JPH0768061B2 - 高強度長石質磁器 - Google Patents

高強度長石質磁器

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JPH0768061B2
JPH0768061B2 JP1324894A JP32489489A JPH0768061B2 JP H0768061 B2 JPH0768061 B2 JP H0768061B2 JP 1324894 A JP1324894 A JP 1324894A JP 32489489 A JP32489489 A JP 32489489A JP H0768061 B2 JPH0768061 B2 JP H0768061B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、高強度長石質磁器に関するものであり、さら
に詳しくは大型高圧碍子及び耐酸磁器に用いると好まし
い、微細で均質な微構造を有する高強度長石質磁器に関
するものである。
(従来の技術) 高圧碍子に用いられる長石質磁器には石英質原料、長石
質原料、及び粘度鉱物質原料から成る普通磁器、あるい
は石英質原料、長石質原料、アルミナ質原料、及び粘度
鉱物質原料から成るアルミナ含有磁器とがある。
第7図は石英質原料、長石質原料、及び粘度鉱物質原料
から成る普通磁器における原料調合物の粒度と強度の関
係を示し、縦軸は無釉曲げ強度を、横軸は10μm以下の
有効径を有する粒子の重量百分率を示している。第7図
に認められるように磁器においては原料粒度が微細な
程、強度は増大する傾向にある。この理由は原料の微細
化により磁器の微構造組織がより均質になるためであ
る。このような傾向は普通磁器、アルミナ含有磁器のい
ずれにも共通している。一方、磁器の製造工程において
は原料粒度が微細になればなる程、乾燥、焼成工程で切
れが発生し易くなり、一般に10μm以下の有効径を有す
る粒子が85重量%(以下%という)以上になると、上記
工程で切れを発生することが経験的に知られている。こ
のため普通磁器あるいはアルミナ含有磁器の粒度は、10
μm以下の有効径を有する粒子が85%より少なくなるよ
うに調整されている。
尚、乾燥、焼成時の切れとは、土練、押出し時の素材中
心と表面の粒子配向性の違いや密度差によって発生する
内在歪、及び素材の切削、加工時に発生する表面の歪な
どが乾燥、焼成工程において磁器内部と表面の温度差に
よる膨張、収縮差によって発生するクラックのことであ
り、本発明では乾燥、焼成時に磁器内部、表面に発生す
るクラックのことを切れとしている。原料粒度が微細で
あったり、大型の高圧碍子では磁器内部、表面の温度差
がさらに大きくなりクラック発生率が高くなる。
(発明が解決しようとする問題点) しかしこのような原料粒度の制限は、磁器の微構造の均
質性を制約し、強度を低いものとしている。例えば碍子
用磁器の12mmφ無釉テストピース3点曲げ強度は、普通
磁器で1000kg/cm2、コランダムを20%含有するアルミナ
含有磁器で約1400kg/cm2程度である。原料粒度を微細に
すると前述したように磁器の製造工程における乾燥、焼
成工程で切れが発生する。従って大型の高圧碍子のよう
に高強度を必要とする製品はコランダムを多量に含有さ
せたり、素材を静水圧加圧して緻密質にした後、碍子形
状に削りだしたりしなければならず、原料コストが高く
なったり工程を複雑としていた。
本発明の主たる目的は磁器にみられる上記の欠点を解消
することにあり、磁器の微構造の従来より均質にして磁
器の強度を増大せしめることにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明は結晶の大きさが20μm以下であり、全結晶量が
