JPH077792U - 円形沈殿池のスカム除去装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 オキシデーションディッチ等活性汚泥法の円
形沈殿池において、水面に浮遊するスカムを効率的に、
かつ円滑に捕集して排出する。 【構成】 円形沈殿池１において、スカム掻寄フライト
３を回転させながら、フライトの外側端部のスカムコレ
クターに水面のスカムＡを集めてスカムボックスへと排
出する。沈殿池の中央からスカムボックス５の水面位置
に堰板４を設ける。これにより、掻寄フライト３が堰板
を通過する時には、堰板が水面下に沈むか、フライト上
部に持ち上がる構造とし、掻寄フライトの回転に伴って
生じる水面の流れを堰板で止めて、浮遊スカムを堰板と
フライトの間に挟み込みながらフライトの外周部へと集
め、スカムボックスに落下させてスカムを確実に排除す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はオキシデーションディッチ等活性汚泥法の円形沈殿池において、水面 に浮遊するスカムを効率的に、かつ円滑に捕集して排出する円形沈殿池のスカム 除去装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

汎用されている円形沈殿池のスカム除去装置は、沈殿池の外周部内面にスカム ボックスを設け、沈殿池の中心と外壁との間に渡した汚泥掻寄機の支持架台の下 部に設けたスカム掻寄フライトを回転させながら、水面上の浮遊スカムをフライ トに沿って池外周部へと移動させ、スカムをスカムボックスに落下させるように している。そしてスカムの掻寄フライトは、スカムが池外周部へと移動しやすい ように、放射方向に対し、池外周に近づくにつれて徐々に角度を持たせるように している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来の方法装置では、水面に浮遊するスカムはフライトの回転と同じ 速度でとも廻りしてしまって池の外周部に完全に集めることができず、スカムの 捕集効率が悪いものとなっている。

【０００４】 本考案は、円形沈殿池においても浮遊するスカムを効率的に、円滑に捕集して 排出することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記目的を達成するためになしたもので、スカム掻寄フライトを回転 させながら、フライトの外側端部のスカムコレクターに水面のスカムを集めてス カムボックスへと排出する円形沈殿池において、沈殿池の中央からスカムボック スの水面位置に堰板を設けたことを要旨とする。

【０００６】

【作 用】

沈殿池の中央からスカムボックスの間の水面位置に堰板を設け、掻寄フライト が堰板を通過する時には、堰板が水面下に沈むか、フライト上部に持ち上がる構 造とし、掻寄フライトの回転に伴って生じる水面の流れを堰板で止めて、浮遊ス カムを堰板とフライトの間に挟み込みながらフライトの外周部へと集め、スカム ボックスに落下させてスカムを排除する。

【０００７】

【実施例】

以下本考案円形沈殿池のスカム除去装置を図示の実施例にもとづいて説明する 。 図において１は所要の径と容積を有する円形沈殿池で、この円形沈殿池１の中 央には、フィードウェル２と汚泥流入管９を設け、曝気槽からの汚泥混合液を流 入させる。また外周には越流堰を有する処理水トラフ６を設け、その内側１カ所 にスカムボックス５を水面付近に固定する。スカムボックス５からのスカム水は 、スカム排出管１１を介して、沈殿池外のポンプ井等へと導く。またこのスカム ボックス５から中央に向けて、水面にオイルフェンスのように浮遊させるように してフロート式の堰板４を設置する。

【０００８】 オイルフェンスのように水面に浮遊するフロート式の堰板４の形状は、フロー トに板を取り付けた構造の他、チューブ状など各種断面形状のものを使用するこ とができる。このフロート式の堰板４は、水面下に設けた支持用の梁４１から係 留用のロープ４２等を用いて支持する。またこの堰板４はスカム掻寄フライト３ が通過する時には、水面下に沈み込む構造であるが、逆に水面上に持ち上げられ るような構造としてもよい。

【０００９】 さらにフロート式の堰板以外にも、上部の架台を利用して中央からスカムボッ クスの間にゴム板状の堰板を設けてフライト３が通過する時に曲がって上に持ち 上げられ、通過後に元の位置に戻るような構造にすることもできる。

