JPH0772492A - 透明導電膜パターンの形成方法 - Google Patents

透明導電膜パターンの形成方法

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JPH0772492A
JPH0772492A JP5243526A JP24352693A JPH0772492A JP H0772492 A JPH0772492 A JP H0772492A JP 5243526 A JP5243526 A JP 5243526A JP 24352693 A JP24352693 A JP 24352693A JP H0772492 A JPH0772492 A JP H0772492A
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transparent conductive
conductive film
water
ink
film
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JP5243526A
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Masaaki Tsuboi
當昌 坪井
Seiichi Tamura
誠一 田村
Michisuke Ooshima
通資 大島
Masako Munehisa
真子 宗久
Koichi Noguchi
幸一 野口
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TOYO SHIGYO KK
Original Assignee
TOYO SHIGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エッチングや金属マスクを用いず、印刷によ
りマスクを形成し、マスクを除去するのに有機溶剤を用
いることなく、安価でかつ高精度で、大量生産と大型化
が容易な透明導電膜のパターンの、形成方法を提供す
る。 【構成】 基板上の透明導電膜を必要とする以外の部分
に水可溶性インキを印刷し、乾燥後、透明導電膜を形成
し、水または水を主成分する液にて印刷されたインキを
除去して透明導電膜パターンを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パターン状の透明導電
膜の形成方法に関し、特にカラー液晶表示装置用の透明
導電膜あるいはプラスチック基板等に好適なパターン状
の透明導電膜を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】透明導電膜をパターニングするには、従
来,透明導電膜に低級酸化物をマスクとしてエッチング
する方法(特開昭57−125921号公報)や透明導
電膜に感光性レジストを塗設し露光,現像してからレジ
ストをマスクとしてエッチング液でエッチングする方法
(特開昭62−135809,特開昭62−15382
6,特開平04−75028号各公報)、あるいは金属
のマスクを基板に密着して取り付け、透明導電膜を形成
する方法が知られている。しかし、前記のエッチングす
る方法は、感光性レジストを塗設,乾燥する設備や露
光,現像する設備等のフォトリソグラフィー工程とエッ
チングする工程が必要で、設備的にも複雑であり、スル
ープットが減少し、総じてコスト高になる欠点があっ
た。更にエッチング工程ではエッチング除去された透明
導電膜が、液中でパターン状透明導電膜に再付着し、異
物付着故障を起こすことも多かった。またエッチングに
は強酸性の液を使用するため、使用後の液の排出にも公
害防止の特別の処理を取る必要があった。金属マスクに
よる透明導電膜をパターニングする方法では低抵抗の透
明導電膜の膜を得るために基板を加熱すると、基板と,
マスク及び/あるいは治具との熱膨張の違いによりマス
クが基板より浮いて、パターンのエッジがボケた透明導
