JPH0772534B2 - 圧縮方法及び圧縮機 - Google Patents

圧縮方法及び圧縮機

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JPH0772534B2
JPH0772534B2 JP1007319A JP731989A JPH0772534B2 JP H0772534 B2 JPH0772534 B2 JP H0772534B2 JP 1007319 A JP1007319 A JP 1007319A JP 731989 A JP731989 A JP 731989A JP H0772534 B2 JPH0772534 B2 JP H0772534B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、圧縮方法、特に、消音装置として吐出室を有
する圧縮機による圧縮方法及び圧縮機に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
一般に、冷凍サイクルに使用される圧縮機では、例え
ば、特開昭61−210286号公報に開示されているように、
圧縮されたガスが吐出機構から吐出するときに発生する
音を消音するために消音装置が設けられており、この消
音装置が吐出室を形成している。すなわち、この吐出室
内で吐出ポートから吐出される冷媒の脈動を緩衝させ消
音し、連通孔からケース内に吐出されるようになつてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述の如く、消音装置として吐出室を有する圧縮機では
この吐出室は消音特性を考慮して設計されており、吐出
室内の圧力脈動が圧縮機消費動力性能に及ぼす影響につ
いては考慮されていなかつた。
例えば、3000rpm又は3600rpmの一定速圧縮機では吐出室
内の圧力脈動振幅は高速回転圧縮機(回転数制御圧縮
機)に比べて小さいものの吐出室内の圧力脈動周波数が
不適切であるために圧縮機性能を低下させている場合が
あつた。また、回転数制御圧縮機では高速回転になる
と、吐出室内の圧力脈動が圧縮機性能に顕著に影響する
という問題があつた。
第2図はシリンダ容積と圧力(吐出室圧力及びシリンダ
内圧力)との関係が異なる二つの状態についてX(実
線)及びY(破線)で示してある。X1で示すような吐出
室圧力波の谷が吐出開始時期にきている場合には、吐出
期間中のシリンダ内圧力はX2で示すようになるが、Y1
示すように吐出室内圧力が脈動すると吐出期間中のシリ
ンダ内圧力は破線Y2で示すようにシリンダ内圧力X2より
高くなる。従つて、ハツチングで示したその差分だけ圧
縮動力、すなわち、過圧縮動力が大きくなり損失になる
という問題があつた。
本発明は、以上の如き問題点を除去し、吐出室内の圧力
脈動を規定する物理量間の関係に適切なる制約を与え
て、過圧縮損失を低減し、性能の高い圧縮方法及び圧縮
機を提供可能とすることを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
上述の課題を解決するためにとられた本発明の構成は、
圧縮方法においては、 (1)少なくとも、ケース内に圧縮要素部と該圧縮要素
部を駆動する駆動部とを有し、該圧縮要素部内の圧縮室
で圧縮されたガスを吐出する吐出弁を有する吐出ポート
を有し、前記吐出弁を囲む吐出室が設けられ、該吐出室
から前記ケース内に吐出ガスを吐出する吐出通路を設け
た圧縮機において、吐出開始時期を前記吐出室内の圧力
脈動波の谷付近に一致させ、少なくとも2つの代表的運
転速度の吐出開始時期を前記吐出室内の圧力脈動波のほ
ぼ平均圧力以下の圧力の時期に同調させることを特徴と
する。
(2)少なくとも、ケース内に圧縮要素部と該圧縮要素
部を駆動する駆動部とを有し、該圧縮要素部内の圧縮室
で圧縮されたガスを吐出する吐出弁を有する吐出ポート
を有し、前記吐出弁を囲む吐出室が設けられ、該吐出室
から前記ケース内に吐出ガスを吐出する吐出通路を設け
