JPH0774058A - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents
固体電解コンデンサの製造方法Info
- Publication number
- JPH0774058A JPH0774058A JP21582791A JP21582791A JPH0774058A JP H0774058 A JPH0774058 A JP H0774058A JP 21582791 A JP21582791 A JP 21582791A JP 21582791 A JP21582791 A JP 21582791A JP H0774058 A JPH0774058 A JP H0774058A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tcnq
- electrode
- complex
- electrolytic capacitor
- anode
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
ル、TCNQ及びTCNQアニオンラジカルのアルカリ
金属塩の混合溶液に浸漬して加温して、TCNQ錯体を
陽極用電極に含浸、接合させることにより上記錯体の分
解点に近い温度でも含浸でき、上記電極表面とTCNQ
錯体の接合性を高め、固体電解コンデンサの tanδの低
減を可能とする。 【構成】 陽極用電極をドナー材、ハロゲン化アルキ
ル、TCNQ及びTCNQアニオンラジカルのアルカリ
金属塩の混合溶液または4級化されたドナー材のハロゲ
ン化物の溶液にTCNQ及びTCNQアニオンラジカル
のアルカリ金属塩を溶解させた溶液に浸漬して加温し、
TCNQ錯体を陽極用電極に含浸、接合させることを特
徴としている。
Description
NQ錯体を用いた固体電解コンデンサの製造方法に関す
るものである。
からなる陽極体電極と該電極に対向して構成された陰極
用電極との間に固体電解質を介在させてなる従来の固体
電解コンデンサにおいては、固体電解質として二酸化マ
ンガンが用いられてきた。
を電極上に形成させる際に、一般に陽極体電極を硝酸マ
ンガン溶液に浸漬させた後、加熱分解を行なうため、陽
極酸化皮膜が損傷をうけること、加えて二酸化マンガン
による陽極酸化皮膜の皮膜修復性が乏しいという欠点が
あった。
体などの有機半導体を固体電解質として用いた固体電解
コンデンサが出現している。この含浸方法に関する代表
的な例として特開昭57-173928号公報に記載されている
ようにTCNQ錯体を含む有機半導体を加熱融解により
液化させ、分解にいたるまでの間に素子を入れ、急冷固
化させるものである。
TCNQ錯体は融解点と分解点を有し、かつその温度間
隔がある程度なければ含浸性が極端に悪くなる。TCN
Q錯体の分解点はTCNQの昇華温度の290℃付近であ
り、融解点と分解点の温度幅をもたせるためには、どう
しても融解温度を下げることになる。
熱性が要求されており、特にチップ製品については面実
装時に半田ディップ、リフロ−の温度に耐えられる電解
質でなくてはならず、従来の融解含浸法に適したTCN
Q錯体では上記の耐熱性に耐えられるものは、かなり困
難である。即ち耐熱性に優れたTCNQ錯体は融解点も
高く分解点との温度差も少なくなるので含浸性が極端に
悪くなる。逆に含浸性を良好にしようとすれば融解点が
低温側になるので耐熱性が極端に悪くなる。
を解決することである。即ち耐熱性錯体は融解点が高く
分解点との差が充分なくて含浸が不可能であったが本発
明により可能ならしめ、また電極表面とTCNQ錯体の
接合性が強固となりコンデンサのtanδの改良を図っ
たものである。
ては、 (1)陽極用電極が拡大された表面及び該表面に陽極酸
化皮膜を有する弁作用金属もしくは該金属の合金よりな
ると共に固体電解質としてTCNQ錯体を用いる固体電
解コンデンサの製造方法において、該陽極用電極を、ド
ナ−材、ハロゲン化アルキル、TCNQ及びTCNQア
ニオンラジカルのアルカリ金属塩の混合溶液に浸漬し、
かつTCNQ錯体が生成する温度に加温して、TCNQ
錯体を該電極上で生成させることによりTCNQ錯体を
陽極用電極に含浸、接合させることを特徴とする固体電
解コンデンサの製造方法。 (2)陽極用電極が拡大された表面及び該表面に陽極酸
化皮膜を有する弁作用金属もしくは該金属の合金よりな
ると共に固体電解質としてTCNQ錯体を用いる固体電
解コンデンサの製造方法において、4級化されたドナ−
材のハロゲン化物の溶液にTCNQ及びTCNQアニオ
ンラジカルのアルカリ金属塩を溶解させた溶液に該陽極
用電極を浸漬し、かつTCNQ錯体が生成する温度に加
温して、TCNQ錯体を該電極上で生成させることによ
りTCNQ錯体を陽極用電極に含浸、接合させることを
特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。 (3)弁作用金属がアルミニウムまたはその合金である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の固体電解コ
ンデンサの製造方法である。 本発明の方法において使用する弁作用金属とは、その酸
化物が電気絶縁体(誘電体)となる金属のことであっ
て、周期表の3族、4族及び5族金属を指し、例えばA
l、Ti、Zr、Hf、Ta、Nbなどであるが、特に
Alがコスト的に安価でまた電解エッチング処理などに
より表面積拡大が容易で高い静電容量が得られる、など
の点で好適に使用される。該金属の合金とは、Al−T
i、Al−Zr、Al−Hf、Al−Ta、Al−N
