JPH077703B2 - 薄板均熱用加熱コイル - Google Patents

薄板均熱用加熱コイル

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JPH077703B2
JPH077703B2 JP1391086A JP1391086A JPH077703B2 JP H077703 B2 JPH077703 B2 JP H077703B2 JP 1391086 A JP1391086 A JP 1391086A JP 1391086 A JP1391086 A JP 1391086A JP H077703 B2 JPH077703 B2 JP H077703B2
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pole
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は板厚の薄い金属板を加工または表面処理に付す
目的で所定温度まで誘導加熱する場合の薄板均熱用加熱
コイルに関する。
(従来の技術) 金属の薄板を誘導加熱で加熱することは従来から行われ
ているが、板巾方向での表面温度が両端と中央とで大き
な温度差を生ずるので、如何に温度差を少なくするかが
課題とされ、第5図(a)〜(c)に示す如き加熱コイ
ルが案出されている。
第5図(a)はトロイダル方式の加熱コイルC1であつ
て、電源Eに接続する多巻した導体cの伸延方向を、走
行する金属板Wの巾方向とほぼ一致する如く構成してあ
るのが特徴である。
第5図(b)は変形トロイダル方式(斜行磁束方式)の
加熱コイルC2であつて、電源Eに接続する多巻回した導
体cの伸延方向を、走行する金属板Wの巾方向に対して
所定角度をもたせて構成してあるのが特徴である。
第5図(c)はトランスバース方式の加熱コイルC3であ
つて、金属板Wの両面に対向配置される積層珪素鋼板等
の磁路材Sに穿設された溝内に1巻回の導体cがそれぞ
れ収容されて電源Eに並列接続し、当該導体cの伸延方
向を金属板Wの巾方向と一致させているのが特徴であ
る。
(従来技術に存する問題点) 上記トロイダル方式の加熱コイルC1は、適正周波数を用
いる限りにおいて、最も巾方向の均熱が得られる。しか
し乍ら、適正周波数から外れると両端部と中央部との均
熱が得られない。また、コイルギヤツプが大きく加熱効
率が低い点、および他の方式に比べて使用周波数を高く
する必要があり、これがため一般に同じレイアウトのも
とでは、電源の周波数変換効率,送電効率が悪くなる点
が欠点とされている。
上記変形トロイダル方式の加熱コイルC2は、トロイダル
方式とトランスバース方式とがそれぞれ使用する周波数
の中間の周波数を使用し、コイル製作方法の如何……コ
イルピツチの大・小……により、一定周波数でも広範囲
の板厚の金属板を巾方向に均熱し得るが、その反面、板
厚に応じてピツチ寸法別のコイルを用意しなければなら
ないという欠点がある。
上記トランスバース方式の加熱コイルC3は、電気的効率
が最も良く、また使用周波数が最も低いので、通常電源
設備コストを安価とすることができる。しかし、巾方向
の均熱が極めて難かしく、またコイル製作費が従来方式
中で最高価格となる欠点がある。
(発明の目的) 本発明は、従来薄板均熱用加熱コイルに存する上述の問
題点を解消するためになされたもので、広範囲の板厚の
金属板に対応して、それぞれを高効率で巾方向均熱する
ことが可能で、しかも製作費が低廉な薄板均熱用加熱コ
イルを提供することを目的とする。
(発明の構成) 本発明の構成は、 (1)板厚の薄い金属板を走行せしめつつ誘導加熱する加
熱コイルが、 (2)所定周波数電源の一方の極に接続され金属板の一面
と所定間隔を維持して一側から他側に至る導体1,および
他方の極に接続され一側で分岐して互いに所定間隔を保
持するとともに金属板の他面と所定間隔を維持して他側
に至り合体して上記導体1または一方の極に接続する分
岐導体11と12で構成されるコイル導体Aと、 (3)当該コイル導体Aとは正逆となる如く上記電源の他
方の極に接続され金属板の他面と所定間隔を維持して一
側から他側に至る導体2,および一方の極に接続され一側
で分岐して互いに所定間隔を保持するとともに金属板の
一面と所定間隔を維持して他側に至り合体して上記導体
2または他方の極に接続する分岐導体21と22で構成され
るコイル導体Bとを、 (4)金属板の走行方向に沿つて交互に複数配置してな
