JPH0771924A - 薄膜特性値測定方法及び装置 - Google Patents

薄膜特性値測定方法及び装置

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JPH0771924A
JPH0771924A JP21720293A JP21720293A JPH0771924A JP H0771924 A JPH0771924 A JP H0771924A JP 21720293 A JP21720293 A JP 21720293A JP 21720293 A JP21720293 A JP 21720293A JP H0771924 A JPH0771924 A JP H0771924A
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尚史 岩田
Yoshihiko Aiba
良彦 相場
Toshiharu Nagatsuka
俊治 永塚
Hitoshi Kubota
仁志 窪田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】感光性薄膜の膜厚及び、感光波長における屈折
率と吸収係数を測定する。 【構成】光源1はフィルタ4cにより、被測定膜21の
感光波長域の単色光と非感光波長域の光を含んだ照明光
になる。遮光板47により光軸付近を通過させず対物レ
ンズ41に入射した照明光は、収束光となり被測定膜2
1を照射する。反射光は対物レンズ41の後焦点面34
a上に等傾角干渉縞を生じ、感光波長での干渉縞はリニ
アセンサ7bで検出され、リニアセンサ7bは単色光フ
ィルタ69を介することで非感光波長での干渉縞を検出
する。屈折率と吸収係数が既知の参照試料22も同様に
検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜の膜厚、屈折率、
吸収係数の測定方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜特性値(膜厚、屈折率、吸収係数)
を光学的に測定する従来技術には、偏光解析法と入射角
依存反射特性解析法がある。いずれもレジスト膜に入射
した光が、空気と薄膜の境界面および薄膜の基板の境界
面で繰返し反射し干渉する物理現象に基づき、各特性値
を求めるものである。
【0003】偏光解析法(例えば田幸敏治他編、「光学
的測定ハンドブック」、pp256−265、朝倉書店
(1981))は、斜めから光を照射し、P偏光成分と
S偏光成分の反射強度と位相差から膜特性値を計算で求
める。偏光解析法で被測定膜の膜厚、屈折率、吸収係数
の3つの未知量を求めるには、2つ以上の入射角で偏光
解析を行う必要があるため、装置が複雑となり高速には
測定できない。また測定感度は入射角に依存するため、
被測定膜が未知の場合には、入射角を変えた測定を繰返
さなければ高精度に測定出来ない。
【0004】入射角依存反射特性解析法は、入射角を変
化させたときの反射強度の変化から各特性値を求める方
法である。特開平2−128106号は、光学系全体を
機械的に走査して3つの入射角での強度反射率から膜
厚、屈折率、吸収係数を測定する方法を開示している。
しかし機械的に走査して反射光を検出する方式であるた
め高速には測定できない。また高精度に測定するには反
射率の検出精度を十分高くする必要があり、複雑で高価
な測定装置が必要になる。
【0005】入射角依存反射特性を高速、安定に検出す
る方法として、等傾角干渉(マックス・ボルン他著、
「光学の原理II」、pp454−456、東海大学出版
会)と呼ばれる光学現象を利用したものがある。適当な
入射角範囲にわたる収束光で被測定膜を照明し、反射光
を検出用レンズに通過させると、検出用レンズの後焦点
面には干渉縞が生じる。これは等傾角干渉縞と呼ばれ、
その強度は入射角依存反射特性に対応している。そこで
等傾角干渉縞の強度分布をアレイセンサで撮像すれば、
可動部を用いずに入射角依存反射特性を検出でき、膜厚
や屈折率を求められる。特公昭62−49562号、特
開昭64−75902号、特開平4−313006号
は、照明用と検出用の対向する2つのレンズを用いた光
学系により等傾角干渉縞を検出し、干渉縞強度が極値と
なる入射角から膜厚と屈折率を求める方法を開示してい
る。
【0006】また特開平3−17505号では、光軸が
被測定膜に垂直な一つのレンズに照明光と反射光を通過
させ、同心円状に生じる等傾角干渉縞から膜厚と屈折率
を測定する方法を開示している。この方式では高NAレ
ンズを用いることで収束光を絞り込み、非常に小さな領
域の膜厚と屈折率の測定を可能にしている。しかし上記
した等傾角干渉縞を用いた従来技術はいずれも、吸収の
ある薄膜、すなわち吸収係数が0でない薄膜の測定につ
いては詳しく言及されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、等傾角干渉
縞を検出することにより、薄膜の膜厚と屈折率だけでな
く、吸収係数も高速、安定に測定する装置を提供するも
のである。
【0008】本発明の目的は、吸収性のある薄膜の膜厚
と特定波長における屈折率と吸収係数を測定する方法を
提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、吸収性のある薄膜の
膜厚と特定波長における屈折率と吸収係数を測定するた
めに、迷光を含まずに等傾角干渉縞の強度分布を正確に
検出できる光学系を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、ホトレジスト等の感
光性薄膜の膜厚及び、感光波長における屈折率と吸収係
数の測定方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】薄膜の吸収係数を求める
には、絶対値が正確な入射角依存強度反射率を測定する
必要がある。しかし被測定膜の等傾角干渉縞強度分布、
すなわち入射角依存反射光強度分布I(θ)は、照明光強
度分布S(θ)と入射角依存強度反射率R(θ)の積にな
り、I(θ)はR(θ)に一致しない。そこで本発明では照
明光強度分布S(θ)の影響を除去するため、測定波長で
の屈折率と吸収係数が既知の参照用鏡面試料の入射角依
存反射光強度分布Iref(θ)を検出し、さらに参照用鏡
面試料の測定波長での屈折率と吸収係数から入射角依存
強度反射率Rref(θ)を理論計算する。そして被測定膜
の入射角依存反射光強度分布I(θ)を参照用鏡面試料の
入射角依存反射光強度分布Iref(θ)で割算し、これに
参照用鏡面試料の入射角依存強度反射率Rref(θ)を乗
ずることで、被測定膜の入射角依存強度反射率R(θ)を
求める。
【0012】また光軸が被測定膜に垂直な一つのレンズ
に照明光と反射光を通過させて等傾角干渉縞を検出する
光学系を用いる場合には、レンズの光軸付近を通過する
照明光を遮るための遮光板を照明光学系に挿入する。こ
れにより迷光の影響を受けずに、等傾角干渉縞の強度分
布を正確に検出する。
【0013】感光性薄膜の膜厚と、感光波長における屈
折率と吸収係数を精度良く測定するには、感光波長での
測定だけでなく非感光波長での測定も行う。まず非感光
波長で等傾角干渉縞を検出し、膜厚と非感光波長におけ
る屈折率と吸収係数を求める。ここで求めた膜厚を既知
の値として、次に感光波長で等傾角干渉縞を検出し、感
光波長における屈折率と吸収係数を求める。
【0014】
【作用】参照用鏡面試料の入射角依存反射光強度分布I
ref(θ)は、照明光強度分布S(θ)と入射角依存強度反
射率Rref(θ)の積になる。このため被測定膜の入射角
依存反射光強度分布I(θ)を参照用鏡面試料の入射角依
存反射光強度分布Iref(θ)で割算すれば、照明光強度
分布S(θ)を消去でき、R(θ)/Rref(θ)となる。こ
れに参照用鏡面試料の入射角依存強度反射率Rref(θ)
の理論計算値を乗ずることで、被測定膜の入射角依存強
度反射率R(θ)が求まる。
【0015】レンズの光軸付近では、レンズ表面が光軸
