JPH0772433A - 累進焦点レンズ - Google Patents

累進焦点レンズ

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JPH0772433A
JPH0772433A JP6170086A JP17008694A JPH0772433A JP H0772433 A JPH0772433 A JP H0772433A JP 6170086 A JP6170086 A JP 6170086A JP 17008694 A JP17008694 A JP 17008694A JP H0772433 A JPH0772433 A JP H0772433A
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diopter
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敏明 梅田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 遠用部側方領域における像ぼけが改善され、
ゆれ、ゆがみが少なく初めての装用者にも違和感の少な
い、実用性の高い累進焦点レンズを提供すること。 【構成】 本発明の累進多焦点レンズは、主子午線曲線
に沿って遠景に対応する屈折力を有する遠用部と、近景
に対応する屈折力を有する近用部と、前記遠用部と前記
近用部との間において両部の屈折力を連続的に接続する
中間部とを備えた累進焦点レンズであって、遠用中心の
レンズ屈折面の平均度数(ディオプター)をSO とし、
レンズ屈折面の加入度(ディオプター)をAD としたと
き、レンズ装用状態における遠用中心からその水平側方
領域において、レンズ屈折面各点の平均度数(ディオプ
ター)をSE 、遠用中心度数SO からの度数変化量ΔS
E をΔSE =SE −SO とすると、 −0.50 ≦ ΔSE ≦ AD /3 の条件を満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、眼の調節力の補助とし
て使用する累進焦点レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に年齢が40歳代後半になると、眼
の調節力が衰退して次第に近方視が困難になり、いわゆ
る老視眼になる。このような老視眼の調節力を補助する
眼鏡レンズとして、累進多焦点眼鏡レンズ(以下、「累
進焦点レンズ」という)が広く使用されている。装用時
において上方に位置する遠用視矯正領域(以下、「遠用
部」という)と、下方の近用視矯正領域(以下、「近用
部」という)と、双方の領域の間において連続的に屈折
力が変化する累進領域(以下、「中間部」という)とを
備えた累進焦点レンズが種々知られている。なお、本発
明において「上方」、「下方」、「水平」および「鉛
直」等は、装用時のレンズにおける位置関係を示すもの
であって、たとえば遠用部の下方とは遠用部の領域内に
あって中間部に近い領域を示す。
【0003】図1は、対称に設計された累進焦点レンズ
の領域区分の概要を示す図である。図示の累進焦点レン
ズは、装用時において上方に位置する遠用部Fと、下方
の近用部Nと、双方の領域の間において連続的に屈折力
が変化する中間部Pとを備えている。レンズ面の形状に
関しては、レンズ面のほぼ中央を上方から下方にかけて
鉛直に走る子午線に沿った断面と物体側レンズ面との交
線MM′がレンズの加入度などの仕様を表すための基準
線として用いられ、レンズの設計においても重要な基準
線として用いられている。このように対称設計された累
進焦点レンズでは、遠用部Fの遠用中心OF、遠用アイ
ポイントE、レンズ面の幾何中心OGおよび近用中心O
Nは、基準となる中心線MM′上にある。
【0004】また、図2に示すように、レンズの装用状
態において近用部Nが鼻側に寄ることを考慮して、近用
部Nを非対称に配置した累進焦点レンズ(以下、「非対
称型累進焦点レンズ」という)が提案されている。この
ような非対称型累進焦点レンズにおいても、遠用部Fの
遠用中心OF、遠用アイポイントE、レンズ面の幾何中
心OGおよび近用中心ONを通る断面と物体側レンズ面
との交線からなる中心線MM′が基準線として用いられ
る。本発明においては、これらの基準線を総称して「主
子午線曲線」という。
【0005】遠用部Fの中心および近用部Nの中心は、
レンズ度数を測定する際に基準になる位置であり、遠用
測定基準点を遠用中心OFと呼び、近用測定基準点を近
用中心OFと呼ぶ。一般に、近用中心ONは近用アイポ
イントに一致している。累進焦点レンズでは、そのほぼ
中心を通る主子午線曲線MM′上で、遠用中心OFから
近用中心ONに向かって連続的にプラス度数が付加され
る。付加度数がほぼ最大になる近用中心ONの度数から
遠用中心OFの度数を引いた値を、累進焦点レンズの加
