JPH0778772A - 化学気相成長装置および化学気相成長方法 - Google Patents
化学気相成長装置および化学気相成長方法Info
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- JPH0778772A JPH0778772A JP22439793A JP22439793A JPH0778772A JP H0778772 A JPH0778772 A JP H0778772A JP 22439793 A JP22439793 A JP 22439793A JP 22439793 A JP22439793 A JP 22439793A JP H0778772 A JPH0778772 A JP H0778772A
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Abstract
階で、赤外線検出器28を用いて温度制御し、周辺の付
着物の影響をなくす。ただしヘテロ構造作成時には、表
面の赤外線特性が急激に変化するため、熱電対27を用
いて温度制御する。
Description
ハ上に成長膜を成長させるための化学気相成長装置およ
び化学気相成長方法に関する。
いられる第1の従来例の化学気相成長装置(MOCVD
装置)を示す概略構成図である。図9において、1は半
導体ウェハ、2は載置台、3はヒータ、4は載置台2を
回転するモータ、4aはモータ4の回転シャフト、5は
熱電対、6はリアクタチャンバー、7は原料となるトリ
メチルガリウム(TMG)等の有機金属とアルシン等の
ハイドライドガスの混合ガスを供給する配管である。
給された混合ガスは、ヒータ3により載置台2を通して
加熱された半導体ウェハ1上で熱分解し、半導体ウェハ
1上に結晶成長が生じる。例えば半導体ウェハ1として
GaAsを用い、TMGとアルシンからなる混合ガスを
用い、半導体ウェハ温度を約700℃とすることにより
GaAsが結晶成長する。またTMGとジエチルジンク
(DEZ)およびアルシンを用いるとp型の導電型を示
すGaAsが、またTMGとトリメチルインジウム(T
MI)とホスフィンからなる混合ガスを用いるとGaI
nPが、夫々結晶成長する。このとき半導体ウェハ1の
温度が変化すると、p型GaAsのキャリア濃度が変化
し、またGaInPのバンドギャップが変化する。これ
を防止するため、半導体ウェハ1の温度は熱電対5から
出る信号(電圧)をモニターし、ヒータ3の出力にフィ
ードバックすることにより一定に制御される。また回転
シャフト4は成長層の均一性を向上させるために設けら
れたもので、これにより成長中に半導体ウェハ1を回転
させることにより、成長層の均一性を高めることができ
る。
MOCVD装置を示す概略構成図である。図10におい
て、半導体ウェハ1、載置台2、ヒータ3、回転シャフ
ト4、リアクタチャンバー6および配管7は、図9と同
一のものが用いられる。また9は温度の測定装置のひと
つである赤外線検出器(パイロメータ)である。一般に
物質から放出される赤外線の強度は、その物質の温度に
より異なる。したがって、赤外線検出器9によって半導
体ウェハ1の表面より放出される赤外線の強度を測定す
ることにより、半導体ウェハ1の表面温度を測定するこ
とができる。図10に示す第2従来例のMOCVD装置
は、この赤外線検出器9の測定値をヒータ3の出力にフ
ィードバックすることにより、半導体ウェハ1の温度を
制御しp型GaAsのキャリア濃度やGaInPのバン
ドギャップの制御性を向上させることを試みたものであ
る。
晶成長を重ねるにつれ、図11に示すように半導体ウェ
ハ1周辺の載置台2、ヒータ3の表面およびリアクタチ
ャンバー6の側壁等に供給ガスの分解生成物8が付着す
る。その付着量が多くなると、半導体ウェハ1の周辺部
の熱の放射特性が変化するため、熱電対5に伝わる温度
と半導体ウェハ1の温度との関係が変化してしまう。そ
うすると、第1の従来例のように熱電対5の温度が一定
となるようなヒータ出力の制御方法では、半導体ウェハ
1の温度変化を熱電対5で正確に把握できないおそれが
あり、半導体ウェハ1の温度を安定的に再現性良く制御
することはできない。このため、例えばp型GaAsの
キャリア濃度やGaInPのバンドギャップ(または屈
折率)の設定において、これらの設定値が成長工程ごと
に経時変化を生じるといった欠点があった。
来例では、赤外線検出器9で半導体ウェハ1からの赤外
線の強度を直接測定することでその表面温度を測定して
いるため、周囲への分解生成物8の付着による影響はな
く、第1の従来例で問題となった欠点は解消される。し
かし、物質からの赤外線放出特性は物質の成分により異
なり、特に半導体レーザ素子のようにヘテロ構造の作製
が必要なものに対しては、各成長層ごとに赤外線放出特
性が異なるといった新たな問題が生じる。図12に可視
光半導体レーザ素子のダブルヘテロ構造(DH構造)を
示す。図12において、10はn型GaAs基板、11
はn型AlGaInP下クラッド層、12はGaInP
活性層、13はp型AlGaInP上クラッド層、14
はp型GaAsコンタクト層である。このように半導体
レーザ素子の作製には、順次異なった物質を結晶成長す
る必要が生じる。しかしながら、上述の如く、赤外線放
出特性は物質により異なるため、異なった材料を成長し
た場合、図13に示すように半導体ウェハ1の表面が同
一温度であっても、赤外線検出器9は各成長層ごとに異
なった値を出力する。したがって、かかる赤外線検出器
9からの信号に基づいてヒータ3の出力を変化させよう
とすると、半導体ウェハ1の表面が同一温度であるにか
かわらず、成長材料が異なるたびにヒータ3の出力を変
化させてしまう。半導体ウェハ1の温度は、ヒータ3の
出力の変化によっては瞬時に変化しないため、各成長層
界面に変成層を生じさせることとなり、半導体レーザ素
子の特性を劣化させてしまう。
0上にn型AlGaInP下クラッド層11のような屈
折率の異なった材料を成長させた場合、半導体ウェハ1
から放出された赤外線は、図14に示すように例えばn
型GaAs基板10およびn型AlGaInP下クラッ
ド層11の間の界面F1と、n型AlGaInP下クラ
ッド層11の上面F2との間で多重反射を生じ、干渉効
果が生じるため、半導体ウェハ1の表面からの赤外線強
度は、図15に示すようにn型AlGaInP下クラッ
ド層11の成長厚により周期的な変動を起こす。そし
て、赤外線強度が強いとき赤外線検出器9は温度が高い
と判断し、ヒータ3をオフする等して温度を下げようと
するため、適正温度に対して誤制御してしまうおそれが
ある。
複数の半導体ウェハ1を配置し、半導体ウェハ1の中央
部からの赤外線を赤外線検出器9で検出するようにした
