JP2852913B2 - 記録液容器の製造方法、記録液容器、インク注入方法、インクジェット用カートリッジの製造方法 - Google Patents

記録液容器の製造方法、記録液容器、インク注入方法、インクジェット用カートリッジの製造方法

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JP2852913B2
JP2852913B2 JP6355997A JP6355997A JP2852913B2 JP 2852913 B2 JP2852913 B2 JP 2852913B2 JP 6355997 A JP6355997 A JP 6355997A JP 6355997 A JP6355997 A JP 6355997A JP 2852913 B2 JP2852913 B2 JP 2852913B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液状の記録に用い
られる液体(インク)を保有するインクジェット用の記
録液容器の製造方法、該製造方法により製造された記録
液容器及び記録液容器へのインク注入方法に関し、特に
記録液体を収納する室と負圧発生部材としての負圧発生
部材を収納した室とを併有した構成のインクジェット用
の記録液容器の製造方法、該製造方法により製造された
記録液容器及び記録液容器へのインク注入方法、インク
ジェット用カートリッジの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット用のインク等の記
録液を収納する記録液容器(以下、インクカートリッジ
とも表記する。)は、インクジェットヘッドと一体化さ
れ、カートリッジ内のインクがインク吐出できない段階
になると、ヘッドと共に廃棄されることが多い。この段
階のカートリッジ内に残存するインクの量は、改良を加
えても、カートリッジ内のほぼ全体に収納されている負
圧発生体であるスポンジのインク保持能力に支配され、
比較的多いものとなってしまっていた。
【0003】この種のインク容器(カートリッジ)とし
ては、特開昭63−63242号公報を挙げることがで
きる。即ち、インク容器内に発泡材が配置され、複数の
インク射出オリフィスを備えたインクジェット記録ヘッ
ド1体のカートリッジである。このインク容器において
は、発泡材であるポリウレタンフォームのような多孔質
媒体にインクを貯蔵するためにフォームの毛細管力によ
る負圧の発生及びインクの保持(インク容器からのイン
ク漏れ防止)を達成しているが、インク貯蔵層内のほぼ
全体にフォームを必要とすることからインクの充填量が
制限されるとともにフォーム中に使用されずに残るイン
ク量が多くなり、インクの使用効率をあまり高くするこ
とができなかった。又、インクの残量検知が困難であ
り、更にインク消費期間中に負圧が徐々に変化してしま
い、ほぼ一定の負圧を維持することが困難であるという
課題があった。
【0004】この構成に対して、インクカートリッジを
実質的にインクのみを保持する構成を採用したカートリ
ッジを開示する公報がある。即ち、特開平2−522
号公報には、上方に位置してインクのみを大量に保持す
る1次インク貯蔵部と下方に位置したインクジェット記
録ヘッドとの間にわずかな多孔質部材を配置したインク
ジェット記録ヘッド一体型のインクカートリッジが開示
されている。この発明は、多孔質部材をインク貯蔵部に
は内蔵せずにインク流路中にのみ配置したことによりイ
ンクの使用効率を向上出来るとしている。また、多孔質
部材の側方にインクを保持可能な空間としての2次イン
ク貯蔵部を設けることにより、温度上昇(圧力低下)で
1次インク貯蔵部内の空気が膨張してによる1次インク
貯蔵部からの流出インクを溜め、記録時の記録ヘッドへ
の負圧を実質上一定に維持出来るとしている。
【0005】しかしながら、この公報の発明は、非記録
時においては、上方に位置してインクのみを大量に保持
する1次インク貯蔵部からのインクにより多孔質部材は
インクが充分過ぎるほど含浸せしめられているので、多
孔質部材自体の負圧の発生がほとんど無くなっている。
そのため、わずかな衝撃によりインクジェット記録ヘッ
ドのオリフィスからインクが漏れるという問題があり、
実用に適さない。またインク容器をインク記録ヘッドに
装着する交換型インクカートリッジ形式をこの構成に採
用することは、多孔質部材の状態からインク漏れの状態
となり実用化できないという課題があった。
【0006】これに対して、インクを袋内に封入してそ
の袋の負圧力を一定にするためのバネ構成を付加したイ
ンクカートリッジも知られているが、高価なものとなる
だけでなく、そのバネ構成の性能を維持して大量生産を
達成することは困難なものであった。
【0007】いづれにしても、インクジェット用(非接
触記録プリント型)インクカートリッジとして、インク
ジェットプリントの分野では、安価で、合理的な技術水
準にあるものは提供されていない。
【0008】
【発明の背景技術】本発明者たちは、インクジェットプ
リントの技術分野に適したインク容器としては、プリン
ト時に記録ヘッドから吐出されるインク量に見合ったイ
ンクを良好に供給することができ、非プリント時におい
ては吐出口からのインク漏れなどの不都合がないことの
両面性をそれぞれ検討した。その結果、基本構成とし
て、負圧発生部材を収容すると共に大気との連通を得る
ための大気連通部を備えた第1収納室と該第1収納室に
対して連通するが実質的に密閉状態で第1収納室へ供給
するためのインクを直接収納するための第2収納室を持
つ構成がインクジェットの特性にとって重要な前提であ
ることに至った。
【0009】その一方で、本発明者達は、本発明の技術
分野とは異なる接触記録技術を検討することによって、
インクジェットプリント分野の技術的な特異性について
再検討することにした。一般に、記録媒体に接触して記
録を行う記録計器用ペンは、インク吸収性もあり保持性
もある記録芯に対してインク供給を行なうものであるか
ら、記録芯自体が大気にさらされており、インクジェッ
ト分野の技術内容とは根本的に異なる。
【0010】調査したところ、特開昭57ー16385
号公報を見出した。この公報は、記録媒体に接触して記
録を行う記録芯(多孔質型インク吸収性芯)を用いるこ
とを前提とする記録計器用ペンを開示するが、課題とし
ているものは、記録芯からのインクはあふれのみであっ
た。
【0011】この公報は、下方の記録芯に接触する第1
吸液材と上方の大気連通口側にインクをわずかに吸収し
ているが第1吸液材に比べてインクを含みにくい第2吸
液材とを備え、記録芯を下方に突出させた中央室と、こ
の室の両側にインクを供給する密閉型インク収容室とを
必須の構成とする発明である。この構成によれば、周囲
温度の上昇によって密閉型インク収容室内の空気が膨張
して密閉型インク収容室内のインクが第1吸液材に至
り、第1吸液材が保持しきれなくなったインクを第2吸
液材が吸収することにより、記録芯からインクがあふれ
て落下することを防止できるとしている。さらに、この
公報は、2つの密閉型インク収容室の一方が空気だけに
なった時に、その空気の膨張を大気連通口側に逃がすた
めの一定幅の溝を、中央室と密閉型インク収容室との仕
切り壁とは異なる側面の最下端から最上端までにわたっ
て設けることも開示している。
【0012】本発明者達は、技術的には類似点の少ない
非接触記録のインクジェットヘッドに、このタンク構成
のみを適用することに着眼したところ、環境条件の変化
に伴って、大気連通口からのインクあふれという新たな
現象が確認された。
【0013】この新規な現象は、記録計器用ペンの分野
では認識されてはいない。
【0014】また、上記公報の一定幅の溝は、空気と共
にインクを排出促進する機能もあるため、大気連通口か
らのインクあふれを一層促進してしまった。
【0015】更に、両側のインク収容室からのインク消
費は、同等ではなく、先に一方のインク収容室のインク
が無くなると、他方に大量のインクが残存しているにも
かかわらず、インクジェット記録ができなく成ってしま
った。これは、インク収容室のインクが無駄になり、根
本的に本発明の目的に反する結果であった。この原因
は、第1吸液材内に空気が大量に入り込み、結果的にイ
ンクの供給が出来なくなったためであった。
【0016】本発明者等は、前述した基本構成からなる
インクカートリッジに対し、インクジェット記録装置に
対して安定的に適用するためにより理想的な記録液容器
の製造方法を検討した。
【0017】本発明は上記検討の結果なされたものであ
