JPH0777613A - プラスチック光ファイバの製造方法及びそれによるプラスチック光ファイバ - Google Patents

プラスチック光ファイバの製造方法及びそれによるプラスチック光ファイバ

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JPH0777613A
JPH0777613A JP5222708A JP22270893A JPH0777613A JP H0777613 A JPH0777613 A JP H0777613A JP 5222708 A JP5222708 A JP 5222708A JP 22270893 A JP22270893 A JP 22270893A JP H0777613 A JPH0777613 A JP H0777613A
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JP
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optical fiber
sheath
plastic optical
polymer
reduced viscosity
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JP5222708A
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Yoshimitsu Ito
良光 伊藤
Norinobu Maeda
礼信 前田
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 メチルメタクリレ−ト系重合体を芯成分と
し含弗素メタクリレ−ト系重合体を鞘成分として芯鞘複
合構造のプラスチック光ファイバを製造する。その際、
含弗素メタクリレ−ト系重合体における還元粘度を0.
35〜0.58として、かつ、残存モノマ−量を0.8
重量%以下とする。 【効果】 本発明によると、光伝送特性や耐熱性に優
れ、鞘部分の厚みが均一で、しかも、ファイバ径の斑の
ないプラスチック光ファイバを容易に製造することがで
きる。さらに、紡糸時のトラブルなく生産量を増加させ
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、FA機器、OA機器、
自動車、家電製品および装飾品などに用いられる光伝送
媒体として有用なポリメチルメタクリレート系プラスチ
ック光ファイバに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光通信技術が急速に進歩し、光伝
送媒体としての光ファイバはその用途に応じ多岐にわた
って利用されてきている。特に、ポリメチルメタクリレ
ート系プラスチック光ファイバは、石英系光ファイバに
比較して光の伝送損失は劣るものの可撓性に優れ安価な
ため近距離用の光伝送媒体として広く使われてきてい
る。
【0003】このポリメチルメタクリレート系プラスチ
ック光ファイバは一般的に、ポリメチルメタクリレート
の芯部分とその周りの極めて薄い鞘部分とからなる芯鞘
二層構造をなしている。
【0004】その製造は、別々に溶融された芯成分と鞘
成分とを別々にギヤポンプで供給し、芯成分と鞘成分と
を複合する口金を有する紡糸機で複合紡糸することによ
り行われる。この複合紡糸は、ナイロンやポリエステル
などの合成繊維における溶融複合紡糸法と同様に行なわ
れる。
【0005】かかる芯鞘複合構造の光ファイバにおい
て、芯部を通る光は、芯部より屈折率の低い鞘部との境
界の面で全反射されつつ伝送される。
【0006】このプラスチック光ファイバの最も重要な
特性は光伝送性の向上であり、そのために光伝送損失を
小さくする提案が種々なされてきている。
【0007】例えば、光伝送損失を減少させるために
は、芯部中で光の通過を妨げる不純物を低減させること
や分子配向の歪みを排除することは当然であるが、一
方、境界面での光の反射を妨げる原因となる、芯鞘間の
密着性の悪さ、鞘部分の不純物、分子配向の歪み等を排
除することも有効である。さらに、製造技術の上から
は、露光の原因となる鞘部分の厚みの不均一、或いは、