た圧縮機において、少なくとも2つの代表的運転速度
が、 ここで、 m:同調次数(m=1,2…の整数) ε:同調シフト定数(−1<ε<1) θd:吐出開始から吐出終了までの圧縮機回転角(度) n0:圧縮機回転数(rpm) a:音速 L:開口端補正吐出通路長さ V:吐出室容積 S:吐出通路断面積 及び、0<|ε|<0.25 を満足するように、L,V,Sを定めることを特徴とする。
(3)(2)において、前記2つの代表的運転速度のう
ち、高い方の代表的速度に対して、同調シフト定数εを
0<ε<0.25の範囲に設定したことを特徴とする。
(4)(2)において、前記2つの代表的運転速度のう
ち、低い方の代表的速度に対して、同調シフト定数εを
−0.25<ε<0の範囲に設定したことを特徴とする。
(5)(2)又は(3)又は(4)において、前記少な
くとも2つの代表的運転速度が、電源の周波数がそれぞ
れ50Hz及び60Hzである場合の速度であることを特徴とす
る。
圧縮機においては、 (6)(2)又は(3)又は(4)において、前記少な
くとも2つの代表的運転速度が、暖房定格条件及び冷房
定格条件により定まる速度であることを特徴とする。
(7)少なくとも、ケース内に圧縮要素部と該圧縮要素
部を駆動する駆動部とを有し、該圧縮要素部内の圧縮室
で圧縮されたガスを吐出する吐出弁を有する吐出ポート
を有し、前記吐出弁を囲む吐出室が設けられ、該吐出室
から前記ケース内に吐出ガスを吐出する吐出通路を設け
た圧縮機において、少なくとも2つの代表的運転速度
が、 ここで、 m:同調次数(m=1,2…の整数) ε:同調シフト定数(−1<ε<1) θd:吐出開始から吐出終了までの圧縮機回転角(度) n0:圧縮機回転数(rpm) a:音速 L:開口端補正吐出通路長さ V:吐出室容積 S:吐出通路断面積 及び、0<|ε|<0.25 を満足するように、L,V,Sを定められており、両速度の
場合共に吐出開始時期を前記吐出室内の圧力脈動波のほ
ぼ平均圧力以下の圧力の時期に同調させてあることを特
徴とする。
ものである。
このように構成することによつて、圧縮性能の向上、特
に吐出室内圧力脈動周波数の適正化により、吐出損失の
低減と性能向上を可能とするものである。
〔作用〕 まず、第1図及び第3図〜第6図を用いて、吐出室内の
圧力脈動波(以下吐出室内圧力脈動波と称する)をモデ
ル的に説明する。本発明の一実施例を示す後述の第1図
で、1は吐出室、2は吐出弁、3は吐出通路、4は開口
端、5はチヤンバを示しており、第3図〜第6図は横軸
に時間、縦軸に圧力振幅がとつてあり、同一部分には同
一符号が付してある。
この圧縮器では、吐出室1には吐出弁2があり、吐出弁
2から吐出室1に吐出された冷媒ガスは吐出通路3を通
り開口部4からチヤンバ5内の空間に吐出される。した
がつて、吐出弁2から吐出室1に冷媒ガスが吐出される
と吐出室1内圧力が上昇する。この状態を吐出室1に吐
出期間τに相当する時間の吐出パルスが発生すると考
える。第3図(a)(b)には、この吐出パルスPを太
い実線で示したサインカーブで表現してある。吐出パル
スPは吐出通路3の開口端4で反射し、点線で示した反
射波R1としてτ時間遅れて戻つて来る。さらに反射波R1
の反射波がτ時間遅れて反射波R2、反射波R2の反射波が
反射波R3と次次に反射波が戻つて来る(反射波はいずれ
も点線で示してある)。
従つて、吐出室内圧力の波形はそれらの合成波となり、
第3図(a)に実線で示した合成波Qのようになる。こ
の合成波Qが、圧縮機機能を支配する吐出室内圧力脈動
波であり、その周期τは次式で示すようになる。
τ=2τ ……(1) ここで、時間τは反射波が戻つて来るまでの時間で、音
速をa,開口端補正吐出通路長さをL,吐出通路断面積をS,
吐出室容積をVとすると次式で示すようになる。
従つて、 また、脈動周波数は第(1),(3)式によつて次式
で示すようになる。
以上の関係により吐出室内の圧力脈動特性は定まる。一
方、この圧力脈動特性と吐出開始時期の関係は、圧縮機