40重量%以上であって、40μmを超える欠陥を有さず、
無釉曲げ強度が1400kg/cm2以上であることを特徴とする
高強度長石質磁器である。
このような高強度長石質磁器は、以下に述べる製造法に
て製造することができる。即ち出発原料を粉砕して、10
μm以下の有効径を有する粒子を85〜95%含有する粒度
分布とした後これを仮焼した原料と、粘度鉱物質原料と
を調合および/または粉砕して、10μm以下の有効径を
有する粒子が85%以下となるように調整後、通常の磁器
製造工程により成形、乾燥、焼成するものである。
本発明の磁器の曲げ強度は、12mmφ無釉テストピース3
点曲げ強度が、普通磁器で1400kg/cm2、コランダムを20
%含有するアルミナ含有磁器で1800kg/cm2、コランダム
を30%含有するアルミナ含有磁器で2100kg/cm2、コラン
ダムを50%含有するアルミナ含有磁器で2900kg/cm2の高
強度を有しており、従来の同様な磁器に比べ、強度が30
〜40%向上する。
(作 用) 以下本発明を一層詳細に説明する。
本発明は磁器の微構造を従来より均質にして強度を増大
せしめたものであり、10μm以下の有効径を有する粒子
が85%以上という微細な原料でも土練、押出し、乾燥、
焼成という磁器の製造工程を可能にするため、磁器の原
料のうち粘度鉱物質原料を除く微細な原料を一度仮焼
し、焼き固めた後、粘度鉱物質原料と調合および/また
は粉砕して磁器粒度が10μm以下の有効径を有する粒子
が85%より少なくなるように調整したものである。
本発明の磁器の製造に用いる出発原料は珪砂のような石
英質原料、カリ長石のような長石質原料及びα−Al2O3
系アルミナのようなアルミナ質原料である。この出発原
料を通常の磁器原料の粉砕方法に従い、 10μm以下の有効径を有する粒子を85〜95%含有する粒
度分布となるように粉砕する。尚、出発原料の粉砕は、
各々出発原料を粉砕してから仮焼原料配合割合にて調
合する、出発原料を仮焼原料配合割合にて調合してか
ら粉砕する、の方法が製造規模、製造設備に応じて適宜
選択される。
粒度測定は沈降法で行い、粒子径はストークス径であっ
て一般には有効径と呼ばれている。本発明では沈降法で
測定した粒子径を有効径としている。
本発明の磁器に用いた出発原料の粒度分布を第1図に示
す。又、本発明の磁器の出発原料の粒度分布と比較のた
め従来の普通磁器およびアルミナ含有磁器の原料として
使用されている石英質原料の粒度分布も併せて示してあ
る。縦軸は有効径よりも細粒部の重量百分率、横軸は粒
子の有効径を示している。第1表は本発明に用いた出発
原料の粒度分布範囲であり、第1図中のI1〜I2の曲線に
囲まれた範囲を示している。
第1図においてS1〜S2の曲線で囲まれた部分は碍子用磁
器原料として従来より用いられている一般的な石英質原
料の粒度分布範囲を示している。a1〜a2の曲線で囲まれ
た部分は米国特許第3097101号にて公知の石英質原料の
粒度分布範囲を示している。P1〜P2の曲線で囲まれた部
分は特公昭48−22807号にて公知の石英質原料の粒度分
布範囲を示している。これに対して本発明に用いた石英
質原料、長石質原料、及びアルミナ質原料はI1〜I2の曲
線で囲まれた範囲の粒度分布である。第1図から判るよ
うに本発明に用いた石英質原料の粒度は一般に用いられ
ている石英質原料より微細である。又、長石質原料、ア
ルミナ質原料も通常の原料より微細である。
第2図は本発明に用いる石英質原料、長石質原料、及び
アルミナ質原料の仮焼原料配合割合の範囲を示してい
る。出発原料の粒度分布を第1図、及び第1表に示すよ
うに、10μm以下の有効径を有する粒子を85〜95%含有
する粒度分布となるように調整した後、第2図に示す斜
