JPH0767645A - 単子葉植物における遺伝子発現のための組換えプロモーター - Google Patents

単子葉植物における遺伝子発現のための組換えプロモーター

Info

Publication number
JPH0767645A
JPH0767645A JP3113549A JP11354991A JPH0767645A JP H0767645 A JPH0767645 A JP H0767645A JP 3113549 A JP3113549 A JP 3113549A JP 11354991 A JP11354991 A JP 11354991A JP H0767645 A JPH0767645 A JP H0767645A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
promoter
gene
plant
truncated
expression
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3113549A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3325589B2 (ja
Inventor
David I Last
アイ. ラスト デイビッド
Richard I S Brettell
アイ.エス. ブレッテル リチャード
Douglas A Chamberlain
エー. チャンバレン ダグラス
Philip J Larkin
ジェイ. ラーキン フィリップ
Ellen L Marsh
エル. マーシュ エレン
James W Peacock
ダブリュー. ピーコック ジェームズ
Elizabeth S Dennis
エス. デニス エリザベス
Mark R Olive
アール. オリーブ マーク
Jeffrey G Ellis
ジー. エリス ジェフリー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Commonwealth Scientific and Industrial Research Organization CSIRO
Mycogen Plant Science Inc
Original Assignee
Commonwealth Scientific and Industrial Research Organization CSIRO
Lubrizol Genetics Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Commonwealth Scientific and Industrial Research Organization CSIRO, Lubrizol Genetics Inc filed Critical Commonwealth Scientific and Industrial Research Organization CSIRO
Publication of JPH0767645A publication Critical patent/JPH0767645A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3325589B2 publication Critical patent/JP3325589B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/82Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for plant cells, e.g. plant artificial chromosomes (PACs)
    • C12N15/8216Methods for controlling, regulating or enhancing expression of transgenes in plant cells
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/82Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for plant cells, e.g. plant artificial chromosomes (PACs)
    • C12N15/8216Methods for controlling, regulating or enhancing expression of transgenes in plant cells
    • C12N15/8237Externally regulated expression systems

