JPH0766413A - 絶縁ゲイト型電界効果半導体装置の作製方法 - Google Patents

絶縁ゲイト型電界効果半導体装置の作製方法

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JPH0766413A
JPH0766413A JP16324093A JP16324093A JPH0766413A JP H0766413 A JPH0766413 A JP H0766413A JP 16324093 A JP16324093 A JP 16324093A JP 16324093 A JP16324093 A JP 16324093A JP H0766413 A JPH0766413 A JP H0766413A
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chamber
reaction
insulating layer
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Shunpei Yamazaki
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 半導体チャネル及び該半導体チャネルに隣接
した絶縁層を有する薄膜型絶縁ゲイトFETの機能を向
上する。 【構成】 互いに遮断された第1の反応室と第2の反応
室を有する多室形CVD堆積装置の第1の反応室と第2
の反応室において、第1の反応室において、第1の反応
性ガスを供給することにより、酸素または窒素を含む絶
縁層または非単結晶半導体層を形成し、それぞれに構成
された層の上に、第2の反応室において第2の反応性ガ
スを供給することにより、チャネル形成用の非単結晶半
導体層または絶縁層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1×10-2torr以
下に保持された複数の反応容器が互いに連結して設けら
れたマルチチャンバ方式の電子サイクロトロン共鳴を利
用して、被膜を形成する方法に関する。
【0002】本発明は複数の反応容器間にゲート弁を設
けることなく筒状空間を有せしめ、実質的に複数の被膜
間の不純物等が被膜形成の際、互いに混入することを少
なくまたは除去した被膜作製方法に関する。
【0003】
【従来の技術】気相反応による薄膜形成技術として、高
周波または直流電界により反応性気体を活性にさせるグ
ロー放電のみを利用したプラズマCVD法が知られてい
る。この方法は、従来の熱CVD法に比べ、低温での被
膜形成が可能である点で優れている。
【0004】さらに形成されている被膜がアモルファス
シリコン半導体等においては同時に再結合中心中和用の
水素またはハロゲン元素を含有させることができるた
め、良好なPI、NIまたはPN接合を作り得る。
【0005】しかし、かかるグロー放電CVD法におい
ては、被膜の形成速度がきわめて遅く、実用上その成長
速度を10〜500倍にすることが求められていた。
【0006】他方、10-2〜10-5torrのいわゆる
1×10-2torr以下の高真空に保持する圧力で被膜
形成がなされる電子サイクロトロン共鳴を用いたCVD
法が知られている。この方法は5000A(オングスト
ローム)〜10μもの厚い膜厚の被膜形成を10〜10
0A(オングストローム)/秒と高速度で行い得る。し
かし複数の被膜を異なった反応空間で形成するに際し、
第1の反応空間で第1の被膜を形成後、この被膜表面を
大気に触れさせることなく第2の反応空間に移設し、第
1の被膜上に第2の被膜を積層するいわゆるマルチチャ
ンバ方式は知られていないばかりか、かかる方式におい
て、被膜形成中第1の反応室間と第2の反応室間の間を
ゲート弁で仕切ることなく実施する試みもない。また、
この電子サイクロトロン共鳴を用いた被膜形成方法にお
いて、水素またはハロゲン元素が添加されたSixC
1-x (0<x<1)の形成例も、微結晶またはセミアモ
ルファス構造のPまたはN型のシリコン半導体を形成し
た例も知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれらの問題
を解決するため、アルゴン等の非生成物気体の活性化を
サイクロトロン共鳴を用いて行う。そしてその結果発生
した電子または活性化気体により生成物気体を構成する
反応性気体の活性化、分解または反応を行なわしめて、
その前工程で基板上に形成されている第1の被膜上に第
2の被膜をこの表面にグロー放電CVDで生じ得るスパ
