JPH0768771A - インクジェットカートリッジ - Google Patents

インクジェットカートリッジ

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JPH0768771A
JPH0768771A JP21761793A JP21761793A JPH0768771A JP H0768771 A JPH0768771 A JP H0768771A JP 21761793 A JP21761793 A JP 21761793A JP 21761793 A JP21761793 A JP 21761793A JP H0768771 A JPH0768771 A JP H0768771A
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ink
negative pressure
pressure generating
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JP21761793A
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Kiyomitsu Kudo
清光 工藤
Masahiko Hikuma
昌彦 日隈
Tsutomu Abe
力 阿部
Hiroyuki Ishinaga
博之 石永
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インク漏れすることなく円滑にインクジェッ
ト記録装置にインク供給するインクカートリッジ。 【構成】 インクカートリッジ本体1は記録用インクを
吸収保持する負圧発生部材3を圧縮して収容した第1収
納室4と、微小連通部8を有して隣接しインクを収納し
た第2収納室6とからなり、第1収納室4にはインクジ
ェット記録ヘッドに記録用インクを供給するインク供給
用開口2と大気連通部7を有し、負圧発生部材3の微小
連通部8近辺の圧縮率はインク供給用開口2近辺の圧縮
率より小さくなっており負圧発生部材3の毛細管力によ
りインクを微小連通部8からインク供給開口2へと誘導
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定のインクジェット
用カートリッジにとって有効な充填用インク及びそのイ
ンクを保有するインクジェット用カートリッジに関し、
それを製造する製造方法、さらにはこのカートリッジを
用いたインクジェットヘッドとプリンタをも提供するも
ので、インクジェット技術を使用する、複写機、ファク
シミリ等の記録機器、通信機器、事務機器、複合機器、
プリンタ等に適用可能な発明に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット用のインクカート
リッジは、インクジェットヘッドと一体化され、カート
リッジ内のインクがインク吐出できない段階になると、
ヘッドと共に廃棄されることが多い。この状態のカート
リッジ内に残存するインクの量は、改良を加えても、カ
ートリッジ内のほぼ全体に収納されている負圧発生体で
あるスポンジのインク保持能力に支配され、比較的多い
ものとなってしまっていた。
【0003】この種のインク容器としては、特開昭63-6
3242号公報を挙げることができる。即ち、インク容器内
に発泡材が配置され、複数のインク射出オリフィスを備
えたインクジェット記録ヘッド1体のカートリッジであ
る。このインク容器においては、発泡材であるポリウレ
タンフォームのような多孔質媒体にインクを貯蔵するた
めにフォームの毛細管力による負圧の発生及びインクの
保持(インク容器からのインク漏れ防止)を達成してい
るが、唯一のインク貯蔵室のほぼ全体に装填されるフォ
ームを必要とすることからインクの充填量が制限される
とともにに装填され、ほぼ全体にフォームを必要とする
ことからインクの充填量が制限されるとともにフォーム
中に使用されずに残るインク量が多くなり、インクの使
用効率が悪いという問題があった。又、インクの残量検
知が困難であり、更にインク消費期間中に負圧が徐々に
変化してしまい、略々一定の負圧を維持することが困難
であるという課題があった。
【0004】この構成に対して、インクカートリッジを
実質的にインクのみを保持する構成を採用したカートリ
ッジを開示する公報がある。即ち、特開平2-522 号公報
には、上方に位置してインクのみを大量に保持する1次
インク貯蔵部と下方に位置したインクジェット記録ヘッ
ドとの間にわずかな多孔質部材を配置したインクジェッ
ト記録ヘッド一体型のインクカートリッジが開示されて
いる。この発明は、多孔質部材をインク貯蔵部には内蔵
せずにインク流路中にのみ配置したことによりインクの
使用効率を向上出来るとしている。また、多孔質部材の
側方にインクを保持可能な空間としての2次インク貯蔵
部を設けることにより、温度上昇(圧力低下)で1次イ
ンク貯蔵部内の空気が膨張してによる1次インク貯蔵部
からの流出インクを溜め、記録時の記録ヘッドへの負圧
を実質上一定に維持出来るとしている。
【0005】しかしながら、この公報の発明は、非記録
時においては、上方に位置してインクのみを大量に保持
する1次インク貯蔵部からのインクにより多孔質部材は
インクが充分過ぎるほど含浸せしめられているので、多
孔質部材自体の負圧の発生がほとんど無くなっている。
そのため、わずかな衝撃によりインクジェット記録ヘッ
ドのオリフィスからインクが漏れるという問題があり、
実用に適さない。またインク容器をインク記録ヘッドに
装着する交換型インクカートリッジ形式をこの構成に採
用することは、多孔質部材の状態からインク漏れの状態
となり実用化できないという課題があった。
【0006】これに対して、インクを袋内に封入してそ
の袋の負圧力を一定にするためのバネ構成を付加したイ
ンクカートリッジも知られているが、高価なものとなる
だけでなく、そのバネ構成の性能を維持して大量生産を
達成することは困難なものであった。
【0007】いづれにしても、インクジェット用(非接
触記録プリント型)インクカートリッジとして、インク
ジェットプリントの分野では、安価で、合理的な技術水
準にあるものは提供されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者たちは、イン
クジェットプリントの技術分野に適したインク容器とし
ては、記録時においては、記録ヘッドから吐出されるイ
ンク量に見合ったインクを良好に供給することができ、
非記録時においては吐出口からのインク漏れなどの不都
合がないことの両面性をそれぞれ検討した。その結果、
基本構成として、負圧発生部材を収容すると共に大気と
の連通を得るための大気連通部を備えた第1収納室と該
第1収納室に対して連通するが実質的に密閉状態で第1
収納室へ供給するためのインクを直接収納するための第
2収納室を持つ構成がインクジェットの特性にとって重
要な前提であることに至った。
【0009】その一方で、本発明者達は、本発明の技術
分野とは異なる接触記録技術を検討することによって、
インクジェットプリント分野の技術的な特異性について
再検討することにした。一般に、記録媒体に接触して記
録を行う記録計器用ペンは、インク吸収性もあり保持性
もある記録芯に対してインク供給を行なうものであるか
ら、記録芯自体が大気にさらされていることを前提と
し、記録芯に直接接触する領域にはインクで過飽和状態
となっているインク含侵体を必須とする。つまり接触記
録技術は、インクジェット分野の技術内容とは根本的に
異なる。
【0010】調査したところ、特開昭57ー16385
号公報を見出した。この公報は、記録媒体に接触して記
録を行う記録芯(多孔質型インク吸収性芯)を用いるこ
とを前提とする記録計器用ペンを開示するが、課題とし
ているものは、記録芯自体からのインクあふれのみであ
った。
【0011】この公報は、下方の記録芯に接触する第1
吸液材と上方の大気連通口側にインクをわずかに吸収し
ているが第1吸液材に比べてインクを含みにくい第2吸
液材とを備え、記録芯を下方に突出させた中央室と、こ
の室の両側にインクを供給する密閉型インク収容室とを
必須の構成とする発明である。この構成によれば、周囲
温度の上昇によって密閉型インク収容室内の空気が膨張
して密閉型インク収容室内のインクが第1吸液材に至
り、第1吸液材が保持しきれなくなったインクを第2吸
液材が吸収することにより、記録芯からインクがあふれ
て落下することを防止できるとしている。さらに、この
公報は、2つの密閉型インク収容室の一方が空気だけに
なった際に、その空気の膨張を大気連通口側に逃がすた
めの一定幅の溝を、中央室と密閉型インク収容室との仕
切り壁とは異なる側面の最下端から最上端までにわたっ
て設けることも開示している。
【0012】本発明者達は、技術的には類似点の少ない
非接触記録のインクジェットヘッドに、このタンク構成
のみを適用することに着眼したところ、環境条件の変化
に伴って、大気連通口からのインクあふれという新たな
現象が確認された。しかも記録芯に直接接触する領域に
はインクで過飽和状態となっているインク含侵体である
第1吸液材は、負圧を発生することを必要としないため
にインクジェット技術にとっての共通性が見られないこ
とも確認できた。この新規な現象は、記録計器用ペンの
分野では認識されてはいず、負圧を安定したものにする
ための技術的示唆もこの分野からは得るものがなかっ
た。
【0013】また、上記公報の一定幅の溝は、空気と共
にインクを排出促進する機能もあるため、大気連通口か
らのインクあふれを一層促進してしまうことも確認でき
た。更に、両側のインク収容室からのインク消費は、同
等ではなく、先に一方のインク収容室のインクが無くな
ると、他方に大量のインクが残存しているにもかかわら
ず、インクジェット記録ができなくなってしまった。こ
れは、インク収容室のインクが無駄になり、根本的にイ
ンクジェット技術の目的に反する結果であった。この原
因は、第1吸液材内に空気が大量に入り込み、結果的に
インクの供給が出来なくなったためであった。
【0014】このような背景問題を解決した画期的なイ
ンクジェット用カートリッジを本発明出願人は先に出願
している。これは、負圧発生部材を収容すると共に大気
との連通を得るための大気連通部を備えた第1収納室と
該第1収納室に対して連通するが実質的に密閉状態で第
1収納室へ供給するためのインクを直接収納するための
第2収納室を持つ前提構成のカートリッジに、インクジ
ェット用として有効に機能できる構成を与える発明であ
る。この構成によれば、インクカートリッジの使用初期
から使用終了までの間の大半を負圧が実質上ほぼ一定に
できるタンク構造体であるために、高速記録にも対応可
能な交換型インクカートリッジおよびインクジェットヘ
ッドとプリンタをも提供できるものである。
【0015】また、本発明は、上記の構造よりも簡単な
構造で上記の構造と同等の効果が得られるインクジェッ
トカートリッジを提供することを目的とするものであ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の主た
る目的は、上記新規インクカートリッジのインク室内の
