JPH0766559A - 多層回路基板の配線層間接続構造及び該接続構造の形成方法 - Google Patents

多層回路基板の配線層間接続構造及び該接続構造の形成方法

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JPH0766559A
JPH0766559A JP5230743A JP23074393A JPH0766559A JP H0766559 A JPH0766559 A JP H0766559A JP 5230743 A JP5230743 A JP 5230743A JP 23074393 A JP23074393 A JP 23074393A JP H0766559 A JPH0766559 A JP H0766559A
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JP
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hole
wiring
connection structure
insulator
circuit board
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Application number
JP5230743A
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English (en)
Inventor
Kenichi Otani
健一 大谷
Toshio Mugishima
利夫 麦島
Osamu Seki
収 関
Noboru Matsuki
昇 松木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FURUKAWA SAAKIT FOIL KK
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
FURUKAWA SAAKIT FOIL KK
Furukawa Electric Co Ltd
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/0296Conductive pattern lay-out details not covered by sub groups H05K1/02 - H05K1/0295
    • H05K1/0298Multilayer circuits
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/40Forming printed elements for providing electric connections to or between printed circuits
    • H05K3/4038Through-connections; Vertical interconnect access [VIA] connections

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  • Printing Elements For Providing Electric Connections Between Printed Circuits (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のスルーホール方式に代わる新しい配線
の層間接続構造を提供して多層回路基板の金属配線の更
なる微細化、実装密度の向上を図ること。 【構成】 絶縁体を介して設けられた配線相互が、該絶
縁体を貫通する貫通孔を通じて接続された多層回路基板
の配線層間接続構造において、貫通孔5は、略直線状の
縁を有するともに、該縁部には孔外部から孔内方へ向け
次第に絶縁体の厚みが減少するような斜面6が形成され
ているものであり、絶縁体1の一方の面Aに設けられ斜
面6を下って貫通孔5内に延設された複数の配線2と、
絶縁体1の他方の面Bに設けられ貫通孔5内に延設され
た複数の配線3とが互いに接続されている。 【効果】 安価な製造コストにより、100μm以下、
50μm程度にまで配線ピッチを微細化することが可能
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多層回路基板の配線層
間の接続構造、並びに該接続構造の形成方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、テープキャリアや可撓性回路基板
などの回路基板においては、部品実装密度を上げるため
に多層にし、さらに配線間のピッチを細かくしたファイ
ンパターンが採用されている。
【0003】近年半導体デバイスチップの高集積度化の
傾向は著しく、それに従って入出力ピンの多数化が進
み、現在ではピン間ピッチが100μm以下の半導体デ
バイスチップも実用の段階に入っており、テープキャリ
アや可撓性回路基板配線間のピッチも100μm以下に
することが望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
両面以上の多層のテープキャリアや可撓性回路基板にお
ける配線間隔は、200〜300μmピッチが限界であ
った。すなわち、かかる多層のテープキャリアや可撓性
回路基板においては、絶縁体の上下の金属配線の接続
は、スルーホールを通じてなされているが、複数組のフ
ァインピッチの金属配線を上下層で接続する場合、現
在、安価に作製できるスルーホール最小径は、100μ
m程度であり、スルーホール周縁部(いわゆるランド)
を含めると200μmに達するからである。このよう
に、スルーホールを有する金属配線のピッチは200μ
mを優に越えてしまい、従来においてはこれ以上の金属
配線の微細化は達成できなかった。
【0005】本発明は、かかる問題を解決するもので、
従来のスルーホール方式に取って代わる新しい配線の層
間接続構造を提供することにより、多層回路基板の金属
配線の更なる微細化を図ることを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成すべく、
本願の請求項1の発明は、絶縁体を介して設けられた配
線相互が、該絶縁体を貫通する貫通孔を通じて接続され
た多層回路基板の配線層間接続構造において、前記貫通
孔の縁部には孔外部から孔内方へ向け次第に絶縁体の厚