にほぼ垂直である。このため光軸が被測定膜に垂直なレ
ンズを用いた等傾角干渉縞検出光学系では、レンズ表面
で反射した光が迷光として検出されてしまう。しかし照
明光学系に遮光板を挿入し、光軸付近を通過する照明光
を遮れば迷光は生じず、等傾角干渉縞の強度分布を正確
に検出できる。
【0016】感光性薄膜は、感光波長域の吸収係数が大
きく、非感光波長域では吸収係数がほぼ0である。測定
光が感光波長の光の場合は、被測定膜に吸収性があるた
め、膜中を通過する間に振幅が減衰する。このため被測
定膜を通過する光の振幅が、被測定膜の表面で反射した
光に比べ小さくなり、等傾角干渉縞のコントラストが低
下する。この干渉縞は膜厚に関する情報を多く持ってい
ないため、膜厚、屈折率、吸収係数の3つの未知数を同
時に精度良く求められない。
【0017】一方、非感光波長の測定光にすれば、被測
定膜での吸収がなく膜内で振幅が減衰しない。このため
膜厚に関する情報を十分含んだ良好なコントラストの等
傾角干渉縞を検出できる。そこで非感光波長の干渉縞か
ら、感光性薄膜の膜厚と非感光波長における屈折率と吸
収係数をまず求める。ここで求めた膜厚を既知の値とす
れば、感光波長での干渉縞から感光波長における屈折率
と吸収係数を求めることができる。
【0018】
【実施例】以下本発明の実施例を説明する。まず本発明
に関連する光学的な現象と、薄膜特性値(膜厚d、屈折
率n、吸収係数k)測定法の原理を説明する。なお薄膜
とは、図4に示すように、基板23上の薄膜21であ
り、空気と薄膜21の境界面24と、薄膜21と基板2
3の境界面25は平行であるとする。
【0019】薄膜21に入射角θで照明光32が入射す
ると、境界面24での反射と透過および、境界面25で
の反射を繰り返す。2つの境界面は平行なため、薄膜か
ら反射された光は、同図に示すような平行光束33とな
る。この平行光束をレンズ6に通過させると、レンズの
後焦点面34上の1点Pに集光し干渉する。P点の位置
と干渉強度は入射角により変化するため、後焦点面34
上には明暗の縞が生じ、これは等傾角干渉縞と呼ばれ
る。等傾角干渉縞は、入射角に依存した薄膜の強度反射
率に対応しているので、この干渉縞を観測することで、
薄膜の膜厚、屈折率、吸収係数を測定する。
【0020】薄膜の強度反射率Rは、以下の式で理論計
算される。なお添字 ' は複素数を示し、iは虚数単位
の記号である。
【0021】
【数1】
【0022】ここでr'は、薄膜の振幅(複素)反射率で
あり、r'*はr'の共役複素数である。変数を以下のよ
うに定義すると、r'は(数2)〜(数8)で表される。
【0023】r01' :空気と薄膜21の境界面24での
振幅(複素)反射率 r12' :薄膜21と基板23との境界面25での振幅
(複素)反射率 δ' :薄膜内での一往復で生じる光路差 λ :照明光の波長 d :薄膜の膜厚 n0 :空気の屈折率(=1) n' :薄膜の複素屈折率。n'=n−ik n2' :基板の複素屈折率。n2'=n2−ik22 :波長λにおける基板の屈折率 k2 :波長λにおける基板の吸収係数 θ :入射角 θ1' :薄膜内での屈折角 θ2' :基板内での屈折角
【0024】
【数2】
【0025】
【数3】
【0026】
【数4】
【0027】また境界面での振幅反射率はフレネルの式
で計算でき、照明光32がP偏光の場合、
【0028】
【数5】
【0029】
【数6】
【0030】となり、照明光がS偏光の場合には、
【0031】
【数7】
【0032】
【数8】
【0033】となる。すなわち薄膜の強度反射率の理論
値Rthは、Rth(n0,d,n,k,n2,k2,θ,λ)という関
数で表現できる。
【0034】図5は、鏡面シリコン基板上の薄膜を、波
長365nmのP偏光光で照明したときの、入射角θに
依存した強度反射率Rの変化を理論計算した例である。
膜厚d、屈折率n、吸収係数kの組み合わせにより、強
度反射率Rの変化が異なることがわかる。吸収係数kが
増加すると、薄膜内で光エネルギが吸収されるため、強
度反射率Rが低下する傾向がある。また吸収係数kが異
なると、境界面での位相変化量が違うため、入射角依存
反射率が極値となる入射角も移動する。すなわち反射率
の極値となる入射角に着目した方法では、吸収のある薄
膜の特性値を測定できない。吸収のある薄膜の特性値を
測定するには、反射率の絶対値を用いる必要がある。
【0035】入射角依存強度反射率の絶対値から薄膜特
性値を測定するには、被測定膜の入射角依存強度反射率
R(θ)を実測し、R(θ)と一致する理論反射率Rth
(n0,d,n,k,n2,k2,θ,λ)を探し出せばよい。これ
には以下に示す(数9)もしくは(数10)のいずれかの演
算を行う。
【0036】
【数9】
【0037】
【数10】
【0038】ここで照明光はP偏光もしくはS偏光の直
線偏光でその偏光方向も既知とする。また空気の屈折率
0、波長λ、波長λにおける基板の屈折率n2と吸収係
数k2も既知とし、これらは変数から除外してある。関
数M(d,n,k)は、実測反射率R(θ)と理論反射率Rth
(θ,d,n,k)の一致度を示す評価関数であり、(数9)
では複数の入射角での差の絶対値の総和、(数10)では
差の自乗の総和を演算するものである。そして評価関数
Mが最小な場合、実測反射率R(θ)と理論反射率Rth
(θ,d,n,k)が最も一致し、このときのd,n,kの
組を、波長λにおける被測定膜の測定値とすればよい。
【0039】上記方式において、測定分解能の向上と計
算量の低減を両立する実施例を説明する。被測定膜で可
能性のある膜厚d、屈折率n、吸収係数kの最大、最小
をmax、minの添字で示し、測定分解能をdr、nr、kr
とすると、膜厚、屈折率、吸収係数の3つの未知数を決
定するために必要な(数9)もしくは(数10)の計算回数
1は、
【0040】
【数11】
【0041】となる。ただし、Nd、Nn、Nkは各特
性値の分解点数である。dr、nr、krを小さくし高分
解能で計算すると、各分解点数が増加し、計算回数C1
は非常に膨大になる。そこで分解能を逐次向上させ計算
量を低減する。すなわち第1段階では測定分解能dr
r、krをある程度大きくして粗検出を行い、膜厚
1、屈折率n1、吸収係数k1を求める。第2段階では
被測定膜の測定範囲をd1±Δd1、n1±Δn1、k1±
Δk1に限定するとともに測定分解能を小さくして膜厚
2、屈折率n2、吸収係数k2を探索する。以降、被測
定膜の測定範囲と測定分解能をともに逐次小さくするこ
とで、必要な測定分解能に達するまでこの操作を繰り返
す。
【0042】これにより、膨大な計算を行わずに測定分
解能を向上できる。また第1段階での測定分解能が粗す
ぎると正しい結果に収束しないことがある。これを防止
するには、第1段階の粗検出では評価関数Mを最小な場
合を探すだけでなく、例えば最小値の2倍以下を満足す
る場合などの条件とし、複数のd、n、kの組合わせを
出力する。そして各粗検出結果に対して前記した第2段
階以降の処理を行い、最終的には評価関数Mを最小とす
るd、n、kの組合わせを求めればよい。
【0043】この方法での薄膜の膜厚d、屈折率n、吸
収係数kの測定を行うには、実測する被測定膜の入射角
依存強度反射率R(θ)の絶対値を正確に測定する必要が
ある。R(θ)を安定、高速に測定し、薄膜特性値を求め
る本発明の一実施例を図6を用いて説明する。
【0044】図6は薄膜の入射角依存強度反射率R(θ)
を測定し、薄膜の特性値を求める装置である。本測定装
置は光源1、コリメート用レンズ2、偏光素子3、単色
光透過フィルタ4、集光用の照明側レンズ5、検出側レ
ンズ6、検出側レンズ6の後焦点面34上で入射面内方
向の強度分布を検出する光量蓄積型のリニアセンサ7、
被測定膜の反射光強度分布を記憶する被測定膜メモリ
8、参照試料の反射光強度分布を記憶する参照試料メモ
リ9、センサの暗レベルを記憶する暗レベルメモリ1
2、被測定膜の入射角依存強度反射率を求める反射率演
算部10、(数9)もしくは(数10)の評価関数Mを用い
て薄膜特性値を求める特性値決定部11からなる。なお
