JPH0776232B2 - ペプチド誘導体及びその使用方法 - Google Patents

ペプチド誘導体及びその使用方法

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JPH0776232B2
JPH0776232B2 JP63148650A JP14865088A JPH0776232B2 JP H0776232 B2 JPH0776232 B2 JP H0776232B2 JP 63148650 A JP63148650 A JP 63148650A JP 14865088 A JP14865088 A JP 14865088A JP H0776232 B2 JPH0776232 B2 JP H0776232B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は酵素、とりわけプロテアーゼの活性測定用ペプ
チド誘導体ならびに該酵素活性測定法に関する。
更に詳しくは、プロテアーゼとして分類される酵素、特
に血液凝固因子Xa及び凝固酵素等の酵素活性測定に適し
たペプチド誘導体に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、血液凝固線溶反応における凝固因子定量用合成基
質として、プロテアーゼによるエステル加水分解反応及
びアミド加水分解反応を定量する二つの系統、すなわち
アルギニン又はリジンのエステル型基質及びアミド型基
質が使用されている。当初はプロテアーゼによる分解性
の速さからエステル型基質が主流であったが、これらセ
リンプロテアーゼのエステラーゼ活性は天然基質による
凝血活性と必ずしも一致しないという問題があった。そ
こで最近はプロテアーゼ本来の活性を定量分析出来るア
ミド型基質の使用が中心となり、分光光度計又は螢光光
度計で測定できるように発色基を持った合成基質の研究
がなされてきている。
アミド型合成発色(螢光)基質の従来の代表的な発色基
としてはパラニトロアニリン(pNA)があげられる。pNA
を使用した合成発色基質のうちBz-L-Arg-pNA・HCl(BAP
NA)はトリプシン用の発色基質として開発されたもので
ある。プロテアーゼがBAPNAを加水分解することにより
遊離された黄色のpNAを分光光度計で定量することによ
りプロテアーゼを定量分析するのである。しかしなが
ら、BAPNAはトリプシン様のセリンプロテアーゼ例えば
トロンビン、プラスミン、カリクレイン等のプロテアー
ゼにも容易に加水分解されるため、特異性の高い基質で
はなかった。そこで各セリンプロテアーゼに特異的に加
水分解される合成基質を得る為、天然基質の加水分解点
周辺のアミノ酸配列の研究が行なわれた結果、ペプチド
−pNA誘導体が開発された。例えば血液凝固因子Xa用と
して開発されたBz-Ile-Glu-Gly-Arg-pNA・HCl(商品名
S−2222、カビ(Kabi)社)、Bz-Ile-Glu-(pip)‐Gl
y-Arg-pNA・HCl(商品名S−2337、カビ(Kabi)社)な
どがある。
〔発明が解決しようとする課題〕 ところが、これらの合成基質を実際に臨床検査の分野に
於いて使用した場合、幾つかの課題があることがわかっ
た。
すなわちpNAを発色基とする合成基質はプロテアーゼに
て加水分解され380nmに最大吸収を持つpNAを遊離する
が、これは通常末分解基質の影響をほとんど受けない40
5nmで測定される。しかしながら臨床検査に於ける一般
的検体として考えられる血漿中に含まれるビリルビン
は、最大吸収を400nm前後に持つためpNAの吸収に重なり
そのためプロテアーゼによる加水分解により遊離された
pNAの測定を妨害する。最も簡易な測定法であるエンド
・ポイント法を実施する際は各検体の血漿のブランク値