【００１０】 スカム掻寄フライト３は、中央の架台に固定された駆動装置７の下部から外周 に向かって張り出した上部アーム３５から水面位置に固定する。この駆動装置７ は汚泥掻寄用の駆動装置を兼ねたもので、スカム掻寄フライトの下部に設けた下 部アーム３６からチェーン等により汚泥掻寄フライト８を吊り下げた構造として いるが、特にこの構造に限定されるものではない。

【００１１】 またスカム掻寄フライト３は図１に示すように中心からの放射方向に対して、 角度を持たせて水面のスカムを外周方向に端部のスカムコレクター３３に集める 構造としているため、フライトの内側から順に堰板４の上部を通過する。そこで スカム掻寄フライト３は、ゴム板状の掻寄板３１を鋼材３４で挟み込んだ構造と し、フロート状の堰板４を押さえ込むためのガイド板３２を数カ所に設ける。第 ４図はこのガイド板３２を横から見た図で、堰板４を徐々に押さえて水没させた 後、徐々に元の位置へと浮上するように下部を円弧状としている。

【００１２】 次に、上述の如く構成したスカム除去装置の動作、作用を説明する。 曝気槽から汚泥流入管９を介して流入した汚泥混合液は、フィードウェル２の 上部から底部方向に向かって沈み込んでいく。この時、混合液中の汚泥Ｂは沈殿 し、混合液中に含まれていたスカムＡが浮上する。架台上に設けた駆動装置７は 、常時運転され、これにより底部では汚泥掻寄フライト８が回転して沈殿した汚 泥が中央の汚泥溜め１０に集められる。また浮上したスカムＡは、スカム掻寄フ ライト３の回転によって水面上をフライトと同じ速度で回転しようとするが、前 面に設けた堰板４によって堰止められるため、フライトと堰板の間に挟み込まれ たスカムは、放射方向に対し角度を持たせた掻寄板３１に沿って外周方向へと移 動し、スカムコレクター３３へと集められる。

【００１３】 スカム掻寄フライト３は、内側から順に堰板４に達するが、この時、掻寄フラ イトのガイド板３２に沿って堰板が押さえ込まれて徐々に水面下に沈み込むと共 に、堰板４とフライトの掻寄板３１の間に残っていたスカムが外周方向へと移動 していく。さらに回転するにつれて、堰板４は内側から外側に向かって順に水没 し、スカム掻寄フライト３が通過すると元の位置に浮上する。またスカムコレク ター３３がスカムボックス５に達すると、スカムコレクターに集められたスカム ボックスへと排出される。

【００１４】

【考案の効果】

本考案円形沈殿池のスカム除去装置によるときは、スカム掻寄フライトを回転 させながら、フライトの外側端部のスカムコレクターに水面のスカムを集めて、 スカムボックスへと排出する円形沈殿池において、沈殿池の中央からスカムボッ クスの間の水面位置に堰板を設け、掻寄フライトが堰板を通過する時には、堰板 が水面下に沈むか、フライト上部に持ち上がる構造としているため、掻寄フライ トの回転に伴って生じる水面の流れを堰板で止めて浮遊スカムを、堰板とフライ トの間に挟み込みながらフライトの外周部へと移動させ、スカムコレクターに効 率的に集めることができ、浮遊スカムを円滑に排除できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案円形沈殿池のスカム除去装置の一実施例
を示す平面図である。

【図２】同縦断面図である。

【図３】スカム掻寄フライトの平面図である。

【図４】同断面図である。

【符号の説明】

１ 円形沈殿池 ３ スカム掻寄フライト ３３ スカムコレクタ ４ 堰板 ５ スカムボックス

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スカム掻寄フライトを回転させながら、
   フライトの外側端部のスカムコレクターに水面のスカム
   を集めてスカムボックスへと排出する円形沈殿池におい
   て、沈殿池の中央からスカムボックスの水面位置に堰板
   を設けたことを特徴とする円形沈殿池のスカム除去装
   置。