ッタ(損傷)効果を軽減または除去して積層する。さら
に必要に応じこの第2の被膜上に第3の被膜を同様にし
て積層する方法に関する。
【0008】本発明は半導体層をサイクロトロン共鳴を
用いて形成する際、その前工程で形成された被膜の被形
成面を大気に触れさせることなくこの表面を1×10-2
以下好ましくは1×10-3torr以下の真空度で保持
しつつ移設し、この被形成面上に第2の被膜を形成す
る。その結果、複数の半導体層の境界でお互いの材料が
混合することなく、またその境界領域に低級酸化物また
は低級窒化物のバリア層が形成されることを防いでい
る。
【0009】さらに本発明はこの電子サイクロトロン共
鳴を用いた気相被膜形成方法(以下ECR CVD法と
いう)に加えて、反応室間を筒状空間とし、この活性反
応性気体がこの筒状空間よりもれて隣の反応室空間に混
入することを防いでいる。このため本発明は高周波また
は直流電界を併用し、共鳴エネルギーの共鳴がなくなっ
た後も反応性気体の活性状態を筒状空間内で十分持続す
るようにプラズマ放電エネルギを反応性気体に与える。
さらに被膜形成中または被膜形成前後の基板の移設を広
域ターボ分子ポンプによる排気と同時に実施する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体チャネル
及び該半導体チャネルに隣接した絶縁層を有する薄膜型
絶縁ゲイトFETを作製する方法においては、互いに遮
断された第1の反応室と第2の反応室を有する多室形C
VD堆積装置を設け、該多室形CVD堆積装置の第1の
反応室において、第1の反応性ガスを供給することによ
り、酸素または窒素を含む絶縁層を形成し、該多室形C
VD堆積装置の第2の反応室において、第2の反応性ガ
スを供給することにより、前記絶縁層に隣接してチャネ
ル形成用の非単結晶半導体層を形成し、第1の反応室で
は前記絶縁層のみが形成され、且つ第2の反応室では前
記非単結晶半導体層のみが形成されるようにする。ま
た、他の面からみれば、互いに遮断された第1の反応室
と第2の反応室を有する多室形CVD堆積装置を設け、
該多室形CVD堆積装置の第1の反応室において、第1
の反応性ガスを供給することにより、チャネル形成用の
非単結晶半導体層を形成し、該多室形CVD堆積装置の
第2の反応室において、第2の反応性ガスを供給するこ
とにより、前記非単結晶半導体層に隣接して、酸素また
は窒素を含む絶縁層を形成し、第1の反応室では前記非
単結晶半導体層のみが形成され、且つ第2の反応室では
前記絶縁層のみが形成されるようにする。
【0011】
【作用】するとこのECR技術により形成される反応空
間の圧力は1×10-2〜5×10-5特に好ましくは1×
10-3〜1×10-4torrとこれまで作られてきたプ
ラズマグロー放電法による圧力(0.1〜0.5tor
r)よりも1桁以上も低い反応をするため、1つの反応
工程より次の反応工程に移す際、反応容器内における残
留不純物ガスが少ない。このため従来グロー放電プラズ
マCVD法で知られる如く、PまたはN型の半導体層を
形成した後、次の半導体層を形成する前工程として、そ
れぞれの被膜が互いに混入してしまうことを防ぐために
被膜形成後それぞれの反応空間を十分真空引きをし、そ
の後それぞれの反応空間を仕切っているゲート弁を開く
という工程を必要としない。そのため第1の被膜が例え
ばPまたはN型の第1の非単結晶半導体被膜であった場
合、この被膜の形成後、単に反応性気体導入を中止する
のみで、その隣に位置する第2の反応空間へ被形成面を
有する基板を移設させることができ、工業的なスループ
ットを著しく向上させることができる。
【0012】例えばアモルファスシリコン半導体を直接
励起型のグロー放電プラズマCVD法のみで形成せんと
する場合は、その成長速度は1A(オングストローム)
/秒であり、かつマルチチャンバ方式における1つの反
応室より隣の反応室に移すに際し、それぞれの反応室間
を10-5〜10-6torrの高真空引きをする。しか
し、本発明のECRを用いたマルチチャンバ方式におい
ては、1つの反応室間より他の反応室間に基板を連続的
にまたは実質的に連続的に移設することが可能となる。
【0013】さらに、本発明において、PまたはN型の
半導体層が形成された面上にECR法にてI型半導体層
(真性または実質的に真性またはPまたはN型の半導体
層よりも十分不純物濃度の低い半導体層)を形成する
と、このI型半導体層の形成に際しスパッタ作用がない
ため、きわめて急峻なPIまたはNI接合界面を形成す
