JPH0775142B2 - イオン流に平行な放射表面を有するディスペンサカソードおよびサイラトロンにおけるその使用 - Google Patents

イオン流に平行な放射表面を有するディスペンサカソードおよびサイラトロンにおけるその使用

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JPH0775142B2
JPH0775142B2 JP29384191A JP29384191A JPH0775142B2 JP H0775142 B2 JPH0775142 B2 JP H0775142B2 JP 29384191 A JP29384191 A JP 29384191A JP 29384191 A JP29384191 A JP 29384191A JP H0775142 B2 JPH0775142 B2 JP H0775142B2
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J1/00Details of electrodes, of magnetic control means, of screens, or of the mounting or spacing thereof, common to two or more basic types of discharge tubes or lamps
    • H01J1/02Main electrodes
    • H01J1/13Solid thermionic cathodes
    • H01J1/20Cathodes heated indirectly by an electric current; Cathodes heated by electron or ion bombardment
    • H01J1/28Dispenser-type cathodes, e.g. L-cathode

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  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)
  • Solid Thermionic Cathode (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は拡散ガス放電管において
使用するためのディスペンサカソードに関し、特にイオ
ン流に平行な放射表面を使用するディスペンサカソード
およびサイラトロンにおけるその使用に関する。
【0002】
【従来の技術】ディスペンサカソードは、電子放射電流
の制御を必要とする装置において多くの年数にわたって
使用されている。一般にそれらは、強く結合された連続
する金属体から形成され、電子放射材料を均一に分布さ
れた耐熱金属で形成されてる。多孔性金属マトリックス
は貯蔵器として作用し、放射材料は貯蔵器から放射表面
まで拡散し、活性層を維持し、電子の熱イオン放射のた
めの低い仕事関数の表面を結果として提供することがで
きる。この定義は、酸化物被覆カソード、純金属放射
体、およびトリウムタングステンを除外する。
【0003】一般にほとんどのディスペンサカソード
は、交差フィールド増幅器、クライストロン、マグネト
ロン、進行波管、後進波発振器、陰極線管、およびガス
イオンレーザのような装置内で使用される。その他の応
用には、電子衝撃半導体(EBS)装置およびX線管が
含まれる。カソードの設計および製造は、動作環境、要
求される放射電流密度、安定した動作温度、および装置
寿命の条件のような要因によって決定される。長い使用
周期の間中確実な電子電流を得ることは、放射表面の放
射材料(バリウム)の到達速度と放射表面からの蒸発速
度の間に確率された平衡の関数である。
【0004】ディスペンサカソードは、放射を増しそし
て仕事関数を低くする酸化バリウムその他の化合物の混
合物を含浸された多孔性タングステン構造を使用するこ
とが好ましい。バリウム放射材料は、含浸とタングステ
ンの反応によってタングステンマトリックスの細孔内に
生成される。カソード表面で確立された平衡は、カソー
ド表面上のバリウムの単一層または少量のみを維持す
る。時間と共に表面に近い細孔によるバリウムの移動が
減少するためにバリウムが欠乏するので、単一層は不完
全な単一層となる。カソードの寿命の最後で、バリウム
の到達速度が不完全な単一層にのみを維持するとき、実
際の仕事関数は必要とされる放射を維持するには高す
ぎ、カソードは役に立たなくなる。
【0005】ディスペンサカソードの特性に影響を与え
る多数の要因がある。蒸発および放射の特性における最
も重要な影響の1つは、混合または含浸構成である。使
用されている材料は、アルカリ性土類金属の珪酸塩、ア
ルミニウム酸塩、トリウム酸塩、ベリリウム酸塩、硼酸
塩、タングステン酸塩、およびスカンジウム酸塩であ
る。これらの材料のバリウムおよびカルシウムのアルミ
ニウム酸塩は広範囲に使用されている。最近注目されて
いるのは、スカンジウム酸塩およびタングステン酸塩で
ある。マトリックスの細孔の寸法、密度、および均一性
は、ディスペンサカソードの放射電流容量に影響を与え
る。マトリックス構造の構成および密度は、例えば容積
で理論上の重さの75%から85%まで変えられることが可
能である。保護するまたは硬化する材料もまた、カソー
ドのマトリックス上に被覆するまたはマトリックス内に
結合された薄層内に加えられる。最新のディスペンサカ
ソードのより完全な概観は、1981年2月のI.E.E.E.会報
のVol.128 の第1章No.1の19頁乃至32頁内で発表された
J.L.Croninによる“最新のディスペンサカソード(Mode