照明側レンズ5と検出側レンズ6の光軸が試料面に入射
する角度はともにθdとする。
【0045】光源1をでた光は、コリメート用レンズ2
により平行光となり、偏光板3と単色光透過フィルタ4
を通過し、直線偏光の単色光となる。ここでは紙面に平
行なP偏光とする。P偏光単色光は照明側レンズ5によ
り収束され、試料を照明する。まず基板23上の被測定
膜21の反射光強度分布を測定する。ここで入射角θa
の照明光線32aは薄膜内で繰返し反射し、反射角θa
の平行光束33aとして反射される。図6では簡単のた
め2本の光線のみ記載した。平行光束33aは検出側レ
ンズ6を通過するとレンズの性質により、検出側レンズ
6の後焦点面34上の点Paに集光する。同様に入射角
θbの照明光線32bは、後焦点面34上の点Pbに集
光する。この様に光線の入射角θと後焦点面34上の集
光位置は1対1の関係があり、後焦点面上の反射光強度
分布は入射角依存反射光強度特性に対応する。
【0046】いま検出側レンズ6が、よく収差補正され
正弦条件が成立したレンズであり、その焦点距離をfと
する。この場合、図7に示すように、検出側レンズ6の
光軸36から集光点Pまでの距離xと、光軸36と平行
光束33のなす角θpには、
【0047】
【数12】
【0048】という関係がある。(数12)の正弦条件
は、レンズが良好な結像性能を有するために必要な条件
であり、顕微鏡対物レンズはこの条件を満足するように
設計されている。つまり検出側レンズ6には顕微鏡対物
レンズを用いれば良い。またθp=θ−θdであるた
め、
【0049】
【数13】
【0050】となる。そこでリニアセンサ7で検出した
検出側レンズ6の後焦点面34上の反射光強度分布I
(x)を、(数13)によりに変数変換すれば、入射角依存
反射光強度特性I(θ)が求まる。しかし光源1に水銀ラ
ンプなどを用いると、レーザを用いる場合に比べ照明光
の照度分布31を均一にできないため、照明光32a、
32bおよびその間の入射角の照明光強度分布S(θ)は
均一にならない。このため入射角依存反射光強度特性I
(θ)と入射角依存強度反射率R(θ)は単純な比例関係に
はならず、次式のようになる。
【0051】
【数14】
【0052】そこでR(θ)を求めるため、参照試料22
を試料面に置いたときの後焦点面34上の反射光強度分
布Iref(x)を測定し、(数13)によりに変数変換しI
ref(θ)を求める。参照試料22は、測定波長λにおけ
る参照試料の屈折率nrefと吸収係数krefが既知の鏡面
試料であれば何でもよい。例えば鏡面シリコンウェハな
どを用いればよい。参照試料の入射角依存強度反射率を
ref(θ)とすると、
【0053】
【数15】
【0054】と表される。数14を数15で辺々割算す
れば次式となる。
【0055】
【数16】
【0056】すなわち、被測定膜21の入射角依存反射
光強度特性I(θ)と、参照試料22の入射角依存反射光
強度特性Iref(θ)の比を求めることにより、照明光強
度分布S(θ)を消去できる。
【0057】ここで参照試料22の入射角依存反射率特
性Rref(θ)は、変数を以下のように定義すると、(数1
7)〜(数20)により理論計算できる。
【0058】rref' :空気と参照試料22の境界面2
6での振幅(複素)反射率 λ :照明光の波長 n0 :空気の屈折率(=1) nref' :測定波長λにおける基板の複素屈折率。n
ref'=nref−ikrefref :測定波長λにおける基板の屈折率 kref :測定波長λにおける基板の吸収係数 θ :入射角 θref' :参照試料22での屈折角
【0059】
【数17】
【0060】
【数18】
【0061】
【数19】
【0062】
【数20】
【0063】rref' :空気と参照試料22の境界面2
6での振幅(複素)反射率 λ :照明光の波長 n0 :空気の屈折率(=1) nref' :測定波長λにおける基板の複素屈折率。n
ref'=nref−ikrefref :測定波長λにおける基板の屈折率 kref :測定波長λにおける基板の吸収係数 θ :入射角 θref' :参照試料22での屈折角 上式で求めた参照試料22の入射角依存強度反射率R
ref(θ)の理論計算値を、数16の両辺に乗ずれば、
【0064】
【数21】
【0065】となり、R(θ)が求まる。すなわち、被測
定膜21の入射角依存反射光強度特性測定値I(θ)を参
照試料22の入射角依存反射光強度特性測定値I
ref(θ)で割り、参照試料22の入射角依存強度反射率
の理論計算値Rref(θ)を乗ずることにより、被測定膜
の入射角依存強度反射率R(θ)を求めることができる。
図8は、以上の処理の概要を示したものである。
【0066】照明用レンズ5や検出用レンズ6などの光
束通過位置による透過率分布など、光学系中の光学素子
の不均一性を入射角θの関数と考えてT(θ)とおけば、
(数14)、(数15)は次式で表される。
【0067】
【数22】
【0068】
【数23】
【0069】この場合も(数21)の演算を行なえば、S
(θ)と同様にT(θ)も消去できる。
【0070】図6の反射率演算部10では、以上の処理
により、被測定膜の入射角依存強度反射率R(θ)を求め
る。そして特性値決定部11で被測定膜の膜厚d、屈折
率n、吸収係数kを求める。
【0071】本実施例によれば、照明光強度分布S(θ)
が均一でなくても、安定、高速に被測定膜の入射角依存
特性強度反射率R(θ)を求めることができ、膜特性値を
求めることができる。このため種々の光源を薄膜特性値
測定に用いることが可能になり、照明光学系の調整も容
易になる。また各光学素子の透過位置の違いによる透過
率の不均一性T(θ)の補正も行なわれるため、光学素子
の製造精度も緩和できる利点がある。
【0072】被測定膜の入射角依存強度反射率R(θ)を
さらに精度よく求めるには、暗レベル補正を行なえば良
い。これには照明光32が集光する位置から試料を退避
させ、このときのリニアセンサ7の出力を、暗レベル強
度分布Ib(x)とし、図6に示す暗レベルメモリ12に
記憶する。これを(数13)によりに変数変換しIb(θ)
を求め、次式によりR(θ)を求める。
【0073】
【数24】
【0074】暗レベル補正により、リニアセンサ7の各
検出素子毎の暗レベルのばらつきを補正できる。これに
より被測定膜の入射角依存強度反射率R(θ)が高精度に
求まり、膜特性値の測定精度を向上できる。
【0075】本実施例の測定手順を図9に示す。同図
(a)に示すように、載置台64に被測定膜を形成した基
板23と参照試料22を搭載し、以下の手順で測定す
る。
【0076】手順1:(1)載置台64を退避し、リニア
センサ7の暗レベル強度分布Ib(x)を検出する。(同図
(b)) 手順2:参照試料を測定位置に移動し、後焦点面反射光
強度分布Iref(x)を検出する。(同図(c)) 手順3:被測定膜基板23を測定位置に移動し、後焦点
面反射光強度分布I(x)を検出する。(同図(d)) 手順4:各検出信号を(数13)で変数変換し、I(θ)、
ref(θ)、Ib(θ)を求める。
【0077】手順5:(数24)で、被測定膜の入射角依
存強度反射率R(θ)を計算する。
【0078】手順6:(数9)もしくは(数10)の演算を
行い、膜特性値を決定する。
【0079】この手順で測定すれば、経時変化的な光源
の光量低下が徐々に生じたとしても、R(θ)を正確に求
められ、常に膜特性値を高精度に測定できる。また被測
定膜基板23と参照試料22を交換することなく、効率
良く測定できる。もちろん被測定膜基板23と参照試料
22を人手により交換してもよい。同一基板上の多点測
定のような短時間の測定では、Iref(x)とIb(θ)を初
めに測定してメモリに記憶し、被測定膜の反射光強度分
布I(x)を測定するたびに読み出すようにすれば、さら
に効率的に測定できる。
【0080】測定精度を向上する他の実施例を図10に
示す。本実施例では加算平均部13により、被測定膜2
1の後焦点面反射光強度分布I(x)をリニアセンサ7で
複数回検出し、それらの平均を被測定膜メモリ8に記憶
する。平均化効果でリニアセンサ7の駆動用電気回路で