を測定し、反応するpNA発色液から差し引かなければな
らないという欠点を有していた。
同じことは血漿にヘモグロビンが混入した場合にも起
る。ヘモグロビン415nm前後と550nm前後に吸収を持つた
め、この場合もpNAの測定を妨害することになり、ビリ
ルビンの場合と同様の問題がある。更にpNAの吸光係数
は405nmでε=9950と低値なため、測定感度が低いとい
う問題がある。血漿中には測定すべきプロテアーゼ以外
にも多種多様な反応阻害物が混在しており、測定感度が
低いとそれだけ多くの検体量が必要となり、反応に関与
する反応阻害物の量も増加して定量に影響を与える結果
となる。従ってこのような臨床検査分野に使用される合
成基質は、測定感度が高いことが重要である。
更に、エンドトキシンの定量に関連する凝固酵素の基質
として例えばt-Boc-Leu-Gly-Arg-pNA(商品名パイロデ
ィック、生化学工業)が使われている。最近血中エンド
トキシンを測定する必要性が増大しており、その場合、
上記と同様の課題が生じている。
一方2−ナフチルアミン(βNA)、7−アミノ−4−メ
チルクマリン(MCA)を代表とするアミド型螢光基質もp
NAを代表とする発色基質と同様、各各のセリンプロテア
ーゼに特異性を持たせる為、ペプチド部分が研究され、
種々の構造式のものが開発されてきた。
しかしながら、合成螢光基質の場合、セリンプロテアー
ゼによって遊離したMCAなどの螢光基質は非常に感度良
く測定できる利点はあるが、測定には螢光光度計が必要
であり、螢光光度計は一般に高価であり、自動分析装置
にも組込まれていないことから病院等各施設に普及して
いるとは言えず、その適用が制限されるという問題があ
った。
したがって本発明の目的は、高感度で血液凝固因子Xa又
は凝固酵素に対し特異性が高く、かつ測定時に検体の吸
収に影響されることなく分光光度計で測定できる合成基
質を提供することである。
本発明のもう1つの目的は、上記合成基質を用いて酵素
活性を測定する方法を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は発色基として、pNAや螢光物質に代えて、4
−モルホリノアニリン(以下「MA」という)をカルボキ
シル末端に結合してなるペプチド誘導体により達成され
る。本発明のペプチド誘導体は、酵素とりわけプロテア
ーゼの活性測定用基質として特異性が高く、更に酵素と
りわけプロテアーゼの作用によって遊離したMAがカプラ
ー(カプラーとは、別の化合物と縮合反応し、色素を生
成せしめる化合物を意味する。)と縮合反応すると、可
視部長波長側に最大吸収を有する色素を形成することか
ら、これを分光光度計で吸光度を測ることによってビリ
ルビンやヘモグロビン等の検体成分に影響されることな
く非常に高感度で、広範囲に渡って上記酵素の測定が可
能である。
本発明は下記の一般式で表わされるペプチド誘導体およ
びその酸付加塩(以下、単に「ペプチド誘導体」と呼
ぶ)を提供するものである。
式中Xは、アラニル基、ロイシル基、イソロイシル基、
バリル基、リジル基のL体もしくはD体を表わす。リジ
ル基のε−アミノ基は保護基によって保護されていても
よい。Rはt−ブトキシカルボニル基やベンジルオキシ
カルボニル基等のウレタン型のアミノ保護基を表わし、
Xがリジル基の場合に限ってRは水素原子を表わしても
よい。
リジル基のε−アミノ保護基の具体例としては、ウレタ
ン型保護基、たとえばベンジルオキシカルボニル基(以
下、「Z」 で表わす)、p−メトキシベンジルオキシ
カルボニル基、p−クロロベンジルオキシカルボニル
基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基、p−フェ
ニルアゾベンジルオキシカルボニル基、t−ブトキシカ