ることができる。その結果、本発明方法で作られたPI
N接合を用いて光電変換装置を作製すると、きわめて高
変換効率を期待できる。実験的にも1.05cm2 にて
12.9%の変換効率を得ることができた。
【0014】さらにサイクロトロン共鳴は不活性気体ま
たは非生成物気体(分解または反応をしてもそれ自体は
気体しか生じない気体)を用いる。不活性気体としては
アルゴンが代表的なものである。しかしヘリューム、ネ
オン、クリプトンを用い、さらにまた添加物としてSi
xO2-x (0≦x<2)、Si34-x (0≦x<4)
を形成するために不活性気体を加えてO、Nを添加して
用いてもよい。
【0015】また反応性気体としては生成物気体(分解
または反応をして固体を生成する気体)を用いる。この
生成物気体としては、珪化物気体はSinH2n+2(n≧
1)、SiFn(n≧2)、SiHnF4-n (1<n<
4)、ゲルマニウム化物はGeH4 、GeF4 、GeH
nF4-n (n=1,2,3)、Si(CH3 )nH4- n
(n=1,2,3,4)、SnCl4 ,SnF2 、Sn
4 がその代表的なものである。更に添加物として生成
物気体に他の生成物気体であるB26 、BF3 又はP
3 、AsH3 等のドーピング用気体を加えることによ
りP型の半導体およびN型の半導体を形成した。
【0016】これらの非生成物気体をサイクロトロン共
鳴をさせて活性化せしめ、この共鳴領域より外部の反応
空間で生成物気体と混合し、励起エネルギを生成物気体
に移す。すると生成物気体はきわめて大きい電磁エネル
ギを受け取るため、生成物気体をほぼ100%活性化さ
せることができ、かつ自らがそのエネルギを運動エネル
ギではなく内在する活性化エネルギとして保持できる。
さらに室温〜700℃の温度で基板を加熱することによ
り、この基板上の被形成面上に被膜を形成させることが
できる。
【0017】以下に実施例に従い本発明を示す。
【0018】
【実施例1】図1は本発明のサイクロトロン共鳴型プラ
ズマCVD装置の概要を示す。
【0019】図面において、ステンレス反応容器
(1’)は前方または後方にゲート弁(図示せず)を介
してロード室、アンロード室を設けている。そしてこの
ロード室より図1の反応容器内に筒状空間を構成すると
構造(四方をステンレス金属または絶縁体の板で取り囲
み活性状態の反応性気体がこの外側の容器内壁にまで広
がってフレークの発生原因とならないようにする構造)
(31)、(31’)を有する。さらにこの枠構造内に
配設されている基板ホルダ(10’)及びこの両面に主
面に被膜形成されるようにして基板(10)を対をなし
て設けている。図面では10枚の基板を5つのホルダ
(10’)に配設している。そして容器(1’)の筒状
空間を反応空間(1)として設けている。この容器
(1’)の側部には、ハロゲンランプヒータ(7)を有
する加熱室(7’)を設けている。石英窓(19)を通
して赤外線を枠構造及び基板(10)に照射し加熱す
る。さらに必要に応じグロー放電をも併設し得るため、
この容器(1’)の内側の上部及び下部に一対の網状電
極(20)、(20’)を有せしめ、ここに高周波また
は直流電源(6)より13.56MHzまたは直流の電
界を加える。
【0020】また非生成物気体を(18)より共鳴空間
(2)に供給する。この共鳴空間(2)はその外側に空
心コイル(ここではヘルムホルツコイルとして用いた)
(5)、(5’)を配し磁場を加える。この内側に冷却
管(12)を配している。同時にマイクロ波発振器
(3)によりアナライザー(4)を経て例えば2、45
GHzのマイクロ波が石英窓(29)より共鳴空間
(2)に供給される。この空間では共鳴を起こすべく非
生成物気体としてアルゴンを(18)より加える。そし
てその質量、周波数により決められた磁場(例えば87
5ガウス)が空心コイル(5)、(5’)により加えら
れる。
【0021】このため、アルゴンガスが励起して磁場に
よりピンチングすると同時に共鳴し、十分励起した後に
反応空間(1)へ電子および励起したアルゴンガスとし
て放出(21)される。この共鳴空間(2)の出口には
生成物気体がドーピング系(13)より(16)を経て
複数のノズル(17)より反応空間内に放出(22)さ
れる。その結果、生成物気体(22)は電子及び励起気
体(21)により励起され、活性化する。そしてこの活
性化した気体が共鳴空間(2)に逆流しないように絶縁
物のホモジナイザ(20)を設けて注意をした。加えて
一対の電極(23)、(23’)により生じた高周波電
界が同時にこれら反応性気体に加えられる。
【0022】その結果、共鳴空間(2)と反応空間との
間には実質的にバッファ空間(30)を有し、反応空間
全体に電子および励起気体(21)が降り注ぐようにし
て放出させている。
【0023】すなわち共鳴空間と被形成面とが十分離れ
ていても(一般的には20〜80cm)反応性気体の励
起状態を持続させることができるように努めた。(サイ
クロトロン共鳴のみを用いる場合は基板と共鳴空間端部
との距離が5〜15cmと短く、被膜の厚さの不均一性
を誘発する。)
【0024】また反応性気体を十分反応空間(1)で広
げ、かつサイクロトロン共鳴をさせるため、反応室間
(1)、共鳴空間(2)の圧力を1×10-3〜1×10
-4torr例えば3×10-4torrとした。この圧力
はターボ分子ポンプ(14)を併用して排気系(11)
のコントロールバルブ(15)により真空ポンプ(9)
の排気量を調整して行った。
【0025】
【実験例1】この実験例は実施例1を用い、アモルファ
スシリコン膜を形成させたものである。
【0026】すなわち反応空間、高さ30cm、巾・奥
行き各35cmを有し、反応容器の内寸法は高さ40c
m、巾・奥行き各50cm、基板(20cm×30c
m、10枚)を1バッチとする。さらにこの反応空間の
圧力を3×10-4torrとし、非生成物気体として
(18)よりアルゴンを200cc/分で供給した。加
えてモノシランを(16)より80cc/分で供給し
た。真性の半導体とするため、B26 /SiH4
0.1〜10PPM同時に添加してもよい。
【0027】初動の高周波エネルギは(6)より40W
の出力を用いて供給した。マイクロ波は2.45GHz
の周波数を有し、200〜800Wの出力例えば300
Wで供給した。磁場(5)、(5’)の共鳴強度は87
5±100ガウスの範囲で共鳴するように調整した。
【0028】基板(10)はガラス基板またはこの基板
上に透明導電膜が形成されたものを用いた。この被形成
面上に非単結晶半導体例えばアモルファスシリコン半導
体を形成し、不要気体を排気系(11)より放出した。
すると基板温度が250℃において被膜形成速度45A
(オングストローム)/秒を得ることができた。この速
度はプラズマCVDのみで得られる1.5A(オングス
トローム)/秒に比べ30倍の速さである。
【0029】この不純物をまったく添加していない場合
のアモルファスシリコン膜の電気特性として暗伝導度4
×10-10 (Scm-1)、光伝導度(AM1(100m
W/cm2 )の条件下)6×10-5(Scm-1)を得る
ことができた。この値は、これまで知られているプラズ
マCVD法におけるアモルファスシリコン膜と同様の特
性であり、PIN接合を有する光電変換装置のI型半導
体層としても用い得、光電変換装置とした場合も同様の
高い変換効率を期待することができ得る。
【0030】
【実験例2】図1のECR装置において、P型SixC
1-x (0<x<1)の非単結晶半導体を形成することを
試みた。
【0031】すなわち、アルゴンを共鳴空間に励起し生
成物全体である反応性気体としてH2 Si(CH32
/SiH4 =1/7とし、B26 /SiH4 =5/1
000とした。するとECRのマイクロ波出力が300
W、圧力3×10-4torr、基板温度180℃にし、
光学的Eg=2.4eV、電気伝導度3×10-6(Sc
-1)を得ることができた。
【0032】その他は実験例1と同様である。
【0033】
【実験例3】図1のECR装置を用いてSixO2-x
(0≦x<2)またはSi34-x (0≦x<4)を形
成した。
【0034】共鳴空間に酸素または窒素をアルゴンガス
とともに導入した。更に(10)よりSiH4 を導入し
た。すると、シランと酸素または窒素との比に従って、
SixO2-x (0≦x<2)またはSi34-x (0≦
x<4)のxの値を決定することができる。x=0と
し、SiO2 、Si34 を形成する場合は、酸素また
は窒素はアルゴンと等量導入すればよかった。その他は
実験例1と同じである。
【0035】
【実験例4】図1のECR装置を用いてN型微結晶化非
単結晶半導体を形成することを試みた。すなわちSiH
4 /H2 =1/5〜1/40例えば1/30、PH3
SiH4 =1/100とした。ECR出力400W、圧
力3×10-4torr、基板温度250℃とした。する
と光学的なEg=1.65eV、電気伝導度50(Sc
-1)を得ることができた。特にECR方式において