Abstract

(57)【要約】 【目的】 単子葉植物細胞で、植物で発現可能な構造遺
伝子の発現を促進するための、組換えプロモーター分子
を提供する。 【構成】 AREおよびOCSエレメントからなる群よ
り選択される複数のエンハンサーエレメント、植物で発
現可能な切形のプロモーター、および植物で発現可能な
構造遺伝子中の転写開始部位と翻訳開始部位との間に位
置するイントロンとして天然に見いだされるヌクレオチ
ド配列を有する組換えプロモーター分子。その組換えプ
ロモーター分子を有するベクター。そのベクターを含む
細菌細胞およびそのベクターで形質転換された単子葉植
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本願は、1990年5月18日に出願され
た米国特許出願No.07/525866に基づく。
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に植物の分子生物
学の領域に関し、特に、エンハンサー配列と、遺伝子の
発現が促進されるようにプロモーター領域内に組換えら
れたその配列とに関する。本発明は単子葉植物において
所望の構造遺伝子の発現を選択的に促進することを可能
にする。
【0003】
【従来の技術】植物の形質転換方法を開発するときに考
慮される最も重要な要因の一つは、標的細胞中で、導入
された遺伝子の高レベルの発現を確実にするプロモータ
ーの利用可能性である。例えば、抗生物質耐性マーカー
をコードするDNAを有する植物細胞の形質転換の場
合、形質転換体の効果的な選択を可能にするために、導
入される遺伝子を高レベルで発現させることが明らかに
望ましい。さらに、形質転換されない組織が、ある程度
の生来の抗生物質耐性を示す場合、例えばカナマイシン
で選択される小麦やトウモロコシ(maize)の胚組
織の場合、形質転換された植物の製造を成功させるため
には強力な選択系が必要である。
【0004】プロモーターは遺伝子の初めにあるDNA
配列部分であり、RNAポリメラーゼが転写を開始する
ためのシグナルを含み、続くタンパク質合成の進行が可
能となる。真核生物のプロモーターは複雑であり、転写
開始部位の5’側の−75bpにあるTATAボックス
のコンセンサス配列、即ち+1と定義されるcap部位
を含む構成成分を包含する(Breathnach a
nd Chambon(1981) Ann.Rev.
Biochem.50:349−383;Messin
gら(1983)Genetic Engineeri
ng ofPlants,T.Kosuge,Mere
dish and Hollaender,(編),p
p.211−227)。多くの場合、TATAボックス
は正確な転写の開始に必要である。さらに上流に、しば
しば−80と−100との間には、コンセンサス配列C
CAATと相同のプロモーターエレメントが存在し得る
(BreathnachおよびChambon(198
1)上記)。植物ではCCAATボックスは、Mess
ingら(1983)がAGGAボツクスと名付けた、
cap部位から同じ距離に位置するコンセンサス配列で
置き換えられていても良い。5’非翻訳領域にある他の
DNA配列も、遺伝子の発現の調節に関係するものと考
えられている。例えば、照明、栄養分の使用可能性、あ
るいは熱ショック、嫌気生活(anaerobiosi
s)、重金属の存在を含む不利な条件のような、環境か
らの刺激に反応して遺伝子の発現に影響を与えるDNA
配列が存在する。発育中または組織に特異的な様式で遺
伝子の発現を制御するDNA配列も存在する。他のDN
A配列は、近くの遺伝子の全体的な発現レベルを上昇さ
せることが見い出されている。このような配列は動物お
よび植物の系において”エンハンサー”と名付けられ
た。酵母では、”上流活性化配列”配列とよばれる同様
の刺激配列が知られており、これもまた、しばしば調節
情報を担うようである。プロモーターは通常、対応する
遺伝子のコーディング領域開始の5’側またはその上流
に位置する。そして調節または全転写レベルに影響を与
えるすべての補助的なエレメントを含む区域は、100
bpより少ないか1kbpにもなるものを含み得る。
【0005】植物細胞の形質転換に広く使用されてきた
プロモーターには、アルコールデヒドロゲナーゼ、Ad
h1およびAdh2をコードする2つの遺伝子のプロモ
ーターがある。Adh1およびAdh2は共に嫌気(a
naerobiosis)の開始後に誘導される(Fr
eeling(1973)Mol.Gen.Gene
t.127:215−227)。2つの酵素のうち、
dh1は嫌気条件下で最も重要なものの一つである(F
reelingら(1973)Biochem.Gen
et.:27−23)。Adh2(Dennisら
(1985)Nucl.Acids.Res.13:7
27−743)と同様にトウモロコシAdh1はクロー
ン化されそして配列決定されている(Dennisら
(1984)Nucl.Acids Res.12:3
983−4000)。他の起源のAdh1遺伝子も最近
クローン化され配列決定された(Llewellynら
(1987)J.Mol.Boil.195:115−
123).Howardら(1987)Planta
170:535−540はトウモロコシのプロトプラス
ト中の内因性Adh1遺伝子およびキメラのAdh1
伝子の発現を調べた。Adh1キメラ遺伝子のADH−
CATは、クロラムフェニコールアセチルトランスフェ
ラーゼ(CAT)をコードする配列およびノパリン(n
opaline)合成(nos)3’シグナルに結合し
Adh1プロモーターからなる。電気穿孔法によりト
ウモロコシのプロトプラストに導入されたADH−CA
Tは、コントロール条件下に比較して低酸素濃度では約
4倍高く表現された。トウモロコシプラスト中の内因性
Adh1遺伝子の発現および細胞培養の嫌気性反応に平
行するADH−CATの発現は、トウモロコシ苗の反応
と量的に同じであった。Walkerら(1987)P
roc.Natl.Acad.Sci.84:6624
−6628は、インビトロ操作されたADH−CATキ
メラ遺伝子の一連の発現に基づき、ADH−CTAの嫌
気的誘導に必要な配列エレメントを確認した。彼らは、
トウモロコシのAdh1プロモーターの−140位と−
99位の間に嫌気性調節エレメント(ARE)の存在す
ること、そしてAREが、−133〜−124位と−1
13〜−99位との少なくとも2つの配列エレメントを
包み、ADH−CAT遺伝子活性の低酸素発現のために
は両者が必要かつ充分であることを示した。
【0006】さらに、トウモロコシのAdh2遺伝子も
嫌気性生活によって調節され、Adh1 AREに相同
性を有することが報告された(Walkerら、(19
87)上記)。相同性はAREのI領域において約81
%であり、II領域に於て約69%である。さらに、Ar
abidopsisおよびエンドウ由来のAdh遺伝子
の5’隣接領域は、10bp領域にわたり、トウモロコ
Adh1 AREに対する相同性が60%よりも少な
いことが報告されている。
【0007】カリフラワーモザイクウイルスの35Sプ
ロモーター(Guilleyら(1982)Cell
30:763−773;Odellら、(1985)上
記)は植物の形質転換方法において最もよく知られてい
るプロモーターの一つである。この双子葉植物ウイルス
プロモーターは、双子葉および単子葉植物のプロトプラ
スト内に導入された遺伝子の発現を支配する(From
mら、(1985)Proc.Natl.Acad.S
ci.82:5824−5828;Nagataら、
(1987)Mol.Gen.Genet.207:2
42−244;Odellら、(1988)Plan
t.Mol.Biol.10:263−273)。形質
転換されたタバコ細胞(Morelliら、(198
5)Nature 315:200−204;Nagy
ら(1985)Biotechnology in P
lant Science:Relevance to
Agriculture in Eighties
M.Zaitlin,P.DayおよびA.Holla
ender(編),Academic Press,N
ew York,pp.227−236)または遺伝子
導入されたペチュニア植物(Sandersら(198
7)Nucl.Acid Res.15:1543−1
558)中の相対的な転写レベルの定量により、35S
プロモーターがnosプロモーターの少なくとも30倍
強力であることが示された。35Sプロモーターは強力
であるので、遺伝子導入された植物における所望の特性
の高レベルの発現のために、このプロモーターが広く用
いられる。Fangら((1989)The Plan
t Cell :141−150)は5’側、3’側
および中間の遺伝子欠失によって、−343〜−46の
上流の断片が3つの機能性領域、即ち−343〜−20
8、−208〜−90、−90〜−46に分かれ得るこ
とを示した。彼らは、適当な35Sプロモーター配列を
用いての試験で初めの2つの領域は転写活性を有するこ
とを示した。これに対し、−90〜−46領域は、それ
自身には低い活性しかないが、2つの末端領域の転写活
性を増大させる補助的な役割を果たした。CaMV 3
5Sプロモーターは、ウイルス宿主範囲からかけはなれ
た植物を含む広い種類の植物において、高レベルのRN
A産生を生じさせる強力なプロモーターであるにもかか
わらず、コムギのような農業上重要なイネ科植物におい
ては比較的低い活性しか有さない(Leeら(198
7)”Progress in Plant Prot
oplast Research”,Proceedi
ngs of the 7th Internatio
nal Protoplast Symposium,
Wageningen,The Netherland
s,December 6−11,1987,Puit
eら編;Hauptmannら(1987)Plant
Cell Rep.:265−270)。反対に、
トウモロコシのAdh1遺伝子由来の単子葉植物プロモ
ーターは双子葉植物であるNicotiana plu
mbaginifoliaのプロトプラスト中では非常
に低い発現しか与えない(Ellisら(1987)E
MBO J.,:11−16)。これらの観察から、
単子葉植物と双子葉植物との間には、転写因子およびプ
ロモーター配列の認識に関して相違があることが示唆さ
れる。
【0008】導入遺伝子の発現レベルは、プロモーター
の転写レベルを増大させるcis差動性の配列としての
エンハンサーエレメントを加えることにより、しばしば
増大させることが出来る(Banerjiら(198
1)Cell 27:299−308)。Khoury
およびGruss((1983)Cell 33:31
3−314)が定義したように、近くの遺伝子に関して
位置や方向に比較的非依存的な様式で転写効率を増大さ
せるように見える、真核生物のプロモーターエレメント
の組の1つである。エンハンサーの原型はSV40の7
2bp反復内に見出される。これは転写開始部位から1
00bpよりさらに上流に位置し、GTGGAAA(ま
たはTTT)Gのコンセンサス配列を有する。一般に、
動物又は動物のウイルスのエンハンサーは5’側1kb
pにも及ぶ距離にわたり両方向に作動可能であり、遺伝
子に対し5’側または3’側に作動可能である。配列モ
チーフは一般に、数回反復される。エンハンサーは弱い
プロモーターを有する遺伝子を研究するために動物のウ
イルス系において使用される(Leeら(1981)N
ature 294:228−232;Huangら
(1981)Cell27:245−255)。動物の
エンハンサーのコンセンサス核配列に相同性のある植物
遺伝子由来の配列も報告されている。Odellら
((1985)Nature 313:810−81
2)は、−105〜−46間の配列がCaMV35Sプ
ロモーターの最大の発現のために必要であることを示し
た。この領域内に含まれる配列は、動物のエンハンサー
の核コンセンサス配列に部分的に相同である。さらにB
ouchezら((1989)EMBO J.8:41
97−4204)によって、−89〜−59の35Sプ
ロモーター由来の31bp断片は、トウモロコシとタバ
コの核中の核タンパク質因子に対する結合部位(Sin
ghら(1989)Proc.Natl.Acad.S
ci.86:3733−3737)を含み、そしてプロ
モーターの最大の活性のために必要不可欠であることが
示された。同様のエンハンサー配列は、フィグウォルト
モザイクウイルス(figwort mosaic v
irus:FMV)、カーネーションエッチトリングウ
イルス(carnation etched ring
virus:CERV)の上流の領域、ならびにRi
およびTiプラスミド由来の7個のT−DNAオピン合
成遺伝子(seven T−DNA opine sy
nthase genes)の上流の領域に見い出され
ている。
【0009】Ellisら((1987)EMBO
J.:11−16)は、Adh1プロモーターの上流
の配列(−1094〜−140位)の遺伝子欠失によ
り、遺伝子導入タバコにおいてAdh1遺伝子構築物が
極端に低くしか発現しなくなることを示した。しかし、
2つの構成的遺伝子、即ち双子葉植物において発現され
るオクトピンシンターゼ(ocs)およびCaMV 3
5S遺伝子に由来したエンハンサー様の性質を有する配
列が、トウモロコシAdh1プロモーター領域の上流に
位置する場合、活性が容易に検出された。トウモロコシ
Adh1遺伝子の転写開始コドンの上流にある配列のは
じめの247bpは、遺伝子導入タバコのハイブリッド
遺伝子に対して正確な転写開始を授け、嫌気性調節を授
けることが示された。さらに、ocsプロモーターの上
流領域に由来する176bpDNA配列は、単子葉植物
であるZea maysおよび双子葉植物であるNic
otiana plumbaginifoliaのプロ
トプラストにおいてエンハンサーとして機能することが
示された(Ellisら(1987)EMBO J.
:3203−3208)。この176ocs配列は両
方向に機能することが報告されているが、その促進活性
Adh1プロモーターからの距離に依存すること、さ
らに、配列ACGTAAGCGCTTACGTを有する
16bpパリンドロームの存在によることが見出され
た。
【0010】他の研究によれば、Kayらは((198
7)Science 236:1299−1302)C
aMV 35Sプロモーターを有する遺伝子導入タバコ
植物中で10倍高い転写活性を報告し、そのプロモータ
ーCaMV 35S上流配列の260bpを2回に含む
ものであった。さらに、この2回含んだ領域は、異種性
プロモーターの強力なエンハンサーとして作動して、こ
れに隣接していて、そして分かれて転写される移入DN
A遺伝子の活性を数百倍増大させることが報告された。
【0011】さらにOwら((1987)Proc.N
atl.Acad.Sci.84:4870−487
4)によって、35Sプロモーター(−148〜−89
位間)の末端領域の多重体は、35Sプロモーターコア
を天然の35Sプロモーターよりもさらに高い発現のレ
ベルに活性化し得ることが報告された。さらに、Fan
gら((1989)上記)は、上流35Sプロモーター
断片(−209〜−46)の単量体および多重体は、異
種体プロモーターからの転写を増大させるエンハンサー
として作動し得ることを報告した。これらの研究におい
て、35Sプロモーターの−209〜−46位間にある
上流領域の8反復が、リブロースビスホスフェートカル
ボキシラーゼの小サブユニットであるrbcS−3A
伝子の−50位にクローン化された。8量体はrbcS
−3A上流領域を用いて得られるよりも、さらに高いレ
ベルにrbcS−3A転写を増大させた(Fangら
(1989)上記)。
【0012】ウイルスまたは細菌のゲノムのような起源
から得られたエンハンサーは、植物において、所望の発
現を促進するときに機能することが示された。このよう
な場合の1つとして、トウモロコシAdh1プロモータ
ーに、Agrobacterium tumefaci
ens由来のオクトピンシダーゼ(OCS)エンハンサ
ーを加えることにより、プロモーターの種特異性が修飾
された(Ellisら(1987)EMBO J.
11−16)。OCSエンハンサーを加えた後、トウモ
ロコシAdh1プロモーターは遺伝子導入タバコ植物に
おいて、嫌気生活的に観察される発現を強力にすること
ができた。もう一つの場合として、OCSエンハンサー
がAREに直接隣接した位置にあるとき、そのOCS−
ARE構築物はトウモロコシのプロトプラスト中で最大
の発現を示し、CAT発現は嫌気的なストレスによって
も、さらに増大しないことが報告された(Peacoc
kら(1987)Plant Gene System
s and TheirBiology,Alan
R.Liss,Inc.,pp.263−277)。さ
らに、非翻訳リーダー中に、Adh1プロモーターの下
流にあるトウモロコシAdh1イントロン1を含ませる
ことにより、トウモロコシのプロトプラスト中の導入さ
れたクロムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ
(CAT)マーカー遺伝子からの発現が10倍増大され