り、液体の安定した供給性能と優れた液体消費効率を向
上できる供給経路を所望の状態で、寸法のものとして確
実に形成できる記録液容器の製造方法、該製造方法によ
って得られた記録液容器及び該製造方法によって得られ
た記録液容器へのインク注入方法を提供することを目的
とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本願発明は、次の(1)〜(6)に記載のものであ
る。
【0019】(1)負圧発生部材を有する第1室に連通
路を介して接続される第2室を備えた記録液容器の製造
方法において、大気連通口と液体供給口を備えた第1室
用凹部と、該第1室用凹部と仕切り壁によって区分され
た第2室用凹部と、を有した筐体を成形する工程と、負
圧発生部材を前記第1室用凹部内に挿入する工程と、連
通部を前記仕切り壁との間で構成するために蓋部材を取
り付け封止して前記第1室と第2室とを構成する工程
と、を有したことを特徴とする記録液容器の製造方法。
【0020】(2)負圧発生部材を有する第1室に連通
路を介して接続される第2室を備えた記録液容器の製造
方法において、大気連通口と液体供給口を備えた第1室
用凹部と、該第1室用凹部と仕切り壁によって区分され
た第2室用凹部と、を有して成形された筐体に負圧発生
部材を前記第1室内に挿入する工程と、連通部を前記仕
切り壁との間で構成するために蓋部材を取り付け封止し
て前記第1室と第2室とを構成する工程と、を有したこ
とを特徴とする記録液容器の製造方法。
【0021】(3)負圧発生部材を有する第1室に連通
路を介して接続される第2室を備えた記録液容器の製造
方法において、大気連通口と液体供給口を備えた第1室
用凹部と、該第1室用凹部と仕切り壁によって区分され
た第2室用凹部と、を有した筐体を成形する工程と、負
圧発生部材を前記第1室用凹部内に挿入する工程と、連
通部を前記仕切り壁との間で構成するために蓋部材を取
り付け封止して前記第1室と第2室とを構成する工程
と、を有して製造されたことを特徴とする記録液容器。
【0022】(4)負圧発生部材を有する第1室に連通
路を介して接続される第2室を備えた記録液容器の製造
方法において、大気連通口と液体供給口を備えた第1室
用凹部と、該第1室用凹部と仕切り壁によって区分され
た第2室用凹部と、を有して成形された筐体に負圧発生
部材を前記第1室内に挿入する工程と、連通部を前記仕
切り壁との間で構成するために蓋部材を取り付け封止し
て前記第1室と第2室とを構成する工程と、を有して製
造されたことを特徴とする記録液容器。
【0023】(5)負圧発生部材を有する第1室に連通
路を介して接続される第2室とを備えた記録液容器への
インク注入方法において、大気連通口と液体供給口を備
えた第1室用凹部と、該第1室と仕切り壁によって区分
された第2室用凹部と、を有して成形された筐体に対し
て、負圧発生部材を前記第1室内に挿入するとともに、
蓋部材を取り付けることで前記第1室と第2室とを構成
し、前記第2室と第1室とは連通部によってのみ連通さ
れた記録液容器の前記第2室に設けられた注入口からイ
ンクを注入し、さらに前記連通部を介して前記第1室内
の負圧発生部材に部分的にインクを注入する工程と、前
記注入口を封止する工程と、を有したことを特徴とする
記録液容器へのインク注入方法。
【0024】(6)負圧発生部材を収容すると共にイン
ク供給用開口と大気との連通を得るための大気連通部と
を備えた第1収納室と、該大気連通部から離れた位置に
設けられた微小連通部のみを介して該第1収納室に対し
て連通するが実質的に密閉状態でインクを直接収納する
ための第2収納室と、を互いに隣接するように共通の仕
切り壁が該微小連通部を形成するインクジェット用カー
トリッジの製造方法であって、上記インク供給用開口と
上記大気連通部とを備えた上記第1収納室の凹部と上記
第2収納室の凹部とが上記共通の仕切り壁と共に一体に
形成された本体を提供する工程と、該第1収納室の凹部
内に上記負圧発生部材を圧縮装填する工程と、該2つの
凹部の両方を覆うと共に負圧発生部材を第1収納室の凹
部内に収納する蓋部材を該本体に固定する工程:該固定
工程により上記微小連通部を該蓋部材と上記仕切り壁と
の間に形成されるインクジェット用カートリッジの製造
方法。
【0025】本発明各請求項に共通の特徴要件(第1室
用凹部,第2室用凹部,仕切り壁と蓋部材とで形成され
る連通部)によれば、仕切り壁と蓋部材とで規定される
連通部を所望の状態や寸法を満足することができる。
【0026】また、負圧発生部材を蓋部材が取付けられ
る側から凹部内に挿入する構成としているので、蓋部材
と負圧発生部材との相対関係を調整でき、負圧発生部材
を安定した条件で容器内に収納できる。
【0027】また、インク収納室からインクを充填注入
することで、インク収納室内に不要な空気を存在させる
ことなくインク注入が可能なインク注入方法を提供でき
る。そして、連通部を介して負圧発生部材収納室へイン
クが移動して吸収体内にインクが浸透させるため大気口
の近傍にインクが存在しない領域を容易に構成すること
ができる。
【0028】一方、本発明のインクジェットカートリッ
ジは、操作者の手指に触れることになるが、通常は不都
合は発生しにくいが、強力に圧力を加えたりするとイン
クのみを収納する収納室は大きさにもよるが変形しやす
い。従って、この外圧による課題を解決する構成とし
て、微小連通部を構成する仕切り壁よりも間隙を大きく
開ける仕切り板をインクのみの収容室に設けることは好
ましいものである。又、変形の観点から、これらのカー
トリッジを樹脂で形成した場合には、インクのみの収容
室の壁の厚さTiを0.8mm(図20の点G)以上、
負圧発生部材としてのスポンジ等を収納する収納室の壁
の厚さTsを1.3mm(図20の点J)以上とするこ
とが好ましい。更には、壁の厚さTsは壁の厚さTiの
1.2倍以上3倍以下の範囲内にあることがより好まし
いものと判明した。
【0029】本発明インクジェットプリンタとして、上
記本発明のカートリッジを装着したことに応じて、自動
的或は指導的にカートリッジ内からのインク排出をヘッ
ドを介して吸引手段による吸引或は吐出によって実行す
ることは、負圧発生体内のインク状態をプリント前に修
正出来るので、カートリッジの放置状態に左右されず
に、カートリッジ本来の上記機能を利用することができ
る。
【0030】本発明カートリッジの製造方法は、負圧発
生部材を収納室の凹部内に収納する蓋部材を本体に固定
することで、微小連通部を蓋部材と仕切り壁との間に形
成するので、微小連通部近傍の負圧発生部材を安定化で
きるので、量産性に優れ性能の安定化を確実にするもの
である。
【0031】尚、微小連通部の仕切り壁までの高さは、
負圧発生部材の平均孔径(好ましくは微小連通部近傍の
平均孔径)より大きく(実用上は0.1mm以上)20
mm以下が適しており、好ましくは、0.5mm以上5
mm以下が適している。より安定化を期待するのであれ
ば、3mm以下が好ましい。又、負圧発生部材の収納室
の容積とインクのみの収容室の容積の比は、1:1以上
1:3以下の範囲内が実用上の最適範囲として挙げるこ
とができる。
【0032】本発明に係る他の発明における効果や特徴
は以下の実施例から理解できよう。
【0033】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0034】図1乃至図6は、本発明の前提構成に加え
て、微小連通部8をカートリッジの底面とで形成する仕
切り壁5に対向する負圧発生部材収容部の面にインク供
給用の開口部を設けた構成の実施例である。
【0035】図1は第1実施例のインク容器の一部を破
断して示した模式斜視図であり、第2図は第1実施例の
模式断面図である。
【0036】図1及び図2に示すように、本実施例のイ
ンクカートリッジ本体1はインクジェット記録ヘッドと
連結するための開口部2を微小連通部としての間隙部8
側に変位させた位置に有し、負圧発生部材3を収容した
負圧発生部材収容部4と該負圧発生部材収容部に仕切り
壁5を介して隣接し、インクカートリッジ底部11で連
通したインクのみを収容するインク収容部6とからな
る。
【0037】この構成により、大気は上記開口部2から
供給されることになるが、重要なことは、大気連通部の
構成よりも、インク収容部6内のインクが連通部8を介
してのみ、インクカートリッジ底部11に沿って開口部
2側へ確実に供給されることである。このインク供給に
伴って大気は、インク収容部6内のインクと入れ替わり
補充されていく。
【0038】ここで、負圧発生部材収容部4の開口部近