回転数をn0(rpm)、吐出開始から吐出終了までの圧縮
機回転角をθ(度)として、さらに、同調次数をm
(m=1,2,3…の整数値)、同調シフト定数をε(−1
<ε<1)とすると次式で示すようになる。
ここで、mは吐出終了後の谷のいくつめの谷に吐出開始
を合わせるかを定める同調次数であり、εはその谷の底
からどれだけずらした位置に吐出開始を合わせるかを定
める定数である。結局、第3図(a)(b)は第(5)
式の関係の一例を示したものであり、第3図(a)はm
=2,ε=0、第3図(b)はn=2,ε=0.32の場合であ
る。第3図(a)に示すε=0の場合は谷の底で吐出開
始となり、|ε|が大きくなると吐出開始時期が第3図
(b)に示すように谷の底からずれることを意味してい
る。
従つて、ある代表的回転数n0のとき、適切なmの整数値
を選び、さらにε=0を与え、そのとき第(5)式の関
係を満足するようにL,V,Sを定めれば、第3図(a)に
示すように吐出室内圧力脈動波の谷底に吐出開始時期を
一致させることができ、最も過圧縮損失を低減すること
ができる。
しかし、圧縮機の使用状態を考えたとき、圧縮機は少な
くとも2つの代表的速度が問題になる。即ち、一定速圧
縮機では同一仕様の圧縮機が50Hzと60Hzの電源で使用さ
れる。また、回転数制御圧縮機では最も一般的に使用さ
れる運転条件としてJISで定められる暖房定格条件及び
冷房定格条件がある。両定格条件では所要冷凍能力が異
なるため、当然回転速度が異なるため少なくとも2つの
代表的速度が対象となる。
そこで、吐出室,吐出通路形状としてL,V,Sを与え、二
つの代表的回転数の高速側に関する量にサフイツクス
H、低速側に関する量にサフイツクスLを付して第
(5)式のε=0の場合を考える。即ち、両代表的速度
の場合共に吐出室内圧力脈動波(以下脈動波と称する)
の谷底に吐出開始時期を一致させる条件を考えると、 両式の比をγとすると次式で示すようになる。
一定速圧縮では50Hz,60Hz共に同じ条件で運転される場
合はγはn0H/n0Lで定まり、モータスリツプを考慮した
実際の回転数では第(8)式の右辺は、 γ=n0H/n0L=1.15〜1.20 程度となる。また、回転数制御圧縮機では、暖房定格と
冷房定格条件では運転圧力,回転数が異なるため第
(8)式の右辺すべての項が関連して、 γ=1.2〜1.3 程度となる。従つて両者を含めて考えると、 γ=1.15〜1.3 となる。一方、第(8)式のmH,mLからγを求めると、 mH=1 mL=2 で γ=1.667 mH=2 mL=3 で γ=1.40 となり、低次の同調次数では第(8)式を満足できない
ことになる。即ち、その一例として、γ=1.22でmH=1.
0 ε=0とした場合にnHとnLで運転した場合の吐出開
始時期と脈動波の関係を第4図に示してある。この図で
Sは脈動波を示している。この場合にはmH=1としε=
0としているためn0Hで運転している場合には、第4図
(a)に示すように吐出開始時期が脈動波の谷に一致し
ている。しかし、この圧縮機をn0Lで運転すると、第4
図(b)に示すように、吐出開始時期は脈動波の山に一
致しているため性能低下の原因となる。なお、mH=3
mL=3以上の高次の同調次数を選べば第(8)式を満足
する整数値が存在するが、この場合には脈動周波数を
高くすることを意味し、そのためには第(4)式から明
らかなように吐出通路断面積Sを大きくするか又は吐出
通路長さLを小さくするか、吐出室容積Vを小さくする
ことになる。mH=3以上の場合にはSを大きくLを小さ
くすると形状的に非現実的な値となり、さらにSを大き
く、Vを小さくすると消音装置としての特性がそこなわ
れるため非現実的となる。この様な点から考えるとでき
ればm=1程度が望ましい。
以上の検討の結果、低次の同調次数で二つの代表的速度
で運転した場合、以下のようにすれば両者の場合共に満
足できる運転を行うことができる点を見出したものであ
る。
すなわち、過圧縮を増加させないためには少なくとも、