ることが示された。
【0013】
【発明の要旨】本発明の第1の目的は、組換えプロモー
ター分子を提供することにあり、その組換えプロモータ
ー分子は、当業者が、標的細胞中に導入された遺伝子の
発現を確実に高レベルで得ることを可能にする。この目
的は、植物で発現可能な遺伝子の5’非翻訳領域由来の
エンハンサー配列の組み合わせを利用することにより達
成される。好ましい実施態様において、エンハンサー配
列は、トウモロコシアルコールデビドロゲナーゼ1(
dh1)遺伝子およびオクトピンシンターゼ遺伝子の上
流領域の由来し、さらに好ましくは、例えば嫌気生活調
節エレメント(ARE)、オクトピンシンターゼエレメ
ント(OCS)のようなエンハンサー配列の反復又は組
み合わせおよびAdh1遺伝子のイントロン1を含有す
る。
【0014】本発明の他の目的は、改良されたプロモー
ター構築物を提供することであり、その改良されたプロ
モーター構築物は、カリフラワーモザイクウイルス35
S(CaMV 35S)プロモーターを用いて得られる
発現よりも、単子葉浮遊細胞プロトプラスト中に導入さ
れたマーカー遺伝子の、10〜50倍高い発現を与え
る。好ましくは、本発明の組換えプロモーター分子は、
互いに隣接するかまたは距離をおいて互いに一組となっ
たAREの多重コピーと、互いに隣接するかまたは距離
をおいて一組となったOCSの多重コピーを含有する。
【0015】さらに好ましくは、AREエレメントがO
CSエレメントの5’側に位置し、OCSエレメントが
TATAボックスの5’側に位置する。例示される実施
態様としては、単子葉植物のための改良されたプロモー
ター構築物は、トウモロコシAdh1遺伝子のAREの
6回反復されたコピー、Agrobacteriumt
umefaciens(OCS)のオクトピン シンタ
ーゼ遺伝子由来のOCSエレメントの4回反復されたコ
ピー、植物で発現可能なプロモーター由来のTATAボ
ックス領域、例えばトウモロコシAdh1遺伝子のイン
トロン1(ヌクレオチド−119〜+672内の非翻訳
リーダーの部分)のような植物で発現可能な遺伝子の非
翻訳リーダーの部分、例えば、E. coli β−グ
ルクロニダーゼ遺伝子(GUS)のような植物で発現可
能な構造遺伝子、およびAgrobacterium
tumefaciensのノパリン シンターゼ遺伝子
由来のnosターミネーターを包含する。
【0016】本発明の他の目的は、単子葉植物細胞にお
いてCaMV 35Sプロモーターよりもマーカー遺伝
子の発現を促進する、改良されたプロモーター構築物を
提供することにあり、例えば、オオムギでは約16倍促
進し、双子葉植物細胞のプロトプラストではCaMV
35Sプロモーターよりもマーカー遺伝子の発現を7〜
10倍促進する。組換えプロモーター分子は、互いに一
定間隔または隣接した関係で位置するOCSエレメント
の複数回コピーを含むことが好ましい。例示される実施
態様としては、改良されたプロモーター構築物は、OC
Sの4回反復されたコピーと、例えば切形のCaMV△
35Sプロモーター(ヌクレオチド−90まで欠失され
ている)のような植物で発現可能なプロモーター由来の
TATAボックス領域と、例えばトウモロコシAdh1
遺伝子のイントロン1のような植物で発現可能な遺伝子
の非翻訳リーダーの部分であるイントロンと、例えば、
GUSのコーディング領域のような植物で発現可能な構
造遺伝子と、および例えばAgrobacterium
tumefaciensのノパリン シンターゼ遺伝
子由来のnosターミネーターのような植物で発現可能
なターミネーションシグナルとを包含する。
【0017】形質転換された植物細胞についての効果的
な選択系の開発を可能にすることも本発明の目的であ
る。このような改良された選択系は、遺伝子導入された
組織における構造遺伝子の発現の確実な促進に基づく。
例えば、本発明によって提供される組換えプロモーター
構築物は、抗生物質耐性遺伝子に結合されるときには、
その形質転換の間に、選択のための抗生物質耐性を増大
されたレベルで発生させるのに有用である。
【0018】本発明の他の目的は、植物において高いレ
ベルの、組織特異的な発現を示すように設計された、組
換えプロモーター構築物を供給することである。例示さ
れる実施態様としては、本発明のp4OCS△35SI
GN構築物は、葉に特異的な発現のために優れた効用を
示す。
【0019】本発明はさらに、単子葉植物細胞において
所望の遺伝子の高いレベルの発現を得るための方法を提
供する。このような所望の植物で発現可能な遺伝子に
は、当業者に知られているように、Bacillus
thuringiensisの結晶性のトキシンタンパ
ク質、グリホセート耐性遺伝子、修飾された種子貯蔵タ
ンパク質遺伝子などを包含する。この方法には、組換え
プロモーター分子の構築が含まれ、例示される実施態様
としては、植物で発現可能な、切形のプロモーターの
5’側に、複数のAREおよび/または複数のOCSエ
レメントを含み、その植物で発現可能な切形のプロモー
ターはTATAボックス領域および選択物を提供し、
3’方向にはトウモロコシAdh1遺伝子のイントロン
1、植物で発現可能な構造遺伝子(例えばGUS遺伝
子)、およびAgrobacteriumtumefa
ciensのノパリン シンターゼ遺伝子由来のnos
ターミネーターが続く。好ましい実施態様においては、
6コピーのAREと4コピーのOCSとがプロモーター
構築物中に用いられる。
【0020】本発明の他の目的は、誘導可能な遺伝子
を、遺伝子発現の調節に関して構成的にする方法を提供
することである。本発明の例示される実施態様として
は、通常嫌気生活に反応して機能するAdh1プロモー
ターは、エンハンサーエレメントと共に設計され、高レ
ベルの遺伝子発現を構成的な方法で示すようになる。
【0021】組換えプロモーター分子の構築は、上記の
ように、植物のエンハンサー断片を用いた通常の手法で
達成される。さらに、このようなDNA分子の構築は、
本願中に記載の既知の遺伝子に由来する特定の配列、ま
たはその調節制御下に位置された異種性遺伝子の発現の
促進を授けることが示されている、他の起源由来の、機
能的に同等な配列、例えば780T−DNAエンハンサ
ーを用いることができる。切形のAdh1プロモーター
および切形のCaMV△35Sプロモーターに代えて、
植物で発現可能な切形のプロモーターを、これらの構築
中に必要なTATAボックス配列を提供するために使用
することができる。植物で発現可能な任意の構造遺伝子
が、これらの構築に使用可能である。
【0022】構築の後、エンハンサーエレメント/切形
のプロモーター/構造遺伝子の結合体が所望の植物組織
中で、好ましくは単子葉植物の組織中で、高レベルで発
現されるように、改良されたプロモーター分子を含む本
願記載の組換えDNA発現系は植物の組織中に導入され
る。外来DNAによる植物の細胞または組織の形質転換
は、当業者に知られた種々の方法で行うことができる。
例示される実施態様としては、電気穿孔法が使用され
る。
【0023】本発明の方法は一般に、単子葉植物および
双子葉植物の両者における構造遺伝子の発現に対して適
用できる。この方法は、単子葉植物のプロモーターの構
築に使用されるが、特にGraminaceae属、そ
の中でもトウモロコシおよびコムギに適用できる。
【0024】本発明の他の目的は、本願に記載された組
換えプロモーター分子を含む植物、植物細胞および植物
組織である。さらなる目的は、該組換えプロモーター分
子を含む発現カセットおよびベクターにあり、並びにそ
のようなベクターを、維持、複製および植物の形質転換
に適当な状態に含む細菌細胞にある。
【0025】本発明は、単子葉植物細胞において、植物
で発現可能な構造遺伝子の発現を促進する組換えプロモ
ーター分子を包含する。この組換えプロモーター分子
は、 (a)AREおよびOCSエレメントからなる群より選
択される複数のエンハンサーエレメント; (b)該複数のエンハンサーエレメントの3’側に位置
し、転写開始に必要なTATAボックス領域を提供す
る、植物で発現可能な切形のプロモーター;および (c)植物で発現可能な構造遺伝子中の転写開始部位と
翻訳開始部位との間に位置するイントロンとして天然に
見いだされるヌクレオチド配列;を有し、このことによ
って該組換えプロモーター分子の3’側に位置する植物
で発現可能な構造遺伝子が、該組換えプロモーター分子
の調節制御下において、該単子葉植物中で発現される。
【0026】好適な実施態様においては、上記切形のプ
ロモーターは、切形のトウモロコシAdh1プロモータ
ーおよび切形のCaMV 35Sプロモーターからなる
群より選択される。
【0027】好適な実施態様においては、上記切形のプ
ロモーターは、切形のトウモロコシAdh1プロモータ
ーである。
【0028】好適な実施態様においては、上記切形のプ
ロモーターは、切形のCaMV 35Sプロモーターで
ある。
【0029】好適な実施態様においては、上記組換えプ
ロモーター分子は4OCSΔ35SI構造を有するプロ
モーター分子であって、4OCSとはOCSの4回の反
復コピーをさして言い、Δ35Sは切形のCaMV 3
5Sプロモーターであり、そして、Iは植物で発現可能
な遺伝子中の転写開始部位と翻訳開始部位との間に位置
するイントロンとして天然に見い出されるヌクレオチド
配列である。
【0030】好適な実施態様においては、上記組換えプ
ロモーター分子は6AREΔADHI構造を有するプロ
モーター分子であって、6AREとは、AREの6回の
反復コピーをさして言い、ΔADHは切形のAdhプロ
モーターであり、そしてIは、植物で発現可能な遺伝子
中の転写開始部位と翻訳開始部位との間に位置するイン
トロンとして天然に見い出されるヌクレオチド配列であ
る。
【0031】好適な実施態様においては、上記組換えプ
ロモーター分子は6ARE4OCSΔADHI構造を有
するプロモーター分子であって、6AREとは、ARE
の6回の反復コピーをさして言い、4OCSとはOCS
の4回反復コピーをさして言い、ΔADHは切形のAd
プロモーターであって、そしてIは、植物で発現可能
な遺伝子中の転写開始部位と翻訳開始部位との間に位置
するイントロンとして天然に見い出されるヌクレオチド
配列である。
【0032】本発明は上記の組換えプロモーター分子を
有するベクターを包含する。
【0033】本発明は上記の組換えプロモーターを有す
るベクターを包む細菌細胞を包含する。
【0034】本発明は上記組換えプロモーター分子を有
するように転換され、その組換えプロモーター分子の制
御下に構造遺伝子を発現する、形質転換可能で再生可能
な単子葉植物を包含する。
【0035】好適な実施態様においては、上記単子葉植
物は、トウモロコシ、コムギ、オオムギまたはコメであ
る。
【0036】
【発明の構成】明細書および請求の範囲における用語の
意図あるいは範囲のあいまいさを除外するために次の定
義を提供する。
【0037】発現とは、構造遺伝子の転写および翻訳の
ことであって、その結果タンパクが合成される。
【0038】プロモーターとは、転写開始を命令する構
造遺伝子の5’末端の配列である。プロモーター配列
は、下流遺伝子の発現を導くのに必ずしも十分ではない
が必要である。真核生物のプロモーターは、一般に、転
写開始(cap)部位の5’側の約10から35bpの
コンセンサス5’−TATAAT−3’(TATAボッ
クス)に相同の配列を含有する。cap部位は従来から
+1と番号を付けられており、すなわちcap部位から
の距離に従ってcap部位の3’側の塩基は、プラスの
番号が付けられ、他方、cap部位の5’側塩基はマイ
ナスの番号が付けられる。TATAボックスの5’側の
約30から70bpに、しばしば正規の型の5’−CC
AAT−3’に相同なもう1つ別のプロモーター要素が
ある(R.BreathnachおよびP.Chamb
on(1981)Ann.Rev.Biochem.
:349−383)。植物では、CCAAT”ボック
ス”はときどき、AGGA”ボックス”に置換されてい
る(Messingらの(1983)Genetic
Engineering of Plants,T.K
osugeらの(編)、Plenum Press,p
p.211−227)。組織特異性、環境シグナルへの
応答あるいは、転写の最大効果を賦与する他の配列は、
これらのプロモーターエレメントに点在して見い出され
るか、あるいはcap部位から5’側の方向にさらに見
い出され得る。このような配列は、しばしばcap部位
の400bp以内に見い出されるが、1000bpから
それ以上に延長していることもある。
【0039】切形の(切り出された)プロモーターと
は、転写開始に必要な基本配列を有するが、エンハンサ
ー配列を除いたTATAボックス領域のことである。本
発明では、切形のプロモーターは、cap部位(+1)
の5’側に約200bpと3’側に約200bpの領域
を有し、さらに好ましくはcap部位から5’側に約1
00bpと、3’側に約110bpの領域を有すること
を意図している。
【0040】ADHとは、一般に、植物で発現可能なア
ルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子および、特に、トウモ
ロコシ由来のアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子のこと
である。
【0041】Adh1プロモーターとは、トウモロコシ
由来のアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子1のヌクレオ
チド位置の約−1094から−106の領域をもつDN
A断片、あるいは、機能的に同等な相同の断片である。
この配列に、上記Ellisら(1987)により発表
された修正に従ってcap部位を+1として番号を付け
た。
【0042】プロモーターの△印(例えば、Adhプロ
モーターに対する△ADH、あるいは35Sプロモータ
ーに対する△35S)は、プロモーターがここで定義さ
れているように切形になっていることを意味する。
【0043】△ADHとは、一般に、転写を開始するの
に必要なTATAボックス配列を提供する、植物で発現
可能な切形のAdhプロモーターのことであり、特に上
記のEllisら(1987)に記載のように、ヌクレ
オチドの−100付近から+106付近のDNA領域あ
るいはこれと機能的に同等な相同の断片をもつトウモロ
コシ由来のAdh1遺伝子からの切形Adh1プロモー
ターのことである。
【0044】△35Sとは、転写を開始するのに必要な
TATAボックス配列を提供する植物で発現可能な切形
のCaMVプロモーターのことであり、特にヌクレオチ
ドの−90付近から+3付近のDNA領域、あるいはこ
れと機能的に同等な相同の断片を持つカリフラワモザイ
クウイルス(CaMV)35S遺伝子からの切形の35
Sプロモーターのことである。CaMV35Sプロモー
ターのヌクレオチド−90付近から−45付近の領域で
はOCSエレメントを有する(Bouchezら、(1
989)前出)。
【0045】AREあるいはAREエレメントとは、上
記のWalkerら、(1987)により定義された嫌
気性の制御エレメント、あるいは機能的に同等な相同の
断片のことである。トウモロコシAdh1遺伝子由来の
ARE断片は、ヌクレオチドの−140から−99のD
NA領域を持つ。AREは、少なくとも2つの配列エレ
メントを含有している。すなわち−133から−124
と−113から−99であって、両者ともAdh−CA
T遺伝子発現の低酸素発現にとって必要であり、かつ共
に十分である(Walkerら、(1987)前出)。
領域IおよびIIのDNA配列は、5’−GGTTT−
3’を含まねばならなく、おそらく5’−TGGTTT
−3’を含まねばならない。本発明では、AREは、領
域Iのみからなり、領域IIを除き得ることを意図する。
さらに、機能性の植物AREエレメントは、嫌気的に他
の起源から誘導された遺伝子由来であり得て、限定され
ないが、これは、トウモロコシAdh1およびAdh2
遺伝子、ならびにトウモロコシアルドラーゼ遺伝子の上
流領域からの配列を含む。
【0046】OCSあるいはOCSエレメントとは、1
76bpのocsエンハンサー断片のことであって、こ
の断面はトランスジェニックタバコでの、トウモロコシ
Adh1プロモーターの発現を提供するのに用いられた
オクトピンシンターゼ遺伝子のヌクレオチド−292か
ら−116を持つ(Ellisら、(1987)EMB
O J.:11−16および(1987)EMBO
J.:3203−3208)か、あるいはこれと機能
的に同等な相同の断片を持つ。OSCは、16bpのパ
リンドローム性の配列、すなわち5’−ACGTAAG
CGCTTACGT−3’であるOCSエレメントを含
み、これは、ocsエンハンサーの必須要素である。
【0047】OCSエレメントは、Agrobacte
rium tumefaciens由来のオクトピンシ
ンターゼ遺伝子の−193から−178にある。OCS
エレメントに対して相同かつ機能的に同等な配列の存在
は、他の起源においても認められている(Bouche
zら、(1989)前出)。本発明でのOCSエレメン
トは、またEllisら、(1987)EMBO J.
:3203−3208に記載のOCSエレメントに対