みが減少するような斜面が形成されており、前記絶縁体
の一方の面に設けられ前記斜面を下って貫通孔内に延設
された複数の配線と、前記絶縁体の他方の面に設けられ
貫通孔内に延設された複数の配線とが互いに接続されて
いることを特徴とする多層回路基板の配線層間接続構造
に係るものである。
【0007】請求項2の発明は、前記請求項1の発明に
おいて、前記貫通孔を閉じるように前記配線の接続部に
重なる底板状絶縁層が設けられたことを特徴とするもの
で、前記斜面は貫通孔の両岸にそれぞれ形成されていて
も良いし、全内周縁に形成されていても良いし、或いは
一部のみでも良い。
【0008】また、前記絶縁体の他方の面に設けられた
配線が、該絶縁体の他方の面に沿って水平に貫通孔を横
断するように形成され、前記絶縁体の一方の面に設けら
れた配線と、前記絶縁体の他方の面に設けられた配線と
が、前記貫通孔を横断する部分により互いに接続されて
も良い。また、当然のことながら、前記貫通孔の一方の
岸と他方の岸とでそれぞれ独立に前記絶縁体の一方の面
に設けられた配線と他方の面に設けられた配線とが接続
されていても良い。
【0009】請求項3の発明は、前記請求項1の発明に
おいて、前記貫通孔の縁部においてそれぞれ独立に前記
絶縁体の一方の面に設けられた配線と他方の面に設けら
れた配線とが接続され、前記貫通孔周辺又は貫通孔内の
配線に電子部品の外部端子を接続することにより該電子
部品を搭載したことを特徴とする多層回路基板の配線層
間接続構造に係るものである。
【0010】請求項4の発明は、前記請求項1乃至3の
いずれか一項の発明において、前記絶縁体を、ポリイミ
ドにより構成し、前記斜面を有する貫通孔を、水酸化カ
リウムを含む溶液でエッチングすることにより形成する
ことを特徴とする多層回路基板の配線層間接続構造の形
成方法に係るものである。
【0011】請求項5の発明は、前記請求項4の発明に
おいて、前記エッチングを行うためのレジストとして有
機材料を主体とする材料を用いることを特徴とする多層
回路基板の配線間接続構造の形成方法に係るものであ
る。
【0012】
【作用】本発明においては、絶縁体を介して設けられた
配線同士を接続するための貫通孔の縁部に孔外部から孔
内方へ向け次第に絶縁体の厚みが減少するような斜面が
形成されており、絶縁体の一方の面に設けられ前記斜面
を下って貫通孔内に延設された複数の配線と、絶縁体の
他方の面に設けられ貫通孔内に延設された複数の配線と
が互いに接続されている。以下、本明細書において、該
斜面を有する貫通孔を含めて「スルーチャンネル」と称
する。
【0013】前述のように従来の配線層間の接続構造で
は、配線間の接続を行うために配線の一本毎にスルーホ
ールを設けており、該スルーホール部の専有面積の大き
さからファインピッチの配線構造が実現できなかった
が、本発明では、前記のようなスルーチャンネルを通じ
て一括して複数の配線を層間接続するため、層間接続部
においても他の基板上と同様の配線ピッチを維持するこ
とができ、したがって従来より格段に細密な配線構造を
実現することが可能となる。
【0014】請求項2の接続構造によれば、スルーチャ
ンネル内に突出した接続部が底板状絶縁層によって補強
されるので、接続部が損傷を受けにくく、取り扱い易い
回路基板となる利点がある。
【0015】請求項3の接続構造によれば、半導体デバ
イスチップ等の電子部品の搭載に際し、電子部品を他方
の層の回路配線に伝えるとき、短距離の配線長が実現で
き、従来手法のスルーホールが、電子部品の外部端子よ
り、スルーホールまでの配線長が長いため、伝達される
べき信号が遅延したり、混信したりしていた問題を解消
でき、高速信号の伝達に適する。
【0016】また、半導体デバイスチップ等の電子部品
を請求項3の接続構造の突出した接続部に搭載すると
き、本接続部がTABテープキャリアで言われるところ
のインナーリードとして働き、インナーリードボンダー
により接続が行える。このとき接続部の配線厚みが両配
線層を合せたものであるため、たとえファインパターン
になり、配線幅、厚が薄くなっても、接合に耐えて、切
断、変形が生じないようにインナーリードの強度を確保
できる。
【0017】また、半導体デバイスチップ等の電子部品
を請求項3の接続構造の貫通孔周辺の配線部に搭載する
ことができる。このとき、搭載面の反対側の面の配線部
をインナーリードボンダーにて加圧加熱し、この配線部
に与えられた熱が請求項3の接続構造を形成する配線及
び接続部を経て、電子部品の搭載が行われる配線部に至
って、電子部品の外部端子と配線部の接合時の熱を供給
する通路となる。これにより、突出した接続部で電子部
品を接続する必要がなく、突出部であるインナーリード
の強度の問題から解放される。
【0018】これら請求項3の接続構造は、勿論一方の
面の配線を接続構造域外で寸断して単に上記の電子部品
の搭載に利用することもでき、ファインピッチ時のTA
Bテープキャリアのインナーリードの強度の問題を解決
させることに利用できる。
【0019】請求項4の接続構造の形成方法では、スル
ーチャンネルのエッチングを水酸化カリウム溶液を用
い、請求項5の接続構造の形成方法では、同エッチング
時のレジストに有機材料を主体としたものを用いたの
で、穏やかな斜面を有するスルーチャンネルを形成でき
る。したがって、これらの形成方法によれば、スルーチ
ャンネルの斜面に確実に複数の配線を形成でき、本発明
のスルーチャンネルを介した接続構造を歩留り良く形成
できる。
【0020】
【実施例】以下、実施例を通じて本発明をさらに詳しく
説明する。図1は本発明の一実施例に係る多層回路基板
の配線層間接続構造の構成を模式的に示す斜視図であ
り、図2は図1の接続構造を裏面側から見た斜視図であ
る。
【0021】これらの図に示すように、本実施例に係る
多層回路基板の配線層間接続構造では、絶縁体1の一方
の面に配された複数組の金属配線2が、絶縁体1に設け
られた横に長細く且つ緩やかな傾斜の斜面がある構造の
貫通孔5(スルーチャンネル)の斜面6を下って、他面
側の開口7に至り、該他面側の開口7にて絶縁体1の他
方の面に配された一対一に対応する複数の金属配線3と
一体化され、これらの金属配線2,3が接続されるもの
である。
【0022】前記スルーチャンネル5の製造方法は、具
体的に特に限定されるものではないが、例えば、次のよ
うな方法により製造できる。
【0023】すなわち、厚さ10〜200μmの可撓性
フィルム部材の両方の面にスパッタ蒸着法により厚さ
