JPH0770792A - 生産性および黒色化に優れた黒色化処理鋼板の製造方法 - Google Patents

生産性および黒色化に優れた黒色化処理鋼板の製造方法

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JPH0770792A JP21989193A JP21989193A JPH0770792A JP H0770792 A JPH0770792 A JP H0770792A JP 21989193 A JP21989193 A JP 21989193A JP 21989193 A JP21989193 A JP 21989193A JP H0770792 A JPH0770792 A JP H0770792A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高生産性で黒色化度の優れた黒色化処理鋼板を
製造する方法を提供する。 【構成】亜鉛系合金めっき鋼板を、塩素酸イオン(Cl
3 - )を5〜100g/l、SO4 2- イオンを10〜
300g/l含み、pHが0.5以上2.5以下の溶液
中で、温度30〜75℃、電気量10〜300クーロン
/dm2 の条件で陽極処理し、さらに陽極処理鋼板上に
水系アクリル樹脂分散クロメート層を0.3〜2.5μ
m形成する。上記溶液が、さらに添加助剤として、Cl
- 、NO3 - 、H2 2 、Ni2+、Co2+、Fe2+、お
よびMn2+よりなる群から選択された少なくとも1種を
合計で5〜100g/l含むのがよい。前記水系アクリ
ル樹脂分散クロメート層中のアクリル樹脂とCrとの比
率がアクリル樹脂100重量部に対してCrが2〜10
重量部であるのがよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建材、家電、自動車等
の分野に使用される外観均一な黒色化層を有する黒色化
処理鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、表面を黒色化処理した鋼板が家
電、複写機、情報通信機、自動車部品、内装建材等に広
く利用されている。この黒色鋼板の製造方法としては、
(1)黒色塗装、(2)化学処理法、(3)黒色クロメ
ート法、(4)陽極処理法、(5)陰極処理法等があ
る。中でも、陽極処理法は工業的な製造方法として、特
公昭61−60915号公報、特公昭63−46158
号公報、特公昭63−46159号公報に開示されてい
る。
【0003】陽極処理法は、一度鋼板上に形成した亜鉛
合金めっき層から合金成分の一部を電解液中に溶出させ
て着色するので陰極法に比べて工業的には不利である
が、品質上密着性および外観均一性は他の方法より優れ
る利点がある。下地めっきの条件に左右されずに均一な
着色層を有する黒色処理鋼板を製造する方法を提供する
ことを目的として本発明者らは新たな着色化処理鋼板の
製造方法(特開平04−143293号公報)を提案し
た。
【0004】しかし、実際これらの条件で商業的規模で
の生産を開始すると次の問題が発生した。 生産中に亜鉛等の金属水酸化物の発生 陰極等に形成された物質の脱落 スパーク痕の発生
【0005】生産量が増えると共に陽極処理のため電解
液中にZnが蓄積していく。陰極側では水素発生のため
電解液のpHが上昇するのでpH調整が必要となる。電
解液が電解槽より貯蔵槽に戻った時pH調整されるので
時間的な遅れが生じ、電解槽のpHは貯蔵槽より高くな
る。従って、Zn量が蓄積していくと電解槽ではpH上
昇によりZnの水酸化物が形成され、次第に消失するこ
となく液中に浮遊し、ロールに付着し、異物の噛み込み
による欠陥傷発生原因となる。この時陰極等にも合金成
分が完全に金属に還元されない状態で付着したものが脱
落してロールに付着し、鋼板に傷をつけることがある。
【0006】水平電解槽では入側、出側にコンダクター
ロールを配置して通電する。しかし、黒色化処理時に両
側で通電すると電解槽出側で鋼板表面にスパーク痕に起
因する金属光沢状の小さな欠陥が生じる。全電流を入側
コンダクターロールに投入するとジュール熱により鋼板
が発熱し特に板厚が薄くなると顕著になり、電解液の温
度も上昇させるので黒色外観に悪影響を及ぼす。従っ
て、良好な黒色外観を維持して生産するためには、生産
速度は能力の半分に余儀なくされてしまう。
