JPH0775721B2 - 中小形条鋼類の製造設備 - Google Patents

中小形条鋼類の製造設備

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JPH0775721B2
JPH0775721B2 JP3139819A JP13981991A JPH0775721B2 JP H0775721 B2 JPH0775721 B2 JP H0775721B2 JP 3139819 A JP3139819 A JP 3139819A JP 13981991 A JP13981991 A JP 13981991A JP H0775721 B2 JPH0775721 B2 JP H0775721B2
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博義 松原
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トーア・スチール株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は中小形条鋼類の製造設備
に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、条鋼は大形、中形および
小形の3種があり、このうち、L25×25×3mm〜
L40×40×5mm、L40×40×5mm〜65×
65×8mmの等辺山形鋼で代表される形鋼や、厚さ6
〜12mm、幅50〜100mmの平鋼や鉄筋用棒鋼で
代表される棒鋼は中小形条鋼と称される。条鋼は、従来
一般に、素材として鋼塊を用い、それを加熱炉で加熱
し、分塊圧延して粗形鋼片とし、保熱炉に入れ、造形圧
延機群と仕上圧延機を通して成形していたが、生産コス
トや表面・内部制状のなど利点から、連続鋳造機を使用
して素材を作ることが多くなっている。この方法を適用
した場合、上記中小形条鋼は小断面積の製品であること
から、従来では、小サイズのビレットを連続鋳造し、そ
のビレットを直送するかまたは保温しあるいは冷ビレッ
トを連続炉で加熱し、それを圧延する方法がとられてい
る。しかし、このようにビレットを連続鋳造で生産する
場合には、8ストランド程度の多ストランド連続鋳造設
備と関係作業が必要であり、また、各ビレットから製品
を1本1本圧延するため、生産能率が悪いという問題が
あった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明は前記のような問
題点を解消するために創案されたもので、その目的とす
るところは、中小形条鋼(鉄筋用棒鋼類を含む。以下同
じ)を少ない連続鋳造ストランド数によって能率よく製
造することができ、しかも1連の圧延設備で条鋼のみな
らず熱延鋼板も生産可能な多品種生産に適する設備を提
供することにある。
【0004】上記目的を達成するため本発明は、連続鋳
造機により鋳造されたスラブ鋳片を加熱する連続加熱・
保温炉の下流にスラブ鋳片を粗圧延および仕上げ圧延し
て熱間圧延鋼板を作る熱間圧延機を備えた熱間圧延ライ
ンを配し、該熱間圧延ラインの端末には複数のコイルボ
ックスとこれの搬送装置を備えた移送式コイルボックス
を配し、該移送式コイルボックスの下流を、水冷装置と
ダウンコイラを備えた熱延鋼板取出しラインと、連続加
熱炉と幅方向スリット入れ用の分割装置を含む連続式条
鋼圧延機及び冷却床を備えた条鋼圧延ラインの2系統に
分岐した構成としたものである。前記冷却床は、好まし
くは複数の条鋼をそれぞれ単独に相互に高低差を持って
誘導するローラテーブルラインと、冷却床入側にあって
前記ローラテーブルラインからそれぞれの条鋼を受取り
冷却床上に送る縦回転式移送装置を有している。
【0005】
【実施例】以下本発明の実施例を添付図面に基いて説明
する。図1は本発明による中小形条鋼類の製造設備の概
要を示している。1は出発素材としてのスラブ鋳片(薄
スラブ鋳片を含む)aを圧延に適する温度にするための