0.1〜1μmの金属皮膜を形成する。このとき、金属
皮膜が銅であれば、可撓性フィルム部材と金属皮膜の密
着性を高めるために、5〜30nmのクロムやニッケル
等のアンカー層をスパッタ蒸着法にて可撓性フィルムと
金属皮膜の間に挿入することが望ましい。そして、必要
に応じてさらに銅メッキを施し、1〜35μmの銅を主
体とした金属箔層とする。
【0024】その後、この金属箔層の一方の面(以下、
この面を「A面」、他方の面を「B面」と称する。)に
スクリーン印刷や、感光性レジスト等によりリソグラフ
ィにてエッチングを施して、いわゆるスルーチャンネル
を設けるべきところの金属箔層を除去する。
【0025】この除去部の形状は、不必要な面積を占有
しないこと、除去部が構造上弱い欠点であることによ
り、幅が0.2〜5mmであることが望ましい。また除
去部の長さは接続されるべき金属配線群の幅に少し余裕
を持たせた値である。しかし、かかる除去部の幅は、必
須の条件でなく、除去部の幅が広くなり、正方形のなど
の四辺形の孔になってもかまわない。なお、除去部は直
線で構成されることが望ましいが、曲率半径の大きい曲
線で構成することもできる。
【0026】次いで、可撓性フィルムに対して上記の金
属箔層の除去された部分についてエッチングを施し、緩
やかな斜面を有する貫通孔を形成する。なお、この貫通
孔の緩やかな斜面は貫通孔一部の壁面にだけ設けてもよ
い。つまり、斜面が一部にあれば、一部の金属配線群の
接続ができる。この意味で、後に述べる図3、図4、及
び図7に示した例のように、スルーチャンネルの両岸の
斜面を独立の二組の金属配線群の接続に使用できる。ま
た、スルーチャンネルは、長細い形状であると述べた
が、正方形や長方形などの四辺形にすることにより四辺
の斜面により独立の四組の金属配線群の接続が可能とな
る。
【0027】このエッチングのときに、残りの金属箔層
は、ポリイミドのエッチングマスクとして使われている
が、この厚みが十分でないと、金属箔層のピンホール等
にてポリイミドにも貫通孔が生じ好ましくない。一般的
には、金属箔層の厚さは、5μm以上であることが望ま
しい。
【0028】ここで、高分子材料からなる可撓性フィル
ム部材をエッチングする方法としては、例えば、プラズ
マエッチング、エキシマレーザ照射エッチング等のドラ
イエッチング法を用いる。また、可撓性フィルム部材が
ポリイミドフィルムである場合には、ヒドラジンとエチ
レンジアミンの混合水溶液、水酸化カリウム等のアルカ
リ性薬品と、水単独、またはエタノール等の有機溶剤と
の混合水溶液を用いたウエットエッチングを用いること
ができる。
【0029】しかし、前記スルーチャンネルの斜面は緩
やかであることが金属配線を形成するために必要である
ので、ドライエッチング法のエキシマレーザ照射エッチ
ングでは微細な階段状にエッチング深さを調整し、ま
た、プラズマエッチングでは、当てるプラズマ濃度に傾
斜を持たせて斜面を形成させる必要がある。
【0030】一方、ウエットエッチングでは、エッチン
グ液としてポリイミド分解物に対して、良溶媒、界面活
性剤を含んだエッチング液より貧溶媒で構成されるエッ
チング液の方が斜面の傾斜が緩やかとなる。これは、ポ
リイミドにエッチングを施したとき、エッチングが摺鉢
状に進み、底に近づくと、ポリイミド分解物が停滞し
て、エッチングを阻害するが、停滞しているポリイミド
分解物がこの分解物の良溶媒、界面活性剤により取り除
かれると、摺鉢状より井戸状になり、斜面の傾斜が急な
ものとなるためである。従って、斜面の傾斜を緩やかに
するためには、貧溶媒で構成されるエッチング溶液が好
ましい。
【0031】しかしながら、エッチング速度はこの逆で
あるので、良溶媒濃度、界面活性剤濃度に適切な範囲が
ある。つまり、ヒドラジンとエチレンジアミンの混合水
溶液よりも、水酸化カリウム等のアルカリ性薬品とエタ
ノール若しくはプロパノールとの混合水溶液の方が好ま
しい。後者の混合水溶液では、アルコール成分20%以
下の溶剤比が好ましく、水単独が最も好ましい。
【0032】このときの斜面の傾斜角度は、ヒドラジン
とエチレンジアミンの混合水溶液では50°であり、水
酸化カリウムのエタノール20%と水80%の混合溶液
では50°であり、水酸化カリウム水溶液では45°で
あった。但し、水酸化カリウムのエタノール20%と水
80%の混合溶液では、一部傾斜面にソルベントクレー
ジング的な亀裂が見受けられた。
【0033】また、以上の説明では、ポリイミドのエッ
チングマスクとして金属層を用いることとしたが、有機
材料のレジスト層をマスクとして用いれば、サイドエッ
チングを生じさせ、緩やかな斜面を形成することができ
る。つまり、アスファルトピッチ系、コールタール系、
環化ゴム系等の有機材料のレジストをスクリーン印刷や
フォトリソグラフィにて形成した場合に、レジストと、
それが塗布されているポリイミドとの界面にエッチング
液が時間とともに浸透し、マスク機能を低下させるの
で、サイドエッチングとなり、緩やかな傾斜が形成され
る。
【0034】このように有機材料製レジスト層からなる
マスクを用いるときには、上述のスルーチャンネル部の
ためのA面の金属箔層の除去は、スルーチャンネルの予
定部より少し外周に広い領域を行い、そのスルーチャン
ネルの予定部と金属箔層間の領域に上記のレジストを施
す。例えば、アスファルトピッチ系レジストを用いたと
きの斜面の傾斜角度は、12°であった。
【0035】この傾斜角度の12°の斜面は後工程のリ
ソグラフィで金属配線パターンを形成するとき、水平面
のリソグラフィとほぼ同等に取り扱え、金属配線パター
ンの形成加工が容易である。この意味で斜面の傾斜角度
は、30°以下が望ましい。斜面の傾斜がそれ以上な
ら、斜面に配線パターンを形成するためには、レジスト
のレーザ、エレクトロンビーム等による直接描画方法等
の特別な金属配線パターン形成加工が必要である。
【0036】次いで、スルーチャンネルチャンネル部の
金属配線層を形成する。先ず、スルーチャンネルの斜面
部のポリイミド上に金属箔層を次のような二つの方法う
ちのいずれか一方の方法で設け、この金属箔層によりA
面金属箔層とB面金属箔層を電気的に接続させる。
【0037】すなわち、第1の方法としては、傾斜部の
ポリイミド上にA面金属箔層とスルーチャンネルの一方
の開口を閉じているB面金属箔層の裏面とを電気的に接
続する金属箔層を形成するため、A面金属箔層及びB面
金属箔層の裏面の全部若しくは一部に積層させて金属メ
