JPH0764735B2 - 足白癬を治療するための医薬組成物 - Google Patents

足白癬を治療するための医薬組成物

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JPH0764735B2
JPH0764735B2 JP1124635A JP12463589A JPH0764735B2 JP H0764735 B2 JPH0764735 B2 JP H0764735B2 JP 1124635 A JP1124635 A JP 1124635A JP 12463589 A JP12463589 A JP 12463589A JP H0764735 B2 JPH0764735 B2 JP H0764735B2
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リー ゲティングス リチャード
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、角質化した皮膚部分に侵入し、そして攻撃す
る、病原性皮膚糸状菌、小胞子菌属種、白癬菌属種及び
表皮糸状菌属種により生ぜしめられる慢性のヒト皮相菌
感染症足白癬を処置するための治療方法に関し、皮膚糸
状菌に対して少なくとも阻害性増殖効果を及ぼすため
に、感染の部位での身体の皮膚のかゆみ、侵軟、ひび割
れた及び鱗苞部分に皮膚糸状菌に拮抗性のローションの
殺真菌力に有効量を局所的にくり返し適用することを含
んで成り、そして前記ローションが第4アンモニウム塩
である抗菌活性シランを含有することを特徴とする。
抗菌剤は、生成物、材料及びシステムの微生物学的汚染
及び劣化を防ぐために使用される化学的組成物である。
抗菌剤及び組成物の適用の特別な分野は、たとえば化粧
品、殺菌剤、消毒剤、木材保存剤、食物、動物飼料、冷
却水、金属工作流体、病院及び医学的使用、プラスチッ
ク及び樹脂、石油、パルプ及び紙、布、ラテックス、接
着剤、革及び皮革及びペイントスラリである。抗菌剤及
び組成物の種々のカテゴリーのうち、第四アンモニウム
化合物は、使用される抗菌剤の最っとも多くの種類の1
つを示す。低濃度で、第四アンモニウムタイプの抗菌剤
は、静菌性、静真菌性、静藻性、静胞性及び抗結核性で
ある。中ぐらいの濃度で、それらは、殺菌性、殺真菌
性、殺藻性及び親油性ウィルスに対する殺ウィルス性で
ある。非−シリコーン第四抗菌剤は、皮膚糸状菌に対し
て効果的であることが知られておらず又は教授されてお
らず、そして事実、皮膚、特に活性的な感染部位上に存
在する有機物質により引き起こされる妨害のためにその
ような使用において効果的でないことが知られている。
知られているかぎり、足白癬のような疾病の処置のため
局所的な皮膚適用を提供するために、ローション形で有
機珪素第四アンモニウム化合物を使用したものはない。
この感染は、典型的には、アメリカ特許第2,290,710号
により明らかなようなモルホリンヒドロペリオジドのよ
うな組成物;グリセオフルイン抗真菌性抗生物質薬物;
及びウンデシレン酸とウンデシレン酸亜鉛との組合せに
より治療されて来た。従って、本発明に例えば、抗菌剤
がなめらかなローション形で形成され得る組成物は、そ
れらがシリコーン第四アンモニウム塩の特性及び利点を
有するので、足白癬のような皮膚感染を効果的に治療す
るために使用され得ることが見出された。有機珪素第四
アンモニウム化合物により処理される支持体は、足白
癬、身体白癬及び頭部白癬を引き起こすことが知られて
いる生物体に対する保護を付与することがさらに知られ
ている。従って、本発明の組成物は、微生物汚染及び劣
化を防ぐことに作用する。
たとえば、3−(トリメトキシシリル)プロピルジメチ
ルオクタデシルアンモニウムクロリド(この後TMSとし
て言及する)は、効果的な抗菌剤であり、ここでその活
性成分は、それが接触される支持体と反応する。これら
の支持体は、非浸出性の広い範囲の抗菌活性を示す。ロ
ーション組成物に抗菌成分を含むことによって、便利な
投与システムが実現される。従って、本発明に示される
組成物は、存在する抗菌処理剤よりも独特の特性及び利
点を有し、そしてそれらよりも改良された結果を提供す
る。従って、従来技術の欠点は、改良された抗菌剤が提
供される本発明により克服される。
本発明は、角質化した皮膚部分に侵入し、そして攻撃す
る、病原性皮膚糸状菌、小胞子菌属種、白癬菌属種及び
表皮糸状菌属種により生ぜしめられる慢性のヒト皮相菌
感染症足白癬、身体白癬及び頭部白癬を処置するための