重畳された白色ノイズ成分を低減できるため、S/N比
が向上し、各特性値の測定精度を向上できる。もちろん
参照試料の反射光強度分布と暗レベルも同様に検出した
方が、測定精度は向上する。
【0081】また光源自体の光量変動を補正して測定す
る実施例を図11で説明する。本実施例は光量変動補正
部80、光電変換型の光量検出器58、光量検出器58
に照明光を導くハーフミラー55を図6の実施例に付加
したものである。図12に光量補正の原理を示す。(a)
はリニアセンサ7の走査周期信号φ、(b)はリニアセン
サ7の出力信号、(c)は光量検出器58の出力信号、
(d)は光量検出器58の出力信号をリニアセンサ7の走
査周期時間分だけ積分した信号である。
【0082】リニアセンサ7は、周期Tnの期間に各画
素に照射された光エネルギを蓄積し、次の周期に信号W
nを出力する。このため(c)に示すように光量変動があ
ると、蓄積される光エネルギも変動し、Wnは一定にな
らない。そこで(d)に示すように光量検出器58の出力
を走査周期時間分だけ積分した出力を、走査周期信号φ
に同期してサンプリングし、補正値Cnを得る。補正値
Cnは周期Tnの総光量に対応するので、信号Wnを補
正値Cnで割算すれば、光量変動に伴う出力信号Wnの
変動を補正できる。
【0083】図13は上記補正を行う光量変動補正部8
0の実施例である。同図(a)はA/D変換器83、積分
回路81、サンプル・ホールド回路84、A/D変換器
85、デジタル割算器86からなる。同図(b)は、積分
回路81、サンプル・ホールド回路84、アナログ割算
器87、A/D変換器88からなる。積分回路81はリ
ニアセンサ7の一走査周期時間だけ、リニアセンサ7の
出力信号をアナログ積分するもので、サンプル・ホール
ド回路84は走査周期信号φに同期して積分回路81の
出力信号をサンプリングし、補正値Cnを出力する。
(a)はリニアセンサ7の出力信号Wnと補正値CnをA
/D変換した後、デジタル信号で割算を実行する。(b)
はリニアセンサ7の出力信号Wnと補正値Cnをアナロ
グ信号で割算してからA/D変換するものである。
【0084】以上のようにリニアセンサ7の出力信号を
補正しながら、暗レベル強度分布Ib(x)、参照試料の
反射光強度分布Iref(x)、被測定膜基板23の反射光
強度分布I(x)を検出すれば、光量変動の影響を低減で
きるため、被測定膜の入射角依存強度反射率R(θ)が高
精度に求まる。これにより被測定膜の特性値の測定精度
が向上する。
【0085】以下、本発明の他の実施例を説明する。本
実施例は感光性薄膜の膜厚d、屈折率n、吸収係数kを
精度よく求めるものである。膜厚dは立体的な寸法であ
り波長に依存する値ではないが、屈折率nと吸収係数k
は膜材料の物性値であり波長により値が違う。特に感光
性薄膜の露光波長での屈折率nと吸収係数kの値は工業
上重要な意味を持つ。
【0086】例えば半導体製造業では、感光性材料の一
種であるホトレジストを用い、原版パターンをウェーハ
表面に塗布したホトレジスト膜に転写し、微細回路パタ
ーンを形成する。製造工程では転写を安定に行うため、
膜厚測定による工程管理が通常行っている。しかし転写
条件は膜厚だけでなく、露光波長での屈折率nと吸収係
数kにも依存する。
【0087】図14(a)は、ホトレジストの吸収係数の
分光特性を示し、実線は露光前、破線は露光後の特性で
ある。吸収係数がほぼ0である波長域は非感光波長域で
あり、波長λaの光を照射しても、ホトレジスト膜は光
エネルギを吸収せず、化学的な組成は変化しない。つま
り波長λaの光では、ホトレジストは感光しない。そこ
で半導体工場の露光ラインでは、非感光波長域の黄色光
で室内照明を行い、不要な露光を防いでいる。一方、露
光前に吸収係数が大きい波長域はホトレジストの感光波
長域であり、感光波長域の波長λbの光を照射しホトレ
ジスト膜を露光すると、光エネルギを吸収して組成が変
わり、同図に示すように吸収係数が低下する。つまりパ
ターン転写とは、感光波長域の光でホトレジスト膜の所
定の領域を露光して吸収係数を低下させ、露光されずに
元の吸収係数を保った領域との化学的な組成の違いで、
原版パターンをレジスト膜に転写する作業といえる。
【0088】パターン転写の安定化の一環として、露光
装置では一定の光エネルギを照射するような制御が行わ
れている。しかしこの制御では、露光前のホトレジスト
の吸収係数の値が異なれば、露光後の吸収係数(すなわ
ちホトレジスト膜の化学的な組成)が変動し、これがパ
ターン寸法誤差の要因となる。同様に、露光波長におけ
る屈折率の変動も誤差要因となる。従ってパターン転写
工程では、ホトレジスト膜の露光波長における屈折率と
吸収係数を、露光前に測定し管理することが重要であ
る。
【0089】しかし感光性薄膜の膜厚と露光波長におけ
る屈折率と吸収係数を測定するには、次に述べるような
難しさがある。図14(b)に示すように、測定光32を
感光性の被測定膜21に照射すると、膜表面で反射する
被測定膜反射光33cと、被測定膜内に入射し基板23
との境界面で反射してから射出する被測定膜通過光33
dに分かれる。本発明の薄膜特性値測定法が、被測定膜
反射光33cと被測定膜通過光33dの干渉により生じ
る等傾角干渉縞から、薄膜特性値を測定することは先に
述べた。この場合、被測定膜反射光33cと被測定膜通
過光33dの振幅が等しいほど干渉縞のコントラストが
大きくなり、測定精度は向上する。
【0090】これに対し、測定光32が感光波長λbの
光の場合は、被測定膜21に吸収性があるため、膜中を
通過する間に振幅が減衰する。このため被測定膜通過光
33dの振幅が被測定膜反射光33cに比べ小さくな
り、干渉縞のコントラストが低下する。
【0091】図5の理論計算例でも吸収係数が大きいほ
ど等傾角干渉縞、すなわち入射角依存強度反射率の変化
が小さくなっている。膜中での吸収のためにコントラス
トが低下した干渉縞は、膜厚に関する情報を多く持って
いない。このため感光波長で測定した場合、吸収性のあ
る感光性薄膜の膜厚、屈折率、吸収係数の3つの未知数
を精度良く測定することは難しい。
【0092】このため感光性薄膜の特性値を精度良く測
定するため、感光波長での測定だけでなく非感光波長の
測定も行う。図14(c)に示すように、非感光波長λa
の測定光32を用いると、被測定膜通過光33dは膜内
で減衰しないため、膜厚に関する情報を十分含んだ良好
なコントラストの干渉縞を検出できる。そこで測定光3
2の波長が非感光波長λaの場合の干渉縞から、被測定
膜21の膜厚と非感光波長λaにおける屈折率と吸収係
数をまず求める。次に測定光32の波長を感光波長λb
として測定する。ここでは非感光波長λaでの測定で求
めた膜厚を既知の値として扱い、感光波長λbにおける
屈折率と吸収係数を求めればよい。
【0093】本発明は感光性薄膜の吸収係数が分光特性
を有することに着目し、非感光波長と感光波長の2波長
で測定することにより、膜厚と露光波長における屈折率
と吸収係数を求める手法である。以下、本発明を2波長
測定法と呼ぶことにする。
【0094】以上の2波長測定法に基づく薄膜特性値測
定装置の実施例を図15に示す。本実施例は非感光波長
透過用単色光フィルタ4aと感光波長透過用単色光フィ
ルタ4bを交換できる光学系と、各波長での検出信号を
処理できるようにしたものである。非感光波長測定での
検出信号処理系は、被測定膜の反射光強度分布を記憶す
る被測定膜メモリ8a、参照試料の反射光強度分布を記
憶する参照試料メモリ9a、センサの暗レベルを記憶す
る暗レベルメモリ12a、被測定膜の入射角依存強度反
射率を求める反射率演算部10a、薄膜特性値を求める
特性値決定部11aからなる。
【0095】一方、感光波長測定での検出信号処理系
は、被測定膜の反射光強度分布を記憶する被測定膜メモ
リ8b、参照試料の反射光強度分布を記憶する参照試料
メモリ9b、センサの暗レベルを記憶する暗レベルメモ
リ12b、被測定膜の入射角依存強度反射率を求める反
射率演算部10b、薄膜特性値を求める特性値決定部1
1bからなる。感光波長の特性値決定部11bは、非感