は、マイクロ波出力を大きくしても基板に対するスパッ
タ効果がないため、平均粒径が大きく100〜300A
(オングストローム)を有するより多結晶化しやすく、
結果として結晶化度もグロー放電プラズマCVD法にお
いて約50%であるものを70%にまで高めることが可
能となった。さらに希釈する水素の量を比較すると、グ
ロー放電法とプラズマCVD法においてはSiH4 /H
2 =1/80〜1/300と大きく水素で希釈したが、
ECR法においてはSiH4 /H2 =1/5〜1/40
においても十分な微結晶構造を有する半導体を作ること
ができた。その他は実験例1と同様である。
【0036】
【実施例2】この実施例は、図1を用いて試みられた実
施例1(実験例1)〜4を一体化し、マルチチャンバ方
式としたものである。
【0037】このマルチチャンバ方式に関しては、本発
明人の出願による特許(USP4,505,950[1
985.3.19]、USP4,492,716[19
85.1.8])にすでに明らかである。しかしこの実
施例は特にこのマルチチャンバ方式とECR法とを一体
化せしめ、従来以上に優れたマルチチャンバ方式を得る
ことができた。第2図に従い本発明を記す。
【0038】図2は系I、II、III 、IV、Vを示す。こ
こではロード室(系I、I’)、第1の被膜例えばP型
半導体形成用反応系(系II)、第2の被膜例えばI型半
導体形成用反応室(系III )、第3の被膜例えばN型半
導体形成用反応系(系IV)、アンロード系(系V、
V’)を有し、複数の被膜の積層構造を有せしめるため
の被膜の作製例である。そして例えばPIN接合を積層
体として得ることができる。
【0039】各系の室は(1’−1’)、(1’−
1)、(1’−2)、・・・(1’−5)、(1’−
5)をそれぞれ有し、特に(1−2)、(1−3)、
(1−4)は反応空間を構成している。またロード側の
空間として(1−1’)、(1−1)を有し、またアン
ロード側の空間として(1−5)、(1−5’)を有す
る。ドーピング系(13−2)、(13−3)、(13
−4)を有する。さらに排気系(11)としてターボ分
子ポンプ(14−1)、(14−2)、・・・(14−
5)、真空ポンプ(9−1)、(9−2)、・・・(9
−5)を有する。系(I’)、(V’)はロード、アン
ロード室であり、これらの図示は省略している。
【0040】ECR用マイクロ波は系II、III 、IVの少
なくとも1つここではすべてに対し(8−2)、(8−
3)、(8−4)として設けられ、ヘルムホルツコイル
(5−2)、(5’−2)、・・・として加えられてい
る。そして共鳴空間(2−2)、(2−3)、(2−
4)を有し、アルゴンガスまたはこれと非生成物気体と
の混合ガス(18−2)、(18−3)、(18−4)
として加えられている。
【0041】それぞれのチャンバ(1−1)と(1−
2)の間にはバッファ空間(25−2)が設けられ、ま
た(1−2)と(1−3)との間にはバッファ空間(2
5−3)が、また(1−3)と(1−4)との間にはバ
ッファ空間(25−4)、さらに(1−4)と(1−
5)との間にバッファ空間(25−5)を有する。これ
らのバッファ空間は基板(10)および基板ホルダ(筒
状空間を構成する枠構造体(31)が所定のチャンバ
(反応容器)にて被膜形成後隣のチャンバへの移設を容
易にし、また被膜形成中において1つの空間の不純物、
反応生成物が隣の反応空間に混入しないよう気体の平均
自由工程より巾広とし、実質的にそれぞれの反応空間
(1−1)、・・・(1−5)を互いに離間させてい
る。さらにロード室(1−1’)とロードバッファ室
(1−1)間のゲート弁(25−1)、アンロードバッ
ファ室(1−5)とアンロード室(1−5’)間のゲー
ト弁(25−6)は基板、基板ホルダーのロード、アン
ロードの際、大気が反応室間(1−2)・・・(1−
4)に混入しないようにさせた。
【0042】さらにこの系II、III 、IVの被膜形成はP
IN接合を有する光電変換装置を作らんとする場合は、
それぞれ実験例2、実験例1および実験例4に対応す
る。
【0043】さらにこの各被膜を各チャンバ(1−
2)、(1−3)、(1−4)で形成してしまった後、
このECR CVD法においては生成物気体の供給を止
める。そしてマイクロ波エネルギの供給を停止する。さ
らに非生成物気体のアルゴンを供給し続け、または一時
的に停止した後それまでの系を被膜形成時と同様に十分
に連続真空引きせしめ続け、基板(10)および膜構造
を有する基板ホルダ(31)とを移動機構(図面では省
