JPH0762034B2 - Atlv抗原活性を有する蛋白及びその製造法 - Google Patents
Atlv抗原活性を有する蛋白及びその製造法Info
- Publication number
- JPH0762034B2 JPH0762034B2 JP20951284A JP20951284A JPH0762034B2 JP H0762034 B2 JPH0762034 B2 JP H0762034B2 JP 20951284 A JP20951284 A JP 20951284A JP 20951284 A JP20951284 A JP 20951284A JP H0762034 B2 JPH0762034 B2 JP H0762034B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- protein
- plasmid
- htlv
- phy202
- antigen
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Saccharide Compounds (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV)と成人T細胞白血病
ウイルス(ATLV)は最近ヒトレトロウイルスの同種のも
のであることが報告されている。HTLV又はATLVは、ゲノ
アがRNAであって逆転写酵素を有することを特徴とする
レトロウイルス(あるいはRNA腫瘍ウイルス)と呼ばれ
る一群のウイルスの一種であり、そのゲノムはレトロウ
イルスの基本構造を保っている。即ち、両端にLTRと呼
ばれるプロモーター活性のある反復配列を有し、両LTR
の間にはさまれた形で、gag遺伝子(ウイルスのコア蛋
白をコードする)、pol遺伝子(逆転写酵素をコードす
る)、env遺伝子(ウイルスのエンベロープ蛋白をコー
ドする)、及びガンに関与する第4の遺伝子pXが存在す
る。これらの各々の遺伝子及びLTRのゲノム上の位置及
び構造は、HTLVの全塩基配列から特定されている(Seik
i,M.,Hattori,S.,Hirayama,Y.and Yoshida,M.,Proc.Nat
1.Acad.Sci.USA,80,pp 3618−3622(1983))。
ウイルス(ATLV)は最近ヒトレトロウイルスの同種のも
のであることが報告されている。HTLV又はATLVは、ゲノ
アがRNAであって逆転写酵素を有することを特徴とする
レトロウイルス(あるいはRNA腫瘍ウイルス)と呼ばれ
る一群のウイルスの一種であり、そのゲノムはレトロウ
イルスの基本構造を保っている。即ち、両端にLTRと呼
ばれるプロモーター活性のある反復配列を有し、両LTR
の間にはさまれた形で、gag遺伝子(ウイルスのコア蛋
白をコードする)、pol遺伝子(逆転写酵素をコードす
る)、env遺伝子(ウイルスのエンベロープ蛋白をコー
ドする)、及びガンに関与する第4の遺伝子pXが存在す
る。これらの各々の遺伝子及びLTRのゲノム上の位置及
び構造は、HTLVの全塩基配列から特定されている(Seik
i,M.,Hattori,S.,Hirayama,Y.and Yoshida,M.,Proc.Nat
1.Acad.Sci.USA,80,pp 3618−3622(1983))。
このHTLV又はATLVと呼ばれるウイルスに感染している患
者の血清中にはこのウイルスに対する抗体が存在すると
ころから、血清中のこの抗体を検査することによって感
染の有無を知ることができる。
者の血清中にはこのウイルスに対する抗体が存在すると
ころから、血清中のこの抗体を検査することによって感
染の有無を知ることができる。
本発明は、この抗体と反応する新規な抗原蛋白及び新規
なプラスミドを利用したこの抗原蛋白の製造方法に関す
るものである。
なプラスミドを利用したこの抗原蛋白の製造方法に関す
るものである。
(従来の技術) 成人T細胞白血病(ATL)関連の細胞株にはp70、gp68、
p50−60、gp46、p36、p28、p24、p21、p19、p15及びp14
よりなるATL関連の抗原群(ATLA)が存在することが知
られている(Yamamoto,N and Hinuma,Y.,Int。J.Cance
r,30,289−293(1982))。