ッキを行う。
【0038】また、第2の方法としては、A面金属箔層
の一部若しくは全部とスルーチャンネルの一方の開口を
閉じているB面金属箔層の一部若しくは全部をエッチン
グ等で除去し、少なくともスルーチャンネルの周辺部分
のポリイミドを裸にさせ、ポリイミドの楔状の縁部を露
出させる。
【0039】そしてこの裸にされたポリイミド上に、A
面金属箔層とB面金属箔層に電気的に接続させるように
金属箔層をメッキにより設ける。このとき、前記のA面
若しくはB面の金属箔層に施したエッチングが一部であ
るとき、これらの面の金属箔層は残存するので、電気的
接続のために、前記第1の方法と同様に、残存する金属
箔層に積層させて金属メッキを行う。また、A面とB面
の金属箔層の全部にエッチングをした場合には、ポリイ
ミドの両面の全域に金属箔層を形成する。
【0040】尚、前記第1及び第2の方法でスルーチャ
ンネルの斜面部のポリイミド上に金属箔層を設ける場合
には、スパッタ、蒸着等のドライメッキ、若しくは無電
解メッキ、導伝性ポリマー層を設けて、それに金属メッ
キを施す方法が利用できる。このメッキによる前記金属
箔層の積層のため、積層されるA面金属箔層及びスルー
チャンネル底部の金属箔層は、表面を清楚にしなければ
ならず、酸化皮膜等を除去する必要がある。
【0041】無電解メッキ等のウエットメッキでは酸洗
等でこの酸化皮膜を除去できるが、ドライメッキでは、
プラズマアッシング等のドライプロセスで除去しなけれ
ばならない。このとき、金メッキ等の酸化皮膜を作らな
い貴金属メッキを施せば、かかる酸化皮膜の除去処理を
省くことができる。
【0042】また、導電性ポリマー層を設け、それに金
属メッキを施す方法でも、金属箔層を設けることができ
る。この場合、国際公開番号WO89/08375号、
特公平4−507480号に開示されているように、ピ
ロール等のモノマーを酸化剤で重合し、絶縁体に導電性
ポリマー溶液を塗布する方法が利用できる。また、導電
性ポリマー上に金属メッキを施す方法としては、電解メ
ッキ、無電解メッキ、また、特開平3−83395号に
開示されているようなパラジウム、銀等の貴金属の自然
メッキに電解メッキ、無電解メッキを組み合わせた方法
を利用することができる。
【0043】次に、リソグラフィにて、A、B両面をサ
ブストラクト法により金属箔層をエッチングするか、ア
ディディブ法で金属メッキを施し、金属配線パターンを
形成する。A面側のリソグラフィには、スルーチャンネ
ルの傾斜部に対するリソグラフィと、B面金属箔層の裏
面に対するリソグラフィとが含まれる。
【0044】ここで、リソグラフィにより形成できる金
属配線パターンは、図1乃至図2のように金属配線
2,3が架設されているもの、図3のように金属配線
2,3の先端が突設されているもの、図4のように金
属配線2,3の端部が開口の端部際でのみ連結されてい
るもの、の三態様があるが、A面金属箔層とB面金属箔
層を電気的に接続させるためにスルーチャンネルの斜面
部のポリイミド上に金属箔層を形成する前記二つの方法
うちの第1の方法を用いれば、(図1、図2)又は
(図3)の接続構造を形成することができ、一方、前記
二つの方法のうちの第2の方法を用いれば、(図4)
の接続構造を形成することができる。
【0045】なお、図3の接続構造は、図1乃至図2の
構造と異なり、スルーチャンネルの端部にてA面とB面
の複数組の金属配線が、接続されて一体化された後、該
開口部の途中まで伸びて途切れたものであり、また、図
4の接続構造は、リソグラフィ以前にA面とB面の金属
箔層がスルーチャンネルで回り込んで一体化されている
もので、これらの構造によれば、溝の両岸で別々の独立
した接続を行うことができ、このため接続密度を向上さ
せることができる。
【0046】また、前述の導電性ポリマーによる方法で
は、以下のように、導電性ポリマーに局部的にメッキを
施すことによっても金属配線パターンが形成できる。す
なわち、スルーチャンネルの斜面部のポリイミド上に導
電性ポリマー層を設けた後、配線回路の絶縁部に相当す
る場所について、リソグラフィにてレジスト層を設ける
か、若しくは導電性ポリマーの除去、破壊、失効の処理
により導電性を局部的に喪失させる。そして、アディデ
ィブ法で金属メッキを施し、金属パターンを形成する。
【0047】なお、前記のように導電性の喪失処理は、
所望の場所のみを局所的に処理するいわゆる直接描画方
式と、所望の場所以外をレジストによりマスクするマス
ク方式とが取り得る。直接描画方式では、エキシマレー
ザ、X線、電子線、中性子線などの、導電性ポリマーに
化学変化を及ぼす放射線を用いる。
【0048】例えば、エキシマレーザでは、照射量が多
い場合には導電性ポリマーを揮発させることができ、照
射量が少ない場合にも導電性ポリマーを破壊することが
できる。また、炭酸ガスレーザを用いた場合には、照射
量が多い場合には導電性ポリマーを焼失させ、照射量が
少ない場合にも導電性ポリマーにドーピングされている
ドーパントを揮発させて導電性を消失させることができ
る。なお、揮発されたドーパントを再ドーピングすれ
ば、導電性を回復させることもできる。この直接描画法
では、前記スルーチャンネルの傾斜部の角度が比較的大
きくても描画が可能であり、傾斜角度が50°でも導電
性ポリマーに配線パターンを描くことができる。
【0049】一方、レジストによるマスク方式は、導電
性ポリマーの除去、破壊、若しくは導電性の消失処理が
全域的にしかできない場合に有効である。すなわち、こ
の処理は、プラズマアッシング等のドライの除去プロセ
ス、溶剤による導電性ポリマーの溶解除去、導電性ポリ
マーが付着している絶縁材料基板の表面部ごとのエッチ
ングによる除去が適用できる。
【0050】溶剤除去のための溶剤は、導電性ポリマー
の種類により様々なものが考えられるが、例えば、特開
昭61−206106号に記載されているフェニルアセ
トン等のケトン類、テトラヒドロフラン等のエーテル
類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、アセトニトリ
ル等のニトリル類、プロピレンカーボネート等のカーボ
ネート類、ジクロロベンゼン等のハロゲン類、N−メチ
ルピロリドン等のラクタム類、ピロール、フラン等の複
素環式化合物等を用いる。
【0051】このとき、溶剤が、ジエチレングリコー
ル、メチルセルソルブ、N−メチルピロリドン等の低引
火性の水溶性系のものであれば、水洗等の処理が容易で