線内の配合割合、即ち、石英質原料85%以下、長石質原
料15〜75%、アルミナ質原料85%以下から成る配合割合
で調合し、該混合物を900〜1400℃で仮焼して、仮焼原
料とする。
本発明で微細原料を仮焼するのは、磁器の微構造を均質
にするためであり、且つ仮焼後の粉砕で粒度コントロー
ルした二次粒子により、その後の工程で製品に切れを発
生させないためである。
仮焼した原料は粘度鉱物質原料と共に調合されるが、
仮焼した原料を粉砕してから粘度鉱物質原料と混合す
る、仮焼した原料と粘度鉱物質原料とを調合して粉砕
する、仮焼した原料と一部の粘度鉱物質原料とを調合
して粉砕後、粘度鉱物質原料の残部と混合する、の方法
が適宜選択される。
仮焼した原料45〜80%と、粘度鉱物質原料20〜55%の混
合物の粒度を10μm以下の有効径を有する粒子が85%以
上にならないように調整する。その後、通常の磁器製造
工程である押出し、成形、乾燥後1100〜1400℃の温度で
焼成して高強度を有する磁器を製造する。
本発明の磁器の結晶相は、コランダム、ムライト、クリ
ストバライト、及び石英から成るグループから選ばれた
少なくとも1種の結晶であり、結晶相が重量で、コラン
ダム:60%以下、好ましくは20〜60%、ムライト:5〜50
%、クリストバライト:40%以下、及び石英:10%以下で
ある。
以下、本発明における限定理由について説明する。
磁器の主成分を構成する化学組成を重量で、SiO2:22〜8
5%、Al2O3:10〜73%、K2OとNa2Oの何れか1種又は2
種:1.5〜6.5%に限定した理由を以下に述べる。化学組
成は目標とする磁器性能、主に機械的特性、熱的特性、
電気的特性、例えば曲げ強度、熱膨張率、体積固有抵抗
を得るために制限されており、更に押出し、成形、焼成
の可能な坏土を得るために制限されている。SiO2は、主
に石英質原料と粘度鉱物質原料から導入され、22%未
満、及び85%を超えると押出し、成形、焼成が困難とな
る。Al2O3は主に粘度鉱物質原料から導入され、10%未
満は押出し、成形が困難であり、73%を超えると焼成温
度が高くなって焼成が困難となるためである。K2O、Na2
Oは主に長石質原料から導入され、K2OとNa2Oの何れか1
種又は2種が1.5%未満では焼成が困難であり、6.5%を
超えると磁器中のガラス量が多くなって焼成にて軟化し
易く、複雑形状の磁器を安定して製造できないためであ
る。
結晶相がコランダム、ムライト、クリストバライト、石
英から成るグループから選ばれた少なくとも1種の結晶
であると限定した理由は、目標とする性能を有する磁器
を得るためである。
結晶量を重量で、コランダム:60%以下、ムライト:5〜5
0%、クリストバライト:40%以下、及び石英:10%以下
に限定した理由は、コランダムは60%を超えると焼成が
困難となり、ムライトは5%未満では磁器強度が十分発
現することができず、50%を超えると焼成が困難となる
ためである。クリストバライトは40%を超えると磁器の
熱膨張率が高くなり、内在応力が過大となるため磁器強
度を十分発現することができず、石英は10%を超えると
磁器強度を十分発現することができないためである。
全結晶量を40重量%以上に限定した理由は、全結晶量が
40%に満たないと機械的特性、電気的特性の優れた磁器
を製造することができないためである。例えば結晶量が
多い程曲げ強度、タフネスの機械的特性が向上し、体積
固有抵抗、絶縁耐力の電気的特性が向上する。更に本発
明の磁器の原料粒度は10μm以下の有効径を有する粒子
が85〜95%と微細のため、全結晶量が40%に満たないと
焼成時の変形量が大きくなり、とりわけ複雑形状の高圧
碍子を安定して製造できないためである。尚、結晶量の
測定は定量X線回折法により行い、定量に用いた各結晶
