JPH0764695B2 - 殺菌及び菌の除去方法 - Google Patents

殺菌及び菌の除去方法

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JPH0764695B2
JPH0764695B2 JP61084331A JP8433186A JPH0764695B2 JP H0764695 B2 JPH0764695 B2 JP H0764695B2 JP 61084331 A JP61084331 A JP 61084331A JP 8433186 A JP8433186 A JP 8433186A JP H0764695 B2 JPH0764695 B2 JP H0764695B2
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fiber
bacteria
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bacterium
sterilization
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睦夫 村上
和雄 寺本
正智 小玉
徹 谷
善裕 遠藤
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  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、殺菌及び菌の除去方法に関する。
(従来の技術) 我々の生活空間には、各種の細菌、カビ、バクテリア等
の微生物が存在している。そして、高温多湿な環境下で
は、それらの繁殖が特に活発であり、繊維の変質・変
色、劣化等の現象を起したり、腐敗・発酵現象をおこし
たり、不快な臭気を発生したりしている。
また、外科手術に際しては近代的な専門技術や極めて複
雑な設備が用いられているにもかかわらず、創傷感染が
相変らず多く、病院での関心の高い事項の1つである。
このため、病原菌による術後感染を防ぎ、傷の治癒に役
立てるとか、薬物等を体内に投与する際、その経路から
の病原微生物侵入を防ぐ材料及び患者の闘病生活を快い
ものにするなどの医療用繊維製品の開発が望まれてい
た。
従来、抗菌および抗カビ加工法としては、天然または合
成繊維に抗菌力をもつ化合物、たとえば第4級アンモニ
ウム塩などを塗布またはスプレーしたり、化合物溶液に
繊維を含浸する方法が知られている。しかし、これらの
方法では効力に持続性がなく、その後の洗濯や摩擦等に
よって容易に抗菌剤が脱落し安全衛生上および排水公害
等の面からも問題であった。また、抗菌剤を添加した樹
脂を用いて樹脂加工を行なうと繊維の風合を損なうとい
う欠点を有していた。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、空気中、水、水溶液、および血液中に含まれ
る菌を選択的に殺菌および菌を除去する方法を提供する
ものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、次の構成を有する。
菌または菌を含有する媒体に、置換基として下記一般式
(1)の官能基を主鎖または側鎖に有する芳香族重合体
またはその成型品を接触させることを特徴とする殺菌お
よび菌の除去方法。
上式中、R1、R2、R3およびR4は水素原子またはアルキル
基を示す。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいう菌とは、グラム陰性球菌、グラム陰性好気
性桿菌、グラム陰性嫌気性桿菌等のグラム陰性菌や黄色
ブドウ球菌で代表されるグラム陽性菌などを例示するこ
とができる。
本発明でいう芳香族重合体とは、芳香族ポリアミド、ポ
リエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイ
ド、ポリスチレンなどの芳香核を有する重合体を意味す
るが、中でもポリスチレンが化学的に安定であり特に好
ましい。また重合体が結晶性ポリプロピレン、ポリエチ
レンなどで代表されるポリα−オレフィンによって補強
されていれば、機械的性質が向上するのでさらに好まし
い。