入度と呼ぶ。累進焦点レンズでは、遠用部F、中間部P
および近用部Nのすべての領域において明視域が広く、
ゆれ、ゆがみ等が少なく、装用し易いレンズが理想的で
ある。
【0006】しかしながら、後述するように、明視域を
広くするという要求とゆれ、ゆがみ等を少なくするとい
う要求は、互いに相反する要求であるため、双方の要求
を完全に満足させることはできない。違和感および不快
感が少なく使いやすい理想的なレンズを実現するために
は、レンズ特性に関するパラメータの取捨選択が必要に
なり、ここにレンズ設計思想が関与することになる。現
在では、様々な特性の累進焦点レンズが製品化されてい
る。設計する際のレンズのパラメータとして、基本的に
レンズ屈折面上の各点における最大主曲率および最小主
曲率の値とその分布、さらにレンズ屈折面上の各点にお
ける面の法線の傾きおよびその方向などがある。
【0007】これらのパラメータをレンズ面に整理配置
した結果、遠用部、中間部および近用部の各領域の明視
域の広さ、屈折力が連続的に変化する累進帯(中間部)
の主子午線曲線に沿った長さ(以下「中間部の長さ」と
いう)、近用部の内寄せ、平均度数の分布とその度数勾
配、非点隔差の分布とその度数勾配およびその乱視軸方
向、プリズムの分布とそのプリズム度数勾配およびその
基底方向、ディストーションなどのレンズ特性が付与さ
れる。さらに、眼鏡レンズとして、レンズの外観、薄型
軽量化などの点でレンズ口径、素材のスペック(屈折
率、アッベ数、比重等)、プリズムシニングの有無とそ
の量、表面処理方法なども総合されて、累進焦点レンズ
としての特性が決定される。
【0008】以上掲げた特性要因のうち、中間部の長
さ、並びに遠用部、中間部および近用部の各領域の明視
域の広さは、累進焦点レンズの特性を左右する最も基本
的な特性要因であり、この2つの特性要因によって基本
的なレンズ特性が特徴付けられる。たとえば、遠用部お
よび近用部の各領域の明視域を広く確保し、その間を累
進帯(中間部)で結ぶと、この中間部を設けたことによ
る曲面の歪がレンズ面の狭い領域に高密度に閉じ込めさ
れる。その結果、各部領域の明視域を広くすることがで
きるが、中間部の側方領域にレンズの収差、特に非点隔
差が集中するようになる。この収差集中領域の存在によ
り、中間部の側方領域において結像不良(像のボケ)お
よび像の歪みが発生し、このような領域で視線を振った
り移動したりすると装用者には像の歪みが像のゆれとし
て知覚され、装用感の悪い不快な感じを抱くことにな
る。
【0009】このような累進焦点レンズは、たとえ遠用
部、中間部および近用部の各領域の明視域が広くても、
収差が集中する中間部の側方領域では像ぼけが大きいこ
と、像のゆれ、ゆがみが大きいことなどの不都合があ
り、累進焦点レンズとしての評価は低く、使いやすい実
用的なレンズとはいえない。初期の累進焦点レンズは、
主として中間部の側方領域に収差を集めた、収差集中型
のレンズであった。また、中間部の長さを短くすると加
入度勾配が急激なものになり、その度数勾配に起因する
収差が中間部の側方領域に集中して発生することにな
る。
【0010】1963年7月発行のオプティカアクタ
(Optica Acta) 第10巻、第3号に記載されているミ
ンクウィッツ(Minkwitz) の法則によれば、主子午線曲
線の全線に亘って臍点(主子午線曲線方向およびその直
交方向の2つの主曲率が同じであるような球面状)であ
る場合には、レンズ表面の非点隔差は、主子午線曲線と
直交する方向において、臍点状の主子午線曲線の表面屈
折力の2倍の割合で増大し、明視域を広くすることが難
しいとされている。
【0011】一般に、中間部の長さを長くするにつれ
て、レンズ側方領域のゆれ、ゆがみが少なく、像のぼけ
も小さくなる。しかしながら、中間部の長さが長くなる
と、眼の回旋角度の制約から、遠用部から近用部への視
線移動に無理が生じて、近用部の長時間使用などの点で
使い勝手が悪くなり、一般的な遠近両用の累進焦点レン
ズとしては実用性に欠けるものになる。しかしながら、
たとえば遠用から中間距離までを主に使用する場合や、
中間距離から近用までを主に使用する場合など視距離の
範囲を適宜限定したり、使用目的を適宜限定したものに
すれば、長い中間部を有する累進焦点レンズも十分使用
することができる。
【0012】一方、最近の累進焦点レンズ設計上の主眼
点は、従来の収差集中型から収差をレンズの各部領域に
整理配分させた収差分散型に移行してきている。そし
て、この収差分散型をベースにして、ゆれ、ゆがみの軽
減を図るとともに、遠用部、中間部および近用部の各領
域の明視域をより広く確保して、実用的で快適なレンズ
に構成すること、および各パラメータをウエイト付けし
て取捨選択したのち整理統合して、ゆれ、ゆがみの軽減
および各領域の明視域の拡大について最適化することが
レンズ設計に求められている。