り、 (5)各コイル導体それぞれの導体と分岐導体との相対的
平行位置関係を可変に設定するとともに、 (6)コイル導体が金属板の巾方向に対する配置角度を可
変に設定してある ことを特徴とする薄板均熱用加熱コイルにある。
(発明の作用) 本発明は、金属板を透過する磁束の角度を、当該金属板
の板厚に対応してこれを巾方向で均熱するに最適な角度
へと簡易に変更して調整し得る作用がある。
(実施例:1) 本発明の薄板均熱用加熱コイルの基本的な回路構成を第
1図(a)および(b)に従つて以下に詳述する。
第1図(a)において、Cは本発明の薄板均熱用加熱コ
イルで、当該加熱コイルCは例えば電源Eの一方の極に
接続するブスバー3r,他方の極に接続するブスバー3sそ
れぞれに並列接続するコイル導体Aとコイル導体Bと
が、金属材の走行方向に沿つて交互に複数配置されてい
る。
上記コイル導体Aは、1として示す導体と、11および12
として示す分岐導体からなる。導体1はブスバー3rに接
続金具を用いて接続され、金属板Wの一面wfと所定間隔
を維持して当該金属板Wの一側イから他側ロに至つてい
る。分岐導体11および12はブスバー3sに接続され、金属
板Wの一側イで分岐して互いに所定間隔を保持するとと
もに、金属板の他面wbと所定間隔を維持して他側ロに至
り、合体して上記導体1に接続している。
上記コイル導体Bは、2として示す導体と、21および22
として示す分岐導体からなるが、前記コイル導体Aと正
逆の関係とされている。即ち、導体2はブスバー3sに接
続され、金属板Wの他面wbと所定間隔を維持して当該金
属板Wの一側イから他側ロに至つている。分岐導体11お
よび12はブスバー3rに接続され、金属板Wの一側イで分
岐して互いに所定間隔を保持するとともに金属板Wの一
面wfと所定間隔を維持して他側ロに至り、合体して上記
導体2に接続している。
上記各コイル導体AもしくはBにおいて発生する磁束
は、例えばコイル導体Aの或る瞬間では、第1図(b)
に示す如く矢線で描く方向性をもつて、斜めに角度θで
金属板Wを透過することとなる。
而して、導体1はブスバー3rに接続する構成であり、か
つ分岐導体11および12とは一体化されていないので、第
1図(b)に示したような、導体1と分岐導体11および
12との相対的平行位置関係を金属板Wを挟んだ対称位置
に固定してしまう必須性はなく、ブスバー3rと接続する
導体1の接続位置および当該導体1と分岐導体11・12の
合体部との接続位置をずらして、第2図(a)に示すよ
うな非対称位置とすることが極めて容易である。
上記配置位置をとる場合には、導体1に近接している分
岐導体11のコイル電流I1と分岐導体12のコイル電流I2と
の電流値は、 I1>I2 の関係となるので、コイル電流I1とI2との和のコイル電
流が流れる導体1が、上記分岐導体11との関係におい
て、金属板Wの主たる加熱作用を負担する一方、他方で
は金属板Wを斜めに透過する磁束の角度θ1は前記第1
図(b)と対比すれば、 θ>θ1 となり、周波数一定条件下では、θ1を90゜に近ずける
ほど板厚の薄い金属板Wを、またその逆とすれば板厚の
厚い金属板Wを均熱するに最適な磁束透過角度とするこ
とが可能となる。
尚、この場合の導体1と分岐導体12との関係は、金属板
Wに対してとる角度θ2が角度θ1より浅いばかりか、
第1図(b)の角度θよりも浅くなり、磁束透過角度が
最適値をとらないこととなるが、本発明ではこの点が逆
に捕熱的役割を果たすこととなる。
上記の点をさらに詳述して本発明の特徴を理解する一助
とする。
公知のとおり、金属の板材を加熱する場合の適正周波数
fは、計算式 ただし、p:比抵抗(μΩ−cm) μ:比透磁率 t:板厚 から求め得る。而して少なくとも上記式(1)によつて
求められる適正周波数fの±15%以内の周波数が使用さ
れなければ、板材の良好な均熱が得られず、上記範囲の
周波数以下に加熱すると、板材の両端部分に加熱温度の
低下をきたし、また上記範囲の周波数以上で加熱する
と、板材の両端部分がオーバヒートすることも知られて
いる。
本発明は、第2図(b)に示される如く、板厚tの金属
板Wを斜行して透過する磁束の透過距離を当該金属板W
の見掛上の厚さt′とし、式(1)を変形して、 計算式 とする。
当該式(2)において、 t′={〔t・tan(90゜−θ1)〕+t0.5……
(3) となるようにθ1を設定すれば、導体1-11間で金属材W
の均熱加熱をなし得る。
即ち、式(2),(3)よりθ1を決定する場合には、