好ましい。また、導電性ポリマーにドーピングされてい
るドーパントの脱ドーピングによる導電性の消失方法と
しては、アルカリ性の溶液に浸漬する方法、放電、脱ド
ープ電位の加電等による電気化学的方法等がある。
【0052】また、この脱ドーピング方法は、先ず最初
に全域を脱ドーピングし、その後、導電性を消失しなけ
ればならない場所のみ、レジストにてマスクを施し、そ
の他の領域に再ドーピングを施すことによっても行うこ
とができる。このとき、脱ドーピングは、前述の方法以
外にも例えば加熱によっても可能であり、例えば、17
0°にて10分で脱ドーピングを行うことが可能であ
る。
【0053】また、再ドーピングは、特開平1−331
40号に記載されているような電子受容体、電子供給体
であるハロゲン化合物、ルイス酸、プロトン酸、遷移金
属化合物等のドーパントを導電性ポリマーに浸漬法等に
てドーピングさせて導電性を回復させるものである。
【0054】以上のリソグラフィにより金属配線を形成
するときに使用するレジストとしては、ポジティブタイ
プとネガティブタイプの双方が使用できるが、スルーチ
ャンネルに均一の膜厚にレジストを塗布することが重要
である。
【0055】ここで、ロールコーターでは、均一性に問
題がある。ディップコーターでも均一性に若干の問題が
あり、ファインパターン用には適さない。ダイコーター
は比較的良好であるが、レジストの乾燥により流動して
不均一になるので、流動しにくいレジストが必要であ
る。スプレーコーターもダイコーターと同様の流動の問
題があるが、例えば、ノードソン株式会社のエアロコー
トシステムのように、レジストの微粒子をスプレーし、
スプレー途中の霧が乾燥して基材に付着する方法であれ
ば良好に塗布できる。
【0056】また、電着レジストを用いれば、最も簡単
に良好なレジスト層を形成できる。また、露光装置とし
ては、焦点深度の深いものが好ましく、平行光投影タイ
プのものが望ましい。
【0057】以上のリソグラフィによりスルーチャンネ
ル部とA、B両面の金属箔層をサブストラクト法にてエ
ッチングし、金属配線パターンを形成するときに、スル
ーチャンネルの斜面部と、底部と、B面金属箔層と、ス
ルーチャンネル部以外のA面金属箔層のそれぞれの肉厚
が異なると高繊細なパターンの形成が困難になる。
【0058】これを解決するには、スルーチャンネル部
の金属メッキを施す前のA面金属箔層厚を、1μm程度
の十分薄いものにし、10μm程度の金属メッキをA面
側からA面金属箔層とスルーチャンネル部とに施すとよ
く、これによりスルーチャンネル部の底部を除き、金属
箔層厚をほぼ同じにすることができる。
【0059】ただし、前述の底部は、B面金属箔層の裏
面上に前記10μm程度の金属メッキを施した構造とな
るため、肉厚がほぼ2倍となることは避けられない。こ
のため、リソグラフィにおけるエッチング時に、前記底
部の両側からエッチングを施し、互いの片側のエッチン
グ時間を前記底部以外の場所であるスルーチャンネル部
の斜面部及びA面若しくはB面の金属箔層と同一とし
て、エッチングの均一化を図る必要がある。
【0060】しかし、それでもなお、前述の底部のエッ
チングは、オーバーエッチングとなってしまう。すなわ
ち、例えばA面側から底部にエッチングを施した場合に
は、金属配線を確実に形成するためには、若干オーバー
ぎみにエッチングを施す必要があるが、これによりB面
の金属箔層側にエッチングが食い込み、次にB面の金属
箔層にB面側からエッチングを施す場合に、前記底部は
オーバーエッチングとなってしまい、金属配線の幅が異
常に細いものとなってしまうのである。
【0061】この問題の解決のためには、底部のB面金
属箔層とその裏面上に施された金属メッキ層の間に、こ
れら両層に施すエッチング液に侵食されない金属を挿入
した構造とすればよい。このような構造、例えばB面金
属箔層とその裏面に施された金属メッキ層を銅層しその
間に銅エッチング液で侵されない金属の層を設けた構造
とすれば、このいずれかの層をエッチングで除去すると
き、銅層が除去された後、銅層のエッチング液に侵され
ない金属層が出現し、それ以上はエッチングが進行しな
い。
【0062】この銅のエッチング液に侵食されない金属
としては、金、クローム、チタン等が挙げられるが、エ
ッチング液に硝酸第2鉄などを用いる場合には、該液に
より腐食されない、ニッケル、ニッケルクロム合金、ス
テンレスを用いることもできる。そして、これら銅のエ
ッチング液に侵食されない金属は、電解メッキや、無電
解メッキ、蒸着などにより形成することができるが、予
め可撓性フィルム部材にスパッタ蒸着法により金属皮膜
を形成することもできる。
【0063】すなわち、前述した両面金属箔付き可撓性
フィルムを作製するときに密着性を高くするために設け
ているアンカー層に、前記のようなエッチング液に侵さ
れない金属を選択すればよい。
【0064】なお、エッチング液に侵されない金属層に
クロムやチタンなどの酸化皮膜を作る金属を選択した場
合には、該金属層と、該金属層上に施される金属メッキ
との間の接合が不十分となり、信頼性に問題が生じるこ
とを防ぐために、十分に酸化皮膜を除去することが望ま
しい。
【0065】次に、必要に応じて、図5乃至図6に示す
ように、スルーチャンネルを閉止するように底板状絶縁
層を設ける。これは、前記のように、スルーチャンネル
は、底部が開口孔となっており、この開口孔に金属配線
が、架設されているか(図1、図2)、或いは突設され
ている(図3、図4)ため、構造上弱く、これを補強す
ることが望ましいからである。
【0066】この底板状絶縁層としては、カバーレイフ
ィルムを用いれば、金属配線を形成後に行える。また、
ソルダーレジスト等をスクリーン印刷等により塗布する
場合には、A面若しくはB面の一方の面をリソグラフィ
により金属配線を形成した後に、その面に絶縁層を形成
し、その後、他方の面についてリソグラフィにより金属
配線を形成し、スルーチャンネルの作製を完了する。
【0067】(他の例)図7に示すように、スルーチャ
ンネルを四辺形のものとし、この四辺形の各辺に斜面部
を形成し、該各辺で層間接続を行うものとしてもよい。
このように構成することにより、この四辺に形成された
斜面部に至る手前に形成された複数組の金属配線か、該
斜面部の手前の裏面の金属配線か、或いは、斜面部先端
から貫通孔内に突き出すように形成された金属配線の表
側若しくは裏側に、半導体デバイスチップの外部端子を