rn Dispenser Cathodes )”と表題された論文において
与えられる。
【0006】通常のディスペンサカソードは、数千時間
の動作寿命の間摂氏1100度より下の動作温度で、毎平方
センチメータ当り数アンペア程度の放射電流密度を与え
る。50,000時間を超過する寿命時間にわたって毎平方セ
ンチメータ当り百乃至数百アンペア程度の放射電流密度
が得られるように、ディスペンサカソードの特性を改良
することは好ましい。
【0007】高電力サイラトロンを含むようにカソード
の動作能力または範囲を拡張することもまた好ましい。
進行波管に対してサイラトロンはガスが満たされた装置
である。電子がサイラトロンのカソードから放射される
とき、それらはガスの分子に衝突しガスをイオン化す
る。正イオンはそれから電界によって加速され、カソー
ド表面に衝突する。イオン衝撃は、放射材料のカソード
の表面を減らすことによってタングステン含浸カソード
の動作特性に悪影響を与え得る。したがってカソードの
寿命が減少する。したがってタングステン含浸ディスペ
ンサカソードは、1次放射体としてサイラトロン内で一
般に使用されていない。
【0008】水素サイラトロンは、レーダ、加速器、ア
イソトープ分離器、光化学レーザ装置、および最近注目
されるエネルギ装置のような正確なパルス間タイミング
を要求する高エネルギ装置内で利用される優れたスイッ
チング装置である。超電力サイラトロンの発展は、繰返
し速度、電流上昇速度(di/dt)、ピークおよび平
均電力容量、およびスイッチの寿命の4つのスイッチ制
限変数における増加を必要とする。これらのうちの最初
の要因はサイラトロンプラズマの消イオン時間によって
主として限定され、主としてカソードに依存している。
後者の3つの要因は、カソードの設計およびその放射電
流特性に依存している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明のお
もな目的はイオン衝撃の影響を最小にし、長寿命、高電
力密度で動作可能な改良されたディスペンサカソードを
提供することである。別の目的は、そのスイッチングお
よびピーク電力特性を改良するために、サイラトロン特
に高電力水素サイラトロン内においてディスペンサカソ
ードを使用することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ディス
ペンサカソードは、イオン流に平行に配置された急峻な
対向する壁によって特徴付けられた少なくとも1つの放
射する溝を含む放射表面を具備して設計される。壁は所
定の深さを有し、イオン衝撃の悪影響が最小となり同時
に放射容量が最大となるように所定の距離で互いに分離
される。分離距離と深さの比率およびその動作変数は、
改良されたディスペンサカソードの電流密度および動作
寿命を最も効果的に活用するように選択される。
【0011】改良されたディスペンサカソードは、低い
電流密度で動作される通常のカソードの寿命と比べ少な
くともより長い寿命の間150 アンペア/cm2 のピーク電
流密度で動作可能である。カソード表面上のイオン衝撃
の影響は非常に減少し、したがってディスペンサカソー
ドの寿命を延ばすことができる。
【0012】本発明はまたサイラトロン内における改良
されたディスペンサカソードの使用も含む。改良された
ディスペンサカソードの設計が特性を犠牲にすること無
くイオン衝撃の影響を除くので、サイラトロン内におい
て現在使用されている典型的な酸化物被覆および含浸メ
ッシュカソードは、改良されたディスペンサカソードに
よって置換されることができる。サイラトロン内の改良
されたディスペンサカソードの動作は、通常の酸化物被
覆カソードよりも大きい電流密度、電流上昇速度、およ
びピークスイッチング電力を有するように最も効果的に
活用されることができる。
【0013】
【実施例】図1を参照にすると通常のディスペンサカソ
ード装置13は、水平な上面を有する一般に円筒形の放射
部分10と放射材料を収容する内部貯蔵器部分11とを具備
する。カソードは例えばタングステンのような耐熱性金
属の多孔性マトリックスから形成され、放射材料は通常
酸化バリウムその他の化合物である。放射材料は、空洞
内に含まれ、そこから多孔性タングステンマトリックス
内に吸引され、または均一にそれらに含浸されてもよ
い。ポツト型のヒータコイル15は、放射部分10の下に配
置される。カソードはまた直接加熱されてもよい。カソ
ードの部分10,11は基板14上に支持され、モリブテンの
ような非反応性で耐熱性の材料から通常作成された支持
壁16に取付けられる。
【0014】カソード13がレーザまたはサイラトロンの
ようなガスが満たされた装置内で使用されるならば、プ
ラズマ領域(図の陰影領域)はカソードの周りに形成さ
れる。プラズマ領域内で生成された陽イオンはカソード
とそれと対応する陽極との間の電界によって加速され、
カソード表面に衝撃を与える。イオン衝撃は、放射材料
のカソード表面を減らしカソードの寿命を減少すること
によってカソードに損傷を与え得る。したがって通常の
ディスペンサカソードは、1次放射体としてサイラトロ
ンにおいて広く使用されていない。
【0015】カソードの全領域が放射周期内で利用され
るというわけではないこともまた理解される。カソード
の有効な領域は、カソードプラズマの境界面が生じる領
域として限定されることができる。有効なカソード領域
は、カソードの幾何学的形状およびカソード表面に沿っ
たプラズマ波の伝達速度に依存される。図1に示される
通常のディスペンサカソードは、カソードの物理的表面
領域の約50%のみが有効な領域である。
【0016】本発明にしたがって改良されたディスペン
サカソードは、図2の(A)の側面断面図および図2の