して、少なくとも50%相同性があり、かつ機能的に同
等な(Bouchezら(1989)前出)他の起源の
配列を含む。
【0048】プロモーターエンハンサーエレメント中の
表示Iはイントロンを意味する。
【0049】イントロンとは、一般に、植物で発現可能
な遺伝子中の転写開始部位と翻訳開始部位との間に位置
するイントロンとして、天然に見い出されるヌクレオチ
ド配列のことである。特に実施例において用いられてい
るイントロンは、119から672のヌクレオチド(D
ennisらの(1984)Nucl.AcidsRe
s.12:3983−4000に従ってヌクレオチドに
番号を付けた)を持つトウモロコシAdh1遺伝子のイ
ントロンIからの557bpの断片、あるいは機能的に
同等な相同の断片である。
【0050】EmuあるいはEmuカセットとは、’6
ARE4OCS△ADHI’構造からなる発現カセット
である。
【0051】pEmuGNは、p6ARE4OCS△A
DHIGN構造の省略である。
【0052】Gとは、coliβ−グルクロニダー
ゼ遺伝子のことである。
【0053】Nとは、ノパリンシンターゼ遺伝子の転写
終止シグナル配列のことである。
【0054】発現の高いレベルとは、本発明の組換えプ
ロモーターの制御の下に、目的の遺伝子の発現が、単子
葉植物細胞中で、CaMV 35Sプロモーターの制御
下に、同じ植物系で得られるよりも、少なくとも10か
ら50倍高くなることである。
【0055】調節制御とは、一般に、DNA配列エレメ
ント、特に転写開始部位の上流(5’側に)に位置する
エレメントにより誘導される遺伝子発現の調節のことで
ある。調節は、環境条件に応答する切/入スイッチに似
ており、あるいは調節の結果、遺伝子発現のレベルに変
化が生じる。例えば、嫌気性調節エレメントは、環境条
件が嫌気性であるときのみに下流遺伝子の発現が起こる
ような方法で、機能する。実験的嫌気性とは、植物組
織、培養細胞、あるいはプロトプラストが必要とする5
%酸素と95%チッ素を含む大気のことである。
【0056】プロモーター調節制御のもとにある構造遺
伝子、あるいは調節配列エレメントを配置することは、
遺伝子の発現がこれらの遺伝子により制御されるように
構造遺伝子を配置することを意味する。プロモーター
は、一般に、これらが制御する遺伝子の5’側(上流)
に位置する。異種のプロモーター/構造遺伝子組み合わ
せの構築では、遺伝子の転写開始部位からの距離、その
距離はもともとの位置にある遺伝子、すなわちプロモー
ターが誘導される遺伝子とプロモーターとの間の距離と
ほぼ同じであることが好ましい。当該分野において知ら
れているように、この距離の変化は、プロモーター機能
を失うことなく行われ得る。同様に、異種遺伝子がその
制御の下に位置されることが期待されている。制御配列
エレメントの好ましい配置は、天然にもともと位置する
エレメント、すなわちそれが由来する遺伝子の配置によ
り決められる。さらに、当該分野では知られており、こ
こで制御エレメントの複数コピーで示されているよう
に、この距離に変化が起こりうる。
【0057】構造遺伝子は、タンパク、ポリペプチド、
あるいはそれらの一部分をコードするDNA断片を含む
遺伝子部分である。この用語は、細胞内で天然に見い出
されるが、しかし人工的に導入された構造遺伝子の複製
物を意味する。あるいはこの構造遺伝子は、遺伝子が導
入された植物細胞中で通常見い出されないタンパクをコ
ードし得、この場合には、異種遺伝子と呼ばれる。異種
の構造遺伝子は、その全体にせよ一部分にせよ、細菌の
ゲノムあるいはエピソーム、真核生物ゲノムあるいはプ
ラスチドDNA、cDNA、ウイルスのDNA、あるい
は化学的に合成されたDANから由来し得る。構造遺伝
子は、コード領域あるいは非翻訳領域のいずれかにおい
て、1つあるいはそれ以上の修飾を含み得る。この修飾
は、発現産物の生物的活性あるいは化学的な構造、発現
の速度あるいは、発現制御の方法に影響し得る。このよ
うな修飾としては、たとえば変異、挿入、欠損、および
1つあるいはそれ以上のヌクレオチドの置換が含まれ
る。しかしこれらに限定されるものではない。この構造
遺伝子は、妨害されていないコード配列を構成し得る、
あるいは、適当な植物の機能性のスプライス結合部位で
結合された一つあるいはそれ以上のイントロンを含み得
る。この構造遺伝子は、天然由来であっても合成された
ものであっても複数の起源に由来する断片の構成要素で
ありうる。実験操作によりコード配列を接続すること
で、その機能性を保持することができるならば構造遺伝
子は、また融合タンパクをコードし得る。
【0058】構造遺伝子、エンハンサーあるいは制御配
列、あるいは他の配列の相同なものは、これらと機能的
に同等であって、かつ少なくとも50%の相同性がある
相同配列である。このような配列は、当該分野でよく理
解されている。適切な厳密な条件下で、交叉ハイブリダ
イズする能力のある核酸により、当該分野の当業者によ
り同定され得る(HamesおよびHiggins
(編)(1985)Nucleic Acid Hyb
ridisation,IRL Press,Oxfo
rd,UKの記載に従って)。本願において使用され
る、あるいは開示されている配列あるいは断片におい
て、わずかな配列の変化があり得ることは理解されるで
あろう。これらの変化は、標準的な技術によって決定さ
れ、当業者は、調節エレメント、転写の開始を指令する
のに必要なプロモーターエレメントおよび植物で発現可
能な転写終止(おそらくポリアデニル化)シグナルの機
能的単位を操作して用いることができる。
【0059】例えば、OCSエレメントは、最初に、1
6bpのパリンドローム性の配列として同定されている
ocs遺伝子のプロモーター中のエンハンサーエレメン
トとして単離された(Ellisら(1987)EMB
O J.:11−16)。OCSエレメントの転写促
進活性は、転写因子のインビトロ結合と相関性がある。
OCSエレメントは、オピン合成に関与する6個の他の
T−DNA遺伝子のプロモーター領域、およびCaMV
35Sプロモーターを含む3個の植物ウイルスプロモ
ーターにおいて同定された(Bouchezら(198
9)前出)。これらのエレメントは、OCS転写因子を
インビトロで結合すること、および植物細胞での転写を
促進することが示された。これらの10個のエレメント
ocs遺伝子中でまず認められるOCSエレメントに
対して、少なくとも約50%の相同性を示す)の20b
pのヌクレオチド配列の比較で、20bpのコンセンサ
ス配列、すなわちTGACG(T/C)AAG(C/
G)(G/A)(A/C)T(G/T)ACG(T/
C)(A/C)(A/C)が明らかになった。これは、
この配列の中央に16bpのパリンドロームを含んでい
る。本発明では、OCSエレメントは、上記Bouch
ezら(1989)前出で認められた10個のエンハン
サーエレメントのいずれかにより例示される。コンセン
サス配列とEllisら(1987)EMBO J.
:11−16に記載のocs遺伝子中に、最初に認め
られたOCSエレメントと50%の相同性を有するヌク
レオチド配列の例示されることを意図している。さらに
本発明では、トウモロコシAdh1遺伝子中にまず示さ
れるAREエレメントに対して、少なくとも約50%の
相同性を示すDNA断片は、AREエレメントと機能的
に同等であることを示し、さらに組換えプロモーターの
構築物中のAREエレメントの位置に用いられ得ること
を意図している。
【0060】植物組織には、分化した植物の組織と分化
していない植物の組織とが含まれる。それには、根、
茎、葉、花粉、種子、腫瘍組織および培養細胞の種々の
形のもの、例えば、単細胞、プロトプラスト、胚および
カルス組織などがあるが、これらに限定されるものでは
ない。植物組織は、植物体として存在し得るし、あるい
は器官、組織あるいは細胞培養物中に存在し得る。
【0061】調節エレメントおよび下流のプロモーター
の制御のもとに、構造遺伝子を発現する、遺伝子的に修
飾された植物組織の生産は、本明細書の教示と、当該分
野における既知の種々の技術および手段とを組み合わせ
ておこなわれる。ほとんどの場合に、全工程中の各段階
に対して代替手段がある。手段の選択は、組換えDNA
分子のクローニングおよび導入のためのプラスミドベク
ター系、修飾される植物種、特定の構造遺伝子、プロモ
ーターエレメントおよび使用される調節エレメントのよ
うな多様性に依存している。当業者は、機能性を得るた
めの適切な代替手段を選択し使用し得る。目的の遺伝子
を培養細胞で発現する培養条件は、当該分野では周知で
ある。当該分野に知られた、多くの単子葉および双子葉
両者の植物種は、形質転換可能でありかつ再生可能であ
り、これらは、本発明のプロモーター分子の調節制御の
下に、目的の遺伝子を有し、発現する全ての植物であ
る。当業者に知られているように、形質転換された植物
での発現は、組織特異的であり、および/または、特定
の発生段階に特異的であり得る。切形のプロモーターの
選択および構造遺伝子の選択は、当業者に知られている
ところであり、ここに教示されているように、目的の植
物発現を得るために最適化し得るパラメーターである。
【0062】本発明は、トウモロコシAdh1プロモー
ターの−35から+106までの部分を−45のところ
で切断されたCaMV△35Sプロモーターで置換する
ことで、トウモロコシのプロトプラストにおいて分析さ
れる場合に、親遺伝子の嫌気性調節が保持されているハ
イブリッドプロモーターをもたらすという、出願人の発
見にある程度基づいている。しかしながら、替わりに−
90で切断されたCaMV△35Sプロモーターを用い
たならば、発現は、再び構成的である。
【0063】CaMV△35Sプロモーター中の−90
から−45の領域は、OCSエレメント(Bouche
zら(1989)前出)を含むことが示された。このO
CSエレメントは、もともとOCSエンハンサー断片中
に16bpのパリンドロームを含むところの20bpの
コンセンサス配列である(Ellisら(1987)E
MBO J.:3203−3208)。それ故に、C
aMV△35Sプロモーターあるいはocs遺伝子断片
からのOCSエレメントと、トウモロコシAdh1プロ
モーター上流領域との結合により、トウモロコシ細胞中
で構成的に発現される構築物が与えられる。
【0064】4回反復のOCSエレメント(4OCS)
の配列は、Adh1プロモーターによってなされるCA
T遺伝子の発現を促進することにおいては、1個のOC
Sエレメントより強い活性を有する。
【0065】同様に、トウモロコシAdh1プロモータ
ー中の1個のAREを6回反復のAREに置換すること
は、嫌気条件の発現に11倍の増加を与えることが示さ
れた。
【0066】本発明では、多くのDNA構築物が植物細
胞での構造遺伝子の高いレベル発現を可能とするために
調製された。一連のプロモーターは、切形のトウモロコ
Adh1プロモーター(−100から+106におよ
ぶヌクレオチド、Ellisら(1987)EMBO
J.:3203−3208)あるいは切形の35Sプ
ロモーター(−90から+3におよぶヌクレオチド)の
いずれかに基づいて構築(図1から図6を参照)され
た。OCSエレメントとAREとの種々の組み合わせ
が、高発現プロモーターを作るために上流に加えられ
た。さらに、トウモロコシAdh1プロモーターのイン
トロン1を含む断片が、いくつかの構築物においてプロ
モーターと構造遺伝子との間に挿入された。
【0067】組換えプロモーターの相対的な強さは、1
つの双子葉および4つの単子葉植物細胞系のプロトプラ
ストにおいて、DNA構築物を、電気穿孔法によって植
物プロトプラスト中に導入して44〜48時間後に、リ
ポーター遺伝子の生産物、例えばGUS酵素の活性を測
定することによって分析された。後述の表1に示されて
いる結果は、p35SGNに対する値を1.0として標
準化されている。この標準化は、異なるプロトプラスト
調製物について行われた実験間で観察されたばらつきを
小さくした。示されている値は、少なくとも3回の異な
る単離によるプロトプラストを用いての、少なくとも5
から最高8回のレプリカ実験の平均である。p35SG
N、p4OCS△35SIGNおよびp6ARE4OC
S△ADHIGNを用いて生産されたGUSの比活性の
範囲が後述の表2に示されている。多くの場合におい
て、GUS比活性の値は、複製部間で変動したのが、そ
の順位、各々の植物種の内での複製物間で概して同じで
あった。相対的な発現レベルは、目的の構造遺伝子の選
択に依存しなかった。本研究での標準条件では、比較的
少ない量のDNA(1.2μg/105プロトプラス
ト)ですむことが強調される。このDNA濃度は、異な
る構築物間のGUS酵素活性において最も明確に異なる
応答を与えることが認められた。DNA濃度を増したと
きには、効果の少ない構築物のいくつかに、より高いG
US活性値が認められた。
【0068】後述の表1に示されているように、テスト
された全ての単子葉細胞系、例えば、トウモロコシ、コ
ムギ、ヒトツブコムギ(Triticum monoc
occum)、lolium(Lolium mult
iflorum)、およびコメにおいて、CaMV△3
5Sプロモーターは、弱い発現を示した。そのマーカー
であるGUS遺伝子の発現は、”プロモーターのない”
構築物であるpGNおよびpIGNに対して得られた発
現と同程度である。一般に、切形のAdh1プロモータ
ーに基づく構築物は、切形のCaMV△35Sプロモー
ターに基づくものよりも、単子葉植物においてより高い
レベルで発現された。トウモロコシAdh1イントロン
1を含んでいるトウモロコシAdh1プロモーターに、
6個のAREエレメントが結合されている構築物によっ
て、単子葉細胞系において一貫して高い発現が得られ
た。構築物p6ARE4OCSΔADHIGNは、さら
に4個のOCSエレメントのコピーを含んでおり、全て
の単子葉細胞系において最も高い発現レベルを示した。
このプラスミドは、単子葉の浮遊細胞のプロトプラスト
中でのGUS発現において、CaMVΔ35Sプロモー
ターよりも10倍から50倍の増加を示した。この構築
物によって得られた高発現は、おそらくは、数個の因子
によるものであった。トウモロコシAdh1遺伝子から
の単子葉TATAボックスの使用は、まちがいなく正に
寄与している。トウモロコシAdh1遺伝子からの非翻
訳リーダー配列は、この構築物中では長く(106塩
基)、また重要な因子であるが、トウモロコシAdh1
遺伝子の+80から3’側のリーダー配列の削除は、多
くの系において発現を示さなかった。一般に、単子葉細
胞系においては、△35Sに基づくものよりもΔADH
に基づく構築物のほうが良く作用した。逆に、Δ35S
に基づくプロモーターは、双子葉(Nicotiana
plumbaginifolia)細胞系において、
ΔADHに基づくプロモーターより性能がすぐれてい
た。トウモロコシAdh1イントロン1を包むことは、
p6AREΔADHIGNおよびp6ARE4OCSΔ
ADHIGNによる発現を増加させるが、CaMVΔ3
5Sプロモーターに基づく構築物にはイントロンの効果
は認められなかった。”プロモーターがない”構築物の
場合には、pGNは、DNAの不存在下で電気穿孔され
たプロトプラストについて観察される対照値(バックグ
ラウンド)より大きい検出可能なGUS発現を与えなか
った。しかしながら、トウモロコシAdh1イントロン
1を含んでいるpIGNは、低いが測定可能なGUS活
性を与えた。
【0069】p6ARE4OCSΔADHIGNから得
られた高いレベルの発現を与える、もう1つの重要な因
子は、OCSエレメントおよびAREの複数個のコピー
の存在である。このOCSエレメントは、双子葉および
単子葉の両者において、機能することが示されてきた強
いエンハンサーであり(Ellisら(1987)EM
BO J.:3203−3208)、そしてさらにA
REのコピーを5回付加することにより、トウモロコシ
プロトプラストで測定される場合、トウモロコシAdh
プロモーターによる発現を増加させた。GUSマーカ
ー遺伝子は、他の植物で発現可能な構造遺伝子のコーデ
ィング領域と置換され得る。従って、’6ARE4OC
SΔADHI’カセットは、培養単子葉細胞で高いレベ
ルの発現が要求されるところで有用である。’6ARE
4OCSΔADHI’カセットは、’Emu’カセット
と呼ばれるコードであって、したがって、p6ARE4
OCSΔADHIGN構築物はpEmuGNと省略され
ている。
【0070】プラスミドp6ARE4OCSΔADHI
GNは、発明者によって、トウモロコシに嫌気的に誘導
可能であることが示された。嫌気的に誘導された細胞
は、嫌気的に発育した細胞よりも、10倍も発現の増大
を示した。本発明のpEmuGN構築物は、後述の表2
に挙げられているようにp6AREΔADHIGNより
も、より高いレベルの発現をもたらした。このことは、
プロモーター構築物にOCSエレメントを付加すること
により、嫌気的条件下に嫌気的に誘導された発現のレベ
ルと同等の発現レベルに到達しうることを示唆した。こ
の示唆はさらに特徴づけられた。pEmuGN、p6A
REΔADHIGNおよびp6AREΔ35SIGNの
嫌気的な誘導能は、コムギ(L1)プロトプラストを用
いて決定された。いくつかのサンプルは振盪しながら空
