JPH0764625B2 - 超電導物質 - Google Patents

超電導物質

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JPH0764625B2
JPH0764625B2 JP63125959A JP12595988A JPH0764625B2 JP H0764625 B2 JPH0764625 B2 JP H0764625B2 JP 63125959 A JP63125959 A JP 63125959A JP 12595988 A JP12595988 A JP 12595988A JP H0764625 B2 JPH0764625 B2 JP H0764625B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は高温超電導物質に関するもので、より詳しく
は、臨界電流密度の大きい酸化物系超電導セラミックス
についてのものである。
超電導物質は、発電機、変圧器、電力貯蔵装置、磁気浮
上列車、核磁気共鳴断層撮影装置等の超電導磁石型の電
気機器、あるいはジョセフソン素子等の電子デバイスに
用いられる。
[従来の技術] 超電導物質としては、金属元素、これらの金属元素の合
金や金属間化合物、有機物質、セラミックス等が各数種
類知られている。そして最近は、Y−Ba−Cu−O系等
の、その超電導特性を示す臨界温度(Tc)が液体窒素の
沸点たる77Kより高い、いわゆる高温超電導セラミック
スの研究開発が特に盛んである。
セラミックスの超電導物質に関して公知の先行技術とし
ては、以下に記述する二、三の例の他は、ほとんど知ら
れていない。
米国特許3932315号(発明者:A.W.Sleight,発行日:1976
年1月13日)には、Ba1-xAxPb1-yBiyO3の組成、いわゆ
る、perovskite型構造の物質がTc12Kの超電導体であ
ることが示されている。これは、本発明者が認識する限
りでは、超電導セラミックスとして最先の特許である。
J.G.BednorzとK.A.Mullerの論文“Possible High Tc
Superconductivity in the Ba−La−Cu−O Syste
m"(1986年4月17日)には、Ba5La4Cu5O5が30K級の臨界
温度(Tc)を呈する超電導物質として観測されたことが
記載されている。これは、Cuを構成元素とした超電導セ
ラミックスの最初の報告である。
前記2例の先行公知文献は、しかし、低温のTcの超電導
セラミックスに関するもので、有用性が小さいものであ
った。
C.W.Chuらの論文(Physical Review Letter,Vol.58,
P.908 1987年3月2日)は、Y−Ba−Cu−O系化合物
が、液体窒素の沸点(77K)を超える約90KのTcを示す超
電導物質となることを報告し、いわゆる高温超電導物質
の実在を初めて明らかにした。
[発明が解決しようとする課題] 上記の高温超電導物質は、その後の各方面の研究によっ
て、YBa2Cu3O7の組成で2層ペロブスカイト構造をとる
ものと一般に認定された。しかし、このYBa2Cu3O7は、
一定の適当な方法に基いて製造すれば、一定の高温超電
導特性、特に90K程度のTcを示すことが認められたが、
臨界電流密度(Jc)は、新聞等の報道によればおおむね
100〜200A/cm2程度であり、原料予備処理工程や熱処理
工程に改善を加えた方法で得られた最良のJcで350〜400
A/cm2に過ぎず、実用的な見地からは不満足な水準であ
った。
また、これまでの情報等において、Jcに関する報告は少
なく、Jc向上のための具体的な提案はほとんどなされて
いなかった。
したがって、高い臨界電流密度(Jc)を有する実用性の