場合、成長層の均一性を向上させるため回転シャフト4
により載置台2を自転させると、赤外線検出器9の検出
スポットの中心点の軌跡は図16中のLpのようになる
が、半導体ウェハ1同士が離間して配置されると、前記
軌跡Lpは半導体ウェハ1だけでなく載置台2上をも通
過するため、前記赤外線検出器9は半導体ウェハ1から
の赤外線と載置台2からの赤外線とを交互に検出するこ
とになる。このことは、赤外線検出器9の半導体ウェハ
1表面の温度判断の正確さを悪化させる。
性が悪化し、歩留りが劣化するという欠点があった。
変成層を生じさせることなく、再現性よく半導体レーザ
素子を製造するための化学気相成長装置および化学気相
成長方法を提供することを目的とする。
課題解決手段は、反応室内において、載置台上に載置さ
れた半導体ウェハを加熱しつつ、高温安定状態で前記反
応室内に反応ガスを供給することにより前記半導体ウェ
ハの上面に成長膜を形成する化学気相成長装置であっ
て、前記載置台上の半導体ウェハを加熱する加熱手段
と、前記反応室内の所定位置の温度を検出する温度検知
手段と、加熱された前記半導体ウェハから放射される赤
外線の強度を検出する赤外線検出手段と、前記温度検知
手段および前記赤外線検出手段からの検出情報に基づい
て前記加熱手段での加熱温度を制御する制御手段とを備
え、前記制御手段は、前記反応室内の昇温段階で前記赤
外線検出手段からの赤外線検出情報を選択しかつ前記反
応室の高温安定段階で前記温度検知手段からの温度検出
情報を選択する自動選択部と、該自動選択部で選択され
たいずれかの検出情報に基づいて前記加熱手段を駆動制
御する駆動制御部とを備える。
反応室内において、載置台上に載置された半導体ウェハ
を加熱しつつ、前記反応室内に反応ガスを供給すること
により前記半導体ウェハの上面に成長膜を形成する化学
気相成長装置であって、前記載置台上の半導体ウェハを
加熱する加熱手段と、前記反応室内の所定位置の温度を
検出する温度検知手段と、加熱された前記半導体ウェハ
から放射される赤外線の強度を検出する赤外線検出手段
と、前記温度検知手段および前記赤外線検出手段からの
赤外線検出情報に基づいて前記加熱手段での加熱温度を
制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、成長基板
と同一物質の成長段階で前記赤外線検出手段からの赤外
線検出情報を選択しかつ成長基板と異なる物質の成長段
階で前記温度検知手段からの温度検出情報を選択する自
動選択部と、該自動選択部で選択されたいずれかの検出
情報に基づいて前記加熱手段を駆動制御する駆動制御部
とを備える。
反応室内において、回転する載置台上に複数個の半導体
ウェハを並置し、前記各半導体ウェハを加熱しつつ、前
記反応室内に反応ガスを供給することにより前記各半導
体ウェハの上面に成長膜を形成する化学気相成長装置で
あって、前記載置台上の前記半導体ウェハを加熱する加
熱手段と、前記載置台を縦軸を中心として回転する回転
手段と、加熱された前記半導体ウェハから放射される赤
外線の強度を検出する赤外線検出手段と、少なくとも前
記赤外線検出手段からの検出情報に基づいて前記加熱手
段での加熱温度を制御する制御手段と、前記赤外線検出
手段からの赤外線検出情報受信時にこれと異なる異種情
報の受信を前記載置台の回転に同期して間欠的に禁止す
る異種情報受信禁止手段とを備える。
反応室内において、載置台上に載置された半導体ウェハ
を加熱しつつ、前記反応室内に反応ガスを供給すること
により前記半導体ウェハの上面に成長膜を形成する化学
気相成長装置であって、前記載置台上の半導体ウェハを
加熱する加熱手段と、加熱された前記半導体ウェハから
放射される赤外線の強度を検出する赤外線検出手段と、
前記赤外線検出手段からの赤外線検出情報に基づいて前
記加熱手段での加熱温度を制御する制御手段とを備え、
前記赤外線検出手段は、半導体ウェハの結晶成長しない
裏面側に配置される。
および赤外線検出手段の間で赤外線を通過させる貫通孔
が形成される。
反応室内で、半導体ウェハから放射される赤外線の強度
を検出し、検出された赤外線の強度に基づいて昇温制御
する昇温工程と、該昇温工程後に、前記反応室内の所定
位置の温度を検出し、検出された温度に基づいて温度制
御しながら前記半導体ウェハの上面に成長膜を形成する
成長工程とを備える。
反応室内の所定位置の温度を検出し、検出された温度に
基づいて温度制御しながら、成長基板と異なる成長膜を
形成する異膜形成工程と、該異膜形成工程後、成長膜か
ら放射される赤外線の強度を検出し、検出された赤外線
の強度に基づいて温度制御しながら、成長基板と同じ成
長膜を形成する同膜形成工程とを備え、前記異膜形成工
程および同膜形成工程が交互に繰り返されるものであ
る。
反応室内において載置台を回転させながら載置台上の複
数個の半導体ウェハを加熱手段で加熱し、前記半導体ウ
ェハから放射される赤外線の強度を検出し、検出された
赤外線の強度に基づいて温度制御しながら、前記各半導
体ウェハの上面に成長膜を形成する化学気相成長方法に
おいて、前記半導体ウェハからの赤外線の強度を検出す
る際に、赤外線の検出スポットが半導体ウェハ上にある
ときに赤外線の強度を検出する検出工程と、赤外線の検
出スポットが半導体ウェハ以外にあるときに赤外線の強
度検出を禁止する禁止工程とが、前記載置台の回転に同
期して間欠交互に繰り返されるものである。
反応室内において載置台上に載置された半導体ウェハを
加熱手段で加熱し、前記半導体ウェハの裏面から放射さ
れる赤外線の強度を赤外線検出手段で検出し、検出され
た赤外線の強度に基づいて前記加熱手段での加熱温度を
制御しながら、前記反応室内に反応ガスを供給して前記
半導体ウェハの上面に前記半導体ウェハと異なる物質を
成長させるものである。
び請求項6に係る化学気相成長方法では、反応室内の昇
温段階において、制御手段の自動選択部は赤外線検出手
段からの赤外線検出情報を選択し、赤外線検出情報に基
づいて反応室が高温安定状態となったことを確認する
(昇温工程)。このように、反応室の高温安定水準を赤
外線検出手段からの赤外線検出情報に基づいて設定する
ので、温度検知手段を用いずに済み、故に第1の従来例
で問題となっていた周辺の付着物の温度制御への悪影響
を防止できる。また、ヘテロ構造の作成時には、成長基
板からの赤外線強度に対して成長膜からの赤外線強度が
急激に変化し、赤外線検出手段での赤外線検出情報での
温度制御が不可能となる。そこで、反応室内が高温安定
段階になると、自動選択部は温度検知手段からの温度検
出情報を選択し、以後、温度検出情報に基づいて温度制
御を行いながら、半導体ウェハの上面に成長膜を形成す
