JPH0767171B2 - 車両情報受信システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は移動体、例えば電車の各車両内の表示装置に
地上局から転送された文字放送や種々情報を表示し、乗
客に種々情報を提供する新規な車両情報受信システムに
関するものである。

［従 来 例］ 近年、テレビ放送には種々の情報の文字放送が多重され
ており、この文字放送は文字放送アダプタがあれば、通
常のテレビ受像機でも受信することができ、その情報を
誰にでも利用することができるようになった。一方、電
車内には種々広告等が貼られており、これら種々広告等
はある種の情報源にもなっている。また、最近の電車に
は、乗客に対するサービスとして、例えばパラボラアン
テナで受けた衛生放送を各車両のテレビ受像機（液晶テ
レビ）に表示することにより、乗客に種々情報を提供
し、今までにないサービスを行なうものがある。

［発明が解決しようとする課題］ ところで、移動体である電車内にあっては、フェーディ
ング（Fading）等により通常のテレビ放送に多重されて
いる文字放送を直接受信することが困難である。

そこで、電車が停止している間、上記文字放送を受信す
ることが考えられる。しかしながら、文字放送の１ペー
ジ分のデータが約20秒で送信されていることから、番組
の全ページを受信する場合約全ページ数×20秒の待ち時
間を必要とするため、数十秒から１分間程度の停止時間
内にその文字放送の任意の全番組・全ページを受信する
ことが困難である。

この発明は上記の点に鑑みなされたものであり、その目
的は車両内において、文字放送等や種々情報を乗客に提
供し、よりサービスの向上を図ることができるようにし
た車両情報受信システムを提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するため、この発明は、駅構内などの固
定された位置に設置される固定局と、複数の車両が連結
された移動局としての列車とを含み、上記固定局側には
テレビアンテナを介して文字放送を受信し、もしくは電
話回線を介して種々の情報データが入力される文字放送
受信手段と、同文字放送受信手段にて受信された上記文
字放送データや上記情報データを記憶する記憶手段と、
同記憶手段から読み出された各データを所定のフォーマ
ットでシリアルデータに変換する第１の信号変換制御手
段と、上記列車の停車時間内に上記シリアルデータを電
波にて送信する送信手段とが設けられ、上記列車側の特
定車両には上記シリアルデータを受信する受信手段およ
びそのシリアルデータを記憶する記憶手段と、同記憶手
段により読み出されたデータを上記文字放送規格のフォ
ーマットに変換し、かつ、その信号をNTSC規格の信号に
重畳する第２の信号変換制御手段と、このNTSC規格とさ
れた信号のRF変調して同時ケーブルにて他の車両に送信
する送信手段とが設けられ、上記他の車両側には上記同
軸ケーブルにて送信されてくる上記RF変調信号を分配器
を介して受信するテレビチューナが内蔵された文字受信
機と、同文字受信機にて受信された信号を表示するモニ
タとが備えられており、上記特定車両から上記他の車両
に送信される上記RF変調信号中には、上記テレビチュー
ナを切り替えて同信号に重畳されている文字放送データ
や他の情報データなどを選択するチャンネル切替コード
情報と、そのデータが表示される上記モニタを指定する
端末コード情報とが含まれており、上記各モニタに異な
る情報を表示し得るようにしたことを特徴としている。

［作用］ 上記構成としたので、上記地上局にて、テレビアンテナ
を介して受信した文字放送や電話回線を介して入力され
る種々情報のデータ（文字情報コード）が記憶され、例
えば上記電車の乗客に提供する文字放送の所定番組や所
定情報のみが記憶される。このように、文字放送や種々
情報のデータを予め記憶して置き、当該駅に電車が停止
したときに、それら文字放送や種々情報のデータがシリ
アルに変換され、かつ、電波でその電車の受信側に転送
される。このとき、その転送データが文字放送の番組・
ページのデータあるいは種々情報のデータのみであるた
め、電車の停止時間以内にそのデータ転送を完了するこ
とが可能である。

一方、電車側にて、地上局からのデータが受信され、し
かも停止時間内にそのデータが受信されるとともに、そ
の受信データが内部メモリに記憶される。このように、
記憶されたデータ（文字情報コード）は順次読み出さ
れ、NTSC規格の文字放送仕様の信号形式（データ列；デ
ータパケット）に復元される。このデータ列がNTSC規格
のビデオ信号に重畳されるとともに、そのビデオ信号が
RF変調される。このようにRF変調されたアンテナ（RF）
信号は同軸ケーブルを介して各車両の受信側に送信され
るため、その各車両の表示装置（モニタ装置）にはその
送信されたRF信号に基づいた文字放送の所定番組あるい
は種々情報が表示される。