b、などと、AlとTi、Zr、Hf、Ta、Nbの複
数組合せ合金などがある。また、ドナ−材とは、TCN
Q錯体において安定な対カチオンを与える物質であっ
て、電子供与物質が使用される。好適なドナ−材の例
は、キノリン、イソキノリン、インド−ル、キナゾリ
ン、キノキサリン、カルバゾ−ル、アクリジン、フェナ
ントリジン、フェナジン、あるいはその誘導体の比較的
沸点の高い芳香族アミン類である。ハロゲン化アルカリ
としては、炭素数1〜16、特に1〜10の直鎖状また
は分枝鎖状アルキルの塩化物、臭化物または沃化物を使
用しうるが、特にアルミもしくはアルミ合金での含浸に
適し、反応が効率よく進行する点で、沃化物が望まし
い。TCNQ錯体のアルキル金属塩としては、リチウム
塩、ナトリウム塩、カリウム塩等を使用しうるが、特に
リチウム塩が望ましい。
てのTCNQと各種ドナ−材を用いた導電性TCNQ錯
体の合成反応を利用したもので、この反応により誘電体
皮膜上にTCNQ錯体を生成させ、含浸を行なうもので
ある。通常TCNQ錯体の合成は、まずドナ−材の窒素
原子の4級化反応を行なう。この方法はドナ−材と約2
〜5倍モルのR−X(R:アルキル基、X:ハロゲン)
を添加し、アセトニトリルなどの溶媒中で加温し4級化
を行なう。次いで4級化したハロゲン化塩とTCNQの
Li塩をモル比で1:1の割合で溶媒に溶かし、加熱還
流を行い、ドナ−:TCNQの1:1の錯体が生成され
る。次ぎに該生成錯体とTCNQを同様に1:1の割合
で溶媒に溶かし加熱還流を行い、ドナ−:TCNQの比
率が1:2の錯体を形成させる。(この錯体はドナ−:
TCNQラジカル塩:TCNQ中性塩が1:1:1の割
合となる。)本発明はこれらの一連の反応を陽極用電極
の存在化に、同一反応系で行なわせ、導電性TCNQ錯
体を合成し、合成と同時に誘電体皮膜上に析出させ、含
浸を行なうものである。
としては、ハロゲン化アルキルとドナ−材溶液にTCN
Q、及びTCNQのリチウム塩を混合させた溶液中に、
含浸すべき電極を浸漬させ、TCNQ錯体を形成すべき
温度まで加温し、TCNQ錯体を電極上に形成させ含浸
を行なう。あるいは予め4級化されたドナ−材のハロゲ
ン化塩の溶液にTCNQのリチウム塩とTCNQの中性
塩を混合させた溶液を用い同様の処理を行なうことがで
きる。これらの方法において、TCNQ錯体が生成する
温度とは、上記の反応が効率良く進行する温度のことで
あり、生成するTCNQ錯体及び他の反応条件により異
なる。一般に60℃から180℃の範囲が多い。なお、
巻回型の電解コンデンサの製造においては、公知のよう
に、陽極用電極と陰極用電極とを共にコイル状に巻いた
ものを同時に浸漬して含浸を行なうことが有利である。
る。厚さ90μmの高純度アルミニウム箔(純度99.99%)
を交流により電解エッチングを行い、約80倍に拡大され
た表面積を有する電極箔を作製し、中性燐酸溶液にて20
V化成を行い、誘電体皮膜を形成させた。(電極A)
1:3(モル比)溶液にTCNQのリチウム塩とTCN
Q中性塩を溶かした溶液に浸漬させた。次いで150℃
に加温し60分間保持しTCNQ錯体の生成を行い含浸
を行なった。乾燥の後コロイダルカ−ボンを塗布形成
し、さらに銀ペ−ストで陰極リ−ドを取り出しエポキシ
樹脂で外装し、10V33μFの固体電解コンデンサを
作製した。また比較のため、現在行なわれている融解含
浸法も行い特性調査を行なった。
法により作製し、芯材として99.99%アルミ箔70μm厚み
のものを用い、三層クラッド電極箔を作製した。その後
電解エッチングを行い、CV積として約4000μFV/cm
2 を有する電極箔とし、中性燐酸溶液にて20V化成を行
い、誘電体皮膜を形成させた。(電極B)
ェナントロリンの沃素塩をエタノ−ルとアセトニトリル
の混合溶液(1:1)に溶かし、TCNQのリチウム塩
とTCNQ中性塩を溶かし、浸漬させた。ついで80℃
まで加温し、2時間保持しTCNQ錯体を合成し含浸を
行なった。乾燥の後コロイダルカ−ボンを塗布形成し、
さらに銀ペ−ストで陰極リ−ドを取り出しエポキシ樹脂
で外装し、10V100μFの固体電解コンデンサを作
製した。また比較のため、現在行なわれている融解含浸
法も行い特性調査を行なった。
を表2にそれぞれ示した。
って処理された製品のtanδの改良に加え、静電容量
の増大に見られるように含浸性も向上されている。また
従来の融解含浸法と比較しても良い特性を示している。
また従来の融解含浸法では不可能であった融点を持たな
いTCNQ錯体でも含浸が可能となり、加えてTCNQ
錯体の合成プロセスも有しているため合成のための薬品
コストも大幅に下がり、工業的かつ実用的価値大なるも
のである。
Claims (3)
- 【請求項1】 陽極用電極が拡大された表面及び該表面
に陽極酸化皮膜を有する弁作用金属もしくは該金属の合
金よりなると共に固体電解質としてTCNQ錯体を用い
る固体電解コンデンサの製造方法において、該陽極用電
極を、ドナ−材、ハロゲン化アルキル、TCNQ及びT
CNQアニオンラジカルのアルカリ金属塩の混合溶液に
浸漬し、かつTCNQ錯体が生成する温度に加温して、
TCNQ錯体を該電極上で生成させることによりTCN
Q錯体を陽極用電極に含浸、接合させることを特徴とす
る固体電解コンデンサの製造方法。 - 【請求項2】 陽極用電極が拡大された表面及び該表面
に陽極酸化皮膜を有する弁作用金属もしくは該金属の合
金よりなると共に固体電解質としてTCNQ錯体を用い
る固体電解コンデンサの製造方法において、4級化され
たドナ−材のハロゲン化物の溶液にTCNQ及びTCN
