JPH0778393B2 - ベーン圧縮機 - Google Patents

ベーン圧縮機

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JPH0778393B2
JPH0778393B2 JP63271805A JP27180588A JPH0778393B2 JP H0778393 B2 JPH0778393 B2 JP H0778393B2 JP 63271805 A JP63271805 A JP 63271805A JP 27180588 A JP27180588 A JP 27180588A JP H0778393 B2 JPH0778393 B2 JP H0778393B2
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忠一 河村
新一 鈴木
尚也 横町
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株式会社豊田自動織機製作所
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、シリンダとロータとの間の空間を複数のベー
ンにより区画して圧縮室とするベーン圧縮機に関するも
のである。
[従来の技術] この種の圧縮機ではサインカム曲線あるいはこれに近似
する上に凸の曲線からなる略楕円形状のシリンダ内に収
容された円柱形状のロータ周面とシリンダの短軸側領域
におけるシリンダ内周面とが微小なクリアランスをもつ
ようにロータがシリンダ内に嵌合収容されており、この
微小クリアランスの領域によりシリンダ内周面とロータ
周面との間にシール性が得られる。ロータの回転方向に
おけるこのシール領域の手前には吐出口が設けられてい
ると共に、シール領域の通過側には吸入口が設けられて
おり、吐出口に連通する圧縮室から吸入口に連通する圧
縮室への高圧冷媒ガスの洩れがシール領域によって防止
されるようになっている。
このような構成ではシール領域と吐出口との位置関係が
冷媒ガスの圧縮効率に影響を与えるが、過圧縮回避を考
慮した場合には吐出口の一部がシール領域の境界に掛か
っていることが理想的である。即ち、吐出口がシール領
域から離れている状態では、ベーンが吐出口を通過した
後もベーンとシール領域との間に冷媒ガスが残留し、圧
縮機の駆動ロスに繋がる残留冷媒ガスの過圧縮が行われ
るという不都合が生じる。この不都合は吐出口の一部を
シール領域の境界に掛けることにより回避できる。しか
も、吐出室側で吐出口の開閉を行なう吐出弁の支点部が
吐出口に隣合う吸入口とは反対側にある場合には、吐出
弁の開閉動作に起因する吐出弁自体の曲げ疲労を抑制し
得るように吐出弁を長くすることができる。吐出口をシ
ール領域から離せば吐出弁の長さが短くなり、曲げ疲労
が激しくなる。
[発明が解決しようとする課題] 吐出口をシール領域に近付けることによって前記のよう
な利点が得られる反面、吐出口の手前におけるシリンダ
内周面とロータとの間の間隔が僅かとなり、吐出口の手
前における通過断面積が非常に小さくなる。このような
通過断面積の減少は特に高速回転時において吐出口に至
るまでの冷媒ガスの通過抵抗を非常に大きくし、この大
きな通過抵抗によって冷媒ガスの円滑な吐出が阻害され
る。そのため、例えば特広昭39−4787号公報に開示され
るようにロータの回転方向における吐出口の前後に導入
溝を延出形成し、シール領域から吐出口を適宜離す手段
がある。しかしながら、導入溝の延出長さを大きくし過
ぎるとベーンを介して隣合う圧縮室間の連通時間が早ま
って圧縮効率が低下し、延出長さが少ないと円滑な吐出
をもたらす吐出抵抗の抑制を達成することができない。
又、シール領域におけるシリンダ内周面の円弧曲線と上
に凸の曲線との接続部では角が生じていてベーンの没入
方向への加速度が大きく、そのためにベーンが円弧曲線
のシリンダ内周面から離間し易い。このようなベーンの
不連続な摺動はシリンダ内周面とベーンとの衝突をもた
らし、この衝突部位におけるシリンダ内周面の損傷が避
けられない。
本発明はベーンの不連続な摺接を防止しつつ円滑な吐出