下記の計算過程を経て、 ここで、90゜−θ1=γとおいて、 従つて、γがコイル導体1−11の法線と金属板Wとの交
わる角度であり、γよりθ1を求めることができる。
それ故、導体1−12の法線と金属板Wとの交わる角度を
θ2として、 θ1>θ2 となる条件をとると、角度θ2で磁束が金属板Wを透過
する距離=見掛け上の板厚t″は t″>t′ となる。ここで当然のこと乍ら、導体1−11間で適正周
波数fを選定しても、コイル導体1−12間では適正周波
数fから外れるではないか、との疑問が生ずる筈であ
る。これに対し、第2図(c)を参照しつつ、この疑問
の持つ危惧を解消することとする。
第2図(c)におけるおよびそれぞれは、コイル導
体に対して金属板Wの送り方向を変えて加熱した場合
の、時間の経過に従つて変化する温度状態を、金属板W
の中央部は線イ,端部は線ロとして、それぞれの温度特
性を示したもので、送り方向が何れの方向であつても、
t″>t′となるため、t″はコイル電流I1>I2の条件
で、端部が高く加熱されることは事実であ。然し金属板
Wは、例えば第2図を挙げて説明すれば、導体1−11
間が近接しているがため、主として加熱を担当する導体
1で均熱された後の端部は、中央部に比べて冷却速度が
速いので、トータル加熱作用としては弱いが端部方向の
昇温作用の大きい導体1−12間の磁束により捕熱される
こととなる。
上述した本発明のコイル導体が有する作用および効果
は、第2図(c)におけるに従来加熱コイルC1を用
い、かつ投入電力を一定とした条件下において、適正周
波数fで加熱たし場合を線x,それより低い周波数で加熱
した場合を線y,それより高い周波数で加熱した場合を線
zとして示した温度特性線図と比較すれば、本発明が従
来以上の巾方向の均一加熱を保証することが明白とな
る。尚、図中の線x′は適正周波数fで加熱した後の端
部の温度低下を示す。
上記コイル導体Aについて述べたとろと同様に、コイル
導体Bもブスバー3sと接続する導体2の接続位置および
当該導体2と分岐導体21・22との接続位置をずらし、コ
イル導体Aにおける磁束の透過角度θ1に合わせること
が可能である。従つて、コイル導体Aおよびコイル導体
Bを交互に配置した本発明加熱コイルCにより金属板W
を連続加熱すれば、当該金属板Wは順次均一加熱される
こととなる。
上述の如く、本発明薄板均熱用加熱コイルCは加熱せん
とする金属板Wの板厚に応じて磁束の透過角度θを簡単
に調節のうえ、加熱を実行し、1個の加熱コイルにより
板厚の如何に拘わらず、当該金属板Wの板厚に応じて定
まる適正な磁束透過角度により加熱を実行し、巾方向の
均熱を得ることができる。この構成は従来トロイダル方
式の加熱コイルC1による最も均熱が得られる適正周波数
レンジを拡大することとなる。
(実施例:2) 上記は本発明の基本的構成の実施例であるが、本発明は
第3図に示すような構成は簡単にとることも可能であ
る。
即ち、本実施例の回路構成は前記実施例:1と同一ではあ
るが、コイル導体AおよびBそれぞれは、導体および分
岐導体をブスバー3に接続するにあたり、金属材Wの板
厚に応じ、当該金属材Wの送り方向に対する巾方向の角
度αを、例えば屈折角度を変えた接続金具の交換のみで
任意に変更することにより、前記第1の実施例以上の磁
束の透過角度θ1を得、さらに適正均熱可能な板厚範囲
を拡大することが可能である。この構成は一定周波数使
用条件下で広範囲の板厚を均熱可能とする従来変形トロ
イダル方式の加熱コイルC2が、板厚ごとに別個のコイル
を準備しなければならない欠点を、本発明では屈折角度
を変えた接続金具を複数用意するだけで済まし得ること
とするものである。
(その他の実施例) 本発明は上記実施例:1および2を複合させた構成となし
得ること勿論である。
上記実施例:1および2ではコイル導体AおよびBを電源
に並列接続せしめてあるが、電源の整合条件を合わせる
目的で、これを第4図に示す如く電源Eに直列接続せし
めることも可能である。
さらに、各コイル導体や各コイル導体を構成する導体お
よび分岐導体それぞれのコイル電流を、例えばインダク
タンスを介して任意の容量に設定したり、並列接続の場
合に各コイル導体を変圧器を介してそれぞれブスバーに
接続するようにすれば、端子電圧を任意に設定すること
も可能である。
上記の構成を複合することにより、金属板Wの加熱を微
細な温度分布に調整し得ることとなる。
そのうえ、従来の如くコイル導体を多巻回して電源Eの
一方の極から他方の極に接続する回路構成ではないの