電膜になる欠点があり、さらにマスクと基板が接触する
ために、透明導電膜パターンや基板を傷付ける恐れがあ
った。また、ガラスの破片で異物故障が生ずることもあ
った。また、これらの欠点の除く方法として、マスキン
グ部に有機溶剤で除去出来るインキを印刷した後、透明
導電膜を全面に形成し、次いでインキを有機溶剤で除去
する方法が提案されている(特開昭63−31132
9)。しかしながら、上記の方法では有機溶剤を用いて
いるので、作業場の雰囲気を悪くするばかりでなく、火
災防止や使用済の廃液処理にも特別な配慮を必要とする
等の問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような欠点を解決し、高度なフォトリソグラフィー技
術を必要とせず、しかもスループットが良く、大型化へ
の対応も容易で、大量生産が容易であり、かつ有機溶剤
を使用することなくパターン精度のよい透明導電膜のパ
ターンの形成方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の如
き従来技術の欠点が無く、透明導電膜のパターン精度が
良好で、大型化にも対処可能な透明導電膜の製造法につ
いて種々研究の結果、水可溶性のインキによるマスク印
刷と低温での透明導電膜の形成、パターン状に印刷され
たインキの除去、そしてある場合には後加熱を組み合わ
せることにより著しく安価で優れたパターン状の透明導
電膜を形成する方法を見出し、本発明を達成した。即
ち、本発明は、カラーフィルタを有しまたは有さないプ
ラスッチックなどの基板上の透明導電膜を必要とする以
外の部分に、水可溶性インキを印刷し、乾燥した後、透
明導電膜の成膜後にインキが水で溶解し得る温度で透明
導電膜を成膜し、水または水を主成分とする液により印
刷されたインキを除去することを特徴とする、透明導電
膜パターンの形成方法である。本発明によれば、表面に
保護層を有するカラーフィルタあるいは表面が平坦なカ
ラーフィルタを有するプラスチックまたはガラス基板
上、あるいはこのようなカラーフィルターを有さない熱
的に劣化あるいは変形しやすいプラスチック基板、ガラ
ス基板あるいは金属板上に(以下単に”基板”と称す
る)透明導電膜パターンを形成できる。即ち基板の透明
導電膜を必要とする以外の部分に水可溶性インキを印刷
し、インキを乾燥したのち、透明導電膜をインキが水で
溶解できる温度で成膜し、次いでインキを溶解あるいは
剥離して除去し、非印刷部にパターン状の透明導電膜を
形成する。また、本発明においては、前記のごとくして
インキを除去したのち、110℃以上で後加熱すること
により、より低抵抗の透明導電膜を形成することができ
る。
【0005】以下、本発明をさらに詳細に説明する。ま
ず、透明導電膜をパターニングしようとする基板,例え
ばカラーフィルタあるいはプラスチックス等の基板に水
溶性のインキでパターンを印刷する。このインキは透明
導電膜を成膜後に水で溶解あるいは剥離しうるものであ
るが、基板の最上面はカラーフィルタの保護膜あるいは
カラーフィルタの顔料入り層あるいは単にプラスチック
基板等であるために、印刷に通常用いられる有機溶剤を
ベースとするインキでは、成膜後にインキが基板の最上
面に密着してしまって、透明導電膜を成膜後、インキを
水で溶解あるいは剥離できなくなる。そのために、水を
ベースとするインキで印刷し,インキの乾燥温度,及び
透明導電膜の成膜温度を低くする必要がある。印刷法と
してはスクリーン印刷,パッド印刷,あるいはフレキソ
印刷,時にはグラビア印刷を用いることが出来る。おも
にスクリーン印刷が用いられる事が多いが,印刷するパ
ターンの精度あるいは大きさによって他の印刷法が採用
される事もある.印刷法によって、インキの物理的性
状,例えば粘度,降状値及び化学的性状,溶媒と樹脂組
成,固形分含量,顔料,微量の添加剤などは最適に調整
される。
【0006】本発明に用いる印刷インキは水をベースと
するインキであり、水可溶性の樹脂,水と場合によって
