JPH0777914B2 - 粘性補償装置を具備するパッケージ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、液体の粘性の影響を受けない制御流量で容器
から液体を分配するための、粘性補償装置を具備するパ
ッケージに関する。

従来技術及びその課題 最近まで、多数の市販される後混合炭酸飲料ディスペン
サー・ユニットは、ファーストフード・レストランにお
ける如く、大量の商業上の使用のために設計された。し
かし、最近、一般公衆による使用のために十分に利用可
能にするために、後混合飲料ディスペンサー・ユニット
の費用、サイズ及び重量を削減する試みが、飲料ディス
ペンサー産業において行われた。そのようなユニットの
例は、米国特許第4,306,667号及び第4,493,441号に開示
されている。

米国特許第4,306,667号には、冷蔵庫内における配置が
開示されおり、米国特許第4,493,441号には、冷蔵手段
を組み込んだシステムが開示されている。

基本的に、そのような後混合炭酸飲料分配システムのす
べては、飲料を生成するために、シロップ、水及び炭酸
ガスの３つの異なる成分を使用する。これらのシステム
は、消費大衆によって容易に使用できるように、これら
の成分を、容易に且つ迅速に補充可能でなければならな
い。

好ましくは、シロップは、スーパーマーケットで入手で
きるパッケージにおいて消費者に市販される。小形の後
混合飲料分配システム使用された先行技術のシロップ・
パッケージの例は、米国特許第4,216,885号に開示され
ている。このシロップ・パッケージには、流量制御管が
組み込まれている。この配置において、この流量制御管
は、期待された温度状態の下で所望の流量を収容するよ
うに配置されている。即ち、流量制御管は、シロップが
使用される動作環境温度（即ち、冷蔵区画室の温度）に
おいて、パッケージからシロップを適切な流量で供給す
るように動作する。

類似の配置は、「一体型可処分弁アセンブリを有する可
処分シロップ・パッケージ」と題する1986年10月14日に
提出された米国特許第918,714号において示される。こ
の出願における流量制御管は、上記米国特許において開
示されたものと同様に動作する。

実際の使用において、シロップ・パッケージは、常に単
一の正確な冷却温度に維持されるわけではなく、例え
ば、シロップ・パッケージは、室温においても保管され
る。このため、新パッケージが後混合飲料分配システム
に挿入された後、パッケージが設計された所望の冷却温
度にシロップが達するまでに、かなりの時間期間が必要
とされる。消費者が、冷えていないシロップを使用する
と、その粘性が小さいため、非常に多量のシロップが分
配される可能性があり、これにより生成された飲料の味
を悪化させる。

そのような粘性変化が克服される一つの手段は、米国特
許第3,658,216号において示されたように、計量装置の
使用による。計量装置において、第１弁は、貯蔵器への
流体流を許容するために開放され、その底部は、第２弁
によって阻止される。冷却器が一杯である時、第１弁は
閉じ、そして第２弁は、開かれ、所定計量の流体が分配
される。そのような計量装置は、比較的複雑であり、そ
して弁のどちらかが適正に座を占めないならば、故障を
起こすという問題がある。

従って、本発明の目的は、後混合炭酸飲料分配システム
への組み込みのために適する粘性補償装置を具備するパ
ッケージを提供することである。

更に、本発明の他の目的は、分配の時点において液体の
粘性に独立な制御流量で、液体を分配するためのパッケ
ージを提供することである。

本発明の他の目的は、容器における放出開口を横切って
容器に取り付けられた粘性補償装置を具備するパッケー
ジを提供することである。本発明によると、液体が、容
器から放出開口を通って、重力送りによって分配される
時、粘性に独立な液体の流量が達成される。

本発明のさらに他の目的は、構造が簡単で、生産が経済
的、そして動作に信頼性がある粘性補償装置を具備する
パッケージ提供することであり、この粘性補償装置は、
パッケージに直接に組み込まれるか、使用の時点におい
てパッケージに取り付けられるか、又は液体が重力送り
によって分配される装置内に取り付けられる。

本発明の他の目的は、後混合炭酸飲料分配システムにお
いてシロップの流量を調整するためのシステムを形成す
るために組み合わせられる新規な粘性補償装置を具備す
るパッケージを提供することである。