連続加熱・保温炉1であり、前記スラブ鋳片aは連続鋳
造機により鋳造される。そのスラブ鋳片aは連続鋳造機
から上記連続加熱・保温炉1に直送されるか、または保
温された状態で連続加熱・保温炉1に送り込まれ、圧延
に適する温度まで加熱される。勿論、冷スラブ鋳片とし
て送り込まれ、連続加熱・保温炉1で加熱されてもよ
い。薄スラブ鋳片とは一般に厚さ100mm未満たとえ
ば50mm×600mmの如きものである。
【0006】Aは前記連続加熱・保温炉1の下流に配さ
れた熱間圧延ラインであり、上流側から下流側に、デス
ケーラー2と、コイルボックス3と、粗圧延、仕上圧延
用の熱間圧延機4および移送式コイルボックス5を配し
ている。熱間圧延機4としては、たとえば、ホットスト
リップミル、またはリバースステッケルミルが使用され
る。コイルボックス3はリバース圧延されたコイルを受
け取る設備としてミルの前面に設置される。この熱間圧
延ラインAにおいて、前記連続加熱・保温炉1で加熱さ
れたスラブ鋳片aはデスケーラー2でスケールが除去さ
れ、そのまま熱間圧延機4により粗圧延、仕上圧延され
ることにより熱間圧延鋼板bとなる。
【0007】移送式コイルボックス5は前記熱間圧延ラ
インAの端末に設置され、熱間圧延工程で得られた熱間
圧延鋼板bを巻き取り、圧延温度からの温度低下を抑制
しつつ移送するためのものである。この移送式コイルボ
ックス5は、鋼板またはこれに耐火物を内張りしたボッ
クスあるいは積極的に加熱手段を備え、かつ巻取リール
を内蔵した複数のコイルボックス5a,5bからなって
おり、レール等の地上式またはクレーン等の空中移動式
の搬送装置5c、5dによって熱間圧延ラインAの下流
位置と該ライン側方位置の間で移動自在となっている。
【0008】Bは前記熱間圧延ラインAの側方に設けら
れた条鋼圧延ライン、Dは移送式コイルボックス5の下
流側に直列状に設けられた熱延鋼板取出しラインであ
り、前記のように仕上げ圧延された熱間圧延鋼板bはこ
れら2系統に任意に選択移送され、条鋼cとして製造さ
れあるいは冷却された熱延鋼板b’として取り出され
る。 熱延鋼板取出しラインDは水冷設備17とダウン
コイラ18を備えている。一方、条鋼圧延ラインBは、
入り側に図示しないがピンチロール、デフレクタゲー
ト、プッシングロールなどの巻き戻しガイド装置を具備
し、これの下流に誘導加熱炉などの連続加熱設備6と連
続式条鋼圧延機7が設置され、さらに冷却床8が設置さ
れ、冷却床8の出側はレベラーを介して図示しない切断
・精整ラインへと続いている。連続式条鋼圧延機7は減
面圧延用の中間圧延機7aと造形用の仕上圧延機7bを
有し、かつ、中間圧延機7aの入り側から仕上圧延機7
bの入り側までのいずれかの位置に、幅方向にスリット
を入れる分割装置7cが設けられている。連続式条鋼圧
延機7は通常2条以上の条鋼を同時に圧延する多条圧延
機が使用される。分割装置7cは回転刃せん断機やプラ
ズマせん断機などが用いられる。
【0009】図2と図3は図1における条鋼圧延ライン
Bの下流領域を示しており、造形された複数の条鋼c,
cは、図示しない走間分割装置により所定長さごとに切
断され、それぞれローラテーブルライン14a,14b
によって搬送され、冷却床8に送り込まれて常温近くま
で冷却されるようになっている。仕上圧延機7bの出側
から始まるローラテーブルライン14a,14bは各条
ごとに独立に配置されており、かつ冷却床8の入側では
各ローラテーブルライン14a,14bはグランドレベ
ルからの高さに高低差を持つように配置されている。そ
して、冷却床入側には、取り込み手段として縦回転式移
送装置15が配置されている。この縦回転式移送装置1
5は、たとえば、一方が駆動軸である上下の回転軸と、
それら回転軸に所定間隔ごとに取付けたスプロケット1
5a,15bに巻かれたエンドレス帯材15cと、エン
ドレス帯材15cに所定間隔で設けた多数の突片15d
からなっている。
【0010】
【実施例の作用】次に上記実施例の作用を説明する。連