(B)の上面図において示されている。ディスペンサカ
ソード23は、急勾配の対向する壁が所定の深さDを有し
所定の距離sだけ互いに分離されておりイオン流に平行
に配置されている少なくとも1つの放射溝20を具備す
る。簡単にするために、カソードは直角円筒形状でその
円筒軸と同心の1つの環状の溝を有するものとして示さ
れている。さらに例を挙げれば、以下に示されるように
多数の溝またはリングのようなその他の幾何学的形状が
使用されることもできる。カソードは全体の幅または直
径Wを有する。ポツト型ヒータコイル25、支持壁26およ
び熱分離穴は、カソードの基体部分に配置される。
【0017】溝の幾何学的形状がイオン衝撃のために各
壁から蒸発された放射材料を回復させるので、放射材料
および熱エネルギの正味の損失は最小限になる。本発明
にしたがって、イオン流に平行に配置された分離された
対向する壁によって限定された溝またはリングは、ディ
スペンサカソードの有利な特性を犠牲にすること無くイ
オン衝撃の損傷の影響を除く。カソードの溝の間隔sお
よび深さDは、溝内へのプラズマ波の伝達がカソードに
必要な電流増加時間を満たすのに十分であるように選択
される。溝内へのプラズマ波の相互浸透は、カソードブ
ロックの外側の物理的表面領域と等しいまたはそれより
大きいカソードの実効面積を生じ、したがって平均ピー
ク電流密度およびスイッチング特性を増加させる。
【0018】本発明の別の態様にしたがってディスペン
サカソードは、酸化物被膜または含浸メッシュカソード
を使用する通常のサイラトロンより大きくサイラトロン
の動作およびスイッチング特性を増加するために、ガス
充填サイラトロンにおいて使用される。後者のカソード
は典型的に30アンペア/cm2 程度の電流密度に制限され
る。通常のタングステン含浸カソードは150 アンペア/
cm2 の範囲内で放射されるが、それらはサイラトロンに
おいて一般に使用されることはない。イオン衝撃の問題
は比較的短い時間で著しくカソードの電流密度出力を減
少させるため使用寿命が短縮される。サイラトロンにお
いて本発明の溝付きタングステン含浸カソードを使用す
ることによって、そのようなカソードの電流密度および
高速度スイッチング特性はサイラトロンにおいて実現さ
れることができる。
【0019】通常のタングステン含浸カソードのための
製造技術および設計要因の全体の概観は、J.L.Croninに
よる前述の“最新のディスペンサカソード(Modern Dis
penser Cathodes )”において与えられており、ここで
参照される。本発明の溝付きタングステン含浸カソード
は、モル比が5BaO:3CaO:2Al2 3 の放射
材料を含浸された80%の密度の多孔性タングステンブロ
ック構造から製造されることが好ましい。タングステン
含浸カソードの製造の別の説明は別出願の米国特許明細
書に記載されている。
【0020】本発明の溝付きタングステン含浸カソード
に応用できる非常に重要な設計要因の幾つかは水素サイ
ラトロンにおける使用に関しては後述され、その動作特
性は水素サイラトロンにおいて使用される通常の酸化物
被覆カソードの動作特性と比べられる。
【0021】図3においてサイラトロンの側面断面図
は、サイラトロンの主な部品つまり水素で満たされたセ
ラミック容器32内に収容された陽極30とグリッド31とカ
ソード33とを示す。カソードは各隣接する対がイオン衝
撃の影響を最小限にするようにイオン流の方向と平行す
る対向した垂直な壁を有する多数の羽根を具備するもの
として示されている。サイラトロンが導通するとき、水
素ガスはイオン化され、プラズマが生成されて空間電荷
効果が除去される。水素サイラトロンは、管内で所望の
ガス圧力を維持するためにサイラトロンの加熱中に水素
を吸収しそれを放出する水素化チタン貯蔵器34を通常備
えられている。カソード33は、交流または直流電圧の印
加によりヒータコイル35によって動作温度まで加熱され
る。十分なウォームミングアップの時間の後、電界電圧
は陽極からカソードまで印加され得る。スイッチとして
のサイラトロンはトリガー電圧がグリッド31に印加され
るまでオフ状態を維持し、トリガー電圧が印加されると
サイラトロンは導通を始める。オフ状態は、管を流れる
電流がゼロまで下がった後回復される。
【0022】サイラトロンのスイッチング周期は、4つ
の段階に分割されている図4(従来技術)に示されてい
る。サイラトロンの特有の動作は、周期の各段階に影響
を与えるようなカソードの幾何学的形状に依存する。サ
イラトロンの動作におけるスイッチングの結果は、トリ
ガー、整流、安定な伝導、および消イオン化と回復であ
る。トリガー段階においてトリガー電圧はグリッドに与
えられ、グリッドに吸引された初期の電流はカソードと
グリッドとの間隔、カソードの幾何学的形状、およびト
リガー回路特性によって決定される。グリッド・カソー
ド間空間のイオン化を含む管のトリガーのために、所定
のグリッド電流は引出されなければならず、その振幅は
ガスの型式および圧力に依存する。カソードの幾何学的
形状は、トリガー電圧が与えられるときグロー放電状態
に入るのに十分な電流が生成されることができなければ
ならない。
【0023】グロー放電を始めるのに必要なグリッド電
流がカソードから引出されるとすぐに、プラズマは整流
段階中グリッド・カソード間空間において形成し始め
る。グリッドに吸引された電子は陽極電界内で加速さ
れ、それは陽極−グリッド空間において衝突しイオン化
する。陽極・グリッド空間が十分にイオン化されないの
で、イオンはグリッド・カソード空間内で陽極電位によ
って加速される。この過程は、グリッドで発達し相反す
る拡散によって制御される速度でカソードに向かって拡
