位である。同
様に、E20+U2 は、量子ドットQD2内に電子が2個
入ったときに生じるこの量子ドットQD2 内での電子間
クーロン相互作用によるエネルギー上昇分を考慮した1
電子状態のエネルギー準位である。
により井戸層W1 が形成された量子ドットQD1 内にお
ける1電子状態に対する基底エネルギー準位および第1
励起エネルギー準位である。同様に、E20、E21はそれ
ぞれ、第2の物質により井戸層W2 が形成された量子ド
ットQD2 内における1電子状態に対する基底エネルギ
ー準位および第1励起エネルギー準位である。また、E
10+U1 およびE11+U1 +δE11は、量子ドットQD
1 内に電子が2個入ったときに生じるこの量子ドットQ
D1 内での電子間クーロン相互作用によるエネルギー上
昇分を考慮した1電子状態のエネルギー準位である。同
様に、E20+U2 は、量子ドットQD2内に電子が2個
入ったときに生じるこの量子ドットQD2 内での電子間
クーロン相互作用によるエネルギー上昇分を考慮した1
電子状態のエネルギー準位である。
【0028】後述のように、光励起により量子ドットQ
D2 に選択的に電子の入力を行うためには、 E10−Ev1≠E20−Ev2 (2) でなければならない。
D2 に選択的に電子の入力を行うためには、 E10−Ev1≠E20−Ev2 (2) でなければならない。
【0029】この第1実施例による量子演算素子を温度
Tにおいて動作させるときには、量子ドットQD1 およ
び量子ドットQD2 の基底状態にある電子がフォノンな
どによって励起状態に励起されないようにするために、
これらの量子ドットQD1 および量子ドットQD2 の大
きさは、E10、E11、E20、E21、U1 、U2 が次の三
つの条件をすべて満足するように選ばれる。
Tにおいて動作させるときには、量子ドットQD1 およ
び量子ドットQD2 の基底状態にある電子がフォノンな
どによって励起状態に励起されないようにするために、
これらの量子ドットQD1 および量子ドットQD2 の大
きさは、E10、E11、E20、E21、U1 、U2 が次の三
つの条件をすべて満足するように選ばれる。
【0030】 min[E11−E10、U1 ]>kB T (3) min[E21−E20、U2 ]>kB T (4) E20−E10−U1 >kB T (5) ただし、kB はボルツマン定数(1.38066×10
-23 [J/K])である。
-23 [J/K])である。
【0031】例えば、量子ドットQD1 および量子ドッ
トQD2 の形状をそれぞれ一辺の長さがd1 、d2 の立
方体とすると、例えば、T=77[K](液体窒素温
度)においては、d1 =10[nm]、d2 =20[n
m]ならば、上記の(3)式、(4)式および(5)式
の条件は満足される。
トQD2 の形状をそれぞれ一辺の長さがd1 、d2 の立
方体とすると、例えば、T=77[K](液体窒素温
度)においては、d1 =10[nm]、d2 =20[n
m]ならば、上記の(3)式、(4)式および(5)式
の条件は満足される。
【0032】一方、量子ドットQD1 および量子ドット
QD2 の間隔aは、これらの量子ドットQD1 および量
子ドットQD2 の間を電子がトンネリング可能なように
選ばれ、具体的には例えば数nmに選ばれる。
QD2 の間隔aは、これらの量子ドットQD1 および量
子ドットQD2 の間を電子がトンネリング可能なように
選ばれ、具体的には例えば数nmに選ばれる。
【0033】次に、上述のように構成されたこの第1実
施例による量子演算素子の動作原理について説明する。
施例による量子演算素子の動作原理について説明する。
【0034】この第1実施例による量子演算素子への入
力は次のようにして行う。なお、ここでは、下部電極E
LL を接地し、上部電極ELU にバイアス電圧Vg を印
加するものとする。
力は次のようにして行う。なお、ここでは、下部電極E
LL を接地し、上部電極ELU にバイアス電圧Vg を印
加するものとする。
【0035】まず、 E10+U1 <E20 (6) の条件が成立するように負のバイアス電圧Vg を上部電
極ELU に印加する。この状態における図2の線α−α
に沿う方向のエネルギーバンド図を図4に示す。この状
態で、 νin=(E20−Ev2)/h (7) を満足する振動数νinを有する単色光を例えば上部電極
ELU の開口O1 の部分に照射する。すると、この単色
光の照射によって、量子ドットQD2 内のみに選択的に
電子−正孔対が生成される。この電子−正孔対のうちの
正孔は上部電極ELU に吸い取られる(図4参照)。こ
の結果、量子ドットQD2 内には電子だけが残される。
これによって、量子ドットQD2 内への電子の入力を行
うことができる。
極ELU に印加する。この状態における図2の線α−α
に沿う方向のエネルギーバンド図を図4に示す。この状
態で、 νin=(E20−Ev2)/h (7) を満足する振動数νinを有する単色光を例えば上部電極
ELU の開口O1 の部分に照射する。すると、この単色
光の照射によって、量子ドットQD2 内のみに選択的に
電子−正孔対が生成される。この電子−正孔対のうちの
正孔は上部電極ELU に吸い取られる(図4参照)。こ
の結果、量子ドットQD2 内には電子だけが残される。
これによって、量子ドットQD2 内への電子の入力を行
うことができる。
【0036】これと同時に、この量子ドットQD2 内の
電子は、図5に示すように、この量子ドットQD2 と量