また、電車側にあっては、その同軸ケーブルを介して送
信される信号がRF信号であるため、複数の動画あるいは
静止画情報を各々のチャンネルに分割して各車両の受信
側に送信することができる。さらに、全チャネルの文字
信号重畳可能な垂直帰線消去期間に、各車両の受信側の
アドレス情報（モニタを指定する端末コード情報）、チ
ャネル切替情報等を付加すると、各車両のモニタ装置に
あってはその情報に基づいて切替られたチャンネルの文
字放送あるいは動画（例えばビデオカセット等）の表示
が可能となる。

［実 施 例］ 以下、この発明に実施例を図面に基づいて説明する。

第１図において、車両情報受信システムは、例えば駅構
内に固設され、受信した文字放送あるいは電話回線を介
して入力した情報等のデータをシリアルに変換して送信
する地上固定局（以下地上局と記す）１と、この地上局
１からの信号を受信するとともに、その受信したデータ
を記憶し、かつ、この記憶したデータに基づいて文字放
送や所定情報を表示装置に表示する電車２とから構成さ
れている。

地上局１には、テレビアンテア３を介して受信した文字
放送の任意の全番組・全ページのデータを記憶し、ある
いは他の情報入力装置（例えばキャプテンシステム）４
にて電話回線を介して入力される他の情報等のデータを
記憶するデータメモリ５と、上記文字放送の受信および
その所定番組の選択若しくは他の情報の入力を制御し、
かつ、上記データメモリ５の記憶制御を行なうととも
に、その記憶したデータを所定フォーマットのシリアル
データ（“1",“0"の信号）に変換して出力する文字放
送受信機６と、このシリアルデータを電波で送信する送
信部７と、上記受信文字放送あるいはデータメモリ５に
記憶されているデータに基づいた文字放送および他の情
報を表示するモニタ装置（液晶表示装置）８と、上記文
字放送受信機６に対して種々制御指示を出すためのリモ
コン９とが設けられている。なお、上記シリアルデータ
は、例えば第２図に示されるように、文字放送等の受信
時刻データ、データ列開始コードおよびメモリ書き込み
アドレスコード等の制御符号と、データメモリ５から読
み出したデータの190ビット分をデータブロックとして
いる。

上記電車２は連結されている複写の車両A,…,Nから構成
されており、この電車２車掌室10には、停止中に地上局
１からの電波をアンテナを介して受信し、この受信した
電波よりシリアルデータを復元して出力する受信部11
と、そのシリアルデータより上記文字放送の番組や他の
情報のデータを得るとともに、そのシリアルデータを内
部メモリの所定領域に記憶し、かつ、この記憶したデー
タを順次読み出して文字放送規格の信号形式のデータ列
（データパケット）とし、このデータ列をNTSC規格のビ
デオ信号に重畳して出力する文字信号発生部12と、その
文字放送や他の情報のデータ列が重畳されている信号を
RF信号に変換して出力する送信部（RF変調器）13と、通
常のビデオカセット等によるビデオ信号をその送信部13
に出力するVTR装置14とが設けられている。また、各車
両A,…,NにはそのRF信号を分配する分配器15と、この分
配されたRF信号よりそれぞれ文字放送、他の情報やビデ
オカセットの映像等をデコードする複数の文字受信機16
と、それら文字放送、他の情報やビデオカセットの映像
等をそれぞれ表示する複数のモニタ装置17とが設けられ
ており、それら分配器15と上記送信部13とはケーブル
（同軸ケーブル）18、ブースタ19を介して接続されてい
る。

次に、上記構成の車両情報受信システムの動作を第２図
および第３図の信号形式の模式図を参照して説明する。

まず、地上局１においては、リモコン９の指示によりア
ンテナ３を介して受信している文字放送の所定番組の全
ページやキャプテンシステムの情報データがデータメモ
リ５に記憶されているものとする。しかも、それら文字
放送より選択した全番組・全ページのデータあるいはキ
ャプテンシステムのデータは電車２が上記地上局１の設
置されている駅に入構する前に、データメモリ５に記憶
されているものとする。そして、その電車２が当該駅に
停止すると、地上局１においては、データメモリ５から
データが順に読み出され、このデータがシリアルデータ
に変換されるとともに、このシリアルデータが電波で発
射される。なお、地上局１の文字放送受信機６にあって
は、従来同様に受信文字放送をモニタ装置８に表示する
ことができ、さらにデータメモリ５に記憶されている文
字放送の任意番組や他の情報をモニタ装置８に表示する
ことができる。したがって、データメモリ５に記憶した
文字放送や他の情報を電車２に送信する前、モニタ装置
８に表示して確認しておくことができる。