は少量の有機溶剤,時によって体質顔料,粘性あるいは
チキソトロピック性などの印刷適性調整のための添加
剤,および必要に応じて着色剤としての染料あるいは/
および顔料を含んでもよい。印刷法としてスクリーン印
刷を採用する場合、本発明で用いるインキ成分の配合割
合は水100重量部に対し、水溶性樹脂5−30重量部
であり、その量は樹脂の種類あるいは分子量によって異
なる.また印刷適性を改善するために公知の改質用添加
剤を加えることが出来る。例えば、桐山春雄・鳥羽山満
・田中丈之編著 「塗料・インキ用添加剤」 シーエム
シー社(第2刷1990年9月25日発行)P58−P
118及び,P159−P184などに記されている添
加剤を加える事が出来る.さらに主溶剤の水に、印刷適
性の改良あるいは乾燥促進のため、低級アルコール,例
えばメチルアルコール,エチルアルコール,プロピルア
ルコール,イソプロピルアルコール,正ブチルアルコー
ル,エチレングリコール,プロピレングリコールなど、
あるいは他の水溶性有機溶剤、エチレングリコールモノ
メチルエーテル,エチレングリコールモノエチルエーテ
ル,アセトン,メチルエチルケトン,酢酸エチルなどを
水の15重量%以下加えてもよい。これらの有機溶剤の
インキへの添加量が水に対して15重量%より高くなる
と、インキを印刷して乾燥後,基板へのインキの密着が
強すぎ、透明導電膜を成膜後、インキを溶解または剥離
しにくくなる傾向があるため好ましくない。
【0007】本発明のインキに用いられる樹脂としては
水に溶解あるいは乳化するものが好ましく、例えばポリ
ビニルピロリドン,ポリビニルベンジルエーテル共重合
物,ビニルエーテルー無水マレイン酸共重合物の塩,ポ
リスチレンスルフォン酸塩,ポリアクリル酸塩,ポリビ
ニルアルコール,カゼイン,また水溶性のゼラチン,ア
ラビアゴム,アルギン酸ナトリウム,水溶性ナイロン,
水溶性澱粉,デキストリン,アクリル樹脂のエマルジョ
ン,ポリアクリル酸素架橋ポリマー,例えばエチレン/
アカリレート共重合体,ポリエチレンオキサイド,カル
ボキシメチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース
メタクリロイルベタイン/メタクリル酸ブチル共重合
体,N−オクチルアクリルアミド/メタクリル酸t−ブ
チルアミノエチル/AA/(メタ)−アクリル酸エステ
ル共重合体などを挙げることができる。この中でゼラチ
ンは通常水には溶けず、40C゜以上の湯で溶解し得る
ので好適なものであるが、ゼラチンを蛋白質分解酵素例
えばプロナーゼP〔科研化学(株)製〕により酵素分解し
て低分子量化したゼラチンや、ゼラチンの原料のコラー
ゲンをアルカリあるいは酸加水分解して低分子量成分を
抽出したゼラチンは25C゜程度の水(以下単に水と示
す)に易溶であり、非常に好ましいものである。あるい
は水に溶けぬ通常のゼラチンであっても、ゼラチンを水
と加熱して溶解させたのち作ったインキを印刷後、直ち
に50C゜以上120C゜以下で加熱乾燥させると、い
わゆるゾルタイプのゼラチン皮膜になり、水に溶けるよ
うになり、これも好ましいものである。ポリビニルアル
コール(PVAと略す)は、特にケン価度が88%程度
の部分けん化PVAは水に溶けやすい。完全けん化PV
A,部分けん化PVAともに分子量が低いもの,例えば
分子量10,000以下のものが特に好ましい。またP
VAをベースにしたインキは常温の水よりも、40C゜
以上の水で印刷パターンを溶解する方がより早く印刷パ
ターンを溶かすことができる。ポリビニルピロリドン,
ポリスチレンスルフォン酸塩,ポリアクリル酸塩(これ
らの塩の陽イオン成分としては水素,ナトリウム,カリ
ウム,アンモニウムなどの陽イオンなど),などは好ま
しいものであるが、易溶解性の観点から分子量20,0
00以下のものがより好ましい。
【0008】必要によりインキに配合される染料および
/または顔料の色相は、主に印刷したパターンを検版し
やすくするものである。これらは目的により適宜選択で