る(成長工程)。そうすると、ヘテロ構造作成時に赤外
線検出手段を用いずに済み、故に第2の従来例で問題と
なっていた異物質による赤外線放射特性の変化による検
出誤差の心配がなくなり、また、赤外線の多重反射によ
る干渉効果を防止できる。したがって、温度制御の安定
性を確保でき、長期にわたり再現性良く所望の成長膜を
成長させることができる。
および請求項7に係る化学気相成長方法では、成長基板
と同一物質の成長段階において、制御手段の自動選択部
は赤外線検出手段からの赤外線検出情報を選択し、赤外
線検出情報に基づいて適正な高温安定水準を保持しなが
ら、成長基板の上面に同一物質の成長膜を形成する(同
膜形成工程)。そうすると、温度検知手段を用いずに済
み、故に第1の従来例で問題となっていた周辺の付着物
の温度制御への悪影響を防止できる。また、成長基板と
異物質の成長段階において、制御手段の自動選択部は温
度検知手段からの温度検出情報を選択し、温度検出情報
に基づいて温度制御を行いながら、成長基板の上面に異
物質の成長膜(ヘテロ構造)を形成する(異膜形成工
程)。そうすると、赤外線検出手段を用いずに済み、故
に第2の従来例で問題となっていた異物質による赤外線
放射特性の変化による検出誤差の心配がなくなり、ま
た、赤外線の多重反射による干渉効果を防止できる。し
たがって、温度制御の安定性を確保でき、長期にわたり
再現性良く所望の成長膜を成長することができる。特
に、請求項7に係る化学気相成長方法では、異膜形成工
程と同膜形成工程を交互に繰り返すので、全成長膜にお
いて正確に適正に温度制御できる。
および請求項8に係る化学気相成長方法では、反応室内
において、回転する載置台上に複数個の半導体ウェハを
並置して加熱する。この際、赤外線検出手段の検出スポ
ットは、半導体ウェハ上面と、互いに隣合う半導体ウェ
ハの間の隙間に現れる載置台の上面とを交互に通過す
る。このため、検出スポットが載置台上にあるときに赤
外線の強度検出を禁止し(禁止工程)、検出スポットが
半導体ウェハ上にあるときのみ赤外線の強度を検出する
(検出工程)。かかる禁止工程と検出工程とを載置台の
回転に同期して間欠交互に繰り返すことで、温度制御を
正確にする。
化学気相成長装置および請求項9に係る化学気相成長方
法では、半導体ウェハの裏面から放射される赤外線の強
度を赤外線検出手段で検出し温度制御する。そうする
と、半導体ウェハの上面に半導体ウェハと異なる物質を
成長させても、半導体ウェハの裏面に異物質が形成され
ない限り、半導体ウェハの裏面からの赤外線の強度変化
を一定の固定基準で継続して検出でき、赤外線検出手段
を用いた温度制御が可能となる。したがって、温度検知
手段を用いずに済み、故に第1の従来例で問題となって
いた周辺の付着物の温度制御への悪影響を防止できる。
特に、請求項5では、簡単な構成で上記動作を実現でき
る。
装置は、化学気相成長工程の初めの昇温段階において赤
外線検出器を用いた温度制御の下で行い、その後に続く
高温安定段階において熱電対を用いた温度制御を行うも
のである。
学気相成長装置(MOCVD装置)を示す概略構成図で
ある。図1中、21は反応室を形成するリアクタチャン
バ、22は前記リアクタチャンバ21内で半導体ウェハ
23を載置する載置台(サセプタ)、24は前記載置台
22を縦軸25(回転シャフト)を中心に回転する回転
手段、26は前記載置台22上の半導体ウェハ23を加
熱する加熱手段(ヒータ)、27は前記反応室内の所定
位置の温度を検出する温度検知手段、28は加熱された
前記半導体ウェハ23から放射される赤外線の強度を検
出する赤外線検出手段、29は前記温度検知手段27お
よび前記赤外線検出手段28からの検出情報に基づいて
前記加熱手段26での加熱温度を制御する制御手段であ
る。
管を使用した自然空冷型ものやステンレス鋼を使用した
ジャケット構造または銅管巻構造のもの等が用いられ、
該リアクタチャンバ21の上部は前記反応ガスを半導体
ウェハ23の上面に均一に供給すべく略円錐(コーン)
状に形成され、その上端中央部には反応ガスを供給する
ための供給孔31が形成されている。該供給孔31はガ
ス供給管32を介してガス供給器33に連通されてい
る。また、前記リアクタチャンバ21の上部の所定位置
には、前記赤外線検出手段28を取り付ける取付孔34
が形成されている。前記載置台22は、例えばカーボン
またはSiCでコートされたカーボン等を用いて円板状
に形成され、前記反応室内の中央部に固定された支持筒
35の上端部に、図示しないベアリング機構等にて水平
に支持され、かつ前記支持筒35内に貫通された前記回
転手段24の縦軸25に連結されて水平方向に回転され
る。前記回転手段24は、半導体ウェハ23の上面に成
長膜(結晶)を形成する際に該成長膜の均一性を高める
ために設けられたもので、回転誤差の少ない直流電動機
等が用いられる。前記加熱手段26は、前記載置台22
と略同形かつ略同面積に形成され、前記支持筒35の上
部外周に固定されることで前記載置台22の裏面側に平
行に配置される。前記温度検知手段27は、例えば白金
−白金ロジウム、アルメル−クロメル、銅−コンスタン
タン、クロメル−コンスタンタン等からなる一般的な熱
電対が使用され、反応ガスの半導体ウェハ23への流れ
を阻害しないよう、前記リアクタチャンバ21の底部に
固定されている。前記赤外線検出手段28は、微少な赤
外輻射線の変化に対して高感度にかつ速い応答で感応す
ることのできる熱型赤外線センサであり、例えばサーモ
パイル赤外線センサ、PbTiO3 薄膜焦電型赤外線セ
ンサ、または高分子焦電型赤外線センサ等が使用され、
前記リアクタチャンバ21の取付孔34の奥部に取り付
けられている。なお、前記赤外線検出手段28の検出ス
ポットの中心点は、前記各半導体ウェハ23の平面視中
心点付近を通過するように設定される。
びRAMを有するマイクロコンピュータチップが用いら
れ、前記赤外線検出手段28からの赤外線検出情報およ
び前記熱電対27からの検出情報のいずれかを選択する
自動選択部41と、前記自動選択部41が前記赤外線検
出情報を選択したときに該赤外線検出情報に基づいて半
導体ウェハ23の表面温度を演算する演算部42と、前
記自動選択部41が赤外線検出情報から温度検出情報に
切り換わったときに前記演算部42で演算した半導体ウ
ェハ23の表面温度と前記熱電対27での検出温度との
差を求めて記憶する温度差記憶部43と、該温度差記憶
部43に記憶した温度差を前記熱電対27での検出温度
から減算することで前記自動選択部41が前記温度検出
情報を選択したときの温度補正を行う温度補正部44
と、前記演算部42または温度補正部44からの温度情
報に基づいて前記加熱手段26を駆動制御する駆動制御