すると、停止してる電車２においては、その電波が受信
され、その受信信号によりシリアルデータが復元される
とともに、このシリアルデータが文字信号発生器12の内
部メモリの所定領域に記憶される。文字信号発生器12に
て、内部メモリに記憶されているデータ、例えば車掌等
の指示による任意の番組の先頭ページのデータあるいは
キャプテンシステムのデータが読み出され、文字放送規
格の信号形式のデータ列（データパケット）に変換され
るとともに、これらデータ列がNTSC規格の信号に重畳さ
れる。すなわち、第３図に示されるように、その信号の
垂直帰線消去期間の第10H乃至第21H（水平走査期間）の
各フィールドに上記データパケット（情報データ:190ビ
ット、誤り訂正のためのチェック符号:82ビット）等が
含まれる。このように、文字放送の任意番組のデータあ
るいはキャプテンシステムのデータが重畳された信号は
RF変調され、ケーブル18、ブースタ19を介して各車両A,
…,Nに送信される。一方、VTR装置14に装填されている
ビデオカセットの映像を各車両A,…,Nに送信する場合、
車掌等によりそのVTR装置14がプレイ操作されると、上
記文字放送の場合と同様にビデオカセットによる映像が
NTSC規格のビデオ信号に変換され、このビデオ信号がRF
変調されて送信される。この場合、送信部13には二つ以
上のRF変調器が備えられ、それぞれ文字放送やキャプテ
ンシステムの情報、VTR装置14による各種映像のビデオ
信号をRF信号に変換することになる。なお、そのビデオ
カセットの映像と上記文字放送との送信タイミングおよ
びビデオカセットの巻き戻し（頭出し）は、文字信号発
生部12とVTR装置14との間シリアルあるいはパラレルバ
スを介して相互のステータス情報等の遣り取りにより決
定されるようになっている。

続いて、各車両A,…,Nの文字受信機16においてはそのRF
変調された信号が分配器15を介して受信される。それら
文字受信機16には文字放送デコーダの他にテレビチュー
ナが内蔵されているため、チャネル切り替えによりその
映像信号に重畳されている文字放送、キャプテンシステ
ムの情報あるいはビデオカセットの映像が切り替えられ
てモニタ装置17に表示される。このとき、そのチャネル
切り替えは、例えば車掌室10の当該システムを集中管理
すべき場所で、各車両A,…,Nの各モニタ装置17の表示指
示とともに、そのチャネル切り替え指示が出される。こ
の場合、例えば全チャネルの文字信号重畳可能な水平走
査期間の第1H乃至第21Hの期間のうち1Hにチャネル切替
のコード情報および文字受信機16の端末コード情報を付
与するようにする。すなわち、各車両A,…,Nの文字受信
機16にあっては、RF変調された信号を受信した際、その
チャネル切替コードおよび端末コードに基づいて、当該
チャネルの切替制御が行われるため、それぞれ異なるチ
ャネル選択が行われる。それら文字受信機16に接続され
ているモニタ装置17にあっては、表示する文字放送ある
いはビデオカセットの映像等互いに異なるものを表示す
ることになる。したがって、各端末（モニタ装置17）毎
に、あるいは各車両毎のモニタ装置17にそれぞれ異なる
情報を提供することが可能となる。

ところで、テレビ放送に多重されている文字放送は20秒
周期で全番組の１ページ分情報が送信されており、例え
ば10ページ構成の番組を通常通り受信する場合、約３分
もかかる。したがって、通常電車２の停止時間が約30秒
から１分しかなく、その間に受信できる文字放送の番組
データは僅かなものになってしまう。しかし、この発明
によると、地上局１においては、予め受信文字放送のう
ち複数番組の全ページのデータをデータメモリ５に記憶
し、それらデータの送信を電車２に対して送信するよう
にしたので、その電車２にあっては停止中にそれらデー
タを受信することが可能になっている。なお、その地上
局１からの送信データの量が多い場合には、そのデータ
送信のスピードを速くすればよい。