光波長の特性値決定部11aで求めた膜厚dを既知の値
として用い、感光波長における屈折率nと吸収係数kを
求める。もちろん感光波長の特性値決定部11bは、非
感光波長の特性値決定部11aで求めた膜厚dを粗検出
結果として扱い、膜厚範囲をd±Δdに限定して膜厚を
再度に決定してもよい。
【0096】2波長測定法は、感光性薄膜の測定に有益
なだけでなく、膜特性値決定のための計算量低減にも効
果がある。被測定膜で可能性のある膜厚d、屈折率n、
吸収係数kの最大、最小をmax、minの添字で示し、測定
分解能をdr、nr、krとする。1波長だけの測定で3
つの未知数を決定するために必要な、(数9)もしくは
(数10)の計算回数C1は、(数11)に示したように、
【0097】
【数11】
【0098】と表される。ただし、Nd、Nn、Nkは
各特性値の分解点数である。一方、2波長測定では、非
感光波長における吸収係数が0、感光波長測定での膜厚
は既知として扱うことにすれば、計算回数C2
【0099】
【数25】
【0100】となる。ここで
【0101】
【数26】
【0102】であるので、Nd、Nkがともに2より大
きい場合は、C1>C2を満足する。薄膜特性値測定で
は、NdとNkは一般に2よりはるかに大きいので、2
波長測定をすることで、計算量を大幅に低減でき、高速
に特性値を決定できる。
【0103】次に吸収性のある感光性薄膜の特性値を精
度良く測定するための他の実施例を説明する。
【0104】本実施例では、感光波長での測定を、十分
長い時間測定光を照射した露光後にも行う。図14(a)
に示すように、ホトレジストの感光波長λbの光を照射
しホトレジスト膜を露光すると、光エネルギを吸収して
組成が変わり、吸収係数が低下する。この状態では図1
4(d)に示すように、感光波長λbの測定光32を用い
ても、被測定膜通過光33dの膜内での減衰が少なくな
るため、膜厚に関する情報を含んだ干渉縞を検出でき
る。そこで、感光波長λbの測定光32を照射し始めた
ときの干渉縞sと、被測定膜21が測定光32により十
分露光し吸収係数が低下したときの干渉縞eを検出す
る。そしてまず干渉縞eより、露光後の膜厚d,屈折率
e、吸収係数keを求める。次にここで求めた膜厚dを
既知の値として、干渉縞sから測定開始時の屈折率ns
と吸収係数ksを求める。
【0105】露光前後に膜厚変動がある場合などには、
膜厚範囲をd±Δdに限定して屈折率ns、吸収係数ks
とともに測定開始時の膜厚を再度決定してもよい。本発
明は、感光性薄膜の吸収係数が、露光後に減少すること
に着目し、露光前後の検出結果を用い、膜厚と露光波長
における屈折率と吸収係数を求める手法である。以下、
本発明を露光前後測定法と呼ぶことにする。
【0106】上記した露光前後測定法に基づく薄膜特性
値測定装置の実施例を図16に示す。
【0107】本実施例は、図6と同様な光学系、参照試
料の反射光強度分布を記憶する参照試料メモリ9、セン
サの暗レベルを記憶する暗レベルメモリ12、露光後の
膜特性値を求める信号処理系、測定開始時の膜特性値を
求める信号処理系からなる。露光後の膜特性値を求める
信号処理系は、露光後の被測定膜の反射光強度分布を記
憶する被測定膜メモリ8e、反射率演算部10e、特性
値決定部11eからなる。また測定開始時の膜特性値を
求める信号処理系は、測定開始時の反射光強度分布を記
憶する被測定膜メモリ8s、反射率演算部10s、特性
値決定部11sからなる。
【0108】測定開始時の特性値決定部11sは、露光
後の特性値決定部11eで求めた膜厚dを既知の値とし
て用い、測定開始時の屈折率nと吸収係数kを求める。
もちろん特性値決定部11sは、特性値決定部11eで
求めた膜厚dを粗検出結果として扱い、膜厚範囲をd±
Δdに限定して、測定開始時の屈折率nと吸収係数kと
ともに膜厚を再度決定してもよい。
【0109】本発明を他の光学系の構成で実現する実施
例を図17で説明する。
【0110】本実施例は、図6で示した照明側レンズ5
と検出側レンズ6の光軸の入射角θdを0度にしたもの
で、照明側レンズ5と検出側レンズ6を、光軸が被測定
膜に垂直な一つの対物レンズ41に置き換えたものであ
る。
【0111】本測定装置の光学系は、光源1、コリメー
ト用レンズ2、偏光素子3、非感光波長透過用単色光フ
ィルタ4a、感光波長透過用単色光フィルタ4b、ハー
フミラー55、光電変換型の光量検出器58、ハーフミ
ラー43、対物レンズ41、リレーレンズ42、光量蓄
積型のリニアセンサ7からなる。リレーレンズ42は、
対物レンズ41の後焦点面34上の強度分布をリニアセ
ンサ7のセンサ面に投影する。信号処理系は、光量変動
補正部80、加算平均部13、被測定膜21の反射光強
度分布を記憶する被測定膜メモリ8、参照試料22の反
射光強度分布を記憶する参照試料メモリ9、センサの暗
レベルを記憶する暗レベルメモリ12、被測定膜21の
入射角依存強度反射率を求める反射率演算部10、数9
もしくは数10の評価関数Mを用いて薄膜特性値を求め
る特性値決定部11からなる。
【0112】本光学系は、数3から分かるように、光路
差が生じやすい入射角0度付近の干渉縞を検出できるた
め、測定感度を向上できる利点がある。また光学系の調
整が容易になることも本実施例の利点である。
【0113】次に上記光学系を用い、測定精度を向上す
るための他の実施例を説明する。まず精度劣化原因を説
明する。被測定膜に光軸が垂直な一つの対物レンズ41
を用いた光学系では、図18に示すように光軸付近を通
過する照明光32eによる迷光が、測定誤差要因とな
る。なぜなら対物レンズ41の光軸付近は光軸にほぼ垂
直なため、光軸付近を通過する照明光32eが対物レン
ズ41の表面で反射した光は、迷光としてリニアセンサ
7で検出されてしまう。このため本来検出すべき反射光
強度分布44に対し、リニアセンサ7で実際に検出され
る反射光強度分布45は、光軸周辺で強度が増加したも
のとなる。このため膜特性値の測定誤差が生じる。この
迷光は対物レンズ41と被測定膜21の間での反射によ
っても生じるため、試料を退避した状態で暗レベル検出
を行っても完全には除去できない。
【0114】一方、対物レンズ41の光軸から離れたと
ころは、表面が光軸に対し傾いているため、ここを通過
する照明光32cの反射光はリレーレンズを通過できな
いため迷光にはならない。
【0115】対物レンズ41の光軸付近を通過する照明
光32eによる迷光を除去するには、測定光波長を反射
防止するコーティングを対物レンズ41の表面に施すこ
とが有効である。測定光がある決められた1つの波長の
場合には、この方法でよい。しかし前述のように感光性
薄膜の測定するため、感光/非感光の2つの波長の測定
光を使用する場合は、両波長を共に反射防止する必要が
ある。このような反射防止コーティングを実現すること
は技術的に容易ではなく、できたとしても製造コストが
増加する。また感光性薄膜の種類や露光波長は多岐に及
ぶため、一つの測定装置で多くの種類の感光性薄膜を測
定するには、広い波長範囲での反射防止コーティングが
必要となり、これは実現困難である。そこで反射防止コ
ーティング以外の迷光防止法が必要となる。
【0116】反射防止コーティングによらない迷光防止
法の実施例を図19に示す。本実施例は光軸付近の照明
光線を遮光することで、対物レンズ41の光軸付近の迷
光を防止し、後焦点面上の反射光強度分布をリニアセン
サ7で検出する方法の原理図を示している。同図(a)の
実施例は、光軸付近を通過する照明光を遮光板46で遮
光し、ハーフミラー43で反射し、対物レンズ41に入
射させるものである。照明光32fは被測定膜21で反
射し、リニアセンサ7の領域7fで検出され、照明光3
2gは領域7gで検出される。光軸付近は照明されない
ので、迷光を含まず後焦点面上の反射光強度分布を検出
できる。
【0117】同図(b)の実施例は、光軸付近を通過する
照明光を含めて、後焦点面の半分を遮光板47で遮光
し、ミラー48で反射し、対物レンズ41に入射させる
ものである。照明光32fは被測定膜21で反射し、リ