p50−60、gp46、p36、p28、p24、p21、p19、p15及びp14
よりなるATL関連の抗原群(ATLA)が存在することが知
られている(Yamamoto,N and Hinuma,Y.,Int。J.Cance
r,30,289−293(1982))。
このATLAは、HTLVの感染によって発現されているHTLV遺
伝子産物である(Kobayashi,N.,Yamamoto,N.,Koyanagi,
Y.,Schneider,J.,Hunsmann,G.and Hatanaka,M.,EMBO
J.,3,pp321−325(1984))。ATLAのp24及びp19は、HT
LVのgag蛋白であり、HTLVのgag遺伝子のそれぞれ中央及
びアミノ末端側にコードされている(前記Seiki et,al,
1983)。
伝子産物である(Kobayashi,N.,Yamamoto,N.,Koyanagi,
Y.,Schneider,J.,Hunsmann,G.and Hatanaka,M.,EMBO
J.,3,pp321−325(1984))。ATLAのp24及びp19は、HT
LVのgag蛋白であり、HTLVのgag遺伝子のそれぞれ中央及
びアミノ末端側にコードされている(前記Seiki et,al,
1983)。
また、ATL患者及びHTLV保有者のいずれもがこのATLAに
対する特異抗体を保有していることも知られている(Hi
numa,Y,et al。,Proc。Nat1.Acad.Sci.U.S.A.,78,6476
−6480(1981))。
対する特異抗体を保有していることも知られている(Hi
numa,Y,et al。,Proc。Nat1.Acad.Sci.U.S.A.,78,6476
−6480(1981))。
一方、最近このHTLVあるいはATLVに対する抗体の検出方
法の開発が進められているが、それに利用される抗原は
通常HTLVあるいはATLVの産生細胞であった。この細胞の
培養上清から当該ウイルス抗原を取得する方法(特開昭
58−187861号公報)も開発されている。
法の開発が進められているが、それに利用される抗原は
通常HTLVあるいはATLVの産生細胞であった。この細胞の
培養上清から当該ウイルス抗原を取得する方法(特開昭
58−187861号公報)も開発されている。
(発明が解決しようとする問題点) 細胞を抗原に用いた場合には非特異反応が多いところか
ら検査精度に問題があった。培養上清から抗原を取得す
る方法は細胞培養とそれに続く分離精製が必要であり、
生産量が少ないという問題があった。そこで、より直接
な方法でATLV抗原を生産できれば、簡便な手段で高純度
の抗原を大量生産できるようになる可能性がある。
ら検査精度に問題があった。培養上清から抗原を取得す
る方法は細胞培養とそれに続く分離精製が必要であり、
生産量が少ないという問題があった。そこで、より直接
な方法でATLV抗原を生産できれば、簡便な手段で高純度
の抗原を大量生産できるようになる可能性がある。
(問題点を解決するための手段) 本発明はこのような観点のもとになされたものであり、
HTLVのgag遺伝子産物の発現プラスミドの構築に成功
し、これを大腸菌にもたせることによってATLV抗原群の
うちp24とp19に対する抗体と反応する蛋白を大腸菌が産
生することを見出してなされたものである。
HTLVのgag遺伝子産物の発現プラスミドの構築に成功
し、これを大腸菌にもたせることによってATLV抗原群の
うちp24とp19に対する抗体と反応する蛋白を大腸菌が産
生することを見出してなされたものである。
すなわち、本発明、(1)分子量が43,000ダルトンであ
って、成人T細胞白血病に関連するウイルス(HTLV)の
gag蛋白質であるp24及びp19の各々に対する抗体と反応
する抗原蛋白と、(2)lacプロモーター部分、合成コ
ドン及びHTLVのgag遺伝子部分を有するプラスミドpHY20
2を保有する大腸菌を培養し、培養物から成人T細胞白
血病に関連するウイルス(HTLV)のgag蛋白質であるp24
及びp19の各々に対する抗体と反応する抗原蛋白を分離
することを特徴とする抗原蛋白の分離方法に関するもの
である。
って、成人T細胞白血病に関連するウイルス(HTLV)の
gag蛋白質であるp24及びp19の各々に対する抗体と反応