問題点を解決するための手段 本発明に従うと、上記のとおりの課題が、 液体が分配されるとき底部に位置する放出開口を有する
容器と、該放出開口に設けられた粘性補償装置とを具備
し、 該粘性補償装置が、該放出開口を通って分配された液体
を、その粘性に従った量だけ一時的に保持する弁要素
と、該弁要素によって保持された液体の量に従って該弁
要素の位置を変化せしめる、該弁要素を支持する支持手
段とを備えており、 該弁要素が、該放出開口に対する位置によって、該放出
開口の有効寸法を変化せしめる部分を有し、 上記液体の粘性に従って、該弁要素に保持される液体の
量が決まり、 該弁要素によって保持される液体の量に従って、該弁要
素の位置が決まり、 該弁要素の位置に従って、該放出開口の有効寸法か決ま
り、 これによって、該放出開口を通る液体流量を、液体の粘
性に影響を受けずに実質的に一様に維持する ことを特徴とする液体を分配するための、粘性補償装置
を具備するパッケージ を提供することによって、解決される。

実施例 第１図乃至第３図を参照して、本発明の第１の実施例に
従う粘性補償装置を具備するパッケージを説明する。

粘性補償装置10は、後混合炭酸飲料システムにおいて使
用するように、容器12の底部に取り付けられている。容
器12は、基部に放出開口14を含む。粘性補償装置10が、
第１図及び第２図において示され、容器12の基部に、下
方に延びているフランジ16が設けられている。このフラ
ンジ16が放出開口14を取り囲んでいる。粘性補償装置10
が、放出開口14と接触状態から離れると、容器12内の液
体18が、放出開口14を通って重力送りにより分配され
る。分配されている液体の流れが、第１図及び第２図に
おいて参照番号20によって示されている。

粘性補償装置10は、弁要素22及びエラストマー要素34を
含む。弁要素22は、容器12の放出開口14に整合してお
り、かつこれと協同する。好ましくは、弁要素22は、放
出開口14に係合するようになっている針部材24を有す
る。弁要素22の針部材24が放出開口14に近接すると、放
出開口14の有効サイズは減少し、弁要素22の針部材24が
放出開口14から離れると、放出開口14の有効サイズが増
大する。このようにして、放出開口14からの液体の流量
が調節される。針部材24の断面形状は、放出開口14の断
面形状のほぼ一致し、これらの断面形状は、好ましは、
円形である。

弁要素22は、さらに、放出開口14を通って分配された液
体の部分を一時的に蓄積するためのボウル26を含む。ボ
ウル26は、弁要素22の針部材24の下方端部に連結されて
いる。ボウル26は、基部に複数の漏れ口28を含み、容器
12から分配された液体が、参照番号32において示された
如く、漏れ口28を介して流れる。漏れ口28により分配さ
れた液体は、例えば、後混合飲料分配システムによって
使用される。

粘性補償装置10は、エラストマー要素34を具備する。エ
ラストマー要素34の外側部が、放出開口14の回りの容器
12に取り付けられ、その内側部が弁要素22に取り付けら
れるようになっている。エラストマー要素34は、放出開
口14に整合するように弁要素22を支持する。

第３図に示された如く、エラストマー要素34の好ましい
実施態様においては、リム36が設けられ、このリム36
が、容器12のフランジ16に取り付けられる。リム36から
ハブ38に向かって、エラストマー材料の複数のスポーク
40が延びている。複数のスポーク40は、吐出空間42を形
成する。エラストマー要素34が、弁要素22の針部材24に
取り付けられると、吐出空間42は、容器12から分配され
た液体をボウル26に流す。他方、エラストマー容器34が
ボウル26の内側に取り付けられたならば、エラストマー
要素34の吐出空間42は、空気を通過させ、その結果容器
12から分配された液体は、ボウル26における漏れ口28を
通って外側に流動することができる。

動作において、室温において保管され、後混合飲料分配
システムに配置された高温のシロップのように、比較的
粘性が小さい液体が、容器12に入っているとき、そのよ
うな液体は、第１図に示された如く、針部材24が放出開
口14から少しだけ押し出された状態でも、放出開口14を
通って容易に流れる。そして、このような粘性の小さい
液体は、エラストマー要素34を通過し、ボウル26に一時
的に蓄積される。粘性が小さいため、液体は、漏れ口28
を容器に通過し、そして低レベル30によって示されたよ
うに、液体の小部分のみがボウル26に蓄積される。

逆に、低温のシロップのように粘性の大きい液体が、容
器12に収容されているとき、第２図において参照番号32
aで示した流れのように、漏れ口28を介する液体の流れ
となる前に、第２図の高レベル30aで示されたように流
体がより多量に、ボウル26に蓄積される。粘性の大きい
流体のための液体の高位レベル30aが、二つの効果を有
する。第一に、ボウル26における流体の高位レベルは、
漏れ口28を通って粘性の大きな流体を通すために必要な
大きな液圧を提供するのに役立つ。第二に、第２図に示
された如く、粘性の大きな液体のためのボウル26に収集
された液体の大きな量が、粘性補償装置10の全重量をか
なり増大させ、これによりエラストマー要素34を偏向さ
せて、針部材24を、放出開口14から離し、放出開口のサ
イズを有効に増大させ、単位時間当たりに、より多量の
粘性の大きな流体を容器12から排出させる。このように
して、放出開口14の有効サイズが、液体が後混合炭酸飲
料分配システムにおける使用のために分配される時点に
おいて、容器12に保管された液体の粘性に直接関係して
修正されることになる。

