JPH0767395A - 車両用電子制御装置 - Google Patents

車両用電子制御装置

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JPH0767395A
JPH0767395A JP5210371A JP21037193A JPH0767395A JP H0767395 A JPH0767395 A JP H0767395A JP 5210371 A JP5210371 A JP 5210371A JP 21037193 A JP21037193 A JP 21037193A JP H0767395 A JPH0767395 A JP H0767395A
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JP
Japan
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current
voltage
target
power generation
field winding
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Application number
JP5210371A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Fujiwara
徹 藤原
Takahiko Ono
隆彦 大野
Ryoji Nishiyama
亮治 西山
Hitoshi Inoue
仁志 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電圧偏差残存時の積分演算の無用な蓄積を防
止できる車両用電子制御装置を得る。 【構成】 発電機1の発電限界を検出する発電限界検出
手段703を設けて、発電限界を検出した時制御演算を
中止して所定の値に固定するとともに、その後発電限界
を逸脱したら積分演算値を所定値にリセットする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両の充電系統を制
御する電子装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図13は車両用電子制御装置の構成例を
示したものであり、例えば公開特許公報平3−2122
00号に開示されている。図13において、1は発電機
であり自動車のエンジンによって駆動され、三相交流電
流(電圧)が出力される。この交流電流は整流器3によ
って整流されバッテリ4に供給される。バッテリ4には
スイッチを介して電気負荷群EL5が複数個接続されて
いる。発電機1は界磁巻線2を有し、この界磁巻線2に
流れる電流を制御することによってバッテリ4の電圧を
所定値に維持するのに充分な発電機の出力電流(電圧)
が得られるように発電機1が制御される。
【0003】以下、界磁巻線電流の制御について説明す
る。バッテリ4の端子電圧を電圧検出回路12によって
検出する。検出電圧に応じた信号Vbdはバッテリ設定
電圧Vbcと比較され、その偏差(Vbc−Vbd)を
偏差増幅器11で増幅して電圧偏差信号ε2を出力す
る。電圧―電流指令値変換回路10は電圧偏差信号ε2
に応じて、VbdをVbcに維持するのに必要な界磁巻
線電流(目標界磁電流)に対応した電流指令値If1を
出力する。切換回路16は、If1、初期励磁回路13
からの電流指令値If2、負荷応答制御回路14からの
電流指令値If3、温度検出回路15からの電流指令値
If4のどの電流指令値を目標電流指令値If0として
出力するかを選択して切り換えるものであるが、この動
作は本発明との直接関係しないので詳細な説明は省略す
る。
【0004】偏差増幅回路9は目標電流指令値If0と
界磁電流検出回路8からの実電流値信号Iffとを比較
してその偏差を増幅し、最終電流指令値としての電流偏
差信号ε1を出力する。電流供給回路6は例えばPWM
(Pulse Width Modulation)制御回路とこの出力で駆動
されるスイッチング素子とから成り、電圧偏差信号ε1
に応じたデューティで界磁巻線電流Ichを制御する。
このようにして界磁巻線電流Ichは前記目標界磁電流
指令値If1に制御される。界磁電流検出回路8は界磁
巻線2に直列に接続された電流検出抵抗7の端子電圧か
らそこに流れる電流を検出し、検出電流に応じて実電流
値信号Iffを出力する。
【0005】電圧―電流指令値変換回路10において、
電圧偏差信号ε2から目標界磁巻線指令値If1を求め
る手段として、比例・積分・微分制御器(PID制御器
と略す)が用いられることはよく知られている。以下に
PID制御器で電圧―電流指令値変換回路10を構成し