張するグリッド−カソードプラズマの拡張を導く。グリ
ッドからカソードまでのプラズマの最前部の伝達速度の
有用な研究は、トリガー電圧の範囲に関して1962年にGo
ldbergおよびRothsteinによって測定された。図5の
(B)に示されるように、プラズマの最前部の伝達速度
は印加されたグリッドの電位に強く依存されることが判
る。所定のカソードの幾何学的形状およびトリガー電圧
に対する最大電流上昇速度(di/dt)は、ピーク電流密
度J(avg )およびカソード表面に沿ったプラズマ波の
伝達速度が既知であるならば計算することができる。計
算されたdi/dt が所望の上昇時間よりも小さいならば、
グリッド駆動電圧またはカソードの幾何学的形状は必要
とされる動作変数を満たすように調整されることができ
る。
【0024】カソードの幾何学的形状は、導電中の特性
において最大の影響を有する。カソードのベースライン
の寸法は、伝導段階のピーク電流およびデューティサイ
クルの要求にしたがって選択される。装置の消イオン化
および回復時間は、ガスの圧力およびサイラトロンの幾
何学的形状に依存し、カソードの幾何学的形状には依存
しない。
【0025】カソードが動作可能なピーク電流密度は、
所望の動作デューティサイクルによって決定される。従
来知られている通常のB型カソードのピーク電流密度対
デューティサイクルのプロットは図5の(A)に示され
ている。本発明の溝付きタングステン含浸カソードもこ
の通常のB型カソードと類似した特性を有しているか
ら、所望のデューティサイクルを与えると、カソードの
最大の電流密度J(avg)がグラフから決定されるこ
とができる。
【0026】最大の平均電流密度J(avg)が選択さ
れると、装置の必要とされる電圧降下が決定されること
ができる。放電管(例えばサイラトロン)のアノード・
カソード間の電圧降下Vは次の式によって計算するこ
とができる。
【0027】 (1)V=V+RAJ(avg) ここで、Vは放電管の放電維持電圧であり、通常は1
00ボルトである。またRAはプラズマシースの抵抗
Rとプラズマシースの面積Aとの積であり、通常は
0.833オームcmに等しい定数である
【0028】カソードの溝の深さDは次の式によって計
算するできることが判る。
【0029】 D=2(J(avg)−J)/σ(dE/dZ) ここで、Jはカソードの溝の底部における電流密度の
値であり、カソードの最大平均電流密度J(avg)の
75%と95%の間の範囲をとるが、J(avg)の約
85%が好ましい。σはプラズマシースの平均導電度で
あり、dE/dZは距離Zに関する電界強度の変化速度
であり約2.5KV/cmの一定の値をとる。J
J(avg)の75%より小さく選択されたならば、カ
ソードは多くのサイラトロンに使用するには適しないよ
うな長さになるであろう。一方JがJ(avg)の9
5%より大きい値を使用するとカソードはイオン衝撃の
影響を受けやすくなる。なお、距離による電流変化は線
形関数である。
【0030】単一の溝付きカソードで行われた試験によ
って、W=(OD−ID)/2として表されることがで
きる溝の幅がプラズマシースの幅Lの少なくとも20倍
でなければならないことが判る。20Lより小さい幅の
溝が使用されるとき、溝内のガスはイオン化されず、カ
ソードは規定された方法において放射しない。プラズマ
シースの最大のシース幅Lは、J(avg )と上記V
の得られたまたは仮定された値を使用してカソードのベ
ースに対して次の式にしたがって計算される。
【0031】 (3)L=[24(10−2)V /5.9(10
)J(avg)]1/3(cm) 所望されたピーク電流Iは平均電流密度J(avg)
によって溝付きカソードの放射領域と関係づけられ、カ
ソードの溝の内径IDおよび外径ODは次の式で計算さ
れることができる。
【0032】 (4) (ID+OD)=I/J(avg)πD ここで、Dは式(2)において計算された溝の深さであ
る。
【0033】最大のシース幅Lがわかると、溝の直径
は次のように計算されることができる。
【0034】 (5) ID=[(I/J(avg)πD)−40L
]/2 および、 (6) OD=ID+40L 単一の溝付きカソード構造の設計手順はこの明細書の末
尾に表Aとして要約されている。カソードの幾何学的形
状が上述のようにスイッチング周期の伝導段階における
装置の要求によって決定されると、カソードがトリガー
および整流段階の要求を満たすことができるようにチェ
ックが行われる。上述の設計手順は、所望のピーク電
流、電流の上昇速度、デューティサイクル、トリガー電
圧および放電管のアノード・カソード間電圧降下で動作
可能な単一の溝付きカソードを生成する。
【0035】図2の(A)に示される単一の溝付きカソ
ードの幾何学的形状を有し、グリッド駆動電圧が500 ボ
ルト、カソードの最大平均電流密度が150 アンペア/cm
2 の水素サイラトロンに関しては、溝の深さD=1.27cm
および壁の間隔s=0.32cmが得られる。深さと壁の間隔
の比D/sは4.0 である。グリッド電圧の関数としての
カソード表面に沿ったプラズマの伝導速度は約31.25cm/
μ秒であり、プラズマの最前部によってカソード全体を
被覆するまでの時間は約40ナノ秒である。整流および伝
導中にカソードが150 アンペア/cm2の最大平均電流、
または750 アンペアのピーク電流で動作され、カソード
が40ナノ秒の時間で所望のピーク電流を達するので、所
定の寸法の単一の溝付きカソードの電流の上昇速度は約
19Kアンペア/μ秒である。
【0036】溝付きタングステン含浸カソードは、スイ
ッチング周期の全段階において管の電位降下によって加
速されたイオンがカソードの放射表面に平行に移動する