エラストマー要素34のスポーク40の数、サイズ及び弾性
は、液体が通常使用中さらされる可能性のある温度範囲
に従った液体の粘性に基づいて容易に決定することがで
きる。同様に、装置に備えられた漏れ口28の数、サイズ
等の容易に決定することができる。

次に、第４図乃至第６図を参照して、本発明の第２の実
施例に従うパッケージの粘性補償装置を説明する。この
粘性補償装置においては、弁要素22aが、放出開口14を
軸方向に、容器12の内部に延びている弁棒44を有する。
弁棒44は、細い部分を有し、この細い部分は、容器12の
内部に位置する肩50で終わっている。弁要素22aの針弁
部分46の下に、第２の肩54がある。第４図における肩54
は、フランジ56の底部に突き当たる。フランジ56は、容
器12の底部から下に延びており、そして放出開口14を取
り囲んでいる。

弁棒44の細い部分を取り囲んで、コイル・バネ48があ
る。コイル・バネ48は、一方の端部において弁棒44の肩
50に対接しており、その反対の端部において、放出開口
14を取り囲む凹部に対接している。弁要素22aのボウル
部分26は、第５図及び第６図に示された如く、第１の実
施例と実質的に同一であり、かつ同様に動作する。

針弁部分46は、最も太いところで、容器12における放出
開口14と実質的に同じ大きさである。このため、容器12
からの流体の流れを阻止するとき、針弁部分46が、放出
開口14へと押され、放出開口14を閉鎖する。これは、第
４図に示されている。針弁部分46は、粘性補償装置に外
部の力によって、放出開口14に挿入される。例えば、そ
のような挿入は、容器の製造及び充填プロセス中機械に
よって、そしてシステムからの容器の除去によりシロッ
プ容器を手動で再閉鎖しかつ密封する消費者によって行
われる。もちろん、消費者はまた、飲料ディスペンサー
・システムに容器12を設置するとき、放出開口14から針
弁部分46を手動で引き抜く。多様なバネ装置が使用でき
るが、弁棒44の狭部分を取り囲むコイル・バネ48が、好
ましい。

第１図乃至第３図に示した実施例の場合のように、技術
における普通の熟練者は、容器12内の液体の粘性と、液
体が通常使用中さらされる可能性のある温度範囲から、
コイル・バネ48において使用される適切なバネ材料の機
械的特性を容易に決定することができる。しかし、明ら
かに、コイル・バネ48は、特に第６図に示された如く、
高粘性において、放出開口14への流体流を部分的に制限
するために役立つように、バネ設計は、すべての期待さ
れた動作条件の下で液体の十分な流量を許容するように
行われる。

本発明の好ましいと考えられる実施例が示され、かつ記
載されたが、多様な変化と修正が、特許請求の範囲に記
載された如く、発明の精神と範囲を逸脱することなしに
行われることが、技術における熟練者には明らかであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の第１の実施例に従う粘性補償装置を
具備するパッケージの要部断面図。 第２図は、粘性の大きい液体が分配されている第１図と
同様な断面図。 第３図は、第１図及び第２図に示された粘性補償装置の
エラストマー要素の好ましい実施態様の斜視図。 第４図は、本発明の第２の実施例に従うパケージの要部
断面図。 第５図は、粘性の小さな液体が分配されている第４図と
同様な断面図。 第６図は、粘性の大きな分配されている第４図と同様な
断面図。 10……粘性補償装置 12……容器 14……放出開口 16……フランジ 22……弁要素 24……針部材 40……スポーク

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】液体が分配されるとき底部に位置する放出
   開口と、該放出開口に設けられた粘性補償装置とを具備
   し、 該粘性補償装置が、該放出開口を通って分配された液体
   を、その粘性に従った量だけ一時的に保持するボウル及
   び該ボウルに設けられた漏れ口を有する弁要素と、該ボ
   ウルによって保持された液体の量に従って該弁要素の位
   置を変化せしめる、該弁要素を支持する支持手段とを備
   えており、 該弁要素が、該放出開口に対する位置によって、該放出
   開口の有効寸法を変化せしめる部分を有し、 これによって、該放出開口を通る液体流量を、液体の粘
   性に影響を受けずに実質的に一様に維持する ことを特徴とする液体を分配するための、粘性補償装置
   を具備するパッケージ。