ルボニル基、t−アミロキシカルボニル基、、p−ビフ
ェニルイソプロピルオキシカルボニル基、ジイソプロピ
ルメチルオキシカルボニル基、、シクロペンチルオキシ
カルボニル基など;アシル型保護基、たとえばホルミル
基、トリフルオロアセチル基、フタリル基、トシル基、
o−ニトロフェニルスルフェニル基、アセチル基、ベン
ゾイル基など;およびアルキル型保護基、たとえばトリ
チル基、ジニトロフェニル基などがあげられる。酸付加
塩としては、酵素反応を阻害しない酸との塩、例えば塩
酸、硫酸等の鉱酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸等の
有機酸の塩があげられる。本発明のペプチド誘導体は酸
付加塩の形が安定であるが、その遊離形を得るには上記
酸付加塩をアルカリで中和すればよい。
本発明のペプチド誘導体の具体例としては、次のような
化合物があげられる。
D-Lys-Gly-Arg-MA D-Lys(ε‐Boc)‐Gly-Arg-MA D-Lys(ε‐For)‐Gly-Arg-MA D-Lys(ε‐Tfa)‐Gly-Arg-MA Z-D-Lys(ε‐Boc)‐Gly-Arg-MA Z-D-Lys(ε‐For)‐Gly-Arg-MA Z-Lys(ε‐For)‐Gly-Arg-MA Boc-Leu-Gly-Arg-MA Z-Leu-Gly-Arg-MA 本願明細書において別に記載のない場合には、アミノ酸
はすべてL−配位を有するものであり、略語はそれぞれ
次の意味を表わす。
Gly=グリシン Arg=アルギニン Ile=イソロイシン Leu=ロイシン Val=バリン Lys=リジン 本発明のペプチド誘導体はたとえば次の方法によって合
成することができる。
前述の一般式 においてまず、発色基4−モルホリノアニリン(MA)と
Argとを縮合し、次いでこれに別途合成したN末端ペプ
チドフラグメントR-X-Glyを縮合するか、または目的の
ペプチド構造を段階的に構成して、使用した保護基を最
後に除去するステップワイズ法も採用できる。前記のペ
プチド誘導体の段階的合成においてはペプチド化学にお
いて周知であるカップリング方法が採用され得る。α−
アミノ基の保護基としてはペプチド化学において周知の
前記保護基が採用される。一方、α−カルボキシル基の
保護基としては、ペプチド化学において周知のメトキシ
基、エトキシ基またはベンジルオキシ基、あるいは発色
基の4−モルホリノアニリノ基を採用することができ
る。脱保護されたα−カルボキシル基は、N−ヒドロキ
シサクシイミド(HOSu)エステル等の活性エステル、酸
アジド、混合酸無水物による方法等で活性化させること
により縮合反応に供することが出来る。更にN,N′−ジ
シクロヘキシルカルボジイミド(DCC)や水溶性カルボ
ジイミドによっても活性化され、これらカルボジイミド
共存下N−ヒドロキシサクシイミド(HOSu)や1−オキ
シベンゾトリアゾール(HOBt)を添加しラセミ化を抑制
させるEintopf法も採用され得る。アルギニンのグアニ
ジノ基及びリジンのε−アミノ基の保護はペプチド化学
において周知の保護基を採用し得る。例えばアルギニン
のグアニジノ基に関しては、Z基(ベンジルオキシカル
ボニル基)Tos基(トシル基)、NO2基(ニトロ基)が使
用できるし、又プロトン化し保護することも出来る。リ
ジンのε−アミノ基に関しては、Z基(ベンジルオキシ
カルボニル基)、ZCl基(2−クロロベンジルオキシカ
ルボニル基)、Tos基(トシル基)、Boc基(第三ブトキ
シカルボニル基、)、For基(ホルミル基)、Tfa基(ト
リフルオロアセチル基)が使用し得る。
次に上記本発明のペプチド誘導体を基質として用いて酵
素活性を測定する方法について説明する。
本発明のペプチド誘導体に酵素とりわけプロテアーゼを
作用させることによって遊離したMAにカプラーを縮合反