傍の供給管によって圧縮変形可能な領域にある負圧発生
部材を、供給管によって圧縮変形せしめた状態について
説明する。図3は、本発明の交換型インクカートリッジ
にインクジェット記録ヘッドへインクを供給する供給管
としてのジョイント部材7が挿入され、負圧発生部材に
圧接してインクジェット記録装置が稼動可能な状態にな
ったときの模式断面図である。尚、ジョイント部材の端
部にはインクカートリッジ内のごみを排除するためにフ
ィルターが設置されている場合もある。
【0039】インクジェット記録装置が稼動するとイン
クジェット記録ヘッドのオリフィスからインクが吐出さ
れ交換型インクカートリッジにインク吸引力が発生す
る。インク9はこの吸引力によりインク収容部6から仕
切り壁端部とインクカートリッジ底部11との間隙部8
を通り、負圧発生部材収容部4へ、負圧発生部材3を通
ってジョイント部材7内に引き込まれインクジェット記
録ヘッドへ供給される。これにより間隙部8以外は密閉
しているインク収容部6の内部の圧力が低下し、インク
収容部6と負圧発生部材収容部4との間に圧力差を生じ
る。記録が継続するとその圧力差は上昇を続けるが、負
圧発生部材部はジョイント部材部とジョイント開放部と
の間に間隙12により大気に開放されているため、空気
は負圧発生部材を通って仕切り壁端部8とインクカート
リッジ底部11との間隙部8からインク収容部4に入
る。この時点でインク収容部6と負圧発生部材収容部4
との間の圧力差が解消される。インクジェット記録中は
この動作が繰り返され、ある一定の負圧がインクカート
リッジ内に得られる。また、インク収容部内のインク
は、インク収容部内の壁面に付着するインク以外はほぼ
全て使用できるためインク使用効率が向上する。
【0040】非記録時においては、負圧発生部材自身の
毛細管力(あるいはインク−負圧発生部材界面でのメニ
スカス力)などが発生され、特に、インク収容部内のイ
ンクのインクが消費され始めると、負圧発生部材収容部
内のインク保持状態はほぼ一定となり、インク収容部内
に回収された気体が実質的に負圧状態になっているため
に、カートリッジ内の圧力バランスが極めて安定し、イ
ンクジェット記録ヘッドからインクが漏れることを抑制
する。
【0041】よって、ジョイントするインクジェット記
録ヘッドに応じた負圧発生部材の選択及び負圧発生部材
収容部とインク収容部の割合設計をすれば図4に示した
構成なども可能となる。
【0042】尚、図19(A)(B)の様に、本発明の
交換型インクカートリッジをカラーインクジェット記録
装置に対応するために各色(例えばブラック、イエロ
ー、マゼンタ、シアンの4色)のインクをそれぞれ個別
の交換型インクカートリッジに収容して使用することが
できる。また、図19(A)のように個別のインクカー
トリッジを1体化させて交換型インクカートリッジとし
てもよく、あるいは、図19(B)のように使用頻度の
高いブラックインク用の交換型インクカートリッジと他
のカラーインク1体化交換カートリッジを分離した交換
型インクカートリッジとしてもよい。これらの組み合わ
せはインクジェット装置に合わせて任意である。
【0043】本発明の交換型インクカートリッジにおい
て、インクジェット記録ヘッドにおける負圧を制御する
ためには、負圧発生部材3の選定、形状、寸法はもとよ
り、仕切り壁5の端部の形状、寸法、仕切り壁端部8と
インクカートリッジ底部11との間隙8の形状、寸法、
負圧発生部材収容部4とインク収容部6の容積割合、ジ
ョイント部材7の交換型インクカートリッジへの挿入
量、形状、寸法、フィルター12の形状、寸法、目の荒
さ及びインクの表面張力などを使用する条件に応じて最
適化することはより好ましい。
【0044】本発明で使用する負圧発生部材は、それ自
身、液体(インク)の自重及びわずかな振動に対しても
インクを保持する能力を有するものであれば従来公知の
部材が使用できる。例えば、繊維を網状に網込んだ綿状
体や連通孔を有する多孔質体などが上げられる。インク
保持力及び負圧発生などが調整容易なポリウレタンフォ
ームなどのスポンジが好ましい。特に、フォームの場合
には、フォーム製造時に所望の多孔密度となるように調
整できるので好ましい。尚、フォームを熱圧縮処理をし
て更に多孔密度を調整した場合には、加熱による分解物
が発生し、インク物性を変化させ記録品位に悪影響を及
ぼす場合があるので洗浄などの処理が必要となる。ま
た、各種インクジェット記録装置に対応した交換型イン
クカートリッジを製造するためそれに応じた多孔密度の
フォームが要求されるが、熱圧縮を施していない特定の
セル数(1インチ当りの空孔の数)を持つフォーム材を
所望の寸法にカットし、負圧発生部材収容部に圧縮挿入
し、多孔密度、毛管力を調整することが好ましい。
【0045】上記例においては、ジョイント部材7とジ
ョイント開口部2とに間隙を設けてインクカートリッジ
外部から大気を取り入れる構成がなされているが、本構
成を限定するものではなくジョイント部材及びジョイン
ト開放部の構造、形状はいかなるものであってもよい。
負圧発生部材がスポンジのような多孔質部材の場合には
図3(a)、(b)のようにジョイント部材の挿入に対
して多孔質部材のインクカートリッジ底部からの逃げを
抑制し、且つ、フィルター部と負圧発生部材との圧接面
を維持、確保するためにジョイント部材7の端部はジョ
イント部材挿入方向に対して任意の角度(テーパー)を
有することが好ましい。あまりジョイント部材の挿入量
を大きく取る場合は、この先端のテーパ部が負圧発生部
材に亀裂を招じさせる場合があるので、図3(c)の如
く面構造とすることも良い。
【0046】また、大気の取入れ口とするためにジョイ
ント部材の外壁に大気導入用の凹凸を設けることも考え
られるが、図5のように開口部2の形状も溝(図5
(a))などの所望の形状即ち、図5(b)が長方形、
図5(c)が3角形といったように選定することが可能
である。開口部2の形状は、好ましくは、ジョイント部
材と開口部を密閉しない程度の間隙を開けるか、開口部
の下部(インクカートリッジ底部側)では、ジョイント
部材外周に近接し、開口部上部で開口しているような形
状である。
【0047】このように本発明実施例の交換型インクカ
ートリッジはジョイント開口部と大気を取り入れる部分
とを兼ねることが可能となっており、より単純な構成と
できる。また、ジョイント部材7の交換型インクカート
リッジへの挿入量は、上記ジョイント部材形状、負圧発
生部材、インクカートリッジの形状などを考慮して挿入
時にインク洩れなどを起こさず、記録時には途中でイン
ク切れなどを起こさないように負圧発生部材の圧縮領域
を設定することは好ましい。
【0048】以上の実施例に対して、ジョイント開口部
とは別に大気との連通孔を負圧発生部材収容部側に設け
ることは、本発明のインクを保持していない負圧発生部
材領域を大気連通部近傍に設ける構成を採用するために
も有効であり、後述するインクジェット記録装置内での
環境変化に対する信頼性向上に好適な手段となる。
【0049】仕切り壁端部とインクカートリッジ底部と
の間隙8の形状、寸法についても任意であるが、あまり
にも狭いとインクとのメニスカス力が強くなり、ジョイ
ント開口部からのインク洩れは抑制できるが、負圧発生
部材収容部へのインク供給に力を要し、使用時にインク
切れを発生する可能性がある。また、あまりにも広いと
逆の現象が発生する可能性があるため、微小連通部の仕
切り壁までの高さは、負圧発生部材の平均孔径(好まし
くは微小連通部近傍の平均孔径)より大きく(実用上は
0.1mm以上)20mm以下が適している。また、好
ましくは、0.5mm以上5mm以下が適している。よ
り安定化を期待するのであれば、3mm以下が好まし
い。図7は、間隙8の形状の例を示している。図7
(a)は、先の実施例で使用され、本発明にとって最も
安定した構成形状であり、一定高さで、カートリッジ全
幅にわたって設けられたものである。図7(b)は、カ
ートリッジ全幅の一部のみで連通部を形成し、図7
(c)は(b)の構成に加え蛇行したものである。この
構成は、カートリッジ全体の容積が大きい場合に有効で
はあるが通常プリンタでは低い使用のものである。図7
(d)は、トンネル状の連通部を複数有するもので、イ
ンクがカートリッジ内面側に移動しやすく、気体ーイン
ク交換用の気体導入を集中化できる。図7(e)(f)
は、図7(a)の構成に加えて、インク収納室側の仕切
り壁に上下方向にわたって凹部を形成したものである。
そのため、仕切り壁下端に至った気体は相対的にその凹
部で効果的にインク収納室内に導入され、気体の回収効
率を向上できる。