インクが負圧発生部材に供給されている段階で形成され
る、負圧発生部材中の気体である外気とインクとの気液
界面の滑らかで安定した界面を一層安定化でき、好まし
くは、その間の負圧が実質上ほぼ一定にできる交換型イ
ンクカートリッジおよびそれを用いたインクジェットヘ
ッドを提供することにある。
【0017】本発明の他の目的は、使用前の初期状態あ
るいは使用中の待機状態等の非記録時においてインクカ
ートリッジ内部に負圧を発生せしめ、その負圧の変動を
衝撃や環境変化に対してもその負圧変動を最小限にでき
るインクの再充填方法及び交換型インクジェット用カー
トリッジを提供することにある。
【0018】本発明の別の目的は、インクカートリッジ
に残存するインクを実質的に無にでき、負圧発生部材中
のインク残量も限りなく減少できるインクの再充填方法
及びインクジェット用カートリッジを提供することにあ
る。
【0019】本発明の更なる別の目的は、交換型インク
カートリッジ単独の物流時や、製造時の条件においても
より安価で、インク漏れ防止機能を増加させる充填用イ
ンク及びインクジェット用カートリッジを提供すること
にある。
【0020】ここで、本発明インクジェット用カートリ
ッジに適用されている負圧発生部材のように、インク過
飽和状態ではない負圧発生部材を用いることを前提とす
るインクジェット用カートリッジは知られているが、こ
れに実質的に密閉状態のインク収容室を隣接させた構成
は知られていない。そのため、まず、本発明充填用イン
クが適用されるカートリッジ構成について、その特徴の
一部を以下に説明しておく。
【0021】保存状態や使用状態に関わらず、従来の技
術水準を一掃する技術観点として、上記前提構成に対し
て、負圧発生部材の該大気連通部近傍領域をインクを保
持していない領域とすることで、環境条件の変動に対し
て、インクカートリッジ内のインクが大気連通部から漏
れることを防止できる利点がある。特に、シール部材が
大気連通部を密閉している場合に対しては、シール部材
のはがれ防止効果もある。また、使用状態にあっては、
この領域は、大気がカートリッジ内に必要に応じた量が
効率よく供給でき、インクジェットカートリッジ内の負
圧変化を抑制する効果もある。この大気連通部近傍領域
は、全くインクによる濡れがないものであると、インク
自体の浸透速度をより減速させることができるので好ま
しいが、インクにより予め濡らした後にそのインクを除
去した領域としても良い。
【0022】また、本発明は、上記前提構成に対して、
上記微小連通部を形成する仕切り壁に対向する側に、イ
ンク供給用開口、或は、供給管による負圧発生体の圧縮
(又は圧縮可能)領域を存在させる構成とすることで、
第2収納室のインクが負圧発生体内に安定した実質的な
インク供給路を確保でき、これをより安定させる構成と
して、インクカートリッジの下面に関して上記インク供
給用開口が上記微小連通部よりも上方に位置させること
を挙げることができる。尚、本発明で云う「供給管」
は、インクジェット特有の挿入管はもとより、カートリ
ッジに付設され負圧発生体を圧縮変形せしめている弁構
造や連結部材をも含むものである。この配置関係の作用
は、実質的なインク移動方向を一定化でき、第2収納室
のインクがすべて消費でき、この消費後も、第2収納室
内の空気が減圧下にあることを解消する方向に大気が仕
切り壁側から、対向する開口側に移動するように介在す
ることで、結果的に、負圧発生体内のインクを消費可能
にして、残存インクを減少できることにある。
【0023】特に、上記前提構成に対して、上記微小連
通部を形成する仕切り壁からこの壁に対向する側に向か
って、負圧発生体の供給管によって圧縮されない領域、
負圧発生体の供給管によって圧縮される領域を、この順
に有することで、圧縮されない領域には前述した1方向
のインク供給路が形成でき同様の効果が得られ、更に圧
縮領域のインク確保能力によって一層インク残量を減少
できる。
【0024】従って、本発明のより好ましい前提構成発
明は、上記列挙の3構成を満足するものとすることがで
きるが、無論上記構成の単独もしくは任意の2構成の複
合は当然優れた効果が得られることが理解できよう。
【0025】一方、本発明前提構成のインクジェットカ
ートリッジは、操作者の手指に触れることになるが、通
常は不都合は発生しにくいが、強力に圧力を加えたりす
るとインクのみを収納する収納室は大きさにもよるが変
形しやすい。従って、この外圧による課題を解決する構
成として、微小連通部を構成する仕切り壁よりも間隙を
大きく開ける仕切り板をインクのみの収容室に設けるこ
とは好ましいものである。又、変形の観点から、これら
のカートリッジを樹脂で形成した場合には、インクのみ
の収容室の壁の厚さTiを0.8mm(図20の点G)
以上、負圧発生部材としてのスポンジ等を収納する収納
室の壁の厚さTsを1.3mm(図20の点J)以上と
することが好ましい。更には、壁の厚さTsは壁の厚さ
Tiの1.2倍以上3倍以下の範囲内にあることがより
好ましいものと判明した。
【0026】本発明前提構成のインクジェットプリンタ
として、上記本発明のカートリッジを装着したことに応
じて、自動的或は指導的にカートリッジ内からのインク
排出をヘッドを介して吸引手段による吸引或は吐出によ
って実行することは、負圧発生体内のインク状態をプリ
ント前に修正出来るので、カートリッジの放置状態に左
右されずに、カートリッジ本来の上記機能を利用するこ
とができる。
【0027】尚、上記前提構成における微小連通部の仕
切り壁までの高さは、負圧発生部材の平均孔径(好まし
くは微小連通部近傍の平均孔径)より大きく(実用上は
0.1mm以上)、5mm以下が適している。より安定
化を期待するのであれば、3mm以下が好ましい。又、
負圧発生部材の収納室の容積とインクのみの収容室の容
積の比は、1:1以上1:3以下の範囲内が実用上の最
適範囲として挙げることができる。
【0028】次に、上記前提構成要件において見られた
インク漏れの現象は、上記カートリッジに初期充填する
際や再充填を行う際において見られ、その原因は、イン
ク収納室内においては問題のないインクが、負圧発生部
材を収納する収納室内に至ると、負圧発生部材内部に一
時的に保持されるものよりも、負圧発生部材とカートリ
ッジ内壁との間を進行して大気連通口やインク供給口等
の開口部或は、シールされている領域を破って漏れる傾
向が大となることであった。そのため本発明は前提構成
用のインク条件を検討したところ、インク表面張力が5
5dyn/cm(25℃)を越えると、その傾向は顕著
であるが、55dyn/cm以下であると、臨界的にこ
の問題が見られなくなり、特に50dyn/cm以下で
あると、環境にも左右されずに、極めて安定した特性を
示したのである。
【0029】一方、その55dyn/cm以下である
と、確実に負圧発生部材中に安定した進行性を示し、負
圧発生部材中に気体である空気と液体であるインクとの
気液界面が形成される構成の場合に特にその界面を長期
にわたって安定したものにできる効果が認められた。こ
れは、上記微小連通部から上記第1収納室内の上記負圧
発生部材対向位置まで延在する気液交換促進構造を有す
るカートリッジにおいては、その構成と相乗的に機能し
て、直線的な界面を安定した状態で形成できるので、好
ましいのものであった。
【0030】逆に、前提構成用のインク表面張力が20
dyn/cm(25℃)を下回ると、通常使用では、イ
ンク漏れが生じないものの、衝撃が加わるような場合に
おいては、インク漏れ現象が見られ、20dyn/cm
以上であると、このような衝撃があっても、前提構成の
利点とインク特性との相乗効果によってインク漏れが防
止されることが判明した。又、特に、25dyn/cm
以上50dyn/cm以下では、上述した効果、即ち、
環境にも左右されずに、極めて安定した特性を示した。
【0031】本発明の他の構成そして効果や特徴は以下
の実施例から理解できよう。
【0032】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0033】図1乃至図6は、本発明に使用するインク
カートリッジの前提構成に加えて、微小連通部8をカー
トリッジの底面とで形成する仕切り壁5に対向する負圧
発生部材収容部の面にインク供給用の開口部を設けた構
成の実施例である。
【0034】図1はインクカートリッジの一部を破断し
て示した模式斜視図であり、図2は図1の模式断面図で
ある。
【0035】図1及び図2に示すように、本発明に使用
するインクカートリッジ本体1はインクジェット記録ヘ
ッドと連結するための開口部2を微小連通部としての間
隙部8側に変位させた位置に有し、負圧発生部材3を収
容した負圧発生部材収容部4と該負圧発生部材収容部に
仕切り壁5を介して隣接し、インクカートリッジ底部1
1で連通したインクのみを収容するインク収容部6とか
らなる。
【0036】この構成により、大気は上記開口部2から
供給されることになるが、重要なことは、大気連通部の
構成よりも、インク収容部6内のインクが連通部8を介
してのみ、インクカートリッジ底部11に沿って開口部
2側へ確実に供給されることである。このインク供給に
伴って大気は、インク収容部6内のインクと入れ替わり
補充されていく。
【0037】ここで、負圧発生部材収容部4の開口部近
傍の供給管によって圧縮変形可能な領域にある負圧発生
部材を、供給管によって圧縮変形せしめた状態について
説明する。図3は、本発明に使用する交換型インクカー
トリッジにインクジェット記録ヘッドへインクを供給す
る供給管としてのジョイント部材7が挿入され、負圧発
生部材に圧接してインクジェット記録装置が稼動可能な
状態になったときの模式断面図である。尚、ジョイント
部材の端部にはインクカートリッジ内のごみを排除する
ためにフィルターが設置されている場合もある。
【0038】インクジェット記録装置が稼動するとイン
クジェット記録ヘッドのオリフィスからインクが吐出さ
れ交換型インクカートリッジにインク吸引力が発生す
る。インク9はこの吸引力によりインク収容部6から仕
切り壁端部とインクカートリッジ底部11との間隙部8
を通り、負圧発生部材収容部4へ、負圧発生部材3を通
ってジョイント部材7内に引き込まれインクジェット記
録ヘッドへ供給される。これにより間隙部8以外は密閉
しているインク収容部6の内部の圧力が低下し、インク
収容部6と負圧発生部材収容部4との間に圧力差を生じ
る。記録が継続するとその圧力差は上昇を続けるが、負
圧発生部材部はジョイント部材部とジョイント開放部と
の間に間隙12により大気に開放されているため、空気
は負圧発生部材を通って仕切り壁端部8とインクカート
リッジ底部11との間隙部8からインク収容部4に入
る。この時点でインク収容部6と負圧発生部材収容部4
との間の圧力差が解消される。インクジェット記録中は
この動作が繰り返され、ある一定の負圧がインクカート
リッジ内に得られる。また、インク収容部内のインク
は、インク収容部内の壁面に付着するインク以外はほぼ
全て使用できるためインク使用効率が向上する。
【0039】非記録時においては、負圧発生部材自身の
毛細管力(あるいはインク−負圧発生部材界面でのメニ
スカス力)などが発生され、特に、インク収容部内のイ
ンクのインクが消費され始めると、負圧発生部材収容部
内のインク保持状態はほぼ一定となり、インク収容部内
に回収された気体が実質的に負圧状態になっているため
に、カートリッジ内の圧力バランスが極めて安定し、イ
ンクジェット記録ヘッドからインクが漏れることを抑制
する。
【0040】よって、ジョイントするインクジェット記
録ヘッドに応じた負圧発生部材の選択及び負圧発生部材
収容部とインク収容部の割合設計をすれば図4に示した
構成なども可能となる。
【0041】尚、図19(A)(B)の様に、本発明の
交換型インクカートリッジをカラーインクジェット記録
装置に対応するために各色(例えばブラック、イエロ
ー、マゼンタ、シアンの4色)のインクをそれぞれ個別
の交換型インクカートリッジに収容して使用することが
できる。また、図19(A)のように個別のインクカー
トリッジを1体化させて交換型インクカートリッジとし
てもよく、あるいは、図19(B)のように使用頻度の
高いブラックインク用の交換型インクカートリッジと他
のカラーインク1体化交換カートリッジを分離した交換
型インクカートリッジとしてもよい。これらの組み合わ
せはインクジェット装置に合わせて任意である。
【0042】本発明の交換型インクカートリッジにおい
て、インクジェット記録ヘッドにおける負圧を制御する
ためには、負圧発生部材3の選定、形状、寸法はもとよ
り、仕切り壁端部8の形状、寸法、仕切り壁端部8とイ
ンクカートリッジ底部11との間隙8の形状、寸法、負
圧発生部材収容部4とインク収容部6の容積割合、ジョ
イント部材7の交換型インクカートリッジへの挿入量、
形状、寸法、フィルター12の形状、寸法、目の荒さ及
びインクの表面張力などを使用する条件に応じて最適化
することはより好ましい。
【0043】使用する負圧発生部材は、それ自身、液体
(インク)の自重及びわずかな振動に対してもインクを
保持する能力を有するものであれば従来公知の部材が使
用できる。例えば、繊維を網状に網込んだ綿状体や連通
孔を有する多孔質体などが上げられる。インク保持力及
び負圧発生などが調整容易なポリウレタンフォームなど
のスポンジが好ましい。特に、フォームの場合には、フ
ォーム製造時に所望の多孔密度となるように調整できる
ので好ましい。尚、フォームを熱圧縮処理をして更に多
孔密度を調整した場合には、加熱による分解物が発生
し、インク物性を変化させ記録品位に悪影響を及ぼす場
合があるので洗浄などの処理が必要となる。また、各種
インクジェット記録装置に対応した交換型インクカート
リッジを製造するためそれに応じた多孔密度のフォーム
が要求されるが、熱圧縮を施していない特定のセル数
(1インチ当りの空孔の数)を持つフォーム材を所望の
寸法にカットし、負圧発生部材収容部に圧縮挿入し、多
孔密度、毛管力を調整することが好ましい。
【0044】上記例においては、ジョイント部材7とジ
ョイント開口部2とに間隙を設けてインクカートリッジ
外部から大気を取り入れる構成がなされているが、本構
成を限定するものではなくジョイント部材及びジョイン
ト開放部の構造、形状はいかなるものであってもよい。
負圧発生部材がスポンジのような多孔質部材の場合には
図3(a)、(b)のようにジョイント部材の挿入に対
して多孔質部材のインクカートリッジ底部からの逃げを
抑制し、且つ、フィルター部と負圧発生部材との圧接面
を維持、確保するためにジョイント部材7の端部はジョ
イント部材挿入方向に対して任意の角度(テーパー)を
有することが好ましい。あまりジョイント部材の挿入量
を大きく取る場合は、この先端のテーパ部が負圧発生部
材に亀裂を招じさせる場合があるので、図3(c)の如
く面構造とすることも良い。
【0045】また、大気の取入れ口とするためにジョイ
ント部材の外壁に大気導入用の凹凸を設けることも考え
られるが、図5のように開口部2の形状も溝(図5
(a))などの所望の形状即ち、図5(b)が長方形、
図5(c)が3角形といったように選定することが可能
である。開口部2の形状は、好ましくは、ジョイント部
材と開口部を密閉しない程度の間隙を開けるか、開口部
の下部(インクカートリッジ底部側)では、ジョイント
部材外周に近接し、開口部上部で開口しているような形
状である。
【0046】このように本発明に使用する交換型インク
カートリッジはジョイント開口部と大気を取り入れる部
分とを兼ねることが可能となっており、より単純な構成
とできる。また、ジョイント部材7の交換型インクカー
トリッジへの挿入量は、上記ジョイント部材形状、負圧
発生部材、インクカートリッジの形状などを考慮して挿
入時にインク洩れなどを起こさず、記録時には途中でイ
ンク切れなどを起こさないように負圧発生部材の圧縮領
域を設定することは好ましい。
【0047】以上の実施例に対して、ジョイント開口部
とは別に大気との連通孔を負圧発生部材収容部側に設け
ることは、本発明のインクを保持していない負圧発生部
材領域を大気連通部近傍に設ける構成を採用するために
も有効であり、後述するインクジェット記録装置内での
環境変化に対する信頼性向上に好適な手段となる。
【0048】仕切り壁端部とインクカートリッジ底部と
の間隙8の形状、寸法についても任意であるが、あおま
りにも狭いとインクとのメニスカス力が強くなり、ジョ
イント開口部からのインク洩れは抑制できるが、負圧発
生部材収容部へのインク供給に力を要し、使用時にイン
ク切れを発生する可能性がある。また、あまりにも広い
と逆の現象が発生する可能性があるため、微小連通部の
仕切り壁までの高さは、負圧発生部材の平均孔径(好ま
しくは微小連通部近傍の平均孔径)より大きく(実用上
は0.1mm以上)、5mm以下が適している。より安
定化を期待するのであれば、3mm以下が好ましい。図
7は、間隙8の形状の例を示している。図7(a)は、
先の実施例で使用され、本発明にとって最も安定した構
成形状であり、一定高さで、カートリッジ全幅にわたっ
て設けられたものである。図7(b)(c)は、カート
リッジ全幅の一部のみで連通部を形成し、かつ蛇行した
ものである。この構成は、カートリッジ全体の容積が大
きい場合に有効ではあるが通常プリンタでは低い使用の
ものである。図7(d)は、トンネル状の連通部を複数
有するもので、インクがカートリッジ内面側に移動しや
すく、気体ーインク交換用の気体導入を集中化できる。
図7(e)(f)は、図7(a)の構成に加えて、イン
ク収納室側の仕切り壁に上下方向にわたって凹部を形成
したものである。そのため、仕切り壁下端に至った気体
は相対的にその凹部で効果的にインク収納室内に導入さ
れ、気体の回収効率を向上できる。
【0049】尚、この間隙8もまた、ジョイント開口部
の位置を考慮して決定することがより好ましい条件とな
る。図10(a)及び(b)によって説明すると、
(a)は、ジョイント開口部下端より仕切り壁端部の方
が低い位置にあり、負圧発生部材中に保持されたインク
はジョイント開口部下端より下であるためインク洩れに
対して抑制効果があり好ましい。一方、(b)は、ジョ
イント開口部下端より仕切り壁端部の方が高い位置にあ
り、負圧発生部材中に保持されたインクはジョイント開
口部下端より上であるためインク洩れに対して抑制効果
が少なく好ましくない。したがって、仕切り壁端部の位
置をジョイント開口部下端と同じか、低い位置として間
隙8の寸法を設計することは本発明の効果をより安定化
できる利点がある。交換インクカートリッジの形状、寸
法にもよるが、最大範囲で0.1mm以上20mm以下
の高さの範囲内から間隙8の高さを選定することで実用
化でき、より好ましくは0.5から5mm程度である。
また、仕切り壁端部の形状は、上述のジョイント開口部
との位置を考慮していればいかなる形状をしていてもよ
いが、例示すれば、説明を省くが図8(a)〜(h)に
示したとおりである。
【0050】さらに、仕切り壁5の端部と負圧発生部材
3との境界部も種々の構造関係が考えられる。これを表
示したものが、図9である。図9(a)から図9(d)
は、仕切り壁端部により負圧発生部材が圧縮されておら
ず、負圧発生部材の密度を局部的に高めることがないの
で、インクの流通及び空気の流通が比較的速やかとな
り、高速記録やカラー記録の場合に好ましい。一方、図
9(e)、(f)は、仕切り壁端部により負圧発生部材
3が圧縮されおり、部材の密度が高くなるためインクの
流通及び空気の流通に抵抗を生じるものの、わずかな環
境変動に対してはインク洩れなどの障害を抑制できる。
よって、これらの選択は、インクジェット記録装置の種
類や使用する環境条件を考慮して設計すればよい。
【0051】負圧発生部材収容部4とインク収容部6の
容積割合は、インクジェット記録装置の種類や使用され
る環境条件などを考慮して決定する必要がある。また、
使用する負圧発生部材との関連も重要となる。インクの
使用効率を向上するためには、インク収容部の容積を増
やすことが好ましく、その際には、負圧発生力の高い
(スポンジでいえば圧縮率の高い)負圧発生部材を使用
することが有効となる。したがって、インク収容部の容
積割合を増加するに伴って負圧発生部材の負圧発生力を
増加させることを注意すれば、負圧発生部材の収納室の
容積とインクのみの収容室の容積の比は、1:1以上
1:3以下の範囲内が実用上の最適範囲として挙げるこ
とができる。
【0052】フィルター11の形状、寸法、目の荒さ
は、インクジェット記録装置の種類によって任意に設定
できるが、インクカートリッジからのごみの混入を防止
し記録ヘッドのノズルを詰まらせないためにもオリフィ
スの径よりも小さい目の荒さにすることが好ましい。
【0053】本発明に使用する交換型インクカートリッ
ジへの初期インク充填量は、インクカートリッジ内容積
を限度として任意であるが、交換型インクカートリッジ
開封直後の負圧を維持するためにインク収容部へは容積
限度迄充填してもよいが、負圧発生部材部へのインク充
填量は負圧発生部材のインク保持力の限界以下で設定す
ることが好ましい。尚、ここでインク保持力とは、負圧
発生部材にインクを含浸させた際の部材単独でインクを
保持できる能力をさすものである。
【0054】密閉系のインク収容部を持つインクカート
リッジにおいては、インクジェット記録装置内に装填さ
れた状態での外部環境変化(温度上昇、或は気圧低下)
に対しては、インク収容部の空気膨張により(インクの
膨張もある)インク収容部に残存しているインクをイン
クカートリッジ外へ押し出し、インク漏れ発生の可能性
がある。しかしながら、本発明に使用する交換型インク
カートリッジにおいては、最悪想定される環境状態に応
じた密閉系インク収容部の空気膨張体積(僅かではある
がインク膨張分も含む)を予想し、それにともなうイン
ク収容部からのインク移動量分を負圧発生部材収容部に
あらかじめ持たせることが好ましい。この際、ジョイン
ト開口部以外に大気連通孔を負圧発生部材収容部側に設
けることは図10(c)(d)に示すように、インク収
容室内の空気の膨張によってインク室内から負圧発生部
材内に移動したインクを大気連通側へ案内することがで
きるので、非常に有効である。尚、大気連通孔の設置位
置は、負圧発生部材収容部側のジョイント開口部より上
部ならば特に指定はないが、環境変化時の負圧発生部材
中のインクの流れをジョイント開口部から離すために、
ジョイント開口部から遠い位置にあるのが好ましい。ま