治療方法に関し、皮膚糸状菌に対して少なくとも阻害性
増殖効果を及ぼすために、感染の部位での身体の皮膚の
かゆみ、侵軟、ひび割れた及び鱗苞部分に皮膚糸状菌に
拮抗性のローションの殺真菌的に有効量を局所的にくり
返し適用することを含んで成り、前記ローションが、下
記一般式: Y3SiRN+R′R″RX- 〔式中、Yは有機又は加水分解可能な基を示し、Rは1
〜6個の炭素原子を有する二価の炭化水素を示し、
R′,R″及びRは独立しており、1〜18個の炭素原子
を含む飽和又は不飽和炭化水素基、炭素、水素及び酸
素;炭素、水素及び硫黄;又は炭素、水素及び窒素から
成る飽和又は不飽和有機基を示し、そしてXはアニオン
を示す〕で表わされるシランを含むことを特徴とする。
シランはまた、下記一般式: Y3Si(CH2mN+(CH3(CH2nCH3X- 〔式中、Yは有機又は加水分解可能基を示し、Xは酸ア
ニオンを示し、そしてm+nが16〜23である場合、mは
1〜11であり、そしてnは9〜17である〕により示され
得る。本発明に使用のための好ましいシラン化合物の例
は、下記式: (CH3O)3Si(CH23N+(CH32C18H37Cl- (CH3O)3Si(CH23N+(C10H21(CH3)Cl- により示される。
第1態様において、ローションは、シランの他に、それ
ぞれタルク、トリエタノールアミン、プロピレングリコ
ール、アリルスクロースにより架橋されたアクリル酸の
ポリマーの沈殿防止剤、水、ステアリン酸グリセリン、
ラノリンアルコール、鉱油及びステアリン酸を含み、そ
して第2態様においては、ローションは、シランの他
に、それぞれメチルセルロース、タルク、プロピレング
リコール、水、ステアリン酸グリセリン、ラノリンアル
コール、鉱油、ステアリン酸及びポリジメチルシクロキ
サンの低粘性流体ブレンドを含む。
本発明はまた、角質化した皮膚部分に侵入し、そして攻
撃する、病原性皮膚糸状菌、小胞子菌属種、白癬菌属種
及び表皮糸状菌属種により生ぜしめられる慢性のヒト皮
相菌感染症足白癬、身体白癬及び頭部白癬を処置するた
めの治療組成物に関し、皮膚糸状菌に対して少なくとも
阻害性増殖効果を及ぼすために、感染の部位での身体の
皮膚のかゆみ、侵軟、ひび割れた及び鱗苞部分に皮膚糸
状菌に拮抗性のローションの殺真菌的に有効量を局所的
にくり返し適用することを含んで成り、前記ローション
が、下記一般式: Y3SiRN+R′R″RX- 〔式中、Yは有機又は加水分解可能な基を示し、Rは1
〜6個の炭素原子を有する二価の炭化水素基を示し、
R′,R″及びRは独立しており、1〜18個の炭素原子
を含む飽和又は不飽和炭化水素基、炭素、水素及び酸
素;炭素、水素及び硫黄;又は炭素、水素及び窒素から
成る飽和又は不飽和有機基を示し、そしてXはアニオン
を示す〕で表わされるシランを含むことを特徴とする。
従って、足白癬、身体白癬及び頭部白癬のような微生物
条件に対して皮膚上で効果的である、シランを含むロー
ションシステムを提供することが本発明の目的である。
本発明のこれらの及び他の目的、特性及び利点が、次の
発明の詳細な記載から明らかになるであろう。
足白癬又は皮膚糸状菌性は、慢性的な皮膚の表相白癬菌
類感染である。それは、皮膚糸状菌属の白癬菌属、表皮
糸状菌属及び小胞子菌属の種類により引き起こされる。
足白癬は種々のタイプ及び種々の重度のものであるけれ
ども、それは皮膚の侵軟、ひび割れ及び鱗苞により及び
激しいかゆみにより特徴づけられる。しかしながら、本
発明の方法に従って調製され、そして適用される場合、
シランを含むあるローションは、足白癬の増殖、拡張及
び再発を阻害するのに効果的であり、そして皮膚糸状菌
属の同じ種により引き起こされる足白癬、身体白癬及び
頭部白癬を効果的に攻撃することが見出された。
本発明のローション組成物が、下記に示される例に従っ
て調製され、そして例及び結果を列挙する表において
は、TMCとして同定された組成物は、抗菌剤としてDow C
orning Corporationにより製造される生成物を言及し、
そしてメタノールにより42%活性成分に希釈された3−
(トリメトキシシリル)−プロピルオクタデシルジメチ
ルアンモニウムクロリドであり、そして下記式:(CH
3O)3Si(CH2)N+(CH32C18H37Cl-を有する。
ブロモフェノールブルーの水性ナトリウム塩のアニオン
は、それが支持体上に存在する場合、本発明の重合シス
テムのカチオンと複合体化され得る。水でのすすぎに耐
性であるその青色複合体は、支持体上のカチオンの存在
の量的な表示であり、従って一定の支持体上での抗菌剤
