JPH0765286A - 防水ルーバーおよびそれを用いた表示装置ならびに表示板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 部品点数を増やすことなく、防水性が維持で
きるとともに簡易な構成で経済的にも利点のある表示装
置を提供することを目的とする。 【構成】 前面パネル１１と、このパネル１１に設けら
れた複数個の筒状の防水ルーバー２と、これら防水ルー
バー２内に配設された発光素子５とを備え、上記防水ル
ーバー２は先端部２０にルーバー部が形成され、基端部
２１にパネル１１の透孔部１４に水密に取付けられる防
水パッキングが設けられ、筒状部内面には発光素子５の
外周に当接するリング状の防水パッキング２４が設けら
れている。 【効果】 従来はルーバおよび防水パッキングを別体で
構成しそれぞれ別に取付けていたが、本発明はルーバを
取付けることにより一括して作業を行うことができ、構
成部品点数の削減および取付け作業時間の短縮と簡易化
など種々の効果を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は屋外での使用に適した発
光素子を用いて文字や画像を表示する情報表示板あるい
は映像表示板などの防水ルーバーおよび表示装置ならび
に表示板に関する。

【０００２】

【従来の技術】道路情報表示板など屋外で使用する表示
装置の筐体は箱形をなし、化粧板を兼ねた前面パネルに
縦横マトリックス状に電球や発光ダイオード（以下、Ｌ
ＥＤと言う。）などの発光素子を挿入する複数個の透孔
部が形成されているとともに内部の点灯装置のシャーシ
にソケットが設けてある。そして、発光素子の口金をソ
ケットに装着させて各透孔部に発光素子を臨ませ、信号
発生装置から表示信号を受け所定の発光素子を点灯して
その表示をなさしめている。

【０００３】この表示装置においては、晴天、曇天はま
だしも雨天や降雪時に発光素子を含む装置の各部に水分
が侵入すると、電気回路の短絡や機器に早期に発錆など
を招くところから、防水には十分注意されている。

【０００４】このうち、筐体などは板金仕上げで防水構
造も比較的容易にできるが、多数個の発光素子は前面パ
ネルから透孔部を通して外部へ露出しているため、発光
素子一つ一つに対して防水の対応をしなければならず、
たとえば電球や電球形のバルブ内に複数個のＬＥＤなど
を収容した発光素子ではつぎのようにして対処してい
る。すなわち、筐体内のシャーシに取付けられたソケッ
トはゴムや弾性を有する合成樹脂で覆われ、かつ、電球
の口金付近からバルブの中間にかけてはバルブ外径部よ
り縮径されたリング状の弾性部を有し、この弾性部がバ
ルブの外周と密接してソケット内に水滴が侵入しないよ
うに構成している。

【０００５】しかし、このような構成であると、点灯中
に発光素子が発生する熱および点灯回路を内蔵している
ときには回路からの発熱も含めバルブ内部の温度や気圧
を高める。このような高温が続いたり、気圧の上昇によ
り密閉性が悪化し防水性が低下すると、素子に早期に特
性の劣化を来たし短寿命などを招く。

【０００６】そこで、前面パネルの発光素子が挿通され
る透孔部の周囲にもリング状の防水パッキングを設け、
この前面パネルでも防水した二重の防水構造としたもの
がたとえば実開昭５０−６８５７９号公報に記載されて
いる。このような二重の防水構造とした装置は防水性は
向上したが、一方、表示が見えにくいという問題があ
る。

【０００７】これは、屋外における情報表示板などでは
表示部に太陽光が当たっていると、上方から入射する太
陽光のため表示面の輝度比が低下し表示が見えにくくな
り、車両の運転者などの視認者が表示内容を視認するこ
とができない場合がある。そこで、電球などの発光素子
を太陽光遮光用のルーバーで覆い視認性を高めることが
行われている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】このルーバは前面パネ
ルの発光素子が挿通される透孔部の周囲に取付けられる
ことが多く、発光表示の視認性を高めることができる
が、表示装置の前面パネルにルーバーおよびリング状の
防水パッキングを設けることが必要となった。

【０００９】そこで、本発明は部品点数を増やすことな
く、防水性が維持できるとともに簡易な構成で経済的に
も利点のあるルーバーおよび表示装置を提供することを
目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１に記載
の防水ルーバーは、前面パネルに取付けられる基端部
と、ルーバー部が形成された先端部とを有し、発光素子
が挿入される筒状部であって、この筒状部の内面には発
光素子の外周に当接する防水パッキングが一体的に形成
されていることを特徴としている。

【００１１】本発明の請求項２に記載の防水ルーバー
は、上記筒状部内面の防水パッキングは発光素子の最大
径部付近に当接していることを特徴としている。

【００１２】本発明の請求項３に記載の表示装置は、前
面パネルと、このパネルに設けられた複数個の筒状部
と、これら筒状部に挿入された発光素子とを備えた表示
装置において、上記筒状部は基端部がパネルの透孔部に
水密に取付けられる防水パッキングであるとともに先端
部がルーバーであって、筒状部内面には発光素子の外周
に当接する防水パッキングが一体的に形成されているこ
とを特徴としている。