第4図に示した平均圧力付近以下の脈動波圧力の状態で
吐出を開始すればよい。脈動波圧力が平均圧力よりも低
い範囲は第4図(a)において脈動波の谷底からτfH/4
の範囲である。ここでn0Hを与えられると1回転時間τ
0Hは定まり、吐出開始時期は定まるので相対的には脈動
波の位置をτfH/4の範囲でずらすことにより、吐出開始
時期を脈動波の平均圧力以下の範囲に入れることができ
る。
脈動波の谷底からτfH/4の範囲は第(5)式で定義され
る同調シフト定数εで表現するとε=0〜0.25の範囲と
なる。そこでε=0,0.15,0.25を与えm=1としたときn
0=n0Hで第(5)式を満足するL,V,Sを定め(θd,aはn
0Hにより定まる圧力条件より決る)吐出室内圧力波形を
求めた結果を第5図に示してある。第5図(a)はm=
1,ε=0,0.15,0.25,n0=n0Hのときの脈動波形とそれぞ
れの場合の吐出開始時吐出室内圧力(図中○印)の関係
を示した図であり、第5図(b)はm=1,ε=0,0.15,
0.25,n0=n0Hで第(5)式を満足するようにL,V,Sを定
め、n0=n0Lで運転した場合であり、○印で示した吐出
開始時の吐出室内圧力はε=0から0.25にするほど低く
なつている。
従つて、同調シフト定数εをε=0〜0.25の間に選ぶこ
とにより、n0H,n0Lの両代表的回転数で運転した場合共
に吐出開始時期を脈動波のほぼ平均圧力以下の圧力のと
きに合わせることができる。ε=0〜0.25の間のどの値
を選ぶかは、この圧縮機の使用条件に応じて、n0Hを重
視する場合にはε=0近傍に、n0Lを重視する場合には
それよりも大きなεを選べばよい。
以上の説明は高い方の代表的回転数n0Hに対してεを調
整し、L,V,Sを定めた場合であるが、場合によつては低
い方の代表的回転数n0Lに対して、εを調整し、L,V,Sを
定めてもよい。
第6図はこのような場合の吐出室内圧力波形を求めた結
果を示してある。即ち、第6図(a)において、脈動波
圧力が平均圧力よりも低い範囲は脈動波の谷底からτfL
/4の範囲である。ここでn0Lを与えられると1回転時間
τ0Lは定まり、吐出開始時期は定まるので、相対的には
脈動波の位置をτfL/4の範囲でずらすことにより、吐出
開始時期を脈動波の平均圧力以下の範囲に入れることが
できる。このτfL/4の範囲は第(5)式で定義されるε
で表現するとε=0〜−0.25の範囲となる。そこで、一
例として、m=1,ε=0,−0.25としたときn0=n0Lで第
(5)式を満足するL,V,Sを定め、吐出室内圧力脈動波
形を求め、ε=0,−0.25それぞれに対する吐出開始時圧
力を○印として第6図(a)に示した。このようにして
L,V,Sを定めn0=n0Hで運転した場合の圧力波形は第6図
(b)に示すようになり、○印で示した吐出開始時の吐
出室圧力はεを0から−0.25にするほど低くなつてい
る。従つてn0Lに対してε=0〜−0.25の間に選ぶこと
によつても、n0H,n0Lの両代表的回転数で運転した場合
共に吐出開始時期を脈動波の平均圧力以下の圧力の時に
合わせることができる。
〔実施例〕
以下、実施例について説明する。
第1図は一実施例の回転圧縮機の断面図を示し、1は吐
出室、2は吐出弁、3は吐出通路、4は開口部、5はチ
ヤンバを示しており、チヤンバ5内にはロータ6,ステー
タ7よりなるモータが設けられ、ロータ6と結合された
軸8により圧縮要素部9に動力を伝達する。圧縮要素部
9はシリンダ10の上下に上軸受を兼ねた上端板11、下軸
受を兼ねた下端板12、軸8のクランク部13にはめられた
ローラ14、ローラ14に先端が当接しばね15に押されてロ
ーラ14の回転に追従して往復運動するベーン16により、
吸込室と圧縮室を構成している。さらに、圧縮室には吐
出ポート17が設けられ、吐出ポート17に吐出弁2が設け
られている。また吐出弁2は吐出室1に囲まれ、吐出室
1からチヤンバ5まで吐出通路3が設けられている。
圧縮室で圧縮されたガス冷媒はその圧力が吐出室内圧力