の回折ピークはコランダム(113)、ムライト(220)、
クリストバライト(101)、(石英100)である。
結晶の大きさを20μm以下に限定した理由は、結晶の大
きさが20μmを超えると磁器微構造を均質にすることが
できず、高強度磁器を得ることができないためである。
本発明の磁器を製造するための原料粒度は10μm以下の
有効径を有する粒子を85〜95%含有しており、10μm以
上の粒子が5〜15%であって、焼成過程で溶融、反応し
て20μmを超える粒子は殆んど残留しない。磁器中の結
晶の大きさは光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡により20μ
m以下であることを確認している。
欠陥の大きさを40μm未満に限定した理由は、欠陥の大
きさが40μmを超えると強度低下が生じ、高強度磁器を
得ることができないためである。ここで欠陥とは磁器中
の異物、気孔を意味しており、異物は磁器原料以外の物
であって主に製土工程で混入するが、本発明では仮焼原
料と粘土鉱物質原料の混合泥漿の最終篩を44μmとして
いるので、磁器の焼成過程にて溶融し磁器中には40μm
より大きな異物が残留しない。又、気孔の大きさは磁器
製造法によって決り、本発明の製造法で製造した磁器中
の気孔の大きさは40μm以下である。磁器中の異物、気
孔の大きさは光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡により40μ
m以下であることを確認している。
無釉曲げ強度を1400kg/cm2以上に限定した理由は、長石
質磁器の強度を増大させるため化学組成、結晶相、結晶
量、微構造組織を制限する必要があり、上述の限定理由
で説明した磁器を構成する主成分の化学組成が重量で、
SiO2:22〜85%、Al2O3:10〜73%、K2OとNa2Oの何れか1
種又は2種:1.5〜6.5%より成り、結晶相がコランダ
ム、ムライト、クリストバライト、石英から成るグルー
プから選ばれた少なくとも1種の結晶であって、結晶量
が重量で、コランダム:60%以下、ムライト:5〜50%、
クリストバライト:40%以下、石英:10%以下であり、全
結晶量が40%以上、結晶の大きさが20μm以下であっ
て、40μmを超える欠陥を有さないという条件を総て満
たした時に長石質磁器を無釉曲げ強度が1400kg/cm2以上
になるためである。本発明における無釉曲げ強度とは、
12mmφ無釉テストピースを用い、スパン100mmの3点曲
げにて荷重試験機のクロスヘッドスピードが0.5mm/min
で破壊する曲げ応力である。
1800kg/cm2以上の高強度を有し、磁器を構成する主成分
の化学組成が重量で、SiO2:30〜60%、Al2O3:30〜73
%、Fe2O3:1.5%以下、TiO2:1.5%以下、CaO:0.7%以
下、MgO:0.5%以下、K2OとNa2Oの何れか1種又は2種:
1.5〜6.5%、及び結晶相の内コランダムを重量で、20〜
60%に限定した理由は、大型の高圧碍子のように電気絶
縁性を必要とする磁器では、成形性向上のためにSiO2:3
0〜60%、Al2O3:30〜73%が好ましく、電気絶縁性のた
めにFe2O3:1.5%以下、また大型製品の焼成を容易にす
るためにTiO2:1.5%以下、CaO:0.7%以下、MgO:0.5%以
下が好ましい。K2OとNa2Oの何れか1種又は2種:1.5〜
6.5%に限定した理由は、前述の通りである。又、コラ
ンダムが20%未満では12mmφ無釉テストピース3点曲げ
強度が1800kg/cm2以下となり、60%を超えると焼成が困
難となるためである。
主として、SiO2、Al2O3、Fe2O3、TiO2、CaO、MgO、K