という有利な特性を有する。イオンの一部分だけが通常
の管の動作中に放射表面に衝突し得る。溝付き放射表面
の対向する壁は、イオン衝撃のためにカソードから剥が
されたバリウムを溝の別の表面に散布させ、したがって
放射材料の損失がなくなる。溝付きカソードの第2の利
点はそれ自身の温度特性である。タングステンディスペ
ンサカソードは、カソードの質量のために長いウォーミ
ングアップ時間を必要とする。溝付きカソードからの放
射損失は単なる円筒形のカソードの放射損失より小さ
い。溝付き構造はウォーミングアップ時間を減少し対応
して必要とされる加熱電力を減少することで、放射表面
を有効に熱的に隔てる。
【0037】単一の溝付きタングステン含浸カソードの
大きい溝および小さい溝の形態において比較試験が行わ
れた。これらの試験において使用されたカソードは含浸
タングステンカソードである。カソードはスペクトルマ
ット社によって製造されたB型、80%多孔性のタングス
テンカソードであった。全てのカソードは、製造の均一
性を確保し、除去および材料変化を除去にするために同
時に処理された。各カソードは、高温点によるカソード
特性の変化が減少され得るようにポット型ヒータを備え
ていた。カソードは全ての試験において摂氏1050度の温
度で動作された。3つのカソードは各々3つの別々のカ
ソード設計で組立ておよび試験され、すなわち全部で9
つの試験のカソードが製作された。
【0038】全てのカソードは、試験下で通常酸化物被
覆カソードが溝付きカソードに交換されたペンシルバニ
アのイーストンのITT電子技術部のITT−8264水素
ダイオードにおいて試験された。水素ダイオードはサイ
ラトロンのグリッドとカソードの間隔をシミュレートす
るために使用された。サイラトロンに対向されるような
ダイオードの使用は、カソードの特性に影響することな
しに多数の変数を除去させる。前述の8264は、光学高温
計によってカソードの温度の測定をされ得るガラス容器
ダイオードである。セラミック容器ダイオードは、カソ
ードの特性に悪影響を与え得るカソード表面に配置され
た熱電対の使用を必要とする。カソードは最大20KVの
陽極の電圧で60Hzの周波数で動作できる回路において
試験された。試験電流パルス幅は3μ秒であり、回路で
限定される電流上昇時間は0.840 μ秒であった。
【0039】溝付きカソードとの比較のために使用され
る基準のデータは、イオン流に垂直な放射表面を有する
通常使用されている装置である(図1に示されるものと
同種である)。支持壁まで1.27cmの深さ、全体が2.03c
m、直径が1.81cm、水平表面積が2.57cm2 を有する水平
な放射正面を具備する3つのカソードが試験された。水
平放射カソードの試験は、性質上の特性が通常の酸化物
被覆カソードよりも同等または劣ることが示された。
【0040】図6の(A)におけるプロットは、電流密
度の所定の範囲における高い管の電圧降下と電流密度の
上限という水平放射カソードの2つの欠陥を示す。20ア
ンペア/cm2 以下の電流密度で動作されるとき275 Vの
最大の電位降下を有する酸化物被覆カソードに比較し
て、水平放射カソードは20アンペア/cm2 以下の電流密
度で動作されるとき650 Vの管電圧降下を示した。低い
デューティサイクルで30アンペア/cm2 のピーク電流密
度で動作できる酸化物被覆カソードと比較して、水平放
射カソードはまた1.1 KVの対応する管電圧降下によっ
て40アンペア/cm2 の最大電流密度を有することが判か
った。最大の電流密度の制限は、管がアーク放電モード
に入っていたことを表す装置の両端の電圧降下における
減少によって表された。
【0041】水平放射カソードの高い管の電圧降下およ
び低い放射密度は、カソードの表面上のバリウムの単一
層がイオン衝撃によって減少されるという仮説を確認す
るものである。この現象はさらにダイオードの測定され
た特性が変わったことによって表された。より高い電圧
での装置の動作は、オフタイムは一定に維持されるが伝
導時間を減少することとなった。これはより高い電圧
は、イオンがカソード表面に衝突しより短い時間におい
てバリウムを除去するようにカソード表面を清掃するイ
オン速度およびイオン数の増加を表す。オフ状態におい
て、カソードは表面にバリウムを補充され、再び装置は
伝導状態に入る。バリウムがより低い率で減少されてい
たことを表すガスの圧力の減少は伝導時間における増加
となるであろうこともまた判った。
【0042】水平放射カソードの電流パルスの上昇時間
の測定は図6の(B)において示されている。測定され
た1.872 μ秒の上昇時間は、試験の回路制限された0.84
0 μ秒の上昇時間より確かに遅れた。カソードの表面か
らバリウムが減少するために、カソードはスイッチ周期
の整流段階において伝導を維持することができない。要
約すると、水平放射カソードの試験はカソード表面上の
イオン衝撃のマイナス的影響を証明した。
【0043】試験は図2の(A)において示されるよう
な構造の溝付きカソードについて行われた。単一の溝付
き設計は、設計要因が多数の溝付きカソードと推定され
得る付加された利益を有する簡単な幾何学的形状を示
す。垂直表面は高い面積対体積の比率を可能にした。プ
ラズマシース幅の影響を試験するために、大きい溝およ
び小さい溝の設計は比較された。90アンペア/cm2 の平
均電流密度(最大150 アンペア/cm2 を保持することが
後に判った)およびV=250 Vの最大許容管電圧降下
を仮定することによって、L=0.14mmのシース幅は上
述の式 (3)を使用して計算された。さらに上述の設計因
子を使用して、大きい溝付きカソード(LGC)はs=
3.17mmまたは約22Lの溝の幅により設計された。小さ