部45とを備える。ここで、前記自動選択部41は、前
記加熱手段26での昇温開始時から、前記半導体ウェハ
23から放射される赤外線の強度が一定値となるまでの
段階、すなわち昇温段階においては前記赤外線検出手段
28からの赤外線検出情報を選択し、前記昇温段階が終
わり成長膜を形成するに適した所定の高温に安定した段
階、すなわち高温安定段階においては前記熱電対27か
らの温度検出情報を選択するよう機能する。また、前記
駆動制御部45は、前記演算部42または温度補正部4
4からの温度情報と、予め設定された温度基準値とを比
較し、その大小関係から前記加熱手段26をON−OF
F切換する。
図12に示した半導体レーザ素子の成長を例にとって説
明する。図2は上記化学気相成長装置を用いた化学気相
成長方法を示すフローチャートである。まず、反応室内
の載置台22上にn型GaAs基板10となる単一の半
導体ウェハ23を載置し、これを加熱手段26で加熱し
て反応室内の昇温を開始する(ステップS01:昇温工
程)。これと略同時に、半導体ウェハ23から放射され
る赤外線の強度を、赤外線検出手段28で検出し始める
(ステップS02)。この際、制御手段29の自動選択
部41は赤外線検出情報および温度検出情報のうち赤外
線検出情報を選択する。そして、演算部42にて赤外線
検出情報から半導体ウェハ23の表面温度を演算する。
この室内昇温は、赤外線の強度が一定値となるまで続け
られる(ステップS03)。赤外線の強度が一定水準と
なったとき、加熱手段26での昇温を停止し(ステップ
S04)、反応室内を一定の高温安定状態(約700
℃)とする。なお、昇温停止から高温安定状態になるま
である程度の時間を要するため、その後も赤外線検出手
段28による検出を続け、赤外線の強度が昇温停止に伴
って安定したとき(高温安定段階)、制御手段29はそ
のことを判断し、自動選択部41での選択を赤外線検出
情報から温度検出情報に切り換える。そうすると、赤外
線検出手段28は検出を停止し、同時に熱電対27は反
応室内の所定位置の温度検出を開始する(ステップS0
5)。この際、温度差記憶部43は、演算部42で演算
した半導体ウェハ23の表面温度と、熱電対27での検
出温度との間の温度差を求めて記憶する。そうすると、
半導体ウェハ23の周辺に付着物が付いたために前記熱
電対27で得た温度検出情報に狂いが生じても、前記赤
外線検出手段28からの赤外線検出情報を用いて温度検
出情報を正確に補正でき、後工程の熱電対27での温度
制御が正確となる。
から温度検出情報に選択を切り換えるのと略同時に、反
応ガスとして例えばトリメチルガリウム(TMG)等の
有機金属とアルシン等のハイドライドガスの混合ガスを
反応室内へ供給し始め、半導体ウェハ23の上面での前
記半導体ウェハ23と異なる物質、すなわちn型AlG
aInP下クラッド層11の成長を開始する(ステップ
S06:成長工程)。同時に、温度補正部44にて、熱
電対27での温度検出温度から温度差記憶部43に記憶
した温度差を減算することで、温度検出情報の温度補正
する。そして、補正された検出温度を予め設定された基
準温度と比較して、以後の加熱手段26での温度制御を
行う。この温度補正は、以後、最上層のp型GaAsコ
ンタクト層14の形成完了に至るまで続けられる(ステ
ップS07)。
導体ウェハ23の周辺の付着物(図11中の8参照)の
影響を受けてしまい、成長温度を長期にわたって再現す
ることが困難であるが、本実施例では、昇温段階におい
て、周辺の付着物によって影響の受けない赤外線検出手
段28で半導体ウェハ23の表面温度を一旦得た後、そ
の後に熱電対27での温度制御を行うので、まず赤外線
検出情報に基づいて正確な温度水準を検出し、これに基
づいて誤差を含む温度検出情報を補正でき、以後、補正
された温度検出情報で温度制御できるため、第1の従来
例で問題とされていた周辺付着物の温度制御への悪影響
を防止できる。
長した場合、赤外線放射特性は変化してしまい、また、
赤外線の多重反射による干渉効果のため、赤外線検出に
誤差が生じるが、本実施例では、成長膜形成工程におい
ては熱電対27で反応室内の所定位置の温度を検出する
ことで温度制御を行うため、成長膜の物質の変化に影響
されずに温度制御できる。したがって、第2の従来例で
問題とされていた材質による赤外線放出特性の変化や、
多重反射による干渉を防止でき、温度制御の安定性を確
保でき、長期にわたり再現性良く所望の成長膜を成長す
ることができる。
形成されることにより、加熱手段26による加熱環境が
僅かに変化し、そのために赤外線検出手段28での赤外
線検出情報および熱電対27での温度検出情報に僅かな
影響を与えるが、図10に示すように、たかだか数μm
の膜厚成長においては、1回の成長中にでの付着物また
は成長膜の影響による半導体ウェハ23の温度変化は無
視できるものである。
は、化学気相成長工程の初めの昇温段階およびその後に
続く半導体ウェハと同一物質の結晶成長段階は、赤外線
検出器を用いた温度制御の下で行い、その後に続く半導
体ウェハと異なった物質の結晶成長以降の段階において
は、熱電対を用いて半導体ウェハの温度制御を行うもの
である。
成長装置(MOCVD装置)は、基本的には図1に示し
た第1の実施例と略同様の構成とされるが、制御手段2
9の自動選択部41において赤外線検出手段28からの
赤外線検出情報を熱電対27からの温度検出情報に切り
換えるタイミングを、第1の実施例においては赤外線強
度の安定時に合致させていたのに対し、本実施例では、
半導体ウェハ23と同一物質から半導体ウェハ23と異
なる物質の成長(ヘテロ構造作成)段階に切り換わる時
点に合致させる点で、本実施例は第1の実施例と異な
る。
41は、内蔵された計時手段(タイマー)の計時判断に
基づいて、半導体ウェハ23と同一物質の成長段階が終
了する時点で、赤外線検出情報から温度検出情報に選択
を切り換える機能を有せしめられている。かかる制御手
段29の機能は、マイクロコンピュータチップのROM
またはRAMに記録される。また、各成長膜形成用のガ
ス供給器33による反応ガスの供給タイミングは、内臓
される計時手段によって決定づけられる。これらのタイ
ミングは経験値に基づいて予め設定しておく。その他の
構成は第1の実施例と同様であるため、説明を省略す
る。
置を用いた化学気相成長方法を示すフローチャートであ
る。本実施例の化学気相成長方法は、まず、反応室内に
おいて載置台22上に載置された半導体ウェハ23を、
加熱手段26で加熱し、反応室内の昇温を開始する(ス
テップS11)。これと略同時に、半導体ウェハ23か
ら放射される赤外線の強度を、赤外線検出手段28で検
出し始める(ステップS12)。この際、制御手段29
の自動選択部41は赤外線検出情報および温度検出情報