略)により隣の反応室に移動している。
【0044】かかる工程のみによっても、PI接合界面
またはNI接合界面における不純物の混合はこれまでの
グロー放電プラズマCVD法に比べきわめて少ないこと
が判明した。
【0045】そのため、光電変換装置としての変換効率
12.9%(1.05cm2 )(開放電圧0.92V、
短絡電流密度18.4mA/cm2 曲線因子0.7
6)を得ることができた。
【0046】かかる高効率を得ることができた理由とし
て、ECR CVD法においては被膜形成に関し被形成
面を反応性気体がスパッタしないためであると推定され
る。さらに被膜形成時の圧力がグロー放電プラズマで知
られる如く、0.1〜0.5torrの1/100また
はそれ以下の1×10-3〜1×10-5torr例えば3
×10-4torrであることである。その結果、反応性
気体の導入を止めると、これまでのグロー放電プラズマ
CVD法に比べ1/100以下の時間で不純物、活性反
応性気体のターボポンプによるチャンバ等よりの脱ガス
化が可能となったことである。
【0047】
【実施例3】この実施例は薄膜型絶縁ゲイト型電界効果
半導体装置の作製方法に用いるもので、実施例2におい
て系IIの反応区間で半導体膜を形成し、その上に系III
にて窒化珪素膜(Si34 )を形成する。さらに系IV
にて酸化珪素(SiO2 )を形成したものである。それ
ぞれの被膜の形成は実施例1における実験例1、2およ
び3に従った。
【0048】かくして基板状に半導体膜、さらにその上
に2層のゲイト絶縁膜を積層して設ける。
【0049】さらにかかる構造とするとそれぞれの反応
区間に真空ゲート弁を設けるマルチチャンバ方式に比べ
てゲート弁を2ヶも省略することができるため、製造装
置として低価格化を期待できる。1つのチャンバより隣
のチャンバへの移設も3分以内に行うことができ、スル
ープットを向上させることができる等の大きな特徴を有
する。以上の本発明の実施例において、さらにその変形
として、まずP型の半導体を光CVD法または公知のグ
ロー放電プラズマCVD法により形成する。さらにI型
の半導体膜をECR CVD法により0.7μ形成し
た。最後にN型の微結晶化した半導体をECR CVD
法により形成することも有効である。
【0050】
【発明の効果】一般にグロー放電法では0.1〜0.0
1μの大きさのピンホールが被膜中に観察されやすい
が、本発明のサイクロトロン共鳴型プラズマCVD装置
ではこのピンホール数は約1/10に減少(×100の
暗視野にて平均1〜3ヶ/視野)させることができた。
【0051】本発明はマルチチャンバ方式にてECR
CVD法をそれぞれのチャンバで行った。そのため従来
公知のグロー放電法やプラズマを用いたマルチチャンバ
方式に比べて多量生産が可能となり、かつ形成された被
膜中のPIまたはNI接合界面も急峻となり、また被膜
形成速度が大きいためI層中に不本意に混入する酸素、
窒素の量をそれぞれ5×1018cm-3以下とすることが
できるようになった。
【0052】サイクロトロン共鳴を用いているため、大
きい被膜成長速度を得ることができる。
【0053】半導体装置としてPINまたはNIP接合
を有する光電変換装置、発光素子MIS.FET(電界
効果半導体装置)、SL発光素子(スーパーラティス素
子)とし得る。さらに、その応用としてその他半導体レ
ーザーまたは光集積回路に対しても本発明は有効であ
る。
【0054】また本発明のサイクロトロン共鳴を用いた
プラズマCVD法に加えて、光源として低圧水銀灯(1
85nmの波長を有する)さらにはエキシマレーザ(波
長100〜400nm)、アルゴンレーザ、窒素レーザ
などの光を用いて光CVD作用をも併用してよいことは
いうまでもない。
【0055】生成物気体をモノシランではなくジシラン
またはモノシランと弗化シラン(Si26 )の混合気
体とすると、さらに被膜成長速度の向上を期待できる。
【0056】本発明において、基盤としてはシリコン半
導体、ガラス基板、プラスチック基板、ステンレス基板
とし、またはこれらの上に電極が設けられた構造を用い
得る。
【0057】また形成されるアモルファス半導体もSi
のみならず、SixGe1-x (0<x<1)、SixS
1-x (0<x<1)、CxGe1-x (0<x<1)ま
たはそれらの真性または実質的に真性、PまたはN型の
半導体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサイクロトロン共鳴型プラズマCVD
装置を示す。