Qアニオンラジカルのアルカリ金属塩を溶解させた溶液
に該陽極用電極を浸漬し、かつTCNQ錯体が生成する
温度に加温して、TCNQ錯体を該電極上で生成させる
ことによりTCNQ錯体を陽極用電極に含浸、接合させ
ることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。 - 【請求項3】 弁作用金属がアルミニウムまたはその合
金であることを特徴とする請求項1または2に記載の固
体電解コンデンサの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21582791A JP3228531B2 (ja) | 1991-07-31 | 1991-07-31 | 固体電解コンデンサの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21582791A JP3228531B2 (ja) | 1991-07-31 | 1991-07-31 | 固体電解コンデンサの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0774058A true JPH0774058A (ja) | 1995-03-17 |
JP3228531B2 JP3228531B2 (ja) | 2001-11-12 |
Family
ID=16678920
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21582791A Expired - Fee Related JP3228531B2 (ja) | 1991-07-31 | 1991-07-31 | 固体電解コンデンサの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3228531B2 (ja) |
-
1991
- 1991-07-31 JP JP21582791A patent/JP3228531B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3228531B2 (ja) | 2001-11-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPS6252939B2 (ja) | ||
US4648010A (en) | Solid electrolytic capacitor and process for preparation thereof | |
JPH0774058A (ja) | 固体電解コンデンサの製造方法 | |
JP3221889B2 (ja) | 固体電解コンデンサの製造方法 | |
JPS58191414A (ja) | 固体電解コンデンサ | |
EP0285728B1 (en) | Solid electrolytic capacitor, and method of manufacturing same | |
JPH05259001A (ja) | 固体電解コンデンサの製造方法 | |
JPH05251281A (ja) | 固体電解コンデンサの製造方法 | |
JP3100411B2 (ja) | 固体電解コンデンサの製造方法 | |
JP3100412B2 (ja) | 固体電解コンデンサの製造方法 | |
JP3093810B2 (ja) | 固体電解コンデンサの製造方法 | |
JPH036217A (ja) | 固体電解コンデンサの製造方法 | |
JPH02294009A (ja) | 固体電解コンデンサ | |
JPH0722080B2 (ja) | 固体電解コンデンサの製造法 | |
JPH02239609A (ja) | 固体電解コンデンサ | |
JPH05259000A (ja) | 有機半導体固体電解コンデンサ | |
JPH02294010A (ja) | 固体電解コンデンサ | |
JPH02241014A (ja) | 固体電解コンデンサ | |
JPH01255209A (ja) | 固体電解コンデンサ | |
JPS62188307A (ja) | 固体電解コンデンサ | |
JPH0719727B2 (ja) | 固体電解コンデンサの製造方法 | |
JPH0727844B2 (ja) | 固体電解コンデンサの製造法 | |
JPH02292809A (ja) | 固体電解コンデンサ | |
JPH02237010A (ja) | 固体電解コンデンサ | |
JPH02260409A (ja) | 固体電解コンデンサ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20010827 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070907 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080907 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080907 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090907 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090907 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100907 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |