JPH0769224B2 - 管の曲げ応力推定方法 - Google Patents

管の曲げ応力推定方法

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JPH0769224B2
JPH0769224B2 JP31417189A JP31417189A JPH0769224B2 JP H0769224 B2 JPH0769224 B2 JP H0769224B2 JP 31417189 A JP31417189 A JP 31417189A JP 31417189 A JP31417189 A JP 31417189A JP H0769224 B2 JPH0769224 B2 JP H0769224B2
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stress
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magnetostrictive
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、例えば固定端を有するパイプライン等に地盤
沈下等のため大きな曲げ応力が発生した場合に、このパ
イプライン等に働いている曲げ応力の大きさを磁歪セン
サの測定値より推定する管の曲げ応力推定方法に関する
ものである。
[従来の技術] 鋼材又は鋼製構造物等の応力及び残留応力を測定する方
法として、X線や超音波のほかに磁歪センサによる方法
がある。この磁歪センサを用いて磁化可能な丸棒、パイ
プ等円柱材料の応力を測定する方法としては先に出願し
た特願昭63−153622号公報に示された磁歪応力測定法が
ある。
磁歪応力測定法は、磁性材料に荷重が作用すると透磁率
に異方性が生じ、荷重方向の透磁率が大きくなり、反対
に荷重方向と直角方向の透磁率が小さくなるので、両透
磁率の差を励磁コイルと検出コイルを持つ磁歪センサ
(磁気異方性センサともいう)によって検出することに
より、主応力の方向および大きさを測定する方法であ
る。この測定方法によると、一点の測定時間が10〜100m
secですみ、取扱いもきわめて便宜である。
ところが、従来の磁歪応力測定法は、一般に磁歪センサ
を被測定面に接触させて行うものであるため、被措定面
の状態によって接触面における磁気抵抗が大きく異な
る。そのため、測定誤差が大きくなるという欠点があっ
た。
そこで、非接触状態、すなわち磁歪センサを被測定面か
ら一定の距離だけ離した状態で測定するという考え方が
出てくるわけであるが、この場合は磁歪感度が低下する
ため、磁歪センサの設定にありきわめて微妙な調整が必
要であるという別の問題があった。
前記先願の発明においては、前記非接触計測における問
題点を解決し、磁化可能な丸棒、パイプ等の円柱材料に
対する磁歪応力測定法を非接触方式で実施できる装置を
開発し、その測定装置を使用して円柱材料の円周方向の
応力分布を従来よりも精度良く測定できる方法を提供し
た。
第1図は先の出願に係る磁歪応力測定法を説明する図で
あり、同図(a)は円柱材料1に曲げ荷重を加えて、円
柱材料1の上側に引張り応力+σ、下側に圧縮応力−σ
が働いている状態を示す。また同図(b)は円柱材料1
の中心軸に対して垂直に、且つその外周面と一定の距離
hのリフト・オフ(ギャップのこと)を保ちながら、磁
歪センサ2を円柱材料1の最上点即ち0゜の角度位置よ
り時計廻り方向に円周方向に沿って1回転させて、磁歪
センサ2が0゜〜360゜間のそれぞれの角度位置におい
て検出する磁歪信号を連続的に測定する方法を示してい
る。
第2図は第1図の磁歪応力測定法によるSIN近似法を説
明する図であり、同図(a)は磁歪センサ2が円柱材料
1の外周上の方位を示す角度とその応力分布を示し、角
度0゜(即ち円柱材料1の真上)において最大引張り応
力が、角度180゜(即ち円柱材料1の真下)において最
大圧縮応力が発生することから、応力分布はSINθ曲線
に近似して分布する。
第2図(b)は−20kg/mm2の荷重を円柱材料に加えたと
きの、歪ゲージによる応力の実測値とSINθ近似値とを
示している。この図から実際の応力分布とSINθ曲線と
はかなり近似していることが判る。
[発明が解決しようとする課題] 上記の特願昭63−153622号公報に示された、円筒材料の
磁歪応力測定法によるSINθ近似法においては、曲げ応
力が大きくなり材料の応力による透磁率による変化が小
さくなると、曲げの軸近傍の磁歪センサの出力変化が小
さくなり、SINθ近似法により近似した信号振幅の変化
も小さくなるという問題点がある。
第3図はSINθ近似法による信号振幅と曲げ応力との特
性を示す図であり、曲げ応力が約0〜12kg/mm2までの範
囲においては、曲げ応力と信号振幅はほぼリニアの特性
であるが、それ以上の範囲では曲げ応力の増加に比較し
て信号振幅の増加が次第に小さくなり、信号振幅は飽和
特性を有するようになる。
また第4図は曲げ応力の大きいときの磁歪センサの管周
上の方位を示す角度とそのセンサ出力(単位はボルト)
との特性を示す図であり、第5図は曲げ応力が小さいと
きの磁歪センサの管周上の方位を示す角度とそのセンサ
出力との特性を示す図である。いずれも図中の+印は磁
歪センサによる各計測値を示している。
第4図と第5図の比較により明らかな如く、曲げ応力の
大きいときの磁歪センサ出力(第4図)は、曲げ応力が
小さいときの磁歪センサ出力(第5図)に比べ、SINθ
曲線からのズレが大きくなってくる。
従って、このような曲げ応力の大きな領域では、磁歪セ
ンサを用いたSINθ近似法による曲げ応力の測定は、精
度が著しく低下したり、もしくは測定が不可能となると
いう問題点があった。
この発明はかかる問題点を解決するためなされたもの
で、磁歪センサ出力と曲げ応力とが非直線特性を有する
領域においても、磁歪センサ出力より精度良く曲げ応力
の値を推定することができる管の曲げ応力推定方法を得
ることを目的とする。
[課題を解決するための手段] この発明に係る管の曲げの応力推定方法は、磁歪センサ
が管材の外周面上または内周面上を非接触状態で相対移
動する測定装置を用いて、前記管材の管周方向の曲げ応
力分布をSIN曲線で近似して推定する方法において、前
記磁歪センサ出力と曲げ応力とが非直線特性を有する領
域において、磁歪センサ出力よりSINθ近似値を減算し
て得られた偏差値をSIN3θ曲線により近似し、該近似し
たSIN3θ曲線の信号振幅値より対応する曲げ応力の値を
推定する管の曲げ応力推定手段を備えたものである。
[作用] この発明においては、磁歪センサが管材の外周面上また
は内周面上を非接触状態で相対移動する測定装置を用い
て、前記管材の管周方向の曲げ応力分布をSIN曲線で近
似して推定する方法において、曲げ応力推定手段により
前記磁歪センサ出力と曲げ応力とが非直線特性を有する
領域において、磁歪センサ出力よりSINθ近似値を減算
して得られた偏差値をSIN3θ曲線により近似し、該近似
したSIN3θ曲線の信号振幅値より対応する曲げ応力の値
を推定する。
[実施例] 第6図は本発明の管の曲げ応力推定方法を適用する管の
応力測定装置のブロック図である。図において10は走行
装置部であり、磁気異方性センサ11及び走行台車12を内
蔵する。磁気異方性センサ11は非接触により管材の円周
方向の磁気異方性を検出するためのセンサであり、例え
ば直交する励磁コイルと検出コイルとを備え、励磁コイ
ルに一定の励振電流を流して、応力の作用によって生じ
る磁気異方性を検出コイルから得られる電圧信号として
検出するものである。走行台車12は例えば管外周上に設
けられたレール又は/及びギヤ上を走行し、磁気異方性
センサ11を管の円周方向に移動させ計測を行わせるため
の走行機構である。13は磁歪測定部であり、磁気異方性
センサ11の励磁コイルに定電流を供給し、同時に該セン
サ11の検出コイルより得られる検出信号を増幅し、磁気
異方性に比例した電圧信号として出力する磁歪測定部で
ある。14はモータ・ドライバであり、走行台車12に走行
駆動信号を供給し走行させ、その走行結果の位置情報と
してエンコーダ信号が帰還される。15はA/D変換器、16
は例えばRS232C等のインタフェース、17はパーソナル・
コンピュータ(以下パソコンという)、18はCRT又は液
晶等を用いたデータ表示部である。
第6図の動作を説明する。管材の円周方向の応力を測定
するには、例えば管材の中心軸に対する垂直面上の管材
外周面に、図示されないレール又は/及びギヤを取付
け、このレール又は/及びギヤ上にホルダを介して走行
装置部10を走行可能に取付ける。次にパソコン17はイン
タフェース16を介してモータ・ドライバ14に1回転の走
行指令を与え、モータ・ドライバ14は前記レール又は/
及びギヤ上の走行装置10を管周に沿って1回転走行させ
る。この走行中に、磁気異方性センサ11(磁歪センサ2
と同一のもの)が第1図(b)に示される管材外周面上
の0゜〜360゜間の各角度位置において、該センサ11か
らそれぞれ検出された各検出信号は磁歪測定部13により
信号増幅後出力され、さらに該出力はA/D変換器15によ
り量子化され、パソコン17に供給される。パソコン17は
磁気異方性センサ11の管材外周上の方位を示す各角度に
対するセンサ出力値をデータ表示部18に表示させ、必要
の場合図示されないプリンタによりハードコピーを出力
する。本測定装置のデータ表示部18に表示されたデータ
又はプリンタにより出力されたハードコピーデータに基
づき、本発明に係る管の曲げ応力推定処理を行うことが
できる。
第7図は曲げ応力の大きいときに磁歪センサ出力をSIN
θで近似した結果を示す図である。同図において、横軸
は磁歪センサを管の外周面上に円周方向に沿って1回転
させたときに、磁歪センサの管周上の方位を示す角度、
縦軸は磁歪センサの出力電圧で単位はボルト(V)であ
る。また図中の+印は磁歪センサによる各計測値を示
し、実線はこれをSINθで近似した曲線を示している。
第7図において、曲げ応力が大きいときに、磁歪センサ
出力と応力との非直線性のために、曲げ応力の大きな領
域、例えば角度で約135゜〜225゜及び315゜〜45゜の範
囲において、磁歪センサ出力は曲げの軸にあたる部分が
つぶれたようになることが判る。この各計測値をつなぐ
曲線をSINθの曲線(図の実線で示される曲線)により
近似すると、第7図に示される通り曲げ応力の大きな領
域での計測誤差が増大することが示される。本発明はこ
の計測値とSINθ近似値との偏差値を算出して曲げ応力
の大きな領域での応力を推定する方法に関するものであ
る。
第8図は本発明に係る磁歪計測値よりSINθ近似値を減
算した偏差値をSIN3θで近似した結果を示す図である。
同図において、横軸は第7図と同一であり、磁歪センサ
の管周上の方位を示す角度、縦軸は磁歪センサの各計測
値とSINθ近似値との偏差値である。また図中の+印は
前記各偏差値を示し、実線はSIN3θで近似した曲線を示
している。同図によりこの偏差値はSIN3θ曲線により近
似し得ることが判る。
本発明はこの磁歪センサの計測値とSINθ近似値との偏
差値をSIN3θにより近似し、このSIN3θの振幅値を求め
ることにより前記偏差値から曲げ応力を推定するもので
ある。
第9図は本発明に係るSIN3θの信号振幅と曲げ応力との
特性を示す図である。同図において、横軸は曲げ応力を
示し、単位はkg/mm2である。縦軸は前記SIN3θの信号振
幅を示し、単位はmVである。また、図中の丸印は歪ゲー
ジ等により実測した応力に対応したSIN3θの信号振幅値
を示し、実線は丸印の信号振幅値をつないだ較正曲線を
示している。
この第9図の較正曲線を用いることにより、磁歪応力測
定法における従来のSINθ近似法では測定誤差が大きか
ったり、または測定ができなかった曲げ応力の大きな範
囲まで精度良く計測することが可能となった。
また上記実施例においては、磁歪センサを管材の外周面
上を非接触で走行させる例を示したが、同様に磁歪セン
サを管材の内周面上を非接触で走行させるようにしても
よい。またこの場合に磁歪センサを走行させずに、管材
をその中心軸に対して回転させ、磁歪センサを固定する
ようにしてもよい。いずれの場合も磁歪センサと管材と
が相対移動をすればよく、一方を固定し他方を移動させ
ることにより同一効果を得ることができる。
[発明の効果] 以上のように本発明によれば、磁歪センサが管材の外周
面上または内周面上を非接触状態で相対移動する測定装
置を用いて、前記管材の円周方向の曲げ応力分布をSIN
曲線で近似して推定する方法において、前記磁歪センサ
出力と曲げ応力とが非直線特性を有する領域において、
磁歪センサ出力よりSINθ近似値を減算して得られた偏
差値をSIN3θ曲線により近似し、該近似したSIN3θ曲線
の信号振幅値より対応する曲げ応力の値を高精度で推定
することができるようにしたので、磁歪センサを用いた
管の曲げ応力計測法の計測精度向上の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)及び(b)は先願に係る磁歪応力測定法を
説明する図、第2図(a)及び(b)は第1図の磁歪応
力測定法によるSIN近似法を説明する図、第3図はSINθ
近似法による信号振幅と曲げ応力との特性を示す図、第
4図は曲げ応力が大きいときの磁歪センサの管周上の方
位を示す角度とそのセンサ出力との特性を示す図、第5
図は曲げ応力が小さいときの磁歪センサの管周上の方位
を示す角度とそのセンサ出力との特性を示す図、第6図
は本発明の管の曲げ応力推定方法を適用する管の応力測
定装置のブロック図、第7図は曲げ応力の大きいときに
磁歪センサ出力をSINθで近似した結果を示す図、第8
図は本発明に係る磁歪計測値よりSINθ近似値を減算し
た偏差値をSIN3θで近似した結果を示す図、第9図は本
発明に係るSIN3θの信号振幅と曲げ応力との特性を示す
図である。 図において、1は円柱材料、2は磁歪センサ、10は走行
装置部、11は磁気異方性センサ、12は走行台車、13は磁
歪測定部、14はモータ・ドライバ、15はA/D変換器、16
はインタフェース、17はパソコン、18はデータ表示部で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 境 禎明 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−308933(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁歪センサが管材の外周面上または内周面
    上を非接触状態で相対移動する測定装置を用いて、前記
    管材の管周方向の曲げ応力分布をSIN曲線で近似して推
    定する方法において、 前記磁歪センサ出力と曲げ応力とが非直線特性を有する
    領域において、磁歪センサ出力よりSINθ近似値を減算
    して得られた偏差値をSIN3θ曲線により近似し、該近似
    したSIN3θ曲線の信号振幅値より対応する曲げ応力の値
    を推定することを特徴とする管の曲げ応力推定方法。
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