マイクロベンディングや界面不整の原因となるファイバ
径の不均一を排除すること等が有効である。
【0008】また、このプラスチック光ファイバは、素
材がプラスチックであるが故に耐熱温度に限界があって
使用する用途が限られるという問題がある。特に、乾熱
や湿熱の雰囲気下に1000時間のように長時間暴露し
た場合、光ファイバの透光性能は大幅に低下してしまう
ため、高くても70〜85℃程度の環境下まででしか使
用できない。そこで、プラスチック光ファイバではその
耐熱性をさらに向上させることも要求されている。
【0009】ところで、芯成分にメチルメタクリレ−ト
系重合体を用いるとともに鞘成分に含弗素メタクリレ−
ト系重合体を用いてなるプラスチック光ファイバ(特開
昭58−7602号公報等)は、プラスチック光ファイ
バの中でも光伝送特性及び耐熱性がともに比較的良好で
あるので、広く実用化されてきている。この場合、得ら
れる光ファイバの機械的特性を良好に維持するために、
鞘成分に用いる含弗素メタクリレ−ト系重合体の還元粘
度は、0.70あるいはそれ以上のように比較的高目の
水準に設定されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の含弗素メチルクリレ−ト系重合体を用いて光ファ
イバを製造する場合、次のような問題があり、さらに改
良することが要求されていた。
【0011】含弗素メタクリレ−ト系重合体は、計量性
の優れた精密なギヤ−ポンプやエクストルダ−等で計量
され複合紡糸の鞘成分に供されるが、その計量途中にお
いて、重合体の粘度が高いとシェア発熱が起り易く重合
体の劣化や黄化や発泡を招く。重合体が劣化や黄化する
と、鞘部中の不純物の増加などにより得られた光ファイ
バの伝送損失が増大する。さらに、1週間以上のような
長時間にわたって光ファイバを連続製造する場合、ポリ
マの熱分解物がギヤーポンプやエクストルーダ内で部分
的に滞留してくる。この熱分解物により重合体の発泡が
誘発され、得られる光ファイバのファイバ径の不均一や
露光の発生という問題が生じてくる。
【0012】また、供給される溶融重合体が通る配管は
重合体の熱劣化をなくす配慮から径を小さくしてあるの
で、供給量を多くすると圧力損失が極めて高くなり、生
産量を高めることが難しい。
【0013】そこで、本発明は、上記したような従来技
術の欠点を解消し、伝送特性及び耐熱性に優れ、鞘部分
厚みの均一性やファイバ径の均一性にも優れたプラスチ
ック光ファイバを得ることを主な目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明法は、メチルメタクリレ−ト系重合体を芯成
分とし含弗素メタクリレ−ト系重合体を鞘成分として複
合紡糸することにより芯鞘複合構造のプラスチック光フ
ァイバを製造する方法において、前記含弗素メタクリレ
−ト系重合体が0.35〜0.58の還元粘度、及び、
0.8重量%以下の残存モノマ−量を有することを特徴
とする。
【0015】また、この製造方法で得られたプラスチッ
ク光ファイバは、メチルメタクリレ−ト系重合体からな
る芯成分と含弗素メタクリレ−ト系重合体からなる鞘成
分とを有する芯鞘複合構造のプラスチック光ファイバで
あって、前記鞘成分をなす重合体の還元粘度が0.33
〜0.57であり、かつ、残存モノマ−量が1.5重量
%以下であることを特徴とする。
【0016】ここで、鞘成分をなす含弗素メタクリレ−
ト系重合体は、
【化1】 の構造式で示される構造単位からなる重合体で代表され
る。
【0017】この構造単位からなる重合体のなかでも、
上記構造式においてA=CH3 、R1 =H、R2 =H、
Z=F、m=1、n=2である構造単位1、上記構造式
においてA=CH3 、R1 =H、R2 =H、Z=H、m
=1、n=2である構造単位2、及び、上記構造式にお
いてA=CH3 、R1 =H、R2 =H、Z=H、m=
1、n=0である構造単位3からなる共重合体が、得ら
れる光ファイバの伝送損失が低くしかも耐熱性が優れて
いる点から鞘成分用に好適である。この共重合体におい
て、上記構造単位1:構造単位2:構造単位3の重量比
は、35〜55:10〜30:25〜45の範囲である
ことがさらに好ましい。
【0018】本発明で特定した含弗素メタクリレ−ト系