きるが、印刷されたパターンを検版しうる程度の濃度で
よく、青色,緑色,黒,紫,赤などの色相が好ましい。
また、染料および/または顔料は2種類以上混合して用
いることも出来る。なお、染料および/または顔料につ
いては「COLOR INDEX」他を参照して選択出
来る。
【0009】染料および/または顔料は水に溶解または
スクリーンの紗をつまらせないように微分散しうるもの
である必要があり、具体的には、染料としては、例えば
アゾ系,アントラキノン系,ベンゾジフラノン系,縮合
メチン系等が挙げられる。また顔料としては、例えばア
ゾレーキ系,キナクリドン系,フタロシアニン系,イソ
インドリノン系,アントラキノン系,チオインジゴ系等
の有機顔料、黄鉛,酸化鉄,クロムバーミリオン,クロ
ムグリーン,群青,紺青,コバルトブルー,コバルトグ
リーン,エメラルドグリーン,カーボンブラック等の無
機顔料が適している。
【0010】染料および/または顔料の使用割合は、色
相,使用する染料および/または顔料の種類,印刷され
たパターンの乾燥膜厚等によって適宜選択され、好まし
くはインキ全体に対して、0.1〜20重量%,さらに
好ましくは0.2〜10重量%が適している。
【0011】スクリーン印刷法の場合、通常は乾燥膜厚
10μm以上になるように印刷することが多いが、本発
明では好ましくは0.5〜30μm,より好ましくは溶
解し易さから10μm以下の乾燥膜厚になるように印刷
する。膜厚の最低はピンホールがない透明導電膜が出来
うる膜厚、つまり成膜時にマスクになりうる膜厚であ
り,膜厚の最高は実用的に透明導電膜を成膜後、マスク
をより短時間に水で溶解又は剥離しうる膜厚として主に
決められる。他に、スクリーンの紗のメッシュ数,空間
率,紗の材質により最低膜厚は決まる場合もある。この
ような観点からインキを溶解除去する時最も好ましいイ
ンキの乾燥膜厚は1μm〜10μmである。
【0012】また、透明導電膜を成膜後、印刷されたマ
スクをピールオフして剥離する場合はインキの乾燥膜厚
はピールオフに耐えるよう5〜30μmであるのが好ま
しい。しかし、この場合でもピールオフの機械的的力に
耐えるなら乾燥膜厚は薄い方が、透明導電膜の成膜時に
残留ガスが少なく排気時間が少なくて済むのでよい。
【0013】スクリーン印刷の紗の材質,あるいはメッ
シュはパターンの細かさにより適宣選択すればよいが、
液晶ディスプレイ用の透明導電膜パターンを作る場合に
は紗は255メッシュ以上のものがより好ましい。スク
リーンの紗の材質としては、シルク,ナイロン,ポリエ
ステル,ステンレスなどがあり、また必要によりメッキ
法あるいはエッチング法のスクリーンも用いることが出
来る。
【0014】スクリーンにパターンを製版するには、カ
ッティング法,ブロッキング法などの手工的方法,フォ
トレジストによる方法,メッキ法あるいはエッチングに
よる方法,あるいは感熱製版,放電式製版などいずれの
方法でもよいが、インクの非透過部の材質は水に強いこ
とが必要であり、例えば硬化した樹脂膜あるいはメタル
膜あるいはプラスチック膜などが好ましい。
【0015】透明電導膜の成膜のマスクとして、通常8
0μm幅のインキ像を印刷出来れば充分であるが、より
細かい解像力を必要とされるパターン,または/および
コーナー部が鋭いパターンの場合は、メッシュ数の多い
スクリーンを用い、しかも厚さが薄いスクリーンで、印
刷適性の優れたインキで、印刷速度をやや遅くすると優
れたマスクを印刷出来る。
【0016】透明導電膜は、ITO(Indium T
in Oxide)やIn23,SnOx,ZnOx
等の金属酸化物を主成分とする酸化物を,たとえばスパ
ッタリング,真空蒸着,電子ビーム蒸着,イオンプレー
ティング等の薄膜形成法によりカラーフィルタ,プラス
チックフィルム等の透明な絶縁基板,あるいはガラス基
板に被着して形成される。とくにカラーフィルタ用に透
明導電膜を成膜するときは透明導電膜は低抵抗と共に光
に対して透明である事が要求される.