【0050】尚、この間隙8もまた、ジョイント開口部
の位置を考慮して決定することがより好ましい条件とな
る。図6(a)及び(b)によって説明すると、(a)
は、ジョイント開口部下端より仕切り壁端部の方が低い
位置にあり、負圧発生部材中に保持されたインクはジョ
イント開口部下端より下であるためインク洩れに対して
抑制効果があり好ましい。一方、(b)は、ジョイント
開口部下端より仕切り壁端部の方が高い位置にあり、負
圧発生部材中に保持されたインクはジョイント開口部下
端より上であるためインク洩れに対して抑制効果が少な
く好ましくない。したがって、仕切り壁端部の位置をジ
ョイント開口部下端と同じか、低い位置として間隙8の
寸法を設計することは本発明の効果をより安定化できる
利点がある。交換インクカートリッジの形状、寸法にも
よるが、最大範囲で0.1mm以上20mm以下の高さ
の範囲内から間隙8の高さを選定することで実用化で
き、より好ましくは0.5から5mm程度である。ま
た、仕切り壁端部の形状は、上述のジョイント開口部と
の位置を考慮していればいかなる形状をしていてもよい
が、例示すれば、説明を省くが図8(a)〜(h)に示
したとおりである。
【0051】さらに、仕切り壁5の端部と負圧発生部材
3との境界部も種々の構造関係が考えられる。これを表
示したものが、図9である。図9(a)から図9(d)
は、仕切り壁端部により負圧発生部材が圧縮されておら
ず、負圧発生部材の密度を局部的に高めることがないの
で、インクの流通及び空気の流通が比較的速やかとな
り、高速記録やカラー記録の場合に好ましい。一方、図
9(e)、(f)は、仕切り壁端部により負圧発生部材
3が圧縮されおり、部材の密度が高くなるためインクの
流通及び空気の流通に抵抗を生じるものの、わずかな環
境変動に対してはインク洩れなどの障害を抑制できる。
よって、これらの選択は、インクジェット記録装置の種
類や使用する環境条件を考慮して設計すればよい。
【0052】負圧発生部材収容部4とインク収容部6の
容積割合は、インクジェット記録装置の種類や使用され
る環境条件などを考慮して決定する必要がある。また、
使用する負圧発生部材との関連も重要となる。インクの
使用効率を向上するためには、インク収容部の容積を増
やすことが好ましく、その際には、負圧発生力の高い
(スポンジでいえば圧縮率の高い)負圧発生部材を使用
することが有効となる。したがって、インク収容部の容
積割合を増加するに伴って負圧発生部材の負圧発生力を
増加させることを注意すれば、負圧発生部材の収納室の
容積とインクのみの収容室の容積の比は、1:1以上
1:3以下の範囲内が実用上の最適範囲として挙げるこ
とができる。
【0053】フィルター11の形状、寸法、目の荒さ
は、インクジェット記録装置の種類によって任意に設定
できるが、インクカートリッジからのごみの混入を防止
し記録ヘッドのノズルを詰まらせないためにもオリフィ
スの径よりも小さい目のフィルターにすることが好まし
い。
【0054】本発明の交換型インクカートリッジへのイ
ンク充填量は、インクカートリッジ内容積を限度として
任意であり、インク収容部へは容積限度迄充填してもよ
いが、交換型インクカートリッジ開封直後の負圧を維持
するために、負圧発生部材部へのインク充填量は負圧発
生部材のインク保持力の限界以下で設定することが好ま
しい。尚、ここでインク保持力とは、負圧発生部材にイ
ンクを含浸させた際の部材単独でインクを保持できる能
力をさすものである。
【0055】密閉系のインク収容部を持つインクカート
リッジにおいては、インクジェット記録装置内に装填さ
れた状態での外部環境変化(温度上昇、或は気圧低下)
に対しては、インク収容部の空気膨張により(インクの
膨張もある)インク収容部に残存しているインクをイン
クカートリッジ外へ押し出し、インク漏れ発生の可能性
がある。しかしながら、本発明の交換型インクカートリ
ッジにおいては、最悪想定される環境状態に応じた密閉
系インク収容部の空気膨張体積(僅かではあるがインク
膨張分も含む)を予想し、それにともなうインク収容部
からのインク移動量分を負圧発生部材収容部にあらかじ
め持たせることが好ましい。この際、ジョイント開口部
以外に大気連通孔を負圧発生部材収容部側に設けること
は図10(c)(d)に示すように、インク収容室内の
空気の膨張によってインク室内から負圧発生部材内に移
動したインクを大気連通側へ案内することができるの
で、非常に有効である。尚、大気連通孔の設置位置は、
負圧発生部材収容部側のジョイント開口部より上部なら
ば特に指定はないが、環境変化時の負圧発生部材中のイ
ンクの流れをジョイント開口部から離すために、ジョイ
ント開口部から遠い位置にあるのが好ましい。また、大
気連通孔の数及び形状、大きさなどはインクの蒸発を考
慮して任意に設定することができる。
【0056】インクカートリッジ単独の物流時において
は、ジョイント開口部及び又は、大気連通孔をシール材
などで密閉してインクの蒸発やインクカートリッジ内の
空気膨張に備えることが好ましい。シール材としては、
包装分野においてバリヤー材と称される単体層のバリヤ
ー及び数層のプラスチックフィルムの複合化及びこれら
と紙、布などの補強材またアルミニウム箔などを複合化
した複合化バリヤー材を使用することが好ましい。イン
クカートリッジ本体材質と同様な材質をバリヤー材の接
着層とし、熱などで溶着することによって密閉性を上げ
ることがより好ましい。
【0057】また、インクカートリッジからのインクの
蒸発或は外部大気からの空気の流入を抑制するために
は、インクカートリッジを挿入後は包材内の空気を脱気
してから密閉する包装形態をとれば効果的である。包材
としては、気体透過度及び液体透過度を考慮し、上記シ
ール材同様バリヤー材から選択することが好ましい。
【0058】上述のような包装形態を選択することによ
ってインクカートリッジ単独の物流は、インク洩れなど
もなく非常に信頼性の高いものとなる。
【0059】インクカートリッジ本体材料は従来成形品
に用いられるいかなる材料であってもよいが、インクジ
ェット用インクへの影響がないような材料或は影響がな
いように処理された部材から選択する必要がある。ま
た、インクカートリッジの生産性を考慮することも必要
となる。例えば、インクカートリッジ本体をインクカー
トリッジ底部11部分とその上部部分とに分割して樹脂
材料にてそれぞれを一体成形し、負圧発生部材を挿入
後、インクカートリッジ底部11部分とその上部部分を
溶着してインクカートリッジ本体を製造することができ
る。樹脂材料に透明或は半透明なものを選択すればイン
ク収容部のインクはインクカートリッジ外部から視認す
ることができるのでインクカートリッジの取り替え時期
を目視にて判断することができる。また、上記シール材
などの溶着を容易にするために凸部を設けることが好ま
しい。更に、インクカートリッジ本体外面にシボなどの
加工を施すこともデザイン上好ましい。
【0060】インクの充填には加圧法及び減圧法いずれ
もが使用できる。尚、インクの充填にタンク本体のいず
れかにインク充填口を設けることは他のインクカートリ
ッジ開口部を汚すことがないので好ましい。インク充填
後のインク充填口は、プラスチック或は金属材料にて栓
することが好ましい。
【0061】交換型インクカートリッジの構成は及び形
状は本発明の範囲から逸脱することなく各種の変形を行
うことができる。
【0062】以上の説明のように、本発明の交換型イン
クカートリッジは、単独の物流時にも高い信頼性を維持
し、簡易な構造でインクの残量検知可能なインク使用効
率の高い交換型インクカートリッジとなる。
【0063】また、記録時及び非記録時においても適度
の負圧を使用初期から使用終了までの間維持して高速記
録に対応し、インクジェット記録装置の使用環境条件に
おいてもインク漏れの無い交換型インクカートリッジと
なる。
【0064】更に、交換型インクカートリッジの取り扱
い性が良好で、インクジェット記録装置への脱着時にお
いてもインク漏れなどがなく、インクジェット記録装置
への装着誤動作のない交換型インクカートリッジとな
る。
【0065】図11は、本発明のカートリッジとしての
インクタンク製造方法を示すもので、後述する仕切り板
61と仕切り壁5を介して2つの収納室用凹部をなす壁
部とを備えたカートリッジ本体(断面斜線:左斜め下向
の斜線部で筐体という。)に対して、負圧発生部材とし
ての吸収体3を開口部2側の凹部内に挿入した後、蓋部
材としての底部材11で一体化処理した構成を示してい
る。この図11ではさらに、インクタンク1に記録ヘッ