の程度を示唆する。標準色に対する保持された青色の強
度の比較は、処置が正しく適用されたかどうかを決定す
るための照会として使用される。
その方法は、蒸留水中、ブロモフェノールブルーの0.02
〜0.04重量%溶液を調製することから成る。この溶液
は、その溶液100ml当り飽和Na2CO3溶液の数滴を用いて
アルカリ性にされる。この溶液の2〜3滴が処理された
支持体上に置かれ、そして2分間放置される。次にその
支持体を、たくさんの量の水道水によりすすぎ、そして
その支持体を青色染色について観察し、そしてそれと標
準色とを比較する。
分光光度測定のために、次の試験を用いる。
ブロモフェノールブルーのナトリウム塩を、処理された
支持体上でカチオンと複合体化することによって標準溶
液から消費しつくす。ブロモフェノールブルー濃度の変
化が、分光光度計により又は標準色との比較により決定
され、それによってカチオン性シランによる支持体処理
のレベルが決定できる。
その方法は、蒸留水中、ブロモフェノールブルーの0.02
重量%標準溶液を調製することから成る。それは、ブロ
モフェノールブルー溶液100ml当たり飽和Na2CO3溶液数
滴によりアルカリ性にされる。この溶液の色は、紫であ
る。
ブランク溶液を調製し、次の方法により589nmにセット
された分光光度計を用いて1cmのセルで測定される場
合、10〜12%の透過率読み取りを得る。
容器の3/4を蒸留水により満たし、そしてあらゆる蒸留
水50mlのために0.02%標準ブロモフェノールブルー溶液
2mlを添加する。あらゆる水50mlのために、1%Triton
X−100界面活性剤(Rohm and Haas,Philadelphia,P
A,USAにより製造される)水溶液0.5mlを添加する。混合
し、そして分光光度計を用いて、最大吸光度を決定す
る。蒸留水により100%透過率に上方のゼロを調整す
る。最大の吸光度設定でブロモフェノールブルー溶液の
%透過率を調べる。ブランク溶液を、必要な場合、水又
はブロモフェノールブルー標準溶液のいづれかにより10
%〜12%透過率に調整する。
処理された支持体のサンプルを、サンプル及び試験溶液
の実質的な攪拌のために十分な大きなフラスコ中に支持
体標準の0.5gサンプルを入れることにより試験する。作
業用溶液50mlを添加する。リスト−アクション振盪機に
より20分間攪拌する。試験溶液により試験キュベットを
満たす。粒状物が存在する場合、遠心分離にかける。上
記にセットされた波長で%透過率を測定する。その透過
率が、既知濃度のカチオン性シランのいくつかの支持体
サンプルを調製することによって標準曲線に対して比較
される。たとえば、0%、0.25%、0.50%、0.75%及び
1%でカチオン性シランの既知量を含むサンプルが、分
光光度計により読み取られ、そして曲線がプロットされ
る。
本発明において有用なシランは、下記一般式: を有する。一般的に、これらの材料は、シランの第四ア
ンモニウム塩であることが注目されるべきである。本発
明の範囲内にあるシランのほとんどは、既知のシランで
あり、そしてそのようなシランを開示する引例は数多
い。そのような引例の1つ、すなわち1981年3月31日に
公開されたアメリカ特許第4,259,103号(James R.Malek
及びJohn L.Speier)は、ある支持体の表面の抗菌性に
するためにそのようなシランの使用を開示する。
本発明の目的のためには、シランが適切に使用される場
合、本発明の方法は好ましくは、少量の水が存在するシ
ステムで行なわれる。少量の水の存在のシステムを有す
ることが不可能である場合、水溶性又は水分散性で、低
分子量のシランの加水分解生成物が使用され得る。重要
であることは、生成物の一部としてシランにより生ぜし
められるいづれかの効果の耐久性が、シラン分子が一定
の程度、表面と反応することを必要とする事実である。
シランに関するかぎり、最っとも反応性の種類は、シラ
ン上に存在するアルコキシ基の加水分解により形成され
る≡SiOHである。この≡SiOH基は、表面と反応し、そし
て表面にシランを結合する傾向がある。たとえ表面シス
テムに結合する第1の態様が上記経路による場合でも、
珪素原子上のアルコキシ基は、生来的に表面に結合する
ことに関係することができることが発明者により信じら
れている。
少量の水を含む反応性表面が、本発明のために好まし
い。“反応性”とは、表面が、本発明のシランの加水分
解により生成されるシラノールのいくらかと反応するで
あろういくらかの基を含むべきであることを意味する。