上記一般式(1)中、R1およびR2は水素原子である場合
がもっとも製造しやすい。また、R3およびR4のアルキル
基は炭素数が多いと該重合体の疎水性が高くなりすぎる
ので、最も炭素数の少ないメチル基が最良である。
該芳香族重合体中の上記一般式(1)で示される官能基
の量には特に限定はないが、少なすぎると該芳香族重合
体またはその成型品と菌または菌を含有する媒体との親
和性が悪くなり、処理能力が低下するので、該重合体1g
あたり0.2ミリモル以上、より好ましくは0.6ミリモル以
上存在するのがよい。
また、該芳香族重合体またはその成型品は使用条件にお
いて溶出物がなく、実質上不活性である。すなわち、化
学処理や表面処理で殺菌力を付与するのとは異なり、そ
のもの自体が殺菌力を保持しているので安全である。こ
のため、長期間の使用でも効果が持続するので産業上の
利用価値は極めて高い。
本発明でいう成型品とは繊維、膜、中空糸、粒状物およ
びそれらの高次加工品を意味する。そして、繊維ならば
織物、編物、紙、フェルト、フィルターなどの高次形態
でも用いることができる。とりわけ、繊維、中空糸が流
路を確保できる使用形態にできるので良い。この特性は
成型品を血液のような高粘性液体の処理剤として使用す
る時重要である。この場合、該成型品の表面積はあまり
小さすぎると、菌の処理能力が低下し、またあまり大き
すぎても、本発明成型品を充填したカラムの通液性は悪
くなるので、該成型品の表面積は0.01以上50m2/g以下、
より好ましくは、0.05以上10m2/g以下がよい。
本発明でいう成型品の調製方法の具体例をあげると、多
芯海島型構造でポリプロピレンにより補強したポリスチ
レン繊維を硫酸とニトロベンゼンの存在下、室温でパラ
ホルムアルデヒドとN−メチロール−α−クロルアセト
アミドを用いて不溶化とアミドメチル化をおこなったあ
と、塩酸で15時間還流加熱して加水分解し、さらにこの
加水分解繊維をギ酸とホルムアルデヒドでジメチル化す
ることにより達成できる。
本発明でいう成型品を用いて菌または菌を含有する媒体
から殺菌および菌を除去する方法を例示すると、該成型
品を菌または菌を含有する媒体に接触させたあと、該成
型品を分離すればよい。接触の方法として、該成型品を
充填したカラムを調製し、これに菌または菌を含有する
媒体を通液したり、該成型型をフェルト状または濾紙状
物とし、菌または菌を含有する媒体を瀘別する方法も好
ましく用いられる。そして、該成型品はそれ単独で用い
てもよいし、多孔質膜のようなものと組み合せた使い方
も可能である。
本発明でいう成型品の使用例をあげると、該成型品を充
填したカラムに輸液、透析液または血液、生理食塩水、
水溶液、水、空気などを循環させる方法、火傷部や傷部
の表面を該成型品で被覆する方法などがある。また、該
成型品から得られる製品を例示すると医療用関連の繊維
製品としては、血液との接触材料、エプロン、ベッドカ
バー、おむつ、手術用カバー、顔面マスク、女性の衛生
具、失禁用パッド、実験着、洗濯品用のバック、巻包
帯、シーツ、枕ケース、ベッドカバー、手術用衣料、縫
合糸などがある。さらに医療用以外では、衣服、壁紙、
じゅうたん、食品の保存容器、食品の包装用具、掃除機
用ゴミ袋などもあげられる。
以下に実施例を示す。
(実施例) (殺菌および菌除去用材料の調製) ポリプロピレン(三井“ノーブレン"J3HG)50部を島成
分とし、ポリスチレン(“スタイロ""666)46部、ポリ
プロピレン(住友“ノーブレン"WF−727−F)4部の混
合物を海成分とする海島型複合繊維(島数16、単糸繊度
2.6デニール、引張強度2.6g/d、伸度50%、フィラメン
ト数42)50gを、N−メチロール−α−クロルアセトア
ミド50g、ニトロベンゼン400g、98%硫酸400gおよびパ
ラホルムアルデヒド0.85gからなる混合溶液中に浸し、2
0℃で1時間反応させた。繊維を反応液から取り出し、
0℃の氷水5l中に投じて、反応停止させたのち、水で洗
浄し、次に、繊維に付着しているニトロベンゼンをメタ
ノールで抽出除去した。この繊維を50℃で真空乾燥し
て、クロルアセトアミドメチル化繊維71g(原料繊維)
を得た。
この繊維5gの200mlの6N−HClに浸し、還流冷却下に15時