2O、Na2Oから成る化学組成の他にTiO2、BaO、ZrO2、B2O
3、ZnOから成るグループから選ばれた少なくとも1種の
組成を20重量%まで含むと限定した理由は、目標とする
磁器性能を得るためであって、石英質原料、長石質原
料、アルミナ質原料、及び粘土鉱物質原料の他にTiO2
BaO、ZrO2、B2O3、ZnOを含有する原料、又は試薬を適用
するものであり20%を超えると押出し、成形、焼成が困
難となるためである。
本発明の磁器を製造するには、出発原料を石英質原料、
長石質原料、及びアルミナ質原料から成るグループから
選ばれた少なくとも1種の原料とする。この理由は、使
用する原料を選択し目的とする性能を有する磁器を得る
ためである。また出発原料の粒度を、10μm以下の有効
径を有する粒子を85〜95%含有するものとすべきであ
る。この理由は、10μm以下の有効径を有する粒子が85
%未満では高強度磁器を得ることができず、95%を超え
ると粉砕時間を要するだけで磁器強度の増大がないため
である。
仮焼原料である石英質原料、長石質原料、及びアルミナ
質原料の配合割合の範囲を石英質原料85重量%以下、長
石質原料15〜75重量%、アルミナ質原料85重量%以下と
すべきである理由は、長石質原料の配合量にあり、長石
質原料が15%未満であると仮焼原料と粘土鉱物質原料を
混合し、焼成しても焼締った磁器が得られず、長石質原
料が75%より多いと焼成中に磁器が軟化し易く、とりわ
け大型の高圧碍子を安定して製造することができないた
めである。また坏土の可塑性に十分な量の粘土鉱物質原
料を仮焼原料の粉砕物と混合するならば、10μm以下の
有効径を有する粒子が80%以上となる粒度分布を有する
粘土鉱物質原料、及び他の化学物質、例えばTiO2、Ba
O、ZrO2、B2O3、ZnO等を仮焼原料に加えても磁器の微構
造の均質性を損なわない限り問題はない。
仮焼温度を900〜1400℃とすべきであり、この理由は、9
00℃より低いと焼締りが悪く均質な微構造を有する仮焼
原料が得られず、1400℃より高いと発泡が認められるだ
けで微細、均質な微構造を有する仮焼原料が得られない
ためである。
仮焼原料の粉砕物と粘土鉱物質原料の配合割合を仮焼原
料45〜80重量%、粘土鉱物質原料20〜55重量%とすべき
であり、この理由は、粘土鉱物質原料の配合量にあり、
粘土鉱物質原料が20%未満あるいは55%より多いと押出
し成形する時の坏土の可塑性が十分でなく、成形性が悪
くなるためである。
仮焼原料の粉砕物と粘土鉱物質原料の混合物の焼成温度
は1100〜1400℃とすべきであり、この理由は、1100℃よ
り低いと焼締まった磁器が得られず、1400℃より高いと
発泡し磁器を安定して製造できないためである。
(実施例) 以下本発明の実施例について説明する。
実施例1 石英質原料として珪砂、長石質原料としてカリ長石、ア
ルミナ質原料としてα−Al2O3系アルミナ、及びボーキ
サイト、粘土鉱物質原料として蛙目粘土を使用し、珪
砂、カリ長石、α−Al2O3系アルミナ、及びボーキサイ
トを各々ボールミルにて湿式粉砕した。尚、蛙目粘土は
水ひ物であり、10μm以下の有効径を有する粒子が95%
であるので粉砕を必要としない。粉砕した原料の粒度分
布曲線を第3図に示し、粒度分布を第2表に示す。これ
ら粉砕原料を第4図のアルミナ質原料、石英質原料、長
石質原料の仮焼原料配合割合を示す斜線内のA〜Iまで
の9組成点について調合し、ボールミルにて湿式混合し
て電気乾燥機にて乾燥後、エレマ電気炉にて1150〜1300
℃の温度で仮焼した。尚、サンプルC′は、サンプルC
の仮焼原料配合割合にZnOを外挿で5%添加し、仮焼し
た磁器である。
前記仮焼原料と粘土鉱物質原料である蛙目粘土を後述す