本発明のシラン中のRは、1〜4個の炭素原子のアルキ
ル基である。従って、メチル、エチル、プロピル及びブ
チル基が、本発明のRとして有用である。上記式におい
て、ROはまたRであり得る。Rはまた水素原子でもあり
得、従ってシラノール形、すなわち加水分解生成物を示
す。aの値は0,1又は2であり、そしてR′はメチル又
はエチル基である。
本発明の目的のためのR″は、1〜4個の炭素原子のア
ルキレン基である。従って、R″は、アルキレン基、た
とえばメチレン、エチレン、プロピレン及びブチレンで
あり得る。R,R′及びRvはそれぞれ独率しており、
1〜18個の炭素原子のアルキル基、−CH2C6H5,−CH2CH2
OH,−CH2OH及び−(CH2xNHC(O)Rviから成る基から
選択される。前記xは2〜10の値を有し、そしてRvi
1〜12個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基で
ある。Xはクロリド、ブロミド、フルオリド、ヨージ
ド、アセテート又はトシレートである。Rhはフェニルで
ある。
下記一般式: 〔式中、Rはメチル又はエチルであり;aは0の値を有
し;R″はプロピレンであり;Rはメチル又はエチルであ
り;R′及びRvは1〜18個の炭素原子を含むアルキル基
から選択され(ここで少なくとも1つのそのような基
が、8個よりも大きな炭素原子である)、そしてXがク
ロリド、アセテート又はトシレートのいづれかである〕
で表わされるシランが、本発明のために好ましい。
下記一般式: (CH3O)3Si(CH23N (CH32C18H37Cl-及び (CH3O)3Si(CH23N CH3(C10H21)Cl- で表わされるシランが、本発明のために最っとも好まし
い。
上記のように、これらのシランのほとんどは、文献から
既知であり、そしてそれらの調製方法は十分に知られて
いる。たとえば、1981年8月4日に公開されたアメリカ
特許第4,282,366号;1983年7月19日に公開されたアメリ
カ特許第4,394,378号及び1972年5月9日に公開された
アメリカ特許第3,661,963号を数ある中で参照のこと。
本発明の範囲内の特定のシランは、下記式により示され
る: (CH3O)3Si(CH23N+(CH32C18H37Cl-, (CH3O)3Si(CH23N+(CH32C18H37Br-, (CH3O)3Si(CH23N+(C10H212CH3Cl-, (CH3O)3Si(CH23N+(C10H212CH3Br-, (CH3O)3Si(CH23N+(CH33Cl-, (CH3O)3SiCH2CH2CH2P+(C6H53Cl-, (CH3O)3SiCH2CH2CH2P+(C6H53Br-, (CH3O)3SiCH2CH2CH2P+(CH33Cl-, (CH3O)3SiCH2CH2CH2P+(C6H133Cl-, (CH33Si(CH23N+(CH32C12H25Cl-, (CH33Si(CH23N+(C10H212CH3Cl-, (CH33Si(CH23N+(CH32C18H37Cl-, (CH3O)3Si(CH23N+(CH32C4H9Cl-, (C2H5O)3Si(CH23N+(CH32C18H37Cl-, (CH3O)3Si(CH23N+(CH32CH2C6H5Cl-, (CH3O)3Si(CH23N+(CH32CH2CH2OHCl-, (CH3O)3Si(CH23N+(CH3(CH23NHC(O)(C
F26CF3Cl-, (CH3O)3Si(CH23N+(C2H53Cl-. TMSのローションシステムが調製され、そして足白癬、
身体白癬及び頭部白癬の微生物状態の皮膚に対して効果
的であることが示された。抗菌性物質が、ローション配
合物中に導入され、そして足白癬、身体白癬及び頭部白
癬感染を減じることが示された。
例1 対照のローション及び抗菌剤を含むローションを、バッ
チAとして第1表に特定された成分のそれぞれを容器中
に入れることによって、それぞれ調製した。これらの材
料は、第1表に示される重量%に対応する量で使用され
る。材料CARBOMER 941は、アリルスクロースにより架
橋されるアクリル酸のポリマーの沈殿防止剤であり、そ
してB.F.Goodrich Chemical Companyから購入される。
バッチAの材料を、コンシステンシーに成るまで一緒に
混合した。別の容器中に、バッチBとして第1に特定さ
れる成分のそれぞれを入れた。これらの材料は、第1表
に示される重量%に対応する量で使用された。バッチB
の材料を、コンシステンシーに成るまで一緒に混合し