のうち赤外線検出情報を選択し、この赤外線検出情報に
基づいて加熱手段26の加熱制御を行う。すなわち、演
算部42にて赤外線検出情報から半導体ウェハ23の表
面温度を演算し、演算した表面温度が一定水準となった
とき(ステップS13)、加熱手段26での昇温を停止
し(ステップS14)、反応室内を高温安定状態とす
る。なお、赤外線検出手段28はあと少しそのまま赤外
線の強度を検出し続ける。赤外線の強度が昇温停止に伴
って安定した後、図示しない計時手段からの信号に基づ
いて、反応室内への反応ガスの供給を開始し、半導体ウ
ェハ23の上面に成長膜を形成する。ここで、半導体ウ
ェハ23の上面にこれと同一の物質を形成する際には
(ステップS15)、引続き赤外線検出手段28での赤
外線強度検出に基づいて温度補正を行う(ステップS1
6:同膜形成工程)。そして、半導体ウェハ23と異な
る物質の成長膜の成長を開始するとき(ステップS1
7)、これと略同時に、自動選択部41は、計時手段か
らの信号に基づいて、赤外線検出情報から温度検出情報
に選択を切り換える(異膜形成工程)。そうすると、赤
外線検出手段28は検出を停止し、同時に熱電対27は
反応室内の所定位置の温度検出を開始する(ステップS
18〜S19)。この際、温度差記憶部43は、演算部
42で演算した半導体ウェハ23の表面温度と、熱電対
27での検出温度との間の温度差を求めて記憶する。以
後、温度補正部44にて、熱電対27での温度検出温度
から温度差記憶部43に記憶した温度差を減算すること
で、温度検出情報の温度補正しつつ、補正された検出温
度を予め設定された基準温度と比較して、以後の加熱手
段26の駆動制御を行う。このようにすれば、本実施例
によっても、第1の実施例と同様の効果がある。
化学気相成長装置(MOCVD装置)は、第2の実施例
と略同様、基本的には図1に示したのと略同様の構成と
されるが、本実施例では、成長基板と異なる成長膜を形
成する全ての異膜形成工程時に、反応室内の所定位置の
温度を検出することで温度制御し、成長基板と同じ成長
膜を形成する全ての同膜形成工程時に、成長膜から放射
される赤外線の強度を検出することで温度制御し、これ
らの異膜形成工程および同膜形成工程を交互に繰り返す
よう構成されたものである。これらの機能は、制御手段
29にプログラミングされ、すべて計時手段での計時情
報に基づいて動作する。
素子を例にとって具体的に説明する。図4の如く、ま
ず、反応室内の載置台22にn型GaAs基板10とな
る単一の半導体ウェハ23を載置し、これを加熱手段2
6で加熱して反応室内の昇温を開始する(ステップS2
1)。これと略同時に、半導体ウェハ23から放射され
る赤外線の強度を、赤外線検出手段28で検出し始める
(ステップS22)。この際、制御手段29の自動選択
部41は赤外線検出情報および温度検出情報のうち赤外
線検出情報を選択し、該赤外線検出情報に基づいて、赤
外線強度が一定値に達したか否かを判断しながら(ステ
ップS23)温度制御を行う。これにより、周辺の付着
物による制御測定への悪影響を防止できる。その後、加
熱手段26での昇温を停止し(ステップS24)、反応
室内を高温安定状態とする。次に、半導体ウェハ23の
上面にこれと同一の物質を形成する際には(ステップS
25)、引続き赤外線検出手段28での赤外線強度検出
に基づいて温度補正を行う(ステップS26)。ただ
し、本実施例のような半導体レーザ素子の場合、その第
1成長層が半導体ウェハ23と異なる物質であるため、
この時点で自動選択部41での選択を赤外線検出情報か
ら温度検出情報に切り換える。そうすると、赤外線検出
手段28は検出を停止し、同時に熱電対27は反応室内
の所定位置の温度検出を開始する(ステップS27)。
略同時に、反応室内への反応ガスの供給を開始し、半導
体ウェハ23を成長基板としてその上面で前記半導体ウ
ェハ23と異なる物質、すなわちn型AlGaInP下
クラッド層11の成長を開始する(ステップS28:異
膜形成工程)。n型AlGaInP下クラッド層11の
成長がある程度進行したら(同膜形成工程)、再び自動
選択部41での選択を温度検出情報から赤外線検出情報
に切り換える。そうすると、熱電対27は検出を停止
し、同時に赤外線検出手段28による検出に基づいて反
応室内の温度制御を行いながら(ステップS29)、n
型AlGaInP下クラッド層11の形成を続行する
(ステップS30)。n型AlGaInP下クラッド層
11の成長が完了したら、さらにその上面に成長層を形
成する必要があるため(ステップS31)、再び自動選
択部41での選択を赤外線検出情報から温度検出情報に
切り換え、既に被膜されたn型AlGaInP下クラッ
ド層11を成長基板として、その上面に新たな成長膜と
してのGaInP活性層12を形成する。以下、最上層
のp型GaAsコンタクト層14の形成完了に至るま
で、赤外線検出手段28での赤外線検出による温度制御
と、熱電対27での温度検出による温度制御を、間欠交
互に繰り返しながら、各成長膜を形成する。なお、自動
選択部41での赤外線検出情報から温度検出情報への選
択切換時、および温度検出情報から赤外線検出情報への
選択切換時には、温度差記憶部43および温度補正部4
4にて、切り換えた両情報の間で逐次数値補正を行って
やれば、切換時の温度制御の連続性を保持し得る。特
に、赤外線検出情報から温度検出情報への選択切換時
に、赤外線検出手段28で得た温度パラメータを用い
て、熱電対27での温度検出情報を補正してやれば、半
導体ウェハ23の周辺に付着物が付いたために熱電対2
7で得た温度検出情報に狂いが生じても、赤外線検出手
段28からの赤外線検出情報を用いて温度検出情報を正
確に補正でき、熱電対27での温度制御が正確となる。
また、温度検出情報から赤外線検出情報への選択切換時
に、熱電対27で得た温度パラメータを用いて赤外線検
出情報を補正してやれば、異膜形成による赤外線特性変
化の影響を除去でき、赤外線検出手段28での温度制御
が可能となる。
いて、異膜形成工程で熱電対27での温度検出による温
度制御を行い、同膜形成工程で赤外線検出手段28での
赤外線検出による温度制御を行うので、全異膜形成工程
において、材質の変化による赤外線放射特性への悪影響
および赤外線の多重反射による干渉を防止でき、かつ、
全同膜形成工程において周辺の付着物の温度検出への悪
影響を防止できる。
OCVD装置)は、図6の如く、反応室内において回転
する載置台22上に複数個の半導体ウェハ23を並置
し、前記各半導体ウェハ23の上面に成長膜を形成する
ものであって、図5の如く、前記載置台22上の前記半
導体ウェハ23を加熱する加熱手段26と、前記載置台
22を縦軸25を中心として回転する回転手段24と、