ドHDを装着した状態を示す一部破断概略図である。イ
ンクタンクは、仕切り壁5によって2つの部屋に区切ら
れた容器に対してインクタンクの底部を構成する平板の
底部材11で蓋をすることで構成される。このように蓋
をするという簡単な構成で容器の仕切り壁5の先端との
間で微少連通路8を形成できる。
【0066】また、容器の底部を底部材11で蓋するこ
とで底部に面した吸収体を容器内部に押し入れることが
でき、容器の底部において吸収体がばらつきなく存在し
得、連通路8から供給口に至るインクの経路が安定した
構成を容易に形成できる。
【0067】加えて、このように製造されたカートリッ
ジの底部に存在する吸収体は底部材11で押圧された状
態となって、毛管力が高い状態となっており、連通路8
から供給口に至るインクの経路でインクの連続性を高め
た構成を容易に形成できる。尚、大気連通部10は、上
記開口部2が設けられた面と同一面で、上方部位に位置
している。
【0068】一方、ヘッドは、供給管としてのジョイン
ト部7がインクタンクの開口部に挿入されてとりつけら
れ、ジョイント部7は図中上方部分が下方部より前方に
出た斜め構造をしている。そして、さらにジョイント内
部のインク流路は上方に向って開いたホーン構造をして
いる。このような構造とすることで、吸収体からのイン
クを良好にヘッド側に導入することができる。
【0069】インクジェット記録装置は、ノズル73の
吐出口71からインクの吐出を行わせるために利用され
るエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段として
の発熱素子72を備え、前記熱エネルギーによりインク
の状態変化を生起させる方式の記録ヘッドHDを有する
記録装置で、上記インク供給性の安定化効果によって、
一層、特にカラー記録にとって、記録高密度化、高精細
化が達成できる。
【0070】以上説明したように、本発明の交換型イン
クカートリッジは、単独の物流時にも高い信頼性を維持
し、簡易な構造でインクの残量検知可能なインク使用効
率の高い交換型インクカートリッジとなる。
【0071】また、記録時及び非記録時においても適度
の負圧を使用初期から使用終了までの間維持して高速記
録に対応し、インクジェット記録装置の使用環境条件に
おいてもインク漏れのない交換型インクカートリッジと
なる。
【0072】更に、交換型インクカートリッジの取り扱
い性が良好で、インクジェット記録装置への着脱時にお
いてもインク漏れなどがなく、インクジェット記録装置
への装着誤差動作のない交換型インクカートリッジとな
る。
【0073】補足して、インクカートリッジの製造方法
について説明する。上述した吸収体を内蔵した負圧発生
部材収納室と微小連通部としての連通部8を有するが、
気体と液体の交換によって初めてインクを放出する意味
での実質的な密閉構造のインク収納室とが一体成形化さ
れる構造では、蓋部材11のインク収納室側の開口13
からインクを充填する。インク収納室を満たしたインク
は連通部を介して負圧発生室に移行してゆく。これによ
り、インク収納室内にインクが充填されると、負圧発生
部材4自体にも微小連通部からインクが与えられかなり
の範囲にインクが与えられる。
【0074】このようにインク収納室からインクを充填
注入することで、インク収納室内に不要な空気を存在さ
せることなくインク注入が可能である。そして、連通部
を介して負圧発生部材収納室へインクが移動して吸収体
内にインクが浸透させるため大気口の近傍にインクが存
在しない領域を容易に構成することができる。
【0075】ここで、大気連通部近傍の負圧発生部材
は、インクが与えられず、インクを保持しない領域とし
て存在させる。この後、開口13は、ボール14でシー
ルされ開口部2と大気連通部は、同一のシール部材S
(異なっていても良い)でシールされる。
【0076】この状態の使用前インクジェット用カート
リッジを示したものが、図12に示されている。この図
でインク収納室6内には、インクが充填されているもの
とする。
【0077】図12は、この密閉状態のインクジェット
用カートリッジ1を示すと共に、これを使用するプリン
タの概略図を示している。このインクジェット用カート
リッジ1には、大気連通部10の近傍に位置する負圧発
生体領域3Aが、インクを保持していない領域としてカ
ートリッジ上方角部に設けられている。該領域3Aの下
方に位置する負圧発生体領域3Bは、インク供給管(不
図示)の挿入により圧縮変形される圧縮可能領域であ
る。これらの領域3A,3B以外の負圧発生体は、他の
外的影響がなく充填されたインクを保持する。無論、領
域3Bは、大気連通部10の下方で同一面に設けられて
いるインク供給管装着用の開口部2に対向する領域であ
る。また、開口部2は、微小連通部8よりも上方に位置
しており、本発明の上述した特徴構成の夫々をすべて有
している。
【0078】図12のカートリッジ1は、前述したシー
ル部材Sを除去することで、使用可能になるが、上記領
域3Aがインクを保持していないために、シール除去時
の振動や圧力変化があってもインクを漏らすことがな
い。
【0079】本実施例は、インクカートリッジの保存状
態や使用状態に関わらず、従来の技術水準を一掃する技
術観点として、負圧発生部材の該大気連通部近傍領域を
インクを保持していない領域とすることで、環境条件の
変動に対して、インクカートリッジ内のインクが大気連
通部から漏れることを防止できる。特に、シール部材が
大気連通部を密閉している場合に対しては、シール部材
のはがれ防止効果もある。また、使用状態にあっては、
この領域は、大気がカートリッジ内に必要に応じた量が
効率よく供給でき、インクジェットカートリッジ内の負
圧変化を抑制する効果もある。この大気連通部近傍領域
は、全くインクによる濡れがないものであると、インク
自体の浸透速度をより減速させることができるので好ま
しいが、インクにより予め濡らした後にそのインクを除
去した領域としても良い。
【0080】また、本実施例は、上記微小連通部を形成
する仕切り壁に対向する側に、インク供給用開口或は、
供給管による負圧発生体の圧縮(又は圧縮可能)領域を
存在させる構成とすることで、第2収納室のインクが負
圧発生体内に安定した実質的なインク供給路を確保で
き、これをより安定させる構成として、インクカートリ
ッジの下面に関して上記インク供給用開口が上記微小連
通部よりも上方に位置させることを挙げることができ
る。この配置関係の作用は、実質的なインク移動方向を
一定化でき、第2収納室のインクがすべて消費でき、こ
の消費後は、第2収納室内の空気が対向する開口側に移
動するように介在することで、結果的に、負圧発生体内
のインクを消費可能にして、残存インクを減少できるこ
とにある。
【0081】特に、上記微小連通部を形成する仕切り壁
からこの壁に対向する側に向かって、負圧発生体の供給
管によって圧縮されない領域、負圧発生体の供給管によ
って圧縮される領域を、この順に有することで、圧縮さ
れない領域には前述した1方向のインク供給路が形成で
き同様の効果が得られ、更に圧縮領域のインク確保能力
によって一層インク残量を減少できる。
【0082】本実施例のインクジェットプリンタは、上
記カートリッジ1を装着したことに応じて、自動的或は
手動的にカートリッジ内からのインク排出をヘッドを介
して吸引手段による吸引或は吐出によって実行するヘッ
ド回復手段HRを有している。これにより負圧発生体内
のインク状態をプリント前に修正できるので、カートリ
ッジの放置状態に左右されずに、カートリッジ本来の上
記機能を利用することができる。
【0083】図12で、走査型のキャリッジCRに保持
されたインクジェットヘッドHBに対して装着されるタ
ンク1は、先に説明した図12のカートリッジ1のシー
ルテープを除いたものである。キャリッジ上に装着され
たタンク1はヘッドのインク供給管が上記開口部2を通
って、負圧発生部材3の圧縮可能領域3Bを圧縮変形さ
せる。本例では、負圧発生部材3を微小連通部8側へ変
形させる。この時、タンクの着脱検知手段(機械的又は
電気的な公知の検知手段によって代用されるので不図示
とした)によって装着信号LPがプリンタ制御手段CC
に入力される。これに応じて、記録開始前にヘッド回復
手段HRが作動してタンク1内のインクを排出して、タ
ンク内インクの状態を改善する。
【0084】図13(A)は、図12のインクジェット
カートリッジのインク収納室の内面を変更し、その容量
分だけ上方に凸の空間形状22としたものである。この
内面20は、微小連通口8から遠ざかる程上昇している
曲面となっている。内面20の構造は、インクの表面張