気中(好気的に)で、25℃においてインキュベートさ
れた。一方、他のサンプルは(’嫌気的に誘導された’
と言われる)、インキュベーションの間(44〜48時
間)、5%O2/95%N2の大気中で25℃において振
盪された。後述の表3に示されているように、p6AR
EΔADHIGNは、コムギ(L1)プロトプラスト中
で嫌気的に約3倍多く誘導された。他方、pEmuGN
は、嫌気的および好気的条件において、同じレベルの発
現を与えた。この発現は、p6AREΔADHIGNに
より完全に誘導された発現よりも多かった。それ故に、
4OCSエレメントのp6AREΔADHIGNへの付
加は、嫌気的誘導の要求をなくする。ΔADHがΔ35
S(p6AREΔ35SIGN)で置換されたp6AR
EΔADHIGNのアナログは、嫌気的誘導性に関して
いかなる推論も可能とするような十分に高いレベルの発
現を与えなかった。
【0071】後述の表1に示されている結果のように、
4OCSエレメントの切形のプロモーターΔ35SIG
N構築物への付加は、Nicotiana plumb
aginifoliaプロトプラスト中で発現を大きく
増大した。この構築物中のプロモーターは、双子葉植物
中で、高いレベルの遺伝子発現が要求される場合に有用
である。この構築物中および他の高いレベルに発現され
た構築物中の、トウモロコシAdh1イントロン1の存
在は、Nicotianaで、トウモロコシイントロン
のスプライシングが首尾よくおこったことを示した。イ
ントロンのないp4OCSΔ35SIGNの変形体(p
4OCSΔ35SGN)は、同様に高いレベルの発現を
与えた。このことは、イントロンの存在は、Nicot
ianaでの高いレベルの発現に要求されないことを示
した。切形のAdh1プロモーターに基づく構築物は、
pEmuGNの場合以外はNicotianaではほと
んど、あるいは全く発現をもたらさなかった。このpE
muGNは、4OCSエレメントを含んでいて、35S
プロモーターによって与えられるのと同じレベルの表現
を与えた。
【0072】異なる細胞系での、ある構築物の相対的な
作用の差が注目された。構築物pEmuGNは、コム
ギ、ヒトツブコムギおよびコメでのp6AREΔADH
IGNによる発現よりも発現を2倍増す。しかし、トウ
モロコシにおいては、この割合は5倍であり、および
olium multiflorumでは16倍であっ
て、Nicotiana plumbaginifol
iaで得られた値に近い(17倍)。Nicotian
で最も高いレベルの発現を与える構築物(p4OCS
Δ35SIGN)は、Loliumでも比較的高く発現
され(pEmuGNで得られる発現の44%)、コムギ
での値は1%以下である。これらの差は、おそらく、異
なる細胞系での転写因子の数が異なっていることを反映
しているのであろう。この点に関しては、Lolium
細胞系は、コムギとNicotiana細胞系の間にあ
ると思われる。
【0073】異なるプロモーターの構築物の相対的な強
さは、葉の組織、例えば、オオムギ(Hordeum
vulgare)の葉肉のプロトプラスト中で測定され
た。後述の表2に示されるように、オオムギの葉肉プロ
トプラストでは、電気穿孔法において他の細胞とは多少
異なる条件が要求された。それ故に、オオムギで得られ
た絶対値は、他の細胞系で得られた値と厳密には比較で
きない。異なるプロモーターからの発現の相対的なレベ
ルは、樹立された細胞系で認められた値とは明かに異な
っている。構築物pEmuGNは発現を与えない。バッ
クグラウンドより有意に大きいレベルの発現を示した構
築物は、p4OCSΔ35SIGNのみであった。この
構築物は、浮遊細胞プロトプラストでのpEmuGNに
よって認められる発現に較べて、オオムギ葉肉プロトプ
ラストでの高いレベルの発現を与えた。この結果は、単
子葉植物の葉肉プロトプラスト組織では、pEmuGN
は高く発現されないことを示唆している。トウモロコシ
の場合には、Adh1遺伝子は葉組織で発現されない。
このことは、葉が必要な転写因子を含み得ないことを示
している。
【0074】調節エレメントの調節制御の下に、目的の
構造遺伝子を有する組換えDNA分子は、当業者に既知
の種々の技術によって、植物細胞中へ導入され得る。あ
る植物種あるいは、植物組織の特定の型に対して用いら
れる技術は、既知の成功した技術によっている。組換え
DNAを植物組織中に導入する方法としては、形質転換
(Paszkowskiら(1984)EMBO J.
:2717−2722)、電気穿孔法(Frommら
(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.
USA 82:5824−5828)、あるいはDNA
のマイクロインジェクション(Crosswayら(1
986)Mol.Gen.Genet.202:179
−185)あるいはAgrobacteriumから植
物組織へのT−DNAの介在性の転移があるが、これら
に限定されるものではない。代表的なT−DNAベクタ
ー系は下記の文献に記載されている。Anら(198
5)EMBO J.:277−284、Herrer
a−Estrellaら(1983)Nature
03:209−213、Herrera−Estrel
laら(1983)EMBO J.:987−99
5、Herrera−Estrellaら(1985)
Plant Genetic Engineerin
,Cambridge University Pr
ess,New York,pp.63−93。一旦、
植物組織に導入されると、構造遺伝子の発現は、一過性
の発現系で測定され得て、あるいは植物ゲノム内への安
定に組み込まれるための選別ののち、決定され得る。技
術としては、植物組織のインビトロ培養、そして多くの
場合に、全植物体への移植が知られている。導入された
遺伝子を、もともと形質転換された植物から商業的に有
用な培養物に転移する技術は、当業者には知られてい
る。
【0075】以下に示されている以外は、クローニング
の標準技術、DNAの単離、増幅および精製、DNAリ
ガーゼ、DNAポリメラーゼ、制限エンドヌクレアーゼ
およびそのようなものを含む酵素反応の標準技術、PC
R技術および種々の分離技術は、既知の技術であって、
通常当業者に用いられている。多くの標準技術は以下の
文献に記載されている。Maniatisら(198
2)Molecularcloning,Cold S
pring Harbor Laboratory,C
old Spring Harbor,New Yor
k;Wu(編)(1979)Meth.Enzymo
l.68;Wuら(1983)Meth.Enzymo
l.100および101;GrossmanおよびMo
ldave(編)(1980)Meth.Enzymo
l.65;Miller(編)(1972)Exper
iments in Molecular Genet
ics,Cold Spring Harbor La
boratory,ColdSpring Harbo
r,New York;OldおよびPrimrose
(1981)Principles of Gene
Manipulation,University o
f California Press,Berkel
ey;SchleifおよびWensink(198
2)Practical Method in Mol
ecular Biology;Glover(編)
(1985)DNA Cloning VolIおよび
II,IRLPress,Oxford,UK;Hame
sおよびHiggins(編)(1985)Nucle
ic Acid Hybridisation,IRL
Press,Oxford,UK;Setlowおよび
Hollaender(1979)Genetic E
ngineering:Principlesand
Methods,Vols.1−4,Plenum P
ress,New york。ここに用いられている略
号および命名は、当分野に標準的であると思われ、ここ
に挙げられている専門雑誌に一般的に用いられている。
【0076】当該分野では、修飾は遺伝子発現の改良さ
れ上昇した活性をこわすことなく、構造的配列およびこ
こに述べられている組換えプロモーター分子の特異的な
エンハンサーおよびプロモーターエレメントに対してな
されると理解されている。例えば、置換が、本発明の組
換えプロモーター分子の機能に重大な影響を及ぼすこと
なく、植物で発現可能なエンハンサーおよびプロモータ
ーエレメントを選択することにより行われ得ると考えら
れる。さらに、ここに用いられている活性エンハンサー
エレメントに相同なヌクレオチド配列が、植物細胞での
改良された遺伝子発現のために、組換えプロモーター構
築物中への置換やあるいは、付加のために良好に用いら
れると考えられる。
【0077】出願人は、単子葉および双子葉植物を含む
植物種の、切形のプロモーターとの組み合わせに、複数
のエンハンサーエレメントを用いることで高レベルの遺
伝子発現が得られることを示した。特別な種での至適発
現のために適切なエレメントを選択することは、ここに
示されている教示(例えば、表にあげてあるガイダン
ス)を用いた当該分野の範囲内である。発現を最高にす
ることは、本開示の教示を用いることによって、当業者
に明白であるように、たがいの関係、およびTATAボ
ックスの位置に関しての特別なエレメントの複数回の反
復と同様に異なるエンハンサーエレメントの配置方向お
よび挿入に起因することがまた理解される。
【0078】当業者によって、本発明の目的は、ここに
記載されている方法および技術の変法、修飾あるいは同
等の方法を用いて、不当な実験上の支出を伴うことなく
達成されることが認められるであろう。当業者にはま
た、特別に記載されたものの他に、当分野の代替法がこ
こに記載されている組換えプロモーターの機能性を達成
するのに可能であることを認めており、かつ本発明の組
換えプロモーター分子と同等の機能を達成するためにど
のように代替法を用いるかは、明白である。本発明で
は、当業者により認識され、かつ本開示の精神、および
範囲に包含される変法、修飾および同等の方法を含むこ
とが意図される。
【0079】次の実施例は、例示を目的として提供され
ているだけであって本発明の範囲を限定することを意図
しているのではない。
【0080】
【実施例】
(実施例1)ハイブリッドプロモーターを含むプラスミ
ドの構築 標準的な分子生物学的技術は、Maniatisら(1
982)Molecular Cloning:a L
aboratory Manual.ColdSpri
ng Harbor Laboratory,Cold
Spring Harbor,New Yorkに従
って実施された。本発明で用いられた全てのプラスミド
は、当該分野で容易に使用可能である物質を用いて、不
当な実験を行うことなく、当該分野の当業者により、本
明細書の指示に従って調製され得る。
【0081】(a)p35SGN、p35SIGN、p
GNおよびpIGN構築物 プラスミドp35SGNは、NOS3’終止シグナル
(Jeffersonら(1987)EMBO J.
:3901−3907)に結合されたβ−グルクロニ
ダーゼ(GUS)遺伝子を導くCaMVΔ35Sプロモ
ーターを含むpBI121からの、800bpHin
III/EcoR1断片をpUC118(Vieiraお
よびMessing(1987)Methods En
zymol.153:3−11)に結合することによっ
て得られた。p35SIGNを構築するために、119
Bcl1)から672(Bal31削除された)のヌ
クレオチドを含んだトウモロコシAdh1のイントロン
1の557bp断片を、Escherichia co
li DNAポリメラーゼのクレノー断片で末端をつな
いで、pBI121のSma1部位にクローン化した。
p35SIGNのCaMVΔ35Sプロモーター、イン
トロン1、GUS遺伝子およびnos3’終止シグナル
は、1本のHindIII−EcoR1断片としてpUC
118にサブクローン化された。
【0082】プロモーターのない制御プラスミドpIG
Nを作るために、p35SIGN中のイントロン1−G
US−NOS−断片(BamH1−EcoR1)を、p
UC118にクローン化した。プラスミドpGNは、ト
ウモロコシAdh1のイントロン1、およびGUSを含
BamH1/SacI断片を、p35SGNからの
amH1/SacI ’GUS’断片で置換することに
よってpIGNから得た。
【0083】(b)pΔ35SGNおよびpΔ35SI
GN構築物 プラスミドpΔ35SGNおよびp35ΔSIGNは、
pΔ35S(−90)のSal1/BamH1 ’Δ3
5S’断片を付加することによってpGNおよびpIG
Nから得た。親プラスミド、p35SCNおよびp35
SICNは、Walkerら(1987)Proc.N
atl.Acad.Sci.84:6624−6628
に記載されている。Sal1リンカーは、p35SCN
中のCaMVΔ35Sプロモーターの−90位のEco
R1部位(ヌクレオチド7665番)に挿入された。切
形の35Sプロモーター断片、CAT遺伝子および3’
終止シグナルを含むSal1からHind111までの
断片は、ひきつづいてpUC19中にクローン化され、
pΔ35S(−90)が得られた。切形のプロモーター
は、35Sプロモーターのcap部位から上流45bp
に末端を有し、そしてTATAボックスを残しているこ
とが確認されたが、しかし35SCNの発現に必要な上
流配列が欠除していた。
【0084】(c)p6AREΔADHGNおよびp6
AREΔADHIGN 親ベクターpADHCATおよびpADHCAT−14
0の構築は、上記のWalkerら(1987)に記載
されている。Adh1プロモーター(−1094から+
106)を含むBamH1断片を、pIGNのAdh1
イントロン1配列の上流にクローン化して、pADHI
GNを得た。−140から+106を含む切形のAdh
プロモーター断片を、pADHCAT−140からの
pGNおよびpIGNにサブクローン化して、pΔAD
HGNおよびpΔADHIGNを得た。
【0085】嫌気性調節エレメント(ARE)は、トウ
モロコシAdh1プロモーターの−140から−99の
間に認められる。このAREは2の配列エレメントから
なっている。すなわち、−133から−124を含む領
域Iと、−113および−99を含む領域IIとである。
AREは、Pst1断片として単離し(Walkerら
(1987)上記)、そしてpΔADHIGNの切形の
Adh1プロモーターの上流にクローン化して、pAR
EΔADHIGNを得た。AREの配列を逆にするの
に、pAREΔADHIGNのポリリンカー(−140
の上流)から−99までのSal1断片を、pΔADH
IGNの1個しかないSal1部位にクローン化して、
pARE(−)ΔADHIGNを得た。
【0086】複数のARE配列を含むクローン(例え
ば、p2AREΔADHIGN、p4AREΔADHI
GNあるいはp6AREΔADHIGN)は、次のよう
にクローン化した。pAREΔADHIGNは、Hin
cllで消化し、そしてPst1リンカーを加えた。次
いで−140から−99のAREを含むPst1断片を
単離し、そしてPst1部位(−140)の上流にある
pAREΔADHIGNにクローン化した。反復された
AREの数、およびその配置はヌクレオチド配列分析に
よって認められた。
【0087】プラスミドp6AREΔADHGNは、ト
ウモロコシAdh1のイントロン1およびGUSを含む
BamH1/Sac1断片をp35SGNのBamH1
Sac1 ’GUS’断片で置換することによってp
6AREΔADHIGNから得た。
【0088】(d)p4OCSΔ35SIGN、p6A
RE4OCSΔADHIGNおよびp6ARE4OCS
Δ35SIGN構築物 OCSエレメントは、ocs上流プロモーター領域(D
eGeneら(1982)J.Mol.Appl.Ge
net.:499−510)のHpaII(−292)
からBamHI(−116)の部分を含むEcoRI−
BamHI断片として、Ellisら(1987)EM
BO J.:11−16および(1987)EMBO
J.:3203−3208に記載の方法で単離され
た。ocs遺伝子からのOCS−エレメントの4回のコ
ピーを含むプラスミドp4OCSADHCATは、El
lisら(1987)EMBO J.:3203−3
208に従って調製された。この4OCSエレメント
は、Xho1リンカーのSma1部位への平滑末端連続
反応によって作られたp4OCSADHCATの誘導体
であるp4OCSXからのSal1/Xho1断片とし
て調製された。4OCSエレメントは、p4OCSΔ3
5SIGNを得るためにpΔ35SIGNのSal1部
位に付加され、ならびに、p6ARE4OCSΔADH
IGNを得るためにp6AREΔADHIGNのSal
1部位に付加された。この両者とも図5に示すように4
OCS配列の同じ配向性を有している。プラスミドp6
ARE4OCSΔ35SIGNは、’ΔADHIGN’
を含むSal1/EcoR1断片をpΔ35SIGNの
Sal1/EcoR1断片で置換することによって、p
6ARE4OCSΔADHIGNから得られた。
【0089】(e)p6AREΔ35SIGNおよびp
6AREΔ35SGN構築物 プラスミドp6AREΔ35SIGNは、’ΔADHG