【0007】一定の品質を確保するためこの様な問題に
対して、 液中のZn濃度が一定値を越えたら電解液を新しい
のに交換する 一定量生産したら電極を取り出して研磨洗浄する 生産速度を能力の半分に抑制して操業する 等の措置を講じていた。この様な対処では生産のダウン
タイムが大きく、操業速度を上げる事もできず、生産性
を向上させるのが難しかった。
【0008】また、この様な問題に対して、 Zn除去装置 電解槽の増設 等の設備を設けることなども考えられるが、設備投資な
ど経済的にも容易なことではない。に関しては特開平
04−17695号公報が提案されているが、通電ロー
ルに酸あるいはアルカリをスプレーして間接的に鋼板の
表面処理をするので維持管理が難しく、脱色による幅方
向のムラが生じやすくなるなどの問題点があった。
【0009】前にも述べたように陰極側では水素ガスの
発生のため電解液中のpHが上昇し、溶出する亜鉛が水
酸化物を形成し、電解液中に浮遊しロールに異物として
噛み込まれるなどの欠陥を生じるのである。当業者であ
れば電解液のpHを下降させることによりこの様な問題
を容易に解決できると考える。しかし、pHを下げた場
合エッチングの影響により電解後の表面粗度は粗くなり
光沢が失われる。また、エッチングにより黒色化層が削
られ黒色皮膜の脱色が生じ、幅方向の外観の不均一の問
題も生じるなどの外観不良要因が多くなる。こういう問
題を解決することは困難であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、上述した種々の問題点を解決し、電解液のpHを下
げることにより、生産速度を向上させ、生産上発生する
金属水酸化物およびスパーク痕等によるめっき欠陥要因
を減少させ、また電力使用量を著減でき、他方pH低下
による表面外観の悪化傾向を樹脂クロメート被覆により
補って従来のものと同等もしくはそれ以上の品質の黒色
化処理鋼板を製造する方法を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、亜
鉛系合金めっき鋼板を、塩素酸イオン(ClO3 - )を
5〜100g/l、SO4 2- イオンを10〜300g/
l含み、pHが0.5以上2.5以下の溶液中で、温度
30〜75℃、電気量10〜300クーロン/dm2
条件で陽極処理し、さらに陽極処理鋼板上に水系アクリ
ル樹脂分散クロメート層を0.3〜2.5μm形成する
ことを特徴とする生産性および黒色化性に優れた黒色化
処理鋼板の製造方法を提供するものである。
【0012】ここで、上記溶液が、さらに添加助剤とし
て、Cl- 、NO3 - 、H2 2 、Ni2+、Co2+、F
2+、およびMn2+よりなる群から選択された少なくと
も1種を合計で5〜100g/l含むのが好ましい。さ
らに、前記水系アクリル樹脂分散クロメート層中のアク
リル樹脂とCrとの比率がアクリル樹脂100重量部
(乾燥重量)に対してCrが2〜10重量部であるのが
好適である。
【0013】
【作用】本発明は、pH降下による外観の外乱要因増を
甘受したうえで、あえて生産上の問題点の解決に活路を
見出したことに特徴がある。すなわちpHを下げれば粗
度や光沢が変わり、従来のユーザーのコンプレーン(苦
情)としてはねかえり、同一品質の製品を供給する責任
が問われる。しかし、コストダウンのためにも生産能力
をフルに活用する必要がある。そこで鋭意研究した結
果、pHダウンによる外観の問題については陽極処理鋼
板の上層に樹脂クロメート層を形成することにより問題
を解決できることが分かり、大いに推進できた。以下に
具体的な構成について述べる。
【0014】本発明においては、亜鉛系合金めっき鋼板
を電解液中にて陽極処理して黒色化鋼板を製造する。陽
極処理後樹脂クロメート層を形成する。対象となる亜鉛
系合金めっきとしては、Zn−Ni、Zn−Fe、Zn
−Co、Zn−Mnなどの二元合金めっき、あるいはZ
n−Ni−Co、Zn−Ni−Fe、Zn−Co−F
e、Zn−Fe−P、Zn−Ni−Pどの三元合金めっ
きなどを代表的に挙げることができ。
【0015】陽極処理に用いる電解液は、塩素酸イオン
(ClO3 - )を5〜100g/l、SO4 2- イオンを
10〜300g/l含み、そのpHは0.5以上2.5
以下である。この電解液を用いて電解する条件は、電解
液の温度30〜75℃、電解電気量10〜300クーロ