【0017】透明導電膜は成膜後,熱処理を行うことに
よりさらに低抵抗で経時劣化の少ない透明な導電膜とな
ることは例えば特開平3−110716号公報に述べら
れている。また後加熱により熱処理することは特開平4
−75028,特開平5−81943号各公報などにも
記されているが、特開平4−75028号公報ではエッ
チング特性を良くするために270℃以下で成膜し、2
00〜300℃まで後加熱することが述べられ、特開平
5−81943号公報には積層組成の透明導電膜を空気
中で後加熱して、低抵抗で透過率が80%程度の透明導
電膜を作る方法が記されているが、本発明のように水溶
性のマスクを被覆し、マスクが基板の最上層からITO
を成膜後、水で溶解または/および剥離できるような低
温で成膜し、後加熱する方法は記されていない。
【0018】そして、従来の熱処理方法には、真空中で
熱処理する方法と空気中で熱処理する方法があった。真
空中で熱処理する場合には、成膜直後の膜組成が高温で
成膜したときに電気抵抗最小となるような膜組成、もし
くはその組成よりも僅かに酸素過多の組成としていた。
一方、空気中で熱処理する場合は、成膜直後の膜組成が
電気抵抗最小となるような膜組成よりも成膜中は酸素欠
乏の組成としていた。さらに、特公昭51−36875
号公報には基板上で透明導電膜を必要としない部分を、
熱分解可能な物質で被覆し、次いでこの基板に室温にて
真空蒸着により透明導電膜を形成したのち、300℃以
上の温度で被覆物質を熱分解して除去して、透明導電膜
のパターンを形成することが述べられているが、本発明
のように被覆物質(マスク)を水で除去することは開示
されていない。
【0019】本発明においては、耐熱性が余り高くない
ガラス基板上のカラーフィルタあるいは、ガラスより耐
熱性の低いプラスチックに、低抵抗で高透過率の透明導
電膜のパターンを形成し、後加熱を空気中で行なってい
る。
【0020】図1に、ITOをスパッターしたときの、
アルゴンガス中の酸素流量とITO膜の比抵抗値を、図
2に、図1の条件で作られたITO膜の透過率(膜厚1
500Å)を示す。成膜直後に抵抗値が最小値Raとな
るやや酸素流量が多いところでは、空気中で熱処理する
ことによって膜は酸化され、比抵抗は高い。一方、IT
O膜の透過率は酸素流量の少ないところ、Ar300S
CCMに対して酸素1、7SCCM以下では後加熱して
も液晶カラーフィルタに用いられるITOとしては使え
ない。従って、低抵抗で高透過率のITO膜を得るため
には本発明のような特定のITO膜成膜条件が必須であ
る。
【0021】透明導電膜を形成したのち、部分的に印刷
されたインキ即ちマスクは水を主成分とする液により除
去する。除去する方法はインキの種類により異なるが、
マスク付基板に透明導電膜を形成したものを、水に浸す
か,水をスプレイするか,またある場合には水に浸さず
に、水を流しつつブラシあるいはスポンジで軽くこすっ
てマスクを除去する。水に浸した場合や水をスプレイし
た場合のは、ブラシあるいはスポンジで軽くこすってマ
スクを除去してもよい。特に、カラーフィルタ基板の場
合には、水に浸漬し、水をスプレイするだけでインキを
除去することがカラーフィルタの最上層にブラシまたは
/およびスポンジが接触しないので最もよい。水に若干
量、好ましくは30%以下の水溶性有機溶剤、例えばエ
チルアルコール,メチルアルコール,アセトンを加えて
もよいが、コスト高になりやすい。また、マスクのイン
キの種類により、インキが酸性あるいはアルカリ性の水
に溶けやすい場合は、水に酸あるいはアルカリを加えて
もよい。
【0022】透明導電膜を後加熱する方法は、基板が加
熱されればどのような方法でもよいが、例えばランプに
よる輻射あるいは/および対流加熱,ヒーターによる方
法などが用いられ、加熱温度の上限は基板の耐熱性によ
って異なるが、基板の変形,劣化あるいは着色が生じな
い温度であり、110℃以上300℃以下が好ましい。
【0023】
【実施例】以下実施例により本発明を説明する。なお、