たときの動作を説明する。PID制御器は比例演算項
(P項)と積分演算項(I項)および微分演算項(D
項)から成り、入力であるε2に対してそれぞれの演算
項の和を求めてその結果を目標界磁電流指令値If1と
して出力する。これを演算式で表すとアナログ回路では
(1)式、デジタル回路では(2)式となる。
【0006】 If1=Kp・ε2+Ki・ ε2dt+Kd・d(ε2)/dt ・・・ (1) If1=Kp・ε2n+(θ・Ki)Σε2n+(Kd/θ)(ε2n−ε2n-1)(2)
【0007】ここでKpは比例ゲイン、Kiは積分ゲイ
ン、Kpは微分ゲイン、θはサンプリング周期であり、
右辺第1項をP項、第2項をI項、第3項をD項と称
す。次に、図14、図15のタイムチャートを用いて説
明する。図14では定常状態から電気負荷ELが作動し
た場合について述べる。定常状態では発電電流はバッテ
リ充電電流を含む負荷電流と均衡しているためVbdは
Vbcと同一に調整されており(ε2 0)、電圧―電
流指令値変換回路10からは一定の目標界磁電流指令値
If1が出力されている。したがって電流供給回路6の
PWMデューティも一定となり、その結果として界磁巻
線電流Ichは一定に保たれている。この状態からEL
が動作(オフからオン)すると、負荷電流が増加して発
電電流を上回るため、過渡的な発電不足に陥ってバッテ
リ電圧が低下して電圧偏差ε2が生じる。そして電圧―
電流指令値変換回路10にε2が入力されると上記(1)式
あるいは(2)式で目標界磁電流指令値If1が演算され
る。式から分かるように、P項ではε2に比例した演
算、I項ではε2の時間経過に対する和算、D項では単
位時間あたりのε2の変化量に応じた演算が行われ、そ
れに伴って目標界磁電流指令値If1(=P+I+D)
が増加して、界磁巻線電流Ichが増加し発電電流が増
大する。このような経過を経て、ε2が解消するように
フィードバック制御される。その後は負荷電流と発電電
流が均衡した状態でPWMデューティは一定に保持され
る。次にこの状態から、電気負荷ELが遮断(オンから
オフ)した場合を図15に示す。この場合、負荷電流と
発電電流が再度均衡した状態から負荷電流が急減するた
め、過渡的に発電過剰状態となりバッテリ設定電圧Vb
dが上昇する。この時のε2が電圧―電流指令値変換回
路10に入力され、ε2を解消するようにPID演算に
よってフィードバック制御されて目標界磁電流指令値I
f1、界磁巻線電流Ichそして発電電流が減少されて
安定に至る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の車両用電子制御
装置は、以上のように構成されているので、複数のEL
が同時期に作動した場合に、その負荷電流の総和がその
ときのエンジン回転数で決まる発電機の発電能力を超え
ると(発電限界)、発生したε2に対して、PID制御
器によってε2を低減するようにフィードバックされて
界磁巻線電流Ichが増加方向に制御されるが、Ich
が最大値に到達(PWMデューティ100%)しても発
電電流が不足するためε2が解消せずに残存する現象が
発生する。この現象は[負荷電流の総和]<[発電能
力]の関係が成立するまで継続することになる。ところ
がこのような状況下で前述のPID制御器の動作が行わ
れると、ε2が継続して残存することに起因してI項の
演算結果が時間経過とともに蓄積されることになる。従
って、その後電気負荷ELの一部がオフして負荷電流が
減少するか、あるいはエンジン回転数が増加して発電機
の発電能力が上昇するなどして、蓄積されたI項の演算
値が減少して所定の値に復帰するまで、PWMデューテ
ィ100%で界磁巻線へ電流が供給されてしまう。この
発電過剰状態の継続によりVbcに対して異常なVbd
の上昇が発生し、車両のヘッドランプや照明の照度変化
やその寿命に影響を及ぼすという問題点があった。
【0009】このバッテリ電圧の異常上昇の発生例の詳
細を図16を用いて説明する。電圧―電流指令値変換回
路10によって一定のPWMデューティで制御されてV
bdがVbcと同一値に調整されている定常状態(ε2
0)から、電気負荷ELがオンすると負荷電流が発電
電流を上回って電圧偏差ε20が生じる。電圧―電流指令
値変換回路10は電圧偏差からPID演算を行って目標
界磁電流指令値If1を上昇させる結果、それに応じて
電流供給回路6からのPWMデューティが大きくなる。
PWMデューティが大きくなって界磁巻線電流Ichが
増大するにつれてε20は回復に向かい、やがてPWMデ
ューティが100%に達して界磁巻線電流IchがVb
cと界磁巻線抵抗で決まる値に飽和する(図中のa
点)。界磁巻線電流Ichの飽和は、発電機の出力が最
大に達して発電能力が限界にあることを意味している。