作用を達成し得るベーン圧縮機を提供することを目的と
するものである。
[課題を解決するための手段] そのために本発明では、サインカム曲線のような上に凸
の曲線領域の端部に配置される吐出口とこれに隣合う吸
入口との間のシリンダ内周面にはロータの半径に略一致
する半径をもった円弧曲線のシール領域を設け、シール
領域と前記吐出口との間のシリンダ内周面にはシール領
域の円弧曲線及び凸曲線に滑らかに接続する曲線からな
る緩衝領域を設け、前記吐出口には前記ロータの回転方
向の前後に延出する導入溝を接続形成すると共に、導入
溝の後側の延出境界を前記シール領域の境界付近に設定
し、導入溝の境界とロータとの間の通過断面積が導入溝
の前側の延出境界に対応するシリンダの内周面部位とロ
ータとの間の通過断面積以上となるように導入溝の境界
位置を設定した。
[作用] 円弧曲線とサインカム曲線のような凸曲線とは例えば三
次曲線で接続される。これによりベーンは凸曲線領域か
ら緩衝領域へ滑らかに摺動移行し、緩衝領域からシール
領域へ滑らかに摺動移行する。従って、シリンダ内周面
に対するベーンの不連続な摺接が無くなり、不連続な摺
接によるシリンダ内周面の損傷が回避される。
又、導入溝の境界とロータとの間の通過断面Cs1の面積
総和Σが導入溝の前側の延出境界に対応するシリンダ
の内周面部位とロータとの間の通過断面Cs2の面積Σ
以上となるように導入溝の境界位置を設定したことによ
り、導入溝の境界とロータとの間の通過断面Cs1におけ
る吐出抵抗を通過断面Cs2における吐出抵抗以下とする
ことができる。従って、吐出口における吐出抵抗と通過
断面Cs2における吐出抵抗との適切なバランスを達成す
ることができ、このバランス達成のもとに通過断面Cs2
における吐出抵抗が抑制されるように、かつベーン介し
て隣合う圧縮室間の連通が適正時期となるように導入溝
の前側の延出境界を設定すれば円滑な吐出作用を達成す
ることができる。
[実施例] 以下、本発明を可変容量型ベーン圧縮機に具体化した一
実施例を図面に基づいて説明する。
第3図に示すように接合固定された前後一対のハウジン
グ1,2内にはシリンダ3が収容固定されており、シリン
ダ3の前後両端にはサイドプレート4,5が密着接合され
ている。シリンダ3内は略楕円柱状の室に形成されてお
り、シリンダ室内には円柱状のロータ6が第1図の矢印
P方向へ回転可能に嵌入収容されている。ロータ6は略
楕円形状のシリンダ内周面の短軸側の領域で微小なクリ
アランスをもって嵌合しており、この微小クリアランス
の領域がシール領域S1,S2となる。
ロータ6の前後には支軸6a,6bが一体形成されており、
フロントサイドプレート4及びリヤサイドプレート5に
それぞれ回転可能に支持されている。ロータ6の周面に
は複数の溝7(本実施例では4つ)が半径方向へ凹設さ
れており、各溝7にはベーン8が前後両サイドプレート
4,5に密接して摺動可能に嵌入支持されている。溝7の
底部はリヤハウジング2後部の油分離室2aに連通してお
り、油分離室2a内に溜められている潤滑油が溝7底部へ
供給され得るようになっている。各ベーン8はロータ6
の回転に伴う遠心力及び油分離室2aに連通する溝7底部
の圧力によりシリンダ内周面に当接可能であり、シリン
ダ室が複数枚のベーン8及びシール領域S1,S2により複
数の圧縮室R1,R2,R3に区画される。
シリンダ3には軸方向に貫通する一対の吸入通路9A,9B
が設けられており、シリンダ室に開口する吸入口10A,10
Bが180゜の角度差を持って吸入通路9A,9Bに連通されて
いる。両吸入口10A,10Bはロータ6の回転方向Pにおけ
るシール領域S1,S2の通過側に配置設定されている。
シリンダ3の周方向において吸入通路9A,9Bの近傍には
一対の吐出室3a,3bが設けられており、シリンダ室に開
口する吐出口11A,11Bが180゜の角度差をもって吐出室3
a,3bに連通されている。この実施例では一方の吐出室3a
(又は3b)には3つの吐出口11A(又は11B)が対応形成
されている。両吐出口11A,11Bはロータ6の回転方向に
おけるシール領域S1,S2の手前側に配置設定されてお