ニアセンサ7で検出される。この実施例でも光軸付近は
照明されないので、迷光を含まず後焦点面上の反射光強
度分布を検出できる。
【0118】感光性薄膜を感光波長で測定する場合に
は、照明光により被測定膜の化学的な組成が徐々に変化
する。このため感光性薄膜の露光を抑制しつつ、かつリ
ニアセンサ7が十分なS/N比で検出できる反射光量を
確保すべきである。図19(b)の実施例では、被測定膜
21を反射した光が直接リニアセンサ7に達する。この
ため被測定膜21に照射される照明光量が同一でも、ハ
ーフミラー43を使用する同図(a)の実施例に比べ、大
きな反射光量が得られる。被測定膜をあまり露光せずに
後焦点面上の反射光強度分布を精度よく測定できるた
め、感光性薄膜を感光波長で測定するには同図(b)の光
学系の構成が適している。
【0119】図1は本発明において、図19(b)の実施
例の原理にもとづき光軸付近の迷光を防止した薄膜特性
値測定装置の実施例を示す。本実施例は、感光性薄膜を
測定するため2波長測定法を適用し、さらに感光/非感
光の2つの波長での測定を同時に行うことができる光学
系の構成を示している。
【0120】まず光軸付近の迷光を防止する光学系の実
施例を主体に説明する。図1に示す光学系は、照明系、
光量検出系、後焦点面検出系、試料面検出系からなり、
同図において照明光は実線、試料面から反射光は破線で
示している。照明系は、水銀ランプ光源1、集光レンズ
48、赤外線を吸収する熱線吸収フィルタ49、シャッ
ター50、レンズ51、フィルタ4c、非感光波長透過
用単色光フィルタ4d、遮光板47、レンズ52、視野
絞り53、レンズ54、偏光板3、直角ミラー60、フ
ィールドレンズ61、結像レンズ62、無限遠補正系の
対物レンズ41からなる。光量検出系はハーフミラー5
5、ダイクロイックミラー56、非感光波長透過用単色
光フィルタ57、非感光波長光量検出器58a、感光波
長光量検出器58bからなる。
【0121】後焦点面検出系は、対物レンズ41、結像
レンズ62、直角ミラー60、フィールドレンズ61、
リレーレンズ67、ダイクロイックミラー68、非感光
波長透過用単色光フィルター69、非感光波長での後焦
点面強度分布検出用リニアセンサ7a、感光波長での後
焦点面強度分布検出用リニアセンサ7bからなる。試料
面検出系は対物レンズ41、結像レンズ62、直角ミラ
ー60、フィールドレンズ61、ハーフミラー66、非
感光波長透過用単色光フィルター71、TVカメラ72
からなる。なお移動機構65上の載置台64には、被測
定膜21を形成した基板23と参照試料22と試料面光
量検出器63が搭載され、測定位置にそれぞれを任意に
移動できる。また載置台64を測定位置から退避するこ
ともできる。試料面光量検出器63は、感光波長の測定
光の照射光量を測定するために設置されている。
【0122】光源1は集光レンズ48により結像し、レ
ンズ51に入射させる。光源結像位置からレンズ51ま
では、レンズ51の焦点距離だけ離れており、遮光板4
7はレンズ51の後側焦点位置に置かれる。遮光板47
は、レンズ52とレンズ54により、直角ミラー60の
直交面34bに投影される。また直交面34bはフィー
ルドレンズ61と結像レンズ62により、対物レンズ4
1の後焦点面34と共役な位置関係にある。従って遮光
板47と対物レンズ41の後焦点面34は共役な位置関
係となり、遮光板47の位置を調節することで、対物レ
ンズ41の光軸周辺に照明光が達しないようにすること
ができ、迷光を防止できる。
【0123】なおシャッター50は、不要な光を非測定
膜に照射しないために設置されている。また被測定膜2
1を感光せずに試料面を観察したい場合は、フィルタ4
cを非感光波長光透過用フィルタ4dに交換すればよ
い。
【0124】光量検出器58a、58bは直交面34b
と共役な位置に設置され、いずれも光電変換面は遮光板
47を通過した全照明光束を検出できる感光面を有する
検出器を用いる。光量検出器58a、58bの検出信号
は光源1の光量変動を観測するもので、この検出信号を
用いれば光量変動による反射光強度分布検出信号の変動
を補正でき、測定精度を向上できる。
【0125】レンズ51の手前で結像した光源像は、レ
ンズ51とレンズ52により、視野絞り53を設置した
位置に再結像する。視野絞り53はレンズ54とフィー
ルドレンズ61により、試料面の第1結像面70に投影
される。試料面の第1結像位置70は、無限遠補正系の
対物レンズ41と結像レンズ62により、試料面を結像
する位置である。従って、視野絞り53は試料面と共役
な位置関係にあり、視野絞り53の径を調整すること
で、試料面で照明光が照射される領域を制限できる。
【0126】被測定膜21で反射した光は、無限遠補正
系の対物レンズ41と結像レンズ62により、第1結像
面70に試料面の像を結像する。第1結像面70の試料
面像は、直角ミラー60とハーフミラー66で反射した
後、フィールドレンズ61の結像作用によりTVカメラ
72に結像する。本実施例では、試料に対し斜めに照明
光が入射するため、試料面の高さ位置が変われば、TV
カメラ72で撮像する試料面像が紙面の左右方向に移動
する。そこでTVカメラ72で検出した試料面像の左右
方向の位置を検出することで、試料面の高さ位置を一定
にする自動焦点合わせを実現できる。
【0127】被測定膜21で反射した光は、無限遠補正
系の対物レンズ41の後焦点面34上で、入射角依存強
度反射率に対応した反射光強度分布(等傾角干渉縞)を
生じる。後焦点面34上反射光強度分布は、結像レンズ
62とフィールドレンズ61により、直角ミラー60の
直交面34bにまず結像する。ただし結像位置は照明光
通過位置とは反対側になる。直交面34bに結像した後
焦点面34上の反射光強度分布は、直角ミラー60で反
射したのちレンズ67によりリニアセンサ7a、リニア
センサ7bに結像する。そしてリニアセンサ7a、7b
の検出信号により、被測定膜の特性値を求める。
【0128】次に本実施例で、感光性薄膜を測定するた
め感光/非感光の2つの波長での測定を行う2波長測定
を同時に行う方法を説明する。
【0129】2波長測定を同時に行うには、上記光学系
で用いられたフィルター等を以下に示す特性にすればよ
い。図2(a)は水銀ランプ光源1の分光強度特性を示し
ている。同図に示すように水銀ランプから発する光は、
輝線という発光強度が非常に強い波長があり、通常これ
らをi線(365nm)、e線(546.1nm)などと英
字で略称している。また同図(d)は半導体の露光に用い
られるホトレジストの吸収係数の分光特性の一例であ
る。
【0130】ここでは感光波長をi線、非感光波長をe
線として本発明で先に説明した2波長測定を同時に行う
実施例を説明する。
【0131】図1に示した照明系のフィルタ4cは、同
図(b)に示す特性のものを使う。フィルタ4cはi線の
単色光フィルタであるが、この種のフィルタは、原理的
に長波長側に副透過帯と呼ばれる透過域が生じる。本実
施例ではこの副透過帯を積極的に利用する。同図(c)は
水銀ランプ光源1の光をフィルタ4cに通過させたとき
の分光強度特性である。感光波長域ではi線だけの単色
光となるが、非感光波長は複数の輝線が残存する。この
ような分光特性の照明光で被測定膜21を照明し反射光
を検出する。
【0132】図1に示した後焦点面検出系のダイクロイ
ックミラー68には、同図(e)に示す特性のものを用い
る。こうすればダイクロイックミラー68の透過側は感
光波長のi線の単色光になる。従ってリニアセンサ7b
ではi線単色光で、対物レンズ41の後焦点面34上の
反射光強度分布を検出できる。ダイクロイックミラー6
8の反射側には複数の非感光波長の輝線が含まれるた
め、さらに同図(f)に示す非感光波長透過用単色光フィ
ルタ69を挿入する。この様にすることで、リニアセン
サ7aではe線単色光で、対物レンズ41の後焦点面3
4上の反射光強度分布を検出できる。また光量検出系の
ダイクロイックミラー56、非感光波長透過用単色光フ
ィルタ57にも同じ特性の光学素子を用いればよい。
【0133】以上の特性のフィルタとダイクロイックミ