【0013】累進焦点レンズの面屈折力配置の最適化に
ついては、特開平1−221721号公報がある。この
公報に開示の累進焦点レンズでは、レンズ屈折面の非点
隔差が0.5ディオプターを超える側方領域を形成する
各点において、その表面平均屈折力Qとガウスの曲率G
について、その差Δq(=Q−G)なるパラメータを設
定している。このパラメータΔqは、レンズの表面屈折
力の非点隔差の分布、すなわち非点隔差量とその度数勾
配を的確に表現するものである。そして、パラメータΔ
qの値が遠用部における基準平均屈折力PB (遠用中心
における面屈折力)と加入度数AD との関数関係で規定
される所定範囲内になるように面屈折力を整理統合する
ことによって、レンズ側方領域のパワー(屈折力)配置
の最適化を図ることができることを示している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に開示の発明
は、収差が集中するレンズ側方領域、特に中間部の側方
領域の収差を緩和して、主としてゆれ、ゆがみの程度を
軽減することのできるレンズ屈折面を構成する曲面の条
件を与えている。このように、視覚特性のうち、ゆれ、
ゆがみについては軽減することができるが、像ぼけ(結
像不良)の改善とその向上に関しては、従来技術である
程度改善されているものの未だ不十分であるという不都
合があった。
【0015】上述のように、従来の累進焦点レンズで
は、ある程度の視覚性能を確保することができるもの
の、その視覚性能は実用上未だ不十分なものであった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、遠
用部側方領域における像ぼけが改善され、ゆれ、ゆがみ
が少なく初めての装用者にも違和感の少ない、実用性お
よび視覚特性の高い累進焦点レンズを提供することを目
的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明においては、主子午線曲線に沿って遠景に対
応する屈折力を有する遠用部Fと、近景に対応する屈折
力を有する近用部Nと、前記遠用部Fと前記近用部Nと
の間において両部の屈折力を連続的に接続する中間部P
とを備えた累進焦点レンズであって、遠用中心のレンズ
屈折面の平均度数(ディオプター)をSO とし、レンズ
屈折面の加入度(ディオプター)をADとしたとき、レ
ンズ装用状態における遠用中心OFからその水平側方領
域において、レンズ屈折面各点の平均度数(ディオプタ
ー)をSE 、遠用中心度数SO からの度数変化量ΔSE
をΔSE =SE −SO とすると、 −0.50 ≦ ΔSE ≦ AD /3 の条件を満足することを特徴とする累進焦点レンズを提
供する。
【0017】また、本発明の好ましい態様において、遠
用中心のレンズ屈折面の平均度数(ディオプター)をS
O とし、レンズ屈折面の加入度(ディオプター)をAD
としたとき、レンズ装用状態における遠用アイポイント
Eからその水平側方領域において、レンズ屈折面の平均
度数(ディオプター)をSE 、遠用中心度数SO からの
度数変化量ΔSE をΔSE =SE −SO とすると、 −0.50 ≦ ΔSE ≦ AD /3 の条件を満足する。
【0018】また、本発明の別の局面によれば、主子午
線曲線に沿って遠景に対応する屈折力を有する遠用部F
と、近景に対応する屈折力を有する近用部Nと、前記遠
用部Fと前記近用部Nとの間において両部の屈折力を連
続的に接続する中間部Pとを備えた累進焦点レンズであ
って、レンズ屈折面の加入度をAD (ディオプター)と
したとき、レンズ装用状態における遠用部下方の鼻側お
よび耳側の少なくともいずれか一方の水平側方領域で前
記主子午線曲線から50/AD mmまでの側方領域内に
おいて、レンズ屈折面の平均度数(ディオプター)をS
E 、遠用中心OFのレンズ屈折面の平均度数SO (ディ
オプター)からの度数変化量をΔSE 、レンズ屈折面の
非点隔差の度数(ディオプター)をCとしたとき、 2×ΔSE −0.50 ≦ C ≦ 2×ΔSE +0.
75 の条件を満足することを特徴とする累進焦点レンズを提
供する。遠用部Fに関して、レンズ装用状態における遠
用部F下方の鼻側および耳側の水平側方領域の全域で、
この条件式が満たされることがさらに望ましい。
【0019】また、この本発明の好ましい態様におい
て、レンズ屈折面の加入度をAD (ディオプター)とし
たとき、レンズ装用状態における中間部の鼻側および耳
側の少なくともいずれか一方の水平側方領域で前記主子
午線曲線から40/AD mmまでの側方領域内におい
て、レンズ屈折面の平均度数(ディオプター)をSE
遠用中心OFのレンズ屈折面の平均度数SO (ディオプ
ター)からの度数変化量をΔSE 、レンズ屈折面の非点
隔差の度数(ディオプター)をCとしたとき、 2×ΔSE −0.50 ≦ C ≦ 2×ΔSE +0.