前記反応室内の所定位置の温度を検出する熱電対27
と、加熱された前記半導体ウェハ23から放射される赤
外線の強度を検出する赤外線検出手段28と、前記熱電
対27および前記赤外線検出手段28からの検出情報に
基づいて前記加熱手段26での加熱温度を制御する制御
手段29と、前記赤外線検出手段28からの赤外線検出
情報受信時にこれと異なる異種情報の受信を前記載置台
22の回転に同期して間欠的に禁止する異種情報受信禁
止手段49とを備えている。
1は、第1の実施例と同様、上部に反応ガスを供給する
供給孔31が形成され、ガス供給管32を介してガス供
給器33が取り付けられる。また、前記リアクタチャン
バ21の上部の所定位置には、前記赤外線検出手段28
を取り付ける取付孔34が形成されている。前記載置台
22は、カーボンまたはSiCでコートされたカーボン
を用いて、図6のように複数個(3枚)の半導体ウェハ
23を並置できる径の円板状に形成され、前記反応室内
の中央部に固定された支持筒35の上端部に図示しない
ベアリング機構等にて水平に支持され、かつ前記支持筒
35内に貫通された前記回転手段24の縦軸25に連結
されて水平方向に回転される。なお、望ましくは、該載
置台22の上面には各半導体ウェハ23を位置決するた
めの複数の凹部(図示せず)が形成され、該凹部は載置
台22の回転中心点を軸に互いに精度よく点対称に配さ
れる。
如く、前記リアクタチャンバ21の取付孔34の開口部
付近を開閉するチョッパー51と、該チョッパー51を
開閉駆動制御する開閉制御部52と、該開閉制御部52
に開閉タイミングを提供する開閉タイミング提供部53
と、前記チョッパー51からの間欠的な信号を平滑化す
る平滑回路54とからなる。
することで前記半導体ウェハ23の上面と前記赤外線検
出手段28との間の赤外線を断続するものある。前記開
閉タイミング提供部53は前記載置台22の回転角を検
出するもので、フォトエンコーダ等が用いられる。そし
て、前記開閉制御部52は、前記赤外線検出手段28の
検出スポットと前記載置台22の回転角との対応関係が
予め記憶された記憶機能と、前記開閉タイミング提供部
53からの回転角信号および前記記憶機能で記憶された
データに基づいて前記赤外線検出手段28の検出スポッ
トが半導体ウェハ23上に位置するか否かを判断する判
断機能と、該判断機能にて前記検出スポットが前記半導
体ウェハ23上に位置すると判断したときに前記取付孔
34が開になり前記半導体ウェハ23上に位置しない
(禁止範囲にある)と判断したときに閉となるよう前記
チョッパー51を切り換える切換機能とを有せしめられ
ている。
1ないし第3の実施例と同様、昇温後の高温安定段階ま
たは半導体ウェハと異なった物質の成長段階において温
度制御を行うものである。その他の構成は第1または第
2の実施例と同様でよく、説明を省略する。
法を示すフローチャートである。図7の如く、まず、反
応室内において載置台22上に複数個(3枚)の半導体
ウェハ23を並置し、載置台22を縦軸25を中心とし
て一定速度で回転しながら、加熱手段26で半導体ウェ
ハ23等を加熱して反応室内の昇温を開始する(ステッ
プS41)。これと略同時に、赤外線検出手段28での
検出による温度制御を開始する(ステップS42〜S4
7)。この際、制御手段29の自動選択部41は赤外線
検出情報および温度検出情報のうち赤外線検出情報を選
択する。そうすると、赤外線検出手段28は、入力され
た赤外線の強度を電気信号に変換しようとする。
複数個の半導体ウェハ23が並置されている。図6中、
Lpは赤外線検出手段28の検出スポットの中心点の軌
跡、Spは隣合う半導体ウェハ23の間には隙間であ
る。この状態で半導体ウェハ23の中央部からの赤外線
を赤外線検出手段28で検出する場合、前記検出スポッ
トの中心点の軌跡Lpは、半導体ウェハ23だけでな
く、隣合う半導体ウェハ23の間の隙間Spに露出した
載置台22上をも通過するため、赤外線検出手段28は
半導体ウェハ23からの赤外線と載置台22からの赤外
線とを交互に検出することになる。ここで、載置台22
はカーボンまたはSiCでコートされたカーボンであ
る。一方、半導体ウェハ23は一般にGaAsないしは
InPからなり、両者の赤外線放出特性が異なるため、
両者からの赤外線をそのまま交互に検出した場合、半導
体ウェハ23の表面温度の測定精度が悪化する。そこ
で、本実施例では、前記隙間Spに露出した載置台22
からの赤外線の受信を、異種情報の受信として禁止す
る。具体的には、図5においてまず開閉タイミング提供
部53にて載置台22の回転角を検出し(ステップS4
2)、この検出結果が開閉制御部52に伝達される。開
閉制御部52は、予め記憶された載置台22の回転角と
赤外線検出手段28の検出スポットの位置との対応関係
から、赤外線検出手段28の検出スポットが半導体ウェ
ハ23上に位置するか否かを判断し(ステップS4
3)、その判断結果に基づいて、半導体ウェハ23上に
位置すると判断したときはチョッパー51にてリアクタ
チャンバ21の取付孔34の入口を開とし(ステップS
45:検出工程)、それ以外の禁止範囲、すなわち載置
台22上に位置すると判断したときは取付孔34を閉と
する(ステップS44:禁止工程)。このように、検出
工程および禁止工程を、載置台22の回転に同期して間
欠交互に繰り返す。そうすると、赤外線検出手段28に
は、半導体ウェハ23からの赤外線のみが入射される。
そして、赤外線検出手段28は赤外線の強度を電気信号
に変換し、該電気信号は平滑回路54にて平滑化されて
直流信号となり、制御手段29に伝達される。かかる動
作は、赤外線の強度が一定値となるまで繰り返される
(ステップS46)。そうすると、赤外線検出手段28
での赤外線検出情報が正確になり、昇温段階での温度制
御を適正化できる。
き、図7の如く、加熱手段26での昇温を停止し(ステ
ップS47)、反応室内を高温安定状態とする。なお、
図7は、赤外線検出情報を温度検出情報に切り換えるタ
イミングを、第1の実施例と同様に赤外線強度の安定時
に合致させた例である。図7の如く、赤外線の強度が昇
温停止に伴って安定したとき、制御手段29は赤外線検
出情報から温度検出情報に選択を切り換え、以後、熱電
対27を用いて反応室内の温度制御を行いながら(ステ
ップS48)、半導体ウェハ23の上面で成長膜を形成
する(ステップS49,S50)。
ウェハ23を並置しても、第1または第2の実施例と同
様の動作を精度よく行うことができ、大量生産によるコ
スト低減の要請に合致する。
置(MOCVD装置)を示す図である。本実施例の化学
気相成長装置は、図8の如く、第1ないし第4の実施例
で使用していた熱電対27が省略されている。そして、