応させると、可視部長波長側に最大吸収を有する色素が
生成する。
このようなカプラーとしては、アニリン系化合物、トル
イジン系化合物、アニシジン系化合物、フェノール系化
合物、ナフトール系化合物、安息香酸系化合物等、MAと
縮合反応して可視部長波長側に最大吸収を有する色素を
形成するものはすべて用いることが出来る。とりわけア
ニリン系化合物には700nm以上の可視部に最大吸収を有
する色素を形成するものが多く、たとえばN−エチル−
N−スルホエチル−アニリン及びN−エチル−N−スル
ホプロピル−アニリンは735nmに最大吸収を有する色素
を形成する。
MAとカプラーとの縮合反応は、通常、酸化剤の存在下で
進行する。このような酸化剤の具体例としてはメタ過ヨ
ウ素酸をあげることができる。またこのような酸化剤に
代えて、この縮合反応をすすめることができる酸化酵素
を用いることもできる。このうような酸化酵素の具体例
としてはチロシナーゼがあげられる。
MAとの反応によって生成したこのような可視部長波長側
に最大吸収を有する色素を分光光度計で吸光度を測るこ
とによって、検体中の成分、例えばビリルビンやヘモグ
ロビンの吸収の影響を受けることなく、かつ検体のブラ
ンク値を測定することなく、エンドポイント法により、
検体中の特定の酵素の活性を測定することができる。
更に本発明のペプチド誘導体を基質として用いた場合の
測定感度は、pNAを発色基として有する基質を用いた場
合より数倍高く、たとえばN−エチル−N−スルホエチ
ル−アニリンまたはN−エチル−N−スルホプロピル−
アニリンをカプラーに用いた場合ε≒50,000となりpNA
含有基質の場合にくらべ5倍も高い。従って反応阻害物
の影響も従来のpNAの場合にくらべ大きく低減できる。
又、最近発色基として を含む血液凝固因子Xa用基質が報告されている。(特開
昭60-241900)この場合の発色色素のεは、22,000〜29,
000であり、これに比べても約2倍の感度を有してい
る。
上記カプラーは、酵素とりわけプロテアーゼの作用によ
って遊離したMAとのみ反応し、基質すなわち上記ペプチ
ド誘導体そのものとは反応しないため、試薬ブランク値
が上昇する心配は全くない。またMAとカプラーの縮合反
応で形成された色素の濃度と酵素活性は非常に広範囲に
渡って比例関係にあるため、本発明のペプチド誘導体を
用いた酵素活性測定における検量線は、非常に広範囲に
渡って直線性を示す。
〔発明の効果〕
本発明のペプチド誘導体は、これを酵素測定用基質とし
て作用したばあい、高感度で血液凝固因子Xa又は凝固酵
素に対し特異性が高く、測定時、検体成分による妨害を
受けることなく分光光度計で測定ができ、しかも非常に
広範囲の酵素活性に対して直線性を示す。
〔実施例〕
以下実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発
明はこれら実施例によって限定されるものではない。
実施例によって得られた溶出液及び生成物の分析はシリ
カゲルで被覆されたガラス板(Merck社F254)を用いて
薄層クロマトグラフィーによって行った。薄層クロマト
グラムは次の溶剤系によって展開した。
A:n−プロパノール/酢酸エチル/水(7:1:2) B:n−ブタノール/酢酸/水(6:3:2) C:クロロホルム/メタノール/酢酸(10:10:1) 更に例中の次の略語はそれぞれ以下の意味を表わす。
AcOH=酢酸 MeOH=メタノール TLC=薄層クロマトグラフィー WSCI=N−エチル−N′−3−ジメチルアミノプロピル
カルボジイミド Z=ベンジルオキシカルボニル MA=4−モルホリノアニリド THF=テトラヒドロフラン 実施例1 Z-Arg-MA・HCl(I) 9.66g(54.3ミリモル)の4−モルホリノアニリンと16.