75 の条件を満足する。中間部Pにおいて、レンズ装用状態
における中間部Pの鼻側および耳側の水平側方領域の全
域で、この条件式が満たされることがさらに望ましい。
【0020】さらに、本発明のもう1つの別の局面によ
れば、主子午線曲線に沿って遠景に対応する屈折力を有
する遠用部Fと、近景に対応する屈折力を有する近用部
Nと、前記遠用部Fと前記近用部Nとの間において両部
の屈折力を連続的に接続する中間部Pとを備えた累進焦
点レンズであって、遠用中心のレンズ屈折面の平均度数
(ディオプター)をSO とし、レンズ屈折面の加入度
(ディオプター)をADとしたとき、レンズ装用状態に
おける遠用中心OFからその水平側方領域において、レ
ンズ屈折面各点の平均度数(ディオプター)をSE 、遠
用中心度数SO からの度数変化量ΔSE をΔSE =SE
−SO とすると、 −0.50 ≦ ΔSE ≦ AD /3 の条件を満足し、レンズ屈折面の加入度をAD (ディオ
プター)としたとき、レンズ装用状態における遠用部下
方の鼻側および耳側の少なくともいずれか一方の水平側
方領域で前記主子午線曲線から50/AD mmまでの側
方領域内において、レンズ屈折面の平均度数(ディオプ
ター)をSE 、遠用中心OFのレンズ屈折面の平均度数
O (ディオプター)からの度数変化量をΔSE 、レン
ズ屈折面の非点隔差の度数(ディオプター)をCとした
とき、 2×ΔSE −0.50 ≦ C ≦ 2×ΔSE +0.
75 の条件を満足することを特徴とする累進焦点レンズを提
供する。
【0021】
【作用】1991年7月発行のオフサルモロジイ(OPHT
HALMOLOGY, USA) 第98巻、第7号、1025乃至10
29頁に記載されている、スヴァシュとガイトンとの共
著による論文「白内障術後の焦点深度を深める最適なア
ス度数」によれば、眼の乱視度数も考慮した屈折度数と
その焦点深度との関係について詳細な数値計算をした上
で、焦点深度が最も深い球面度数と乱視度数(非点隔差
度数に相当)との関係度数を推奨提示している。視距離
が眼前0.5m乃至6mの間で0.25m間隔ごとの物
点を眼底網膜上に投影したとき、その物点の網膜上での
像面積を幾何光学的に計算して加算する方法で、その総
和が最も小さくなる眼の屈折度数を求めている。その結
果、両主経線度数の相加平均である平均度数(ディオプ
ター)をsとし、乱視度数(ディオプター)をcとした
とき、次の数式(1)および(2)で示す関係が成り立
つとき、像の面積の総和が最小になるとしている。
【0022】 c=−2×s−0.50 s≦−0.25 (1) c=2×s−0.50 s>−0.25 (2) このスヴァシュとガイトンとの共著による文献(以下、
単に「文献」という)は、その題名が示すように、眼内
レンズを挿入したときに最善の視覚を得るための最適目
標度数眼について考察したものである。しかしながら、
幾何光学的に眼の屈折度数を扱っているため、有水晶体
眼と実質的な差異はなく、前記文献の原理を調節力が衰
退した老眼にも十分適用可能である。従来、調節力が衰
退した老眼の調節補助として使用されている累進焦点レ
ンズに焦点深度の観点に基づいて設計検討された例はな
く、レンズの平均度数および非点隔差の度数を整理配置
することによって、レンズと眼球系との合成光学系で焦
点深度を少しでも深めることが可能であれば、眼の調節
力の補助として非常に有効である。
【0023】累進焦点レンズの加入度数の変化およびレ
ンズ特性は、一般に累進レンズ面の主曲率からその面の
屈折力の平均度数および非点隔差度数を求めて、それぞ
れの等度数線を描くことによって、近似的に把握するこ
とができる。正確には、累進焦点レンズのレンズ面2面
(右目用および左目用)で、装用状態を考慮して評価す
る。ここでは、概略の傾向を知るためおよび説明の簡略
化のために、累進レンズ面1面の屈折面について説明す
る。レンズ面の各点の屈折力の平均度数(ディオプタ
ー)SE は、その点におけるレンズ面の最大主曲率をψ
max とし、最小主曲率をψmin とし、屈折率をnとした
とき、次の数式(3)で表される。 SE =(ψmax +ψmin )×(n−1)/2 (3)
【0024】一方、一般に明視域の広さや像ぼけ、ゆ
れ、ゆがみに関してその程度を評価するには、パラメー
タとして非点隔差が使用されている。非点隔差の度数
(ディオプター)Cは自由曲面の曲率であって乱視の程
度を意味するものであり、次の数式(4)で表される。 C=(ψmax −ψmin )×(n−1) (4)
【0025】累進焦点レンズの中間部Pに度数勾配をも
たせると、その周辺側方領域(水平側方領域)には必然
的に非点隔差が発生する。上述したように、この非点隔
差の発生量は中間部Pの長さにも密接に関係し、一般的
には中間部Pの長さが長くなるほど発生する収差の最大
値およびその密度はともに小さくなる傾向があり、逆に
中間部Pの長さが短くなるほど収差の最大値およびその