N’を含むSal1/EcoR1断片をΔ35SIGN
からのSal1/EcoR1断片で置換することによっ
てp6AREΔADHGNから得られた。プラスミドp
6AREΔ35SGNは、Sal1/BamH1 ’Δ
ADH’断片をpΔ35S(−90)からのSalI/
BamHIで置換することによってp6AREΔADH
GNから得られた。
【0090】(f)プラスミドDNAの精製 上記構築物のプラスミドDNAは、coli JM
109(Yanisch−Perronら(1985)
Gene 33:103−119)から調製され、そし
てCsCl濃度勾配遠心分離に2回かけることによって
精製された。最終調製物は、10mM Tris−HC
l、pH8.0、1mM Na2EDTA中に1mg/
mlになるよう再懸濁され、そしてその一部分を用いて
ファルマシアT7キットを用いてのDNA配列決定によ
り、およびHind111/Sal1/BamH1によ
る3ヶ所消化の制限断片およびPvu11/Sma1に
よる2ヶ所消化の制限断片の大きさを決めることによっ
て、配列の転位が生じていないことを確認した。これら
の調製物で、ゲル電気泳動において、偽のバンドを示さ
なかったもののみを次に続く電気穿孔法に用いた。
【0091】(実施例2)植物細胞の培養およびプロト
プラストの単離 プロトプラストは、次の細胞系から単離された。TM、
これはヒトツブコムギ(Triticum monoc
occum)の確立された系である(Koaら(197
0)Can.J.Genet.Cytol.12:29
7−301);BMS、これは、Zea mays
v.Black Mexican Sweet(Cho
ureyおよびZurawski(1981)Theo
r.and Appl.Genet.59:341−3
44)である;L1、これは、Thinopyrum
intermediumの2群の7個の染色体と小麦の
42個の染色体を含む6倍体小麦培養物ビルモリン27
に2染色体付加した細胞系であり、小麦とThinop
yrum intermediumの複数倍体ハイブリ
ッドの一部を小麦へもどし交配することにより得られた
(cvビルモリン27);LM、これはLolium
multiflorum(SmithおよびStone
(1973)Aust.J.Biol.Sci.26:
123−133)に由来する系である;NpT5、これ
Nicotiana plumbaginifoli
の葉のプロトプラスト培養に由来する;およびER、
これは未成熟胚から出発し、4ヶ月間液体浮遊培養で維
持されたOryza sativa cv.Taipe
i 309の胚培養である。細胞浮遊物の維持のために
用いられる培地;プロトプラストの単離の用いられる酵
素、およびプロトプラスト培養に用いられる培地は後述
の表4に示されている。
【0092】(実施例3)プロトプラストの電気穿孔法 完全消化の後、プロトプラストは、328、110およ
び50μmメッシュのふるいにかけられた(L1および
TM系の場合には50μmメッシュに2回かける)。低
速の遠心分離(80gで5分間)での次降に続いて、個
々の細胞型に対して最適である洗浄溶液中に再懸濁させ
た(後述の表1参照)。オオムギの葉肉プロトプラスト
は、0.375Mマンニトール、10mM MES、p
H5.8、205mM NaCl、3.5mM KC
l、9.4mM MgSO4、8.4mM MgCl2
3.4CaCl2および0.875mM NaHCO3
洗浄された。このプロトプラストは再度沈降、洗浄、沈
降され、そしてTBS9バッファー(Tris 3.6
3g/l、CaCl2・2H2O 876mg/l、Na
Cl 8.78mg/l、マンニトール50g/l、p
H9.0)に、2×106プロトプラスト/mlの濃度
で再懸濁された(TaylorおよびLarkin(1
988)Austr.J.Biotech.:52−
55)。
【0093】電気穿孔法の直前に、5μlのプラスミド
DNAを、5μlの10mM Tris HCl、pH
8.0、1mM Na2EDTA液に溶解して入れた試
験管に、200μlのプロトプラスト懸濁液(オオムギ
葉肉の場合は100μl)を加えた。
【0094】この混合物を、電気穿孔法用のチャンバー
(電極間が2mm)に移し、1パルス幅は5ms、10
0msのディレイで275V(1375V/cm)のパ
ルスが3回、24μFのコンデンサーの電極間でかけら
れた(オオムギの葉肉プラトプラストの場合には200
Vが用いられた)。プロトプラストを5秒間おいておい
た後、プロトプラスト懸濁液を、600μlの洗浄液を
入れた小型遠心管にピペットでもどした。そのチューブ
を、おだやかな回転で(<100g)、5分間遠心し、
上清をとり除いた。そしてプロトプラストを1mlの培
地に再懸濁した。プロトプラスト懸濁液は、35mmの
ペトリ皿に移して、パラフィルムでシールし、そしてG
US遺伝子の発現まで、25℃の暗所でインキュベート
した。
【0095】(実施例4)電気穿孔されたプロトプラス
トでのGUS遺伝子発現の分析 44〜48時間のインキュベーションの後、400μl
の洗浄液をペトリ皿に加えて、プロトプラストサンプル
をおだやかに小型遠心管にピペットで加えた。このチュ
ーブを100gで8分間遠心分離して、上清を取り除い
た。必要とされるかあるいは使用されるまでプロトプラ
ストの沈澱物を−80℃で保存した。各々の沈澱物を、
ボルテックス・ミキサーに供するために、250μlの
抽出バッファー(Jeffersonら(1987)前
出)に懸濁した。このサンプルを、微小チップ・プロー
ブをとりつけたLabsonic1510超音波機を用
いて55Wにセットして、5秒間氷上で超音波処理し
た。破片は、1分間小型遠心機での遠心分離により沈澱
物とし、透明な上清については、Bio−Radキット
を用いて、製造者のすすめる方法に従って、総タンパク
量を測定した。構築物の各々のセットについて、100
μlのリーシスバッファー中に、5−50μgの溶解さ
れた総タンパク量を含む上清の一部分を用いて蛍光GU
S定量法(Jeffersonら(1987)前出)を
行った。さらに、2mM 4−メチル−ウンベリフェリ
ル−β−D−グルクロニド(MUG)を含む、100μ
l抽出バッファーを加えて、その混合物を手短にボルテ
ックスミキサーにかけ、そして20〜160分間のうち
の一定時間、37℃でインキュベートした。1000μ
lの0.2M Na2CO3を加えることにより反応を停
止した。そして励起波長365nmにして、455nm
の蛍光を、Perkin−Elmer分光計を用いて測
定した。
【0096】(実施例5)溶液および培地の調製 培養培地CM1は、pHを5.8に調整したScowc
roftおよびAdamson(1976、Plant
Sci.Lett.:39−42)に記載されたC
S5培地である。CM2は、Murashigeおよび
Skoog(1962,Physiol.Plant.
15:473−497)のミネラル塩、170mg/l
L−アスパラギン、0.77mg/l グリシン、
0.13mg/lニコチン酸、0.025mg/l パ
ントテン酸カルシウム、0.025mg/lサイアミン
・HCl、0.025g/l ピロドキシン・HCl、
4mg/l 2,4,−ジクロロフェノキシ酢酸(2,
4−d)、および20g/lシュークロースを含む、p
H5.8の培地である。CM3は、WtM1(Youn
gら、1989、J.Gen.Virol.70:22
45−2251)である。CM4は、Whiteの主要
無機塩(1963、The cultivation
of animal and plant cell
,第2編、Ronald Press,New Yo
rkに記載)、MurashigeおよびSkoog
(1962、上記)の副成分としての塩およびビタミ
ン、100mg/lミオイノシトール、5g/l 酵母
抽出物、10mg/l クエン酸第2鉄、1mg/l
インドール−3−酢酸(IAA)、および40g/l
シュークロースを含むpH5.5の培地である。CM5
は、R2培地の主要および副成分の無機要素(Ohir
aら、1973、Plant Cell Physio
l.14:1113−1121)、9mg/l FeC
3、11.2mg/lNa2EDTA、1mg/l サ
イアミン・HCl、2mg/l 2,4−D、20g/
l シュークロースを含むpH5.9の培地である。
【0097】プロトプラスト洗浄液PW1は、0.3M
マンニトール、156mM NaCl、3.5mM K
Cl、9.4mM MgSO4、8.4mM MgC
2、3.4mM CaCl2、0.9mM NaHCO
3からなるpH6.0の液である。PW2は、B5培地
の主要および副成分ミネラル塩(Gamborgら(1
968)Exp.Cell Res.50:151−1
58)、27mM マンニトール109mM KCl、
105mM MgCl2、33mM CaCl2、3mM
2−(N−モルフォリノ)エタンスルホン酸(ME
S)からなるpH5.7の液である。PW3は、0.5
68Mマンニトール、80mM CaCl2、0.2%
MESからなるpH5.8の液である。PW4は、マン
ニトールの濃度を49mMにしたPW2の液である。
【0098】消化用酵素混合物ED1は、pH5.8に
調整した洗浄液PW1に、1%(w/v)セルリジン
(Calbiochem)、1%(w/v)ドリセラー
ゼ、および1%(w/v)マセロザイム(Onozuk
a R−10)を、混合してなる。ED2は、1%(w
/v)セルリジン(Calbiochem)、0.5%
(w/v)ヘミセルラーゼ(Sigma)、0.02%
ペクトリアーゼ Y−23(Seishin Phar
maceutical)、50mM CaCl2、およ
び10mM 酢酸ナトリウム、0.2M マンニトール
を含み、pH5.8に調整したものである。ED3は、
1%(w/v)セルラーゼ RS(Yakult Ho
nsha)、0.1%(W/v)ドリセラーゼ、0.0
6%(w/v)ペクトリアーゼ Y−23、0.2%
(w/v)マセロザイム R−10、0.495M マ
ントニール、0.189M グルコース、2mM アス
コルビン酸、14mM CaCl2、および3mM M
ESを含み、pH5.8に調整したものである。ED4
は、0.5%(w/v)セルラーゼ RS、0.68%
(w/v)ドリセラーゼ、0.05%ペクトリアーゼ
Y−23、6.5mMMES、0.325Mマンニトー
ルおよび40mMCaCl2を含んでいて、これに0.
5%(w/v)の活性炭を加えた。30分間おだやかに
攪拌した後、10,000gで遠心分離して、活性炭を
取り除いた。溶液をpH5.9に調整して、濾過によっ
て減菌した。ED5は、1%(w/v)セルラーゼ R
S、0.1%(w/v)ドリセラーゼ、0.1%(w/
v)ペクトロリアーゼ Y−23、0.35M マンニ
トールおよび3mM MESとを含み、pH5.9に調
整したものである。
【0099】プロトプラスト培地は、全て使用の前に、
濾過により滅菌した。プロトプラスト培地PC1は、K
aoおよびMichayluk(1975)Plant
126:105−110の培地のアミノ酸を含まな
い、すなわちアデニン、グアニシン、チミン、ウラシ
ル、ヒポキサンチン、ヘキサン、リボフラビンおよびビ
タミンB12を、VasilおよびVasil(198
0)Theor.Appl.Gen.56:97−99
の指示に従って除いたもので、しかし、0.4Mグルコ
ース、0.1M シュークロース、1mg/l 2,4
−D、0.2mg/lゼアチンを含んでいて、pHを
5.6に調整したものである。この培地は、濾過滅菌の
前にAmicon YM10膜(Daviesら(19
80)Plant Sci.60:237−244)で
濾過した。PC2は、MurashigeおよびSko
og(1962、前出)の無機成分、7.7mg/l
グリシン、1.3mg/l ニコチン酸、0.25mg
/l チアミン・HCl、0.25mg/l ピリドキ
シン・HCl、0.25mg/l パントテン酸カルシ
ウム、167mg/l L−アスパラギン、1g/l
L−グルタミン、66g/l マンニトール、20g/
l シュークロース、1.67g/l グルコース、2
%(v/v)ココナッツウォーター(Gibco)、4
mg/l 2,4−Dおよび0.1mg/l 6−ベン
ジルアミノプリンとからなり、pH5.8に調整したも
のである。PC3は、KaoおよびMichayluk
(1975、前出)の主要および副成分ミネラル、1m
g/l ニコチンアミド、1mg/l ピロドキシン・
HCl、1mg/l サイアミン・HCl、1mg/l
パントテン酸カルシウム、0.4mg/l 葉酸、
0.02mg/l p−アミノ安息香酸、0.01mg
/l ビオチン、400mg/l m−イノシトール、
2%(v/v)ココナッツウォーター、750mg/l
カゼイン加水分解物、200mg/l L−グルタミ
ン、150mg/l L−アスパラギン酸、10g/l
シュークロース、108g/l グルコース、1mg
/l 2,4−D、0.2mg/l 1−ナフタレン酢
酸、0.2mg/l ゼアチンとからなり、pHを5.
6に調整したものである。PC4は、CM4に73g/
l ソルビトールに加えたものである。PC5は、CM
5の成分にB5培地(Gamborgら、1968、上
記)のビタミン、Kao(1977、Mol.Gen.
Genet.150:225−230)の糖および有機
酸、137g/l シュークロース、2mg/l 2,
4−Dおよび0.1mg/l カイネチンを加えて、p
Hを5.7に調整したものである。
【0100】
【表1】
【0101】
【表2】
【0102】
【表3】
【0103】
【表4】
【0104】単子葉植物細胞で、植物で発現可能な構造
遺伝子の発現を促進するための組換えプロモーター分子
が提供される。この組み換えプロモーター分子は、AR
EおよびOCSエレメントからなる群より選択される複
数のエンハンサーエレメント、植物で発現可能な切形の
プロモーター、およびイントロンを有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】種々の組換えプロモーター分子の構築に使用さ
れるDNA結合体であって、プロモーター領域Xのプロ
モーター活性の測定に使用される一般的なプラスミドを
示す。
【図2】種々の組換えプロモーター分子の構築に使用さ
れるDNA結合体であって、種々の構築物中のプロモー
ター領域Xの構造を示す。
【図3】種々の組換えプロモーター分子の構築に使用さ
れるDNA結合体であって、△ADHプロモーターを図
示し、TATAボックスおよび転写開始部位が示されて
いる。塩基番号は、構築物が得られた遺伝子の配列の中
での、天然の位置を示す。
【図4】種々の組換えプロモーター分子の構築に使用さ
れるDNA結合体であって、△35Sプロモーターを図
示し、TATAボックスおよびocsエレメントが示さ
れている。塩基番号は、構築物が得られた遺伝子の配列
の中での、天然の位置を示す。
【図5】種々の組換えプロモーター分子の構築に使用さ
れるDNA結合体であって、6回のAREエレメントを
図示し、各ARE(トウモロコシAdh1遺伝子中の−
140〜−99位)のI領域およびII領域が示されてい
る。このエレメントは、天然の方向の一つのAREと、
その後の逆方向の5つのAREからなる。塩基番号は、
構築物が得られた遺伝子の配列の中での、天然の位置を
示す。
【図6】種々の組換えプロモーター分子の構築に使用さ
れるDNA結合体であって、4OCSエレメントを図示
し、このエレメントは、OCS遺伝子由来の−211〜
−172領域の40bpの4回反復を含む。塩基番号
は、構築物が得られた遺伝子の配列の中での、天然の位
置を示す。
フロントページの続き (71)出願人 590003283 コモンウェルス サイエンティフィック アンドインダストリアル リサーチ オー ガナイゼーション オーストラリア国 キャピタル テリトリ ー キャムベル ライムストーン アベニ ュー (番地なし) (72)発明者 デイビッド アイ. ラスト オーストラリア連邦 エーシーティ,ホー ルト,リンドラム クレセント 19 (72)発明者 リチャード アイ.エス. ブレッテル オーストラリア連邦 エーシーティ,カン バ,カットブッシュ ストリート 37 (72)発明者 ダグラス エー. チャンバレン オーストラリア連邦 エーシーティ,ファ ラー,ビーズリー ストリート 210 (72)発明者 フィリップ ジェイ. ラーキン オーストラリア連邦 エーシーティ,ウェ ストン,マッキーンズ ストリート 82 (72)発明者 エレン エル. マーシュ オーストラリア連邦 エーシーティ,ブラ ッドン,アイジョング ストリート 32 (72)発明者 ジェームズ ダブリュー. ピーコック オーストラリア連邦 エーシーティ,ディ ーキン,ブラッシー ストリート 16 (72)発明者 エリザベス エス. デニス オーストラリア連邦 エーシーティ,ヤラ ルムラ,ホープタウン サーキット 100 (72)発明者 マーク アール. オリーブ オーストラリア連邦 エーシーティ,クッ ク,デクスター ストリート 138 (72)発明者 ジェフリー ジー. エリス オーストラリア連邦 エーシーティ,マッ コリー,ロバーツ ストリート 19