【００１３】本発明の請求項４に記載の表示装置は、上
記発光素子が電球または放電ランプあるいはＬＥＤから
なることを特徴としている。

【００１４】本発明の請求項５に記載の表示板は、上記
請求項３または請求項４の表示装置を縦横に複数組併置
していることを特徴としている。

【００１５】

【作用】本発明によると、前面パネルに格別なリング状
の防水パッキングを設けなくても、前面パネルに設けら
れた筒状のルーバーの内部へ発光素子を挿入係止させれ
ば、発光素子の外周が筒状部内面に設けた防水パッキン
グに当接して水密に保持され前面パネル内側の点灯装置
などへの水滴の侵入を防ぐとともに太陽光の遮光も確実
に行う。

【００１６】

【実施例】以下，本発明の実施例を図１および図２を参
照して説明する。図１はたとえば道路情報表示板の表示
板部の一部を示し、図中１は金属板で形成した長四角状
の筐体で、この筐体１は前面の化粧板を兼ねる前面パネ
ル１１と背面パネル１２、側面板１３とからなる。この
前面パネル１１にはマトリックス状に複数たとえば縦９
段×横１６列の計１４４個（一部のみ図示。）の透孔部
１４、１４、…が形成されている。

【００１７】そして、各透孔部１４、１４、…には図２
に拡大して示すように防水ルーバー２が取付けられてい
る。この防水ルーバー２は筒状部が合成樹脂やゴムなど
の弾性を有する材料でほぼ円筒状に成型され、その先端
部２０には太陽光の遮光を行うよう設計されたルーバー
部が形成され、基端部２１には中央部に透孔２２が形成
された円環状をなし、外周に形成した環状の凹溝２３を
上記透孔部１４の周縁に嵌め込んでいて，この基端部２
１は防水パッキングとしての機能も果たすようになって
いる。また、円筒状部の内面側には環状に突出したリン
グ状の防水パッキング２４が設けてある。

【００１８】また、筐体１内には発光素子を点灯制御
（図示しない。）のシャーシ３が装着されていて、この
シャーシ３の上記前面パネル１１の透孔部１４、１４、
…と対面する箇所には取付孔３１が形成され、この取付
孔３１にソケット４の後端が挿入されナット４１で固定
されている。

【００１９】また、５は口金（図示しない。）が上記ソ
ケット４に装着された発光素子をなす電球で、ガラスバ
ルブ５１の最大径部５２近傍が上記ルーバー２の円筒状
部内面側に環状に突出して形成したリング状の防水パッ
キング２４に当接している。なお、図中１５、１５、…
は筐体１内の冷却のための通気孔、４２は電源（図示し
ない。）から信号発生装置（図示しない。）を経てソケ
ット４に接続された電線である。

【００２０】このような構成の表示装置の組立ては、ま
ず、ソケット４、４、…を取付けたシャーシ３を筐体１
内にセットしする。つぎに、前面パネル１１の透孔部１
４、１４、…に防水ルーバー２の基端部２１の外周に形
成した防水パッキングを兼ねる環状の凹溝２３を嵌め込
んでいく。

【００２１】そして、つぎに防水ルーバ２の筒状部の内
部および透孔２２を通して電球５を挿入する。この場
合、電球５の挿入方向は防水ルーバー２の先端部２０側
からと基端部２１側からとの両方向から可能である。

【００２２】本実施例においては電球５の口金（図示し
ない。）側を先端部２０側から挿入し、この口金をシャ
ーシ３に取付けてあるソケット４に捩込んでいく。この
口金の捩込みによりガラスバルブ５１は図２において右
方へと移動していき、その最大径部５２付近が防水ルー
バー２の円筒状部内面側に環状に突出して形成したリン
グ状の防水パッキング２４に当たり、さらに捩込んだと
ころで回動を停止すれば、防水パッキング２４の先端側
が右方に傾きバルブ５１の外周に環状で密接した状態と
することができる。

【００２３】このようにバルブ５１がリング状の防水パ
ッキング２４で押さえられれば、バルブ５１の外面を伝
わり雨水などの水滴が降りかかってもパッキング２４で
阻止され、この防水パッキング２４を経て電球５の口金
側にまで水の侵入がなく、また、防水ルーバ２自体もそ
の基端部２１の外周に形成した環状の凹溝２３が防水パ
ッキングを兼ねているので装置の電気回路の短絡や装置
に早期に発錆などを招くことを防げる。