密度は大きくなる傾向がある。さらに補足すれば、非点
隔差は、その度数勾配や有効視野の広さなどにも依存し
て変化する。そして、この非点隔差の存在は、従来から
累進焦点レンズの特性を大きく左右するものと考えられ
てきた。
【0026】眼鏡レンズの光学性能評価には、眼球の光
学系および網膜以降の視覚特性の観点から、レンズの非
点隔差が最も重要なパラメータとして使用されている。
すなわち、非点隔差の度数がレンズの性能の一般的な目
安となり、乱視がないような球面度数レンズの場合に
は、この非点隔差のないレンズあるいは非点隔差の少な
いレンズほど性能が良いとされている。眼鏡レンズ装用
者の視覚特性のなかで最も重要な見えの善し悪し、像ぼ
けを定量的に表現する視力値についても、この非点隔差
に起因する評価値として従来から扱われている。累進焦
点レンズの場合にも同様に、基本的にはこの非点隔差の
量が、レンズ性能を評価する上で最も重要なパラメータ
であることに変わりはない。
【0027】しかしながら、眼鏡レンズ装用者の調節力
が衰退したいわゆる老眼の場合には、装用するレンズの
球面度数によって、視覚特性が変わることに注目すべき
である。すなわち、老眼の場合の見えの善し悪しや像ぼ
けに関しては、非点隔差ばかりでなくレンズの球面度数
にも大きな影響を受けることがある。したがって、主子
午線曲線上の平均度数の分布ほど度数勾配は大きくない
が、累進レンズ面の全領域に亘って平均度数が変化する
累進焦点レンズの場合には、非点隔差だけでなく平均度
数も視覚特性に大きな影響を与えている。
【0028】累進焦点レンズの遠用部Fの側方領域で
は、従来から中間部Pでの累進度数変化による度数勾配
をできるだけ小さくして、遠用部F下方の側方領域での
ゆれ、ゆがみを軽減するために、中心線である主子午線
曲線上よりも側方領域において度数勾配をより小さくす
ればよいことが一般的に知られている。そのためには、
遠用部Fまたは近用部Nの領域まで累進度数領域を広
げ、平均度数勾配を小さくする方法が考えられる。しか
しながら、近用部Nはもともと狭い領域しか確保するこ
とができないため、近用部Nの領域の一部を累進度数変
化領域に用いたとしても、その度数勾配を小さくする効
果はほとんど期待することができない。
【0029】したがって、累進度数領域を遠用部Fの側
方領域に広げることが効果的であるが、遠用部側方領域
において所定の遠用度数にプラス度数が付加されること
になる。現在製品化されている多くのレンズは、この手
法を採用して設計されている。この結果、遠用部側方領
域では、遠方視の視力の低下が起こる。これは、遠用度
数よりプラス度数が付加された領域(すなわち遠用部側
方領域)を通して遠方視すると、遠点がより手前の有限
距離に近づき、遠方がぼける、いわゆる近視眼に相当す
る状態になるためである。
【0030】一方、調節力が衰退したいわゆる老眼で
は、明視できる距離範囲も狭まるから、調節力の補助と
して累進焦点レンズを使用する場合には、視距離に応じ
て眼球を回旋させて所要の度数が得られるレンズ領域に
視線を移動させることで、初めて明視することが可能に
なる。眼球を回旋させることなくあたかも調節力がある
かのように感じさせるには、光学系の焦点深度を深くす
る必要がある。焦点深度を深くするには、光学系の光束
を絞り込めばよいことはよく知られている。これは光学
の基本原理であり、カメラレンズの絞りの値を変えて写
真のぼけ味を操作することはよく知られているところで
ある。
【0031】この原理を眼球光学系で適用するには、絞
りに相当する眼の虹彩の径を絞り込む必要がある。その
ためには、明るさに敏感に瞳孔反応する虹彩の性質を利
用する必要があり、環境を明るくすることが最も簡単且
つ効果的である。したがって、明るい環境の中で生活す
ることは、老眼の自覚を軽減し、またその状態を軽減す
るために非常に有益である。累進焦点レンズとして使用
して少しでもその焦点深度を拡大させる方法を見い出す
ことができれば、より使い易い累進焦点レンズを実現す
ることができる。
【0032】以上の考察より、焦点深度を拡大させるた
めには、遠用部Fから中間部Pに至る側方領域で、装用
状態におけるレンズの平均度数と非点隔差度数との間に
一定の関係が成立するように、レンズ屈折面のパワー配
置を整理統合することが有効であるという結論に達し
た。近似的には、累進レンズ面の表面平均屈折力と非点
隔差との関係を、上述の文献の示す一定関係とほぼ同じ
ように表現することができる。
【0033】まず、遠用部側方領域における遠方視の像
ぼけの改善およびこの領域でのゆれ、ゆがみの軽減のた
めに、遠用中心のレンズ屈折面の平均度数(ディオプタ
ー)をSO とし、レンズ屈折面の加入度(ディオプタ
ー)をAD としたとき、レンズ装用状態における遠用中
心からその水平側方領域において、レンズ屈折面各点の
平均度数(ディオプター)をSE 、遠用中心度数SO