接続することにより、TABテープキャリアと同様に、
該半導体デバイスチップを搭載することもできる。
【0068】これにより、いわゆる両面TABと称され
るテープキャリアに適応できる。すなわち、両面TAB
においても、従来はスルーホールにより接続していたの
を、本発明のスルーチャンネルを採用することができ、
ファインピッチを実現することができる。また、前記の
半導体デバイスチップを搭載させることができる機能
は、いわゆるチップ・オン・フィルムと称される半導体
デバイスチップを回路基板に直付けした基板に適用でき
るものである。
【0069】なお、図8及び図9は、前記図7に示すよ
うに四辺形のスルーチャンネルによる接続構造を用いた
場合の基板の両面をそれぞれを示す平面図であるが、こ
れらの図に示した点X及び点Yは、これらの点同士が表
裏関係にあることを示すものである。
【0070】以上のような本実施例の多層回路基板の配
線層間接続構造によれば、スルーホールを用いていた従
来の接続構造に比べ、格段に微細な配線ピッチを実現す
ることができる。すなわち、従来においては200μm
程度が限界であったのに対して、本接続構造によれば、
100μm以下、50μm程度にまで配線ピッチを微細
化することが可能である。然も該金属配線の微細化は、
安価な製造コストにより達成することができる。
【0071】(第1の製造例)以下、さらに、本発明者
が実際に行った具体例について説明する。第1に、本発
明者は、次のようにして前記図1乃至図2に示す接続構
造を形成した。すなわち、先ず、ポリイミドフィルム
(東レ・デュポン社製のカプトンKB)50μm上にア
ルゴンプラズマ処理を施した後、ニッケルをターゲッ
ト、アルゴンをキャリアガスとして、スパッタ法により
ニッケル層を10nmの厚さにて設け、その後、銅をタ
ーゲット、アルゴンをキャリアガスとして、スパッタ法
により1μm厚の銅層を形成した。
【0072】その後、フォトリソグラフィにてレジスト
層を形成し、塩化第二鉄水溶液を用いて一方の面(A
面)の銅箔層にエッチングを施し、スルーチャンネル部
に対応する場所で幅4mm、長さ14mmの長方形部分
の銅層を除去した。その後、スクリーン印刷によりアス
ファルトピッチ系レジスト(太陽インキ製造社製KB2
4)を、前記長方形の1mm内周で囲われた部分(幅2
mm、長さ12mmの長方形)を除き、A面全域に塗布
した。また、同じレジストをB面全域にも塗布した。
【0073】その後、これを15規定の水酸化カリウム
水溶液中に50℃にて12分間浸漬した後、水洗し、1
0%の硫酸水溶液に20℃で1分間浸漬した。このレジ
ストを剥離した後、アルキルベンゼンスルフォン酸ソー
ダ等のアニオン系界面活性剤にピロ亜硫酸ソーダを添加
した界面活性剤水溶液を主体とする脱脂液(シップレイ
社製ニュトラクリーン68)に50℃にて3分間浸漬し
た。
【0074】以上の処理にて、前記レジストに被われて
いない長方形部分のポリイミドに貫通孔が形成された。
このとき、エッチングで生じた孔状の長方形の寸法は、
サイドエッチングのため、斜面が始まる点ではレジスト
塗布点より、300μm後退して拡大されており、その
点から斜面が250μm長に亙って、長方形の四辺に形
成されていた。
【0075】その後、50g/lの過マンガン酸カリウ
ムと40g/lの水酸化カリウムを含む液に90℃で3
分間浸漬し、水洗し、次いで20%のピロールと20%
イソプロパノールの水溶液に20℃にて1分間浸漬し、
次いで10ml/lの硫酸と10g/lのペルオキソニ
硫酸ソーダの水溶液に20℃にて1分間浸漬し、黒褐色
のプロピロールをスルーチャンネル部であるエッチング
で生じた溝状の長方形の斜面及びその近傍のポリイミド
上に形成した。そして水洗し、自然乾燥を行った。
【0076】しかる後、電解メッキを1規定硫酸を含む
硫酸銅浴にて3A/dm2 の電流密度にて行い、15μ
mの銅をスルーチャンネル部及び両面の銅箔の全面に積
層した。これにより、スルーチャンネル部のポリイミド
上の銅箔の厚みは15μmとなり、A、B両面の銅箔の
厚みは、ともに16μmとなり、スルーチャンネル部の
底をなしている部分のB面銅箔層にはニッケル層上から
もメッキが行われ、A面とB面の銅箔が一体化され31
μmとなった。
【0077】その後、A面及びB面に電着レジスト(日
本ペイント社製フォトED P−1000)をスルーチ
ャンネル部を含む全域について塗布した。そして、B面
のレジストには、図2に示すような配線パターン3を1
00μmピッチで形成し、硫酸第二鉄でエッチングを施
した。この結果、スルーチャンネル部以外のB面銅箔は
配線回路が形成され、スルーチャンネルの底部は、A面
とB面の銅箔が一体化されているが、このうちB面銅箔
のみがエッチングされてニッケル面より以降のA面銅箔
が残存していた。
【0078】その後、B面側からスルーチャンネル部を
閉じるようにスクリーン印刷でポリイミド系のインク
(東芝ケミカル製ケミタイトCT4112)を塗布し、
図5および図6に示すように、15μm厚の底板状絶縁
層8を形成した。然る後、A面及びB面に電着レジスト
(日本ペイント社製フォトED P−1000)をスル
ーチャンネル部を含む全域について塗布した。そして、
A面のレジストには図1に示すような配線パターン2を
100μmピッチで形成し、塩化第二鉄でエッチングを
施した。
【0079】この結果、スルーチャンネル部以外のA面
銅箔及びスルーチャンネルの斜面部は配線回路が形成さ
れ、スルーチャンネルの底部は、A面とB面の銅箔が一
体化されており、B面の銅箔は既に配線パターンが形成
されているが、A面銅箔にもエッチングが施されて配線
パターンが形成され、A面とB面の一体化された銅箔に
配線回路が形成された。
【0080】そして、これを15規定の水酸化カリウム
水溶液中に50℃にて2分間浸漬した後、水洗し、10
%の硫酸水溶液に20℃で1分間浸漬し、スルーチャン
ネルの斜面及びその近傍のポリイミド上に残存するポリ
ピロールを除去した。
【0081】以上により、図1乃至図2に示す100μ
mピッチの配線層間接続構造を形成することができた。
【0082】(第2の製造例)第2に、本発明者は、次
のようにして前記図4に示す接続構造を形成した。すな
わち、先ず、ポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製
のカプトンKB)50μm上にアルゴンプラズマ処理を
施した後、銅をターゲット、アルゴンをキャリアガスと