る第3表に示す磁器配合割合で調合し、10μm以下の有
効径を有する粒子が80%になるようボールミルにて湿式
粉砕した。この仮焼原料と蛙目粘土の混合泥漿をフェロ
フィルターにて脱鉄し、44μm篩へ通して、フィルター
プレスで脱水後、真空土練機で土練、押出しを行なっ
た。土練後、12mmφテストピースを成形、乾燥し、連続
焼成窯にて1300〜1350℃の温度で焼成して第3表に示す
特性を有するA〜Iの10種類の磁器を製造した。
第3表に示したサンプルJ、Kの磁器は、第2図および
第4図に示す、本発明の磁器を製造するための仮焼原料
配合割合範囲外の組成であり、使用した原料、製造設
備、及び製造条件はサンプルA〜Iと同一であって本発
明の磁器の製造法に従い製造した。また第3表に示した
比較サンプルL〜N、3種類の磁器は従来の製造法で製
造したものであり、使用した原料は石英質原料として珪
砂、長石質原料としてソーダ長石、アルミナ質原料とし
てα−Al2O3系アルミナ粘土鉱物質原料として水ひ蛙目
粘土であり、蛙目粘土を除く珪砂、ソーダ長石、α−Al
2O3系アルミナを第3表に示す磁器配合割合にて調合
し、ボールミルにて湿式粉砕して、蛙目粘土混合時に10
μm以下の有効径を有する粒子が70〜80%になるように
ボールミルにて湿式粉砕した。該粉砕物と蛙目粘土とを
ボールミルで湿式混合し、フェロフィルターにて脱鉄し
た。篩は88μmを用い、フィルタープレスで脱水後、真
空土練機にて土練、押出しを行い12mmφテストピースを
成形、乾燥し、連続焼成窯にて1300〜1350℃の温度で焼
成した。
第3表に示した特性の試験方法として、結晶量の測定は
定量X線回折法により行い、化学組成の測定は湿式化学
定量分析法により行った。結晶及び欠陥の大きさは光学
顕微鏡、走査型電子顕微鏡にて観察し、12mmφ無釉テス
トピース曲げ強度は荷重試験機を用い、荷重速度として
クロスヘッドスピード0.5mm/minでスパン100mmの3点曲
げ法にて測定した。熱膨張率は光てこの原理を応用した
ミラー式熱膨張計を用い、試料形状4mmφX 50.00mmにて
測定した。電気特性の内、体積固有抵抗、誘電率、誘電
正接はJIS C2141、絶縁耐力はVDE−0335に従い測定し
た。耐酸度はJIS R1503のJIS粉末法で測定した。
第3表において認められるように本発明のサンプルA〜
Iは、結晶の大きさが15〜18μm、欠陥の大きさが26〜
38μmであり、化学組成が、SiO2:33〜80%、Al2O3:16
〜63%、K2OとNa2Oの何れか1種又は2種:2.2〜5.1%、
結晶量が、コランダム:50%以下、ムライト:8〜35%、
クリストバライト:32%以下、石英:9%以下、全結晶量:
42〜66%であった。又、曲げ強度は1420〜2940kg/cm2
あり、コランダムを18.8%含有するサンプルEの曲げ強
度が1950kg/cm2、コランダムを49.2%含有するサンプル
Iの曲げ強度が2940kg/cm2であって、コランダム含有量
が同量の従来の磁器と比較して30〜40%の強度増大を示
した。
本発明の仮焼原料配合割合範囲外の組成である比較サン
プルJは、仮焼原料のカリ長石配合量が10%のため磁器
中のK2OとNa2Oの何れか1種又は2種が1.2%となり、焼
締り状態が悪く、欠陥の大きさが55μmであって、曲げ
強度が570kg/cm2であった。また比較サンプルKは、仮
焼原料のカリ長石配合量が80%のため磁器中のK2OとNa2
Oの何れか1種又は2種が7.3%、全結晶量が16.1%とな
り、曲げ強度が1210kg/cm2であった。
従来のサンプルL〜Nは、結晶の大きさが25〜50μm、
全結晶量が34〜38%、欠陥の大きさが52〜86μmであ
り、曲げ強度が950〜1380kg/cm2であった。