この時電気負荷ELの投入によって負荷電流の総和が発
電機1の発電能力を超えているとVbdはVbcに回復
することができず電圧偏差ε21が残存することになる。
その後のPID演算においてP項、D項は一定値で推移
するがI項のみε21が解消するまで時間の経過とともに
徐々に蓄積して行く。この状態が継続したのち、電気負
荷ELがオフすると発電電流が負荷電流を上回るため、
Vbdが上昇を始めVbcに復帰する(図中のb点)。
以降蓄積されたI項は徐々に減少するが、目標界磁電流
指令値If1が飽和した界磁巻線電流Ich以下となる
まではPWMデューティが100%を持続するため、電
圧偏差がε22まで異常上昇する(図中のc点)。その後
はI項のさらなる減少によってPWMデューティが小さ
くなりIchがEL投入前の値に戻ってVbdが回復す
る。
【0010】以上の一連の動作を整理すると、電気負荷
ELの投入によって負荷電流が発電機1の発電能力の限
界を超えた場合にはフィードバック制御によって界磁巻
線電流が飽和してもバッテリ電圧偏差は解消することな
く持続する。この残存した電圧偏差によってPID制御
器のI項の演算結果が時間経過とともに蓄積されて行
き、その影響により電気負荷遮断して負荷電流が減少し
た後もしばらく界磁巻線電流の飽和状態が続くことで、
バッテリ電圧の異常な上昇が発生することになる。
【0011】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、発電機の界磁巻線電流を最大に
制御してもバッテリ電圧が回復しないという発電限界に
陥った後のバッテリ電圧の異常上昇を防止できる車両用
電子制御装置を得ることを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1によ
る車両用電子制御装置は、発電機の発電限界を検出する
発電限界検出手段を設けるとともに、発電限界を検出し
た時、制御演算を中止して所定の値に固定するものであ
る。
【0013】また、この発明の請求項2による車両用電
子制御装置は、発電限界検出後、発電限界を脱したらI
項演算値を所定値にリセットするものである。
【0014】そして、この発明の請求項3による車両用
電子制御装置は、請求項2の車両用電子制御装置におい
て、リセットする際の所定値として発電限界検出前のI
項演算値を用いるものである。
【0015】さらにこの発明の請求項4による車両用電
子制御装置は、PID制御器の演算結果の上限を規制す
る上限リミッタを設けたものである。
【0016】
【作用】この発明の各請求項における車両用電子制御装
置においては、発電限界時のI演算結果の無用な蓄積に
よって発生する最大界磁巻線電流の持続がもたらすバッ
テリ電圧回復後のバッテリ電圧の異常上昇を防止でき
る。
【0017】
【実施例】実施例1.以下、この発明の一実施例を図に
ついて説明する。図1は車両用電子制御装置の構成例を
示すブロック図である。図1において、1は発電機、4
はバッテリ、17はエンジンの吸入空気量を計測するエ
アーフローセンサ、18はエンジンの回転数を検出する
クランク角センサ、19は自動車の速度を検出する車速
センサ、20はエンジンの冷却水温を検出する水温セン
サ、21はエンジンの吸入空気の温度を検出する吸気温
センサであり、これら17から21などの各種センサか
らの車両情報により目標電圧を設定し、バッテリ4の端
子電圧Vbdを前記目標電圧と比較してその結果により
発電機1の後述する界磁巻線への界磁巻線電流Ichを
制御する電子装置(ECUと略)が22である。
【0018】図2に車両用電子制御装置の制御ブロック
図を示す。上述した17から21の各種センサからEC
U22の目標電圧設定手段701に各車両情報が入力さ
れて目標電圧Vbcが求められる。ここでの目標電圧V
bcは従来例におけるバッテリ設定電圧と同様である。
バッテリの端子電圧Vbdを電圧検出回路12によって
検出し、Vbcと比較演算し、その偏差ε(=Vbc−
Vbd)が求められる。PID制御手段702は従来例
の電圧―電流指令値変換回路10と同様でありεに応じ
て、VbdをVbcに維持するのに必要な目標発電電流
Iaを出力する。
【0019】 Ia=Kp・ε+Ki・ εdt+Kd・d(ε)/dt ・・・ (3) Ia=Kp・εn+(θ・Ki)Σεn+(Kd/θ)(εn−εn-1)・・ (4)
【0020】また、図2において、703はεから発電
機の発電能力を検出する発電限界検出手段であり、70
4は演算されたIaから目標界磁電流Ifを求めるIa
→If変換手段である。電流供給回路6はIfにもとづ
いて、Ifに応じたデューティで界磁巻線電流Ichを
Ifと等しくなるように制御する。そして、2は界磁巻