た。バッチA及びBの材料を、別々の容器中で組合し、
そして30ボルトバリアックでEppenbachミキサーにより
4分間、混合した。クリーム状のローションが得られ
た。そのローションの効力を示すために、再び、ブロモ
フェノールブルーの水性ナトリウム塩のアニオンが、一
定の支持体上で重合TMSのカチオンと複合体化すること
が注目される。その色素は、蒸留水中に0.02%のブロモ
フェノールブルーを溶解し、そしてその溶液を溶液100m
l当たり飽和炭酸ナトリウム数滴によりわずかにアルカ
リ性にすることによって調製された。クリーム状の、抗
菌剤を含むローションを、布のシートにすり込み、そし
てブロモフェノールブルー溶液の2〜3滴がその布に添
加され、そして水によりすすがれる場合、実質的なブル
ー染色が残った。前記ローションの皮膚上での効力を示
すために、対象の皮膚支持体を石ケン及び水により洗浄
した。抗菌剤を含むクリーム状ローションを、その皮膚
に適用し、そして完全に吸収されるまで、十分にすり込
んだ。テープ引張り試験を、ブロモフェノールブルー標
準溶液1mlアリコートを処理された皮膚部分に適用する
ことによって、ローションの皮膚透過性を決定するため
に行なった。その色素を処理された部分のまわりにすり
込み、水によりすすぎ、そして乾燥せしめた。3M SCOT
CH テープの断片を、処理された皮膚部分上に適用し、
そして良好な接着性を確保するためにもんだ。次に、そ
のテープを、1回のすばやい引張りにより取り除いた。
この方法を、テープ断片が白色の紙のシート上に置かれ
る場合、青色が検出できなくなるまで、同じ処理された
皮膚部分上でくり返した。6回のテープの引張りが、角
質層から青色染色のすべての痕跡を除去するために必要
とされたことが見出された。従って、抗菌性ローション
は、調節及び保護が必要とされる皮膚の上部の死んだ層
を透過するが、しかしローションは身体中には透過しな
かった。試験は、効果を与えられる部分への抗菌性ロー
ションのくり返しての適用により、症候が約2日で消出
したことを示唆した。
例2 3種類の抗菌性ローションを、別々の容器に、バッチA
として第2表に特定される成分のそれぞれを組合するこ
とによって調製した。これらの材料は、第2表に示され
る重量%に対応する量で使用された。PDMCSとして同定
される材料は、Dow Corning Corporationの製品であ
り、そしてポリジメチルシクロシロキサンの低粘性流体
ブレンドである。バッチA材料を一緒に混合し、そして
溶融するまで加熱した。別々の容器中に、バッチBとし
て第2表に特定される成分のそれぞれを入れた。これら
の材料は、第2表に示される重量%に対応する量で使用
された。バッチB材料を一緒に混合し、そして溶融する
まで加熱した。バッチA及びBの材料を別々の容器中で
組合し、そして30ボルトバリアックでのEppenbachミキ
サーにより4分間混合した。それぞれの場合、クリーム
状のローションが得られた。例1におけるように、ブロ
モフェノールブルー色素の水性ナトリウム塩のアニオン
は、与えられた支持体上で重合TMSのカチオンと複合体
化する。その色素は、蒸留水中に0.02%のブロモフェノ
ールブルーを溶解し、そしてその溶液を、溶液100ml当
たり飽和炭酸ナトリウム数滴によりわずかにアルカリ性
にすることによって調製された。抗菌剤を含むクリーム
状ローションを、一枚の布にこすりつけ、そしてブロモ
フェノールブルー溶液の2〜3滴がその布に添加され、
そして水によりすすがれる場合、実質的にブルーの染色
が残った。前記ローションの皮膚上での効力を示すため
に、対象の皮膚支持体を石ケン及び水により洗浄した。
抗菌剤を含むクリーム状ローションを、その皮膚に適用
し、そして完全に吸収されるまで、十分にすり込んだ。
テープ引張り試験を、ブロモフェノールブルー標準溶液
1mlアリコートを処理された皮膚部分に適用することに
よって、ローションの皮膚透過性を決定するために行な
った。その色素を処理された部分のまわりにすり込み、
水によりすすぎ、そして乾燥せしめた。3M SCOTCH
ープの断片を、処理された皮膚部分上に適用し、そして
良好な接着性を確保するためにもんだ。次に、そのテー
プを、1回のすばやい引張りにより取り除いた。この方
法を、テープ断片が白色の紙のシート上に置かれる場
合、青色が検出できなくなるまで、同じ処理された皮膚
部分上でくり返した。6回のテープの引張りが、角質層
が青色染色のすべての痕跡を除去するために必要とされ
たことが見出された。従って、抗菌性ローションは、調