らの度数変化量ΔSE をΔSE =SE −SO とすると、
次の数式(5)の条件を満足するように、レンズ屈折面
のパワー配置を整理配分することが効果的である。 −0.50 ≦ ΔSE ≦ AD /3 (5) さらに、遠用部側方領域における像ぼけを最小にするた
めに、レンズ装用状態における遠用アイポイントからそ
の水平側方領域にかけて、数式(5)の条件を満足する
ことが好ましい。
【0034】遠用部側方領域の平均度数をマイナスの度
数にすることは像ぼけの軽減には良いが、近用の加入度
数(プラスの度数)を与える場合には、遠用部F下方か
ら中間部Pにかけての側方領域で平均度数の勾配が急激
になるるとともに、非点隔差がより大きくなるため、一
般には採用することはできない。しかしながら、用途を
限定すれば、このような度数配分のレンズも実用になる
ことは言うまでもない。
【0035】眼鏡レンズを装用した状態でその焦点深度
を深くするためには、レンズ屈折面の加入度をAD (デ
ィオプター)としたとき、レンズ装用状態における遠用
部下方の鼻側および耳側の少なくともいずれか一方の水
平側方領域で前記主子午線曲線から50/AD mmまで
の側方領域内において、レンズ屈折面の平均度数(ディ
オプター)をSE 、遠用中心のレンズ屈折面の平均度数
O (ディオプター)からの度数変化量をΔSE 、レン
ズ屈折面の非点隔差の度数(ディオプター)をCとした
とき、次の数式(6)の条件を満足するように、レンズ
屈折面のパワー配置を整理配分することが効果的であ
る。 2×ΔSE −0.50 ≦ C ≦ 2×ΔSE +0.75 (6) そして、この平均度数と非点隔差との関係について、遠
用部F下方からその側方領域ばかりでなく、中間部Pか
らその側方領域にも適用することがより好ましい。
【0036】上述のようなレンズの度数配分にすること
によって、遠方視の像ぼけ緩和の方法では、まず遠用部
側方領域の鉛直方向の度数勾配を小さくすることがで
き、この勾配に起因するレンズのゆれ、ゆがみを緩和す
ることができる。一方、この方法に起因して発生する非
点隔差は、その値が大きくなればレンズ性能を劣化させ
ることになるが、遠用部Fでは通常問題とならない弱度
の非点隔差度数を、数式(6)において平均度数によっ
て規定される範囲に整理配分することによって、遠用部
Fの側方領域を含む広い範囲で像ぼけの緩和およびゆ
れ、ゆがみの軽減の双方を改善することができる。
【0037】また、数式(6)で規定される平均度数と
非点隔差度数との関係を遠用部F下方および中間部Pか
らその側方領域に適用することによって、非点隔差が比
較的大きなこの領域においても従来のレンズに比べて視
力の改善とともに焦点深度の拡大の効果があることがわ
かった。上述の文献の関係式(1)および(2)と比べ
ると本発明の関係式(6)の下限値で正負の符号が逆に
なっている点については、正視眼に眼鏡レンズを装用し
たときに、その屈折矯正効果がその度数の符号と逆の屈
折度数になることから理解されるであろう。
【0038】このように、上述の文献の応用として、レ
ンズの平均度数および非点隔差度数が数式(6)で規定
される関係を満たすようにすることによって、遠方から
近方に至る間の物体の眼の眼底網膜にできる像のぼけの
総和がその距離範囲で最小になることから、いわゆる焦
点深度が深くなったことと同等な効果が得られる。これ
は、乱視状態の光学系によって網膜に投影される遠点の
物点の共役像である2つの焦線のうち後側の焦線がほぼ
網膜位置に、また近点付近の物点の共役像である2つの
焦線のうち前側の焦線がほぼ網膜位置に一致する状態に
相当する。逆に、網膜側から見れば、網膜の一方の主経
線屈折力の共役点が遠点付近に、他方の主経線屈折力の
共役点が近点付近にそれぞれ位置するような設定になる
ことから、その間の像ぼけの総和を小さくすることがで
きることになる。
【0039】また、上述の文献で視距離を眼前0.5m
〜∞にすると、両主経線度数の平均度数(ディオプタ
ー)をsとし、乱視度数(ディオプター)をcとしたと
き、平均度数換算で次の数式(7)および(8)で示す
関係が成り立つとき、像ぼけが最小になる。 c=−2×s s≦−0.00 (7) c=2×s s>−0.00 (8) したがって、本発明では、遠方視の視距離をある程度変
化させる可能性を考慮して、数式(6)の上限値および
下限値をそれぞれ決定している。
【0040】
【実施例】本発明の実施例を、添付図面に基づいて説明
する。遠用度数が0.00ディオプターで、近用加入度
数が2.50ディオプターの累進焦点レンズを本発明の
実施例にとり、眼鏡フレームの枠入れしたときに有効な
範囲になるレンズ径60φについて性能評価を行った。
図3は、本実施例の累進焦点レンズの平均度数が等しい
点を曲線で結んだ等平均度数曲線図である。遠用矯正度
数測定点である遠用中心OFにおける度数を度数基準
(すなわち基準値0.00ディオプター)と設定し、レ