大きな高温超電導物質を提供することが、この技術分野
に求められた大きな課題であった。
[課題を解決するための手段] 本発明は上記のような関連先行技術の状況に鑑みてなさ
れたもので、高い臨界温度と高い臨界電流密度とを兼備
する新規な超電導物質を提供することを目的とする。
本発明は、一般式:R1A2Cu3O7(R:希土類金属、A:アルカ
リ土類金属)で表現される含銅酸化物型超電導セラミッ
クスに関して、Rを単一元素(例えば、La,もしくは
Y)とせず、超電導特性を顕著に改善する作用がある特
定の元素を含む複数種の希土類金属を混成したものをR
とすることを要旨とするものである。本発明者が見出し
たところの上記の特定元素とは、Sc(スカンジウム)な
らびにYb(イッテルビウム)である。すなわち、本発明
は、実質的にZBa2Cu3O7の組成からなる超電導物質であ
る。ここでZは、以下の3種から選択された1種であ
る。
原子百分率でYb:94〜99%、Sc:1〜6%の比にてYbとS
cとが混成したもの 原子百分率でYb:50〜85%、Y:15〜50%の比にてYbと
Yとを混成したもの 原子百分率でYb:50〜85%、Y:15〜50%の比にてYbと
Yとを混成し、該混成物に原子数比で0.2〜2%のScと
を混成したもの なお、上記の「実質的な組成」なる用語は、本発明に係
る酸化物系物質は厳密に言えば、製造条件および/もし
くは保管条件の影響によって、最終的には一部の酸素原
子が脱落したZ1Ba2Cu3O7-xの構造をとることが一般的で
あるので、これらを包括して表現するものである。
[作用] 本発明に基づくScおよび/またはYbを含む希土類金属元
素混成を特徴とするR1A2Cu3O7型の超電導物質に関し、
その代表的な態様の作用・効果について検討する。
(1)第1に、Sc−Yb混成型の超電導セラミックス、す
なわち、(Sc,YB)1Ba2Cu3O7の高温超電導特性、特に臨
界電流密度と化学組成の関係について説明する。
Ybは周期律表において3A族のランタノイドの1元素であ
るが、Yb−Ba−Cu系酸化物の高温超電導における臨界電
流密度に関する報告は知られていない。そこで、本発明
者らはYbBa2Cu3O7の組成の化合物をYBa2Cu3O7型超電導
物質と同様の方法によって製造して導電特性について調
査したところ、YbBa2Cu3O7の77Kにおける臨界電流密度
はYBa2Cu3O7のものと比べて約3倍の高さを示すことを
知見した。本発明者らはさらにこのYbBa2Cu3O7を基軸と
して臨界電流密度の一層の向上の方途を追及した。
ScはY,La等と同じく周期律表において3A族に区分される
元素であるが、超電導物質を形成しがたいとされ、Scを
有効な成分とする超電導物質は報告されていない。実際
に、本発明者らはScBa2Cu3O7の組成の化合物をYBa2Cu3O
7型超電導物質と同様の方法によって製造して導電特性
について調査したが、ScBa2Cu3O7は77Kにおいて絶縁体
であることを確認した。
しかし、このScとYbとを混成したものの超電導特性への
影響について研究を進めたところ、ScとYbとの混成比が
Sc過多の領域においては依然として超電導特性を呈しな
いものの、前記両元素の混成比を適切に選択すると、予
期に反してYb単味よりもはるかに優れた超電導物質を形
成することを知見した。すなわち、Zを原子百分率でY
b:94〜99%,Sc:1〜6%の比にてYbとScを混成したもの
とし、実質的にZ1Ba2Cu3O7の組成の化合物とすると、こ
の化合物は同様の製造方法によって得られるYbBa2Cu3O7
の組成のものと比べて同等ないしそれ以上の臨界温度と
はるかに高い臨界電流密度とを示した。
これは、上記数値範囲のSc−Yb混成によって、Z1Ba2Cu3