り、吐出室3a,3b内にて吐出弁12A,12Bにより開閉され
る。
吐出口11A,11Bには導入溝11a,11bがロータ6の回転方向
に接続形成されている。第2図(b)に示すように導入
溝11a,11bの幅Wは吐出口11A,11Bの径以上に設定されて
おり、ロータ6の回転方向における導入溝11a,11bの後
側の延出境界d1はシール領域S1,S2の境界上に設定され
ている。そして、ロータ6の回転方向における導入溝11
aの前側の延出境界d2、側方の境界d3,d4及び延出境界d1
とロータ6との間の通過断面Cs1(第2図(b)に斜線
で示す領域)の面積σを吐出口11Aの個数(3)倍した
面積(=Σ)が前側の延出境界d2に対応するシリンダ
周面部位とロータ6との間の通過断面Cs2の面積Σ
(第3図においてシリンダ3とロータ6とで挟まれる
領域面積)以上に設定されている。言い換えれば通過断
面Cs1の面積Σが通過断面Cs2の面積Σ以上となるよ
うに延出境界d2の位置が設定されている。延出境界d2
ロータ6との間の通過断面は第2図(a),(b)に鎖
線Kで示され、通過断面積σは、第2図(b)において
鎖線K、境界d3及びロータ6の円周曲線C′とで形成
される略三角形状の領域面積の2倍と、(鎖線Kの長
さ)×(導入溝11aの幅W)との和となる。
フロントハウジング1とフロントサイドプレート4との
間の吸入室1aへ導入された冷媒ガスはフロントサイドプ
レート4の吸入通路4a及び吸入通路9A,9Bを介してシリ
ンダ室内へ導入され、次いで吐出口11A,11Bから吐出弁1
2A,12Bを押し退けて吐出室3a,3bへ吐出される。ロータ
6とフロントサイドプレート4との間には円環状の容量
制御板13が支軸6aを中心に回動可能に介在されており、
容量制御板13には吸入通路4aとシリンダ室とを接続する
補助通路13a,13bが設けられている。従って、容量制御
板13を回動することによりベーン8にて圧縮室R1,R2,R3
に区画されるシリンダ室と補助通路13a,13bとの連通期
間が変更され、これによりシリンダ室内への吸入容量、
即ち吐出室3a,3bへ吐出される容量を制御することがで
きる。この制御はフロントサイドプレート4内のスプー
ル14を介した吐出圧と吸入圧との圧力対抗により行わ
れ、この圧力対抗に伴うスプール14の摺動変位がピン15
を介して容量制御板13の回動に変換される。
第1図に示すようにロータ6の回転軸線lからシリンダ
3の内周面までの動径をr、動径rの始端線Lから動径
rまでの回転角度をθとした場合、シール領域S1の角度
範囲−θ1/2≦θ≦θ1/2及びシール領域S2の角度範囲π
−θ1/2≦θ≦π+θ1/2ではシリンダ3の内周面の曲線
はロータ6の半径よりも僅かに大きい半径Rの円弧曲線
である。第4図ではr=Rを表す横軸上にC0として示さ
れる。
θ1/2+θ≦θ≦θ1/2+θ+θの角度範囲では次
式(1)で表されるサインカム曲線が用いられている。
r=p1+q1sin(αθ+β) ・・・(1) なお、p1,q11は適宜選択される定係数である。
式(1)で表される曲線は第4図にC4で示される。
−θ1/2−θ≧θ≧θ1/2+θ+θ−πの角度範囲
では次式(2)で表されるサインカム曲線が用いられて
いる。
r=p2+q2sin(αθ+β) ・・・(2) なお、p2,q22は適宜選択される定係数である。
式(2)で表される曲線は第4図にC2で示される。
又、角度範囲θ1/2+θ+θ≦θ≦π−θ1/2−θ
では式(2)で表されるサインカム曲線の180゜回転対
称の曲線が用いられ、角度範囲θ1/2+θ+θ−π
≧θ≧θ1/2+θ−πでは式(1)で表されるサイン
カム曲線の180゜回転対称の曲線が用いられる。
角度範囲θ1/2≦θ≦θ1/2+θでは次式(3)で表さ
れる三次曲線が用いられている。
r=a0+a1θ+a2θ+a3θ ・・・(3) なお、a0,a1,a2,a3は適宜選択される定係数である。式
(3)で表される曲線は第4図にC3で示される。
又、角度範囲−θ1/2−θ≦θ≦−θ1/2では次式
(4)で表される三次曲線が用いられている。