子ドットQD1 との間の障壁層Bをトンネリングにより
透過し、フォノンや光子を放出して、よりエネルギーの
低い量子ドットQD1 の基底エネルギー準位E10に入
る。これによって、量子ドットQD1 内に電子が入力さ
れる。
電子は、図5に示すように、この量子ドットQD2 と量
子ドットQD1 との間の障壁層Bをトンネリングにより
透過し、フォノンや光子を放出して、よりエネルギーの
低い量子ドットQD1 の基底エネルギー準位E10に入
る。これによって、量子ドットQD1 内に電子が入力さ
れる。
【0037】次に、この状態で、振動数νinを有する単
色光を上部電極ELU の開口O1 の部分に再び照射す
る。すると、上述と同様にして量子ドットQD2 内の基
底エネルギー準位E20に電子が入力される。これと同時
に、この量子ドットQD2 内に入力された電子は、上述
と同様にしてトンネリングにより量子ドットQD1 内に
入るが、このときにはこの量子ドットQD1 内に2個の
電子が入ることになるので、図6に示すように、これら
の2個の電子はいずれもE10+U1 のエネルギー準位に
入る。
色光を上部電極ELU の開口O1 の部分に再び照射す
る。すると、上述と同様にして量子ドットQD2 内の基
底エネルギー準位E20に電子が入力される。これと同時
に、この量子ドットQD2 内に入力された電子は、上述
と同様にしてトンネリングにより量子ドットQD1 内に
入るが、このときにはこの量子ドットQD1 内に2個の
電子が入ることになるので、図6に示すように、これら
の2個の電子はいずれもE10+U1 のエネルギー準位に
入る。
【0038】次に、この第1実施例による量子演算素子
の演算および出力は次のようにして行う。
の演算および出力は次のようにして行う。
【0039】この場合、入力のビット情報を 1(2)回目に電子を入力する A1(2)=1 1(2)回目に電子を入力しない A1(2)=0 とする。
【0040】出力時には、入力時と同様に、(6)式が
成立するように上部電極ELU にバイアス電圧Vg を印
加したままの状態にしておき、この状態で振動数ν=
(E11−E10)/hを有する単色光を量子ドットQD1
に照射し、光子hνの吸収を測定する。すなわち、量子
ドットQD1 内の基底エネルギー準位E10に電子がある
ときは、量子ドットQD1 内のサブバンド間のエネルギ
ー差に共鳴して光子hνが吸収され、電子は励起エネル
ギー準位E11に励起される。量子ドットQD1 内の基底
エネルギー準位E10に電子がないときは、光子hνの吸
収は起こらない。この場合、この光子hνの吸収の有無
を出力ビット情報とし、 光子hνが吸収される B=1 光子hνが吸収されない B=0 とする。このときのAi (i=1、2)およびBに関す
る真理値表は表1に示すようになる。
成立するように上部電極ELU にバイアス電圧Vg を印
加したままの状態にしておき、この状態で振動数ν=
(E11−E10)/hを有する単色光を量子ドットQD1
に照射し、光子hνの吸収を測定する。すなわち、量子
ドットQD1 内の基底エネルギー準位E10に電子がある
ときは、量子ドットQD1 内のサブバンド間のエネルギ
ー差に共鳴して光子hνが吸収され、電子は励起エネル
ギー準位E11に励起される。量子ドットQD1 内の基底
エネルギー準位E10に電子がないときは、光子hνの吸
収は起こらない。この場合、この光子hνの吸収の有無
を出力ビット情報とし、 光子hνが吸収される B=1 光子hνが吸収されない B=0 とする。このときのAi (i=1、2)およびBに関す
る真理値表は表1に示すようになる。
【0041】
【0042】ここで、A1 =A2 =1に対してB=0、
すなわち1回目の電子の入力および2回目の電子の入力
を行ったときに光子hνの吸収が起こらないのは、量子
ドットQD1 内に電子が2個入っていることによりサブ
バンドの間隔がE11−E10+δE11に変化しており、こ
れが光子hνのエネルギーE11−E10よりも大きいから
である。
すなわち1回目の電子の入力および2回目の電子の入力
を行ったときに光子hνの吸収が起こらないのは、量子
ドットQD1 内に電子が2個入っていることによりサブ
バンドの間隔がE11−E10+δE11に変化しており、こ
れが光子hνのエネルギーE11−E10よりも大きいから
である。
【0043】表1から、明らかに B=A1 XOR A2 の演算が行われていることがわかる。すなわち、この第
1実施例による量子演算素子によれば、XOR演算を行
うことができる。
1実施例による量子演算素子によれば、XOR演算を行
うことができる。
【0044】また、Ai (i=1、2)またはBにおい
て(0、1)の定義を交換したときには、 B=A1 XNOR A2 の演算が行われることになる。すなわち、この場合に
は、XNOR演算を行うことができる。
て(0、1)の定義を交換したときには、 B=A1 XNOR A2 の演算が行われることになる。すなわち、この場合に
は、XNOR演算を行うことができる。
【0045】上述のように、振動数ν=(E11−E10)
/hの単色光の吸収を測定することにより、XOR演算
またはXNOR演算の結果を読み出すことができる。
/hの単色光の吸収を測定することにより、XOR演算
またはXNOR演算の結果を読み出すことができる。
【0046】次に、この第1実施例による量子演算素子
の消去(クリア)は次のようにして行われる。
の消去(クリア)は次のようにして行われる。