ラーを用い、図1の構成の光学系にすることにより、感
光波長と非感光波長の後焦点面反射光強度分布検出及び
光量検出を同時に行える。これにより、感光波長と非感
光波長の切換えが不要となり、高速に感光性薄膜の膜
厚、屈折率、吸収係数を測定できる。なお図1の試料面
検出系に挿入した非感光波長透過用単色光フィルタ71
も同図(f)の特性を有するものを用いれば、色収差の影
響を低減でき、良好な試料面像が得られる。
【0134】図3に、図1の薄膜測定装置の信号処理系
の実施例を示す。非感光波長の信号処理系は、リニアセ
ンサ7aと光量検出器58aの信号を入力する光量変動
補正部80、被測定膜の反射光強度分布を記憶する被測
定膜メモリ8a、参照試料の反射光強度分布を記憶する
参照試料メモリ9a、リニアセンサ7aの暗レベルを記
憶する暗レベルメモリ12a、被測定膜の入射角依存強
度反射率を求める反射率演算部10a、薄膜特性値を求
める特性値決定部11aからなる。
【0135】反射率演算部10aは、差分回路90a、
91a、割算回路92a、非感光波長での参照試料の理
論反射率演算部93a、掛算回路94aにより数24の
演算を実行する。感光波長の信号処理系も、同様な構成
になっている。ただし感光波長の特性値決定部11b
は、非感光波長の特性値決定部11aで求めた膜厚dを
既知の値として用い、感光波長における屈折率nと吸収
係数kを求める。もちろん感光波長の特性値決定部11
bは、非感光波長の特性値決定部11aで求めた膜厚d
は粗検出結果として扱い、膜厚範囲をd±Δdに限定し
て、感光波長における屈折率と吸収係数とともに膜厚を
再度決定してもよい。
【0136】前記実施例は、感光波長と非感光波長の測
定を同時に行うものであるが、もちろん図15に示した
ように、フィルタの交換により波長を限定してもかまわ
ない。この場合、光学系の光量検出器と後焦点面反射光
強度分布検出用リニアセンサは1式だけにしてもよい。
この場合、信号処理系も適宜省略できるであろう。また
光源1を水銀ランプとしたが、これは水銀キセノンラン
プなど、被測定膜の感光/非感光波長の光を発光する光
源であれば、他の光源を用いてもよい。
【0137】以上の実施例では、後焦点面の反射光強度
分布検出器として1次元に光電変換素子が配列されたリ
ニアセンサを用いていたが、2次元に光電変換素子が配
列されたTVカメラを用いてもよい。2次元検出器を用
いれば、後焦点面の2次元像を観察できるので、光学系
の調整が容易になる利点がある。
【0138】また実施例では照明方法として光源像を試
料面に結像させるクリティカル照明法で説明したが、本
発明では参照試料を用いることで照度むらの影響を除去
できるので、照明側レンズの後焦点面上に光源を結像さ
せるケーラー照明にしてもよい。
【0139】以上、本発明によれば、等傾角干渉縞を検
出することで、被測定膜の入射角依存強度反射率を絶対
値を正確に求めることができ、これにより薄膜の膜厚、
屈折率、吸収係数を高精度かつ高速に測定することが可
能になる。また工業上重要な感光性薄膜の測定において
も、感光材料の分光特性に着目した感光波長及び非感光
波長の2波長で検出することにより、感光波長における
屈折率と吸収係数も高精度かつ高速に測定できる。
【0140】
【発明の効果】本発明によれば、薄膜の膜厚、屈折率、
吸収係数を高精度に測定することができ、特にホトレジ
スト等の感光性薄膜の測定に有効である。例えば半導体
製造業においては、パターン寸法精度を劣化させるホト
レジスト膜の膜厚、屈折率、吸収係数の変動を容易に検
出できるため、ホトレジストの品質管理や塗布装置の動
作監視を従来より高精度に行える。これにより半導体製
造歩留まりの向上に大きく寄与できる。このほか、感光
性薄膜を用いるリソグラフィ技術を応用した各種工業分
野でも同様な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜特性値測定装置の構成図である。
【図2】本発明の薄膜特性値測定装置に用いる光学素子
特性の説明図である。
【図3】本発明の薄膜特性値測定装置の薄膜特性値測定
装置の信号処理系の機能ブロック図である。
【図4】等傾角干渉の原理図である。
【図5】入射角依存強度反射率の理論計算例である。
【図6】鏡面参照試料を用いて被測定膜の入射角依存強
度反射率を求め薄膜特性値を測定する装置の構成図であ
る。
【図7】平行光束の入射角と後焦点面上集光位置の関係
の説明図である。
【図8】鏡面参照試料を用いて被測定膜の入射角依存強
度反射率を求める方法の原理図である。
【図9】被測定膜の入射角依存強度反射率を求める手順
の説明図である。
【図10】加算平均処理で測定精度を向上する薄膜特性
値測定装置の構成図である。
【図11】照明光量変動補正により測定精度を向上する
薄膜特性値測定装置の構成図である。
【図12】照明光量変動補正の原理図である。
【図13】照明光量変動補正回路の機能ブロック図であ
る。
【図14】感光性薄膜を測定するための2波長測定法と
露光前後測定法の原理説明図である。
【図15】2波長測定法を適用した薄膜特性値測定装置
の構成図である。
【図16】露光前後測定法を適用した薄膜特性値測定装
置の構成図である。
【図17】光軸が被測定膜に垂直なレンズを検出光学系
に用いた薄膜特性値測定装置の構成図である。
【図18】光軸が被測定膜に垂直なレンズを用いた検出
光学系で生じる迷光の説明図である。
【図19】光軸が被測定膜に垂直なレンズを用いた検出
光学系で生じる迷光防止方法の説明図である。
【符号の説明】
1…光源 2…コリメート用レンズ 3…偏光板
4…単色光透過フィルタ 4a…非感光波長透過用
単色光フィルタ 4b…感光波長透過用単色光フィル
タ 4c…フィルタ 4d…非感光波長透過用フィ
ルタ 5…照明側レンズ 6…検出側レンズ 7
…リニアセンサ 7a…非感光波長光検出用リニアセ
ンサ 7b…感光波長光検出用リニアセンサ 8…
被測定膜メモリ 9…参照試料メモリ 10…反射
率演算部 11…特性値決定部 12…暗レベルメモリ 13…加算平均部 21…
被測定膜 22…参照試料 23…被測定膜を形成
した基板 24…空気と被測定膜の境界面 25…被測定膜を形成した基板と被測定膜の境界面
31…照明光照度むら 32…照明光 33…反射光 33c…被測定膜反
射光 33d…被測定膜通過光 34…検出側レン
ズの後焦点面 36…検出側レンズの光軸 41…対物レンズ 42…リレーレンズ 43…ハ
ーフミラー 44…迷光を含まない反射光強度分布
45…迷光を含んだ反射光強度分布 46…遮光板
47…遮光板 49…熱線吸収フィルタ 50
…シャッター 51…レンズ 52…レンズ 53…視野絞り
54…レンズ 55…ハーフミラー 56…ダイク
ロイックミラー 57…非感光波長透過用単色光フィ
ルタ 58…光量検出器 58a…非感光波長光量
検出器 58b…感光波長光量検出器 60…直角
ミラー 61…フィールドレンズ 62…結像レンズ 63…試料面光量検出器 64
…載置台 65…移動機構 66…ハーフミラー
67…リレーレンズ 68…ダイクロイックミラー
69…非感光波長透過用単色光フィルタ 70…
ハーフミラー 71…非感光波長透過用単色光フィルタ 72…TV
カメラ 73…暗レベル用記憶装置 80…光量変
動補正部 81…積分回路 83…A/D変換器
84…サンプル・ホールド回路 85…A/D変換
器 86…デジタル割算器 87…アナログ割算器
88…A/D変換器 80…光量変動補正部
90…差分回路 91…差分回路 92…割算回路
93…参照試料の理論反射率演算部 94…掛算
回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 窪田 仁志 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薄膜試料の等傾角干渉縞から薄膜特性値を
    測定する方法において、薄膜試料の等傾角干渉縞の強度
    分布検出値と、測定波長における屈折率と吸収係数が既
    知の参照試料の等傾角干渉縞の強度分布検出値と、該参