r=b0+b1θ+b2θ+b3θ ・・・(4) なお、b0,b1,b2,b3は適宜選択される定係数である。式
(4)で表される曲線は第4図にC1で示される。
角度範囲π−θ1/2≧θ≧π−θ1/2−θでは式(4)
で表される三次曲線の180゜回転対称の曲線が用いら
れ、角度範囲π+θ1/2≦θ≦π+θ1/2+θでは式
(3)で表される三次曲線の180゜回転対称の曲線が用
いられる。即ち、シリンダ3の内周面の角度範囲0゜≦
θ<πにおける曲線形状と、角度範囲π≦θ<2πにお
ける曲線形状とは180゜回転対称であり、シール領域S1,
S2におけるシール作用及び両シール領域S1,S2付近に対
するベーン8の摺接作用は同一である。そこで、第2図
(a)に示すシール領域S1側のみを説明対象とする。
第4図に示すように角度範囲−θ1/2−θ≦θ≦−θ1
/2の曲線C1を表す式(4)を角度θで微分すれば次式
(5)で表される曲線D1となる。
r′=b1+2b2θ+3b3θ ・・・(5) 又、曲線C1に接続するサインカム曲線を表す式(2)を
角度θで微分すれば次式(6)で表される曲線D2とな
る。
r′=q2α2cos(αθ+β) ・・・(6) 式(2),(4),(5),(6)の各定係数は角度θ
=−θ1/2,−θ1/2−θ21/2+θ+θ−π、その
ときの動径r及び微分値r′の設定値に基づいて決定さ
れ、式(2),(4)で表される曲線C2,C1が特定され
る。この曲線C2,C1の特定に際しては微分曲線D2とD1
の連続性、及び微分曲線D1と円弧曲線C0の微分(=0)
との連続性が与えられ、三次曲線C1はサインカム曲線C2
及び円弧曲線C0に滑らかに接続する。これによりベーン
8はサインカム曲線C2のシリンダ内周面から三次曲線C1
のシリンダ内周面へ摺接したまま滑らかに移行すると共
に、三次曲線C1から円弧曲線C0のシリンダ内周面へ離間
することなく滑らかに移行し、ベーン8の不連続な摺接
によるシリンダ内周面の損傷が回避される。即ち、三次
曲線C1の領域は緩衝領域X1となっている。
第2,4図の鎖線曲線C′はサインカム曲線C2の一部で
あり、従来ではこの鎖線曲線C′が円弧曲線C0に接続
しており、角度範囲−θ≦θ≦θがシール領域とな
っている。鎖線曲線C′の微分は鎖線曲線D′で示
され、θ=−θにて不連続が生じる。即ち、従来では
θ=−θにてシリンダ内周面が角部となってこの部位
におけるベーン8の没入方向への加速度が大きく、本実
施例では異なってベーン8の不連続な摺接が起きる。し
かしながら、本実施例では緩衝領域X1の介在によって不
連続な摺接が解消される上、緩衝領域X1は第2図(a)
から明らかなようにシール領域S1の角度範囲の拡大をも
可能とする。
第4図に示す曲線D4はサインカム曲線C4の微分曲線であ
り、曲線D3は三次曲線C3の微分曲線である。鎖線曲線
C′はサインカム曲線C4の一部であり、鎖線曲線D′
は鎖線曲線C′の微分曲線である。即ち、三次曲線
C3の領域はシール領域S1及びサインカム曲線C4に滑らか
に接続しており、領域X2は緩衝領域X1と同様の緩衝作用
効果をもたらす。
又、ロータ6の回転方向Pにおける導入溝11aの後側の
延出境界d1がシール領域S1の境界上に設定されているた
め、ベーン8が延出境界d1に近接した状態で形成される
圧縮室R1の容積は殆ど零となり、冷媒ガスの過圧縮が回
避される。このような過圧縮の回避をもたらす導入溝11
aの境界d2,d3,d4の位置が前記したような通過断面Cs1
おける面積Σと通過断面Cs2における面積Σとの間
の大小関係に基づいて設定されているため、通過断面Cs
1における吐出抵抗が通過断面Cs2における吐出抵抗以下
となる。従って、冷媒ガスが導入溝11aに到達する直前
の通過断面Cs2における吐出抵抗と、導入溝11aの境界
d2,d3,d4上の吐出抵抗とのバランスが適切となる。そこ
でこの適切なバランス設定のもとに、通過断面Cs2にお
ける吐出抵抗が適宜抑制されるように、かつベーン8を
介して隣合う圧縮室R1と圧縮室R2との連通が適切な時期
に行われるように延出境界d2の位置を設定すれば、円滑
な吐出作用を達成しつつ圧縮効率を向上することができ
る。