O7すなわち(Yb,Sc)1Ba2Cu3O7の化合物が2重層状ペロ
ブスカイト構造を維持しながら格子定数が若干変化し
て、高臨界電流密度を示す超電導物質となったものであ
る。
本発明におけるSc−Yb混成比の(Yb,Sc)1Ba2Cu3O7型高
温超電導性化合物の臨界電流密度向上に関する効果を定
量的に整理すると下記の通りである。
すなわち、原子百分率でSc−Yb混成比がSc:1〜6%の範
囲で臨界電流密度について、YBa2Cu3O7の組成のものと
比較して[およびYBa2Cu3O7の組成のものと比較して]
約250%[20%]ないしそれ以上の特性値向上が認めら
れ、Sc:1.5〜5.5%の範囲は特性値向上が約300%[30
%]以上となるのでさらに好ましく、Sc:2〜4.5%の範
囲は特性値向上が約350%[50%]に達するので最も好
ましい。一方,Sc>7%ではSc量増大にともなって臨界
電流密度は低下し、目的にそわない。
(2)第2に、Yb−Y混成型の超電導セラミックス、す
なわち(Yb,Y)1Ba2Cu3O7の高温超電導特性、特に臨界
電流密度と化学組成の関係について説明する。
Ybは周期律表において3A族のランタノイドの1元素であ
るが、Yb−Ba−Cu系酸化物の高温超電導における臨界電
流密度に関する報告は知られていない。そこで、本発明
者らはYbBa2Cu3O7の組成の化合物をYBa2Cu3O7型超電導
物質と同様の方法によって製造して導電特性について調
査したところ、YbBa2Cu3O7の77Kにおける臨界電流密度
はYBa2Cu3O7のものと比べて約3倍の高さを示すことを
知見した。本発明者らはさらにこのYbBa2Cu3O7を基軸と
して臨界電流密度の一層の向上の方途を追及した。
このYb系ならびにY系の酸化物の超電導特性の差に注目
し、Yb,Y両元素を各種の比率に混成したものをM(希土
類金属元素、もしくはその混成物)として用いたM1Ba2C
u3O7型化合物の臨界電流密度について研究し、第2図に
示される事実を知見した。同図を一見して明らかなよう
にY−Yb混成比と臨界電流密度(Jc)の関係は、JcがY:
35%(Yb:65%)近傍で最大、またY:10%(Yb:90%)近
傍で最小を示すところのきわめて特徴的なものである。
ここで、Y−Yb混成比の、(Yb,Y)1Ba2Cu3O7型高温超
電導性化合物の臨界電流密度向上に関する効果を定量的
に整理すると下記の通りである。すなわち、原子百分率
でY−Yb混成比がY:15〜50%の範囲で臨界電流密度につ
いて、YBa2Cu3O7組成のものと比較して約50%ないしそ
れ以上の特性値向上が認められ、Y:20〜45%の範囲は特
性値向上が約100%以上となるのでさらに好ましく、Y:3
0〜40%の範囲は特性値向上が約200%に達するので最も
好ましい。このほかY≦8%の範囲もJcの向上には有利
である。その他のY−Yb混成比の範囲では特段のJc向上
が見られず、特にY:10%近傍ではYBa2Cu3O7のJc水準を
下回る。なお、臨界温度Tcに関しては、YBa2Cu3O7と同
等もしくはそれ以上である。
(3)第3に、Sc−Yb−Y型の超電導セラミックスにつ
いて説明する。
ScはY,La等と同じく周期律表において3A族に区分される
元素であるが、超電導物質を形成しがたいとされ、Scを
有効な成分とする超電導物質は報告されていない。実際
に、本発明者らはScBa2Cu3O7の組成の化合物をYBa2Cu3O
7型超電導物質と同様の方法によって製造して導電特性
について調査したが、ScBa2Cu3O7は77Kにおいて絶縁体
であることを確認した。
しかし、このScと(Yb+Y)とを混成したものの超電導
特性への影響について研究を進めたところ、Scと(Yb+
Y)との混成比がSc過多の領域においては依然として超