74g(54.3ミリモル)のZ-Arg-OHをTHF160ml及び水120ml
の混合液に溶解し、1規定塩酸にてpH4.8に調整する。
これに0〜5℃にてWSCI塩酸塩11.43g(59.7ミリモル)
のTHF100ml溶液を滴下反応させ、その間1規定塩酸もし
くは4%炭酸水素ナトリウム溶液にてpH4.7〜5.0の範囲
となるようにコントロールする。3時間室温にて反応後
(20〜25℃)、THFを減圧留去すると粗Z-Arg-MA26.8g
(97.8%)が得られる。この粗Z-Arg-MAをTLC展開液A20
0mlに溶解し、シリカゲルカラムにかけ、展開液Aで展
開し精製した。m.p.153〜155℃を有する(I)18.22g
(66.5%)が得られ、このものはTLCで単一スポットを
与えた。〔Rf=0.67(展開液A)、Rf=0.76(展開液
C)〕。マス・スペクトル:〔M+H〕+atm/z469(分
子量468) NMR・スペクトル:(DMSO-d6実施例2 H-Arg-MA・2HCl(II) (I)7.0g(13.8ミリモル)をMeOH:AcOH:水(8:2:1)
の混合溶液150mlに溶解し10%パラジウム炭素5gを加
え、水素気流中室温で3時間接触還元を行なう。反応液
を濾過し得られた濾液を減圧乾固し、1規定塩酸50mlを
加え、減圧乾固する。残渣に水を加え再び減圧乾固し、
この操作を4回繰返し完全に塩酸を蒸発させると、無定
形の(II)5.5g(97.8%)が得られた。このものはTLC
(展開液B)で単一スポットを与えた(Rf=0.25)。
マス・スペクトル:〔M+H〕+atm/z335(分子量334) NMR・スペクトル:(DMSO-d6実施例3 Z-D-Lys(ε‐For)‐Gly-Arg-MA・HCl(II
I) (II)2.7g(6.6ミリモル)とZ-D-Lys(ε‐For)‐Gly
2.7g(7.3ミリモル)を水40ml、THF60ml混合液に加えて
溶解し、4%炭酸水素ナトリウム水溶液でpHを6.0に調
整し、これに0〜5℃にてWSCI塩酸塩1.4g(7.3ミリモ
ル)の水溶液10mlを加え0〜5℃にて2時間、次いで室
温(20〜25℃)にて20時間反応させる。反応中pHを5.8
〜6.2の範囲に調整する。反応液を濃縮し残渣にメタノ
ール30mlを加え溶解し、エ−テル1lに滴下し生じた沈殿
を濾取し(III)2.5g(55.6%)を得た。これはTLCで単
一スポットを与えた〔Rf=0.63(展開液B)、Rf=0.55
(展開液C)〕。
マススペクトル:〔M+H〕+atm/z682(分子量681) NMRスペクトル:(D2O) 実施例4 D-Lys(ε‐For)‐Gly-Arg-MA・2HCl(IV) (III)2.0g(2.9ミリモル)をMeOH:AcOH:水(9:1:1)
の混合液110mlに溶解し、2%パラジウム炭素3gを加
え、水素気流中室温(20〜25℃)で1時間接触還元を行
なう。反応液を濾過し、濾液を減圧乾固し、1規定塩酸
30mlを加え減圧乾固する。残渣に水を加え再び減圧乾固
し、この操作を4回繰返し完全に塩酸を蒸発させる。残
渣に水10ml加えて溶解し、アンバーライトXAD-2(登録
商標、ロームアンドハース社)疎水クロマトグラフィー
で精製の後、凍結乾燥し(IV)0.9g(55%)を得た。こ
れはTLCで単一スポットを与えた〔Rf=0.38(展開液
B)〕。
マススペクトル:〔M+H〕+atm/z548(分子量547) NMRスペクトル:D2O 実施例5 Z-Lys(ε‐For)‐Gly-Arg-MA・HCl(V) Z-Lys(ε‐For)‐Gly1.1g(3ミリモル)、(II)1.1
g(2.7ミリモル)HOBt0.4gをDMF40mlに溶解し、これにE
t3N0.38ml、WSCI塩酸塩0.58g(3ミリモル)を加え、0
〜5℃にて3時間反応を行った。減圧濃縮後、少量のMe
OHに溶解し、シリカゲルカラムにかけ、展開液(クロロ