    照試料の測定波長における入射角依存強度反射率特性の
    理論計算値より、該薄膜試料の入射角依存強度反射率特
    性を算出し、薄膜の膜厚、屈折率、吸収係数を測定する
    ことを特徴とする薄膜特性値測定方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の薄膜特性値測定方法にお
    いて、薄膜試料の入射角依存強度反射率特性と、任意の
    膜厚、屈折率、吸収係数の組を代入して理論計算した入
    射角依存強度反射率特性を比較し、両者が最も一致する
    場合の、膜厚、屈折率、吸収係数の組を測定結果として
    出力することを特徴とする薄膜特性値測定方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の薄膜特性値測定方法にお
    いて、試料を退避したときの等傾角干渉縞観測面での強
    度分布検出値を用いて、該薄膜試料の入射角依存強度反
    射率特性を算出することを特徴とする薄膜特性値測定方
    法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の薄膜特性値測定方法にお
    いて、等傾角干渉縞の強度分布を複数回の検出し、その
    平均値を等傾角干渉縞の強度分布検出値とすることを特
    徴とする薄膜特性値測定方法。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の薄膜特性値測定方法にお
    いて、照明光量検出値を用いて、薄膜試料と参照試料の
    等傾角干渉縞の強度分布検出値を各々補正した後、該薄
    膜試料の入射角依存強度反射率特性を算出することを特
    徴とする薄膜特性値測定方法。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の薄膜特性値測定方法にお
    いて、薄膜試料の吸収係数が小さい波長における等傾角
    干渉縞の強度分布検出値から膜厚を求め、該膜厚値及び
    薄膜試料の吸収係数が大きい波長における等傾角干渉縞
    の強度分布検出値から屈折率、吸収係数を測定すること
    を特徴とする薄膜特性値測定方法。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の薄膜特性値測定方法にお
    いて、薄膜試料の吸収係数が小さい波長と吸収係数が大
    きい波長における等傾角干渉縞の強度分布検出値を同時
    に検出することを特徴とする薄膜特性値測定方法。
  8. 【請求項8】請求項1に記載の薄膜特性値測定方法にお
    いて、感光性薄膜試料の非感光波長における等傾角干渉
    縞の強度分布検出値から膜厚を求め、該膜厚値及び感光
    性薄膜試料の感光波長における等傾角干渉縞の強度分布
    検出値から屈折率、吸収係数を測定することを特徴とす
    る薄膜特性値測定方法。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の薄膜特性値測定方法にお
    いて、感光性薄膜試料の非感光波長と感光波長における
    等傾角干渉縞の強度分布検出値を同時に検出することを
    特徴とする薄膜特性値測定方法。
  10. 【請求項10】請求項1に記載の薄膜特性値測定方法に
    おいて、感光性薄膜試料を感光波長の光で十分露光して
    吸収係数が小さくなった時の等傾角干渉縞の強度分布検
    出値から該感光性薄膜試料の膜厚を求め、該膜厚値及び
    露光開始時の該感光性薄膜試料の等傾角干渉縞の強度分
    布検出値を用いて、露光開始時の該感光性薄膜試料の膜
    厚と感光波長における屈折率と吸収係数を測定すること
    を特徴とする薄膜特性値測定方法。
  11. 【請求項11】請求項1に記載の薄膜特性値測定方法に
    おいて、光軸が薄膜試料に垂直な対物レンズを用い、ぼ
    ぼ垂直方向からの照明光を含まない収束光で薄膜試料を
    照明し、薄膜試料の等傾角干渉縞の強度分布を検出する
    ことを特徴とする薄膜特性値測定方法。
  12. 【請求項12】請求項11に記載の薄膜特性値測定方法
    において、対物レンズの後焦点面上で照明光と薄膜試料
    からの反射光が同一位置を通過することなく薄膜試料の
    等傾角干渉縞の強度分布を検出することを特徴とする薄
    膜特性値測定方法。
  13. 【請求項13】薄膜試料の等傾角干渉縞から薄膜特性値
    を測定する方法において、薄膜試料の吸収係数の小さい
    波長における等傾角干渉縞の強度分布検出値から膜厚を
    求め、該膜厚値及び薄膜の吸収係数が大きい波長におけ
    る等傾角干渉縞の強度分布検出値から屈折率、吸収係数
    を測定することを特徴とする薄膜特性値測定方法。
  14. 【請求項14】請求項13に記載の薄膜特性値測定方法
    において、薄膜試料の吸収係数が小さい波長と吸収係数
    が大きい波長における等傾角干渉縞の強度分布検出値を
    同時に検出することを特徴とする薄膜特性値測定方法。
  15. 【請求項15】薄膜試料の等傾角干渉縞から薄膜特性値
    を測定する方法において、感光性薄膜試料の非感光波長
    における等傾角干渉縞の強度分布検出値から膜厚を求
    め、該膜厚値及び感光性薄膜試料の感光波長における等
    傾角干渉縞の強度分布検出値から屈折率、吸収係数を測
    定することを特徴とする薄膜特性値測定方法。
  16. 【請求項16】請求項15に記載の薄膜特性値測定方法
    において、感光性薄膜試料の感光波長と非感光波長の等
    傾角干渉縞の強度分布検出値を同時に検出することを特
    徴とする薄膜特性値測定方法。
  17. 【請求項17】光源と、波長を限定する光学素子と、偏
    光素子と、試料に収束光を照射するため照明用レンズ
    と、試料から反射する発散光をとらえる検出用レンズ
    と、該検出用レンズの後焦点面上の強度分布を検出する
    装置を有する薄膜特性値測定装置であって、薄膜試料の
    後焦点面強度分布検出値と、屈折率と吸収係数が既知の
    参照試料の後焦点面強度分布検出値と、参照試料の入射
    角依存強度反射率特性の理論計算値から薄膜試料の入射
    角依存強度反射率特性を算出する装置と、該入射角依存
    強度反射率特性から薄膜の膜厚、屈折率、吸収係数を決
    定する装置を備えたことを特徴とする薄膜特性値測定装
    置。
  18. 【請求項18】請求項17に記載の薄膜特性値測定装置
    において、照明用レンズと検出用レンズを光軸が薄膜試
    料に垂直な一つの対物レンズで兼用し、かつぼぼ垂直方
    向からの照明光を含まない収束光で薄膜試料を照明する
    光学系にしたことを特徴とする薄膜特性値測定装置。
  19. 【請求項19】請求項18に記載の薄膜特性値測定装置
    において、対物レンズの後焦点面上で照明光と薄膜試料
    からの反射光が同一位置を通過しない光学系にしたこと
    を特徴とする薄膜特性値測定装置。
  20. 【請求項20】請求項17に記載の薄膜特性値測定装置
    において、薄膜試料の吸収係数が小さい波長と大きい波
    長に照明波長を限定する光学素子を備えたことを特徴と
    する薄膜特性値測定装置。
  21. 【請求項21】請求項17に記載の薄膜特性値測定装置
    において、薄膜試料の吸収係数が小さい波長と大きい波
    長における等傾角干渉縞の強度分布を同時に検出する光
    学系にしたことを特徴とする薄膜特性値測定装置。
  22. 【請求項22】請求項17に記載の薄膜特性値測定装置
    において、薄膜参照試料を同時に載置台に搭載できる構
    成にしたことを特徴とする薄膜特性値測定装置。
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