電導特性を呈しないものの、前記両元素の混成比を適切
に選択すると、予期に反してY−Yb混成(Sc無添加)よ
りもはるかに優れた超電導物質を形成することを知見し
た。すなわち、Z′を原子百分率でYb:50〜85%,Y:15〜
50%の比にてYbとYとを混成したものとし、Zを原子数
比で前記Z′の0.2〜2%のSc(スカンジウム)とZ′
の(Yb+Y)とを混成したものとし、実質的にZ1Ba2Cu3
O7の組成の化合物とすると、この化合物は同様の製造方
法によって得られる(Yb,Y)1Ba2Cu3O7の組成のものと
比べて同等ないしそれ以上の臨界温度とはるかに高い臨
界電流密度とを示した。このSc添加効果の代表的な結果
を示したのが第3図である。
ここで、(Yb+Y)へのSc添加のM1Ba2Cu3O7型化合物
(Mは希土類金属元素、もしくはその混成物)の臨界電
流密度向上に関する効果を定量的に整理すると下記の通
りである。すなわち、原子百分率でY−Yb混成比がY:15
〜50%の範囲のSc−Y−Yb混成物では、臨界電流密度
(Jc)について、YBa2Cu3O7の組成のものと比較して
[およびSc無添加の(Yb,Y)1Ba2Cu3O7の組成のものと
比較して]Sc添加比すなわちSc/(Y+Yb):1%のとき
約100%[50%]ないしそれ以上の特性値向上が認めら
れ、Y:20〜45%の範囲は特性値向上が約200%[50%]
以上となるのでさらに好ましく、Y:30〜40%の範囲は特
性値向上が約350%[50%]に達するので最も好まし
い。
Sc添加比のJc改善効果への影響については、Y−Yb混成
比にも関係するが、Y:20〜45%の範囲ではおおむね安定
しており、Sc添加比0.2%で約10%のJc改善効果を示
し、Scの増大とともにJc改善効果はほぼ直線的に向上し
てSc添加比約1%でほぼ飽和し、2%超ではむしろ低下
する。
[実施例] 本発明に基づく希土類金属元素混成の超電導特性向上効
果を、代表的な組成の態様についての実施例によって下
記に具体的に示す。
なお、本発明者らの研究によると、セラミックス系超電
導物質は組成が同一でも製造条件(たとえば、原料の純
度、各成分の均一分散度、各種熱処理条件)が異なる
と、最終的に呈する超電導特性値は一般に同一水準にな
らない。しかし、本発明に基づく希土類金属元素混成
は、選択された各製造条件に関してほぼ上記の定量的な
効果をもたらす。この希土類金属元素混成の臨界電流密
度向上効果を整理した結果を示したものが第1図〜第3
図である。
第1例 あらかじめ原子数比がZ:Ba:Cu=1:2:3(ただしZは原子
百分率でYb:94〜99%,Sc:1〜6%の比にてYbとScとを混
成したもの)となるように配合されているYb(イッテル
ビウム),Sc(スカンジウム),Ba(バリウム)およびCu
(銅)のシュウ酸塩の微細粉末を900℃×2時間の仮焼
を行ってから粉砕し、これを酸素富化雰囲気中にて850
℃×5時間保持する粉体酸素富化処理し、20mm径のペレ
ットに一次成形し、ついで成形圧力2000kgf/cm2で冷間
等方加圧成形し、950℃×8時間の熱処理(予備焼結)
を行って実質的にZ1Ba2Cu3O7の組成の超電導セラミック
ス焼結体とし、これを粉砕して超電導物質としての(Y
b,Sc)1Ba2Cu3O7粉粒体を得た。この超電導性セラミッ
クス粉粒体に粉粒体充填部の内部の酸素補給源として小
量のAgO微細粉末を添加して充分均一に混合して、外径2
0mmの1層もしくは2層構造の金属製管状体に充填し、
孔型圧延および/もしくは引き抜きによる縮径加工を施
して、最終寸法φ2mmの細丸線状としたのちに950℃×8
時間および炉内徐冷による熱処理(仕上げ焼結)を行っ
て、導電部の組成が実質的にZ1Ba2Cu3O7であって導電部