さらに、地上局１においては、上述したように、データ
メモリ５には文字放送の複数番組・ページのデータが記
憶されるが、情報提供者（IP）から電話回線を介して情
報のデータが送信された際、そのデータも記憶するよう
にしてもよい。これにより、各車両A,…,Nのモニタ装置
17にはオリジナリティな情報が表示されるた、車内サー
ビスの拡大にもなる。この場合、電話回線を介して転送
するデータは文字放送またはキャプテンシステムのプロ
トコル（PLPS）に準拠していればよい。

このように、文字放送の任意の番組、キャプテンシステ
ムの情報あるいは他の個別情報が殆ど人手を介さずに各
車両A,…,Nのモニタ装置17に表示することができ、乗客
に対して種々情報を提供することができる。また、それ
ら文字放送の任意の番組、キャプテンシステムの情報あ
るいは他の個別情報は停止中の電車２に送信されるた
め、フェーデイング等により影響されないことから、各
車両A,…,Nのモニタ装置17には確実な情報を表示するこ
とができる。

なお、上記実施例の情報入力装置４としては、例えばパ
ーソナルコンピュータやイメージスキャナ等が考えられ
る。それら入力装置により個別の情報、画情報を入力す
ることにより、各車両A,…,Nのモニタ装置17にはそれら
個別情報，画情報が表示されるため、乗客に種々異なる
情報、各種イベント案内、観光案内等を提供することが
できる。

また、上記実施例では、地上局１からの信号送信が電波
で行われているが、光転送等で行なうようにしてもよ
い。この場合、地上局１の送信部７には送信するシリア
ルデータを光に変換する変換器を備え、電車２の受信部
11にはその光を電気信号に変換する変換器を備えればよ
い。

［発明の効果］ 以上説明したように、この発明の車両情報受信システム
によれば、固定された地上局にて予め文字放送の任意の
全番組・ページやキャプテンシステムの情報のデータあ
るいは電話回線を介した個別情報のデータが記憶され、
それらデータが停止した車両に送信されるようにし、か
つ、その車両にあってはそれらデータの受信が行われる
とともに、これら受信データに基づいた文字放送の番
組、情報などを例えば各モニタ装置ごとにその内容を変
えて表示し得るようにしたので、乗客に対して種々情報
のサービスや各種イベントや観光案内のサービスを提供
することができ、乗客へのサービス向上を図ることがで
き、また広告の媒体として利用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す車両情報受信システ
ムの概略的ブロック図、第２図および第３図は上記車両
情報受信システムにおけるデータ転送の形式を説明する
模式図である。 図中、１は地上固定局（地上局）、２は電車（移動車
両）、３はテレビアンテナ、４は情報入力装置、５はデ
ータメモリ、６は文字放送受信機、７は送信部、8,17は
モニタ装置、11は受信部、12は文字信号発生部、13は送
信部（RF変調器）、14はVTR装置、15は分配器、16は文
字受信機、18はケーブル（同軸）、19はブースタであ
る。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】駅構内などの固定された位置に設置される
   固定局と、複数の車両が連結された移動局としての列車
   とを含み、 上記固定局側にはテレビアンテナを介して文字放送を受
   信し、もしくは電話回線を介して種々の情報データが入
   力される文字放送受信手段と、同文字放送受信手段にて
   受信された上記文字放送データや上記情報データを記憶
   する記憶手段と、同記憶手段から読み出された各データ
   を所定のフォーマットでシリアルデータに変換する第１
   の信号変換制御手段と、上記列車の停車時間内に上記シ
   リアルデータを電波にて送信する送信手段とが設けら
   れ、 上記列車側の特定車両には上記シリアルデータを受信す
   る受信手段およびそのシリアルデータを記憶する記憶手
   段と、同記憶手段により読み出されたデータを上記文字
   放送規格のフォーマットに変換し、かつ、その信号をNT
   SC規格の信号に重畳する第２の信号変換制御手段と、こ
   のNTSC規格とされた信号のRF変調して同軸ケーブルにて
   他の車両に送信する送信手段とが設けられ、 上記他の車両側には上記同軸ケーブルにて送信されてく
   る上記RF変調信号を分配器を介して受信するテレビチュ
   ーナが内蔵された文字受信機と、同文字受信機にて受信
   された信号を表示するモニタとが備えられており、 上記特定車両から上記他の車両に送信される上記RF変調
   信号中には、上記テレビチューナを切り替えて同信号に
   重畳されている文字放送データや他の情報データなどを
   選択するチャンネル切替コード情報と、そのデータが表
   示される上記モニタを指定する端末コード情報とが含ま
   れており、上記各モニタに異なる情報を表示し得るよう
   にしたことを特徴とする車両情報受信システム。