い溝付きカソード(SGC)はs=0.8mm または約 6L
の溝の幅により設計された。その他では2つの形態
は、水平放射カソードと同じ外側の円筒形の寸法を有し
た。
【0044】2つの形態の内側および外側直径の寸法
は、溝の面積に限定される4.9 cm2 の同じ放射表面積を
どちらも有するように選択された。等しい放射表面積の
使用は、最小の溝の幅(すなわちプラズマシース幅比)
が 6Lよりも小さいかまたは22Lよりも大きいかの
決定のために制御された。最小の溝の幅が 6Lよりも
小さいかまたは22Lよりも大きいならば、各カソード
は同じ最大の放射密度で動作する。LGCがSGCより
高い放射容量を示したならば、最小の溝の幅が 6L
22Lの間にあることが判る。
【0045】小さい溝付きカソード(SGC)および大
きい溝付きカソード(LGC)の電流密度対電圧降下の
プロットは図7の(A)および図8の(A)にそれぞれ
示されている。LGCに対して電流密度は十分により大
きく、電圧降下はより小さい。したがって最小の溝の幅
は 6Lと22Lとの間にあることが示された。平均電
流密度は、カソードの面積で導電状態のピーク電流を割
ることによって決定された。グロー放電モードからアー
ク放電モードへの変換によって決定された最大電流密度
は、SGCで約50アンペア/cm2 でありLGCの約150
アンペア/cm2 と比較された。水平放射表面と比較する
と、LGCの最大電流密度は約4から5倍大きく、管の
電圧降下は約4から5倍小さかった。
【0046】さらにSGCの溝内のプラズマがLGCの
程度までイオン化することができないという証拠は、図
7の(B)および図8の(B)に2つの溝付きカソード
の電流パルスの上昇時間の比較においてそれぞれ示され
ている。試験回路内のSGCの上昇時間は、回路の制限
された上昇時間の約3倍である2.3usec であった。LG
Cの上昇時間は0.840 μ秒の回路の制限された値で測定
された。したがって全体のカソード表面が利用されるこ
とが示された。
【0047】これらの試験のデータは好ましい最小の溝
の幅があることを示している。上記で明らかにされたよ
うに、20Lの最小の溝の幅はカソードの適当な動作を
常に確保するために使用されなければならないことが判
った。平均電流密度および最大許容の管電圧降下が与え
られると、プラズマシース幅Lが計算され(式(3) に
よって)、最小の溝の幅は20L以上として決定される
ことができる。
【0048】上記式(2) において与えられるように最適
条件の溝の深さDを決定するために、プラズマ伝導率の
値は判らなければならない。プラズマ伝導率は以下のよ
うに表すことができる。
【0049】(7) s=L/RA ここでLは計算されたプラズマシース幅の値であり、
RAはプラズマシース抵抗とプラズマシースの面積の積
を表す。プラズマシースが1ミリメータより小さいシー
スの厚さによってカソード放射表面を被覆するので、プ
ラズマシースの面積がカソードの溝の面積と等しいと仮
定することができる。Rの値はプラズマシース中の抵抗
降下である。RAの値は管の電圧降下対平均電流密度の
傾斜から決定されることができ、図8の(A)によって
表された大きい溝付きカソードではRA=0.833 オーム
cm2 であった。試験は値RAに対してこの導関数を確証
しており、したがってプラズマ伝導率は計算される。
【0050】ITT−8264水素ダイオードにおいて使用
される通常の酸化物被覆カソードは、大きい溝付きカソ
ード(LGC)の面積4.9 cm2 の約8倍である37cm2
カソード表面積を有する。酸化物被覆カソードの電流上
昇速度は測定され、LGCの18KA/μ秒のカソード限定
されたdi/dtと比較して最大4.3 KA/μ秒であるこ
とが判った。LGCの面積が酸化物被覆カソードと全体
の面積を等しくするために同心の溝を付加することによ
って増加されたならば、234 KA/μ秒の程度の電流上昇
速度が予想されることができた。LGCの150 アンペア
/cm2 と比較すると,酸化物被覆カソードの平均電流密
度は約30アンペア/cm2 である。酸化物被覆カソードの
決められたピーク陽極電圧は16KVおよび決められたピー
ク電流は300 Aであり、したがってピークスイッチング
電力は4.8MW である。比較によって、LGCの面積が酸
化物被覆カソードの面積と等しくされたならば、6000A
のピーク電流および960MW のカソード限定されたピーク
スイッチング電力が予想されることができた。したがっ
て溝付きディスペンサカソード装置の実際のピークスイ
ッチング電力の限定は放射特性による制限ではなく、む
しろ物理的要因によって制限される。
【0051】したがって酸化物被覆カソードが等しい面
積の溝付き含浸タングステンカソードによって置換され
るとき、電流上昇速度における少なくとも5倍から55倍
までの増加、5倍の平均電流密度の増加、および200 倍
までのピークスイッチング電力の増加を実現することが
可能である。試験は2つの型式のカソードの予想された
寿命の比較についても行なった。酸化物被覆カソードは
300 Aのピーク電流、8.1 アンペア/cm2 の電流密度で
動作し、650 時間後に動作不能となった。これに比較し
て、LGCは400 Aのピーク電流、82アンペア/cm2
電流密度で動作し、2500時間後にまだ十分に動作してい
た。LGCの寿命の上限は試験の範囲を越えていたけれ
ども、LGCが10分の1の電流密度で動作された通常の
酸化物被覆カソードよりも十分に長く動作可能であると
判断することができる。
【0052】以上ここで開示された本発明の特別な実施
例のみが説明されているが、多くのその他の変化および
修正が本発明の原理にしたがって生成されるであろう。
すべてのそのような実施例および変化および修正は特許