力による微小残滴も負圧発生部材3側へ供給すると共
に、上方に突出した部分21が操作者にとっての挟持部
になり、操作時に生じるタンクの変形を防止する。図1
3(B)は、同等の容量タンクを、インク収納室が大で
負圧発生部3収納室側を小にするための仕切り壁51の
斜め配置を示す。
【0085】図13(C)は、先の製造方法で示した、
仕切り壁5に対して間隙8を形成する蓋部材11を、カ
ートリッジ本体の側板101,100の間に挿入して固
定する例である。SEは蓋部材11の端部を示してい
る。この図13(C)の場合、接着固定にバラツキが生
じると、間隙8の距離SPは一定化しない。そのため、
図13(D)のように、仕切り壁の端部SEに接するス
ペーサ110を両側に位置させることも好ましい。スペ
ーサ110は、蓋部材11に設けることが良い。さら
に、間隙8の距離SP内に位置する凸部30を蓋部材に
設けることで、インク収納部内への空気の回収性を高め
るようにしても良い。
【0086】図14(A),(B)は、それぞれ本発明
実施例のプリント或いはインク供給状態の可能な状態傾
斜範囲を示すもので、図中の40は水平面を示してい
る。本発明にとってより好ましい状態は、微小連通部が
下方側に位置していることで、理想的には水平面40に
対してカートリッジ下面で平行となることが良い。しか
し、実用上は、本例の如く、2室構成の場合、(A),
(B)の図の如き角度θは夫々0≦θ≦15度の範囲ま
で使用上の不都合がない。走査型キャリッジ上に載置し
て移動させる場合は0≦θ≦5度の範囲が好ましい。
【0087】上述した本発明の実施例の負圧発生部材
は、複数の部材構成でも良いが、互いの間の界面(部材
間界面)が生じると大気の移動がそこに生じるため不都
合が生じ易い場合があるので、より好ましくは、負圧発
生部材は単一の多孔室体であることが良い。
【0088】又、インク収容室は、相対的に負圧発生部
材収納室よりもインクを多量に含むものであれば、実質
的にインクを収納する室として含めることもできる。
【0089】ここで、先の実施例でも開示されているイ
ンク収納室内の仕切り板61について説明すると共に、
ユーザーが手で握ったときの荷重や、物流中の環境条件
でカートリッジの外壁面が変形して、インクジェット記
録ヘッドのオリフィスからインクが漏れたり、カートリ
ッジの一部に設けられているカートリッジ内の圧力を大
気と同じにする大気連通口からインクが漏れるといった
問題を解決できる実施例について説明する。
【0090】以下の例は、上記各種のインクタンク形態
における技術課題を解消するためになされたもので、ハ
ンドリング時や搬送中の外力、そして温度や気圧等環境
変化によるインク漏れが発生することはなく、しかもイ
ンク使用効率の高いインクジェット記録用インクカート
リッジである。
【0091】図15(A)は、側壁面を省いて示した一
実施例の斜視断面図、図5(B)は同実施例の横断面
図、図16は同実施例のインク供給動作の説明図、図1
7は同実施例の側壁に荷重が掛かったときの側壁の歪み
を説明する断面図である。
【0092】図15(A),(B)に示すように、イン
クカートリッジ本体1は、インクジェット記録ヘッドと
連結するための開口部2および開口部2より上方に設け
た大気を取り入れる大気連通部10を有し記録用のイン
クを吸収保持する負圧発生部材3を収容した負圧発生部
材収容部4と、負圧発生部材収容部4にリブ5を介して
隣接しインクを収容するインク収容部6とからなってい
る。なおインク収容部6と負圧発生部材収容部4とはリ
ブ5と底面の間に設けた隙間部8で連通し、インク収容
部6には仕切り板61が前記隙間8以上の隙間を下部に
残して両側に側壁を連結している。
【0093】図16(a)は、インクジェット記録ヘッ
ドへインクを供給するジョイント部材7を実施例のイン
クカートリッジ本体1の開口部2に挿入して負圧発生部
材3に圧接し、インクジェット記録装置が稼動可能にな
った状態を示す模式断面図である。なおジョイント部材
7の端部開口部にはインクカートリッジ内のゴミを排除
するためにフィルターが設置されていることもある。
【0094】インクジェット記録装置が稼動するとイン
クジェット記録ヘッドのオリフィスからインクが吐出さ
れ、インクタンクにインク吸引力が発生する。インク9
はこの吸引力によりインク収容部6からリブ5の端部と
インクカートリッジ底部11との隙間部8を通り負圧発
生部材収容部4へ、そして負圧発生部材3を通ってジョ
イント部材7内に引き込まれインクジェット記録ヘッド
へ供給される。これにより隙間部8以外は密閉している
インク収容部6の内部の圧力が低下し、インク収容部6
と負圧発生部材収容部4との間に圧力差を生ずる。記録
が継続すると、その圧力差は上昇を続けるが、負圧発生
部材収容部4は大気連通孔10により大気に開放されて
いるため、図16(b)に示すように空気は負圧発生部
材3を通ってリブ5とインクカートリッジ底部11との
隙間部8からインク収容部6に入る。この時点で、イン
ク収容部6と負圧発生部材収容部4との間の圧力差が解
消される。インクジェット記録中はこの動作が繰り返さ
れ、ある一定の負圧がインクカートリッジ内に得られ
る。また、インク収容部6内のインクは、インク収容部
6内の壁面に付着するインク以外は、ほぼ全て使用でき
るためインク使用効率が向上する(図16(c))。
【0095】非記録時は、負圧発生部材3自身の毛細管
力(あるいはインク−負圧発生部材界面でのメニスカス
力)などが発揮され、インクジェット記録ヘッドからイ
ンクが漏れることを抑制する。
【0096】上記の機能から、ジョイントするインクジ
ェット記録ヘッドに応じた負圧発生部材3の選択および
負圧発生部材収容部4とインク収容部6の容積割合によ
り、他の実施例として図18の断面図に示すように、イ
ンク収容部6に複数の仕切板61を備えた構成とするこ
ともできる。
【0097】以下、側壁の強度向上対策として効果があ
る構成について説明する。
【0098】インクカートリッジにおいて、ハンドリン
ク時の外力や、物流中の環境変化に耐え、そしてインク
の使用効率を高めた構造を採ることが重要である。
【0099】実施例では、負圧発生部材収容部4および
インク収容部6の各側壁12a,12b,12cの外力
に対する変位量を同等にするように構成してある。
【0100】例えば、カートリッジ材質は通常プラスチ
ックモールドであるが、図15(B)および図17に示
すように、負圧発生部材収容部4の側壁面12aの厚さ
をインク収容部6の側壁面12b,12cの厚さよりも
厚くするとともに、インク収容部6の容積を等分割する
ような位置に、下部に隙間を残して両側壁内面間に前記
仕切板(リブ)61を配設し、単位面積当たり同等な荷
重に対する壁面の変形量Δt6を小さくし、しかも61
の両側の側壁面12b,12cの変化が同等となるよう
にする。また、負圧発生部材収容部4の変形量Δt4と
もほぼ同等にすることによって壁面に変形によるインク
の漏れを防止する目的が達成される。
【0101】図15(B),図17に示す実施例のイン
クカートリッジにおいて、材質はポリプロピレン(P
P)、外径寸法は長さ48m/m×高さ35m×厚さ1
1m/mの場合、長さ48m/mのほぼ中央で、負圧発
生部材収容部4の側壁面12aの熱さを1.5mm、イ
ンク収容部6の側壁面12b,12cの熱さを1mm、
インク収容部6のリブ61を各壁面より約10mmの位
置に配設することにより、ハンドリング時の荷重(約2
Kg)に対して、2倍以上のマージンを確保した構造を
得ることができた。また、同時に、物流中の気圧変化
や、温度変化に対しても、十分な強度を得ることが可能
となった。
【0102】上記実施例では、タンクのサイズの関係か
らインク収容部6のリブ61は、1カ所であるが、1カ
所に限定するものでなく、インクカートリッジのサイズ
に合わせ、図18に示すようにリブ61を2カ所に設け
る等、リブの本数,位置,壁面の厚さを変えることによ
って対応することができる。
【0103】図20は、負圧発生部材収容部4の壁面厚
さと、インク収容部6の壁面厚さを決定するために調査
した各壁面の厚さと、ハンドリング及び物流環境でのイ
ンク漏れの関係を示すデータである。
【0104】各壁面とも厚さを増せば、インクもれに対
し強度は増すが、目的である小型化と高いインク使用効
率を満足するためには、少しでも壁を薄くして、その分
だけ内容積を増やす必要があり、図20に示すデータか
ら、負圧発生部材収容部4の側壁面厚さ1.5mm、イ
ンク収容部6の側壁厚さ1.0mmを採用した。
【0105】インクカートリッジの大きさにより、上記