【図2】本発明のサイクロトロン共鳴型プラズマCVD
装置を示す。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体チャネル及び該半導体チャネルに
    隣接した絶縁層を有する薄膜型絶縁ゲイトFETを作製
    する方法において、互いに遮断された第1の反応室と第
    2の反応室を有する多室形CVD堆積装置を設け、該多
    室形CVD堆積装置の第1の反応室において、第1の反
    応性ガスを供給することにより、酸素または窒素を含む
    絶縁層を形成し、該多室形CVD堆積装置の第2の反応
    室において、第2の反応性ガスを供給することにより、
    前記絶縁層に隣接してチャネル形成用の非単結晶半導体
    層を形成し、第1の反応室では前記絶縁層のみが形成さ
    れ、且つ第2の反応室では前記非単結晶半導体層のみが
    形成されるようにした方法。
  2. 【請求項2】 半導体チャネル及び該半導体チャネルに
    隣接した絶縁層を有する薄膜型絶縁ゲイトFETを作製
    する方法において、互いに遮断された第1の反応室と第
    2の反応室を有する多室形CVD堆積装置を設け、該多
    室形CVD堆積装置の第1の反応室において、第1の反
    応性ガスを供給することにより、チャネル形成用の非単
    結晶半導体層を形成し、該多室形CVD堆積装置の第2
    の反応室において、第2の反応性ガスを供給することに
    より、前記非単結晶半導体層に隣接して、酸素または窒
    素を含む絶縁層を形成し、第1の反応室では前記非単結
    晶半導体層のみが形成され、且つ第2の反応室では前記
    絶縁層のみが形成されるようにした方法。
  3. 【請求項3】 第1の反応室及び第2の反応室の一方
    で、光CVDが適用される請求項1または2に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 絶縁層が窒化珪素または酸化珪素からな
    る請求項1または2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 絶縁層がSi34 またはSiO2 から
    なる請求項1または2に記載の方法。
  6. 【請求項6】 第1の反応室から第1の反応性ガスを排
    気し、第2の反応室から第2の反応性ガスを排気する請
    求項1または2に記載の方法。
  7. 【請求項7】 半導体チャネル及び該半導体チャネルに
    隣接した絶縁層を有する薄膜型絶縁ゲイトFETを作製
    する方法において、互いに遮断された第1の反応室と第
    2の反応室と第3の反応室とを有する多室形CVD堆積
    装置を設け、該多室形CVD堆積装置の第1の反応室に
    おいて、第1の反応性ガスを供給することにより、酸素
    または窒素を含む絶縁層を形成し、該多室形CVD堆積
    装置の第2の反応室において、第2の反応性ガスを供給
    することにより、前記絶縁層に隣接してチャネル形成用
    非単結晶半導体層を形成し、該多室形CVD堆積装置の
    第3の反応室において、第3の反応性ガスを供給するこ
    とにより、前記絶縁層またはチャネル形成用半導体層に
    隣接して第3の層を形成し、第1の反応室では前記絶縁
    層のみが形成され、且つ第2の反応室では前記半導体層
    のみが形成され、第3の反応室では前記第3の層のみが
    形成されるようにした方法。
  8. 【請求項8】 第3の層が絶縁層である請求項7記載の
    方法。
  9. 【請求項9】 絶縁層が窒化珪素または酸化珪素からな
    る請求項7記載の方法。
  10. 【請求項10】 絶縁層がSi34 またはSiO2
    らなる請求項7記載の方法。
  11. 【請求項11】 第1の反応室から第1の反応性ガスを
    排気し、第2の反応室から第2の反応性ガスを排気し、
    第3の反応室から第3の反応性ガスを排気する請求項7
    記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100470260B1 (ko) * 2000-05-26 2005-02-07 인터내셔널 비지네스 머신즈 코포레이션 톱 게이트형 tft를 포함하는 액티브 매트릭스 장치의제조 방법 및 제조 장치

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