た、大気連通孔の数及び形状、大きさなどはインクの蒸
発を考慮して任意に設定することができる。
【0055】インクカートリッジ単独の物流時において
は、ジョイント開口部及び又は、大気連通孔をシール材
などで密閉してインクの蒸発やインクカートリッジ内の
空気膨張に備えることが好ましい。シール材としては、
包装分野においてバリヤー材と称される単体層のバリヤ
ー及び数層のプラスチックフィルムの複合化及びこれら
と紙、布などの補強材またアルミニウム箔などを複合化
した複合化バリヤー材を使用することが好ましい。イン
クカートリッジ本体材質と同様な材質をバリヤー材の接
着層とし、熱などで溶着することによって密閉性を上げ
ることがより好ましい。
【0056】また、インクカートリッジからのインクの
蒸発或は外部大気からの空気の流入を抑制するために
は、インクカートリッジを挿入後は包材内の空気を脱気
してから密閉する包装形態をとれば効果的である。包材
としては、気体透過度及び液体透過度を考慮し、上記シ
ール材同様バリヤー材から選択することが好ましい。
【0057】上述のような包装形態を選択することによ
ってインクカートリッジ単独の物流は、インク洩れなど
もなく非常に信頼性の高いものとなる。
【0058】インクカートリッジ本体材料は従来成形品
に用いられるいかなる材料であってもよいが、インクジ
ェット用インクへの影響がないような材料或は影響がな
いように処理された部材から選択する必要がある。ま
た、インクカートリッジの生産性を考慮することも必要
となる。例えば、図1,図11に示すインクカートリッ
ジ本体をインクカートリッジ底部11部分とその上部部
分とに分割して樹脂材料にてそれぞれを一体成形し、負
圧発生部材を挿入後、インクカートリッジ底部11部分
とその上部部分を溶着してインクカートリッジ本体を製
造することができる。樹脂材料に透明或は半透明なもの
を選択すればインク収容部のインクはインクカートリッ
ジ外部から視認することができるのでインクカートリッ
ジの取り替え時期を目視にて判断することができる。ま
た、上記シール材などの溶着を容易にするために図のよ
うな凸部を設けることが好ましい。更に、インクカート
リッジ本体外面にシボなどの加工を施すこともデザイン
上好ましい。
【0059】インクの初期充填には加圧法及び減圧法い
ずれもが使用できる。尚、インクの充填にタンク本体の
いずれかにインク充填口21を設けることは他のインク
カートリッジ開口部を汚すことがないので好ましい。イ
ンク充填後のインク充填口21は、プラスチック或は金
属材料にて栓22することが好ましい。
【0060】交換型インクカートリッジの構成は及び形
状は本発明の範囲から逸脱することなく各種の変形を行
うことができる。
【0061】以上の説明のように、本発明の交換型イン
クカートリッジは、単独の物流時にも高い信頼性を維持
し、簡易な構造でインクの残量検知可能なインク使用効
率の高い交換型インクカートリッジとなる。
【0062】また、記録時及び非記録時においても適度
の負圧を使用初期から使用終了までの間維持して高速記
録に対応し、インクジェット記録装置の使用環境条件に
おいてもインク漏れの無い交換型インクカートリッジと
なる。
【0063】更に、交換型インクカートリッジの取り扱
い性が良好で、インクジェット記録装置への脱着時にお
いてもインク漏れなどがなく、インクジェット記録装置
への装着誤動作のない交換型インクカートリッジとな
る。
【0064】図38乃至図40は、負圧発生部材の圧縮
率をインク供給用開口近傍で小さくすることによって、
気液交換をしやすくした構成と作用の説明図である。
【0065】負圧発生部材の形態を図38のようにし、
その負圧発生部材を第1収納室収容させると、負圧発生
部材の圧縮率は、図39に示すようになる。
【0066】図39に示すように、インク供給用開口2
近傍における圧縮率が大きく、微小連通部8近傍におけ
る圧縮率が小さくなっている。このような圧縮率の変化
により微小連通部近傍における気液交換をしやすくする
ことができる。
【0067】また、図40(a)〜(f)は負圧発生部
材のインク供給用開口を有する壁面から仕切り壁5へ向
う方向の長さを微小連通部8からの離れる側よりも微小
連通部側の方を短くした複数の例を示す。図40(a)
〜(f)のような形状の負圧発生部材を使用した場合に
おいても、図39と同様の特性を得ることができる。
【0068】また、図38の負圧発生部材を第1収納室
へ収容させた時に、Aの部分がインク供給用開口の上端
より上部にあると、より良い特性を得ることができる。
【0069】図11は、は本発明のカートリッジとして
のインクタンク製造方法を示すもので、後述する仕切り
板61と仕切り壁5を介して2つの収納室用凹部をなす
壁部とを備えたカートリッジ本体(断面斜線:左斜め下
向)に対して、負圧発生部材としての吸収体3を開口部
2側の凹部内に挿入した後、蓋部材としての底部材11
で一体化処理した構成を示している。この図11ではさ
らに、インクタンク1に記録ヘッドHDを装着した状態
を示す一部破断概略図である。インクタンクは、仕切り
壁5によって2つの部屋に区切られた容器に対してイン
クタンクの底部を構成する平板の底部材11で蓋をする
ことで構成される。このように蓋をするという簡単な構
成で容器の仕切り壁5の先端との同じ微少連通路8を形
成できる。尚、大気連通部10は、上記開口部2が設け
られた面と同一面で、上方部位に位置している。
【0070】一方、ヘッドは、供給管としてのジョイン
ト部7がインクタンクの開口部に挿入されてとりつけら
れ、ジョイント部7は図中上方部分が下方部より前方に
出た斜め構造をしている。そして、さらにジョイント内
部のインク流路は上方に向って開いたホーン構造をして
いる。このような構造とすることで、吸収体からのイン
クを良好にヘッド側に導入することができる。
【0071】インクジェット記録装置は、ノズル73の
吐出口71からインクの吐出を行わせるために利用され
るエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段として
の発熱素子72を備え、前記熱エネルギーによりインク
の状態変化を生起させる方式の記録ヘッドHDを有する
記録装置で、上記インク供給性の安定化効果によって、
一層、特にカラー記録にとって、記録高密度化、高精細
化が達成できる。
【0072】以上説明したように、本発明の交換型イン
クカートリッジは、単独の物流時にも高い信頼性を維持
し、簡易な構造でインクの残量検知可能なインク使用効
率の高い交換型インクカートリッジとなる。
【0073】また、記録時及び非記録時においても適度
の負圧を使用初期から使用終了までの間維持して高速記
録に対応し、インクジェット記録装置の使用環境条件に
おいてもインク漏れのない交換型インクカートリッジと
なる。
【0074】更に、交換型インクカートリッジの取り扱
い性が良好で、インクジェット記録装置への着脱時にお
いてもインク漏れなどがなく、インクジェット記録装置
への装着誤差動作のない交換型インクカートリッジとな
る。
【0075】補足して、インクカートリッジの製造方法
について説明する。上述した吸収体を内蔵した負圧発生
部材収納室と微小連通部としての連通部8を有するが、
気体と液体の交換によって初めてインクを放出する意味
での実質的な密閉構造のインク収納室とが一体成形化さ
れると、蓋部材11のインク収納室側の開口13からイ
ンクが充填される。これにより、インク収納室内にイン
クが充填されると、負圧発生部材4自体にも微小連通部
からインクが与えられかなりの範囲にインクが与えられ
る。
【0076】ここで、大気連通部近傍の負圧発生部材
は、インクが与えられず、インクを保持しない領域とし
て存在させる。この後、開口13は、ボール14でシー
ルされ開口部2と大気連通部は、同一のシール部材S
(異なっていても良い)でシールされる。
【0077】この状態の使用前インクジェット用カート
リッジを示したものが、図12に示されている。この図
でインク収納室6内には、インクが充填されているもの
とする。
【0078】図12は、この密閉状態のインクジェット
用カートリッジ1を示すと共に、これを使用するプリン
タの概略図を示している。このインクジェット用カート
リッジ1には、大気連通部10の近傍に位置する負圧発
生体領域3Aが、インクを保持していない領域としてカ
ートリッジ上方角部に設けられている。該領域3Aの下
方に位置する負圧発生体領域3Bは、インク供給管(不
図示)の挿入により圧縮変形される圧縮可能領域であ
る。これらの領域3A,3B以外の負圧発生体は、他の
外的影響がなく充填されたインクを保持する。無論、領
域3Bは、大気連通部10の下方で同一面に設けられて
いるインク供給管装着用の開口部2に対向する領域であ
る。また、開口部2は、微小連通部8よりも上方に位置
しており、本発明の上述した特徴構成の夫々をすべて有
している。
【0079】図12のカートリッジ1は、前述したシー
ル部材Sを除去することで、使用可能になるが、上記領
域3Aがインクを保持していないために、シール除去時
の振動や圧力変化があってもインクを漏らすことがな
い。
【0080】本実施例は、インクカートリッジの保存状
態や使用状態に関わらず、従来の技術水準を一掃する技
術観点として、負圧発生部材の該大気連通部近傍領域を
インクを保持していない領域とすることで、環境条件の
変動に対して、インクカートリッジ内のインクが大気連
通部から漏れることを防止できる。特に、シール部材が
大気連通部を密閉している場合に対しては、シール部材
のはがれ防止効果もある。また、使用状態にあっては、
この領域は、大気がカートリッジ内に必要に応じた量が
効率よく供給でき、インクジェットカートリッジ内の負
圧変化を抑制する効果もある。この大気連通部近傍領域
は、全くインクによる濡れがないものであると、インク
自体の浸透速度をより減速させることができるので好ま
しいが、インクにより予め濡らした後にそのインクを除
去した領域としても良い。
【0081】また、本実施例は、上記微小連通部を形成
する仕切り壁に対向する側に、インク供給用開口或は、
供給管による負圧発生体の圧縮(又は圧縮可能)領域を
存在させる構成とすることで、第2収納室のインクが負
圧発生体内に安定した実質的なインク供給路を確保で
き、これをより安定させる構成として、インクカートリ
ッジの下面に関して上記インク供給用開口が上記微小連
通部よりも上方に位置させることを挙げることができ
る。この配置関係の作用は、実質的なインク移動方向を
一定化でき、第2収納室のインクがすべて消費でき、こ
の消費後は、第2収納室内の空気が対向する開口側に移
動するように介在することで、結果的に、負圧発生体内
のインクを消費可能にして、残存インクを減少できるこ
とにある。
【0082】特に、上記微小連通部を形成する仕切り壁
からこの壁に対向する側に向かって、負圧発生体の供給
管によって圧縮されない領域、負圧発生体の供給管によ
って圧縮される領域を、この順に有することで、圧縮さ
れない領域には前述した1方向のインク供給路が形成で
き同様の効果が得られ、更に圧縮領域のインク確保能力
によって一層インク残量を減少できる。
【0083】本実施例のインクジェットプリンタは、上