寸法は図20を参照して決定でき、負圧発生部材収容部
4の外壁肉厚をインク収容部6の外壁肉圧の1.2倍な
いし3倍の範囲内で構成することが好ましい。
【0106】本発明は、上述したように、インクジェッ
ト用インクカートリッジとして、従来にはない逆転の発
想から、合理的且つ効果的なカートリッジをインクジェ
ットプリントの分野に提供することができたもので、単
色はもとより、複数のカラーインクを必要とするカラー
プリンタ自体の小型化を実現可能にする利点は注目すべ
きものがある。さらに、インクカートリッジの交換期間
を長くすることができ、操作性にも優れたものである。
【0107】
【発明の効果】本発明は、上述の説明から明らかなよう
に、蓋部材によって容器を閉じるという簡単な構成で連
通部を容易に形成できる記録液容器及びその製造方法を
提供できる。
【0108】また、容器の底部を底部材11で蓋するこ
とで調整、例えば吸収体を容器内部に押し入れることも
でき、容器の底部において球体がばらつきなく存在し
得、連通路8から供給口に至るインクの経路を安定した
インク移送経路として確実に形成できる。
【0109】加えて、このように製造されたカートリッ
ジの底部に存在する吸収体は底部材11で押圧された状
態となる場合は、毛管力が高い状態となっており、連通
路8から供給口に至るインクの経路でインクの連続性を
高めた構成を容易に形成できる。
【0110】さらに、インク収納室からインクを充填注
入することで、インク収納室内に不要な空気を存在させ
ることなくインク注入が可能なインク注入方法を提供で
きる。そして、連通部を介して負圧発生部材収納室へイ
ンクが移動して吸収体内にインクが浸透させるため大気
口の近傍にインクが存在しない領域を容易に構成するこ
とができるインク注入方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明第1実施例のインク容器の一部を破断
して示した模式斜視図である。
【図2】 図1実施例の模式断面図である。
【図3】 (a)、(b)、(c)夫々は、本発明のカ
ートリッジと供給管の結合例の説明図である。
【図4】 本発明のより好ましい条件を説明するための
比較例の説明図である。
【図5】 (a)、(b)、(c)夫々は、本発明のイ
ンク供給部の説明図である。
【図6】 (a)、(b)、(c)夫々は、インク供給
部と微小連通部との位置関係を説明する説明図である。
【図7】 (a),(b)(c),(d),(e)
(f),夫々は、微小連通部の構成説明図である。
【図8】 (a)〜(h)は、夫々仕切り壁の微小連通
部側端部の形状説明図である。
【図9】 (a)〜(f)は、夫々、仕切り壁近傍の吸
収体端部状態の説明図である。
【図10】 (a)(b)、(c)(d)は、環境変化
に対する吸収体内部の状態説明図である。
【図11】 本発明製造方法とインクジェットヘッドを
説明するための概略図である。
【図12】 本発明インクジェットカートリッジと、そ
れを用いたインクジェットプリンタの概略説明図であ
る。
【図13】 (A)、(B)、(C)、(D)は、本発
明の要部変形例を説明する図である。
【図14】 (A)、(B)は、本発明インクカートリ
ッジの使用状態の傾斜可能範囲を説明するための断面図
である。
【図15】 (A)、(B)は、本発明の最適実施例の
形状説明図である。
【図16】 (a)、(b)、(c)は、夫々本発明の
プリント状態における変化を順に示す説明図である。
【図17】 本発明カートリッジの外壁に対する圧力状
態を説明する概念図である。
【図18】 本発明カートリッジの変形例の断面図であ
る。
【図19】 (A)、(B)は、本発明を実施したカー
トリッジのカラータンク構成を示す斜視図である。
【図20】 本発明の壁面厚さと外圧変形に伴うインク
漏れとの相関関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 インクジェット用カートリッジ 2 開口部 3 負圧発生部材 4 第1収納室 6 第2収納室 8 微小連通部 10 大気連通部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅井 直人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 阿部 力 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 刈田 誠一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−156339(JP,A) 特開 平2−522(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/175

Claims (32)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負圧発生部材を有する第1室に連通路を
    介して接続される第2室を備えた記録液容器の製造方法
    において、大気連通口と液体供給口を備えた第1室用凹
    部と、該第1室用凹部と仕切り壁によって区分された第
    2室用凹部と、を有した筐体を成形する工程と、負圧発
    生部材を前記第1室用凹部内に挿入する工程と、連通部
    を前記仕切り壁との間で構成するために蓋部材を取り付
    け封止して前記第1室と第2室とを構成する工程と、を
    有したことを特徴とする記録液容器の製造方法。
  2. 【請求項2】 負圧発生部材を有する第1室に連通路を
    介して接続される第2室を備えた記録液容器の製造方法
    において、大気連通口と液体供給口を備えた第1室用凹
    部と、該第1室用凹部と仕切り壁によって区分された第
    2室用凹部と、を有して成形された筐体に負圧発生部材
    を前記第1室内に挿入する工程と、連通部を前記仕切り
    壁との間で構成するために蓋部材を取り付け封止して前
    記第1室と第2室とを構成する工程と、を有したことを
    特徴とする記録液容器の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第2室及び前記第1室内に液体を充
    填して、前記第2室を実質的に密閉する工程を有する請
    求項1または請求項2のいずれかに記載の記録液容器の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第2室からインクを注入し、前記連
    通部を介して前記第1室内に部分的にインクを注入する
    工程をさらに有したことを特徴とする請求項1または請
    求項2のいずれかに記載の記録液容器の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記インクの注入のための開口は、前記
    カバー部材に設けられており、インクが注入された後シ
    ール部材によって封止されることを特徴とする請求項3
    に記載の記録液容器の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記シール部材は、ボール状の部材であ
    って、前記インク注入のための開口内に埋め込まれるこ
    とを特徴とする請求項4に記載の記録液容器の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記連通部を構成するパーティションと
    カバー部材との間隔は0.1mm〜20mmの間とされ
    ることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか
    に記載の記録液容器の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記連通部を構成するパーティションと
    カバー部材との間隔はより好ましくは0.5mm〜5m
    mの間とされることを特徴とする請求項6に記載の記録
    液容器の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第1室と第2室との体積比率は、
    1:1〜1:3の範囲とされることを特徴とする請求項
    1または請求項2のいずれかに記載の記録液容器の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 前記第1室を構成する側壁の厚みは、
    前記第2室を構成する側壁の厚みに対して、1.2倍〜