間加熱して、加水分解し本発明例1の繊維であるアミノ
ベンジル型繊維(全塩基性基量3.10meq/g、含水度1.0/P
H7.4、3.0/塩酸型)を得た。次に、このアミノベンジル
型繊維10gをギ酸100mlとホルマリン100mlの混合溶液に
浸して、90℃で2時間加熱したのち、希水酸化ナトリウ
ム水および希塩酸で洗浄して本発明例2の繊維であるジ
メチルアミノメチル化繊維(全塩基性基量2.84meq/g、
含水度2.7/PH7.4、8.6/塩酸型)を得た。
(生菌数測定法) 大腸菌(Escherichia coil ATCC 25922)を減菌したリ
ン酸緩衝液に浮遊させ106CFU/ml(集落形成単位)程度
の濃度に調製した。繊維と菌液を振とう後、菌液を3段
階希釈(100、102、104希釈)し、各0.1mlをDHL寒天培
地(日水製薬(株)、ニッスイプレート DHL寒天培
地)に接種した。37℃ 24時間培養後、コロニー数を測
定した。
実施例1. 実施例で得た本発明例1,2の繊維および比較繊維につい
て以下の殺菌および菌除去実験をおこなった。調製した
繊維0.25gを3cmの長さに切り10mlガラス製テストチュー
ブに入れ、8mlの蒸溜水を入れたあと栓をし、121℃ 30
分オートクレーブにかけた。このあと上澄液を除き、菌
液5mlを加えて室温で振とうし、所定時間ごとにサンプ
リングした。対照(コントロール)として、菌液のみを
注入した試験管を用意し、同様に振とうした。所定時間
の振とう後、生菌数を測定し表1に示す結果を得た。
表1から本発明例では極めて短時間に菌数が低下あるい
はゼロになるのに対し、化学構造のよく似た比較例では
ほとんど低下が見られず効果のないことがわかる。
なお、比較繊維は次のように調製した。原料繊維10gを
ジメチルアミル50%水溶液800mlにひたし、室温で1日
静置後、45℃で2時間加熱して反応させた後十分に水洗
して乾燥し比較繊維(ジメチルアミノアセトアミドメチ
ル化繊維、全塩基性基量2.50meq/g、含水度1.0/PH7.4、
3.0/塩酸型)を得た。
実施例2. 殺菌効果が繊維からの溶出によるのかどうか調べた。実
施例1で述べた本発明例2の繊維0.25gを3cmの長さに切
り10mlガラス性テストチューブに入れ、8mlの蒸溜水を
入れたあと栓をし、121℃ 30分オートクレーブにかけ
た。このチューブの中から上澄液1mlをとり、実施例1
で述べた大腸菌液5mlを加えて所定時間ごとにサンプリ
ングしながら8時間振とうした。対照(コントロール)
として、菌液のみを注入した試験管も同様に振とうし
た。振とう後、生菌数を測定し表2に示す結果を得た。
表2から本発明例では対照(コントロール)と同レベル
の菌数が確認されたことから、繊維からの溶出物による
殺菌ではないことがわかる。
実施例3. 実施例1.で述べた本発明例2.の繊維を用いてくり返し実
験による菌処理能力を調べた。本発明例2の繊維0.25g
を3cmの長さに切り10mlガラス製テストチューブに入
れ、8mlの蒸溜水を入れたあと栓をし、121℃ 30分オー
トスレーブにかけた。このあと上澄液を除き、実施例1
で述べた大腸菌液5mlを加え、1時間振とうした。菌液
をサンプリング後、菌液を捨て新たに同濃度の菌液5ml
を加え、計4回くり返した。サンプリングした試料を用
いて生菌数を測定し表3に示す結果を得た。
表3から本発明例では24×105CFU/ml濃度の菌液を用い
て4回くり返し実験を行なっても殺菌力が低下していな
いことがわかる。しかも、再生操作をせずに行なうこと
ができた。
実施例4. 実施例1で述べた本発明例2の繊維を用いて液体培地中
での菌処理能力を調べた。液体培地としては、Heart i
nfusion broth(ウシ心臓抽出液を含む)を用い、この
broth 5ml中に実施例1で述べた大腸菌を接種した。
尚、接種時の大腸菌濃度は、2.4×103CFU/mlであった。
この菌液の中へオートクレーブ処理した本発明例2の繊
維0.25gを入れ、所定時間ごとに菌液をサンプリングし
ながら8時間振とうした。サンプリングした試料を用い
て生菌数を測定し、表4に示す結果を得た。
蛋白質などの夾雑物の存在する系で、しかも繊維に生菌
が付着していると増殖する系で行なったところ表4に示