さらに、導入溝11aの介在により吐出口11Aをロータ6の
回転方向における配置設定の自由度が高まり、吐出口11
Aをシール領域S1側へ適宜近付けて吐出弁12Aを増長し、
吐出弁12Aの曲げ疲労を低減することができる。
本発明は勿論前記実施例にのみ限定されるものではな
く、例えばサインカム曲線及び円弧曲線に三次曲線を近
似的に滑かに接続したり、サインカム曲線のように単調
増大から単調減少へ移行する上に凸の他の曲線をサイン
カム曲線に代えて用いたり、あるいは三次曲線に近似し
た曲線を採用することも可能である。又、吐出口側にの
み緩衝領域を設ける構成も十分なシール領域の確保及び
ベーンの円滑な摺接を可能とする。さらには導入溝の後
側の延出境界をシール領域の境界上から若干ずらした
り、導入溝の境界形状を適宜変更することも可能であ
る。
又、本発明は固定容量型のベーン圧縮機にも適用でき
る。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明は、シール領域を挟んで隣合
う吐出口と吸入口との少なくとも吐出口側にシール領域
と上に凸の曲線領域とに滑らかに接続する緩衝領域を介
在したので、ベーンの不連続な摺接がなくなり、これに
よりシリンダ内周面の損傷を防止し得る。これに加えて
吐出口に接続する導入溝をロータの回転方向へ適宜延出
すると共に、導入溝の境界上における通過断面積が導入
溝の前側の延出境界に沿ったシリンダ内周面上の通過断
面積以上となるようにしたので、両通過断面における吐
出抵抗のバランスが図られ、これにより円滑な吐出作用
を達成し得るという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明を具体化した一実施例を示し、第1図は第
3図のA−A線拡大断面図、第2図(a)は要部拡大断
面図、第2図(b)は要部拡大斜視図、第3図は側断面
図、第4図はシリンダ内周面の曲線を及びその微分曲線
を表すグラフである。 シリンダ3、ロータ6、ベーン8、吸入口10A,10B、吐
出口11A,11B、導入溝11a,11b、延出境界d1,d2、境界d3,
d4、通過断面Cs1,Cs2、シール領域S1,S2、緩衝領域X1
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−170579(JP,A) 特開 昭57−116189(JP,A) 特開 昭58−98689(JP,A) 実開 昭56−76186(JP,U)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダ内に円柱形状のロータを回転可能
    に嵌入収容すると共に、ロータの回転軸線からシリンダ
    内周面に至る動径の長さが単調増大から単調減少へ移行
    する上に凸の曲線からなる領域のシリンダ内周面とロー
    タ周面との間の空間を複数枚のベーンにより複数の圧縮
    室に区画形成し、ロータの回転により冷媒ガスの吸入、
    圧縮及び吐出を行なうベーン圧縮機において、前記凸曲
    線領域の端部に配置される吐出口とこれに隣合う吸入口
    との間のシリンダ内周面には前記ロータの半径に略一致
    する半径をもった円弧曲線のシール領域を設け、シール
    領域と前記吐出口との間のシリンダ内周面にはシール領
    域の円弧曲線及び凸曲線に滑らかに接続する曲線からな
    る緩衝領域を設け、前記吐出口には前記ロータの回転方
    向の前後に延出する導入溝を接続形成すると共に、導入
    溝の後側の延出境界を前記シール領域の境界付近に設定
    し、導入溝の境界とロータとの間の通過断面積が導入溝
    の前側の延出境界に対応するシリンダの内周面部位とロ
    ータとの間の通過断面積以上となるように導入溝の境界
    位置を設定したベーン圧縮機。
JP63271805A 1988-10-26 1988-10-26 ベーン圧縮機 Expired - Lifetime JPH0778393B2 (ja)

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