JPH0770685A - 高強度Al合金フィン材およびその製造方法 - Google Patents

高強度Al合金フィン材およびその製造方法

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JPH0770685A
JPH0770685A JP24589093A JP24589093A JPH0770685A JP H0770685 A JPH0770685 A JP H0770685A JP 24589093 A JP24589093 A JP 24589093A JP 24589093 A JP24589093 A JP 24589093A JP H0770685 A JPH0770685 A JP H0770685A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 重量% で、Mn:0.5 〜2%、Si:0.7 〜1.5%、
Fe:0.1 〜1.5%、Zr:0.05〜0.5%、Cr:0.05〜0.5%、T
i:0.02〜0.5%、V :0.05〜0.5%およびCu:0.001〜1%を
含有し、Zn:0.3 〜3%、Sn:0.02〜0.2%およびIn:0.00
5 〜0.05% のうち、少なくとも1 種を含有し、更に、必
要に応じてMg:0.05〜1.5%を含有し、残りがAlと不可避
不純物とからなる化学成分組成を有するAl合金フィン
材。また、上記化学成分組成を有するAl合金の溶湯を、
水冷金型、または、水冷装置を付帯した2個以上のロ−
ルを用いて、鋳込速度200 mm/min以上で連続鋳造するこ
とによって、厚さ50mm以下の板状体を調製し、必要に応
じて熱間圧延した後、次いで、冷間圧延および適宜焼鈍
をしてAl合金フィン材を製造する。 【効果】 熱伝導性、電気化学的性質(犠牲陽極効果)
および固相線温度(ろう付性)が殆ど影響を受けず、し
かも、熱間加工性を損なうことなく、ろう付後の強度が
向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ろう付工法によって
製造される自動車用熱交換器に用いられる高強度Al合金
フィン材およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、Al合金は軽くて熱伝導性にも優
れ、且つ、耐食性も良好であることから、自動車のラジ
エ−タ等の熱交換器の製造に広く用いられている。この
熱交換器は、例えば、Al−Mn系合金を芯材とし、この芯
材の片面または両面にAl−Si系合金のろう材をクラッド
したものからなるブレ−ジングシ−トで構成された管材
と、Al−Mn系合金のフィンとを組み合わせ、この組合せ
体を、真空中でろう付けするか、不活性雰囲気中または
大気雰囲気中でフラックスを用いてろう付けすることに
よって製造されている。
【0003】従って、熱交換器用Al合金製フィン材に
は、ろう付時におけるろう材の溶融温度以上の加熱に対
して変形しない十分な強度(耐高温座屈性) 、ろう付後
の熱交換器使用時における十分な強度、管材を防食する
ために管材に対して電気化学的に卑となる犠牲陽極効
果、管材中を流れる作動流体から効率よく抜熱し得る優
れた熱伝導性、および、フィン素材製造時の優れた熱間
加工性等が要求される。このような特性を満足するAl合
金フィン材として、従来からAl−Mn系の合金に、上述し
た特性を付加するための種々の元素が添加されたAl合金
フィン材が提案されている。
【0004】最近は更に、材料の軽量化要望にも対応で
きるものの開発がなされている。そのようなAl合金フィ
ン材として、例えば、特開平2-305946号公報( 以下、先
行技術1 という) には、Al- Mn- Si系合金に、犠牲陽極
効果を付与するためにZnを、熱伝導性を向上させるため
にFeを添加し、更に、耐高温座屈性を改善するためにZ
r、Cr、TiおよびV のうちから少なくとも1 種を添加し
たAl合金の鋳塊を調製し、これに対して、均質化処理、