請求の範囲において明らかにされる本発明の技術的範囲
内に含まれるべきものである。
【0053】 付属表 (溝付きディスペンサカソード設計手順) 1.所定のデューティサイクルを図5の(A)から決定 2.次式により管の電圧降下決定 V=100+0.833J(avg ) 3.次式によりVおよびJ(avg )から平均プラズマシース幅決定 Lss =[24(10-2) V 2 /5.9(109 )J(avg )]1/3 (cm) 4.次式により導電度計算 s=L/0.833(1/Ω) 5.(0.85)J(avg )としてJ決定 6.次式により溝の深さD計算 D=2(J(avg )−J)/2.5×103 (cm) 7.次式によりIDおよびOD決定 ID=[(I/J(avg )D) −40L]/2 OD=ID+40L
【図面の簡単な説明】
【図1】ガスが満たされた装置内の通常のディスペンサ
カソードの説明図。
【図2】本発明にしたがった溝付きディスペンサカソー
ドの垂直および水平断面図。
【図3】本発明にしたがった水素サイラトロンにおいて
使用される溝付きディスペンサカソードの多数の羽根付
き形態の概略図。
【図4】サイラトロンのスイッチング周期の段階の説明
図。
【図5】サイラトロンの平均電流密度とデューティサイ
クルの関係図およびプラズマ伝達速度とトリガー(グリ
ッド)電圧の関係図。
【図6】電流密度と管の電圧降下のグラフおよび基準の
比較として使用される水平放射カソードの電流上昇時間
を示すグラフ。
【図7】本発明にしたがった単一の溝付きディスペンサ
カソードの小さい溝付き形態の管の電圧降下に対する電
流密度および電流上昇時間を示すグラフ。
【図8】本発明にしたがった単一の溝付きディスペンサ
カソードの大きい溝付き形態の管の電圧降下に対する電
流密度および電流上昇時間を示すグラフ。
【符号の説明】
20…放射溝、23…ディスペンサカソード、25…ヒータコ
イル、26…支持壁、30…陽極、31…グリッド、32…セラ
ミック包囲体、33…カソード、34…貯蔵器、35…ヒータ
コイル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マレー・ジェームス・ケネディ− アメリカ合衆国、ペンシルバニア州 18015、ベスレヘム、コネリー・アベニュ ー 1243 (56)参考文献 特開 昭63−119130(JP,A) 実公 昭52−30064(JP,Y2)

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子放射材料が含浸されている多孔性耐
    熱金属から製造され、カソードの動作においてイオン流
    の所定の方向に沿うイオン化されたガスプラズマによっ
    てイオン衝撃を受けて電子放射表面の電子放射材料の望
    ましくない消耗を生じる電子放射表面を具備しているデ
    ィスペンサカソードを有しているガス充填電子放射装置
    において、 前記カソードがイオン流の方向に垂直な前部表面と、こ
    の前部表面内に形成されイオン流の方向に平行な対向す
    る壁を有する少なくとも1つの溝とを具備し、1つの壁
    に衝突するイオンの衝撃がそれから除去された電子放射
    材料を反対の壁に付着させることができて電子放射材料
    の正味の損失が最小限とされ、前記壁は所定の深さDを
    有し所定の間隔sだけ互いに分離されており、所定の最
    大平均電流密度をJ(avg)、アノード・カソード間
    の電圧降下をV、前記溝内に入り込むプラズマシース
    の幅をLとするとき、は、 L=[24(10−2)V /5.9(10)J
    (avg)]1/3(cm) であり、前記溝の壁の間隔sはL の20倍以上であ
    ことを特徴とするガス充填電子放射装置。
  2. 【請求項2】 電圧降下Vが、 V=V+RAJ(avg) であり、Vが放電管の放電維持電圧であり、RA
    0.833オームcmに等しい定数である請求項1記
    載の装置。
  3. 【請求項3】 最大平均電流密度J(avg)が、B型
    ディスペンサカソードと同じ平均電流密度対デューティ
    サイクルの特性にしたがって選択されたデューティサイ
    クルに対して得られる請求項1記載の装置。
  4. 【請求項4】 前記溝の深さDが D=2(J(avg)−J)/σ(dE/dZ) であり、Jはカソードのの底部における電流密度の
    値であり、J(avg)の75%と95%の間の範囲を
    とり好ましくはJ(avg)の約85%であり、σはプ
    ラズマシースの平均導電度であり、dE/dZは距離Z
    に関する電界強度の変化速度であり約2.5KV/cm
    の一定の値をとる請求項1記載の装置。
  5. 【請求項5】 前記カソードが直角円筒形であり、前記
    溝が内径IDおよび外径ODを有する前記直角円筒形の
    前面内の単一の環状の溝であり、所望されたピーク電流
    に対して内径IDおよび外径ODは、 (ID+OD)=I/J(avg)πD および OD=ID+40L(最小の溝間隔) である請求項4記載の装置。
  6. 【請求項6】 J(avg)およびVは、前記装置の
    平均ピーク電流密度が150アンペア/cmの範囲に
    あるように選択される請求項1記載の装置。
  7. 【請求項7】 前記ガスが充填された装置が、高電力ス
    イッチング特性を有し、間隔のおいて配置された陽極、
    グリッド、および溝付きカソードを具備する水素サイラ
    トロンである請求項1記載の装置。
  8. 【請求項8】 前記カソードが直角円筒形として形成さ
    れ、前記溝が深さD=1.27cm、壁の間隔S=3.