線、3は発電機1の交流電流を直流に変換するに内蔵さ
れた整流器、5は車両に搭載された電気負荷群ELであ
る。
【0021】このような構成においては、従来例と同様
に(複数のELが同時期に作動した場合などの負荷電流
の総和)(そのときのエンジン回転数で決まる発電機の
発電限界)となると、Vbcに対してVbdが低下した
状態となってεが発生する。その後εを低減するように
フィードバックされて界磁巻線電流Ichが増加方向に
制御されるが、Ichが最大値に到達して飽和しても
(PWM出力デューティ100%)、発電電流が不足す
るため電圧偏差が解消せずεが残存する現象が発生す
る。この現象は、[負荷電流の総和]<[発電限界]の
関係が成立するまで持続することは従来例で説明したと
おりである。
【0022】このような状況下におけるPID制御器の
動作をタイムチャートとフローチャートを用いてPID
制御手段の詳細動作について説明を加える。図2に示す
構成における動作を図4のタイムチャートで示す。な
お、これは請求項1の構成に対応した動作である。定常
状態から電気負荷ELがオフからオンされて負荷電流E
Lが増加して不均衡状態に移行するとVbdが低下して
電圧偏差ε20が発生する。ε20に応じて上述した(3)式
あるいは(4)式で示すPID各項の演算が行われてIa
が増加することでIfおよびPWMデューティが増加さ
れ、やがて100%に到達してIchが最大となるが
(図中のa点)、負荷電流が発電能力を超過しているた
めε21が残存した状態が持続する。このような過程にお
いては常にバッテリ電圧が設定電圧を下回っているた
め、I項の演算結果が時間経過とともに蓄積してゆくこ
とになる。ここで[Vbd]〉[Vbc]かつPWMデ
ューティ100%の状態がT0時間継続したことにより
発電限界を検知する。この時I項の演算を中止して、以
降の残存ε21に対して演算の蓄積を制限してこれ以上増
加することを防ぐように構成している。
【0023】次に図7のフローチャートを用いて説明す
る。車両の状態を示す各種センサ17〜21からの情報
を読み込んで(S100)、目標電圧Vbcを設定する
(S101)。次に実際のバッテリ端子電圧Vbdを読
み込んで(S102)、Vbcとの偏差εを求める(S
103)。εの正負判定(S104)によりεが負と判
定された場合は、εに応じたPID演算がなされ(S1
05)、それぞれの項が加算されてIaが決定される
(S106)。そしてIaはIa→If変換手段704
によってIfに変換されて(S107)、電流供給回路
6から界磁巻線2に供給される(S108)。S104
においてεが正の場合は、PWMデューティが100%
で出力されているかを判定し(S109)、さらにPW
Mデューティ100%がT0時間経過したかどうかの判
定がなされる(S110)。S104、S109、S1
10のいずれも成立した時を発電限界であるとして、積
分ゲインKiを0としてS106に受け渡す(S20
0)。以上のS104からS200の処理は発電限界判
定後から図4のb点まで継続されて、この間のI項は一
定値に固定される。
【0024】次に、図5を用いて実施例2の動作を説明
する。定常状態から電気負荷ELがオフからオンされて
負荷電流が増加して不均衡状態に移行するとVbdが低
下して電圧偏差ε20が発生する。ε20に応じて前述の
(3)式あるいは(4)式で示すPID各項の演算が行われて
Iaが増加してPWM出力デューティが増加され、やが
て100%に到達してIchが最大となるが(図中のa
点)負荷電流が発電能力を超過しているためε21が残存
した状態が持続する。図4と同様の手段で発電限界を検
出した後、電気負荷ELがオフしてVbdが回復した時
(図中のb点)、I項の演算結果を所定値にリセットす
るように構成している。図8のフローチャートにおいて
発電限界を判定(S104、S109、S110)した
後、Vbdが回復してε=0となると(S111)I項
をあらかじめ決められた所定値にリセットする(S11
2)。S106ではS112でリセットされたI項と、
εから演算式で導かれたP項とD項とが加算されてIa
が決定される。この動作によって残存したε21による蓄
積したI項が所定の値に戻される。
【0025】次に、図9を用いて請求項3に対応する構
成の動作について説明する。図9に示すように、先の図
8のS112で説明したリセット時の値を、発電限界検
出前のI項の値としている。この場合の発電限界検出前
とはPWMデューティが100%に達してT0をカウン
トし始める時のことを示し、図5のa点でのI項の値を
指している。
【0026】次に、図6を用いて請求項4に対応する構
成について説明する。図6において、残存したε21によ
ってIchが飽和状態となってPID演算結果であるI