本発明のサンプルC′は仮焼原料である石英質原料、長
石質原料、及びアルミナ質原料の他に高強度、低熱膨張
を狙いZnOを5%外挿添加して仮焼した磁器であり、ZnO
の添加により曲げ強度が100kg/cm2増大し、650℃におけ
る熱膨張率が0.09%低下した。
本発明のサンプルA〜Iの電気特性、耐酸性は、従来製
造法で製造した従来のサンプルL〜Nより優れていた。
第5図(a)に本発明のサンプルFの微構造組織を透過
式光学顕微鏡写真で示す。第5図(b)に従来製造法で
製造した比較サンプルMの微構造組織を透過式光学顕微
鏡写真で示す。第5図の(a)と(b)を比較して認め
られるように、本発明の磁器の微構造組織は、従来の製
造法により製造された磁器の微構造組織より微細、均質
である。
実施例2 本発明は、とりわけ大型高圧碍子製造への適用に特徴が
あるため、第6図に示す胴径145mmφ、笠径230mmφ、全
長1150mmの笠付中実碍子と胴径165mmφ、全長1150mm、
及び胴径185mmφ、全長1150mmの丸棒中実碍子製造の実
施例を以下に述べる。
適用した磁器は実施例1のサンプルFであり、使用した
原料は石英質原料として珪砂、長石質原料としてカリ長
石、アルミナ質原料としてα−Al2O3系アルミナ、粘土
鉱物質原料として水ひ蛙目粘土であり、珪砂、カリ長
石、α−Al2O3系アルミナを第3表に示すサンプルFの
仮焼原料配合割合にて調合し、10μm以下の有効径を有
する粒子が90%になるよう、トロンメルにて湿式粉砕し
た。該粉砕物をフェロフィルターにて脱鉄し、44μm篩
へ通して、フィルタープレスで脱水後、蒸気乾燥機で乾
燥した。該乾燥機をロールクラッシャーにて10μm以下
になるよう解砕し、タイル焼成用ローラーハースキルン
で1150℃の温度で連続的に仮焼して、ロールクラッシャ
ーにて2mm以下となるよう粗粉砕した。第3表に示す磁
気配合割合に従い仮焼原料を69%と蛙目粘土31%の内15
%を調合してトロンメルへ仕込み、残りの蛙目粘土を混
合した時の粒度が10μm以下の有効径を有する粒子が80
%になるよう湿式粉砕し、粉砕後、残りの蛙目粘土16%
をトロンメルへ仕込んで混合した。仮焼原料と蛙目粘土
の混合泥漿をフェロフィルターにて脱鉄し、44μm篩へ
通して、フィルタープレスで脱水後、径が290〜310mm
φ、全長1800mmの素材を真空土練機で押出し、胴径145m
mφ、笠径230mmφ、全長1150mmの笠付中実碍子と胴径16
5mmφ、全長1150mm、及び胴径185mmφ、全長1150mmの丸
棒中実碍子を各々30本成形し、乾燥した。乾燥後の全数
観察において、胴部、笠部の乾燥切れが全く発生してい
ないことを確認した。乾燥後、釉薬を施釉し、連続焼成
窯にて1300〜1350℃の温度で焼成した。焼成した笠付中
実碍子、丸棒中実碍子の総てが焼成切れを生じることな
く、焼締り状態が良好であることを確認した。尚、乾燥
切れの観察は肉眼による外観検査、焼成切れの観察は肉
眼による外観検査とX線透過による内部検出法、そして
焼締り状態は中心部切出し品の吸湿テストにて評価し
た。
本発明の大型の高圧碍子である胴径145mmφ笠付中実碍
子、胴径165mmφ丸棒中実碍子、及び胴径185mmφ丸棒中
実碍子は、従来製造法と同様、乾燥切れ、焼成切れを生
じることなく安定して製造することができた。
(発明の効果) 以上詳細に説明したところから明らかなように、本発明
によれば、微細原料の使用により磁気の微構造を均質に
し、磁器の機械的強度を増大せしめることができる。即
ち、従来の長石質磁器とは全く異なり、結晶の大きさが
20μm以下であって40μmを超える欠陥を有さない高強
度の長石質磁器を現実に提供できる。
そして、こうした高強度長石質磁器は、磁器原料のうち