ホルム/MeOH/AcOH=10:3:0.5)にて展開し精製した。減
圧濃縮後、水を加えて溶解し、凍結乾燥を行い、(V)
1.0g(収率54.9%)を得た。これはTLCで単一スポット
を与えた〔Rf=0.30(展開液B)〕。
マススペクトル:〔M+H〕+atm/z682(分子量681) NMRスペクトル:(DMSO/D2O) 実施例6 Z-D-Lys(ε‐Tfa)‐Gly-Arg-MA・HCl(V
I) Z-D-Lys(ε‐Tfa)‐Gly1.3g(3ミリモル)、 (II)1.1g(2.7ミリモル)を用い実施例5と同様な方
法で調製し、(VI)1.2g(収率53.3%)を得た。これは
TLCで単一スポットを与えた。
マススペクトル:〔M+H〕+atm/z750(分子量749) NMRスペクトル:(DMSO/D2O) 実施例7 Boc-D-Lys(ε‐For)‐Gly-Arg-MA・HCl(V
II) Boc-D-Lys(ε‐For)‐Gly1.3g(4ミリモル)、 (II)1.5g(3.7ミリモル)を用い実施例5と同様な方
法で調製し、(VII)1.5g(収率57.5%)を得た。これ
はTLCで単一スポットを与えた。
マススペクトル:〔M+H〕+atm/z648(分子量647) NMRスペクトル:(DMSO/D2O) 実施例8 Boc-Leu-Gly-Arg-MA・HCl(VIII) Boc-Leu-Gly1.8g(6.3ミリモル)、(II)2.33g(5.7ミ
リモル)を用い実施例5と同様な方法で調製し、(VII
I)1.5g(収率42.0%)を得た。これはTLCで単一スポッ
トを与えた〔Rf=0.63(展開液B)〕。
マススペクトル:〔M+H〕+atm/z605(分子量604) NMRスペクトル:(DMSO/D2O) 実施例9 実施例3,4により製造したペプチド誘導体を基質として
用い、血液凝固因子Xa(F-Xa)による酵素反応速度論的
解析を行なった。まず50μMから500μMの各種濃度に
なるように基質を50mMビストリスプロパン−塩酸緩衝液
(pH8.0)に溶解したもの500μlに10mMN−エチル−N
−スルホプロピル−アニリンを含む50mMビストリスプロ
パン−塩酸緩衝液(pH8.0)100μlを加えた後、F-Xa酵
素溶液20μlを加え37℃で3分もしくは5分間反応後、
メタ過ヨウ素酸17mMを含む0.1M酢酸溶液500μlを加え
て室温に10分間放置後、波長730nmで吸光度を測定しKm
値および反応最大速度(Vmax)を算出した。
この結果、下記の表のように、本発明のこの構造の基質
はF-Xaに対して効率よく水解されることがわかる。
実施例10 実施例3により製造したZ-D-Lys(ε‐For)‐Gly-Arg-
MAを基質として用いてヒト血漿中の血液凝固因子X(F
−X)を測定した。まず試料としてF−Xを含むヒト血
漿を50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.8)で希釈したもの1
0μlに、上記緩衝液200μlを加え、37℃で3分間加温
した後上記基質1mM及びN−エチル−N−スルホプロピ
ル−アニリン9mMを含む水溶液200μlを加え30〜40秒後
にF−Xの活性化作用をもつ蛇毒と塩化カルシウム(50
mM)混液200μlを加えて37℃で3分間反応させた後17m
Mメタ過ヨウ素酸を含む0.1M酢酸溶液1mlを加え室温に10
分間放置後波長730nmで吸光度を測定した。得られた吸
光度を試料の希釈倍数に対してプロットし、F−Xの濃
度依存性を調べた。その結果を第1図に示す。
この結果本発明の構造の基質を用いることによってF−
Xが高感度にかつ定量性よく測定できることがわかる。
実施例11 Z-D-Lys(ε‐For)‐Gly-Arg-MAを基質として用いてア
ンチトロンビン−III(AT-III)を測定した。まず試料
としてAT-IIIを含むヒト血漿をヘパリン10IU/mlを含む5
0mMビストリスプロパン−塩酸緩衝液(pH8.0)で希釈し