記カートリッジ1を装着したことに応じて、自動的或は
手動的にカートリッジ内からのインク排出をヘッドを介
して吸引手段による吸引或は吐出によって実行するヘッ
ド回復手段HRを有している。これにより負圧発生体内
のインク状態をプリント前に修正できるので、カートリ
ッジの放置状態に左右されずに、カートリッジ本来の上
記機能を利用することができる。
【0084】図12で、走査型のキャリッジCRに保持
されたインクジェットヘッドHBに対して装着されるタ
ンク1は、先に説明した図12のカートリッジ1のシー
ルテープを除いたものである。キャリッジ上に装着され
たタンク1はヘッドのインク供給管が上記開口部2を通
って、負圧発生部材3の圧縮可能領域3Bを圧縮変形さ
せる。本例では、負圧発生部材3を微小連通部8側へ変
形させる。この時、タンクの着脱検知手段(機械的又は
電気的な公知の検知手段によって代用されるので不図示
とした)によって装着信号LPがプリンタ制御手段CC
に入力される。これに応じて、記録開始前にヘッド回復
手段HRが作動してタンク1内のインクを排出して、タ
ンク内インクの状態を改善する。
【0085】図13(A)は、図12のインクジェット
カートリッジのインク収納室の内面を変更し、その容量
分だけ上方に凸の空間形状22としたものである。この
内面20は、微小連通口8から遠ざかる程上昇している
曲面となっている。内面20の構造は、インクの表面張
力による微小残滴も負圧発生部材3側へ供給すると共
に、上方に突出した部分21が操作者にとっての挟持部
になり、操作時に生じるタンクの変形を防止する。図1
3(B)は、同等の容量タンクを、インク収納室が大で
負圧発生部3収納室側を小にするための仕切り壁51の
斜め配置を示す。
【0086】図13(C)は、先の製造方法で示した、
仕切り壁5に対して間隙8を形成する蓋部材11を、カ
ートリッジ本体の側板101,100の間に挿入して固
定する例である。SEは蓋部材11の端部を示してい
る。この図13(C)の場合、接着固定にバラツキが生
じると、間隙8の距離SPは一定化しない。そのため、
図13(D)のように、仕切り壁の端部SEに接するス
ペーサ110を両側に位置させることも好ましい。スペ
ーサ110は、蓋部材11に設けることが良い。さら
に、間隙8の距離SP内に位置する凸部30を蓋部材に
設けることで、インク収納部内への空気の回収性を高め
るようにしても良い。
【0087】図14(A),(B)は、それぞれ本発明
実施例のプリント或いはインク供給状態の可能な状態傾
斜範囲を示すもので、図中の40は水平面を示してい
る。本発明にとってより好ましい状態は、微小連通部が
下方側に位置していることで、理想的には水平面40に
対してカートリッジ下面で平行となることが良い。しか
し、実用上は、本例の如く、2室構成の場合、(A),
(B)の図の如き角度θは夫々0≦θ≦15度の範囲ま
で使用上の不都合がない。走査型キャリッジ上に載置し
て移動させる場合は0≦θ≦5度の範囲が好ましい。
【0088】上述した本発明の実施例の負圧発生部材
は、複数の部材構成でも良いが、互いの間の界面(部材
間界面)が生じると大気の移動がそこに生じるため不都
合が生じ易い場合があるので、より好ましくは、負圧発
生部材は単一の多孔室体であることが良い。
【0089】又、インク収容室は、相対的に負圧発生部
材収納室よりもインクを多量に含むものであれば、実質
的にインクを収納する室として含めることもできる。
【0090】ここで、先の実施例でも開示されているイ
ンク収納室内の仕切り板61について説明すると共に、
ユーザーが手で握ったときの荷重や、物流中の環境条件
でカートリッジの外壁面が変形して、インクジェット記
録ヘッドのオリフィスからインクが漏れたり、カートリ
ッジの一部に設けられているカートリッジ内の圧力を大
気と同じにする大気連通口からインクが漏れるといった
問題を解決できる実施例について説明する。
【0091】以下の例は、上記各種のインクタンクタン
ク形態における技術課題を解消するためになされたもの
で、ハンドリング時や搬送中の外力、そして温度や気圧
等環境変化によるインク漏れが発生することはなく、し
かもインク使用効率の高いインクジェット記録用インク
カートリッジである。
【0092】図15(A)は、側壁面を省いて示した一
実施例の斜視断面図、図5(B)は同実施例の横断面
図、図16は同実施例のインク供給動作の説明図、図1
7は同実施例の側壁に荷重が掛かったときの側壁の歪み
を説明する断面図である。
【0093】図15(A),(B)に示すように、イン
クカートリッジ本体1は、インクジェット記録ヘッドと
連結するための開口部2および開口部2より上方に設け
た大気を取り入れる大気連通部10を有し記録用のイン
クを吸収保持する負圧発生部材3を収容した負圧発生部
材収容部4と、負圧発生部材収容部4にリブ5を介して
隣接しインクを収容するインク収容部6とからなってい
る。なおインク収容部6と負圧発生部材収容部4とはリ
ブ5と底面の間に設けた隙間部8で連通し、インク収容
部6には仕切り板61が前記隙間8以上の隙間を下部に
残して両側に側壁を連結している。
【0094】図16(a)は、インクジェット記録ヘッ
ドへインクを供給するジョイント部材7を実施例のイン
クカートリッジ本体1の開口部2に挿入して負圧発生部
材3に圧接し、インクジェット記録装置が稼動可能にな
った状態を示す模式断面図である。なおジョイント部材
7の端部開口部にはインクカートリッジ内のゴミを排除
するためにフィルターが設置されていることもある。
【0095】インクジェット記録装置が稼動するとイン
クジェット記録ヘッドのオリフィスからインクが吐出さ
れ、インクタンクにインク吸引力が発生する。インク9
はこの吸引力によりインク収容部6からリブ5の端部と
インクカートリッジ底部11との隙間部8を通り負圧発
生部材収容部4へ、そして負圧発生部材3を通ってジョ
イント部材7内に引き込まれインクジェット記録ヘッド
へ供給される。これにより隙間部8以外は密閉している
インク収容部6の内部の圧力が低下し、インク収容部6
と負圧発生部材収容部4との間に圧力差を生ずる。記録
が継続すると、その圧力差は上昇を続けるが、負圧発生
部材収容部4は大気連通孔10により大気に開放されて
いるため、図16(b)に示すように空気は負圧発生部
材3を通ってリブ5とインクカートリッジ底部11との
隙間部8からインク収容部6に入る。この時点で、イン
ク収容部6と負圧発生部材収容部4との間の圧力差が解
消される。インクジェット記録中はこの動作が繰り返さ
れ、ある一定の負圧がインクカートリッジ内に得られ
る。また、インク収容部6内のインクは、インク収容部
6内の壁面に付着するインク以外は、ほぼ全て使用でき
るためインク使用効率が向上する(図16(c))。
【0096】非記録時は、負圧発生部材3自身の毛細管
力(あるいはインク−負圧発生部材界面でのメニスカス
力)などが発揮され、インクジェット記録ヘッドからイ
ンクが漏れることを抑制する。
【0097】上記の機能から、ジョイントするインクジ
ェット記録ヘッドに応じた負圧発生部材3の選択および
負圧発生部材収容部4とインク収容部6の容積割合によ
り、他の実施例として図18の断面図に示すように、イ
ンク収容部6に複数の仕切板61を備えた構成とするこ
ともできる。
【0098】以下、側壁の強度向上対策として効果があ
る構成について説明する。
【0099】インクカートリッジにおいて、ハンドリン
ク時の外力や、物流中の環境変化に耐え、そしてインク
の使用効率を高めた構造を採ることが重要である。
【0100】実施例では、負圧発生部材収容部4および
インク収容部6の各側壁12a,12b,12cの外力
に対する変位量を同等にするように構成してある。
【0101】例えば、カートリッジ材質は通常プラスチ
ックモールドであるが、図15(B)および図17に示
すように、負圧発生部材収容部4の側壁面12aの厚さ
をインク収容部6の側壁面12b,12cの厚さよりも
厚くするとともに、インク収容部6の容積を等分割する
ような位置に、下部に隙間を残して両側壁内面間に前記
仕切板(リブ)61を配設し、単位面積当たり同等な荷
重に対する壁面の変形量Δt6を小さくし、しかも61
の両側の側壁面12b,12cの変化が同等となるよう
にする。また、負圧発生部材収容部4の変形量Δt4と
もほぼ同等にすることによって壁面に変形によるインク
の漏れを防止する目的が達成される。
【0102】図15(B),図17に示す実施例のイン
クカートリッジにおいて、材質はポリプロピレン(P
P)、外径寸法は長さ48m/m×高さ35m×厚さ1
1m/mの場合、長さ48m/mのほぼ中央で、負圧発
生部材収容部4の側壁面12aの熱さを1.5mm、イン
ク収容部6の側壁面12b,12cの熱さを1mm、イン
ク収容部6のリブ61を各壁面より約10mmの位置に配
設することにより、ハンドリング時の荷重(約2Kg)に
対して、2倍以上のマージンを確保した構造を得ること
ができた。また、同時に、物流中の気圧変化や、温度変
化に対しても、十分な強度を得ることが可能となった。
【0103】上記実施例では、タンクのサイズの関係か
らインク収容部6のリブ61は、1カ所であるが、1カ
所に限定するものでなく、インクカートリッジのサイズ
に合わせ、図18に示すようにリブ61を2カ所に設け
る等、リブの本数,位置,壁面の厚さを変えることによ
って対応することができる。
【0104】図20は、負圧発生部材収容部4の壁面厚
さと、インク収容部6の壁面厚さを決定するために調査
した各壁面の厚さと、ハンドリング及び物流環境でのイ
ンク漏れの関係を示すデータである。
【0105】各壁面とも厚さを増せば、インクもれに対
し強度は増すが、目的である小型化と高いインク使用効
率を満足するためには、少しでも壁を薄くして、その分
だけ内容積を増やす必要があり、図20に示すデータか
ら、負圧発生部材収容部4の側壁面厚さ1.5mm、イン
ク収容部6の側壁厚さ1.0mmを採用した。
【0106】インクカートリッジの大きさにより、上記
寸法は図20を参照して決定でき、負圧発生部材収容部
4の外壁肉厚をインク収容部6の外壁肉圧の1.2倍な
いし3倍の範囲内で構成することが好ましい。
【0107】本発明は、上述したように、インクジェッ
ト用インクカートリッジとして、従来にはない逆転の発
想から、合理的且つ効果的なカートリッジをインクジェ
ットプリントの分野に提供することができたもので、単
色はもとより、複数のカラーインクを必要とするカラー
プリンタ自体の小型化を実現可能にする利点は注目すべ
きものがある。さらに、インクカートリッジの交換期間
を長くすることができ、操作性にも優れたものである。
【0108】図33は、交換インクタンクと記録ヘッド
とを十分に結合させた上で交換インクタンクを付勢する
ことで、キャリッジと記録ヘッドと位置決めを簡単な構
成で確実に行うとともに、記録ヘッドと交換インクタン
クとを本体外で簡単に結合した上でキャリッジに装着す
るようにしたので交換操作を容易にすることかできるも
のを挙げた。また、キャリッジ(記録装置置本体)と記
録ヘッドとの電気的接続も同時に行うように構成したの
で、記録ヘッド・交換インクタンクの交換時の操作性も
良好であるが、電気的接続を別途コネクタ接続方式など