    3倍の厚みを有するように構成されることを特徴とする
    請求項1または請求項2のいずれかに記載の記録液容器
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記負圧発生部材の挿入工程とカバー
    部材の封止工程は、前記連通部における前記負圧発生部
    材の圧縮状態が減少するようになされることを特徴とす
    る請求項1または請求項2のいずれかに記載の記録液容
    器の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記大気連通口と液体供給口とは同一
    シール部材に封止されていることを特徴とする請求項1
    または請求項2のいずれかに記載の記録液容器の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 前記負圧発生部材は、綿状体、予め熱
    圧縮を施した多孔質体、熱圧縮を施していない多孔質体
    のいずれかが使用可能であることを特徴とする請求項
    1、請求項2または請求項10のいずれかに記載の記録
    液容器の製造方法。
  14. 【請求項14】 負圧発生部材を有する第1室に連通路
    を介して接続される第2室を備えた記録液容器の製造方
    法において、大気連通口と液体供給口を備えた第1室用
    凹部と、該第1室用凹部と仕切り壁によって区分された
    第2室用凹部と、を有した筐体を成形する工程と、負圧
    発生部材を前記第1室用凹部内に挿入する工程と、連通
    部を前記仕切り壁との間で構成するために蓋部材を取り
    付け封止して前記第1室と第2室とを構成する工程と、
    を有して製造されたことを特徴とする記録液容器。
  15. 【請求項15】 負圧発生部材を有する第1室に連通路
    を介して接続される第2室を備えた記録液容器の製造方
    法において、大気連通口と液体供給口を備えた第1室用
    凹部と、該第1室用凹部と仕切り壁によって区分された
    第2室用凹部と、を有して成形された筐体に負圧発生部
    材を前記第1室内に挿入する工程と、連通部を前記仕切
    り壁との間で構成するために蓋部材を取り付け封止して
    前記第1室と第2室とを構成する工程と、を有して製造
    されたことを特徴とする記録液容器。
  16. 【請求項16】 前記第2室からインクを注入し、前記
    連通部を介して前記第1室内に部分的にインクを注入す
    る工程をさらに有して構成されたことを特徴とする請求
    項13または請求項15のいずれかに記載の記録液容
    器。
  17. 【請求項17】 前記インクの注入のための開口は、前
    記カバー部材に設けられており、インクが注入された後
    シール部材によって封止されて構成されたことを特徴と
    する請求項14または請求項15のいずれかに記載の記
    録液容器。
  18. 【請求項18】 前記シール部材は、ボール状の部材で
    あって、前記インク注入のための開口内に埋め込まれて
    構成されたことを特徴とする請求項17に記載の記録液
    容器。
  19. 【請求項19】 前記連通部を構成する仕切り壁と蓋部
    材との間隔は0.1mm以上20mm以下の間とされて
    構成されたことを特徴とする請求項14または請求項1
    5のいずれかに記載の記録液容器。
  20. 【請求項20】 前記連通部を構成する仕切り壁と蓋部
    材との間隔はより好ましくは0.5mm以上5mm以下
    の間とされて構成されたことを特徴とする請求項18に
    記載の記録液容器。
  21. 【請求項21】 前記第1室と第2室との体積比率は、
    1:1〜1:3の範囲とされて構成されたことを特徴と
    する請求項14または請求項15のいずれかに記載の記
    録液容器。
  22. 【請求項22】 前記第1室を構成する側壁の厚みは、
    前記第2室を構成する側壁の厚みに対して1.2倍〜3
    倍の厚みを有するように構成されたことを特徴とする請
    求項14または請求項15のいずれかに記載の記録液容
    器。
  23. 【請求項23】 前記負圧発生部材の挿入工程と蓋部材
    の封止工程は、前記連通部における前記負圧発生部材の
    圧縮状態が減少するようになされて構成されたことを特
    徴とする請求項14または請求項15のいずれかに記載
    の記録液容器。
  24. 【請求項24】 前記大気連通口と液体供給口とは同一
    シール部材によって封止されて構成されたことを特徴と
    する請求項14または請求項15のいずれかに記載の記
    録液容器。
  25. 【請求項25】 前記負圧発生部材は、予め熱圧縮を施
    した多孔質体、熱圧縮を施していない多孔質体のいずれ
    かであることを特徴とする請求項14、請求項15また
    は請求項23のいずれかに記載の記録液容器。
  26. 【請求項26】 負圧発生部材を有する第1室に連通路
    を介して接続される第2室とを備えた記録液容器へのイ
    ンク注入方法において、大気連通口と液体供給口を備え
    た第1室用凹部と、該第1室と仕切り壁によって区分さ
    れた第2室用凹部と、を有して成形された筐体に対し
    て、負圧発生部材を前記第1室内に挿入するとともに、
    蓋部材を取り付けることで前記第1室と第2室とを構成
    し、前記第2室と第1室とは連通部によってのみ連通さ
    れた記録液容器の前記第2室に設けられた注入口からイ
    ンクを注入し、さらに前記連通部を介して前記第1室内
    の負圧発生部材に部分的にインクを注入する工程と、前
    記注入口を封止する工程と、を有したことを特徴とする
    記録液容器へのインク注入方法。
  27. 【請求項27】 前記注入口は、前記蓋部材に設けられ
    ており、前記封止はボール状の部材を前記注入口に埋め
    込むことで行われることを特徴とする請求項26に記載
    の記録液容器へのインク注入方法。
  28. 【請求項28】 前記大気連通口と液体供給口とは同一
    シール部材によって封止されて構成されたことを特徴と
    する請求項26に記載の記録液容器へのインク注入方
    法。
  29. 【請求項29】 負圧発生部材を収容すると共にインク
    供給用開口と大気との連通を得るための大気連通部とを
    備えた第1収納室と、該大気連通部から離れた位置に設
    けられた微小連通部のみを介して該第1収納室に対して
    連通するが実質的に密閉状態でインクを直接収納するた
    めの第2収納室と、を互いに隣接するように共通の仕切
    り壁が該微小連通部を形成するインクジェット用カート
    リッジの製造方法であって、上記インク供給用開口と上
    記大気連通部とを備えた上記第1収納室の凹部と上記第
    2収納室の凹部とが上記共通の仕切り壁と共に一体に形
    成された本体を提供する工程と、該第1収納室の凹部内
    に上記負圧発生部材を圧縮装填する工程と、該2つの凹
    部の両方を覆うと共に負圧発生部材を第1収納室の凹部
    内に収納する蓋部材を該本体に固定する工程:該固定工
    程により上記微小連通部を該蓋部材と上記仕切り壁との
    間に形成されるインクジェット用カートリッジの製造方
    法。
  30. 【請求項30】 上記インク供給用開口は上記仕切り壁
    に対向する面に設けられると共に上記蓋部材に近接して
    位置し、上記大気連通部も該対向面に設けられている請
    求項29のインクジェット用カートリッジの製造方法。
  31. 【請求項31】 請求項29または請求項30のインク
    ジェット用カートリッジの製造方法であって、更に上記
    固定工程後、上記第1収納室の負圧発生部材に上記大気
    連通部近傍領域を除く領域にインクを充填すると共に上
    記第2収納室にインクを充填する工程を有するインクジ
    ェット用カートリッジの製造方法。
  32. 【請求項32】 請求項31のインクジェット用カート
    リッジの製造方法であって、更に上記インク充填後、上
    記大気連通部および上記インク供給用開口を密閉する工
    程を有するインクジェット用カートリッジの製造方法。
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