熱間圧延、冷間圧延、中間焼鈍および冷間圧延を施すこ
とによって製造されたフィン材が提案されている。
【0005】また、フィン用Al合金の鋳造方法として、
溶湯を、厚さ数100 mmの水冷金型に100 mm/min前後の鋳
造速度で鋳造して鋳片を製造する方法( 半連続鋳造法)
、および、厚さ約10mm以下の水冷金型に約200 mm/min
以上の速い鋳造速度で鋳造しそのまま板状体にする方法
( 連続鋳造法) が知られているが、連続鋳造法は技術開
発段階であり未だ広く行われていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】先行技術1 において
は、フィン材の化学成分のうち、Zr、Cr、TiおよびV の
4元素のうち少なくとも1 種を添加して、耐高温座屈性
を改善している。しかしながら、フィン材の薄肉化要求
を満たすためには、耐高温座屈性と共に、ろう付後の強
度も向上させることが重要な課題であるが、この点に関
しては未だ改善されていない。
【0007】Zr、Cr、TiおよびV の各成分は、いずれも
Al素地中には殆ど固溶せず、各々の元素はAlとの2 元化
合物を形成してAl素地中に分散する性質を有する。従っ
て、各々の元素は、ろう付後のAl合金フィンの強度を向
上させることができ、しかも、熱伝導性、電気化学的性
質( 犠牲陽極効果) および固相線温度を変化させること
がない。しかしながら、先行技術1 に示されたような、
Zr、Cr、TiおよびV の4 元素をすべて含むAl合金の溶湯
を、通常の厚さ数100 mmの水冷金型に鋳造速度100 mm/m
in以下で半連続鋳造した場合には、これらの元素が相互
に結合して、粗大な晶出物( 例えば、Zr- Ti系化合物
等) を形成するため、これらの元素がフィン材の強度向
上に寄与せず、しかも、熱間加工性を著しく劣化させる
という問題があった。
【0008】Al合金フィン材に対する最近の薄肉化要求
に対しては、ろう付後の強度、および、ろう付時の耐高
温座屈性の一層の向上が要求され、しかも、犠牲陽極効
果、熱伝導性および素材の熱間加工性を従来水準に保持
することが必要であるが、従来技術では、上述したよう
に、Al合金フィン材に対する最近の薄肉化要求を十分に
満たすことができない。
【0009】この発明の目的は、上述した問題を解決
し、Al−Mn−Si系Al合金に、Zr、Cr、TiおよびV のすべ
ての元素を同時に含有させ、ろう付け後の強度を向上さ
せることによって、フィンの薄肉化要求に応えることが
できるAl合金製フィン材を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、Al−Mn−Si系
Al合金に、Zr、Cr、TiおよびV のすべての元素を同時に
含有させた場合でも、Cuを微量でも含有させることによ
って、鋳造時にこれらの元素が、相互に結合して粗大な
晶出物となるのが抑制され、そして、各々の元素がAlと
結合して微細な晶出物となるので、このAl合金は熱間加
工性が損なわれることなく強度が向上することを知見し
た。また、更に、上記Al合金の溶湯を、厚さ50mm以下の
水冷金型に、鋳造速度200mm/min以上で鋳造することに
よって、前記微細な晶出物がさらに微細、且つ、高密度
に晶出するため、より一層強度の向上を図ることができ
ることを知見した。
【0011】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
のであって、Al−Mn−Si系Al合金に、Zr、Cr、Tiおよび
V のすべての元素と共に、少なくとも微量のCuを同時に
含有させることによって、ろう付後の強度を向上させ、
更に、Feを含有させて耐高温座屈性およびろう付後の強
度を向上させ、必要に応じて更にMgを含有させて強度の
向上を図る。そして、Zn、Sn、Inのうち少なくとも1 種
を含有させて犠牲陽極効果を付与するものである。
【0012】即ち、第1 発明の高強度Al合金フィン材
は、重量% で、Mn:0.5 〜2%、Si:0.7 〜1.5%、Fe:0.