たもの50μlに、F-Xa2U/mlを含む生理食塩水50μlを
加えて37℃で10分間反応後、上記基質1mM及びN−エチ
ル−N−スルホプロピルアニリン9mMを含む50mMトリス
−塩酸緩衝液(pH8.0)を200μl加えて更に37℃で4分
間反応後、メタ過ヨウ素酸17mMを含む0.1N酢酸溶液1ml
を加え、室温に10分間放置後、波長730nmで吸光度を測
定し、試料の希釈倍数に対して吸光度をプロットし、検
量線を作成した。この結果を第2図に示す。
この結果、本発明のこの構造の基質を用いることによっ
てAT-IIIが高感度に、かつ定量性よく測定できることが
わかる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のZ-D-Lys(ε‐For)‐Gly-Arg-MAを
基質として使用し、F−Xの濃度依存性を測定した場合
の検量線であり、縦軸は測定波長730nmでの吸光度、横
軸はF−Xを含む試料の希釈倍数をあらわす。 第2図はZ-D-Lys(ε‐For)‐Gly-Arg-MAを基質として
使用し、アンチトロンビン−III(AT-III)を測定した
場合の検量線であり、縦軸は測定波長730nmでの吸光
度、横軸はAT-IIIを含む試料の希釈倍数をあらわす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石島 知恵子 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1―1 味の 素株式会社中央研究所内 (72)発明者 入江 康夫 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1―1 味の 素株式会社中央研究所内 (72)発明者 安田 直彦 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1―1 味の 素株式会社中央研究所内 (72)発明者 西山 公子 兵庫県明石市茶園場町8―27 第一野上マ ンション3F西 (72)発明者 的場 功始 兵庫県加古郡播磨町野添1576―1 (72)発明者 日裏 久英 兵庫県加古川市加古川町中津115―7

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式: 〔式中、Xはアラニル基、ロイシル基、イソロイシル
    基、バリル基、リジル基を表わし、リジル基のε−アミ
    ノ基は保護されていてもよい。Rはウレタン型のアミノ
    保護基を表わすが、Xがリジル基の場合は、さらに水素
    原子を表わしてもよい。〕で示されるペプチド誘導体及
    びその酸付加塩。
  2. 【請求項2】酵素含有試料に 一般式: 〔式中、Xはアラニル基、ロイシル基、イソロイシル
    基、バリル基、リジル基を表わし、リジル基のε−アミ
    ノ基は保護されていてもよい。Rはウレタン型のアミノ
    保護基を表わすが、Xがリジル基の場合は、さらに水素
    原子を表わしてもよい。〕で示されるペプチド誘導体及
    びその酸付加塩の少なくとも一種を作用させ、生成した
    モルホリノアニリンにカプラーを作用させ、生成した色
    素を定量することを特徴とする試料中の酵素活性測定方
    法。
  3. 【請求項3】酵素がプロテアーゼである特許請求の範囲
    第(2)項記載の方法。
  4. 【請求項4】プロテアーゼが血液凝固因子Xa又は凝固酵
    素である特許請求の範囲第(3)項記載の方法。
  5. 【請求項5】カプラーがアニリン系化合物、トルイジン
    系化合物、アニシジン系化合物、フェノール系化合物、
    ナフトール系化合物または安息香酸系化合物である特許
    請求の範囲第(2)項記載の方法。
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