【0047】すなわち、量子ドットQD1 内のビット情
報の消去を行うためには、例えば上部電極ELU に印加
するバイアス電圧Vg =0とすればよい。このときの図
2の線α−αに沿う方向のエネルギーバンド図を図7に
示す。このようにバイアス電圧Vg =0としたときに
は、上部電極ELU から障壁層B内に正孔が注入され、
この正孔が量子ドットQD1 内の電子と再結合して光子
hν´が放出される。これによって、量子ドットQD1
内の電子を消去することができる。
報の消去を行うためには、例えば上部電極ELU に印加
するバイアス電圧Vg =0とすればよい。このときの図
2の線α−αに沿う方向のエネルギーバンド図を図7に
示す。このようにバイアス電圧Vg =0としたときに
は、上部電極ELU から障壁層B内に正孔が注入され、
この正孔が量子ドットQD1 内の電子と再結合して光子
hν´が放出される。これによって、量子ドットQD1
内の電子を消去することができる。
【0048】このときの光子hν´の放出(=1)、非
放出(=0)をビット情報Cとすると、Ai (i=1、
2)およびCに関する真理値表は表2に示すようにな
る。
放出(=0)をビット情報Cとすると、Ai (i=1、
2)およびCに関する真理値表は表2に示すようにな
る。
【0049】
【0050】この表2から、バイアス電圧Vg =0とす
る操作は、量子ドットQD1 内の電子を消去すると同時
に、 C=A1 OR A2 の演算を行っていることがわかる。この演算結果Cは、
電子−正孔再結合により放出された光子hν´を光検出
器(図示せず)で測定することにより得ることができ
る。
る操作は、量子ドットQD1 内の電子を消去すると同時
に、 C=A1 OR A2 の演算を行っていることがわかる。この演算結果Cは、
電子−正孔再結合により放出された光子hν´を光検出
器(図示せず)で測定することにより得ることができ
る。
【0051】次に、この第1実施例による量子演算素子
の製造方法について図8を参照しながら説明する。ここ
では、井戸層W1 、W2 を形成する物質としてInAs
を用い、障壁層Bを形成する物質としてAlSbを用い
るものとする。
の製造方法について図8を参照しながら説明する。ここ
では、井戸層W1 、W2 を形成する物質としてInAs
を用い、障壁層Bを形成する物質としてAlSbを用い
るものとする。
【0052】すなわち、まず、図8Aに示すように、例
えばGaSb基板S上に、例えば分子線エピタキシー
(MBE)法、有機金属化学気相成長(MOCVD)
法、有機金属分子線エピタキシー(MOMBE)法など
により、AlSb層から成る障壁層Ba、厚さd1 のI
nAs層から成る井戸層W1 、厚さaのAlSb層から
成る障壁層Bb、厚さd2 のInAs層から成る井戸層
W2 、AlSb層から成る障壁層Bcを順次エピタキシ
ャル成長させる。ここで、AlSb層から成る障壁層B
aの厚さは例えば数十nm以上とし、AlSb層から成
る障壁層Bcの厚さは例えば数nm以上とする。
えばGaSb基板S上に、例えば分子線エピタキシー
(MBE)法、有機金属化学気相成長(MOCVD)
法、有機金属分子線エピタキシー(MOMBE)法など
により、AlSb層から成る障壁層Ba、厚さd1 のI
nAs層から成る井戸層W1 、厚さaのAlSb層から
成る障壁層Bb、厚さd2 のInAs層から成る井戸層
W2 、AlSb層から成る障壁層Bcを順次エピタキシ
ャル成長させる。ここで、AlSb層から成る障壁層B
aの厚さは例えば数十nm以上とし、AlSb層から成
る障壁層Bcの厚さは例えば数nm以上とする。
【0053】次に、図8Bに示すように、例えば電子線
リソグラフィー法や走査型トンネル顕微鏡(STM)に
よるリソグラフィー法などを用いて、耐ドライエッチン
グ性を有するマスクMを障壁層Bc上に形成する。具体
的には、このマスクMは、例えばSiO2 やSi3 N4
などにより形成される。
リソグラフィー法や走査型トンネル顕微鏡(STM)に
よるリソグラフィー法などを用いて、耐ドライエッチン
グ性を有するマスクMを障壁層Bc上に形成する。具体
的には、このマスクMは、例えばSiO2 やSi3 N4
などにより形成される。
【0054】次に、マスクMを用いて、異方性の強いド
ライエッチング法、例えばエッチングガスとしてCH4
+HeやSiCl4 +Heなどを用いた反応性イオンエ
ッチング(RIE)法や電子サイクロトロン共鳴(EC
R)を用いた反応性イオンビームエッチング(ECR−
RIBE)法などにより、障壁層Bc、井戸層W2 、障
壁層Bb、井戸層W1 および障壁層Baを基板表面に対
して垂直方向に順次エッチングする。このエッチング
は、GaSb基板Sが露出する直前まで行う。これによ
って、図8Cに示すように、障壁層Bc、井戸層W2 、
障壁層Bbおよび井戸層W1 がロッド状の形状にエッチ
ングされる。
ライエッチング法、例えばエッチングガスとしてCH4
+HeやSiCl4 +Heなどを用いた反応性イオンエ
ッチング(RIE)法や電子サイクロトロン共鳴(EC
R)を用いた反応性イオンビームエッチング(ECR−
RIBE)法などにより、障壁層Bc、井戸層W2 、障
壁層Bb、井戸層W1 および障壁層Baを基板表面に対
して垂直方向に順次エッチングする。このエッチング
は、GaSb基板Sが露出する直前まで行う。これによ
って、図8Cに示すように、障壁層Bc、井戸層W2 、
障壁層Bbおよび井戸層W1 がロッド状の形状にエッチ
ングされる。
