JPH0775432B2 - スピーカシステム - Google Patents

スピーカシステム

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JPH0775432B2
JPH0775432B2 JP63109343A JP10934388A JPH0775432B2 JP H0775432 B2 JPH0775432 B2 JP H0775432B2 JP 63109343 A JP63109343 A JP 63109343A JP 10934388 A JP10934388 A JP 10934388A JP H0775432 B2 JPH0775432 B2 JP H0775432B2
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、スピーカ振動板の前面部に音波を導く音響管
を配置したスピーカシステムに関するものである。
従来の技術 スピーカ振動板の前面部にホーンや音響管を設け、振動
板から発生した音波を開口部まで導く方法は、ホーンや
音響管を用いない場合に較べて出力音圧が大きく得られ
ることや、特定の方向に音が伝えられるなどの利点があ
り、従来から多く用いられている。
以下、図面を参照しながら、従来のホーンや音響管のつ
いたスピーカシステムについて説明を行う。
第3図は、上記スピーカシステムの構造断面図を示すも
のである。
第3図において、1はスピーカユニット、2はバックキ
ャビティ、6は音導部、7はホーンである。
以上のように構成されたホーンや音響管のついたスピー
カシステムについて以下その動作を説明する。
スピーカ振動板の前面部に、振動板の近くでは面積が小
さく、開口部に近づくにしたがい、徐々に大きくなるホ
ーン7を配置し、またスピーカ振動板の背面部には背面
音を外部に放射させないようにバックキャビティ2を配
置している。ホーン7の長さが再生しようとする再生帯
域の波長より十分長ければ、再生音圧周波数特性は平坦
な特性が得られる。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記のような構成では、機器に組み込む
ため十分ホーン長を長くすることができない場合には、
再生音圧周波数特性はピーク・ディップのある山谷の多
い特性となる。例えば第2図は、ホーンや音響管のつい
たスピーカシステムの再生音圧周波数特性図を示してい
る。図中Bの特性は、従来の例えば第3図に示すような
ホーンや音響管のついたスピーカシステムの特性であ
る。
第4図に示すように、長さLの音響管では、音速をCと
したときに、周波数f=(2n−1)C/4L(n=1,2,3,…
…)で共振現象が発生し、再生音圧周波数特性に、ピー
ク・ディップが現れる。尚、第4図は、n=2の場合の
音圧分布と粒子速度分布を示すものである。
本発明は上記問題点に鑑み、短いホーンや音響管を有す
るスピーカシステムにおいても、共振によるピーク・デ
ィップのない平坦な周波数特性を得ることができるスピ
ーカシステムを提供するものである。
課題を解決するための手段 この目的を達成するため、本発明のスピーカシステム
は、スピーカ振動板前面に音波を導く音響管を配置し、
前記音響管内部には、前記スピーカ振動板面より音響管
の開口部に向かって連続的に延長され、かつ長さが音響
管長より小さい仕切り板を設け、前記仕切り板と音響管
との間および前記仕切り板の開口端と音響管の開口部と
を結ぶ面と音響管壁によって囲まれた空間に吸音材が配
置されており、前記吸音材の内壁および仕切り板により
連続した平坦な音導部を形成していることを特徴とす
る。
仕切り板は、スピーカ振動板直前から取り付けられた長
さが音響管長の3分の1の長さであり、音導部の断面積
は、スピーカ振動板直前では小さく開口部に近づくにし
たがって大きくなるかまたは一定であるようにする。
仕切り板の開口部と音響管の開口端の間では、吸音材の
形状が、仕切り板側より音響管の開口部までの音導部の
断面積が大きくなるよう、仕切り板側では厚く、音響管
開口部へ徐々に薄く形成されている。
作用 本発明は、振動板側より音響管長の3分の1の長さの仕
切り板を設け、吸音材の仕切り板と音響管側壁の間に配
置し、さらに仕切り板のない部分では、仕切り板側から
開口部に近づくにつれ音導部の断面積が一定かまたは大
きくなるホーン形状としたことにより、音響管の共振現
象により管幅に生じる定在波において最大粒子速度を開
口部にもつ第1番の共振モードに起因する音圧のピーク
を取ることができる。また第2番の共振モードのために
生じる音圧ピークは、最大粒子速度を開口部と振動板側
より音響管の3分の1の所にたもつので上記吸音材の吸
音効果により同時にとることができる。さらに第3番の
共振以降の音圧ピークは開口部の吸音材でとることがで
きる。
以上の効果により、ピーク・ディップがなく、平坦な音
圧周波数特性を高域まで実現できるものである。
実施例 以下本発明の一実施例について、図面を参照しながら説
明する。
第1図は、本発明の一実施例のスピーカシステムの構造