の長手方向の表面を金属で被覆した長電導材料とした。
一方、実質的な組成がYBa2Cu3O7であるところの超電導
物質およびその材料を本発明によるSc−Yb混成のZ1Ba2C
u3O7との比較のために、上記と同様の方法と条件とによ
って製造した。
上記のZ1Ba2Cu3O7すなわち(Yb,Sc)1Ba2Cu3O7ならびに
YBa2Cu3O7の超電導物質およびその材料の典型的な製造
工程を第1表に例示し、第1表に記載した基準製造条件
によるSc−Yb混成の超電導特性に及ぼす効果を第2表に
示す。第2表から本発明に係わる酸化物型超電導物質に
おいてはSc−Yb混成はY単味と比較して、またYb単味と
比較して臨界温度Tcは同等ないしそれ以上で、所定温度
(77K)における臨界電流密度JcはSc:1〜6%(Yb:94〜
99%)の範囲で大幅に向上することが認められた。
第2例 前記第1例と同様にして、超電導物質としての(Yb,S
c)1Ba2Cu3O7の原料粉末を調製し、これを出発原料とし
て、外径20mmの1層もしくは2層構造の金属製管状体に
充填し、孔型圧延および/もしくは引き抜きによる縮径
加工ならびにこれに引き続く平圧延による偏平加工を施
して最終厚みt3mmの薄帯状としたのちレーザービーム溶
断を用いて長手方向の両端縁を切除して多条切断して幅
10mm細条7本を得た。この多条切断前および/もしくは
後に950℃×8時間および炉内徐冷による熱処理(仕上
げ焼結)を行って、導電部の組成を実質的にZ1Ba2Cu3O7
であって導電部の断面形状が長方形をなし、導電部の長
手方向の表面の一部(ここでは長方形の4辺のうち相対
向する2辺)を金属で被覆しつつ一部は開放している構
成の超電導材料とした。
一方、実質的な組成がYBa2Cu3O7であるところの超電導
物質およびその材料を本発明によるSc−Yb混成のZ1Ba2C
u3O7との比較のために、上記と同様の方法と条件とによ
って製造した。
上記のZ1Ba2Cu3O7すなわち(Yb,Sc)1Ba2Cu3O7ならびに
YBa2Cu3O7の超電導物質およびその材料の典型的な製造
工程を第3表に例示し、第3表に記載した基準製造条件
によるSc−Yb混成の超電導特性に及ぼす効果を第4表に
示す。第4表から本発明に係わる酸化物型超電導物質に
おいてはSc−Yb混成はY単味と比較して、またYb単味と
比較して臨界温度Tcは同等ないしそれ以上で、所定温度
(77K)における臨界電流密度JcはSc:1〜6%(Yb:94〜
99%)の範囲で大幅に向上することが前記第1例(第2
表)の場合とまったく同様に認められる。
第3例 あらかじめ原子数比がZ:Ba:Cu=1:2:3(ただしZは原子
百分率でYb:50〜85%,Y:15〜50%の比にてYbとYとを混
成したもの)となるように配合されているYb(イッテル
ビウム),Y(イットリウム),Ba(バリウム)およびCu
(銅)のシュウ酸塩の微細粉末を出発原料として、前記
第1例と同様にして仮焼以降の工程を経て、最終的に、
導電部の組成が実質的にZ1Ba2Cu3O7であって導電部の長
手方向の表面を金属で被覆した超電導材料とした。
一方、実質的な組成がYBa2Cu3O7であるところの超電導
物質およびその材料を本発明によるY−Yb混成のZ1Ba2O
7との比較のために、上記と同様の方法と条件とによっ
て製造した。
上記のZ1Ba2Cu3O7すなわち(Yb,Y)1Ba2Cu3O7ならびにY
Ba2Cu3O7の超電導物質およびその材料の典型的な製造工
程を第1表に例示し、第1表に記載した基準製造条件に
よるY−Yb混成の超電導特性に及ぼす効果を第5表に示
す。第5表から本発明に係わる酸化物型超電導物質にお
いではY−Yb混成はY単味と比較して臨界温度Tcは同等