節及び保護が必要とされる皮膚の上部の死んだ層を透過
するが、しかしローションは身体中には透過しなかっ
た。試験は、効果を与えられる部分への抗菌性ローショ
ンのくり返しての適用により、症候が約2日で消出した
ことを示唆した。従って、ローションは、微生物状態に
対して効果的であると思われ、そして抗菌活性剤を含む
ローションが、ローションが適用される皮膚表面上で微
生物に関連する発汗作用の臭気を減じることもまた注目
された。
処理された表面の抗菌活性を、750,000〜1,500,000計数
のクレブシエラ プネウモニアエ(Klebsiella pneumon
iae)懸濁液中で0.75gのサンプルを1時間の接触時間振
盪することによって評価した。その懸濁液を、接触の前
及び後の両者で連続的に希釈し、そして培養した。懸濁
液中の生存微生物の数を決定する。元の計数に基づく%
減少率を決定する。特定の接触時間で75〜100%の減少
能力を有する表面のために、この方法は向けられる。結
果は、%減少率として報告される。
この試験で使用される培地は、栄養ブイヨン(カタログ
#0003−01−6)及びトリプトングルコース抽出寒天
(カタログ#0002−01−7)であり、この両者はDifco
Laboratories,Detroit,Michigan,U.S.A.から入手でき
る。使用される微生物は、クレブシエラプネウムモニア
エ(American Type Culture Collection;Rockville,Md.
U.S.A.,カタログ#4352)である。
ゼロ接触時間での計数を決定するために使用される方法
は、2個の殺菌された250mlのネジ込みキャップ三角フ
ラスコをそれぞれのサンプルのために使用されることに
よって行なわれる。それぞれのフラスコに、70mlの殺菌
された緩衝溶液を添加する。それぞれのフラスコに、5m
lの生物接種物を無菌状態で添加する。フラスコにキャ
ップをし、そしてリストアクション振盪機上に置く。そ
れらを、最大速度で1分間振盪する。それぞれのフラス
コは、ゼロ接触時間で存在すると思われ、そしてすぐ
に、9mlの殺菌緩衝液を含む別々の試験管にそれぞれの
溶液1mlを移すことによってサブサンプルする。それら
の試験管を渦巻きミキサーにより攪拌し、そして次にそ
れぞれの溶液1mlを、9mlの殺菌緩衝液を含む第2試験管
に移す。次に、試験管を攪拌した後、それぞれの管の1m
lを、別々の殺菌されたペトリ皿に移す。二重反復試験
がまた行なわれる。溶融(42℃)されたトリプトングル
コース抽出寒天16mlを、それぞれの皿に添加する。それ
ぞれの皿の時計の方向に10回それぞれ回転せしめ、そし
て同じように時計の方向とは逆の方向に10回それぞれ回
転せしめる。次に、皿を37℃で24〜36時間インキュベー
トする。コロニーを計数し、総数30〜300のものを有効
なものとして見なす。2種のサンプルの平均を取る。1
時間後、細菌の計数を決定するために使用される方法
は、ゼロ接触時間での計数を決定するために使用された
方法と実質的に同じである。唯一の差異は、注入プレー
ト法が、10゜及び10-1希釈度並びに10-2希釈度で行なわ
れることである。“%減少率”は、下記式: 〔式中、Aは処理された支持体を含むフラスコのための
ml当たりの計数であり;Bは、処理された支持体の添加の
前、“A"を決定するために使用されるフラスコのための
ml当たりのゼロ接触時間での計数であり、そしてCは未
処理の支持体のためのml当たりのゼロ接触時間での計数
である〕により計算される。例3においては、前記方法
が、わかりやすいように変えられた。
例3 TMSにより処理された表面が、毛瘡白癬菌に対して自己
殺菌することを示すために、オーロン−ナイロン及びナ
イロン布が布の重量に基づいて0.5%〜1.25%で抗菌剤
により処理され、そして綿−ナイロ布が布の重量に基づ
いて0.75%〜1.5%のレベルで処理された。3種の異な
ったバッチを表わす3種の生成物サンプル(この1つ
は、少なくとも60日目である)が、処理された材料の洗
濯の回数に基づかれることが決定された予定された有用
な寿命のためにそれぞれ代表的な布を化学的に含浸する
ために使用された。試験用布及び対照布を、試験生物体
により接種した。ゼロ及び24時間の代表的な時間の間隔
で、生存する生物体を、既知量の液体中で振盪すること
によって布スワッチから分離した。次にその液体中にお
ける生存生物体の数を決定し、そして処理された布によ
る%減少率を計算した。1及び7個の8インチ直径の円
形のスワッチが使用され、そしてそれぞれのスワッチ