赤外線検出手段28は、載置台22直下の縦軸25の下
端部、すなわち半導体ウェハ23の裏面側に配置されて
いる。また、前記載置台22および該載置台22を回転
自在に支持する縦軸25の平面視中心には、半導体ウェ
ハ23および赤外線検出手段28の間で赤外線を通過さ
せる貫通孔59が形成されている。該貫通孔59は、反
応室内の反応ガスが半導体ウェハ23の裏面に達するの
を防止するため、上端開口部を除いて密閉されている。
そして、制御手段29は、昇温開始時点から全成長膜の
形成終了時点に至るまで一貫して、前記赤外線検出手段
28からの赤外線検出情報に基づいて、加熱手段26で
の加熱温度を制御するよう設定されている。図8中、2
1は反応室を形成するリアクタチャンバ、24は回転手
段、26は加熱手段であり、これらの構成は第1の実施
例と同様であるため、説明を省略する。
て載置台22上に半導体ウェハ23を載置し、載置台2
2を回転手段24にて回転させつつ、半導体ウェハ23
を加熱手段26で加熱し、反応室内を昇温する。これと
同時に、赤外線検出手段28で半導体ウェハ23の裏面
から放射される赤外線の強度を検出し始め、一定時間経
過後、反応室内に反応ガスを供給して、半導体ウェハ2
3の上面に成長膜を形成し始める。この間、全成長膜の
形成終了時点に至るまで一貫して、前記赤外線検出手段
28からの赤外線検出情報に基づいて、加熱手段26で
の加熱温度を制御する。
の赤外線の強度を検出するため、半導体ウェハ23の上
面に半導体ウェハ23と異なる成長膜を成長した場合
に、半導体ウェハ23の裏面に成長膜が形成されないた
めその材質変化は一切なく、故に半導体ウェハ23の裏
面からの赤外線は、上面の成長膜の材質によって影響を
受けずに済む。したがって、第2の従来例で問題とされ
ていた材質による赤外線放出特性の変化や、多重反射に
よる干渉を防止でき、温度制御の安定性を確保できる。
の形成開始を計時手段の計時情報に基づいて認識してい
たが、新たな成長膜が少しでも形成されると、赤外線検
出手段28で検出した赤外線の強度は急激に変化するこ
とを利用し、一定以上の速度で赤外線の強度が急激に変
化したときに新たな成長膜が形成されたと判断し、この
判断結果に基づいて、自動選択部41のて赤外線検出情
報から温度検出情報への選択切換を行ってもよい。 (2)第4の実施例において、赤外線検出手段28の他
に熱電対27を使用していたが、熱電対27を省略し、
赤外線検出手段28による温度制御のみの化学気相成長
装置に適用してもよい。 (3)第4の実施例において、図7では、赤外線検出情
報から温度検出情報に切り換えるタイミングを、第1の
実施例と同様に赤外線強度の安定時に合致させていた
が、第2の実施例と同様、半導体ウェハ23と同一物質
から半導体ウェハ23と異なる物質の成長段階に切り換
わる時点に合致させてもよいし、また、第3の実施例と
同様、異膜形成工程の温度検知手段27での温度制御
と、同膜形成工程の赤外線検出手段28での温度制御を
間欠交互に繰り返してもよい。 (4)第4の実施例において、赤外線検出手段28の異
種情報の受信を禁止後、平滑回路で平滑化することで温
度制御を安定化させていたが、載置台22の回転速度が
遅い場合は、検出値の誤差を回路的に補正しにくい状況
が生じる可能性がある。そこで、赤外線検出手段28の
異種情報受信禁止時は、熱電対27からの温度検出情報
を活用して温度制御してもよい。 (5)第4の実施例において、取付孔34の入口を開閉
するチョッパー51で異種情報の受信を機械的に禁止し
ていたが、これに代えて、赤外線検出手段28からの出
力をリレー等の電気回路を用いて開閉することで、異種
情報の受信を電気的に禁止してもよい。 (6)第4の実施例の異種情報受信禁止手段49におい
て、異種情報の受信を禁止するタイミングは、載置台2
2の回転角を検出することで行っていたが、回転手段2
4の回転速度が正確ならば、計時手段によって異種情報
の受信禁止タイミングを時間的に固定してもよい。 (7)第5の実施例において、半導体ウェハ23からの
赤外線を赤外線検出手段28に入射させるため、載置台
22等に貫通孔59を形成していたが、それ以外に、例
えば載置台22を高融点の透光性材料で成形し、該透光
性載置台22を通過して出射された赤外線を赤外線検出
手段28で検出してもよい。
と、反応室内の昇温段階において、赤外線検出手段から
の赤外線検出情報に基づいて反応室が高温安定状態とな
ったことを確認する(昇温工程)ので、温度検知手段を
用いずに済み、故に第1の従来例で問題となっていた周
辺の付着物の温度制御への悪影響を防止できる。また、
反応室内の高温安定段階において、温度検知手段からの
温度検出情報に基づいて温度制御を行いながら半導体ウ
ェハの上面に成長膜を形成する(成長工程)ので、ヘテ
ロ構造作成時に赤外線検出手段を用いずに済み、故に第
2の従来例で問題となっていた異物質による赤外線放射
特性の変化による変成層の発生の心配がなくなり、ま
た、赤外線の多重反射による干渉効果を防止できる。
成長基板と同一物質の成長段階において、赤外線検出手
段からの赤外線検出情報に基づいて適正な高温安定水準
を保持しながら、成長基板の上面に同一物質の成長膜を
形成する(同膜形成工程)ので、温度検知手段を用いず
に済み、故に第1の従来例で問題となっていた周辺の付
着物の温度制御への悪影響を防止できる。また、成長基
板と異物質の成長段階において、温度検知手段からの温
度検出情報に基づいて温度制御を行いながら、成長基板
の上面に異物質の成長膜(ヘテロ構造)を形成する(異
膜形成工程)ので、赤外線検出手段を用いずに済み、故
に第2の従来例で問題となっていた異物質による赤外線
放射特性の変化による変成層の発生の心配がなくなり、
かつ、赤外線の多重反射による干渉効果を防止できる。
したがって、温度制御の安定性を確保でき、長期にわた
り再現性良く所望の成長膜を成長することができる。特
に、請求項7によると、化学気相成長方法では、異膜形
成工程と同膜形成工程を交互に繰り返すので、全成長膜
において正確に適正に温度制御できる。
検出スポットが半導体ウェハ上にあるときに赤外線の強
度を検出する検出工程と、検出スポットが半導体ウェハ
以外にあるときに赤外線の強度検出を禁止する禁止工程
とを、載置台の回転に同期して間欠交互に繰り返すの
で、半導体ウェハからの赤外線検出情報と異なる異種情
報の受信を禁止でき、赤外線検出手段での赤外線検出情
報を正確にできる。
によると、半導体ウェハの裏面から放射される赤外線の
強度を赤外線検出手段で検出し温度制御するので、半導
体ウェハの上面に半導体ウェハと異なる物質を成長させ
ても、半導体ウェハの裏面に異物質が形成されない限