ン/dm2 とする。この電解液は添加助剤として、Cl
- 、NO3 - 、H2 2 、Ni2+、Co2+、Fe2+およ
びMn2+よりなる群から選択された1種以上を合計で5
〜100g/l含んでいるのが好ましい。
【0016】陽極電解により黒色化された鋼板上には、
水系アクリル樹脂分散クロメート層を形成するのが良
い。この樹脂クロメート層中のアクリル樹脂とCrとの
比率はアクリル樹脂100重量部に対してCrが2〜1
0重量部であるのが好ましい。
【0017】なお、本発明における水系アクリル樹脂分
散クロメート層とは、例えば、アクリル樹脂分散水溶液
とクロム酸の水溶液を混合した水溶液を鋼板に塗布、乾
燥してなる層を意味する。
【0018】次に、それぞれの構成要件の限定理由につ
いて説明する。電解液中のClO3 - イオンが5g/l
未満だと黒色化処理の寄与が小さく、100g/l超だ
と鋼帯の連続処理ではドラッグアウト(薬液の鋼板によ
る持ち出し)が大きく経済的ではない。またハロゲン酸
塩として用いる場合には、Na、K、NH4 、Ca、M
g等を一種あるいは二種以上用いてもその黒色化作用に
影響を及ぼさないが、Na塩は溶解度が大きく安価であ
るのでNa塩を用いるのが好ましい。
【0019】SO4 2- を10〜300g/l含む理由と
して、Zn系合金めっきの溶解を促進させ、特に黒色化
に必要なNi、Co、Fe、Mn等の合金成分の溶出を
容易にすることが挙げられる。10g/l未満では溶解
に効果が期待できず、pH緩衝性が悪くpH変動が大き
い。また、300g/lを越えると鋼帯の連続処理では
ドラッグアウトが大きく経済的ではなく、また冬場の温
度の低下により配管等を詰まらせるので好ましくない。
SO4 - イオン源としては、Na2 SO4 、K2
4 、(NH4 2 SO4、CaSO4 、MgSO4
溶解度が大であることから好ましい。
【0020】pHは0.5〜2.5の範囲が良い。より
好ましくはpH1〜2.0が良い。pHが0.5未満だ
と酸によるエッチングが強力で必要以上に進行し、着色
ムラが生じ、上層に樹脂クロメート層を形成しても修復
が不可能になるので好ましくない。また、pHが2.5
超になると図1に示すように同一のL値を得るための電
気量が急激に上昇し、生産性阻害の要因になっている。
すなわち、同一の外観を得るために低pH側では投入電
気量が少なくて済むので、電気量に比例して生産速度の
向上をはかることができる。この理由としてpH2.5
を超えるとエッチングによる亜鉛の溶解の効果が極端に
減少し、電解による溶解が支配的になるためである。な
お、図1で用いたZn系合金めっき鋼板は、Zn−12
%Ni合金めっき鋼板であり、電解液の組成はClO3
- 50g/l、SO4 2- 100g/lである。また
浴温は50℃である。
【0021】また、黒色化処理表面には亜鉛および合金
成分の硫酸塩および水酸化物の複合化合物が形成されて
おり、この層が厚くなると白色外観を呈し、黒色皮膜と
はならなくなる。この複合化合物は電気絶縁体であり、
スパーク痕の原因となる。図2には金属複合化合物
((Zn,Ni)・(SO4 x ・(OH)y ・zH2
O)中の元素であるSの推移を見ると、同一電気量で比
較すると低pH側でSが減少しているのが分かる。この
結果より電解液のpHを2.5以下、より好ましくは
2.0以下にすることによって、鋼板表面の金属複合化
合物の付着量が減少し、電解槽出側でスパーク痕が発生
するという欠陥をなくすことができ、電解槽の入出側両
側による通電、即ち生産速度の大幅な増加が可能になっ
た。なお、図2で用いたZn系合金めっき鋼板は、Zn
−12%Ni合金めっき鋼板であり、電解液の組成はC
lO3 - 50g/l、SO4 2- 100g/lであ
る。また浴温は50℃、電気量は100C/dm2 であ
る。
【0022】pH調整は、H2 SO4 、HCl、HNO
3 、HClO3 等の鉱酸、ハロゲン酸等を用いて行なう
ことができるが、本発明の目的を達成するものであれば
これらに限定されるものではない。
【0023】陽極処理に使用する溶液として前記ClO
3 - に加えて添加助剤としてCl-、NO3 - 、H2
2 、Ni2+、Co2+、Fe2+、およびMn2+のうちの1
種または2種以上、より好ましくは、Ni2+、Co2+
Fe2+、Mn2+、およびH22 のうちの1種または2
種以上を合計で5〜100g/l含むものを助剤として