    2mm、および表面積が約4.9cmを有する前記直
    角円筒形の前面内の単一の環状の溝である請求項7記載
    の装置。
  9. 【請求項9】 前記グリッドが500ボルト程度の駆動
    電圧を有し、前記カソードが150アンペア/cm
    度の最大電流密度および750アンペア程度のピーク電
    流を与え、40ナノ秒程度の時間においてピーク電流値
    に達し、18キロアンペア/μ秒程度の電流上昇速度を
    有する請求項8記載の装置。
  10. 【請求項10】 前記カソードが直角円筒形として形成
    され、前記溝が前記直角円筒形の前面内の複数の同心の
    環状の溝として形成されている請求項7記載の装置。
  11. 【請求項11】 前記グリッドが500ボルト程度の駆
    動電圧を有し、前記カソードが37cm程度の全表面
    積を有し、6000アンペアまでのピーク電流を与え、
    234キロアンペア/μ秒までの電流上昇速度を有し、
    960MWまでのカソード制限されたピークスイッチン
    グ電力を有する請求項9記載の装置。
  12. 【請求項12】 前記カソードは、モル比が5BaO;
    3CaO;2Alから成る放射材料を含浸された
    80%密度の多孔性タングステンマトリックス構造から
    製造されている請求項1記載の装置。
  13. 【請求項13】 ディスペンサカソードが電子放射材料
    含浸されている多孔性耐熱金属から製造され、前記カ
    ソードが動作においてイオン流の所定の方向に沿うイオ
    ン化されたガスプラズマによってイオン衝撃を受けて電
    子放射表面の前記電子放射材料の望ましくない消耗を生
    じる電子放射表面を具備しているディスペンサカソード
    の使用方法において、 前記カソードはガス充填電子放電装置中に配置され、
    オン流の方向に垂直な前部表面とこの前部表面に形成さ
    れイオン流の方向に平行な対向する壁を有する少なくと
    も1つの溝とを具備し、前記壁は所定の深さDを有し、
    所定の間隔sだけ互いに分離されており、所定の最大平
    均電流密度をJ(avg)、アノード・カソード間の電
    圧降下をV 、前記溝内に入り込むプラズマシースの幅
    をL とするとき、L は、 =[24(10 −2 )V /5.9(10 )J
    (avg)] 1/3 (cm) であり、前記溝の壁の間隔sはL の20倍以上であ
    り、 1つの壁に衝突するイオンの衝撃はその壁から除去
    された放射材料を反対の壁に付着させることができて電
    子放射材料の正味の損失を最小限にすることを特徴とす
    るガス充填電子放電装置におけるディスペンサカソード
    の使用方法。
  14. 【請求項14】 前記溝は、所定の深さDに形成され、
    所定の間隔sだけ互いに分離されている壁が形成され
    所定の最大平均電流密度をJ(avg)、アノード・カ
    ソード間の所定の電圧降下をV、前記溝内に入り込む
    プラズマシースの幅をLとするとき、は、 L=[24(10−2)V /5.9(10)J
    (avg)]1/3(cm) であり、前記溝の壁の間隔sがL の少なくとも20倍
    である請求項13記載のディスペンサカソードの使用方
    法。
  15. 【請求項15】 電圧降下Vが、 V=V+RAJ(avg) であり、Vが放電装置の放電維持電圧であり、RA
    0.833オームcmに等しい定数である請求項1
    4記載のディスペンサカソードの使用方法。
  16. 【請求項16】 最大平均電流密度J(avg)が、B
    型ディスペンサカソードと同じ平均電流密度対デューテ
    ィサイクルの特性にしたがって選択されたデューティサ
    イクルに対して得られる請求項14記載のディスペンサ
    カソードの使用方法。
  17. 【請求項17】 前記溝の深さDが、 D=2(J(avg)−J)/σ(dE/dZ) であり、Jはカソードのの底部における電流密度の
    値でありJ(avg)の75%と95%の間の範囲をと
    り、好ましくはJ(avg)の約85%であり、σはプ
    ラズマシースの平均導電度であり、dE/dZは距離Z
    に関する電界強度の変化速度であり約2.5KV/cm
    の一定の値をとる請求項14記載のディスペンサカソ
    ードの使用方法。
  18. 【請求項18】前記カソードが直角円筒形であり、前記
    溝が内径IDおよび外径ODを有する前記直角円筒形の
    前面内の単一の環状の溝であり、所望されたピーク電流
    に対して内径IDおよび外径ODは、 (ID+OD)=I/J(avg)πD および OD=ID+40L(最小の溝間隔) である請求項17記載のディスペンサカソードの使用方
    法。
  19. 【請求項19】 前記ガスが満たされた放電装置が、高
    電力スイッチング特性を有し、間隔のおいて配置された
    陽極、グリッド、および溝付きカソードを具備する水素
    サイラトロンである請求項13記載のディスペンサカソ
    ードの使用方法。
  20. 【請求項20】 前記カソードが、モル比が5BaO:
    3CaO:2Alから成る放射材料を含浸された
    80%密度の多孔性タングステンマトリックス構造から
    製造されている請求項13記載のガス充填電子放射装置
    内のディスペンサカソードの使用方法。
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