aがあらかじめ発電限界付近に設定された上限の所定値
(上限リミッタ)に達すると、I項の演算を中止して以
降のI項の蓄積を防止するように構成されている。フロ
ーチャート図10において、S104でεの正負の判定
がなされて、εが負の場合は、積分ゲインKiは所定の
値にセットされ(S300)、セットされたKiとあら
かじめ設定されているKp、KdにもとづいてPID演
算されて(S105)、Iaが求められ(S106)、
Ifに変換され(S107)、PWMデューティとして
出力される(S108)。S104でεが正と判定され
た場合は、先に演算されたIaに対してその発電限界付
近にあらかじめ定められている上限リミッタとの比較が
行われ(S301)、Iaが大きい場合はKiを0とし
てS105に渡す(S302)。これによりVbdが回
復してεが負に転じるかIaの演算値が上限リミッタを
下回るまで以降のI演算は中止されることになる。
【0027】なお、発電機1はエンジンによって駆動さ
れ、その発電能力はエンジン回転数Neで決定されるた
め、上限リミッタの値をNeの関数として設定し、図1
1に示されるS301において上限リミッタをNeに応
じて変化させる動作が行われる。
【0028】また、図12は上限リミッタをI項に設け
た構成での制御を示している。εの正負判定(S10
4)の後、εが正の場合は、I項の演算結果と発電限界
付近に設けた上限リミッタを比較し(S400)、上限
に達するとI項を上限リミッタの値にセットしてS20
0に渡される(S401)。
【0029】実施例2.実施例1で示した図2の構成で
はPID制御器で目標発電電流Iaを求めて、その値か
ら界磁巻線電流Ifに変換するように構成したが、図3
に示すようなPID制御器で直接Ifを演算する制御構
成であっても良く、発電制御系統にPID制御器を用い
て構成してある装置すべてに対して本発明は有効とな
る。
【0030】実施例3.発電限界検出において、発電機
1の界磁巻線電流の飽和をPWMデューティを用いて判
定したが、界磁巻線電流を電流検出回路で検出した値
(従来例におけるIff)を用いても良い。
【0031】実施例4.発電機の出力電流Iaを検出手
段を設けて、その値を発電限界検出手段に用いて判定し
ても同様の効果を奏する。
【0032】
【発明の効果】この発明の請求項1による車両用電子制
御装置は、発電機の発電限界を検出する発電限界検出手
段を設けるとともに、発電限界を検出した時、制御演算
を中止して所定の値に固定するようにしたため、また、
この発明の請求項2による車両用電子制御装置は、発電
限界検出後、発電限界を脱したらI項演算値を所定値に
リセットするようにしたため、さらに、この発明の請求
項3による車両用電子制御装置は、請求項2の車両用電
子制御装置において、リセットする際の所定値として発
電限界検出前のI項演算値を用いるようにしたため、ま
た、この発明の請求項4による車両用電子制御装置は、
PID制御器の演算結果の上限を規制する上限リミッタ
を設けるようにしたため、負荷電流が発電機の発電能力
を上回る状態が継続した時に発生する残存電圧偏差によ
る積分演算の無用な蓄積を防止できため、その後電気負
荷が遮断されて負荷電流が減少するあるいはエンジン回
転数が上昇して発電能力が増大して残存電圧偏差が解消
した時のバッテリ電圧の異常な上昇を抑制することがで
きるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による車両用電子制御装置
を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例による車両用電子制御装置
のブロック図である。
【図3】この発明の一実施例による車両用電子制御装置
のブロック図である。
【図4】この発明の一実施例による車両用電子制御装置
のタイムチャートである。
【図5】この発明の一実施例による車両用電子制御装置
のタイムチャートである。
【図6】この発明の一実施例による車両用電子制御装置
のタイムチャートである。
【図7】この発明の一実施例による車両用電子制御装置
のフローチャートである。
【図8】この発明の一実施例による車両用電子制御装置
のフローチャートである。
【図9】この発明の一実施例による車両用電子制御装置
のフローチャートである。
【図10】この発明の一実施例による車両用電子制御装
置のフローチャートである。
【図11】この発明の一実施例による車両用電子制御装
置のフローチャートである。
【図12】この発明の一実施例による車両用電子制御装
置のフローチャートである。
【図13】従来例の車両用電子制御装置のブロック図で
ある。
【図14】従来例の車両用電子制御装置のタイムチャー
トである。