以上になると吐出弁2をリテーナ18側に押し、ガスは圧
縮室から吐出ポート17,吐出室1,吐出通路3を通りチヤ
ンバ5内に吐出される。
ここで、吐出室1の容積V,吐出通路3の開口端補正吐出
通路長さL,断面積Sは、前述の同調次数m=1,同調シフ
ト定数ε=0.15として高い方の代表的回転数n0=n0H
対して第(5)式の関係を満すように定められている。
なお、開口端補正吐出通路長さLは、吐出通路径をφd,
実際の吐出通路長さをlp,吐出通路の数をn,開口端補正
係数をαとすると、音響理論により によつて表わされる。αの値は開口端4の周囲状況によ
り定まり、本実施例の場合には1.94である。また、吐出
通路3の断面積Sは、 から求められる。
従つて、この圧縮機を高い方の代表的回転数n0Hで運転
すると、吐出室1内の圧力脈動は第5図(a)に破線
(ε=0.15)で示した圧力波形となり吐出開始の圧力は
○印Aとなり、吐出室内平均圧力より低い。
また、この圧縮機を低い方の代表的回転数n0Lで運転す
ると、吐出室1内の圧力脈動は第5図(b)に破線(ε
=0.15)で示した圧力波形となり吐出開始時の圧力は○
印Bとなり、吐出室内平均圧力より低い。従つて、ε=
0〜0.25の間に選ぶことによつて、高い方,低い方の両
代表的回転速度の場合共に吐出開始時の吐出室内圧力は
吐出室平均圧力以下となり、両者共に吐出損失を極力低
くでき、満足な圧縮機性能が得られる。
上述の実施例は高い方の代表的回転数n0=n0Hに対して
第(5)式の関係を満足するようにL,V,Sを定めている
が、先に作用の説明で述べたように、低い方の代表的回
転数n0=n0Lに対して第(5)式の関係を満すようにL,
V,Sを定めてもよい。この選択は例えば加工寸法公差を
考慮して、重視する方の代表的回転数を選べばよい。
第7図(a),(b)は他の実施例の実施に用いられる
圧縮機の要部を示すもので、下端板12の構造が第1図の
ものと異なる場合であり、第7図(a)は第1図のA−
Aの矢視断面図に相当し、第7図(b)は第7図(a)
のB−B断面図である。この実施例では吐出室のサイレ
ンサとしての機能を持たせるためにリブ19を設け、吐出
ガスは下端板12と下プレート20の間に形成されるリブ通
路21を通り、吐出通路3に流れるようになつている。こ
のように吐出室1内にリブ19が設けられている場合で
も、下端板12でかこまれる吐出室全体の容積を等価的に
Vとすれば、第1図の場合と同様な効果を得ることがで
きる。
以上の実施例においては吐出通路の断面が円形の直管の
場合を示しているが、断面形状は四角形など他の形状で
もよく、また途中で曲つた吐出通路でもよい。
本発明の実施例では、同調シフト定数εを0<|ε|<
0.25の範囲に選ぶことにより、少なくとも2つの代表的
回転数で吐出開始時期を吐出室圧力脈動波のほぼ平均圧
力以下の時に同調させることができるので、過圧縮損失
を極力小さくすることができ、効率のよい運転を行うこ
とができる効果がある。
さらに本発明は、吐出弁を囲む吐出室と吐出通路とが設
けられていれば、回転圧縮機に限らず、往復圧縮機にお
いても、同様に用いることができる。
〔発明の効果〕
本発明は、吐出室内圧力脈動を規定する物理量間の関係
に適切なる制約を与えて、過圧縮損失を低減し、性能の
高い圧縮方法及び圧縮機を提供可能とするもので、産業
上の効果の大なるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の圧縮方法の一実施例を実施する圧縮
機の断面図、第2図は圧縮機の動作の説明図、第3図〜
第6図は本発明の圧縮方法の作用の説明図、第7図は同
じく他の実施例を実施する圧縮器の断面図である。 1……吐出室、2……吐出弁、3……吐出通路、4……
開口端、5……チヤンバ、7……軸、9……圧縮要素
部、10……シリンダー、11……上端板、12……下端板、
13……クランク部、14……ローラ、15……ばね、16……
ベーン、17……吐出ポート、18……リテーナ、19……リ