重合体の還元粘度とは、ウベロ−デ粘度計を用い、次の
方法で測定される値である。
【0019】溶媒にクロロホルムを用いて溶液濃度が1
%の重合体溶液を作り、ウベロ−デ粘度計を用いて、測
定温度35℃で重合体溶液の落下時間(t)、クロロホ
ルム溶媒の落下時間(to )を測定し、次式により還元
粘度を求める。
【0020】還元粘度=(t/to −1)/C ここで、Cは、重合体の溶液濃度(g/ml)である。
【0021】本発明の目的を達成するためには、この還
元粘度が0.35〜0.58である含弗素メタクリレ−
ト系重合体を複合紡糸に供することが必要である。
【0022】その還元粘度が低過ぎる場合は、粘性が小
さ過ぎて鞘部分の厚みが不均一となるとともに、ファイ
バ径の斑が大きくなる。さらに機械的特性も不十分とな
る。
【0023】一方、還元粘度が従来のように高過ぎる場
合は、本発明の所期の目的を十分に達成できず、得られ
た光ファイバの伝送損失が高くなるし、しかも耐熱性が
悪化する。さらに紡糸温度や口金孔径などで見掛けの溶
融粘度を低くする手段を採っても長時間の運転では発泡
し易くなり、鞘部分の厚みが不均一となり易く、ファイ
バ径の斑が大きくなり易い。また、供給量を多くすると
圧力損失が大きくなり、供給圧力が高くなり過ぎて複合
紡糸が困難となるので、生産量を高めることが難しい。
【0024】なお、還元粘度が0.58を越え0.67
以下程度の水準でも伝送損失の改善効果は得られるが、
長時間の運転においては鞘成分の厚みやファイバ径の均
一性等が十分ではない。
【0025】複合紡糸に供する鞘成分重合体の還元粘度
は、なかでも、0.45以上、また0.56以下である
ことが一層効果的である。
【0026】還元粘度を上記水準にするためには、重合
度が従来よりも低目になるような重合条件を適宜選択す
ればよい。例えば、重合温度を高く設定すること、重合
開始剤の濃度を高くすること、あるいは、連鎖移動剤の
濃度を高くすること等の手段が有効である。
【0027】また、複合紡糸に供する鞘成分重合体の残
存モノマー量は、ガスクロマトグラフィを用いて次の方
法で測定すればよい。
【0028】ガスクロマトグラフィを用いて、予め、基
準サンプル(重合体に一定量のモノマーを混合させてな
るもの)のモノマー含有量とガスクロマトグラフィのモ
ノマーピークとの相対関係についての検量線を作成して
おく。ついで試料をガスクログラフィにかけモノマーピ
ークを測定し、先の検量線から残存モノマ−量を求め
る。
【0029】鞘成分に供する含弗素メタクリレ−ト系重
合体は、残存モノマ−量を0.8重量%以下とする必要
がある。0.8重量%を越える場合は、たとえ還元粘度
を0.35〜0.58の適正範囲としても、発泡を助長
し易く、鞘部分の厚みの不均一化や、それによる露光の
問題が生じ易い。しかも、ファイバ径の斑が大きくな
る。この残存モノマ−量は、特に、0.02〜0.7重
量%の範囲、さらに0.05〜0.5重量%の範囲にあ
ることが、一層効果的であり特に好ましい。
【0030】残存モノマー量を0.8重量%以下の水準
にするためには、重合後に重合体中のモノマーを減圧除
去する方法を適用すればよい。例えば、真空乾燥機で加
熱脱気する方法、ベントエクストルーダーにて減圧除去
する方法が挙げられる。
【0031】本発明の芯成分として用いるメチルメタク
リレ−ト系重合体は、メチルメタクリレートを主たる構
成単位とする重合体であり、ポリメチルメタクリレート
(単独重合体)であってもよいし、また、他の構成単位
を5重量%以下含む共重合体であってもよい。この他の
構成単位(共重合成分)としては、例えば、アクリル酸
エステル単位やそれを重水素化した単位等が挙げられ
る。
【0032】鞘成分及び芯成分として上記した特定の重
合体を用いる本発明法は、通常の方法で溶融複合紡糸し
さらに延伸し熱処理すればよい。
【0033】例えば、複合溶融紡糸用の成形口金から吐
出されたプラスチック光ファイバを、直交する冷却風に
より冷却して固化させ、引取りロールに捲回させた後、
加熱体及び延伸ロールにより加熱延伸する。次いで、必
要に応じて定長熱処理もしくは弛緩熱処理し、巻取機に
よってトラバースしつつ一定張力でボビン上に巻取ると
いう方法で製造すればよい。
【0034】本発明の製造方法で得られた光ファイバ
は、鞘成分をなす重合体の還元粘度が0.33〜0.5
7、かつ、残存モノマ−量が1.5重量%以下であるこ
とで表わすことができる。
【0035】このように、得られる光ファイバの鞘成分
中における残存モノマー量は、溶融複合紡糸工程を経る
ことによって、複合紡糸に供する鞘成分の残存モノマー
量よりも若干高くなるが、残存モノマ−量は1.5重量
%以下に抑えることが必要である。この残存モノマー量
は、さらに、1.0重量%以下であることが好ましい。
【0036】また、得られた光ファイバにおける鞘部分
の還元粘度は、残存モノマー量が増加する結果、複合紡
糸に供する鞘成分の還元粘度よりも若干低くなる。即
ち、複合紡糸に供する鞘成分の還元粘度が0.35未満
であると、得られる光ファイバの鞘成分の還元粘度は
0.33未満となり、逆に、還元粘度が0.58を越え
る鞘成分から得られた光ファイバは鞘成分の還元粘度は
0.57を越え、本発明の目的を十分に達成し難い。特
に、得られた光ファイバの鞘成分の還元粘度は、なかで
も、0.43以上、また0.54以下であることが好ま
しい。
【0037】なお、還元粘度や残存モノマ−量の測定に
供する鞘成分は、芯成分が入らないように鞘成分のみを
削ることによって採取することができる。
【0038】また、本発明法で製造される光ファイバの
芯鞘複合構造の断面は、基本的には丸断面であればよい
が、光ファイバの機能を備えていれば、用途に応じて三
角、四角等の多角断面や楕円断面であってもよい。また
2層構造に限らず多層構造であってもよい。
【0039】得られた光ファイバは、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、それらの共重合体やブレンド品、有機シ
ラン基を含有するオレフィン系ポリマ、エチレン−酢酸
ビニルコポリマ、ポリ塩化ビニル、ポリ弗化ビニリデ
ン、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロンエラス
トマ、ポリエステルエラトマあるいはウレタン樹脂でも
って被覆し、コードにして用いてもよい。
【0040】
【作用】本発明法では、鞘成分として用いる含弗素メタ
クリレート系重合体を、0.35〜0.58の還元粘
度、及び、0.8重量%以下の残存モノマー量としてい
るので、従来プラスチック光ファイバを得る際に問題と
されていた事項、即ち、得られる光ファイバは光伝送特
性や耐熱性が不十分であること、1週間以上のような長
時間にわたる光ファイバ連続製造時に、ファイバ径不均
一や露光の発生という問題が生じ易いこと、及び、鞘成
分の供給量増加は圧損増大し紡糸困難となるので生産量
の増加が難しいこと、を解決することができる。
【0041】即ち、これら従来法における問題点は、そ
の鞘成分重合体の還元粘度の設定水準が比較的高いこと
が原因となっていた。
【0042】例えば、含弗素メタクリレ−ト系重合体を
ギヤ−ポンプやエクストルダ−等で計量して複合紡糸に
供給する途中における重合体の劣化や黄化や、長時間の
運転で発生する発泡は、その計量途中においてシェア発
熱が生じ易いためである。このシェア発熱は、紡糸温
度、ギヤーポンプスペックあるいは口金孔径などの紡糸
条件を変更することによっても若干改善できる場合もあ
るが十分な抑制効果は得られない。むしろ、紡糸温度を
高くすることにより溶融粘度を低くする場合には重合体
の分解がさらに一層進み発泡し易くなるので実際的な解
決手段にはなり難い。
【0043】しかし、その重合体の還元粘度を0.35
〜0.58の水準まで低くすることによりシェア発熱の
発生は十分に防止することができ、発泡も生じない。こ
の結果、得られた光ファイバの伝送損失や耐熱性は改善
され、しかも、鞘部分の厚みやファイバ径の均一性も良
好となる。
【0044】また、供給量を多くすると圧力損失が極め
て高くなって紡糸困難となることも還元粘度が比較的高
いことに起因していたのであり、この問題も、還元粘度
を上記水準まで低めることにより解消できる。
【0045】しかし、還元粘度だけをこのような適正水
準にしても、残存モノマー量が多いと残存モノマーによ
って発泡が引起され鞘部分の厚みの不均一化、露光の発
生、ファイバ径の斑という問題が生じる。従って、還元
粘度を適正水準にすることによる所期の効果を達成する
ためには、紡糸に供する鞘成分重合体の残存モノマー量
を0.8重量%以下とすることも必要である。
【0046】
【実施例】実施例中における光ファイバの各特性及び紡
糸時の圧力は次の方法で測定した。
【0047】<伝送損失>室温、65%RHの雰囲気下
で、光源に650nmのハロゲン光を用い、光ファイバ
長30mの出射光パワ−P1 (dBm)をパワーメータ
ーで測定した。その後入射端の状態をそのままに保ち、
入射端から2mで光ファイバを切断し出射光パワ−P0
(dBm)を測定する。そして、次式により伝送損失を
求めた。
【0048】伝送損失(dB/km)=1000×(P
0 −P1 )/28 <耐熱性>光ファイバ試料を85℃×1000hrの条
件で放置し、その放置前後の出射光量の値を測定し、そ
の変化から、良否を判定した。
【0049】<鞘部分の最小厚み>光ファイバ断面を顕
微鏡撮影し、その写真から鞘部分の最少厚みを求めた。
【0050】<露光>前記した伝送損失の測定時にハロ
ゲン光が光ファイバより露光しているか否かを視覚で観
察し評価した。
【0051】<光ファイバ径の斑>溶融複合紡糸工程で
の光ファイバの巻取り時に、キ−エンス(株)製のレ−
ザ−ダイオ−ド方式外径測定器で長さ5300mにわた
ってファイバ外径を測定し、その最大外径と最小外径と
の差を求め光ファイバ径の斑とした。
【0052】<紡糸時の圧力>ギヤ−ポンプを出る時の
鞘成分重合体の圧力を通常の圧力計により測定した。
【0053】[実施例1]十分に精製された市販のメタ
クリル酸メチルに、ラジカル重合開始剤(アゾ−t−オ
クタン 0.001wt%)と連鎖移動剤(n−ブチルメ
ルカプタン 0.2wt%)とを添加して連続塊状重合
し、次いで、1軸のベント付エクストルーダからなる脱
モノマ機によりモノマー等を除去して、重量平均分子量
が75000、残存モノマ−含有率が0.15重量%の
ポリメチルメタクリレートを製造し、これを芯成分とし
た。
【0054】一方、鞘成分の含弗素メタクリレート系重
合体には、前記した構造単位1、2及び3を、42:1
8:40の重量割合で共重合させてなる弗化メタクリレ
ート系共重合体を用いた。この共重合体は、上記割合の
モノマー混合物に重合開始剤(アゾビスイソブチロニト
リル)と連鎖移動剤(n−ブチルメルカプタン)とを添
加し、温度55℃で5時間重合後、徐々に温度上昇さ
せ、100℃で5時間重合し、得られた共重合体を粉砕
し、真空乾燥させることによって製造した。この際、そ
の重合時の重合開始剤、連鎖移動剤の添加量を調節する
ことにより、さらに、重合後の乾燥条件を調整すること
により、還元粘度及び残存モノマー量を表1に示す水準
とした。
【0055】これら芯成分と鞘成分とを複合紡糸口金に
導き235℃で溶融複合紡糸し、引取りロールで引取
り、続いて、165℃、延伸倍率2.0倍で非接触加熱
延伸し、さらに168℃で定長熱処理を行ない、巻取機
で25m/分で巻取り、ファイバ外径が1000μm、
鞘部分の厚みが10μmの延伸プラスチック光ファイバ
を製造した。なお、この製造は、それぞれ1週間ずつ連
続して行った。
【0056】得られた光ファイバの特性を評価し、その
代表値を表1に示した。
【0057】
【表1】
【0058】表1に示す結果からわかるように、本発明
法による光ファイバ( No.1〜5)は、鞘部分の厚みが
均一であって発泡による露光がなく、ファイバ径の斑も
小さい。しかも、伝送特性や耐熱性にも優れたものであ
った。
【0059】これに対し、還元粘度が低過ぎる No.6の
場合は、鞘部分に薄過ぎる部分が存在して露光がみら
れ、しかも、ファイバ径の斑が大きいものであった。ま
た、還元粘度が従来のように高過ぎる No.7の場合は、
発泡により鞘部分に薄過ぎる部分が存在して露光がみら
れ、しかも、ファイバ径の斑が大きいとともに、伝送損
失も大きいものであった。さらにまた、残存モノマ−量
が多過ぎる No.8の場合も、鞘部分に薄過ぎる部分が存
在して露光がみられ、しかも、ファイバ径の斑、伝送損
失が大きいものであった。
【0060】また、 No.2、5の光ファイバの鞘成分を
採取して測定したところ、還元粘度はそれぞれ、0.5
3、0.45、残存モノマー量は、それぞれ、0.3
8、0.90であった。
【0061】[実施例2]実施例1で鞘成分に用いた弗
化メタクリレート重合体の共重合比(重量比)を表2に
示すとおりに変更し、さらに、その還元粘度及び残存モ
ノマー量を表2に示すとおりに変更した以外は、実施例
1と同様に複合紡糸を行なって、延伸プラスチック光フ
ァイバを製造した。
【0062】得られた延伸プラスチック光ファイバは表
2に示すとおり、鞘部分の厚みの均一性、伝送特性、耐
熱性がともに優れたものであった。
【0063】
【表2】
【0064】[実施例3]実施例1で鞘成分に用いた弗
化メタクリレート重合体の還元粘度及び残存モノマー量
を表3に示すとおりに変更し、さらに、巻取り速度を表
3に示すとおりに変更し、実施例1と同様に複合紡糸を
行なって、ファイバ外径が500μm、鞘部分の厚みが
10μmの延伸プラスチック光ファイバを製造した。
【0065】得られた延伸プラスチック光ファイバは表
3に示すとおりであり、本発明による No.21〜23の
場合は、鞘部分の厚みの均一性、伝送特性がともに優れ
たものであり、巻取り速度150m/分での製造が可能
であった。これに対し、還元粘度が高過ぎる No.24の
場合は、供給時の圧力が高くなり過ぎ、複合紡糸するこ
とができなかった。
【0066】
【表3】
【0067】
【発明の効果】本発明によると、光伝送特性及び耐熱性
に優れ、鞘部分の厚みが均一で、しかも、ファイバ径の
均一性にも優れたプラスチック光ファイバを容易に製造
することができる。さらに、紡糸時のトラブルを生じる
ことなく生産量を増加させることができる。
【0068】この結果、本発明で得られたプラスチック
光ファイバは、優れた光伝送特性や耐熱性を有し、鞘部
分の厚み不均一や露光等の問題がなく、しかも、ファイ
バ径の均一性にも優れたものとなる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メチルメタクリレ−ト系重合体を芯成
    分とし含弗素メタクリレ−ト系重合体を鞘成分として複
    合紡糸することにより芯鞘複合構造のプラスチック光フ
    ァイバを製造する方法において、前記含弗素メタクリレ
    −ト系重合体が0.35〜0.58の還元粘度、及び、
    0.8重量%以下の残存モノマ−量を有することを特徴
    とするプラスチック光ファイバの製造方法。
  2. 【請求項2】 メチルメタクリレ−ト系重合体からな
    る芯成分と含弗素メタクリレ−ト系重合体からなる鞘成
    分とを有する芯鞘複合構造のプラスチック光ファイバで
    あって、前記鞘成分をなす重合体の還元粘度が0.33
    〜0.57であり、かつ、残存モノマ−量が1.5重量
    %以下であることを特徴とするプラスチック光ファイ
    バ。
JP5222708A 1993-09-08 1993-09-08 プラスチック光ファイバの製造方法及びそれによるプラスチック光ファイバ Pending JPH0777613A (ja)

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JP5222708A Pending JPH0777613A (ja) 1993-09-08 1993-09-08 プラスチック光ファイバの製造方法及びそれによるプラスチック光ファイバ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1999044083A1 (fr) * 1998-02-24 1999-09-02 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Fibre optique plastique, cable optique, cable optique possedant une prise, procede servant a preparer un polymere a base de methylmetacrylate et procede servant a fabriquer une fibre optique plastique

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