ないしそれ以上で、所定温度(77K)における臨界電流
密度JcはY:15〜50%(Yb:50〜85%)の範囲で大幅に向
上することが認められる。
第4例 前記第3例と同様にして、超電導物質としての(Yb,Y)
1Ba2Cu3O7の原料粉末を調製し、これを出発原料とし
て、前記第2例と同様の工程を経て、最終的に、導電部
の組成を実質的にZ1Ba2Cu3O7であって導電部の断面形状
が長方形をなし、導電部の長手方向の表面の一部(ここ
では長方形の4辺のうち相対向する2辺)を金属で被覆
しつつ一部は開放している構成の超電導材料とした。
一方、実質的な組成がYBa2Cu3O7であるところの超電導
物質およびその材料を本発明によるY−Yb混成のZ1Ba2C
u3O7との比較のために、上記と同様の方法と条件とによ
って製造した。
上記のZ1Ba2Cu3O7すなわち(Yb,Y)1Ba2Cu3O7ならびにY
Ba2Cu3O7の超電導物質およびその材料の典型的な製造工
程を第3表に例示し、第3表に記載した基準製造条件に
よるY−Yb混成の超電導特性に及ぼす効果を第6表に示
す。第6表から本発明に係わる酸化物型超電導物質にお
いてはY−Yb混成はY単味と比較して臨界温度Tcは同等
ないしそれ以上で、所定温度(77K)における臨界電流
密度JcはY:15〜50%(Yb:50〜85%)の範囲で大幅に向
上することが前記第3例(第5表)の場合とまったく同
様に認められる。
第5例 Yb(イッテルビウム),Y(イットリウム),Sc(スカン
ジウム),Ba(バリウム)およびCu(銅)のシュウ酸塩
の微細粉末を、原子数比がZ′:Ba:Cu=1:2:3となるよ
う配合してSc−Y−Yb混成型の超電導物質の原料粉末を
調製した。ここで、Z=Z′+Sc=(Yb+Y)+Scで、
Z′は原子百分率でYb:50〜85%,Y:15〜50%の比にてYb
とYとを混成したもので、原子数比で前記Z′の0.2〜
2%のScとZ′すなわち(Yb+Y)とを混成したものを
Zとする。
上記のように調製された粉末を出発原料として、前記第
1列と同様にして仮焼以降の工程を経て、最終的に、導
電部の組成が実施的にZ1Ba2Cu3O7であって導電部の長手
方向の表面を金属で被覆した超電導材料を得た。
上記のようにして製造されたZ1Ba2Cu3O7すなわち(Yb,
Y,Sc)1Ba2Cu3O7について、(Yb+Y)へのSc添加の臨
界電流密度(Jc)改善効果の代表的な例を第7表に示
す。第7表から、Z′に対するSc添加比すなわちSc/
(Y+Yb)が1%であるときY−Yb混成比がY:15〜50%
(Yb:50〜85%)の範囲でSc無添加のときと比べてJc
約50%向上することが認められる。したがって、(Yb,
Y,Sc)1Ba2Cu3O7のJcをYBa2Cu3O7のもとと対比すると、
Y−Yb混成効果とSc添加効果が相乗して、Y:30〜40%
(Yb:60〜70%)の範囲では350%以上の改善も達成され
る。また、Y:30〜40%のJ′(Sc無添加のときの臨界
電流密度)とYb:100%のJ′はほぼ同水準でありなが
ら、Sc添加効果を含むJcではY:30〜40%組成のものがYb
単味より歴然と優れることがわかった。
なお、同一のSc添加比であっても、Y−Yb混成比によっ
て、対J′で見たJc改善効果に差が生じる。Y−Yb混
成効果およびSc添加効果を総合して、Sc−Y−Yb混成は
Y:15〜50%の範囲に好適であるが、Y:20〜45%の範囲が
より好ましく、Y:30〜40%の範囲が最も好ましい。Y:20
〜45%の範囲においては、ここでは詳細は明示してない
が、Sc添加比が0.2%で対J′約10%のJc改善効果が
あり、Sc添加比の増大とともにJc改善効果はほぼ直線的
に向上してSc添加比1%でほぼ飽和し、Sc添加比2%超