【図15】従来例の車両用電子制御装置のタイムチャー
トである。
【図16】従来例の車両用電子制御装置のタイムチャー
トである。
【符号の説明】
1 発電機 2 界磁巻線 5 電気負荷 22 電子装置 702 PID制御器 703 発電限界検出手段 εn 電圧偏差 Ia 目標発電電流 Ich 界磁巻線電流 If 目標界磁電流 Vbc 目標電圧(従来例での設定電圧) Vbd バッテリ電圧
【手続補正書】
【提出日】平成6年7月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】ここでKpは比例ゲイン、Kiは積分ゲイ
ン、Kpは微分ゲイン、θはサンプリング周期であり、
右辺第1項をP項、第2項をI項、第3項をD項と称
す。次に、図14、図15のタイムチャートを用いて説
明する。図14では定常状態から電気負荷ELが作動し
た場合について述べる。定常状態では発電電流はバッテ
リ充電電流を含む負荷電流と均衡しているためVbdは
Vbcと同一に調整されており(ε20)、電圧―電
流指令値変換回路10からは一定の目標界磁電流指令値
If1が出力されている。したがって電流供給回路6の
PWMデューティも一定となり、その結果として界磁巻
線電流Ichは一定に保たれている。この状態からEL
が動作(オフからオン)すると、負荷電流が増加して発
電電流を上回るため、過渡的な発電不足に陥ってバッテ
リ電圧が低下して電圧偏差ε2が生じる。そして電圧―
電流指令値変換回路10にε2が入力されると上記(1)式
あるいは(2)式で目標界磁電流指令値If1が演算され
る。式から分かるように、P項ではε2に比例した演
算、I項ではε2の時間経過に対する和算、D項では単
位時間あたりのε2の変化量に応じた演算が行われ、そ
れに伴って目標界磁電流指令値If1(=P+I+D)
が増加して、界磁巻線電流Ichが増加し発電電流が増
大する。このような経過を経て、ε2が解消するように
フィードバック制御される。その後は負荷電流と発電電
流が均衡した状態でPWMデューティは一定に保持され
る。次にこの状態から、電気負荷ELが遮断(オンから
オフ)した場合を図15に示す。この場合、負荷電流と
発電電流が再度均衡した状態から負荷電流が急減するた
め、過渡的に発電過剰状態となりバッテリ設定電圧Vb
dが上昇する。この時のε2が電圧―電流指令値変換回
路10に入力され、ε2を解消するようにPID演算に
よってフィードバック制御されて目標界磁電流指令値I
f1、界磁巻線電流Ichそして発電電流が減少されて
安定に至る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】このバッテリ電圧の異常上昇の発生例の詳
細を図16を用いて説明する。電圧―電流指令値変換回
路10によって一定のPWMデューティで制御されてV
bdがVbcと同一値に調整されている定常状態(ε2
0)から、電気負荷ELがオンすると負荷電流が発電
電流を上回って電圧偏差ε20が生じる。電圧―電流指令
値変換回路10は電圧偏差からPID演算を行って目標
界磁電流指令値If1を上昇させる結果、それに応じて
電流供給回路6からのPWMデューティが大きくなる。
PWMデューティが大きくなって界磁巻線電流Ichが
増大するにつれてε20は回復に向かい、やがてPWMデ
ューティが100%に達して界磁巻線電流IchがVb
cと界磁巻線抵抗で決まる値に飽和する(図中のa
点)。界磁巻線電流Ichの飽和は、発電機の出力が最
大に達して発電能力が限界にあることを意味している。
この時電気負荷ELの投入によって負荷電流の総和が発
電機1の発電能力を超えているとVbdはVbcに回復
することができず電圧偏差ε21が残存することになる。
その後のPID演算においてP項、D項は一定値で推移
するがI項のみε21が解消するまで時間の経過とともに
徐々に蓄積して行く。この状態が継続したのち、電気負
荷ELがオフすると発電電流が負荷電流を上回るため、
Vbdが上昇を始めVbcに復帰する(図中のb点)。
以降蓄積されたI項は徐々に減少するが、目標界磁電流
指令値If1が飽和した界磁巻線電流Ich以下となる
まではPWMデューティが100%を持続するため、電
圧偏差がε22まで異常上昇する(図中のc点)。その後
はI項のさらなる減少によってPWMデューティが小さ
くなりIchがEL投入前の値に戻ってVbdが回復す
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】このような構成においては、従来例と同様
に(複数のELが同時期に作動した場合などの負荷電流
の総和)>(そのときのエンジン回転数で決まる発電機
の発電限界)となると、Vbcに対してVbdが低下し
た状態となってεが発生する。その後εを低減するよう