にして、記録ヘッドの位置決めと交換インクタンクとの
結合をより確実なものとするための構成自由度を高くす
るのも良い。
【0109】ここで、図33におけるインクジェット記
録装置における記録ヘッドの配置及び動作を説明する。
図33で、記録媒体Pをプランテンローラ5000を用
いて水平方向に案内し、紙押さえ板5002でキャリッ
ジ移動方向にわたってプランテン5000に対して押圧
する。キャリッジHCは、キャリッジ移動ピンをそのら
せん溝5004にはめ込んで、それ自身が回転すること
で駆動源として動作するリードスクリュー5005とリ
ードスクリューに平行に配置されたスライダ5003と
に支持係合されてプランテンローラ5000上に案内さ
れた記録媒体Pの記録面に沿って前後に往復動する。リ
ードスクリュー5005は駆動伝達ギアを介して駆動モ
ータの正逆回転に連動して回転駆動制御される。
【0110】画像記録信号は、記録ヘッドを搭載するキ
ャリッジの移動にタイミングを計って記録ヘッドに送ら
れ、所定の位置でインク滴を吐出させて記録を行う。
【0111】本発明のインクタンク及びインクは、特
に、図33に示すように、縦置き印字姿勢において特に
有効である。縦置き印字姿勢では記録ヘッド2010の
下面に記録媒体Pを対向させて記録走査を行うように構
成されており、プラテンローラ5000に巻きつけずに
記録媒体Pをほぼ同一平面内にで給紙・印字・排紙を行
うことが可能であるのではがきやOHP用紙などの厚手
の剛性の高い記録媒体にも印字することができる。縦置
き印字姿勢では記録媒体Pに対向する記録ヘッド201
0の吐出部よりも交換インクタンク2001の方が上部
に配置されるので、その分のインクの水頭圧を支えたう
えで吐出部におけるインク内圧を若干の正圧、好ましく
は若干の負圧に維持して吐出部のインクのメニスカスを
安定化することが必要となる。
【0112】尚、図33の記録装置は下述する各実施例
において適用できるものである。
【0113】図21は、本発明の他の実施例のインクジ
ェット用インクカートリッジ本体の縦断面図、図22は
同横断面図、図23はリブの表面を示す断面図である。
【0114】インクジェット用インクカートリッジ本体
1001には、インク収容部1006と負圧発生部材収
容部1004との隔壁であるリブ1005の一部に大気
導入溝1031と負圧発生部材調整室1032とが形成
してある。
【0115】大気導入溝1031は、リブ1005の中
間部分からリブ1005の端部、即ちインクカートリッ
ジ底部1011との間隙部1008まで、負圧発生部材
収容部1004側に形成されている。そしてリブ100
5の大気導入溝1031の近辺に接する負圧発生部材1
003との間に、えぐられたような形状の負圧発生部材
調整室1032が形成されている。
【0116】負圧発生部材1003は負圧発生部材収容
部1004の内面に当接されることから、例えば負圧発
生部材1003が不均一に挿入されていたとしても図2
1及び図22に示すように、負圧発生部材1003の当
接(圧縮)力が部分的に緩和されることになる。このた
め、ヘッドからインクを消費し始めると、負圧発生部材
1003に含浸されているインクが消費され負圧発生部
材調整室1032まで達する。その後もインクが消費し
続けると負圧発生部材調整室1032により負圧発生部
材1003の当接力が緩和されている部分から大気がイ
ンクメニスカスを破りやすくなっており、速やかに大気
導入溝1031に大気が導入され負圧のコントロールが
容易になる。
【0117】本実施例は、特に負圧発生部材1003と
して弾性のある多孔質体を使用することが望ましい。
【0118】非記録時は、負圧発生部材1003自身の
毛細管力(あるいはインク−負圧発生部材海面でのメニ
スカス力)などが発揮され、インクジェット記録ヘッド
からインクが漏れることを抑制する。
【0119】比較例として負圧発生部材調整室がないイ
ンクカートリッジの一例を図29〜図31に示す。
【0120】図示の比較例のインクカートリッジの構成
であっても前記の動作原理に基づき、理想的な状態であ
れば何ら問題なく動作する。説明するまでもなく大気導
入溝がない場合よりも安定した動作をする。
【0121】しかしながら、工業的により安定した動作
を実現するために、あるいは負圧発生部材として連通孔
を有する樹脂多孔質体を使用する場合にはより安定した
制御が必要となる。
【0122】図32の拡大断面図に示すように、負圧発
生部材1003がリブ1005に当接して大気導入溝1
031に食い込む状態となる。これにより当接部Aでは
負圧発生部材1003の圧接力(圧縮力)が緩和され
ず、大気がその部分のインクメニスカスを破って大気導
入溝1031に入りずらくなる。このことによりインク
が消費され続けても気液交換が行われず、大気導入溝1
031の効果が発揮できず、インク吸収部1006のイ
ンクが使われることなく動作不能となる懸念がある。
【0123】比較例と異なり、実施例は前記説明の通
り、優れた効果を発揮する構成となっている。
【0124】図24は他の実施例に備えたリブ1005
の異なる断面形状2種類を示す縦断面図であり、図25
はリブの断面形状を示す拡大横断面図である。
【0125】図示のように大気導入溝1031と負圧発
生部材調整室1032の形状が、前記第8実施例と異な
っている。
【0126】即ち、負圧発生部材1003に当接するリ
ブ1005の段差部分を、より圧接・圧縮緩和の効果が
発揮できるように面取りR付けが実施してある。
【0127】この面取りR付けが施された負圧発生部材
収納部1004側のリブ1005の近傍において空気が
負圧発生部材1003に含浸されているインク中に取り
込まれる。そして取り込まれた空気はインク収容部10
06へ移動する。この空気の移動に伴ってインク収容部
1006のインクは負圧発生部材収容部1004へ供給
される。そして空気が負圧発生部材1003に含浸され
ているインクに取り込まれる領域が気液交換領域とな
る。
【0128】上述した気液交換をよりスムーズに行うた
めには気液交換領域上側より気液交換領域下側において
負圧発生部材収容部1004に対する負圧発生部材10
03の当接力を緩和することが好ましい。これは当接力
が緩和される負圧発生部材1003の毛細管内を空気が
よりスムーズに気相からインク相へ移動できるからであ
る。
【0129】例えば図26〜図28に示すようなリブ1
005の中央部(大気導入溝の端部)に部分的な負圧発
生部材調整室1032を形成する構成によって効果発揮
することも可能である。
【0130】なお、実施例の負圧発生部材調整室103
2と同等の機能を持たせるために、負圧発生部材100
3の形状を変えて対応することも可能であり、上記要件
を満たしていればいかなる形状,寸法であってもよい。
【0131】以上説明してきたように、本発明では、イ
ンク供給時にインク収容部中のインクと大気とが、安定
かつ、すみやかに気液交換されることが可能となり、そ
の結果、インク供給部における内圧を安定して制御する
ことが可能となり、記録ヘッドにおける吐出安定性の良
い、しかも、高速印字が可能となった。
【0132】また、外部環境の変化に対する、インクタ
ンク内の圧力変化に対しても、インク漏れが発生するこ
とのない、インクタンクを提供することが可能となっ
た。
【0133】他の本実施例のインクタンク2001は、
内面を2つのインク室(a,b)に仕切るとともに底部
で連通させ、インク供給部のインク室aに毛細管力を調
整したインク吸収体2002をほぼ隙間なく詰め込むと
ともに大気連通部2003を設けた吸収体併用区分イン
ク室方式である。
【0134】図15のインクの状態は、インク室a,b
に十分に充填された初期状態からインク室aの供給可能
なインク及びインク室bの半分程度のインクを消費した
状態である。図15において、圧縮インク吸収体のイン
クは、記録ヘッドの吐出部からの水頭圧とインク室b内
の減圧と圧縮インク吸収体内の毛細管力とが釣り合った
高さで維持されている。インク供給部からインク供給が
なされるとインク室aのインク量は減らず、インク室b
のインクが消費される。すなわち、インク室a内のイン
ク分布は変化せず内圧の平衡を維持したまま、インク室
bからインク供給に見合うだけのインクが消費されると
ともにその分の大気がインク室aを介して大気連通部か
ら導入される。
【0135】この際、図15に示すようにインク室壁下
端部でインクと大気の交換が生じ、インク室aの圧縮イ
ンク吸収体に形成されたメニスカスはインク室bに近接
した部分から一部破断され、インク室bの圧力が圧縮イ
ンク吸収体のメニスカス保持力等と釣り合うようにイン
ク室bに大気が導入される。図2を用いて本発明の吸収
体併用区分インク室方式のインク供給及びインク内圧の
発生原理をさらに説明すると、インク室壁近傍の圧縮イ
ンク吸収体はインク室aのインクが所定量消費された状
態では大気連通部と連通されているため大気圧に対して
メニスカスを形成している。すなわち、インク供給部の
インク内圧は圧縮されて所定の毛細管力に調整されてい
るインク室壁近傍の圧縮インク吸収体によって維持され
ている。インクが流出する前のインク室bの上部の閉塞
された空間はインク室壁近傍の圧縮インク吸収体の毛細
管力及びインク室bに残っているインクの水頭圧と釣り
合い、圧縮インク吸収体の形成するメニスカスを保持す
るように減圧されている。この状態からインク供給部を
介して記録ヘッドにインクが供給されると、インク室b
からインクが流出し、インクが消費されたインク室bは
その分だけさらに減圧されることになる。その際、イン
ク室壁下端部の圧縮されたインク吸収体に形成されたメ
ニスカスが一部破断されて、過剰に減圧されたインク室
bの圧力が圧縮されたインク吸収体のメニスカス保持力
及びインク室b内のインク自身の水頭圧と釣り合うよう
に消費中のインク室に大気が導入される。すなわち、イ
ンク供給部の内圧は、インク室壁下端部近傍の圧縮され
たインク吸収体の毛細管力によって所定の値に維持され
る。
【0136】図34は圧縮吸収体のバッファ吸収体とし
ての機能を説明するもので、図10の状態から大気圧の
減圧ないしは気温の上昇などによるインク室b2006
内の空気の膨張などでインク室b2006のインクがイ
ンク室a2004の方へ流出した様子を示している。本
実施例ではインク室a2004に流出したインクは圧縮
吸収体2003で保持されるようにしている。圧縮吸収
体のインク吸収量とインク室との関係については、前述
の減圧ないしは温度変化時のインクの漏れを防止すると
いう観点から、インク室b2006からの最悪条件下で
のインク流出量と、インク室b2006からのインク供
給時にインク室a2004に保持させるインク量とを考
慮してインク室a2004の最大インク吸収量を決め、
少なくともその分の圧縮吸収体を収納するだけの容積を
インク室aに持たせれば良い。
【0137】逆に、大気圧が上昇すると、インク室b2
006の上部のインク水頭圧分だけ元々減圧されている
空気と上昇した大気圧との差が大きくなり過ぎるのでイ
ンクないしは大気をインク室b2006に引き込んで所
定の圧力差に戻ろうとするが、そうした場合には、イン
ク室b2006からのインク供給時と同様に、インク室