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単子葉植物細胞において、植物で発現可能
    な構造遺伝子の発現を促進する組換えプロモーター分子
    であって、 (a)AREおよびOCSエレメントからなる群より選
    択される複数のエンハンサーエレメント; (b)該複数のエンハンサーエレメントの3’側に位置
    し、転写開始に必要なTATAボックス領域を提供す
    る、植物で発現可能な切形のプロモーター;および (c)植物で発現可能な構造遺伝子中の転写開始部位と
    翻訳開始部位との間に位置するイントロンとして天然に
    見いだされるヌクレオチド配列;を有し、このことによ
    って該組換えプロモーター分子の3’側に位置する植物
    で発現可能な構造遺伝子が、該組換えプロモーター分子
    の調節制御下において、該単子葉植物中で発現される、 組換えプロモーター分子。
  2. 【請求項2】前記切形のプロモーターが、切形のトウモ
    ロコシAdh1プロモーターおよび切形のCaMV 3
    5Sプロモーターからなる群より選択される、請求項1
    に記載の組換えプロモーター分子。
  3. 【請求項3】前記切形のプロモーターが切形のトウモロ
    コシAdh1プロモーターである、請求項1に記載の組
    換えプロモーター分子。
  4. 【請求項4】前記切形のプロモーターが切形のCaMV
    35Sプロモーターである、請求項1に記載の組換え
    プロモーター分子。
  5. 【請求項5】4OCSΔ35SI構造を有する請求項1
    に記載の組換えプロモーター分子であって、4OCSと
    はOCSの4回の反復コピーをさして言い、Δ35Sが
    切形のCaMV 35Sプロモーターであり、そして、
    Iが植物で発現可能な遺伝子中の転写開始部位と翻訳開
    始部位との間に位置するイントロンとして天然に見い出
    されるヌクレオチド配列である、組換えプロモーター分
    子。
  6. 【請求項6】6AREΔADHI構造を有する請求項1
    に記載の組換えプロモーター分子であって、6AREと
    は、AREの6回の反復コピーをさして言い、ΔADH
    が切形のAdhプロモーターであり、そしてIが、植物
    で発現可能な遺伝子中の転写開始部位と翻訳開始部位と
    の間に位置するイントロンとして天然に見い出されるヌ
    クレオチド配列である、組換えプロモーター分子。
  7. 【請求項7】6ARE4OCSΔADHI構造を有する
    請求項1に記載の組換えプロモーター分子であって、6
    AREとは、AREの6回の反復コピーをさして言い、
    4OCSとはOCSの4回反復コピーをさして言い、Δ
    ADHが切形のAdhプロモーターであって、そしてI
    は、植物で発現可能な遺伝子中の転写開始部位と翻訳開
    始部位との間に位置するイントロンとして天然に見い出
    されるヌクレオチド配列である、組換えプロモーター分
    子。
  8. 【請求項8】請求項1に記載の、組換えプロモーター分
    子を有する、ベクター。
  9. 【請求項9】請求項1に記載の組換えプロモーターを有
    するベクターを含む細菌細胞。
  10. 【請求項10】請求項1に記載の組換えプロモーター分
    子を有するように転換され、そして、該組換えプロモー
    ター分子の制御下に構造遺伝子を発現する、形質転換可
    能で再生可能な単子葉植物。
  11. 【請求項11】請求項10に記載のトウモロコシ。
  12. 【請求項12】請求項10に記載のコムギ。
  13. 【請求項13】請求項10に記載のオオムギ。
  14. 【請求項14】請求項10に記載のコメ。
JP11354991A 1990-05-18 1991-05-17 単子葉植物における遺伝子発現のための組換えプロモーター Expired - Lifetime JP3325589B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US52586690A 1990-05-18 1990-05-18
US07/525,866 1990-05-18