にフィードバックされて界磁巻線電流Ichが増加方向
に制御されるが、Ichが最大値に到達して飽和しても
(PWM出力デューティ100%)、発電電流が不足す
るため電圧偏差が解消せずεが残存する現象が発生す
る。この現象は、[負荷電流の総和]<[発電限界]の
関係が成立するまで持続することは従来例で説明したと
おりである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】実施例4.発電機の出力電流Ia検出手
段を設けて、その値を発電限界検出手段に用いて判定し
ても同様の効果を奏する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図14
【補正方法】変更
【補正内容】
【図14】
【手続補正14】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図16
【補正方法】変更
【補正内容】
【図16】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 仁志 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社産業システム研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の各種情報により目標電圧を設定す
    る手段と、上記目標電圧とバッテリ電圧との偏差から発
    電機の目標発電電流を演算するPID制御器と、上記目
    標発電電流から界磁巻線電流を求めてて界磁巻線に出力
    する手段とを備えた車両用電子制御装置において、上記
    界磁巻線電流が飽和に達しかつ電圧偏差が残存した状態
    が所定時間持続したことによって電気負荷の消費電力が
    上記発電機の発電能力を超えたことを検出する発電限界
    検出手段を設けるとともに、上記発電限界検出手段が発
    電限界を検出した場合には、上記PID制御器のうち少
    なくとも積分演算を中止して所定の値に固定することを
    特徴とする車両用電子制御装置。
  2. 【請求項2】 車両の各種情報により目標電圧を設定す
    る手段と、上記目標電圧とバッテリ電圧との偏差から発
    電機の目標発電電流を演算するPID制御器と、上記目
    標発電電流から界磁巻線電流にを求めて界磁巻線に出力
    する手段とを備えた車両用電子制御装置において、上記
    界磁巻線電流が飽和に達しかつ電圧偏差が残存した状態
    が所定時間持続したことによって電気負荷の消費電力が
    上記発電機の発電能力を超えたことを検出する発電限界
    検出手段を設けるとともに、上記発電限界検出手段が発
    電限界を検出した後、上記バッテリ電圧が目標電源電圧
    に回復したとき、上記PID制御器の積分演算値を所定
    値にリセットし、かつその値を初期値として積分演算を
    再開することを特徴とする車両用電子制御装置。
  3. 【請求項3】 上記積分演算値をリセットする際の所定
    値として、上記発電能力限界検出手段が上記発電機の発
    電能力の限界を検出する以前の積分演算値を用いること
    を特徴とする請求項2の車両用電子制御装置。
  4. 【請求項4】 車両の各種情報により目標電圧を設定す
    る手段と、上記目標電圧とバッテリ電圧との偏差から発
    電機の目標発電電流を演算するPID制御器と、上記目
    標発電電流から界磁巻線電流を求めて界磁巻線に出力す
    る手段とを備えた車両用電子制御装置において、上記発
    電機による発電電流の上限を規制する上限リミッタを設
    けるとともに、上記発電電流が上限リミッタに達した場
    合には上記PID制御器のうち少なくとも積分演算を中
    止し所定の値に固定することを特徴とする車両用電子制
    御装置。
JP5210371A 1993-08-25 1993-08-25 車両用電子制御装置 Pending JPH0767395A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103324225A (zh) * 2013-04-01 2013-09-25 朱银娟 一种车载充电系统串联pid控制的补偿方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103324225A (zh) * 2013-04-01 2013-09-25 朱银娟 一种车载充电系统串联pid控制的补偿方法

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