で、本発明では各コイル導体を一定間隔で配置する必要
はない。従つて送り方向所定位置で隣接するコイル導体
間の間隔を、他の位置の隣接するコイル導体間の間隔よ
りやや離間した配置構成をとり、これを例えば均熱ゾー
ンとしたり、その間に送りローラを配置するように設定
することもできる。
(発明の効果) 本発明にかかる薄板均熱用加熱コイルCは、従来のトロ
イダル方式の加熱コイルC1および変形トロイダル方式の
加熱コイルC2がそれぞれ有する長所をさらに上回つて兼
有し、それぞれ有する短所を消滅せしめたもので、板厚
の薄い金属材を効率的に巾方向で均熱可能であり、しか
も固定周波数の電源を使用する場合でも、一加熱コイル
Cのみで任意の板厚の金属板に対応して適正な均熱を、
可変周波数の電源を使用する場合には、より広範囲の板
厚の金属板に対応する適正な均熱をなすことが可能とな
り、さらには微調整や均熱ゾーン,送りローラ配置その
他バライテイに富む応用が可能であり、そのうえ製作費
は廉価で済み製造コスト低減に資する等、顕著な効果を
齎すとして賞用される。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)および(b)はそれぞれ本発明にかかる薄
板均熱用加熱コイルの基本的構成を採る実施例:1の回路
を示す斜視図および発生磁束の状態を示す断面正面図、
第2図(a)は変形構成を採る実施例:2の回路のコイル
電流と発生磁束状態を示す断面正面図、第2図(b)の
作用を説明するための正面図、第2図(c)は第2図
(b)の構成からされ効果を従来加熱コイルと対比し
て示す温度特性線図、第3図は他の変形構成を採る実施
例:3の回路図、第4図はさらに他の実施例回路図、第5
図(a)〜(c)はそれぞれ従来薄板均熱用加熱コイル
の断面正面図である。 W……金属板 wf……金属板の一面 wb……金属板の他面 イ……金属板の一側 ロ……金属板の他側 C……加熱コイル E……電源 A,B……コイル導体 1……コイル導体Aの導体 11,12……コイル導体Aの分岐導体 2……コイル導体Bの導体 21,22……コイル導体Bの分岐導体 3r……電源Eの一方の極に接続するブスバー 3s……電源Eの他方の極に接続するブスバー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】板厚の薄い金属板を走行せしめつつ誘導加
    熱する加熱コイルが、所定周波数電源の一方の極に接続
    され金属板の一面と所定間隔を維持して一側から他側に
    至る導体1,および他方の極に接続され一側で分岐して互
    いに所定間隔を保持するとともに金属板の他面と所定間
    隔を維持して他側に至り合体して上記導体1または一方
    の極に接続する分岐導体11と12で構成されるコイル導体
    Aと、当該コイル導体Aとは正逆となる如く上記電源の
    他方の極に接続され金属板の他面と所定間隔を維持して
    一側から他側に至る導体2,および一方の極に接続され一
    側で分岐して互いに所定間隔を保持するとともに金属板
    の一面と所定間隔を維持して他側に至り合体して上記導
    体2または他方の極に接続する分岐導体21と22で構成さ
    れるコイル導体Bとを、金属板の走行方向に沿つて交互
    に複数配置してなり、各コイル導体それぞれの導体と分
    岐導体との相対的平行位置関係を可変に設定するととも
    に、コイル導体が金属板の巾方向に対する配置角度を可
    変に設定してあることを特徴とする薄板均熱用加熱コイ
    ル。
JP1391086A 1986-01-27 1986-01-27 薄板均熱用加熱コイル Expired - Lifetime JPH077703B2 (ja)

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JP4786365B2 (ja) * 2005-02-18 2011-10-05 新日本製鐵株式会社 金属板の誘導加熱装置及び誘導加熱方法
JP4926608B2 (ja) * 2006-08-23 2012-05-09 新日本製鐵株式会社 金属板の誘導加熱装置及び誘導加熱方法
JP4987678B2 (ja) * 2007-11-22 2012-07-25 新日本製鐵株式会社 誘導加熱装置および誘導加熱方法

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