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0767645A true JPH0767645A (ja) 1995-03-14
JP3325589B2 JP3325589B2 (ja) 2002-09-17

Family

ID=24094924

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11354991A Expired - Lifetime JP3325589B2 (ja) 1990-05-18 1991-05-17 単子葉植物における遺伝子発現のための組換えプロモーター

Country Status (9)

Country Link
EP (1) EP0459643B1 (ja)
JP (1) JP3325589B2 (ja)
CN (1) CN1063506A (ja)
AT (1) ATE195554T1 (ja)
AU (1) AU643521B2 (ja)
CA (1) CA2042831C (ja)
DE (1) DE69132366T2 (ja)
DK (1) DK0459643T3 (ja)
ES (1) ES2149758T3 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015514422A (ja) * 2012-04-20 2015-05-21 モンサント テクノロジー エルエルシー 植物調節エレメントおよびその使用

Families Citing this family (49)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5989870A (en) * 1986-04-30 1999-11-23 Rohm Enzyme Finland Oy Method for cloning active promoters
US7705215B1 (en) 1990-04-17 2010-04-27 Dekalb Genetics Corporation Methods and compositions for the production of stably transformed, fertile monocot plants and cells thereof
US6803499B1 (en) 1989-08-09 2004-10-12 Dekalb Genetics Corporation Methods and compositions for the production of stably transformed, fertile monocot plants and cells thereof
US6329574B1 (en) 1990-01-22 2001-12-11 Dekalb Genetics Corporation High lysine fertile transgenic corn plants
US6777589B1 (en) 1990-01-22 2004-08-17 Dekalb Genetics Corporation Methods and compositions for the production of stably transformed, fertile monocot plants and cells thereof
US5484956A (en) * 1990-01-22 1996-01-16 Dekalb Genetics Corporation Fertile transgenic Zea mays plant comprising heterologous DNA encoding Bacillus thuringiensis endotoxin
US6395966B1 (en) 1990-08-09 2002-05-28 Dekalb Genetics Corp. Fertile transgenic maize plants containing a gene encoding the pat protein
BE1005679A3 (fr) * 1992-02-17 1993-12-14 Solvay Procede pour la preparation de 1,1-difluoro-2-chloroethylene au depart de 1,1-difluoro-1,2,2-trichloroethane.
ATE207962T1 (de) 1992-04-13 2001-11-15 Syngenta Ltd Dna-konstruktionen und diese enthaltende pflanzen
US6118047A (en) 1993-08-25 2000-09-12 Dekalb Genetic Corporation Anthranilate synthase gene and method of use thereof for conferring tryptophan overproduction
US5780709A (en) * 1993-08-25 1998-07-14 Dekalb Genetics Corporation Transgenic maize with increased mannitol content
GB9524350D0 (en) 1995-11-29 1996-01-31 Lynxvale Ltd Enhancer-increased gene expression in plants
BR9707783A (pt) * 1996-02-28 1999-07-27 Novartis Ag Promotores provenientes de genes para protoporfirnogênio oxidase em vegetais
US6072050A (en) * 1996-06-11 2000-06-06 Pioneer Hi-Bred International, Inc. Synthetic promoters
EP0914454B1 (en) * 1996-06-11 2005-03-09 Pioneer Hi-Bred International, Inc. A synthetic plant core promoter and upstream regulatory element
GB9908788D0 (en) * 1999-04-16 1999-06-09 Univ London Gene expression in eukaryotic cells
CN1359423A (zh) * 1999-04-29 2002-07-17 辛甄塔有限公司 抗除草剂植物
EP1173582B1 (en) * 1999-04-29 2006-06-14 Syngenta Limited Herbicide resistant plants
CZ20013859A3 (cs) * 1999-04-29 2002-04-17 Syngenta Ltd. Herbicidně rezistentní rostliny
WO2002066655A1 (fr) 2001-02-22 2002-08-29 Japan Science And Technology Corporation Nouvelles phospholipidases a2 independantes du calcium, genes associes et promoteur de ces phospholipidases
CN100392081C (zh) * 2004-12-15 2008-06-04 北京北方杰士生物科技有限责任公司 小麦wrab17基因启动子及其应用
EP2045327B8 (en) * 2005-03-08 2012-03-14 BASF Plant Science GmbH Expression enhancing intron sequences
CN101955937B (zh) * 2009-12-30 2012-02-15 深圳华大基因科技有限公司 一种启动子BgIosP519、其制备方法及用途
CN102115745B (zh) * 2009-12-31 2013-04-24 深圳华大基因科技有限公司 一种启动子BgIosP556、其制备方法及用途
CN101979546B (zh) * 2009-12-31 2012-01-18 深圳华大基因科技有限公司 一种启动子BgIosP574、其制备方法及用途
CN101864417B (zh) * 2009-12-31 2011-11-23 深圳华大基因科技有限公司 一种启动子BgIosP582、其制备方法及用途
CN102753687B (zh) * 2010-02-17 2014-05-07 国立大学法人高知大学 用于遗传转化藻类的新型启动子
CN102146403B (zh) * 2010-12-30 2013-02-27 深圳华大基因科技有限公司 一种启动子BgIosP596、制备方法及应用
CN102146389B (zh) * 2010-12-30 2013-02-27 深圳华大基因科技有限公司 一种启动子BgIosP580、制备方法及应用
CN102146391B (zh) * 2010-12-30 2013-02-27 深圳华大基因科技有限公司 一种启动子BgIosP520、其制备方法及用途
CN102146384B (zh) * 2010-12-30 2012-09-19 深圳华大基因科技有限公司 一种启动子BgIosP573、制备方法及应用
CN102146386B (zh) * 2010-12-30 2012-09-19 深圳华大基因科技有限公司 一种启动子BgIosP557、制备方法及应用
CN102146396B (zh) * 2010-12-30 2013-01-30 深圳华大基因科技有限公司 启动子BgIosP552、制备方法及应用
CN102146385B (zh) * 2010-12-30 2012-09-19 深圳华大基因科技有限公司 一种启动子BgIosP576、制备方法及应用
CN102146388B (zh) * 2010-12-30 2013-02-27 深圳华大基因科技有限公司 一种启动子BgIosP569、制备方法及应用
CN102146409B (zh) * 2010-12-30 2012-10-10 深圳华大基因科技有限公司 一种启动子BgIosP522及其制备方法和用途
CN102146408B (zh) * 2010-12-30 2013-01-09 深圳华大基因科技有限公司 一种启动子BgIosP524及其制备方法和用途
CN102146405B (zh) * 2010-12-30 2013-08-21 深圳华大基因科技有限公司 一种启动子BgIosP529及其制备方法和用途
CN102146387B (zh) * 2010-12-30 2013-04-24 深圳华大基因科技有限公司 一种启动子BgIosP565、制备方法及应用
CN102146399B (zh) * 2010-12-30 2012-09-19 深圳华大基因科技有限公司 一种启动子BgIosP581、制备方法及应用
CN102146400B (zh) * 2010-12-30 2013-02-27 深圳华大基因科技有限公司 一种启动子BgIosP585、制备方法及应用
CN102146395B (zh) * 2010-12-30 2013-02-27 深圳华大基因科技有限公司 启动子BgIosP545、制备方法及应用
CN102146398B (zh) * 2010-12-30 2012-07-25 深圳华大基因科技有限公司 启动子BgIosP537、制备方法及应用
CN102146392B (zh) * 2010-12-30 2012-08-22 深圳华大基因科技有限公司 一种启动子BgIosP516、其制备方法及用途
CN102146390B (zh) * 2010-12-30 2013-02-27 深圳华大基因科技有限公司 一种启动子BgIosP517、其制备方法及用途
CN102146393B (zh) * 2010-12-30 2013-02-27 深圳华大基因科技有限公司 启动子BGIosP515及其用途
CN102146406B (zh) * 2010-12-30 2012-12-05 深圳华大基因科技有限公司 一种启动子BgIosP535及其制备方法和用途
CN102146402B (zh) * 2010-12-30 2012-10-10 深圳华大基因科技有限公司 一种启动子BgIosP594、制备方法及应用
CN113564163A (zh) * 2020-10-28 2021-10-29 山东舜丰生物科技有限公司 一种表达调控元件及其应用

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU7462191A (en) * 1990-03-13 1991-10-10 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Gene expression

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015514422A (ja) * 2012-04-20 2015-05-21 モンサント テクノロジー エルエルシー 植物調節エレメントおよびその使用
US9663793B2 (en) 2012-04-20 2017-05-30 Monsanto Technology, Llc Plant regulatory elements and uses thereof
US10167481B2 (en) 2012-04-20 2019-01-01 Monsanto Technology Llc Plant regulatory elements and uses thereof

Also Published As

Publication number Publication date
EP0459643B1 (en) 2000-08-16
AU643521B2 (en) 1993-11-18
CN1063506A (zh) 1992-08-12
AU7710791A (en) 1991-11-21
DE69132366D1 (de) 2000-09-21
DE69132366T2 (de) 2001-04-05
EP0459643A3 (en) 1992-05-06
ATE195554T1 (de) 2000-09-15
EP0459643A2 (en) 1991-12-04
CA2042831C (en) 2000-07-25
CA2042831A1 (en) 1991-11-19
ES2149758T3 (es) 2000-11-16
JP3325589B2 (ja) 2002-09-17
DK0459643T3 (da) 2001-01-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3325589B2 (ja) 単子葉植物における遺伝子発現のための組換えプロモーター
US5290924A (en) Recombinant promoter for gene expression in monocotyledonous plants
Elmayan et al. Evaluation in tobacco of the organ specificity and strength of the rolD promoter, domain A of the 35S promoter and the 35S2 promoter
Donald et al. Mutation of either G box or I box sequences profoundly affects expression from the Arabidopsis rbcS‐1A promoter.
Jiang et al. Characterization of a strong and constitutive promoter from the Arabidopsis serine carboxypeptidase-like gene AtSCPL30 as a potential tool for crop transgenic breeding
Yin et al. Promoter elements required for phloem‐specific gene expression from the RTBV promoter in rice
ES2365204T3 (es) Vectores de expresión para plantas.
KR100228918B1 (ko) 헬리안티닌의 상부 조절요소를 기초로 한 키메릭 식물 유전자
US5573932A (en) Ocs element
WO1989005859A1 (en) Agrobacterium mediated transformation of germinating plant seeds
US20040073972A1 (en) Rf2a and rf2b transcription factors
Takahashi et al. Identification of auxin-responsive elements of parB and their expression in apices of shoot and root.
Iwamoto et al. Strong expression of the rice catalase gene CatB promoter in protoplasts and roots of both a monocot and dicots
US6963021B2 (en) Chimeric expression promoters originating from commelina yellow mottle virus and cassava vein mosaic virus
WO1999031258A1 (en) Constitutive plant promoters
US7557264B2 (en) Gossypium hirsutum tissue-specific promoters and their use
US6664384B1 (en) Duplicated cassava vein mosaic virus enhancers and uses thereof
JPH06228193A (ja) トランス作用因子−1
Wang et al. A novel bi-directional promoter cloned from melon and its activity in cucumber and tobacco
Zheng et al. A distal promoter region of the rice seed storage protein glutelin gene enhanced quantitative gene expression
Raho et al. Functional analysis of the temperature-dependent expression of the barley Hvhsp17 gene promoter in monocot and dicot cell systems
US6639065B1 (en) Chemically synthesized artificial promoter for high level expression of transgenes
Kellmann et al. Transcriptional regulation of oscillating steady-state Lhc mRNA levels: characterization of two Lhca promoter fragments in transgenic tobacco plants
CA1325191C (en) Dna construct for enhancing the efficiency of transcription
Song et al. Heat shock responsiveness analysis of Athsp70b upstream region

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020613

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080705

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080705

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090705

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100705

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110705

Year of fee payment: 9

EXPY Cancellation because of completion of term