断面図を示すものである。第1図において、1はスピー
カユニット、2はバックキャビティー、3はスピーカユ
ニット1の振動板前面に発生した音波を導びく音響管、
4は音響管3の内部に音導部が設けられるよう配置され
た仕切り板、5は音響管3と仕切り板4とで囲まれた部
分と、仕切り板のない部分では中央部に音導部を構成す
るように配置した吸音材、6は音導部である。
以上のように構成されたスピーカシステムについて、以
下その動作について説明するスピーカユニット1の振動
板背面の音はバックキャビティー2に閉じられるが、振
動板前面に放射された音波は音響管3を通して開口部ま
で導かれ放射される。しかし、開口部で生じる急激な音
響インピーダンスの変化により、開口部まで導かれた音
波の一部は反射波となり振動板前面に帰ってこようとす
る。この反射板を音響管内部に配置された吸音材5によ
って吸収し、音響管内部に定在波が発生するのを防止す
るものである。
仕切り板4は、振動板側より音響管の3分の1部分まで
壁を構成しており、吸音材によって吸収されやすい高域
を吸音材5によって阻害されることなく開口部へ導くも
のである。
吸音材5の振動板側より音響管の3分の1から開口まで
の部分は、粒子速度が大きくなる部分に設けられている
ので、定在波が発生する周波数での音圧ピークを制動す
ることが可能である。その他の周波数における音波は吸
音材をホーン形状とすることで吸音材5によって阻害さ
れることなく開口部へと導かれるものである。
第2図は、ホーンや音響管付きのスピーカシステムの再
生音圧周波数特性を、本実施例と従来例を比較しながら
示している。従来例における特性Bは音響管内で定在波
が生じるため山谷の大きい特性となるが、本実施例のス
ピーカシステムの特性をAに示すように高域まで平坦な
周波数特性が得られることがわかる。なお、本実施例で
は、音響管内部の仕切り板4と吸音材5の内壁にて構成
される音導部が、スピーカ前面部では該音導部の断面積
が小さく、音響管開口部に近づくにしたがって該音導部
の断面積が大きくなるホーンを例にして説明したが、こ
のような条件を満たすスピーカシステムの一部破断斜視
図を第5図5(a)(b)に示す。また本発明は、この
ような音響管の形状によらず、音導部の断面積が一定で
あるホーンであっても、本実施例と同様の効果が得られ
る。
発明の効果 以上のように本発明は、振動板側より開口に向かって連
特的に延長した長さが音響管以下の仕切り板を設け、吸
音材を仕切り板と音響管側壁の間に配置し、さらに仕切
り板のない部分にも音導部の断面積が一定かあるいはホ
ーン形状として配置したことにより、従来の音響管やホ
ーンに見られた定在波による音圧のピークを抑えて平坦
な音圧周波数特性を有するスピーカシステムが実現でき
る。
また、仕切り板は音響管開口部に向かって配置されてお
り、吸音材の内壁および仕切り板により連続した平坦な
音導部を形成しているので、ホーン内を伝播する音波の
進行を妨げることなく、かつ特に高域成分の音圧レベル
の低下を抑制しながら、音圧のピークを抑えて平坦な音
圧周波数特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のスピーカシステムの一実施例における
構造断面図、第2図はスピーカシステムの音圧周波数特
性図、第3図は従来のスピーカシステムの構造断面図、
第4図は音響管の断面における粒子速度分布と音圧分布
を示す特性図、第5図は本発明のスピーカシステムの他
の実施例における構造断面図である。 1……スピーカユニット、2……バックキャビティー、
3……音響管、4……仕切り板、5……吸音材、6……
音導部、7……ホーン。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スピーカ振動板前面に音波を導く音響管を
    配置し、前記音響管内部には、前記スピーカ振動板面よ
    り音響管の開口部に向かって連続的に延長され、かつ長
    さが音響管長より小さい仕切り板を設け、前記仕切り板
    と音響管との間および前記仕切り板の開口端と音響管の
    開口部とを結ぶ面と音響管壁によって囲まれた空間に吸
    音材が配置されており、前記吸音材の内壁および仕切り
    板により連続した平坦な音導部を形成していることを特
    徴とするスピーカシステム。
  2. 【請求項2】仕切り板は、スピーカ振動板直前から取り
    付けられた長さが音響管長の3分の1の長さであり、音
    導部の断面積は、スピーカ振動板直前では小さく音響管
    の開口部に近づくにしたがって大きくなることを特徴と
    する請求項1記載のスピーカシステム。
  3. 【請求項3】仕切り板の開口部と音響管の開口端の間で
    は、吸音材の形状が、仕切り板側より音響管の開口部ま
    での音導部の断面積が大きくなるよう、仕切り板側では
    厚く、音響管開口部へ徐々に薄く形成されていることを
    特徴とする請求項1記載のスピーカシステム。
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