用いることが黒色度を向上させるので好ましい。しか
し、5g/l未満では黒色化処理の寄与が小さく、また
100g/l超では鋼帯の連続処理においてドラッグア
ウトが大きく経済的ではない。また、黒色化処理の寄与
が小さくL値が大きくなる。これらが黒色化度向上の助
剤として有効な理由としては、Zn系合金めっき層を容
易にZn、Ni、Co、Fe、Mnイオンとして溶出さ
せたり、黒色化層に必要な金属イオンを黒色化処理鋼板
界面に供給していると考えられる。Cl- 、NO3 -
供給源としては、酸またはこれらのNa塩、Ka塩、ア
ンモニウム塩等が例示されるが、これらに限定されるも
のではない。またNi2+、Co2+、Fe2+、Mn2+の供
給源としては、これらの硫酸塩、塩化物、硝酸塩が例示
されるが、これらに限定されるものではない。
【0024】亜鉛系合金めっき鋼板のなかで、特にZn
−Ni合金めっき鋼板は生産量が多く品質も安定してい
るので、低コストの母材の入手に適している。Ni含有
率は自動車用に供給しているものが10〜15%の範囲
に入っており、この範囲では耐食性、めっき密着性、加
工性に優れているので、黒色化処理の対象鋼板として適
切である。そのほかZn−Fe合金めっき鋼板、Zn−
Co合金めっき鋼板、Zn−Mn合金めっき鋼板なども
使用される。
【0025】陽極処理に際しては、下地のめっきの目付
量に対して最適電気量を決める必要がある。通常自動車
用に生産されるZn−Ni合金めっき鋼板の目付量は鋼
板片面当たり20〜40g/m2 であり、これを用いた
場合、電気量は10〜300C/dm2 が最適である。
10C/dm2 未満では母材とのL値の変化が少なく効
果がない。300C/dm2 超では残留するZn−Ni
合金めっき層が薄くなり、めっき密着性が悪く品質が悪
化する。目付量が40g/m2 以上のZn−Ni合金め
っき鋼板でもこの電気量で一部対応が可能であるが、コ
ストアップになるので厚い目付は好ましくない。また、
他のZn系合金めっきの場合も同様である。
【0026】低pH側での電解の場合、エッチングが進
んで粗度が大きくなり光沢も減少する。また、L値のバ
ラツキを調べるとpH3.0ではσ=0.15(L値1
0n数=20)であるのに対してpH1.5ではσ=
0.27(同前)と色ムラが発現しやすくなり外観が悪
くなるのである。なお、外観不良とは、色ムラが発生す
ることをいう。
【0027】処理液の温度は30〜75℃、好ましくは
40〜60℃とする。30℃未満では、反応性に乏しい
ため十分な黒色化度が得られない他、処理液中の成分の
析出が生じ易い問題がある。75℃を超えると反応性が
高すぎて、この場合も生成する皮膜が十分に黒色化度を
呈さない。
【0028】従来、黒化処理後に耐食性確保と外観保護
のためにクロメートを施し、樹脂を被覆していた。低p
H化による外観の修復を検討したところ、クロメートと
樹脂を1コートで塗布することが最も効果があることが
分かった。樹脂クロメートとして安定に使用できる樹脂
は限られていたが、アクリル樹脂がクロム酸と混合した
場合安定な水溶液を得ることができ、水系アクリル樹脂
分散クロメート層を用いることによりL値のバラツキは
pH3.0でσ=0.10、pH1.5でσ=0.13
とほぼ同一のレベルに達した。理由は明らかではない
が、表面の凹凸が樹脂で埋められ、クロメート中のクロ
ムがL値を下げる働きをしたのではないかと推察され
る。水系アクリル樹脂分散クロメート層が乾燥膜厚で
0.3μm未満では外観の改良に効果がなく、2.5μ
mを越えると表面抵抗が増大し、溶接性、導電性などの
点から好ましくない。
【0029】水系アクリル樹脂分散クロメート層中のア
クリル樹脂とCrとの比率はアクリル樹脂100重量部
に対してCrが2〜10重量部が好ましい。Crが2重
量部未満の場合、L値のバラツキの低減効果が少なく、
耐食性にも劣る。Crが10重量部超の場合、電気絶縁
性が低下し、製品のスポット溶接性に劣る。
【0030】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。 (実施例)下記のZn系合金めっき鋼板を使用して表1
および2に示す浴および条件で陽極処理を行なった。黒
色化処理後、樹脂クロメート(水系アクリル樹脂 パル
トップ3966AX+BY:日本パーカー社製)を黒色
化処理表面に施し、カラーコンピューター(スガ試験機