続鋳造機によって鋳造されたスラブ鋳片aは、直接又は
保温された状態もしくは冷えた状態で連続加熱・保温炉
1に送りこまれ、ここで熱間圧延に適する温度に制御さ
れて熱間圧延ラインAに送り出され、デスケーラー2で
スケール除去された後、そのまま熱間圧延機4に送ら
れ、ここで所要の厚さに粗圧延され、さらに仕上げ圧延
されることにより、熱間圧延鋼板bが連続的に作られ
る。スラブ鋳片aとして薄スラブ鋳片たとえば50t×
600mmのものを使用した場合には、上記熱間圧延機
4により50mm未満たとえば35mm程度の板厚まで
減厚された熱間圧延鋼板となる。
【0011】上記のように圧延された熱間圧延鋼板b
は、熱間圧延ラインAの端末において生産目的に応じて
2系統に分離処理される。すなわち、条鋼を製造する場
合には、熱間圧延鋼板bは熱間圧延ラインAの複数のコ
イルボックス5a,5bに巻取られ、コイルボックス5
a,5b内で保温された状態で搬送装置5c、5dによ
り条鋼圧延ラインBの入り側に移送される。複数のコイ
ルボックス5a,5bを使用しているため熱間圧延鋼板
bをとぎれなく条鋼圧延ラインBに供給することができ
る。熱間圧延鋼板bは条鋼圧延ラインBの入側に達した
ところでコイルボックス5aまたは5bから引き出さ
れ、連続加熱設備6により圧延に適した温度(1100〜130
0℃)まで加熱され、これから連続的に抽出された状態で
中間圧延機7aにより所定の幅と厚さへの減面と鍛錬が
行われる。この圧延開始前から次の仕上圧延機7bに入
るまでの間に、熱間圧延鋼板bは分割装置7cによって
幅方向(鋼板縦方向)にスリットが入れられ、複数の粗形
条鋼に分割される。その断面分割は製造すべき条鋼の寸
法に応じて、等分割、非当分割に制御される。そして、
それら複数の粗形条鋼は仕上圧延機7bに送られて所定
の形状、寸法の条鋼c,cに造形され、このように多条
同じ圧延された条鋼c,cは、走間分離装置により所定
長さごとに熱間鋸断されたのち冷却床8に送り込まれ、
常温近くまで冷却されたのち、切断、精整ラインへと送
り出される。
【0012】この実施例においては、各条鋼c,cはそ
れぞれローラテーブルライン14a,14bによって搬
送され、冷却床8に送り込まれて常温近くまで冷却され
る。すなわち、造形された複数の条鋼c,cは走間分割
されたのち、ローラテーブルライン14a,14bでそ
れぞれ高低差が持たされるように誘導されて、冷却床入
側に到る。ここでそれぞれはね出し装置により長手方向
と直角方向に移動させられる。この位置には縦回転式移
送装置15のエンドレス帯材15cが縦方向に回転して
おり、はね出されてきた条鋼c,cはエンドレス帯材1
5cの位置のずれた突片15dにほとんど同時に受け渡
される。そして、エンドレス帯材15cが移動すること
によって、受取り高低差に基づく時間差をもってレッヘ
ン式などの冷却床8の上に移置され、搬送される。冷却
された条鋼c,cは冷却床8の出側に設けられているロ
ーラテーブルライン16により順次搬出される。条鋼多
条圧延したものを共通ローラブルラインで送り込んだ場
合、ローラテーブルラインでの搬送中ならびに冷却床取
り込み時に、同時圧延された条鋼が相互に接触したり、
干渉しあい、それによって形状不良を発生させることが
多いが、この実施例のような冷却床取り込みを行えば、
形状不良の発生を防止することができる。
【0013】一方、条鋼でなく熱延鋼板が必要なときに
は、移送式コイルボックス5のコイルボックス5a,5
bを搬送装置5c,5dにより熱間圧延ラインAから外
れる位置に移動させればよく、前記のように熱間圧延ラ
インAで仕上げ圧延された熱間圧延鋼板bはコイルボッ
クス5a,5bに巻き取られず、そのまま熱間圧延鋼板
取出しラインDのランアウトテーブルに移送され、水冷
設備17により所定温度に冷却され、熱延鋼板b’とし
てダウンコイラ18によりコイル化され、その状態で出
荷することができる。かかる熱延鋼板の製造は条鋼の製
造と併行して行うこともできる。
【0014】