してスパッタ法により1μm厚の銅層を形成した。
【0083】その後、フォトリソグラフィによりレジス
ト層を形成し、塩化第二鉄水溶液を用いて一方の面(A
面)の銅箔層にエッチングを施し、スルーチャンネル部
に対応する場所で幅4mm、長さ14mmの長方形部分
の銅層を除去した。そして、スクリーン印刷によりアス
ファルトピッチ系レジスト(太陽インキ製造社製KB2
4)を、前記長方形の1mm内周で囲われた部分(幅2
mm、長さ12mmの長方形)を除き、A面全域に塗布
した。また、同じレジストをB面全域にも塗布した。
【0084】その後、これを15規定の水酸化カリウム
水溶液中に50℃にて12分間浸漬した後、水洗し、1
0%の硫酸水溶液に20℃で1分間浸漬した。このレジ
ストを剥離した後、アルキルベンゼンスルフォン酸ソー
ダ等のアニオン系界面活性剤にピロ亜硫酸ソーダを添加
した界面活性剤水溶液を主体とする脱脂液(シップレイ
社製ニュトラクリーン68)に50℃にて3分間浸漬し
た。
【0085】以上の処理にて、前記レジストに被われて
いない長方形部分のポリイミドに貫通孔が形成された。
このとき、エッチングで生じた貫通孔の長方形の寸法
は、サイドエッチングのため、斜面が始まる点ではレジ
スト塗布点より、300μm後退して拡大されており、
その点から斜面が250μm長に亙って、長方形の四辺
に形成されていた。
【0086】その後、A、B両面の銅箔をエッチングで
除去し、スルーチャンネルが形成されたポリイミドフィ
ルムが作製された。
【0087】そして、ポリイミドフィルム(東レ・デュ
ポン社製のカプトンKB)50μm上にアルゴンプラズ
マ処理を施した後、銅層を、銅をターゲット、アルゴン
をキャリアガスとしてスパッタ法により1μm厚の銅層
を形成した後、この銅層を電解銅メッキにより15μm
厚まで積み上げた。
【0088】然る後、A面及びB面に電着レジスト(日
本ペイント社製フォトED P−1000)をスルーチ
ャンネルを含む全域について塗布した。そして、A面及
びB面のレジストに図4に示すような配線パターン2,
3を100μmピッチで形成し、A及びB両面同時にエ
ッチングを施した。
【0089】この結果、スルーチャンネル以外のA、B
面銅箔、スルーチャンネルの斜面部には、配線回路が形
成され、図4に示すようにスルーチャンネルの周縁の先
端でA面とB面の銅箔が連結されていた。この連結部の
配線パターンも良好に形成できた。
【0090】そして、スルーチャンネルを閉じるように
さらにポリイミド系のカバーレイフィルム(住友ベーク
ライト社製スミキャスト)を付着させた。
【0091】以上により、図4に示す100μmピッチ
の配線層間接続構造を形成することができた。
【0092】(第3の製造例)第3に、本発明者は、次
のようにして前記図7乃至図9に示す接続構造を形成し
た。すなわち、先ず、ポリイミドフィルム(東レ・デュ
ポン社製のカプトンKB)50μm上にアルゴンプラズ
マ処理を施した後、ニッケル層を、ニッケルをターゲッ
ト、アルゴンをキャリアガスとしてスパッタ法により1
0nmの厚さにて設け、その後銅層をアルゴンをキャリ
アガスとしてスパッタにより1μm厚の銅層を形成し
た。
【0093】その後、フォトリソグラフィにてレジスト
層を形成し、塩化第二鉄水溶液を用いて一方の面(A
面)の銅箔層にエッチングを施し、スルーチャンネル部
に対応する場所で7mm角の銅層を正方形状に除去し
た。その後、スクリーン印刷によりアスファルトピッチ
系レジスト(太陽インキ製造社製KB24)を、前記正
方形の1mm内周で囲われた部分(5mm角の正方形)
を除き、A面全域に塗布した。また、同じレジストをB
面全域にも塗布した。
【0094】その後、これを15規定の水酸化カリウム
水溶液中に50℃にて12分間浸漬した後、水洗し、1
0%の硫酸水溶液に20℃で1分間浸漬した。このレジ
ストを剥離した後、アルキルベンゼンスルフォン酸ソー
ダ等のアニオン系界面活性剤にピロ亜硫酸ソーダを添加
した界面活性剤水溶液を主体とする脱脂液(シップレイ
社製ニュトラクリーン68)に50℃にて3分間浸漬し
た。
【0095】以上の処理にて、前記レジストに被われて
いない正方形部分のポリイミドに貫通孔が形成された。
このとき、エッチングで生じた溝状の正方形の寸法は、
サイドエッチングのため、斜面が始まる点ではレジスト
塗布点より、300μm後退して拡大されており、その
点から斜面が250μm長に亙って、正方形の四辺に形
成されていた。
【0096】その後、50g/lの過マンガン酸カリウ
ムと40g/lの水酸化カリウムを含む液に90℃で3
分間浸漬し、水洗し、次いで20%のピロールと20%
イソプロパノールの水溶液に20℃にて1分間浸漬し、
次いで10ml/lの硫酸と10g/lのペルオキソニ
硫酸ソーダの水溶液に20℃にて1分間浸漬し、黒褐色
のプロピロールをスルーチャンネル部であるエッチング
で生じた溝状の正方形の斜面及びその近傍のポリイミド
上に形成した。そして水洗し、自然乾燥を行った。
【0097】然る後、電解メッキを1規定硫酸を含む硫
酸銅浴にて3A/dm2 の電流密度にて行い、15μm
の銅をスルーチャンネル部及び両面の銅箔の全面に積み
上げた。これにより、スルーチャンネル部のポリイミド
上の銅箔の厚みは15μmとなり、A、B両面の銅箔の
厚みは、ともに16μmとなり、スルーチャンネル部の
底部のB面の銅箔層は、裏面のニッケル層上からもメッ
キが行われ、A面とB面の銅箔が一体化され31μmと
なった。
【0098】その後、A面及びB面に電着レジスト(日
本ペイント社製フォトED P−1000)をスルーチ
ャンネル部を含む全域について塗布した。そして、A面
及びB面のレジストには、図8、図9に示すような配線
パターンを100μmピッチで形成し、塩化第二鉄で
A、B面同時にエッチングを施した。
【0099】この結果、スルーチャンネル部以外のA、
B面銅箔、スルーチャンネルの斜面部は配線回路が形成
され、スルーチャンネルには、図7に示すようにA面と
B面の複数組の金属配線が接続されて一体化した後、底
面の途中まで伸びて途切れて停止した、いわゆるオーバ
ーハング構造を形成しており、該オーバーハング部は
0.7mm長突き出ていた。なお、この構造は前記正方
形の他の斜面にも独立して形成されている。
【0100】そして、これを15規定の水酸化カリウム
水溶液中に50℃にて2分間浸漬した後、水洗し、10
%の硫酸水溶液に20℃で1分間浸漬し、スルーチャン