では低下を示す。
第6例 前記第5例と同様にして、Sc−Y−Yb混成型の超電導物
質の原料粉末を調製し、これを出発原料として、前記第
2例と同様の製造工程を経て、最終的に導電部の組成が
実質的にZ1Ba2Cu3O7であって導電部の断面形状が長方形
をなし、導電部の長手方向の一部を金属で被覆しつつ一
部は開放している構成の超電導材料とした。
上記のようにして製造されたZ1Ba2Cu3O7すなわち(Yb,
Y,Sc)1Ba2Cu3O7について、(Yb+Y)へのSc添加の臨
界電流密度(Jc)改善効果の代表的な例を第8表に示
す。第8表から、Z′に対するSc添加比すなわちSc/
(Y+Yb)が1%であるとき、Y−Yb混成比がY:15〜50
%(Yb:50〜85%)の範囲でSc無添加のときと比べてJc
は約50%向上することが、前記第5例(第7表)の場合
と同様に、認められる。
[発明の効果] 本発明による特定組成の酸化物系セラミックスは、前記
各実施例の結果から明らかなように、高い臨界温度と高
い臨界電流密度とを兼備するので、優秀な超電導物質と
して利用することができる。
【図面の簡単な説明】
本発明の理解を容易とするために第1図〜第3図を掲示
しているのでこれを説明する。 第1図は、本発明によるSc−Yb混成型物質の高温(77
K)超電導における臨界電流密度(Jc)の改善効果を示
すグラフで、縦軸はJcの改善の程度を、横軸はSc−Yb混
成比を、それぞれ表わす。 なお、Jcの比較基準値は、第1図〜第3図いずれについ
ても純Y型超電導物質の臨界電流密度である。 第2図は、本発明によるY−Yb混成型物質の高温超電導
におけるJcの改善効果を示すグラフで、縦軸はJcの改善
の程度を、横軸はY−Yb混成比を、それぞれ表わす。 第3図は、本発明によるSc−Y−Yb混成型物質の高温超
電導におけるJcの改善効果を示すグラフで、原子数比で
(Yb+Y)の1%のScを添加したときのJcを実線で、Sc
無添加のときの値(J′)を破線で示し、縦軸はJc
改善の程度を、縦軸はY−Yb混成比を、それぞれ表わ
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 昭一 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新日 本製鐵株式会社第1技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−239114(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的にZBa2Cu3O7の組成からなる超電導
    物質。 ここでZは、以下の3種から選択された1種である。 原子百分率でYb:94〜99%、Sc:1〜6%の比にてYbとS
    cとが混成したもの 原子百分率でYb:50〜85%、Y:15〜50%の比にてYbと
    Yとを混成したもの 原子百分率でYb:50〜85%、Y:15〜50%の比にてYbと
    Yとを混成し、該混成物に原子数比で0.2〜2%のScと
    を混成したもの
  2. 【請求項2】Zが、以下の3種から選択された1種であ
    ることを特徴とする請求項1記載の超電導物質。 原子百分率でYb:94.5〜98.5%、Sc:1.5〜5.5%の比に
    てYbとScとが混成したもの 原子百分率でYb:55〜80%、Y:20〜45%の比にてYbと
    Yとを混成したもの 原子百分率でYb:55〜80%、Y:20〜45%の比にてYbと
    Yとを混成し、該混成物に原子数比で0.2〜2%のScと
    を混成したもの
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