する抗原蛋白と、(2)lacプロモーター部分、合成コ
ドン及びHTLVのgag遺伝子部分を有するプラスミドpHY20
2を保有する大腸菌を培養し、培養物から成人T細胞白
血病に関連するウイルス(HTLV)のgag蛋白質であるp24
及びp19の各々に対する抗体と反応する抗原蛋白を分離
することを特徴とする抗原蛋白の分離方法に関するもの
である。
プラスミドpHY202を合成する手段は問うところではない
が、例えばまずlacプロモーター部分と翻訳に必要なSD
配列及び開始コドンを有している発現ベクターpSI101を
構築する。さらに、HTLVgag遺伝子を接続するために、p
SI101の開始コドンより下流に存在するEcoRI部位にSmaI
部位をもつ合成リンカーを挿入してpSI202を構築する。
一方、HTLVプロウイルスからgag遺伝子をSmaIで切断
し、これをpSI201のSmaI部位に接続することによって構
築することができる。この合成ルートを第1図に示す。
が、例えばまずlacプロモーター部分と翻訳に必要なSD
配列及び開始コドンを有している発現ベクターpSI101を
構築する。さらに、HTLVgag遺伝子を接続するために、p
SI101の開始コドンより下流に存在するEcoRI部位にSmaI
部位をもつ合成リンカーを挿入してpSI202を構築する。
一方、HTLVプロウイルスからgag遺伝子をSmaIで切断
し、これをpSI201のSmaI部位に接続することによって構
築することができる。この合成ルートを第1図に示す。
プラスミドpHY202は、同図に示すように、図面左方から
lacプロモーター部分、HTLVのgag遺伝子部分、lacプロ
モーター部分及び大腸菌のrho遺伝子部分からなりたっ
ている。
lacプロモーター部分、HTLVのgag遺伝子部分、lacプロ
モーター部分及び大腸菌のrho遺伝子部分からなりたっ
ている。
プラスミドpHY202を大腸菌に保有させる方法は一般のプ
ラスミドあるいはベクターを大腸菌にもたせる方法と同
様でよい。
ラスミドあるいはベクターを大腸菌にもたせる方法と同
様でよい。
pHY202を保有する大腸菌を培養する方法も一般の大腸菌
の培養方法と同様でよい。培地にはアンピシリン等を加
えることによってプラスミドの入った菌を選択的に増殖
させることができる。培養中にイソプロピル−β−D−
チオガラクトピラノシド、アデノシン−3′,5′−サイ
クリックモノホスフェートなどを加えて転写誘導を行な
ってgag遺伝子産物を誘発させさらに培養を続け、本発
明の抗原蛋白の蓄積量が最大になったところで培養を打
切る。この蛋白は菌体内に蓄積されるので菌体を破壊し
て取り出す。破壊方法は公知の方法によればよく、リゾ
チーム等の細胞膜を破壊する酵素処理、凍結融解、超音
波処理などを利用できる。菌体破壊後は遠心して上清を
集め、抗ATLA抗体を用いたアフィニティークロマトグラ
フィーで精製することによって容易に高純度品を得るこ
とができる。
の培養方法と同様でよい。培地にはアンピシリン等を加
えることによってプラスミドの入った菌を選択的に増殖
させることができる。培養中にイソプロピル−β−D−
チオガラクトピラノシド、アデノシン−3′,5′−サイ
クリックモノホスフェートなどを加えて転写誘導を行な
ってgag遺伝子産物を誘発させさらに培養を続け、本発
明の抗原蛋白の蓄積量が最大になったところで培養を打
切る。この蛋白は菌体内に蓄積されるので菌体を破壊し
て取り出す。破壊方法は公知の方法によればよく、リゾ
チーム等の細胞膜を破壊する酵素処理、凍結融解、超音
波処理などを利用できる。菌体破壊後は遠心して上清を
集め、抗ATLA抗体を用いたアフィニティークロマトグラ
フィーで精製することによって容易に高純度品を得るこ
とができる。
本発明の抗原蛋白は実施例(6)で示すようにATL患者
血清と強く抗原抗体反応し、健常人血清及びミエローマ
細胞培養液とは反応しない。一方、p19及びp28のATLVと
反応するモノクローナル抗体及びp24のATLAと反応する
モノクローナル抗体とは反応を示す。白血病由来の株化
細胞であるMT−2の細胞抽出物にはこの43Kの抗原蛋白
は存在しないところからこの抗原蛋白は明らかに新規で
ある。
血清と強く抗原抗体反応し、健常人血清及びミエローマ
細胞培養液とは反応しない。一方、p19及びp28のATLVと