壁2005下端部近傍の圧縮インク吸収体2003のメ
ニスカスが破断して主に空気がインク室b2006に導
入されて圧力平衡となるので、インク供給部のインク内
圧はほとんど変化せず、記録特性に対する影響はほとん
どない。上記の例で大気圧が元に戻った場合はインク室
b2006に導入された空気の分だけインク室b200
6からインク室a2004にインクが流出するので、前
記例と同様にインク室a2004のインク量が一時的に
増加して気液界面が上昇するので、使用初期と同様にイ
ンク内圧の安定期より一時的にやや正側の内圧になるが
記録ヘッドの吐出特性への影響は小さく実使用上の問題
はない。上記の問題は、例えば高地の減圧下で使用され
ていた記録装置を標準大気圧の低地に移動して使用する
場合などに生ずるが、その場合でもインク室b2006
への空気導入が生ずるだけで、また、再び高地へ移動し
て使用する際にややインク供給部のインク内圧が若干上
昇するだけであり、さらに、標準大気圧よりも著しく高
い状態での使用はあまり考えられないので、上述のごと
く実使用上大きな問題とはならない。
【0138】また、インクタンク使用初期から交換直前
まで、インク室a2004の圧縮インク吸収体2003
によってインク室a2004内のインクは確実に保持さ
れており、また、インク室b2006は閉塞されている
ので開口部(大気連通部及びインク供給部)からのイン
クの漏出はなく、取り扱い性に優れる。
【0139】次に、本実施例の吸収体併用区分インク室
方式における圧縮インク吸収体及びインク室構成の必要
条件について詳細に説明する。
【0140】まずインク室の構成としては、圧縮インク
吸収体2003のインク吸収容量とインク室の容積との
関係については、前述の減圧時ないしは温度変化時のイ
ンクの漏出を防止するという観点から、インク室b20
06からの最悪条件下でのインク漏出量とインク室b2
006からのインク供給時にインク室a2004に保持
させるインク量とを考慮してインク室a2004の最大
インク吸収容量を決めて、圧縮インク吸収体2003の
インク吸収率を考慮して少なくともその分の圧縮インク
吸収体2003を収納するだけの容積をインク室a20
04に持たせれば良い。
【0141】次にインク室壁2005下端部に形成され
るインク室間の連通部の大きさは、上部が閉塞されてい
るインク室b2006内のインクが連通部でメニスカス
を形成できない程度の大きさ以上であることが第1条件
であり、さらにインク供給部からの最大インク供給速度
(記録装置本体での吸引時やベタ印字時のインク供給速
度)に応じて、インクの粘度などの特性を考慮して円滑
な気液交換がなされるだけの開口を持たせれば良い。た
だし、前述のごとくインク室b2006の残余インクの
インク上面がインク室壁2005下端部よりも下がった
場合は、インク供給部のインク内圧がその分一時的に正
方向に変化するので、その際の記録ヘッドのインク吐出
特性への影響が少なくなるように設定すれば良い。
【0142】インクタンクの動作説明で述べたように、
本吸収体併用区分インク室方式では、インク室壁近傍の
圧縮インク吸収体2003でインク供給部のインク内圧
を保持しているので、インク室b2006からのインク
供給時に所望の内圧を維持するためには、インク室壁2
005下端部近傍の圧縮インク吸収体2003の毛細管
力の調整が必要である。すなわち、インク室壁2005
下端部近傍の圧縮インク吸収体2003の毛細管力は記
録時に必要なインク内圧を発生できるように圧縮率ない
しは初期ポアサイズを設定すれば良い。例えば、インク
供給部で必要とされるインク内圧がマイナスh(mma
q)、インク室壁2005下端部近傍の圧縮インク吸収
体2003はインクhmm引き上げられる毛細管力を有
していれば良く、圧縮インク吸収体2003の構成を簡
略化して考えれば、インクの密度をρ、インクの表面張
力をγ、インク吸収体とインクの接触角をθ、重力加速
度をgとすれば、圧縮インク吸収体2003の細孔部半
径P1は、 P1=2γcosθ/ρgh であれば良い。
【0143】インク室b2006からインクを供給して
いる間、インク室a2004内でのインクの気液界面が
インク供給部で、インク供給部の上端よりも低くなると
記録ヘッド側へ大気が供給されるので、インク供給部近
傍の気液界面は少なくともインク供給部上端よりも高い
位置に維持されていなければならない。すなわち、イン
ク供給部上部の圧縮インク吸収体2003は、インク供
給部で必要とされるインク内圧に相当するhmmに加え
てインクタンク下面からインク供給部上端よりも高い気
液界面設定位置(imm)の高さ、すなわち、(h+
i)mmの高さまでインクを引き上げる毛細管力を持た
せれば良い。上記と同様に圧縮インク吸収体の構成を簡
略化して考えられは、インク供給部上部の圧縮インク吸
収体の細孔部半径P2は、 P2=2γcosθ/ρg(h+i) であれば良い。上式でインク供給部直上の気液界面の高
さ(imm)はインク供給部上端よりも高い位置であれ
ば良く、インク室a2004の更に内側の圧縮インク吸
収体2003ではインク室壁に向かって徐々に低く気液
界面が設定されるように、インクの引き上げ力(毛細管
力)を徐々に小さく(同一の吸収体であれば、細孔部半
径P3を徐々に大きく)するか(図35)、インク室壁
2005近傍のみで圧縮インク吸収体2003の毛細管
力を小さくして(図36)、インク室壁2005下端部
の毛細管力(同一の吸収体であればP1)につなげれば
良い。
【0144】インク室b2006からの安定したインク
供給がなされている場合の圧縮インク吸収体2003内
の気液界面より下側になる部分の圧縮インク吸収体20
03の毛細管力は、インクタンクに衝撃や傾斜、あるい
は急激な温度変化など特別な外力が作用しなければどの
ように毛細管力が調整されていても良いが、そうした外
力やインク室b2006のインクがすべて消費された後
もインク室a2004の残余インクを供給するために
は、インク室壁2005下端部の毛細管力(細孔部半径
P1)よりもインク供給部に向かって徐々に毛細管力を
大きく(細孔部半径P4)なるように設定し、インク供
給部の毛細管力を最も大きく(細孔部半径P5)すれば
良い(図37)。すなわち、毛細管力の調整は、少なく
とも (インク室壁下端部)<(インク供給部直上部) であれば良く、更に好ましくは、 (インク室壁下端部)<(インク室中間下部)<(イン
ク室中間上部)<(インク供給部直上部)<(インク供
給部) であれば良い。
【0145】また、同一の圧縮インク吸収体2003を
用いて簡略化して考えると細孔部半径は少なくとも、 P1>P2 であれば良く、更に好ましくは、 P1>(P3,P4)>(P2,P5) であれば良い。P3とP4、P2とP5の関係は圧縮率
の分布設定に応じてP3>P4、ないしはP2>P5と
しても、また、P3=P4、P2=P5としても良い。
【0146】図35〜図37に、上述の関係を同一の圧
縮インク吸収体2003で圧縮率の調整により実現する
ための例として、本実施例で好ましい圧縮率分布を示
す。A351 ,A361 ,A371 は気液界面を示し、矢印A
352 ,A362 ,A372 は圧縮インク吸収体の圧縮率が小
さい方から大きい方へ変化している様子を示す。
【0147】比較例3として、インク供給部側の圧縮イ
ンク吸収体2003の毛細管力をインク室壁近傍よりも
強くしない場合には、インク室a2004からインクを
ある程度消費させた状態では、インク室壁2005下端
部近傍に気液界面A381 が形成され、インク室a200
4とインク室b2006との連通部が気相側に位置す
る。この場合、インク室b2006のインクを供給でき
ず、大気連通部2013から導入された大気A382 が直
接インク供給部から記録ヘッドへ供給されてしまい、そ
の時点でインクタンクは使用不能となる。
【0148】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
第1収納室に収納した負圧発生部材の圧縮率を微小連通
部近傍では小さくすることにより気液交換が容易とな
り、インクの使用に対応して第2収納室から第1収納室
内の負圧発生部材にインク補充し、インク供給用開口部
から漏れることなく円滑にインクジェット記録装置に供
給することができる。
【0149】またインクを殆ど残すことなく有効に使用
することができ、省資源とコスト低減を計ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明第1実施例のインク容器の一部を破断
して示した模式斜視図である。
【図2】 図1実施例の模式断面図である。
【図3】 (a)、(b)、(c)各々は、本発明実施
例に使用するインクカートリッジと供給管の結合例の説
明図である。
【図4】 インクカートリッジのより好ましい条件を説
明するための比較例の説明図である。
【図5】 (a)、(b)、(c)各々は、実施例のイ
ンク供給部の説明図である。
【図6】 (a)、(b)、(c)各々は、インク供給
部と微小連通部との位置関係を説明する説明図である。
【図7】 (a)〜(f)各々は、微小連通部の構成説
明図である。
【図8】 (a)〜(h)各々は、仕切り壁の微小連通
部側端部の形状説明図である。
【図9】 (a)〜(f)各々は、仕切り壁近傍の吸収
体端部状態の説明図である。
【図10】 (a)〜(d)各々は、環境変化に対する
吸収体内部の状態説明図である。
【図11】 インクカートリッジの製造方法とインクジ
ェットヘッドを説明するための概略図である。
【図12】 実施例インクジェットカートリッジとそれ
を用いたインクジェットプリンタの概略説明図である。
【図13】 (A)〜(D)は、実施例インクカートリ
ッジの要部変形例を説明する図である。
【図14】 (A)、(B)は、実施例インクカートリ
ッジの使用状態の傾斜可能範囲を説明するための断面図
である。
【図15】 (A)、(B)は、最適実施例の形状説明
図である。
【図16】 (a)〜(c)は、各々実施例インクカー
トリッジの記録状態における変化を順に示す説明図であ
る。
【図17】 実施例インクカートリッジの外壁に対する
圧力状態を説明する概念図である。
【図18】 実施例インクカートリッジの変形例の断面
図である。
【図19】 (A)、(B)は、本発明を実施したイン
クカートリッジのカラータンク構成を示す斜視図であ
る。
【図20】 壁面厚さと外圧変形に伴うインク漏れとの
相関関係を示すグラフである。
【図21】 他の実施例インクカートリッジ本体の縦断
面図である。
【図22】 図21のインクカートリッジ本体の縦断面
図である。
【図23】 図21のリブ表面を示すインクカートリッ
ジ本体の断面図である。
【図24】 他の実施例の表面を示すインクカートリッ
ジ本体の断面図である。
【図25】 他の実施例のリブの断面形状を示す拡大横
断面図である。
【図26】 他の実施例の交換型インクカートリッジ本
体の縦断面図である。
【図27】 他の実施例の交換型インクカートリッジ本
体の横断面図である。
【図28】 他の実施例のリブ表面を示すインクカート
リッジ本体の断面図である。
【図29】 比較例のインクカートリッジ本体の縦断面
図である。
【図30】 比較例のインクカートリッジ本体の横断面
図である。