ンズ上の各点の加入度はこの基準値からの付加度数とし
て表現されている。各等平均度数曲線に対応して示す数
値はその曲線の度数(ディオプター)を示し、各等平均
度数曲線は0.50ディオプターごとに示されている。
【0041】図4は、本実施例の累進焦点レンズの非点
隔差が等しい点を曲線で結んだ等非点隔差曲線図であ
る。等非点隔差曲線は、0.50ディオプターごとに示
されている。図4から明らかなように、遠用部領域Fお
よび近用部領域Nにおいて、耳側(図中右側)の明視域
(非点隔差が0.5ディオプター以下の範囲)が広くな
っていることがわかる。また、特に近用部領域Nにおい
ては非点隔差の勾配が耳側の方が緩やかになっているた
め、非点隔差の密度は耳側の方が疎に分布している。
また、中間部領域Pにおいて明視域の横幅が広いことが
わかる。さらに、加入度が2.5ディオプターの場合、
従来の累進焦点レンズでは最大非点隔差の値が2.50
ディオプター以上であるのに対し、本実施例の非対称型
累進焦点レンズでは最大非点隔差の値が2.00ディオ
プターと低減されているのがわかる。
【0042】図5は、図3の等平均度数曲線図(実線)
と図4の等非点隔差曲線図(破線)とを重ねて表示した
図である。図5の遠用部Fの等平均度数曲線(実線)よ
り、遠用アイポイントEから水平側方領域にかけて平均
度数がほぼ一定であり、レンズ度数が数式(5)の関係
を満足するように、レンズ屈折面の屈折力の配置がなさ
れていることがわかる。
【0043】一般に、実際のレンズ径は60φより大き
いため、その周辺部分においては数式(5)の関係を必
ずしも満足しない領域もでてくるが、レンズ外周付近は
フレームに枠入れしたときそのほとんどがカットされて
しまうので、数式(5)の関係を満足しないことの影響
は少ない。ところで、各部における側方領域とは、主子
午線曲線からレンズ周辺に(水平方向に)15mm以上
離れた領域を示す。すなわち、レンズの基準点(たとえ
ば単焦点レンズの場合の幾何中心あるいは光学中心な
ど)を中心として直径30mmをレンズ中心部と称して
いることから、この外側を一般に周辺部あるいは側方領
域と称する。
【0044】累進焦点レンズの場合には、一般に遠用ア
イポイント位置を基準点とした方が理に適っている。ま
た、この基準点を幾何中心から水平方向に移すこともで
き、フレームに枠入れしたときに有効径が大きなレンズ
として扱うことができる偏心レンズとすることもでき
る。このような偏心レンズにも本発明を適用することが
できることは明らかである。
【0045】
【効果】以上説明したごとく、本発明によれば、通常問
題とならない弱度の非点隔差度数の領域(遠用部下方)
で、平均度数に一定の関係をもたせることによって、レ
ンズの広い領域で像ぼけの緩和およびゆれ、ゆがみの軽
減の双方をさらに改善して、実用性の高い累進焦点レン
ズを提供することができる。また、平均度数と非点隔差
度数との関係を遠用部下方および中間部からその側方領
域にも適用することによって、非点隔差が比較的大きな
この領域においても、従来の累進焦点レンズに比べて顕
著な視力の改善とともに焦点深度の拡大することができ
る。また遠用部においても多少ではあるが、焦点深度の
拡大効果が期待される。これらの領域に視線を合わせた
場合に、従来の累進焦点レンズに比較して、本発明の累
進焦点レンズを装用した眼光学系では焦点深度が深くな
るとともに、ゆれ、ゆがみが少なく装用したときの違和
感が著しく緩和された、中間部の長さが比較的短く(1
6mm乃至14mm程度)より実用性の高い累進焦点レ
ンズを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の左右対称型累進焦点レンズの領域区分を
示す図である。
【図2】本発明の非対称型累進焦点レンズの領域区分を
示す図である。
【図3】本発明の実施例にかかる累進焦点レンズの等平
均度数曲線図である。
【図4】本発明の実施例にかかる累進焦点レンズの等非
点隔差曲線図である。
【図5】図3の等平均度数曲線図と図4の等非点隔差曲
線図とを重ね合わせた図である。
【符号の説明】
F 遠用部 N 近用部 P 中間部 OF 遠用中心 ON 近用中心(近用アイポイント) OG 幾何中心 E 遠用アイポイント MM′主子午線曲線

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主子午線曲線に沿って遠景に対応する屈
    折力を有する遠用部と、近景に対応する屈折力を有する
    近用部と、前記遠用部と前記近用部との間において両部
    の屈折力を連続的に接続する中間部とを備えた累進焦点
    レンズであって、 遠用中心のレンズ屈折面の平均度数(ディオプター)を
    O とし、レンズ屈折面の加入度(ディオプター)をA
    D としたとき、レンズ装用状態における遠用中心からそ
    の水平側方領域において、レンズ屈折面各点の平均度数