反応するモノクローナル抗体及びp24のATLAと反応する
モノクローナル抗体とは反応を示す。白血病由来の株化
細胞であるMT−2の細胞抽出物にはこの43Kの抗原蛋白
は存在しないところからこの抗原蛋白は明らかに新規で
ある。
この抗原蛋白の分子量は実施例(6)の電気泳動の結果
から43Kダルトンであり、これは第1図のDNA配列から算
出される蛋白の分子量が約44Kダルトンになることから
も支持される。
から43Kダルトンであり、これは第1図のDNA配列から算
出される蛋白の分子量が約44Kダルトンになることから
も支持される。
そのアミノ酸配列はpHY202のDNA配列から、第1図に示
すようになっている。
すようになっている。
pHY202の由来、分子量、及びp19及びp24のモノクローナ
ル抗体に反応するところから、この抗原蛋白はp19とp24
の融合蛋白であると考えられる。
ル抗体に反応するところから、この抗原蛋白はp19とp24
の融合蛋白であると考えられる。
(作用) 本発明の抗原蛋白はATLA群のp19及びp24に対する抗体な
らびにATL患者血清と反応する。
らびにATL患者血清と反応する。
この抗原蛋白はpHY202を用いることによって蛋白合成に
必要な付属的部分を付加し、HTLVのgag遺伝子部分を含
む蛋白を大腸菌に生産させている。
必要な付属的部分を付加し、HTLVのgag遺伝子部分を含
む蛋白を大腸菌に生産させている。
実施例 (1)プラスミドpSI101の構築 まず、lacプロモーターの部分を有するpMOB48(Bittne
r,M。and Vapnek,D.,Gene,15,319−329(1981))の0.3
kb Hind III−PstIフラグメント、大腸菌(E。coli)
のrho遺伝子部分(Pinkham,J.L.及びPlatt,T(Nuc。Aci
dsRes。,11(11),3531−3545(1983))によって955の
位置に対応するとされたPstIの部位)を有するpRH20の
1.7 kb Pvu II−PstIフラグメント、及びpBR322の2.3 k
b Hind III−PvuIIフラグメント(このフラグメントの
なかのEcoRI及びClaI部位は除去した。)からプラスミ
ドpSI101を構築した。
r,M。and Vapnek,D.,Gene,15,319−329(1981))の0.3
kb Hind III−PstIフラグメント、大腸菌(E。coli)
のrho遺伝子部分(Pinkham,J.L.及びPlatt,T(Nuc。Aci
dsRes。,11(11),3531−3545(1983))によって955の
位置に対応するとされたPstIの部位)を有するpRH20の
1.7 kb Pvu II−PstIフラグメント、及びpBR322の2.3 k
b Hind III−PvuIIフラグメント(このフラグメントの
なかのEcoRI及びClaI部位は除去した。)からプラスミ
ドpSI101を構築した。
(2)プラスミドpSI201の構築 pSI101のEcoRI部位にdAATTCCCGGGよりなる合成オリゴヌ
クレチオドを挿入してプラスミドpSI201を構築した。
クレチオドを挿入してプラスミドpSI201を構築した。
(3)プラスミドpHY202の構築 852から1931の位置に対応するHTLVのgag遺伝子の1.1 kb
SmaIフラグメントをpSI201のSmaI部位に接続してプラ
スミドpHY202を構築した。
SmaIフラグメントをpSI201のSmaI部位に接続してプラ
スミドpHY202を構築した。
以上のプラスミドpHY202を構築するに至る流れを第1図
に示す。
に示す。
(4)pHY202の大腸菌への導入 pHY202をエシェリヒア・コリK12株545π(Bakkari,A。
I。and Zipser,D.,Nature New Biol。,243,238−2411
(1973))に導入した。
I。and Zipser,D.,Nature New Biol。,243,238−2411
(1973))に導入した。
(5)抗原蛋白の生成 pHY202をもつ大腸菌を100μg/mlのアンピシリンを含む
L−ブロス中で32℃で80klett単位まで生育させた。こ
れにイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド及