以下の実施例における「部」は全て「重量部」である。 実施例1〜4 基材として市販の厚さ135μmのポリエチレンテレフ
タレートフィルムにコロナ照射した後、牛皮ゼラチン2
部を,水60部とメチルアルコール40部よりなる液に
溶かした溶液にフォルマリン0.6部を加えたゼラチン
溶液を塗布して、ポリエチレンテレフタレートフィルム
にゼラチン0.5μm厚の下塗り皮膜を形成した。これ
を大気中に放置してゼラチン皮膜を硬化させた。この基
板に水溶性牛皮ゼラチン15重量%を含む水溶性インキ
でマスクとしてインキの乾燥厚さ4μmになるように、
部分的にスクリーン印刷し、70℃で乾燥してマスクを
形成した。次いで、酸化スズを10重量%含む、相対密
度85%のITOターゲットを用いてアルゴン300S
CCM(standard cc per minute),酸素を0〜5SC
CMに4段階変化させた雰囲気中で、基板を35℃に保
ってマグネトロンスパッター法でITOを1500Åを
成膜した。次に、35℃の水中に、ITOを成膜したマ
スク付基板を3分間浸漬し、上下に揺動してうし牛皮ゼ
ラチンのマスクを溶解した。マスクのみ除去されて、下
塗りのゼラチン膜は除去されず、マスクが印刷されなか
った所にITOがパターン状に形成された。この状態で
のITOの表面抵抗率を三菱油化(株)製Lorest
a AP(商品名)表面抵抗測定機でで測り、また基板
をリファレンスとしての550nmでの透過率を日本分
光(株)製Ubest−55(商品名)分光光度計で測
った。これらの結果を表1に示した。次いで、パターン
状のITOが付いた基板を150℃,1時間後加熱し
て、再びITOの抵抗値と550nmでの透過率を測っ
た。これらを表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】実施例5 300mm×400mmの大きさ,厚さ1.1mmのコ
ーニング(株)製7059ガラス基板にクロムの線幅3
0μm,開口部90μm×330μmのブラックマトリ
ックスを設け、開口部にB.G.Rのストライプ状の顔
料レジスト〔日本合成ゴム(株)製カラーレジスト R
ED,GREEN,BLUE〕のパターンを厚さ1.5
μmに塗設して、9.5インチ用LCDカラーフィルタ
パターンを1枚のガラス基板に二面作成した。これに平
坦化層として日本合成ゴム(株)製オプトマーSS・5
200を乾燥膜厚2.0μmになるように塗設した。
【0026】このものに、カラーフィルタパターンと電
極端子部以外の所に、255メッシュのテトロンスクリ
ーンを用いて、ポリビニルアルコール〔(株)クラレ製
ポバール203〕16重量%を水に溶解して、これに微
粉硫酸バリウムを2.0重量%含有したスクリーン印刷
インキでスクリーン印刷を行い、80℃で乾燥してマス
クを作成した。マスクの乾燥膜厚は2.5μmであっ
た。なお、このスクリーン印刷の解像度をテストしたと
ころ80μmのライン アンド スペースを解像した。
さらに、酸化スズ10重量%を含む酸化インジウムのタ
ーゲット(相対密度85%)を用いて、アルゴン300
SCCM,酸素3SCCMで基板を100度に保ってI
TOをスパッターして、1500AのITOをマスクの
開口部に成膜した。25℃の水に、パターン状にITO
を成膜した基板を5分間浸漬したのち、柔いナイロンブ
ラシローラーの間を通して、マスクを除去した。マスク
が印刷されなかった所にITOがパターン状に形成でき
た。この状態でのITOの表面抵抗値は38Ω/□,5
50nmでの透過率は80.0%であった。
【0027】次いで、この基板を230℃、1時間加熱
したのち、再びITOの表面抵抗率と550nmでの透
過率を測った。表面抵抗率は16Ω/□であり、550
nmの透過率は95.5%であり、TFT・LCD(Th
in Film Transistorを用いた液晶表示装置)用カラーフ
ィルタの透明導電膜として充分な性能を有していた。
【0028】実施例6 1.1mm厚のアルカリガラスに二酸化けい素を0.1
μm塗設し、乾燥した基板にポリアクリル酸ナトリウム
を基材とするスクリーン印刷用インキで100μm幅の