石英質原料、長石質原料、及びアルミナ質原料の微粉砕
物の混合物を仮焼して均質な微構造を有する仮焼原料と
し、粘土鉱物質原料を加えて適当な粒度に調整すること
により製造でき、その際、磁器の製造工程である土練、
押出し、成形、乾燥、焼成の各製造工程にて製造可能な
成形性を坏土にもたせ、乾燥、焼成工程における切れの
発生を防止することができる。
とりわけ本発明の磁器を大型高圧碍子に用いると一層そ
の特徴を発揮し、高強度でコンパクト、且つ耐アーク性
能等の電気的特性に優れた高圧碍子を提供することがで
き、更に耐酸性等の耐薬品性に優れた磁器を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の磁器の製造時における原料の粒度分
布との比較のため、従来の普通磁器、及びアルミナ含有
磁器の原料として使用されている石英質原料の粒度分布
を示した図、 第2図は、石英質原料、長石質原料、及びアルミナ質原
料の配合割合を示す組成図、 第3図は、本発明の磁器に使用した石英質原料、長石質
原料、及びアルミナ質原料粒度分布を示した図、 第4図は、石英質原料、長石質原料、及びアルミナ質原
料の配合割合を示す組成図、 第5図(a)は、本発明の実施例1のサンプルFの結晶
の構造を示す透過式光学顕微鏡写真、 第5図(b)は、従来製造法で製造した実施例1のサン
プルMの結晶の構造を示す透過式光学顕微鏡写真、 第6図は、笠付中実碍子の概略図、 第7図は、石英質原料、長石質原料、及び粘土質原料か
ら成る普通磁器における原料調合物の粒度とテストピー
ス曲げ強度の関係を示した図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁器を構成する主成分の化学組成が重量
    で、SiO2:22〜85%,Al2O3:10〜73%,K2OとNa2Oの何れか
    1種又は2種:1.5〜6.5%より成り、結晶相がコランダ
    ム,ムライト,クリストバライト,石英から成るグルー
    プから選ばれた少なくとも1種の結晶であって、結晶量
    が重量で、コランダム:60%以下,ムライト:5〜50%,
    クリストバライト:40%以下,石英:10%以下,全結晶量
    が40%以上であり、結晶の大きさが20μm以下であって
    40μmを超える欠陥を有さず、無釉曲げ強度が1400kg/c
    m2以上であることを特徴とする高強度長石質磁器。
  2. 【請求項2】磁器を構成する主成分の化学組成が重量
    で、SiO2:30〜60%,Al2O3:30〜73%,Fe2O3:1.5%以下,T
    iO2:1.5%以下,CaO:0.7%以下,MgO:0.5%以下,K2OとNa2
    Oの何れか1種又は2種:1.5〜6.5%であり、結晶相の内
    コランダムが重量で20〜60%であって、無釉曲げ強度が
    1800kg/cm2以上である特許請求の範囲第1項記載の高強
    度長石質磁器。
  3. 【請求項3】主としてSiO2,Al2O3,Fe2O3,TiO2,CaO,MgO,
    K2O,Na2Oから成る化学組成の他にTiO2,BaO,ZrO2,B2O3,Z
    nOから成るグループから選ばれた少なくとも1種の組成
    を20重量%まで含む特許請求の範囲第2項記載の高強度
    長石質磁器。
  4. 【請求項4】該磁器が碍子用磁器である特許請求の範囲
    第1項乃至第3項のいずれかに記載の高強度長石質磁
    器。
  5. 【請求項5】該磁器が耐酸磁器である特許請求の範囲第
    1項乃至第3項のいずれかに記載の高強度長石質磁器。
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