ブ、20……下プレート、21……リブ通路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畠 裕章 栃木県下都賀郡大平町富田800番地 株式 会社日立製作所栃木工場内 (56)参考文献 特開 昭57−18493(JP,A) 特開 昭62−284971(JP,A) 特開 昭63−101663(JP,A) 特開 昭63−106376(JP,A)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、ケース内に圧縮要素部と該圧
    縮要素部を駆動する駆動部とを有し、該圧縮要素部内の
    圧縮室で圧縮されたガスを吐出する吐出弁を有する吐出
    ポートを有し、前記吐出弁を囲む吐出室が設けられ、該
    吐出室から前記ケース内に吐出ガスを吐出する吐出通路
    を設けた圧縮機において、吐出開始時期を前記吐出室内
    の圧力脈動波の谷付近に一致させ、少なくとも2つの代
    表的運転速度の吐出開始時期を前記吐出室内の圧力脈動
    波のほぼ平均圧力下の圧力の時期に同調させることを特
    徴とする圧縮方法。
  2. 【請求項2】少なくとも、ケース内に圧縮要素部と該圧
    縮要素部を駆動する駆動部とを有し、該圧縮要素部内の
    圧縮室で圧縮されたガスを吐出する吐出弁を有する吐出
    ポートを有し、前記吐出弁を囲む吐出室が設けられ、該
    吐出室から前記ケース内に吐出ガスを吐出する吐出通路
    を設けた圧縮機において、少なくとも2つの代表的運転
    速度が、 ここで、 m:同調次数(m=1,2…の整数) ε:同調シフト定数(−1<ε<1) θd:吐出開始から吐出終了までの圧縮機回転角(度) n0:圧縮機回転数(rpm) a:音速 L:開口端補正吐出通路長さ V:吐出室容積 S:吐出通路断面積 及び、0<|ε|<0.25 を満足するように、L,V,Sを定めることを特徴とする圧
    縮方法。
  3. 【請求項3】前記2つの代表的運転速度のうち、高い方
    の代表的速度に対して、同調シフト定数εを0<ε<0.
    25の範囲に設定した特許請求の範囲第2項記載の圧縮方
    法。
  4. 【請求項4】前記2つの代表的運転速度のうち、低い方
    の代表的速度に対して、同調シフト定数εを−0.25<ε
    <0の範囲に設定した特許請求の範囲第2項記載の圧縮
    方法。
  5. 【請求項5】前記少なくとも2つの代表的運転速度が、
    電源の周波数がそれぞれ50Hz及び60Hzである場合の速度
    である特許請求の範囲第2項から第4項までの何れか1
    項記載の圧縮方法。
  6. 【請求項6】前記少なくとも2つの代表的運転速度が、
    暖房定格条件及び冷房定格条件により定まる速度である
    る特許請求の範囲第2項から第4項までの何れか1項記
    載の圧縮方法。
  7. 【請求項7】少なくとも、ケース内に圧縮要素部と該圧
    縮要素部を駆動する駆動部とを有し、該圧縮要素部内の
    圧縮室で圧縮されたガスを吐出する吐出弁を有する吐出
    ポートを有し、前記吐出弁を囲む吐出室が設けられ、該
    吐出室から前記ケース内に吐出ガスを吐出する吐出通路
    を設けた圧縮機において、少なくとも2つの代表的運転
    速度が、 ここで、 m:同調次数(m=1,2…の整数) ε:同調シフト定数(−1<ε<1) θd:吐出開始から吐出終了までの圧縮機回転角(度) n0:圧縮機回転数(rpm) a:音速 L:開口端補正吐出通路長さ V:吐出室容積 S:吐出通路断面積 及び、0<|ε|<0.25 を満足するように、L,V,Sを定められており、両速度の
    場合共に吐出開始時期を前記吐出室内の圧力脈動波のほ
    ぼ平均圧力以下の圧力の時期に同調させてあることを特
    徴とする圧縮機。
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