【0055】次に、図8Dに示すように、上述のエッチ
ングにより除去された部分にAlSb層から成る障壁層
Bdをエピタキシャル成長させて埋め込みを行う。な
お、障壁層Ba、Bb、Bc、Bdと、同じく障壁層と
なるGaSb基板Sとの全体が図1および図2の障壁層
Bに対応する。
ングにより除去された部分にAlSb層から成る障壁層
Bdをエピタキシャル成長させて埋め込みを行う。な
お、障壁層Ba、Bb、Bc、Bdと、同じく障壁層と
なるGaSb基板Sとの全体が図1および図2の障壁層
Bに対応する。
【0056】次に、マスクMを除去した後、上部電極E
LU に対応する形状のレジストパターン(図示せず)を
障壁層Bc、Bd上に形成する。次に、例えば真空蒸着
法により例えばAl膜やAu膜のような金属膜(図示せ
ず)を全面に形成した後、このレジストパターンを、そ
の上に形成された金属膜とともに除去する(リフトオ
フ)。これによって、図1および図2に示すように、上
部電極ELU が形成される。なお、この上部電極ELU
は、障壁層Bc、Bd上に金属膜を形成した後、この金
属膜をエッチングによりパターニングすることによって
も形成することができる。
LU に対応する形状のレジストパターン(図示せず)を
障壁層Bc、Bd上に形成する。次に、例えば真空蒸着
法により例えばAl膜やAu膜のような金属膜(図示せ
ず)を全面に形成した後、このレジストパターンを、そ
の上に形成された金属膜とともに除去する(リフトオ
フ)。これによって、図1および図2に示すように、上
部電極ELU が形成される。なお、この上部電極ELU
は、障壁層Bc、Bd上に金属膜を形成した後、この金
属膜をエッチングによりパターニングすることによって
も形成することができる。
【0057】この後、上部電極ELU と同様にしてGa
Sb基板Sの裏面に下部電極ELLを形成して、目的と
する量子演算素子を完成させる。
Sb基板Sの裏面に下部電極ELLを形成して、目的と
する量子演算素子を完成させる。
【0058】以上のように、この第1実施例による量子
演算素子によれば、互いに電子のトンネリングが可能な
間隔で配置された二段構造の量子ドットQD1 および量
子ドットQD2 への電子の入力の有無により1ビットの
入力情報を表し、光子hνの吸収の有無により1ビット
の出力情報を表すようにしていることにより、XOR演
算あるいはXNOR演算を行うことができる。この場
合、これらの演算は1個の電子のトンネリングを利用し
て行っていることから、この第1実施例による量子演算
素子は極めて低消費電力である。具体的には、この第1
実施例による量子演算素子によれば、1ビットの演算当
たりの消費エネルギーはkB T(約24meV)程度で
あり、すでに述べた従来の半導体メモリに比べて1/1
04 程度である。
演算素子によれば、互いに電子のトンネリングが可能な
間隔で配置された二段構造の量子ドットQD1 および量
子ドットQD2 への電子の入力の有無により1ビットの
入力情報を表し、光子hνの吸収の有無により1ビット
の出力情報を表すようにしていることにより、XOR演
算あるいはXNOR演算を行うことができる。この場
合、これらの演算は1個の電子のトンネリングを利用し
て行っていることから、この第1実施例による量子演算
素子は極めて低消費電力である。具体的には、この第1
実施例による量子演算素子によれば、1ビットの演算当
たりの消費エネルギーはkB T(約24meV)程度で
あり、すでに述べた従来の半導体メモリに比べて1/1
04 程度である。
【0059】次に、この発明の第2実施例による量子演
算素子について説明する。
算素子について説明する。
【0060】図9はこの第2実施例による量子演算素子
の断面図であり、図2に対応するものである。
の断面図であり、図2に対応するものである。
【0061】図9に示すように、この第2実施例による
量子演算素子は、第1実施例による二段の量子ドットQ
D1 および量子ドットQD2 を有する量子演算素子が二
次元アレイ状に複数配列された構造を有する。
量子演算素子は、第1実施例による二段の量子ドットQ
D1 および量子ドットQD2 を有する量子演算素子が二
次元アレイ状に複数配列された構造を有する。
【0062】この第2実施例による量子演算素子の入
力、演算、出力および消去は、第1実施例による量子演
算素子と同様にして行うことができる。この場合、出力
時に必要な光子の測定は、例えばCCD(電荷結合素
子)のような二次元光センサーを用いることにより行う
ことができる。
力、演算、出力および消去は、第1実施例による量子演
算素子と同様にして行うことができる。この場合、出力
時に必要な光子の測定は、例えばCCD(電荷結合素
子)のような二次元光センサーを用いることにより行う
ことができる。
【0063】この第2実施例による量子演算素子によれ
ば、第1実施例による量子演算素子と同様に極めて低消
費電力であることに加えて、演算を並列的に行うことが
できることにより高速演算が可能である。
ば、第1実施例による量子演算素子と同様に極めて低消
費電力であることに加えて、演算を並列的に行うことが
できることにより高速演算が可能である。
【0064】ところで、従来のディジタルパターン処理
の最大の欠点は、処理に時間がかかることである。すな
わち、従来のディジタルパターン処理においては、膨大
な情報量があるパターンの各画素を1画素ずつ直列的に
処理するため、処理に膨大な時間がかかる。この問題
は、この第2実施例による量子演算素子を用いてパター
ン処理を行うことにより解決することができる。すなわ
ち、この第2実施例による量子演算素子によれば、XO
Rという演算は、表1からわかるように、二つの入力の
差を結果として与える演算であるので、これを利用して
パターンの違いを求めることができる。より具体的に
は、パターンの照合や移動物体の検出を行うことができ
る。また、同一のパターンをわずかにずらせて二度入力
すれば、そのパターンの輪郭抽出を行うこともできる。
以下において、この第2実施例による量子演算素子によ
りパターン処理を行う方法を具体的に説明する。
の最大の欠点は、処理に時間がかかることである。すな
わち、従来のディジタルパターン処理においては、膨大
な情報量があるパターンの各画素を1画素ずつ直列的に
処理するため、処理に膨大な時間がかかる。この問題
は、この第2実施例による量子演算素子を用いてパター
ン処理を行うことにより解決することができる。すなわ
ち、この第2実施例による量子演算素子によれば、XO
Rという演算は、表1からわかるように、二つの入力の
差を結果として与える演算であるので、これを利用して
パターンの違いを求めることができる。より具体的に
は、パターンの照合や移動物体の検出を行うことができ
る。また、同一のパターンをわずかにずらせて二度入力
すれば、そのパターンの輪郭抽出を行うこともできる。
以下において、この第2実施例による量子演算素子によ
りパターン処理を行う方法を具体的に説明する。
【0065】いま、第1実施例による量子演算素子への
入力時と同じ条件下で、この第2実施例による量子演算
素子に、図10Aに示すように、まずパターン{A1 }
を入力する。すなわち、パターン{A1 }の形状に光を
照射する(光照射部に斜線を施す)。これによって、二
次元アレー状に配列された複数の一段目の量子ドットQ
D1 のうちのパターン{A1 }に対応する部分に含まれ
るものだけに電子が入力される。
入力時と同じ条件下で、この第2実施例による量子演算
素子に、図10Aに示すように、まずパターン{A1 }
を入力する。すなわち、パターン{A1 }の形状に光を
照射する(光照射部に斜線を施す)。これによって、二
次元アレー状に配列された複数の一段目の量子ドットQ
D1 のうちのパターン{A1 }に対応する部分に含まれ
るものだけに電子が入力される。
【0066】次に、図10Bに示すように、上述と同様
にして、別のパターン{A2 }を入力する。この2回目
の光照射により、二次元アレー状に配列された複数の一
段目の量子ドットQD1 のうちのパターン{A2 }とパ
ターン{A1 }との「差」に対応する部分に含まれるも
のだけに電子が入力された状態が実現される。これによ
って、二次元アレー状に配列された複数の一段目の量子
ドットQD1 に{B}={A1 }XOR{A2 }のパタ
ーンが入力されたことになる。
にして、別のパターン{A2 }を入力する。この2回目
の光照射により、二次元アレー状に配列された複数の一
段目の量子ドットQD1 のうちのパターン{A2 }とパ
ターン{A1 }との「差」に対応する部分に含まれるも
のだけに電子が入力された状態が実現される。これによ
って、二次元アレー状に配列された複数の一段目の量子
ドットQD1 に{B}={A1 }XOR{A2 }のパタ
ーンが入力されたことになる。
【0067】出力時には、二次元アレー状に配列された
複数の一段目の量子ドットQD1 内のビット情報を読み
出すことにより、図11に示すような出力パターン
{B}={A1 }XOR{A2 }が得られる(光吸収が
起きる部分に斜線を施す)。
複数の一段目の量子ドットQD1 内のビット情報を読み
出すことにより、図11に示すような出力パターン
{B}={A1 }XOR{A2 }が得られる(光吸収が
起きる部分に斜線を施す)。
【0068】これらのパターンの入力、演算、出力など
は高速かつ低消費電力で行うことができる。
は高速かつ低消費電力で行うことができる。
【0069】以上のようにして実現されるパターン間の
「差」は、パターン処理における基本演算であり、CA
Dやコンピュータ・グラフィックスなどにおいて不可欠
なものである。従って、この第2実施例による量子演算
素子は、このようなCADやコンピュータ・グラフィッ
クスにおける高速プロセッサに適用することができるも
のである。
「差」は、パターン処理における基本演算であり、CA
Dやコンピュータ・グラフィックスなどにおいて不可欠
なものである。従って、この第2実施例による量子演算
素子は、このようなCADやコンピュータ・グラフィッ
クスにおける高速プロセッサに適用することができるも
のである。
【0070】次に、この第2実施例による量子演算素子
によりパターンの照合を行う方法について具体的に説明
する。いま、この第2実施例による量子演算素子に、図
12Aに示すように、まずパターン{A1 }(ここでは
文字「A」)を入力した後、図12Bに示すように、こ
のパターン{A1 }と同一のパターン{A2 }を入力す
る。この場合の出力パターン{B}={A1 }XOR
{A2 }は図13に示すようになり、出力パターンは
無、あるいは「空」のパターンである。これは、パター
ン{A1 }とパターン{A2 }とが同一であることを意
味する。すなわち、パターン{A1 }とパターン
{A2 }との照合が行われ、その結果、それらが同一で
あることが出力パターンから判明する。
によりパターンの照合を行う方法について具体的に説明
する。いま、この第2実施例による量子演算素子に、図
12Aに示すように、まずパターン{A1 }(ここでは
文字「A」)を入力した後、図12Bに示すように、こ
のパターン{A1 }と同一のパターン{A2 }を入力す
る。この場合の出力パターン{B}={A1 }XOR
{A2 }は図13に示すようになり、出力パターンは
無、あるいは「空」のパターンである。これは、パター
ン{A1 }とパターン{A2 }とが同一であることを意
味する。すなわち、パターン{A1 }とパターン
{A2 }との照合が行われ、その結果、それらが同一で
あることが出力パターンから判明する。
【0071】次に、この第2実施例による量子演算素子
に、図14Aに示すようなパターン{A1 }(ここでは
文字「A」)を入力した後、図14Bに示すように、こ
のパターン{A1 }と異なるパターン{A2 }(ここで
は文字「B」)を入力する。この場合の出力パターン
{B}={A1 }XOR{A2 }は図15に示すように
なり、パターン{A1 }とパターン{A2 }との「和」
から重なり部を除去した出力パターンが得られる。この
ような出力パターンが得られることは、パターン
{A1 }とパターン{A2 }とが互いに異なることを意
味する。すなわち、パターン{A1 }とパターン
{A2 }との照合が行われ、その結果、それらが互いに
異なることが出力パターンから判明する。
に、図14Aに示すようなパターン{A1 }(ここでは
文字「A」)を入力した後、図14Bに示すように、こ
のパターン{A1 }と異なるパターン{A2 }(ここで
は文字「B」)を入力する。この場合の出力パターン
{B}={A1 }XOR{A2 }は図15に示すように
なり、パターン{A1 }とパターン{A2 }との「和」
から重なり部を除去した出力パターンが得られる。この
ような出力パターンが得られることは、パターン
{A1 }とパターン{A2 }とが互いに異なることを意
味する。すなわち、パターン{A1 }とパターン
{A2 }との照合が行われ、その結果、それらが互いに
異なることが出力パターンから判明する。
【0072】以上のように、出力パターンの有無を見る
ことにより、パターンの照合を高速かつ低消費電力で行
うことができる。
ことにより、パターンの照合を高速かつ低消費電力で行
うことができる。
【0073】次に、この第2実施例による量子演算素子
により移動体の検出を行う方法について説明する。い
ま、この第2実施例による量子演算素子に、図16Aに
示すように、まず、ある時刻における例えば移動体(例
えば、飛行機)を含む風景のパターン{A1 }を入力し
た後、図16Bに示すように、それからある時間経過し
た後の同様な風景のパターン{A2 }を入力する。図1
6AにおけるF1 が移動体を示し、図16BにおけるF
2 がある時間経過した後のこの移動体を示す。この場合
の出力パターン{B}={A1 }XOR{A2 }は図1
7に示すようになる。この図17に示す出力パターンは
移動体F1 、F2 のパターンである。すなわち、ある時
刻の移動体F1 とそれからある時間経過した後の移動体
F2 とを検出することができ、しかも高速かつ低消費電
力で行うことができる。
により移動体の検出を行う方法について説明する。い
ま、この第2実施例による量子演算素子に、図16Aに
示すように、まず、ある時刻における例えば移動体(例
えば、飛行機)を含む風景のパターン{A1 }を入力し
た後、図16Bに示すように、それからある時間経過し
た後の同様な風景のパターン{A2 }を入力する。図1
6AにおけるF1 が移動体を示し、図16BにおけるF
2 がある時間経過した後のこの移動体を示す。この場合
の出力パターン{B}={A1 }XOR{A2 }は図1
7に示すようになる。この図17に示す出力パターンは
移動体F1 、F2 のパターンである。すなわち、ある時
刻の移動体F1 とそれからある時間経過した後の移動体
F2 とを検出することができ、しかも高速かつ低消費電
力で行うことができる。
【0074】次に、この第2実施例による量子演算素子
によりパターンの輪郭抽出を行う方法について説明す
る。いま、この第2実施例による量子演算素子に、図1
8Aに示すように、あるパターン{A1 }を入力した
後、図18Bに示すように、このパターン{A1 }をわ
ずかに平行移動したパターン{A2 }を入力する。この
場合の出力パターン{B}={A1 }XOR{A2 }は
図19に示すようになる。この図19に示す出力パター
ンは、パターン{A1 }の輪郭を抽出したものである。
すなわち、パターン{A1 }の輪郭抽出を高速かつ低消
費電力で行うことができることがわかる。
によりパターンの輪郭抽出を行う方法について説明す
る。いま、この第2実施例による量子演算素子に、図1
8Aに示すように、あるパターン{A1 }を入力した
後、図18Bに示すように、このパターン{A1 }をわ
ずかに平行移動したパターン{A2 }を入力する。この
場合の出力パターン{B}={A1 }XOR{A2 }は
図19に示すようになる。この図19に示す出力パター
ンは、パターン{A1 }の輪郭を抽出したものである。
すなわち、パターン{A1 }の輪郭抽出を高速かつ低消
費電力で行うことができることがわかる。
【0075】以上、この発明の実施例について具体的に
説明したが、この発明は、上述の実施例に限定されるも
のではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形
が可能である。
説明したが、この発明は、上述の実施例に限定されるも
のではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形
が可能である。
【0076】例えば、上述の第1実施例および第2実施
例においては、上部電極ELU および下部電極ELL を
金属により形成しているが、これらの上部電極ELU お
よび下部電極ELL は例えばITO(Indium-Tin Oxid
e)のような透明電極材料により形成してもよい。この
ようにすれば、これらの上部電極ELU および下部電極
ELL を通しての光入出力が可能となるので、上述の第
1実施例および第2実施例のようにこれらの上部電極E
LU および下部電極ELL に開口O1 、O2 を形成する
必要がなくなる。
例においては、上部電極ELU および下部電極ELL を
金属により形成しているが、これらの上部電極ELU お
よび下部電極ELL は例えばITO(Indium-Tin Oxid
e)のような透明電極材料により形成してもよい。この
ようにすれば、これらの上部電極ELU および下部電極
ELL を通しての光入出力が可能となるので、上述の第
1実施例および第2実施例のようにこれらの上部電極E
LU および下部電極ELL に開口O1 、O2 を形成する
必要がなくなる。
【0077】また、上述の第1実施例において説明した
量子演算素子の製造方法は一例に過ぎず、他の製造方法
を用いてもよいことは言うまでもない。
量子演算素子の製造方法は一例に過ぎず、他の製造方法
を用いてもよいことは言うまでもない。
【0078】また、上述の第1実施例および第2実施例
においては、量子ドットをタイプIIのヘテロ接合超格
子により形成しているが、例えばAlGaAs/GaA
s接合のようないわゆるタイプIのヘテロ接合超格子に
よりこれらの量子ドットを形成することも可能である。
においては、量子ドットをタイプIIのヘテロ接合超格
子により形成しているが、例えばAlGaAs/GaA
s接合のようないわゆるタイプIのヘテロ接合超格子に
よりこれらの量子ドットを形成することも可能である。
【0079】さらに、上述の第1実施例および第2実施
例においては、量子ドットに電子を入力し、この電子を
トンネリングさせているが、量子ドットに電子の代わり
に正孔を入力し、この正孔をトンネリングさせるように
してもよい。
例においては、量子ドットに電子を入力し、この電子を
トンネリングさせているが、量子ドットに電子の代わり
に正孔を入力し、この正孔をトンネリングさせるように
してもよい。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、消費電力が極めて低く、しかも簡単な製造プロセス
により製造することができる量子演算素子を実現するこ
とができる。また、この発明によれば、演算を極めて高
速で行うことができ、消費電力が極めて低く、しかも簡
単な製造プロセスにより製造することができる量子演算
素子を実現することができる。
ば、消費電力が極めて低く、しかも簡単な製造プロセス
により製造することができる量子演算素子を実現するこ
とができる。また、この発明によれば、演算を極めて高
速で行うことができ、消費電力が極めて低く、しかも簡
単な製造プロセスにより製造することができる量子演算
素子を実現することができる。
【図1】この発明の第1実施例による量子演算素子を示
す斜視図である。
す斜視図である。
【図2】図1の線II−IIに沿う方向の断面図であ
る。
る。
【図3】図2の線α−αに沿う方向のエネルギーバンド
図である。
図である。
【図4】この発明の第1実施例による量子演算素子の入
力方法を説明するためのエネルギーバンド図である。
力方法を説明するためのエネルギーバンド図である。
【図5】この発明の第1実施例による量子演算素子の入
力方法を説明するためのエネルギーバンド図である。
力方法を説明するためのエネルギーバンド図である。
【図6】この発明の第1実施例による量子演算素子の入
力方法を説明するためのエネルギーバンド図である。
力方法を説明するためのエネルギーバンド図である。
【図7】この発明の第1実施例による量子演算素子の消
去方法を説明するためのエネルギーバンド図である。
去方法を説明するためのエネルギーバンド図である。
【図8】この発明の第1実施例による量子演算素子の製
造方法を説明するための断面図である。
造方法を説明するための断面図である。
【図9】この発明の第2実施例による量子演算素子を示
す断面図である。
す断面図である。
【図10】この発明の第2実施例による量子演算素子を
パターン処理に適用した第1の例を説明するための略線
図である。
パターン処理に適用した第1の例を説明するための略線
図である。
【図11】この発明の第2実施例による量子演算素子を
パターン処理に適用した第1の例を説明するための略線
図である。
パターン処理に適用した第1の例を説明するための略線
図である。
【図12】この発明の第2実施例による量子演算素子を
パターン処理に適用した第2の例を説明するための略線
図である。
パターン処理に適用した第2の例を説明するための略線
図である。
【図13】この発明の第2実施例による量子演算素子を
パターン処理に適用した第2の例を説明するための略線
図である。
パターン処理に適用した第2の例を説明するための略線
図である。
【図14】この発明の第2実施例による量子演算素子を
パターン処理に適用した第3の例を説明するための略線
図である。
パターン処理に適用した第3の例を説明するための略線
図である。
【図15】この発明の第2実施例による量子演算素子を
パターン処理に適用した第3の例を説明するための略線
図である。
パターン処理に適用した第3の例を説明するための略線
図である。
【図16】この発明の第2実施例による量子演算素子を
パターン処理に適用した第4の例を説明するための略線
図である。
パターン処理に適用した第4の例を説明するための略線
図である。
【図17】この発明の第2実施例による量子演算素子を
パターン処理に適用した第4の例を説明するための略線
図である。
パターン処理に適用した第4の例を説明するための略線
図である。
【図18】この発明の第2実施例による量子演算素子を
パターン処理に適用した第5の例を説明するための略線
図である。
パターン処理に適用した第5の例を説明するための略線
図である。
【図19】この発明の第2実施例による量子演算素子を
パターン処理に適用した第5の例を説明するための略線
図である。
パターン処理に適用した第5の例を説明するための略線
図である。
W1 、W2 井戸層 B 障壁層 QD1 、QD2 量子ドット ELU 上部電極 ELL 下部電極
Claims (5)
- 【請求項1】 互いに電子または正孔のトンネリングが
可能な間隔で配置された二段の量子箱を有し、 上記量子箱への上記電子または正孔の入力の有無を入力
ビット情報とすることを特徴とする量子演算素子。 - 【請求項2】 互いに電子または正孔のトンネリングが
可能な間隔で配置された二段の量子箱が二次元アレー状
に複数配列された構造を有し、 上記量子箱への上記電子または正孔の入力の有無を入力
ビット情報とすることを特徴とする量子演算素子。 - 【請求項3】 上段の上記量子箱側が下段の上記量子箱
側よりも低い電位になるようにバイアス電圧を印加した
状態で、上記上段の上記量子箱の電子−正孔対生成エネ
ルギーに共鳴する波長の光を上記上段の上記量子箱に照
射して電子−正孔対を生成することにより上記上段の上
記量子箱への電子の入力を行い、 出力時には、上記下段の上記量子箱のサブバンド間のエ
ネルギー差に共鳴する波長の光を上記下段の上記量子箱
に照射して光吸収を測定するようにしたことを特徴とす
る請求項1または2記載の量子演算素子。 - 【請求項4】 上記バイアス電圧を実質的に除去するか
または上記バイアス電圧と逆極性のバイアス電圧を印加
して上記下段の上記量子箱内の電子を正孔と再結合させ
ることにより消去を行うようにしたことを特徴とする請
求項3記載の量子演算素子。 - 【請求項5】 上記量子箱はタイプIIのヘテロ接合超
格子により形成されていることを特徴とする請求項1、
2、3または4記載の量子演算素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17261893A JPH0778961A (ja) | 1993-06-18 | 1993-06-18 | 量子演算素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17261893A JPH0778961A (ja) | 1993-06-18 | 1993-06-18 | 量子演算素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0778961A true JPH0778961A (ja) | 1995-03-20 |
Family
ID=15945220
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17261893A Pending JPH0778961A (ja) | 1993-06-18 | 1993-06-18 | 量子演算素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0778961A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001031789A2 (en) * | 1999-10-25 | 2001-05-03 | Cambridge University Technical Services Limited | Magnetic logic device having magnetic quantum dots |
-
1993
- 1993-06-18 JP JP17261893A patent/JPH0778961A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001031789A2 (en) * | 1999-10-25 | 2001-05-03 | Cambridge University Technical Services Limited | Magnetic logic device having magnetic quantum dots |
WO2001031789A3 (en) * | 1999-10-25 | 2002-05-23 | Univ Cambridge Tech | Magnetic logic device having magnetic quantum dots |
US6774391B1 (en) | 1999-10-25 | 2004-08-10 | Cambridge University Technical Svcs. | Magnetic logic element |
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