り、半導体ウェハの裏面からの赤外線の強度変化を一定
の固定基準で継続して検出でき、赤外線検出手段を用い
た温度制御が可能となる。したがって、温度検知手段を
用いずに済み、故に第1の従来例で問題となっていた周
辺の付着物の温度制御への悪影響を防止できるととも
に、第2の従来例で問題となっていた異物質による赤外
線放射特性の変化による変成層の発生の心配がなくな
り、かつ、赤外線の多重反射による干渉効果を防止でき
る。特に、請求項5では、簡単な構成で上記動作を実現
できる。
御の安定性を確保でき、長期にわたり再現性良く所望の
成長膜を成長することができる。
す概略構成図である。
すフローチャートである。
すフローチャートである。
すフローチャートである。
す概略構成図である。
ウェハを載置台上に並置した状態を示す図である。
すフローチャートである。
す概略構成図である。
成図である。
構成図である。
分解生成物の付着状態を示す図である。
を示す図である。
赤外線検出器の検出赤外線強度の違いを示す概念図であ
る。
る干渉を示す概念図である。
よる赤外線検出器の検出温度の変動を示す概念図であ
る。
を載置台上に並置した状態を示す図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 反応室内において、載置台上に載置され
た半導体ウェハを加熱しつつ、高温安定状態で前記反応
室内に反応ガスを供給することにより前記半導体ウェハ
の上面に成長膜を形成する化学気相成長装置であって、 前記載置台上の半導体ウェハを加熱する加熱手段と、 前記反応室内の所定位置の温度を検出する温度検知手段
と、 加熱された前記半導体ウェハから放射される赤外線の強
度を検出する赤外線検出手段と、 前記温度検知手段および前記赤外線検出手段からの検出
情報に基づいて前記加熱手段での加熱温度を制御する制
御手段とを備え、 前記制御手段は、 前記反応室内の昇温段階で前記赤外線検出手段からの赤
外線検出情報を選択しかつ前記反応室の高温安定段階で
前記温度検知手段からの温度検出情報を選択する自動選
択部と、 該自動選択部で選択されたいずれかの検出情報に基づい
て前記加熱手段を駆動制御する駆動制御部とを備えた化
学気相成長装置。 - 【請求項2】 反応室内において、載置台上に載置され
た半導体ウェハを加熱しつつ、前記反応室内に反応ガス
を供給することにより前記半導体ウェハの上面に成長膜
を形成する化学気相成長装置であって、 前記載置台上の半導体ウェハを加熱する加熱手段と、 前記反応室内の所定位置の温度を検出する温度検知手段
と、 加熱された前記半導体ウェハから放射される赤外線の強
度を検出する赤外線検出手段と、 前記温度検知手段および前記赤外線検出手段からの赤外
線検出情報に基づいて前記加熱手段での加熱温度を制御
する制御手段とを備え、 前記制御手段は、 成長基板と同一物質の成長段階で前記赤外線検出手段か
らの赤外線検出情報を選択しかつ成長基板と異なる物質
の成長段階で前記温度検知手段からの温度検出情報を選
択する自動選択部と、 該自動選択部で選択されたいずれかの検出情報に基づい
て前記加熱手段を駆動制御する駆動制御部とを備えた化
学気相成長装置。 - 【請求項3】 反応室内において、回転する載置台上に
複数個の半導体ウェハを並置し、前記各半導体ウェハを
加熱しつつ、前記反応室内に反応ガスを供給することに
より前記各半導体ウェハの上面に成長膜を形成する化学
気相成長装置であって、 前記載置台上の前記半導体ウェハを加熱する加熱手段
と、 前記載置台を縦軸を中心として回転する回転手段と、 加熱された前記半導体ウェハから放射される赤外線の強
度を検出する赤外線検出手段と、 少なくとも前記赤外線検出手段からの検出情報に基づい
て前記加熱手段での加熱温度を制御する制御手段と、 前記赤外線検出手段からの赤外線検出情報受信時にこれ
と異なる異種情報の受信を前記載置台の回転に同期して
間欠的に禁止する異種情報受信禁止手段とを備えた化学
気相成長装置。 - 【請求項4】 反応室内において、載置台上に載置され
た半導体ウェハを加熱しつつ、前記反応室内に反応ガス
を供給することにより前記半導体ウェハの上面に成長膜
を形成する化学気相成長装置であって、 前記載置台上の半導体ウェハを加熱する加熱手段と、 加熱された前記半導体ウェハから放射される赤外線の強
度を検出する赤外線検出手段と、 前記赤外線検出手段からの赤外線検出情報に基づいて前
記加熱手段での加熱温度を制御する制御手段とを備え、 前記赤外線検出手段は、半導体ウェハの結晶成長しない
裏面側に配置された化学気相成長装置。 - 【請求項5】 前記載置台に、半導体ウェハおよび赤外
線検出手段の間で赤外線を通過させる貫通孔が形成され
た、請求項4記載の化学気相成長装置。 - 【請求項6】 反応室内で、半導体ウェハから放射され
る赤外線の強度を検出し、該赤外線の強度に基づいて昇
温制御する昇温工程と、 該昇温工程後に、前記反応室内の所定位置の温度を検出
し、検出された温度に基づいて温度制御しながら前記半
導体ウェハの上面に成長膜を形成する成長工程とを備え
た化学気相成長方法。 - 【請求項7】 反応室内の所定位置の温度を検出し、検
出された温度に基づいて温度制御しながら、成長基板と
異なる成長膜を形成する異膜形成工程と、 該異膜形成工程後、成長膜から放射される赤外線の強度
を検出し、検出された赤外線の強度に基づいて温度制御
しながら、成長基板と同じ成長膜を形成する同膜形成工
程とを備え、 前記異膜形成工程および同膜形成工程が交互に繰り返さ
れる化学気相成長方法。 - 【請求項8】 反応室内において載置台を回転させなが
ら載置台上の複数個の半導体ウェハを加熱手段で加熱
し、前記半導体ウェハから放射される赤外線の強度を検
出し、検出された赤外線の強度に基づいて温度制御しな
がら、前記各半導体ウェハの上面に成長膜を形成する化
学気相成長方法において、 前記半導体ウェハからの赤外線の強度を検出する際に、 赤外線の検出スポットが半導体ウェハ上にあるときに赤
外線の強度を検出する検出工程と、 赤外線の検出スポットが半導体ウェハ以外にあるときに
赤外線の強度検出を禁止する禁止工程とが、前記載置台
の回転に同期して間欠交互に繰り返される化学気相成長
方法。 - 【請求項9】 反応室内において載置台上に載置された
半導体ウェハを加熱手段で加熱し、 前記半導体ウェハの裏面から放射される赤外線の強度を
赤外線検出手段で検出し、 検出された赤外線の強度に基づいて前記加熱手段での加
熱温度を制御しながら、前記反応室内に反応ガスを供給
して前記半導体ウェハの上面に前記半導体ウェハと異な
る物質を成長させる化学気相成長方法。
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