    (ディオプター)をSE 、遠用中心度数SO からの度数
    変化量ΔSE をΔSE =SE −SO とすると、 −0.50 ≦ ΔSE ≦ AD /3 の条件を満足することを特徴とする累進焦点レンズ。
  2. 【請求項2】 遠用中心のレンズ屈折面の平均度数(デ
    ィオプター)をSOとし、レンズ屈折面の加入度(ディ
    オプター)をAD としたとき、レンズ装用状態における
    遠用アイポイントからその水平側方領域において、レン
    ズ屈折面各点の平均度数(ディオプター)をSE 、遠用
    中心度数SO からの度数変化量ΔSEをΔSE =SE
    O とすると、 −0.50 ≦ ΔSE ≦ AD /3 の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の累
    進焦点レンズ。
  3. 【請求項3】 遠用中心のレンズ屈折面の平均度数(デ
    ィオプター)をSOとし、レンズ屈折面の加入度(ディ
    オプター)をAD としたとき、レンズ装用状態における
    遠用部下方で前記主子午線曲線から水平に側方領域まで
    含む範囲において、レンズ屈折面各点の平均度数(ディ
    オプター)をSE 、遠用中心度数SOからの度数変化量
    ΔSE をΔSE =SE −SO とすると、 −0.50 ≦ ΔSE ≦ AD /3 の条件を満足することを特徴とする請求項1または2に
    記載の累進焦点レンズ。
  4. 【請求項4】 主子午線曲線に沿って遠景に対応する屈
    折力を有する遠用部と、近景に対応する屈折力を有する
    近用部と、前記遠用部と前記近用部との間において両部
    の屈折力を連続的に接続する中間部とを備えた累進焦点
    レンズであって、 レンズ屈折面の加入度をAD (ディオプター)としたと
    き、レンズ装用状態における遠用部下方の鼻側および耳
    側の少なくともいずれか一方の水平側方領域で前記主子
    午線曲線から50/AD mmまでの側方領域内におい
    て、レンズ屈折面の平均度数(ディオプター)をSE
    遠用中心のレンズ屈折面の平均度数SO (ディオプタ
    ー)からの度数変化量をΔSE 、レンズ屈折面の非点隔
    差の度数(ディオプター)をCとしたとき、 2×ΔSE −0.50 ≦ C ≦ 2×ΔSE +0.
    75 の条件を満足することを特徴とする累進焦点レンズ。
  5. 【請求項5】 レンズ屈折面の加入度をAD (ディオプ
    ター)としたとき、レンズ装用状態における中間部の鼻
    側および耳側の少なくともいずれか一方の水平側方領域
    で前記主子午線曲線から40/AD mmまでの側方領域
    内において、レンズ屈折面の平均度数(ディオプター)
    をSE 、遠用中心のレンズ屈折面の平均度数SO (ディ
    オプター)からの度数変化量をΔSE 、レンズ屈折面の
    非点隔差の度数(ディオプター)をCとしたとき、 2×ΔSE −0.50 ≦ C ≦ 2×ΔSE +0.
    75 の条件を満足することを特徴とする請求項4に記載の累
    進焦点レンズ。
  6. 【請求項6】 主子午線曲線に沿って遠景に対応する屈
    折力を有する遠用部と、近景に対応する屈折力を有する
    近用部と、前記遠用部と前記近用部との間において両部
    の屈折力を連続的に接続する中間部とを備えた累進焦点
    レンズであって、 遠用中心のレンズ屈折面の平均度数(ディオプター)を
    O とし、レンズ屈折面の加入度(ディオプター)をA
    D としたとき、レンズ装用状態における遠用中心からそ
    の水平側方領域において、レンズ屈折面各点の平均度数
    (ディオプター)をSE 、遠用中心度数SO からの度数
    変化量ΔSE をΔSE =SE −SO とすると、 −0.50 ≦ ΔSE ≦ AD /3 の条件を満足し、 レンズ屈折面の加入度をAD (ディオプター)としたと
    き、レンズ装用状態における遠用部下方の鼻側および耳
    側の少なくともいずれか一方の水平側方領域で前記主子
    午線曲線から50/AD mmまでの側方領域内におい
    て、レンズ屈折面の平均度数(ディオプター)をSE
    遠用中心のレンズ屈折面の平均度数SO (ディオプタ
    ー)からの度数変化量をΔSE 、レンズ屈折面の非点隔
    差の度数(ディオプター)をCとしたとき、 2×ΔSE −0.50 ≦ C ≦ 2×ΔSE +0.
    75 の条件を満足することを特徴とする累進焦点レンズ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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