が、平均した分布を確保するために接種物を引き伸ばさ
れた。処理された及び処理されていない布からの菌類の
計数は、それぞれオーロン−ナイロン、ナイロン及び綿
−ナイロンの布について第3〜5表に示される。そのデ
ータは、処理された布が、処理されなかった布に比べて
少なくとも10回の洗濯サイクルを通して菌類に対して自
己殺菌を行ない、そして効力を決定するためのこの修飾
された試験方法を用いて、10回の洗濯の後、活性のわず
かな低下が存在したことを示す。
例4 毛瘡白癬菌に対するTMSの有効性をうらに示すために、
種々のタイプのナイロン表面を、抗菌剤により処理し、
そしてその結果を第6〜9表に示す。表面に使用された
試験用バチルス属菌の阻害及び不活性化におけるTMSの
効果を示すために、未処理表面及び処理された表面に対
する比較を行なった。4種のタイプのナイロン材表面、
たとえば高パイルカット布、細かな立ち毛布、軽質メリ
ヤス生地及び重質メリヤス生地の表面が試験のために選
択された。処理の耐久性は、それぞれの表面タイプをそ
の新しい条件で及び7,14及び21回のシャンプー処理の
後、試験することによって示された。シャンプー処理の
ためには、市販のスプレー排出装置を使用し、そして非
細菌性シャンプーには、非イオン性界面活性剤及びリン
酸塩の活性群を有した。それぞれの試験を、得られる結
果を実証するために3回くり返した。
試験表面50mm×50mmを、バチルス属菌のキャリヤーとし
て使用した。表面を前もって湿潤するために、表面を、
37℃でリン酸緩衝溶液中に含浸し、取り出し、過剰の流
体を除くために殺菌したフィルター紙の間に置き、そし
て殺菌したペトリ皿中に置いた。試験用バチルス属菌の
懸濁液を、37℃で18時間インキュベートされた栄養ブイ
ヨンから得、そしてリン酸緩衝液9ml中に培養ブイヨン1
mlを移すことによって、120rpm回転数で攪拌した。この
1:10の希釈度から1:100の希釈溶液を、リン酸緩衝液9ml
中に第1の希釈溶液からの1mlを添加することによって
製造した。同じ方法を用いて、1:1000の希釈度の懸濁液
を形成した。1:1000の希釈溶液を用いて、それぞれ側面
の縁に沿って0.01mlを適用することによって又はバチル
ス属菌キャリヤー当たり試験バチルス属菌懸濁液の合計
0.05mlを適用することによって殺菌されたペトリ皿中の
試験片を接種した。接種された片を、気密な容器中の密
封されたペトリ皿中に置き(前記容器は水によりその体
積の10%を満たされている)、そして37℃に予備加熱し
た。試験片のインキュベーションを、容器中で4時間、
37℃で行なった。
バチルス属菌キャリヤーを、その容器から取り出し、そ
して200ml容量のカバーガラス中に置き、そして100mlの
Letheenブイヨンにより満たし、そして180rpmの振動数
で振盪装置により10分間振盪した。試験バチルス属菌の
再単離を、ペトリ皿に直接、Letheenブイヨンからの1ml
を移し、続いてLetheenブイヨンによる希釈度1:10及び
1:100にすることによって行なった。それぞれの希釈溶
液1mlを、ペトリ皿に入れ、そしてバチルス栄養Saboura
udデキストロース寒天により被覆した。インキュベーシ
ョン時間は12週間であった。真菌培養物を、22±1℃の
温度で及び96±3%の相対湿度で気候調節チャンバー内
においてインキュベートした。読み取りを、1,6及び12
週の間行なった。正確な定量評価は、真菌類の生物学的
性質のために不可能であった。従って、真菌バチルス栄
養皿上での表面増殖の%を評価し、そして第6〜第9表
に報告されている。TMS処理は効果的であるだけでな
く、また永続性もあることが第6〜第9表から明らかで
あろう。なぜならば多くの回数のシャンプー処理は、バ
チルス属菌の減少速度に有意な効果をもたらさなかった
からである。気候調節されたチャンバー内での12週間の
プレートのインキュベーションの後でさえ、いづれの試
験においても真菌の種類の再単離は存在しなかった。表
においては、真菌増殖の減少は、プレート表面の%での
プレート上での増殖として表わされる。
前述のものは、TMSに特異的なものとして示されている
が、抗菌活性を示す他の組成物、たとえば3−クロロプ
ロピルトリメトキシシラン及び3−(トリメトキシシリ
ル)プロピルオクタデシルジメチルアンモニウムクロリ
ドのメタノール混合物は、本発明の目的のために効果的
であることが明らかである。
ローションの他にキャリヤー、たとえばゲル、粉末、ク
リーム、エマルジョン、シクロエマルジョン及び溶媒溶