1 〜1.5%、Zr:0.05〜0.5%、Cr:0.05〜0.5%、Ti:0.02
〜0.5%、V :0.05〜0.5%、および、Cu:0.001 〜1%を含
有し、さらに、Zn:0.3 〜3%、Sn:0.02〜0.2%、およ
び、In:0.005 〜0.05% のうち、少なくとも1 種を含有
し、残りがAlと不可避不純物とからなる化学成分組成を
有することに特徴を有するものである。
【0013】第2 発明の高強度Al合金フィン材は、第1
発明の高強度Al合金フィン材が有する化学成分組成に、
更に、Mgを0.05〜1.5%含有することに特徴を有するもの
である。
【0014】第3 発明の高強度Al合金フィン材の製造方
法は、第1 発明または第2 発明に記載の化学成分組成を
有するAl合金を溶製し、得られた溶湯を水冷金型、また
は、2個以上の水冷ロ−ルを用いて、鋳込速度200 mm/m
in以上で連続鋳造することによって、厚さ50mm以下の板
状体を調製し、このようにして得られた前記板状体に対
して、冷間圧延および焼鈍を施すことによってAl合金板
とすることに特徴を有するものである。
【0015】第4 発明の高強度Al合金フィン材の製造方
法は、第3 発明の方法において、前記板状体に対して、
熱間圧延を施した後に、前記冷間圧延および前記焼鈍を
施すことによってAl合金板とすることに特徴を有するも
のである。
【0016】
【作用】この発明のAl合金の化学成分組成を上述した範
囲内に限定した理由について述べる。 (1) Mn、Fe:Mn、Feは、Al- Mn系、Al- Fe系、Al- Mn- F
e系化合物を形成して、ろう付け時の高温強度、およ
び、ろう付後の強度を向上させる。しかしながら、それ
らの含有量が、Mnは0.5%未満、Feは0.1%未満では、その
効果が不十分である。一方、それらの含有量が、Mnは2%
超、Feは1.5%超では、フィンの成形加工性が低下する。
従って、Mnの含有量は、0.5 〜2%、Feの含有量は、0.1
〜1.5%の範囲内に限定すべきである。
【0017】(2) Si:Siは、素地に固溶するか、また
は、Al- Mn- Si系化合物として析出し、ろう付後の強度
を向上させる。しかしながら、その含有量が0.7%未満で
は、その効果が不十分である。一方、その含有量が1.5%
超では、フィン材の固相線温度がろう付温度以下になり
局部溶融をおこす。従って、Siの含有量は、0.7 〜1.5%
の範囲内に限定すべきである。
【0018】(3) Zr、Cr、Ti、V :Zr、Cr、Ti、V はい
ずれも、素地のAlと2 元化合物を形成して、ろう付時の
高温強度、および、ろう付後の強度を向上させる。しか
しながら、Zr、Cr、V の各々の含有量が0.05% 未満、Ti
の含有量が0.02% 未満では、その効果が不十分である。
一方、 Zr、Cr、Ti、V の各々の含有量が0.5%超では、
相互に結合して粗大晶出物を形成するようになり、素材
の熱間加工性を低下させる。従って、Zr、Cr、V の各々
の含有量は0.05〜0.5%、Tiの含有量は0.02〜0.5%の範囲
内に限定すべきである。
【0019】(4) Cu:Cuは、本発明において重要な作用
を有しており、Cuが微量でも含有されると、Zr、Cr、T
i、V が相互に結合した粗大な晶出物が形成されるのが
抑制され、Zr、Cr、Ti、V とAlとの2元化合物が微細に
晶出して、熱間加工性が損なわれることなく強度が向上
する。また、Cu自身が固溶してろう付後の強度を向上さ
せる。しかしながら、Cuの含有量が1 %超では、電気化
学的電位が貴になり過ぎ、犠牲陽極効果を失う。従っ
て、Cuの含有量は、0.001 〜1%の範囲内に限定すべきで
ある。
【0020】(5) Mg:Mgは、Siとの共存下でMg2Si とし
て析出し、ろう付後の強度を向上させる。従って、必要
に応じてMgを含有させる。しかしながら、その含有量が
0.05% 未満では、その効果が不十分である。一方、その
含有量が1.5%超では、フィン材の固相線温度がろう付温
度以下になり、ろう付時にフィン材が局部溶融を起こ
す。従って、Mgの含有量は、0.05〜1.5%の範囲内に限定
すべきである。
【0021】(6) Zn、Sn、In:Zn、Sn、Inは、いずれも
電気化学的電位を卑にして、フィン材に犠牲陽極効果を
付与する。従って、Zn、Sn、Inのうち少なくとも1種を
含有させる。しかしながら、Znの含有量が0.3%未満、Sn
のそれが0.02% 未満、Inのそれが0.005%未満では、その