【発明の効果】以上説明した本発明の請求項1によれ
ば、連続鋳造機により鋳造されたスラブ鋳片aを加熱す
る連続加熱・保温炉1の下流にスラブ鋳片aを粗圧延お
よび仕上げ圧延して熱間圧延鋼板bを作る熱間圧延機4
を備えた熱間圧延ラインAを配し、該熱間圧延ラインA
の端末には複数のコイルボックス5a,5bとこれの搬
送装置5c,5dを備えた移送式コイルボックス5を配
し、該移送式コイルボックス5の下流を、水冷装置17
とダウンコイラ18を備えた熱延鋼板取出しラインD
と、連続加熱炉6と幅方向スリット入れ用の分割装置7
cを含む連続式条鋼圧延機7及び冷却床8を備えた条鋼
圧延ラインBの2系統に分岐しているため、これらの系
統を選択することにより、連続鋳造機により鋳造された
スラブ鋳片を出発材として、一連の圧延設備で条鋼と熱
間圧延鋼板を生産することができる。すなわち、条鋼生
産時には、熱間圧延ラインAからの熱間圧延鋼板は移送
式コイルボックス5によって間断なく条鋼圧延ラインB
に供給され、ここで幅方向の分割を含む多条同時圧延さ
れ冷却床で冷却されるため、中小形条鋼を一貫連続して
能率よく生産することができ、熱延鋼板を希望するとき
にはコイルボックス5a,5bに巻き取ることなく熱延
鋼板取出しラインDに送り出すことでコイル化した熱延
鋼板とすることができ、したがって、経済的な多品種生
産を行うことができるというすぐれた効果が得られる。
本発明の請求項2によれば、前記効果に加えて多条の同
時圧延された条鋼を形状不良を発生させずに冷却するこ
とができるというすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による中小形条鋼類の製造設備の一実施
例を示す平面図である。
【図2】図1の冷却床領域の平面図である。
【図3】図2のX−X線に沿う断面図である。
【符号の説明】
a スラブ鋳片 b 熱間圧延鋼板 c 条鋼 A 熱間圧延ライン B 条鋼圧延ライン D 熱延鋼板取出しライン 1 連続加熱・保温炉 4 熱間圧延機 5 移送式コイルボックス 5a,5b コイルボックス 5c,5d 搬送装置 6 連続加熱炉 7 連続式条鋼圧延機 7c 分割装置 8 冷却床 14a,14b ローラテーブルライン 15 縦回転式移送装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B21B 43/00 C 45/00 H 7726−4E

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続鋳造機により鋳造されたスラブ鋳片a
    を加熱する連続加熱・保温炉1の下流にスラブ鋳片aを
    粗圧延および仕上げ圧延して熱間圧延鋼板bを作る熱間
    圧延機4を備えた熱間圧延ラインAを配し、該熱間圧延
    ラインAの端末には複数のコイルボックス5a,5bと
    これの搬送装置5c,5dを備えた移送式コイルボック
    ス5を配し、該移送式コイルボックス5の下流を、水冷
    装置17とダウンコイラ18を備えた熱延鋼板取出しラ
    インDと、連続加熱炉6と幅方向スリット入れ用の分割
    装置7cを含む連続式条鋼圧延機7及び冷却床8を備え
    た条鋼圧延ラインBの2系統に分岐したことを特徴とす
    る中小形条鋼類の製造設備。
  2. 【請求項2】冷却床8が、複数の条鋼をそれぞれ単独に
    相互に高低差を持って誘導するローラテーブルライン1
    4a,14bと、冷却床入側にあって前記ローラテーブ
    ルラインからそれぞれの条鋼を受取り冷却床上に送る縦
    回転式移送装置15を有している請求項1に記載の中小
    形条鋼類の製造設備。
JP3139819A 1991-05-15 1991-05-15 中小形条鋼類の製造設備 Expired - Lifetime JPH0775721B2 (ja)

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