【００２４】また、各個の電球５、５、…へは図示しな
い信号発生装置からの表示信号を受けた筐体１内の点灯
装置が複数の電球５、５、…を選択的に点灯させ、所定
の文字や図形などの映像が現出される。そのとき、各電
球５、５、…はそれぞれ防水ルーバー２を備えているの
で、太陽光の入射により輝度比が低下するといったこと
がなく、他の電球５への光の干渉がないので視認性もよ
く、見え易い表示装置となる。

【００２５】また、図４は本発明の他の実施例を示し、
図中図２と同一部分には同一の符号を付してその説明は
省略する。

【００２６】この実施例のものはシャーシ３を設けずに
前面パネル１１の透孔部１４に取付けたルーバー２にソ
ケット４を装着したものである。このものはルーバー２
の基端部２１にソケット４の挿入孔４３が設けてあり、
ソケット４後端側の小径部４４とルーバー２後端側に環
状または点在させた突出部２５とを係止することによっ
て両者の固定化をはかっている。

【００２７】また、防水ルーバー２の円筒状部内面側に
突出させたリング状の防水パッキング２４はバルブ５１
の最大径部５２より小径の口金側に設けてあるが、この
場合も防水パッキング２４を越えて口金側に水滴が侵入
することがない。また、図示のように防水ルーバー２の
前端側開口部の下方が水平方向（矢印Ｈ）より下方向き
（矢印Ｄ）であれば、ルーバー２内には水が溜まること
なく流れ出すことができる。

【００２８】なお、本発明は上記実施例のものに限定さ
れるものではなく、たとえば防水ルーバの前端側は上方
が長く下方が短く形成してあるが、上下とも同寸であっ
てもよく、また、円筒状に限らない。また、防水ルーバ
の材質は全体が合成樹脂やゴムに限らず、主体が金属製
で基体部を兼ねる防水パッキングおよび筒状部内面のリ
ング状の防水パッキング部分を弾性材料である合成樹脂
やゴムで形成してあってもよく、要するにこれらが一体
的に構成されていればよい。

【００２９】また、発光素子としては電球に限らず、表
示用蛍光ランプあるいはバルブ内に複数個のＬＥＤ（発
光ダイオード）や放電ランプを封装したものであっても
よい。また、これらバルブの形状も図示した涙滴形（Ａ
型、ＰＳ型など）に限らず反射型（Ｒ型など）や管型
（Ｔ型など）であってもよく、その材質もガラスに限ら
ず合成樹脂からなるものであってもよい。

【００３０】さらに，本発明では一組の表示部を取り上
げ説明したが、これに限らず縦横に複数組の表示部を併
置して表示板を構成したものでももちろんよく、さらに
また、本発明では道路情報表示板について説明したが、
これに限らず信号機などの標識、競技場のスコアーボー
ドや電光掲示板などの表示装置に適用できることはいう
までもない。

【００３１】

【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、前
面パネルに水密に取付ける筒状部の内面側に電球などの
発光素子の外周と密接する防水パッキングが一体的に設
けてあり、従来はルーバおよび防水パッキングを別体で
構成しそれぞれ別に取付けていたが、本発明はルーバを
取付けることにより一括して作業を行うことができ、構
成部品点数の削減および取付け作業時間の短縮と簡易化
など種々の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明表示装置の実施例を示す一部切欠斜視図
である。

【図２】図１の要部を拡大して示す一部断面側面図であ
る。

【図３】図１の要部を拡大して示す正面図である。

【図４】本発明表示装置の他の実施例の要部を拡大して
示す一部断面側面図である。

【符号の説明】

１：筐体 １１：前面パネル １４：透孔部 ２：防水ルーバ ２０：先端部（防水ルーバ部） ２１：基端部 ２３：凹溝（防水パッキング） ２４：防水パッキング ４：ソケット ５：電球（発光素子） ５１：バルブ

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前面パネルに取付けられる基端部と、ル
   ーバー部が形成された先端部とを有し、発光素子が挿入
   される筒状部であって、この筒状部の内面には発光素子
   の外周に当接する防水パッキングが一体的に形成されて
   いることを特徴とする防水ルーバー。
2. 【請求項２】 上記筒状部内面の防水パッキングは発光
   素子の最大径部付近に当接していることを特徴とする請
   求項１に記載の防水ルーバー。
3. 【請求項３】 前面パネルと、このパネルに設けられた
   複数個の筒状部と、これら筒状部に挿入された発光素子
   とを備えた表示装置において、上記筒状部は基端部がパ
   ネルの透孔部に水密に取付けられる防水パッキングであ
   るとともに先端部がルーバーであって、筒状部内面には
   発光素子の外周に当接する防水パッキングが一体的に形
   成されていることを特徴とする表示装置。
4. 【請求項４】 上記発光素子が電球または放電ランプあ
   るいはＬＥＤからなることを特徴とする請求項３に記載
   の表示装置。
5. 【請求項５】 上記請求項３または請求項４の表示装置
   を縦横に複数組併置していることを特徴とする表示板。