効果が不十分である。一方、それらの含有量が、Znは3%
超、Snは0.2%超、Inは0.05% 超では、電気化学的電位が
卑になり過ぎ、自己腐食速度が大きくなり過ぎる。従っ
て、Znの含有量は、0.3 〜3%の範囲内、Snの含有量は、
0.02〜0.2%の範囲内、Inの含有量は、0.005 〜0.05% の
範囲内に限定すべきである。
【0022】次に、本発明の製造条件について説明す
る。上述した本発明の範囲内の前記化学成分組成を有す
るAl合金の溶湯を、前述した半連続鋳造法よりも完全凝
固時間(水冷金型に溶湯を注入した後それが完全に凝固
するのに要する時間)が短い連続鋳造法によって鋳造す
ることによって、Zr、Cr、Ti、V の晶出物の粗大化を一
層抑制することができることを知見した。上記知見に基
づいて、上述した本発明の範囲内の前記化学成分組成を
有するAl合金を溶製し、得られた溶湯を、水冷金型、ま
たは、2個以上の水冷ロ−ルを用いて、鋳込速度200 mm
/min以上で連続鋳造することによって、厚さ50mm以下の
板状体を調製し、このようにして得られた前記板状体に
対して、必要に応じて熱間加工を施し、次いで、冷間圧
延および適宜焼鈍を施す。
【0023】本発明法における溶湯の連続鋳造における
鋳造厚さおよび鋳造速度の限定理由について述べる。 鋳造厚さ:鋳造厚さは、厚くなるほど、溶湯が水冷金型
に注入された後完全に凝固するまでの凝固時間が長くか
かり、この間に前記晶出物は粗大に成長する。本発明の
範囲内のCuを含有する場合、Cuによる前記晶出物粗大化
の抑制作用も考慮して、鋳造厚さの上限を50mmとした。
一方、鋳造厚さは薄いほど完全凝固時間は短くなり、前
記晶出物の粗大化が抑制されるので、所望の板厚を考慮
し、且つ、鋳造作業ができる範囲であればよく、下限を
限定しない。
【0024】鋳造速度:鋳造速度が遅すぎると、溶湯が
水冷金型に注入された後完全に凝固するまでの凝固時間
が長くなるので、前記晶出物は粗大に成長し、また、健
全な表面性状の板を鋳造することができない。従って、
鋳造速度の下限を200 mm/minとした。一方、鋳造速度が
速くなっても前記晶出物の粗大化はみられないので、鋳
造作業ができる範囲であればよく、上限を限定しない。
【0025】
【実施例】次に、この発明を、本発明の実施例により、
比較例および従来例と対比しながら説明する。表1 に示
した、本発明の範囲内の化学成分組成であるNo.A〜F 、
Cuの含有量のみが本発明の範囲外の化学成分組成である
比較例No.a〜d 、および、Cu、および、Zr、Cr、Ti、V
の含有量が本発明の範囲外の化学成分組成である従来例
No.1〜7 のAl合金を溶製し、得られた溶湯を、表2 に示
した、本発明の範囲内の鋳造方法であるI 〜IV、およ
び、従来法(半連続鋳造法)であるV のうちの何れかの
方法によって、水冷金型に鋳造し、このようにして鋳塊
または板状体( 鋳造体と総称する) を得た。採用した鋳
造法を表1 に併記した。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】鋳造法I またはIIによって得た鋳造体( 厚
さ4 または10mm) に対しては、熱間圧延を省略し、中間
焼鈍を適宜施した後に冷間圧延を施すことによって、厚
さ0.07mmのフィン材を調製した。鋳造法III またはIVに
よって得た鋳造体( 厚さ28または47mm) に対しては、熱
間圧延を施し、得られた熱間圧延板について熱間圧延割
れの有無を調べ、次いで、中間焼鈍を適宜施した後に冷
間圧延を施すことによって、厚さ0.07mmのフィン材を調
製した。鋳造法V によって得た鋳造体( 厚さ550 mm) に
対しては、均質化処理を施し、面削を行なった後に、熱
間圧延を施し、得られた熱間圧延板について熱間圧延割
れの有無を調べ、次いで、中間焼鈍を適宜施した後に冷
間圧延を施すことによって、厚さ0.07mmのフィン材を調
製した。
【0029】次に、このようにして得られたフィン材に
対して、ろう付後を想定した、N2雰囲気中での温度605
℃、5min保持後冷却の熱処理を施した後、引張試験、お
よび、3.5%NaCl溶液中での孔食電位測定試験を行なっ
た。表3 に、それらの試験結果、および、上述した熱間
圧延割れの有無の結果をしめした。
【0030】
【表3】
【0031】表1 〜3 から下記の事項が明らかである。 比較例について:比較例No.a,bは、Cuの含有量が0.000
6、0.0005% と低く、本発明の範囲外であったので、Z