ITOの下部電極以外の所に325メッシュのステンレ
ス製スクリーンに製版した版を用いて膜厚2.5μmに
マスクを印刷して85℃で乾燥した。基板を110℃に
してITOを高周波イオンプレーティングで成膜して2
700ÅのITOを成膜した。ITO成膜部の表面抵抗
は40Ω/□、および550nmの透過率は82%であ
った。pH9の水に3分間浸漬し、ついで柔らかいクリ
ーンルーム用の布(ベルクリーン)で拭いてマスクを洗
い落とした。これを270℃で60分加熱して再び表面
抵抗と550nmの透過率を測定したところ,各々23
Ω/□,92%となった。この基板に常法でCrのブラ
ックマトリックスを作り、B,G,Rのパターンをイン
キ膜厚1.2μmになるように平版印刷法で形成し、そ
の後表面を研磨して平坦な表面にした。これに平坦化と
しての実施例5の平坦化剤を2μm塗設してSTN用の
液晶カラーフィルタを作成した。
【0029】
【発明の効果】本発明の方法を用いることにより、従来
のように、高度な微細加工技術やエッチングを必要とせ
ず、金属のマスクを用いず、また印刷したマスクを除く
のに有機溶剤を用いず、水で除去するだけで、ガラス基
板,カラーフィルタ基板又はプラスチックス基板上に、
光透過率の高い透明導電膜をパターン状に形成すること
が出来る。しかも、本発明による透明導電膜のパターン
は精度がよく、基板に傷を付けにくく、製造コストが安
い。また、印刷したマスクを除去したのち、後加熱する
ことにより低抵抗の透明導電膜を簡便に得ることができ
る。さらに印刷法を採用してマスクを形成し、透明導電
膜をパターン状にするので、40cm幅以上の基板の大
型化にも対応しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はITOの表面抵抗率と100℃にして
1500Å厚に成膜した場合におけるArSCCMの酸
素流量を変化させた時の関係を示すグラフ。
【図2】 図2はITOの100℃成膜において、Ar
300SCCMの酸素流量を変化させた時の1500Å
厚のITOの550nmにおける透過率を示すグラフで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宗久 真子 神奈川県横浜市緑区藤が丘2−13−5 東 洋紙業藤が丘寮 (72)発明者 野口 幸一 東京都北区田端新町2−13−12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラーフィルタを有しまたは有さない基
    板上の透明導電膜を必要とする以外の部分に、水可溶性
    インキを印刷し、乾燥した後、透明導電膜の成膜後にイ
    ンキが水で溶解し得る温度で透明導電膜を成膜し、水ま
    たは水を主成分とする液により印刷されたインキを除去
    することを特徴とする、透明導電膜パターンの形成方
    法。
  2. 【請求項2】 得られた透明導電膜パターンを、さらに
    110℃以上300℃以下の温度で後加熱し、透明導電
    膜の体積抵抗率を1×10-4Ω・cm以下にする請求項
    1に記載の透明導電性パターンの形成方法、
JP5243526A 1993-09-06 1993-09-06 透明導電膜パターンの形成方法 Pending JPH0772492A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160013634A (ko) * 2014-07-28 2016-02-05 (주)피플러스세라믹 마스킹 프린트와 진공증착을 이용한 미세 패턴 코팅방법

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KR20160013634A (ko) * 2014-07-28 2016-02-05 (주)피플러스세라믹 마스킹 프린트와 진공증착을 이용한 미세 패턴 코팅방법

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