すとおり対照(コントロール)で菌数が増加するにもか
かわらず本発明例では液体培地中でも極めて強い殺菌能
力を有していることがわかる。
実施例5 実施例1で述べた本発明例2の繊維をカラムに充填し、
菌液を流しながら生菌数を測定した。本発明例2の繊維
0.25gを3cmの長さに切り、内径1cm、長さ3cmのポリプロ
ピレン製カラムに充填し、蒸溜水で洗浄後オートクレー
ブにかけた。
一方、実施例1で述べた菌数(3.4×106CFU/ml)500ml
を容器にとり、ペリスタポンプ(流量2.5ml/min)を用
いて菌液をカラムに通液し、10mlずつサンプリングし
た。カラム内での菌液の滞留時間は30秒であった。この
あと、減菌蒸溜水を流して洗浄し同様に10mlずつサンプ
リングした。サンプリングした試料を用いて、生菌数を
測定し表5に示す結果を示した。
表5から本発明例では菌液がカラムに30秒間滞留するだ
けで極めて短時間に菌数の低下が認められた。しかも、
菌液を流したあと蒸溜水で洗い生菌の脱落を調べたとこ
ろ初期に少し認められるだけで大部分は殺菌されている
ため脱落してこなかった。
実施例6. 実施例1で述べた本発明例2の繊維を用いて菌種を変更
して殺菌及び菌除去実験を行なった。菌種としては、
(1)緑膿菌(Pseudomonas aeruqinosa ATCC 27853)
(2)霊菌(Serratia marcescen ATCC 8100)(3)肺
炎桿菌(Klebsiella pneumoniae ATCC 27736)(4)ネ
ズミチフス菌(Salmonella typhimurium ATCC 13311)
を用いた。本発明例2の繊維0.25gを3cmの長さに切り10
mlガラス製テストチューブに入れ、8mlの蒸溜水を入れ
たあと栓をし、121℃30分オートクレーブにかけた。こ
のあと上澄液を除き、菌液5mlを加えて室温で振とう
し、所定時間ごとにサンプリングした。対照(コントロ
ール)として、菌液のみを注入した試験管を用意し、同
様に振とうした。所定時間の振とう後、生菌数を測定し
表6に示す結果を得た。
表6から本発明例では大腸菌以外のグラム陰性菌に対し
ても強い殺菌効果を有することがわかる。
(発明の効果) 本発明は、菌の汚染レベルを低下させ、創傷感染を制御
し、傷口で無菌状態にすることができる。しかも、材料
からの溶出がないので非毒性、非感作性、非刺激性であ
り使用中に抗菌力が低下しないため安全かつ取扱いやす
い。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】菌または菌を含有する媒体に、置換基とし
    て下記一般式(1)の官能基を主鎖または側鎖に有する
    芳香族重合体またはその成型品を接触させることを特徴
    とする殺菌及び菌の除去方法。 上式中、R1、R2、R3及びR4は水素原子またはアルキル基
    を示す。
JP61084331A 1986-04-14 1986-04-14 殺菌及び菌の除去方法 Expired - Lifetime JPH0764695B2 (ja)

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JPS62240062A JPS62240062A (ja) 1987-10-20
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20120059502A (ko) * 2009-08-31 2012-06-08 도오쿄 인스티튜드 오브 테크놀로지 살균 방법

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61282304A (ja) * 1985-06-03 1986-12-12 イ−・アイ・デユポン・デ・ニモアス・アンド・カンパニ− 抗微生物活性を付与する方法

Patent Citations (1)

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JPS62240062A (ja) 1987-10-20

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