r、Cr、Ti、V による微細晶出物が形成されず、粗大な
晶出物となったために、ろう付後の引張強さが従来例N
o.1〜7 と同一水準の低値であり、強度が向上しなかっ
た。その上、No.bに見られるように、熱間圧延割れが多
少発生し、熱間加工性が若干劣化した。比較例No.c,d
は、Cuの含有量が本発明の範囲を外れて高い。そして、
鋳造法は本発明の範囲内である。従って、Zr、Cr、Ti、
V による微細晶出物の分散により、ろう付後の引張強さ
は、従来例より著しく向上した。しかしながら、Cuの含
有量が本発明の上限より高かったので、孔食電位が高
く、貴となり過ぎ、犠牲陽極効果が劣化した。
【0032】従来例について:Cuを添加せず、しかも、Z
r、Cr、Ti、V の4 元素のうち少なくとも1 元素でも含
有せず、しかも、従来の半連続鋳造法で製造された従来
例No.1〜7 は、Zr、Cr、Ti、V による微細晶出物が形成
されず、粗大な晶出物となったために、いずれも、ろう
付後の引張強さは高くなく、その上、熱間圧延割れが発
生し、熱間加工性が劣化した。
【0033】本発明の実施例について:本発明の実施例
は、熱間加工性が損なわれることなく、そして、犠牲陽
極効果が劣化することなく、ろう付後の強度が、従来例
のすべておよび比較例No.a,bと比較して著しく向上し
た。
【0034】
【発明の効果】本発明は、上述したように構成されてい
るので、Zr、Cr、Ti、V が相互に結合して粗大な晶出物
を形成することなく、これら元素はAlとの2元化合物を
形成して素地中に微細に分散する。従って、熱伝導性、
電気化学的性質(犠牲陽極効果)および固相線温度(ろ
う付性)に殆ど影響を与えず、しかも、熱間加工性を劣
化させることなく、ろう付後の強度が向上する高強度Al
合金フィン材を提供することができる、工業上有用な効
果がもたらされる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量% で、 マンガン(Mn) :0.5 〜2 %、 シリコン(Si) :0.7 〜1.5%、 鉄(Fe) :0.1 〜1.5%、 ジルコニウム(Zr):0.05〜0.5%、 クロム( Cr) :0.05〜0.5%、 チタン(Ti) :0.02〜0.5%、 バナジウム(V) :0.05〜0.5%、および、 銅(Cu) :0.001 〜1 % 、 を含有し、さらに、 亜鉛(Zn) :0.3 〜3 %、 錫(Sn) :0.02〜0.2%、および、 インジウム(In) :0.005 〜0.05% 、 のうち、少なくとも1 種を含有し、残りがAlと不可避不
    純物とからなる化学成分組成を有することを特徴とす
    る、高強度Al合金フィン材。
  2. 【請求項2】 重量% で、 マンガン(Mn) :0.5 〜2 %、 シリコン(Si) :0.7 〜1.5%、 鉄(Fe) :0.1 〜1.5%、 ジルコニウム(Zr):0.05〜0.5%、 クロム( Cr) :0.05〜0.5%、 チタン(Ti) :0.02〜0.5%、 バナジウム(V) :0.05〜0.5%、 銅(Cu) :0.001 〜1%、および、 マグネシウム(Mg):0.05〜1.5%、 を含有し、さらに、 亜鉛(Zn) :0.3 〜3 %、 錫(Sn) :0.02〜0.2%、および、 インジウム(In) :0.005 〜0.05% のうち、少なくとも1 種を含有し、残りがAlと不可避不
    純物とからなる化学成分組成を有することを特徴とす
    る、高強度Al合金フィン材。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の前記化学成分
    組成を有するAl合金を溶製し、得られた溶湯を、水冷金
    型、または、2個以上の水冷ロ−ルを用いて、鋳込速度
    200 mm/min以上で連続鋳造することによって、厚さ50mm
    以下の板状体を調製し、このようにして得られた前記板
    状体に対して、冷間圧延および焼鈍を施すことによって
    Al合金板とすることを特徴とする、高強度Al合金フィン
    材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記板状体に対して、熱間圧延、冷間圧
    延および焼鈍を施すことによってAl合金板とする、請求
    項3に記載の高強度Al合金フィン材の製造方法。
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