(株)製)でL値を測定した。その結果を表1および2
に示す。本発明においては、L値はCIE(国際照明委
員会)表色系を基にR.S.ハンター(1948)によ
り提案されたハンターダイヤグラムで、色空間の明度を
示す。L値=15以下(樹脂クロメート塗布後)のとき
黒色化度が優れているものとする。なお、SO4 2- 量、
pHの調整はNa2 SO4 、H2 SO4 を用いて行なっ
た。
【0031】Zn−Ni合金めっき鋼板(発明例1〜1
2、16、17)(比較例1〜11、14) 付着量20g/m2 、Ni含有率 12重量% 鋼板 板厚0.7mm (SPCD) Zn−Fe合金めっき鋼板(発明例13)(比較例1
3) 付着量20g/m2 、Fe含有率 10重量% 鋼板 板厚0.7mm (SPCD) Zn−Co合金めっき鋼板(発明例14)(比較例1
2) 付着量20g/m2 、Co含有率 5重量% 鋼板 板厚0.7mm (SPCD) Zn−Mn合金めっき鋼板(発明例15)(比較例1
5) 付着量20g/m2 、Mn含有率 10重量% 鋼板 板厚0.7mm (SPCD) 樹脂クロメート中のCr付着量 50±10(mg/m
2
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、電解液のpHを下げる
ことにより、生産速度を倍増でき、生産上発生する金属
水酸化物およびスパーク痕等によるめっき欠陥要因を減
少させ、また、電力使用量を半減できるいう効果を得る
ことができた。また、pHダウンによる表面外観悪化傾
向を補う困難さを樹脂クロメート処理により従来のもの
と同等もしくは同等以上の品質の黒色化鋼板を製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 黒色化表面の同一外観を得るために必要な電
気量とpHの関係を示す図である。
【図2】 黒色皮膜上に形成された複合硫酸塩化合物量
とpHの関係を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 戸 塚 信 夫 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 栗 栖 孝 雄 千葉県千葉市稲毛区長沼町351番地 川崎 製鉄株式会社鋼構造研究所内 (72)発明者 奥 埜 計 造 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 成 瀬 義 弘 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】亜鉛系合金めっき鋼板を、塩素酸イオン
    (ClO3 - )を5〜100g/l、SO4 2- イオンを
    10〜300g/l含み、pHが0.5以上2.5以下
    の溶液中で、温度30〜75℃、電気量10〜300ク
    ーロン/dm2 の条件で陽極処理し、さらに陽極処理鋼
    板上に水系アクリル樹脂分散クロメート層を0.3〜
    2.5μm形成することを特徴とする生産性および黒色
    化性に優れた黒色化処理鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】上記溶液が、さらに添加助剤として、Cl
    - 、NO3 - 、H2 2 、Ni2+、Co2+、Fe2+、お
    よびMn2+よりなる群から選択された少なくとも1種を
    合計で5〜100g/l含む請求項1に記載の黒色化処
    理鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】上記溶液が、さらに添加助剤として、H2
    2 、Ni2+、Co2+、Fe2+、およびMn2+よりなる
    群より選択された少なくとも1種を合計で5〜100g
    /l含む請求項1に記載の黒色化処理鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】前記水系アクリル樹脂分散クロメート層中
    のアクリル樹脂とCrとの比率がアクリル樹脂100重
    量部(乾燥重量)に対してCrが2〜10重量部である
    請求項1〜3のいずれかに記載の黒色化処理鋼板の製造
    方法。
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