ネル部であるエッチングで生じた正方形の斜面及びその
近傍のポリイミド上に残存するポリピロールを除去し
た。その後、A、B両面の銅箔配線に無電解錫メッキを
0.5μm厚で施した。以上により、スルーチャンネル
を形成できた。
【0101】以上により、図7乃至図9に示すような、
正方形の開口部にオーバーハング状に突き出しながら配
線層間接続を行っている100μmピッチの配線層間接
続構造を形成することができた。
【0102】この後さらに、本発明者は、かかる図7乃
至図9に示す配線層間接続構造に対して半導体デバイス
チップを搭載することを行った。すなわち、前記接続構
造におけるスルーチャンネル部と、オーバーハングに突
き出したA、B面の接続部とを、それぞれTABテープ
キャリアのデバイスホールと、インナーリードとに見立
てて、B面のオーバーハングに突き出した接続部に金バ
ンプ付き半導体デバイスチップをボンダーにてボンディ
ングしたところ、良好なボンディングにより半導体デバ
イスを搭載することができた。
【0103】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
安価な製造コストにより多層回路基板の金属配線の更な
る微細化を図ることができ、実装密度の向上に寄与する
ところ大である。
【0104】また、本発明のスルーチャンネルはTAB
テープキャリアのデバイスホールと同様の構造を取るこ
とができるため、半導体デバイスチップを該スルーチャ
ンネルに直付けして搭載することができ、いわゆるチッ
プ・オン・フィルムを実現でき、さらにファインピッチ
の多層TABテープキャリアにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る多層回路基板の配線層
間接続構造の構成を示す斜視図である。
【図2】同じく本発明の一実施例に係る多層回路基板の
配線層間接続構造の構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の別の実施例に係る多層回路基板の配線
層間接続構造の構成を示す斜視図である。
【図4】本発明のさらに別の実施例に係る多層回路基板
の配線層間接続構造の構成を示す斜視図である。
【図5】前記図1に示した実施例に係る多層回路基板の
配線層間接続構造のスルーチャンネル部にさらに絶縁体
を設けた構成を示す斜視図である。
【図6】図5の接続構造の側断面図である。
【図7】本発明のさらに別の実施例に係る多層回路基板
の配線層間接続構造の構成を示す斜視図である。
【図8】前記図7の実施例に係る多層回路基板の配線層
間接続構造の構成を示す平面図である。
【図9】同じく前記図7の実施例に係る多層回路基板の
配線層間接続構造の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
1 絶縁体 2,3 金属配線 5 溝(スルーチャンネル) 6 斜面部 7 底(貫通孔) 尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関 収 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 松木 昇 栃木県今市市荊沢601−2 古河サーキッ トフォイル株式会社今市事業所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁体を介して設けられた配線相互が、
    該絶縁体を貫通する貫通孔を通じて接続された多層回路
    基板の配線層間接続構造において、 前記貫通孔の縁部には孔外部から孔内方へ向け次第に絶
    縁体の厚みが減少するような斜面が形成されており、 前記絶縁体の一方の面に設けられ前記斜面を下って貫通
    孔内に延設された複数の配線と、前記絶縁体の他方の面
    に設けられ貫通孔内に延設された複数の配線とが互いに
    接続されていることを特徴とする多層回路基板の配線層
    間接続構造。
  2. 【請求項2】 前記貫通孔を閉じるように前記配線の接
    続部に重なる底板状絶縁層が設けられたことを特徴とす
    る請求項1に記載の多層回路基板の配線層間接続構造。
  3. 【請求項3】 前記貫通孔の縁部においてそれぞれ独立
    に前記絶縁体の一方の面に設けられた配線と他方の面に
    設けられた配線とが接続され、 前記貫通孔周辺又は貫通孔内の配線に電子部品の外部端
    子を接続することにより該電子部品を搭載したことを特
    徴とする請求項1に記載の多層回路基板の配線層間接続
    構造。
  4. 【請求項4】 前記請求項1乃至3のいずれか一項に記
    載の多層回路基板の配線層間接続構造を形成する方法で
    あって、 前記絶縁体を、ポリイミドにより構成し、 前記斜面を有する貫通孔を、水酸化カリウムを含む溶液
    でエッチングすることにより形成することを特徴とする
    多層回路基板の配線層間接続構造の形成方法。
  5. 【請求項5】 前記エッチングを行うためのレジストと
    して有機材料を主体とする材料を用いることを特徴とす
    る請求項4に記載の多層回路基板の配線間接続構造の形
    成方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6218522B1 (en) * 1996-03-19 2001-04-17 Shionogi & Co., Ltd. DNA molecule relating to suppression of gene expression and novel protein
KR100460674B1 (ko) * 2002-03-15 2004-12-09 주식회사 맥퀸트전자 경사면 배선형 인쇄회로기판

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6218522B1 (en) * 1996-03-19 2001-04-17 Shionogi & Co., Ltd. DNA molecule relating to suppression of gene expression and novel protein
KR100460674B1 (ko) * 2002-03-15 2004-12-09 주식회사 맥퀸트전자 경사면 배선형 인쇄회로기판

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