液、たとえばチンキが、活性抗菌剤を含むものとして使
用され得ることは、注目されるべきである。さらに皮膚
以外の表面、たとえばカーペット;生地、たとえばソッ
クス、布、靴の内部ライナー、タオル、寝具、椅子張
り、カーテン及びドラペリー;及び硬質な表面、たとえ
ば壁、テーブル、天井及び家具が、処理され得る。
多くの他の変更及び修飾が、本発明の構造体、化合物、
組成物、製品及び本発明の方法に行なわれることができ
るが、これは本発明の概念及び特徴を限定するものでは
ないことは明らかであろう。従って、本発明に記載の形
は、例示的であって、本発明の範囲を限定するものでは
ない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/12 N 47/14 N 47/18 N 47/24 N 47/32 N (56)参考文献 特開 昭57−142991(JP,A) 特開 平1−313408(JP,A) 特開 平2−14741(JP,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】角質化した皮膚部分に侵入し、そして攻撃
    する、病原性皮膚糸状菌、小胞子菌属種、白癬菌属種及
    び表皮糸状菌属種により生ぜしめられる慢性のヒト皮相
    菌感染症足癬を処置するためのローション型医薬組成物
    であって、下記一般式: Y3SiRN+R′R″RX- 〔式中、Yは有機又は加水分解可能な基を示し、Rは1
    〜6個の炭素原子を有する二価の炭化水素基を示し、
    R′,R″及びRは独立しており、1〜18個の炭素原子
    を含む飽和又は不飽和炭化水素基、炭素、水素及び酸
    素;炭素、水素及び硫黄;又は炭素、水素及び窒素から
    成る飽和又は不飽和有機基を示し、そしてXはアニオン
    を示す〕で表わされるシランを含むことを特徴とする組
    成物。
  2. 【請求項2】シランの他に、それぞれタルク、トリエタ
    ノールアミン、プロピレングリコール、アリルスクロー
    スにより架橋されたアクリル酸のポリマーの沈殿防止
    剤、水、ステアリン酸グリセリン、ラノリンアルコー
    ル、鉱油及びステアリン酸を含む請求項1記載の組成
    物。
  3. 【請求項3】シランの他に、それぞれメチルセルロー
    ス、タルク、プロピレングリコール、水、ステアリン酸
    グリセリン、ラノリンアルコール、鉱油、ステアリン酸
    及びポリジメチルシクロキサンの低粘性流体ブレンドを
    含む請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】角質化した皮膚部分に侵入し、そして攻撃
    する、病原性皮膚糸状菌、小胞子菌属種、白癬菌属種及
    び表皮糸状菌属種により生ぜしめられる慢性のヒト皮相
    菌感染生足白癬を処置するためのローション型医薬組成
    物であって、 〔それぞれの式中、Rは1〜4個の炭素原子のアルキル
    基又は水素原子であり;aは0,1又は2の値であり;R′は
    メチル又はエチル基であり;R″は1〜4個の炭素原子の
    アルキレン基であり;R,R′及びRvはそれぞれ独立し
    ており、1〜18個の炭素原子のアルキル基、−CH2C6H5,
    −CH2CH2OH,−CH2OH及び−(CH2xNHC(O)Rvi(ここ
    でXは2〜10の値を有し、そしてRviは1〜12個の炭素
    原子を有するペルフルオロアルキル基である)から成る
    群から選択され;Xはクロリド、ブロミド、フルオリド、
    ヨージド、アセテート又はトシレートであり〕から成る
    群から選択された一般式を有するオルガノシランを含む
    ことを特徴とする組成物。
  5. 【請求項5】シランの他に、それぞれタルク、トリエタ
    ノールアミン、プロピレングリコール、アリルスクロー
    スにより架橋されたアクリル酸のポリマーの沈殿防止
    剤、水、ステアリン酸グリセリン、ラノリンアルコー
    ル、鉱油及びステアリン酸を含む請求項4記載の組成
    物。
  6. 【請求項6】シランの他に、それぞれメチルセルロー
    ス、タルク、プロピレングリコール、水、ステアリン酸
    グリセリン、ラノリンアルコール、鉱油、ステアリン酸
    及びポリジメチルシクロキサンの低粘性流体ブレンドを
    含む請求項4記載の組成物。
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