【図31】 比較例のリブ表面を示すインクカートリッ
ジ本体の断面図である。
【図32】 比較例のリブの断面形状を示す拡大横断面
図である。
【図33】 縦置き印字姿勢の説明図である。
【図34】 インク室aの圧縮インク吸収体の漏洩イン
クバッファ機能の説明図である。
【図35】 他の圧縮インク吸収体の圧縮率分布の例。
【図36】 図35の圧縮インク吸収体の圧縮率分布の
異なる例。
【図37】 図35の圧縮インク吸収体の圧縮分布の異
なる例。
【図38】 他の実施例の負圧発生部材の形態説明図で
ある。
【図39】 図39の実施例の圧縮分布の説明図であ
る。
【図40】 図38の実施例の他の負圧発生部材の形態
図である。
【符号の説明】
1 インクジェットカートリッジ 2 インク供給用開口 3 負圧発生部材 4 第1収納室 5 仕切り壁 6 第2収納室 7 大気連通部 8 微小連通部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石永 博之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気との連通を得るための大気連通部と
    インク供給用開口とを備え負圧発生部材を収容した第1
    収納室と、前記大気連通部から離れた位置に設けられた
    微小連通部のみを介して第1収納室に対して連通するが
    実質的に密閉状態でインクを直接収納する第2収納室と
    を隣接させて仕切る仕切り壁が前記微小連通部を形成
    し、該仕切り壁と対向する第1収納室の面に前記インク
    供給開口を備えたインクジェットカートリッジであっ
    て、前記負圧発生部材の圧縮率が前記微小連通部近傍で
    小さくなっていることを特徴とするインクジェットカー
    トリッジ。
  2. 【請求項2】 前記負圧発生部材のインク供給用開口か
    ら前記仕切り壁へ向う方向の長さが、上記インク供給用
    開口から離れた側よりも上記インク供給用開口側の方が
    短いことを特徴とする請求項1記載のインクジェットカ
    ートリッジ。
  3. 【請求項3】 上記負圧発生部材の上記インク供給用開
    口から上記仕切り壁へ向う方向の長さが、上記インク供
    給用開口から離れた側から上記インク供給用開口上端の
    上部までと等しくしたことを特徴とする請求項2記載の
    インクジェットカートリッジ。
  4. 【請求項4】 前記微小連通部は、第1収納室と第2収
    納室を区分する仕切り壁と上記インクジェットカートリ
    ッジ内面との間に形成されており、さらに該仕切り壁と
    対向する第1収納室の面にはインク供給用の開口が形成
    されており、該インク供給用開口は、インクジェットヘ
    ッドの供給管の挿入を許容し、上記インク供給用開口近
    傍の上記負圧発生部材はその供給管の挿入により上記微
    小連通部側へ圧縮される圧縮可能領域であることを特徴
    とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のイン
    クジェットカートリッジ。
  5. 【請求項5】 前記微小連通部は、第1収納室と第2収
    納室を区分する仕切り壁と上記インクジェットカートリ
    ッジ内面との間に形成されており、上記第1収納室の該
    仕切り壁と異なる面にはインク供給用の開口が形成され
    ており、該インク供給用開口近傍の上記負圧発生部材は
    インクジェットヘッドの供給管の挿入により上記微小連
    通部側へ圧縮される圧縮可能領域で、上記負圧発生部材
    は該圧縮可能領域と前記微小連通部との間に供給管の挿
    入では圧縮されない領域を備えていることを特徴とする
    請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のインクジェ
    ットカートリッジ。
  6. 【請求項6】 上記異なる面は上記仕切り壁と対向する
    面であり、上記インク供給用開口が上記微小連通部側に
    偏倚した位置で且つ上記微小連通部よりも上方に設けら
    れていることを特徴とする請求項5記載のインクジェッ
    トカートリッジ。
  7. 【請求項7】 上記第2収納室内の上記微小連通部の隙
    間より大きい隙間を上記インクジェットカートリッジ内
    面との間に形成する仕切り板を具備していることを特徴
    とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のインク
    ジェットカートリッジ。
  8. 【請求項8】 上記第1収納室と第2収納室との容積比
    が1:3〜1:1の範囲内の比であることを特徴とする
    請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のインクジェッ
    トカートリッジ。
  9. 【請求項9】 上記微小連通部の高さが上記負圧発生部
    材の第1収納室内における平均孔径よりも大きく5mm以
    下の範囲内の値であることを特徴とする請求項1乃至請
    求項8のいずかに記載のインクジェットカートリッジ。
  10. 【請求項10】 上記微小連通部から第1収納室内の上
    記負圧発生部材対向位置まで延在する気液交換促進構造
    を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに
    記載のインクジェットカートリッジ。
  11. 【請求項11】 単一の負圧発生部材を収納すると共に
    インク供給用開口と大気との連通部を得るための大気連
    通部とを備えた第1収納室と、該大気連通部から離れた
    位置に設けられた微小連通部のみを介して該第1収納室
    に対して連通するが実質的に密閉状態で第1収納室へ供
    給するためのインクを直接収納する第2収納室と、上記
    微小連通部から第1収納室内の負圧発生部材対向位置ま
    で延在する気液交換促進構造と、を有し、第1収納室と
    第2収納室とを前記微小連通部を下方とする時互いに側
    方に位置するように隣接させて備えたインクジェットカ
    ートリッジであって、前記負圧発生部材の圧縮率が上記
    微小連通部近傍で小さくなっていることを特徴とするイ
    ンクジェッカートリッジ。
  12. 【請求項12】 上記第1収納室と第2収納室との容積
    比が1:3〜1:1の範囲内で、上記微小連通部の高さ
    が上記負圧発生部材の第1収納室内における平均孔より
    も大きく5mm以下の範囲内の値であることを特徴とする
    請求項11記載のインクジェットカートリッジ。
  13. 【請求項13】 上記微小連通部は上記第1収納室と第
    2収納室を区分する仕切り壁と上記インクジェットカー
    トリッジ内面との間に形成されており、さらに該仕切り
    壁と対向する第1収納室の面にはインク供給用の開口が
    形成されており、該インク供給用開口近傍の上記負圧発
    生部材はインクジェットヘッドの供給管の挿入より微小
    連通部側へ圧縮される圧縮可能領域で、上記負圧発生部
    材は該圧縮可能領域と微小連通部との間にこの供給管の
    挿入では圧縮されない領域を備えていることを特徴とす
    る請求項11または請求項12記載のインクジェットカ
    ートリッジ。
  14. 【請求項14】 単一の負圧発生部材を収納すると共に
    インク供給用開口と大気との連通部を得るための大気連
    通部とを備えた第1収納室と、該大気連通部から離れた
    位置に設けられた微小連通部のみを介して該第1収納室
    に対して連通するが実質的に密閉状態で第1収納室へ供
    給するためのインクを直接収納する第2収納室と、上記
    微小連通部から第1収納室内の負圧発生部材対向位置ま
    で延在する気液交換促進構造と、を有し、第1収納室と
    第2収納室とを微小連通部を下方とする時互いに側方に
    位置するように隣接させて備えたインクジェットカート
    リッジにおいて、負圧発生部材の圧縮率が微小連通部近
    傍で小さくなっていることを特徴とするインクジェッカ
    ートリッジ。
  15. 【請求項15】 上記第1収納室と第2収納室との容積
    比が1:3〜1:1の範囲内で、上記微小連通部の高さ
    が上記負圧発生部材の第1収納室内における平均孔より
    も大きく5mm以下の範囲内の値であることを特徴とする
    請求項14記載のインクジェットカートリッジ。
  16. 【請求項16】 上記微小連通部を上記第1収納室と第
    2収納室を区分する仕切り壁と上記インクジェットカー
    トリッジ内面との間に形成されており、さらに該仕切り
    壁と対向する第1収納室の面にはインク供給用の開口が
    形成されており、インク供給用開口近傍の上記負圧発生
    部材はインクジェットヘッドの供給管の挿入より微小連
    通部側へ圧縮される圧縮可能領域で、上記負圧発生部材
    は該圧縮可能領域と上記微小連通部との間にこの供給管
    の挿入では圧縮されない領域を備えていることを特徴と
    する請求項14または請求項15記載のインクジェット
    カートリッジ。
  17. 【請求項17】 上記インクジェットヘッドの供給管に
    挿入前に除去されるものであって且つ上記インク供給用
    開口及び上記大気連通部を密閉する手段を備えているこ
    とを特徴とする請求項16記載のインクジェットカート
    リッジ。
  18. 【請求項18】 上記インク供給用開口に挿入されるこ
    とで該負圧発生部材を圧縮した圧縮可能領域を形成する
    インク供給管を有するインクジェットヘッドを有してい
    ることを特徴とする請求項17記載のインクジェットカ
    ートリッジ。
  19. 【請求項19】 プリンタに装着された状態で、上記イ
    ンク供給用開口および上記微小連通部は、上記インクジ
    ェット用カートリッジの下方で且つ上記微小連通部は上
    記インク供給用開口よりも下方に位置し、上記大気連通
    部近傍領域は上方に位置していることを特徴とする請求
    項16または請求項18記載のインクジェットカートリ
    ッジ。
JP21761793A 1993-09-01 1993-09-01 インクジェットカートリッジ Withdrawn JPH0768771A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997016314A1 (en) * 1995-11-03 1997-05-09 Jetfill, Inc. Ink cartridge with improved volumetric efficiency
EP1580013A2 (en) 2004-03-23 2005-09-28 Canon Kabushiki Kaisha Printer and printing method

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