びアデノシン−3′,5′−サイクリックモノホスフェー
トを各々最終濃度が1mMになるように加えてgag遺伝子産
物を誘発させ、そして、32℃でさらに100klett単位まで
生育させた。菌体を遠心して集め、10mMトリス−HCl(p
H8.0)、1mM EDTA、0.02%NaN3及び10μg/mlフェニルメ
チルスルホニルフルオライド(PMSF)を含む溶液で洗浄
後、10mMトリス−HCl(pH8.0)、1mM EDTA、100mM NaC
l、及び10μg/ml PMSFを含む溶液に1×1010/mlの濃度
に懸濁させた。
L−ブロス中で32℃で80klett単位まで生育させた。こ
れにイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド及
びアデノシン−3′,5′−サイクリックモノホスフェー
トを各々最終濃度が1mMになるように加えてgag遺伝子産
物を誘発させ、そして、32℃でさらに100klett単位まで
生育させた。菌体を遠心して集め、10mMトリス−HCl(p
H8.0)、1mM EDTA、0.02%NaN3及び10μg/mlフェニルメ
チルスルホニルフルオライド(PMSF)を含む溶液で洗浄
後、10mMトリス−HCl(pH8.0)、1mM EDTA、100mM NaC
l、及び10μg/ml PMSFを含む溶液に1×1010/mlの濃度
に懸濁させた。
この菌体懸濁液を1mg/mlのリゾチームで0℃で10分間処
理し、凍結と解凍を3回繰返した。これに20μg/mlのDN
アーゼIを0℃で10分間作用させて反応後遠心して上清
を回収した。
理し、凍結と解凍を3回繰返した。これに20μg/mlのDN
アーゼIを0℃で10分間作用させて反応後遠心して上清
を回収した。
一方、比較のためにpSI201をやはりエシェリヒア・コリ
K12株545πに導入し、同様に処理して菌体抽出物である
上清を回収した。
K12株545πに導入し、同様に処理して菌体抽出物である
上清を回収した。
(6)抗原蛋白の分離,検出 こうして得られた1×107個に相当する菌体抽出物と、
別途調製した2×104個に相当するMT−2細胞の抽出物
を12%ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲ
ルで電気泳動させた。泳動後、ゲルのなかの蛋白質を電
気泳動させてニトロセルロースフィルターに移し、この
フィルターをATL患者血清(抗体価×640)(A)、健常
な成人の血清(B)、モノクローナル抗体H15(C)、
モノクローナル抗体GIN7(D)及びミエローマ細胞培養
液(E)と反応させた。
別途調製した2×104個に相当するMT−2細胞の抽出物
を12%ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲ
ルで電気泳動させた。泳動後、ゲルのなかの蛋白質を電
気泳動させてニトロセルロースフィルターに移し、この
フィルターをATL患者血清(抗体価×640)(A)、健常
な成人の血清(B)、モノクローナル抗体H15(C)、
モノクローナル抗体GIN7(D)及びミエローマ細胞培養
液(E)と反応させた。
免疫複合体はパーオキシダーゼを結合させたプロテイン
A(E.Y.Laboratories,Inc。)(A,B)又はパーオキシ
ダーゼを結合させた抗マウスIaG(Cappel Laboratorie
s,Inc。)(C,D,E)を用い酵素免疫測定法で検出した。
A(E.Y.Laboratories,Inc。)(A,B)又はパーオキシ
ダーゼを結合させた抗マウスIaG(Cappel Laboratorie
s,Inc。)(C,D,E)を用い酵素免疫測定法で検出した。
各パネルの第1列はMT−2細胞抽出物を、第2列はpHY2
02を有するE。coli 545πの菌体抽出物を、そして第3
列はpSI201を有するE.coli 545πの菌体抽出物をそれぞ
れ用いて得られたものである。分子量の基準には、ミオ
シン(200,000)、ホステリラーゼB(92,500)、牛血
清アルブミン(68,000)、卵白アルブミン(43,000)、
α−キモトリプシノゲン(25,700)、β−ラクトグロブ
リン(18,400)及びチトクロームC(12,300)を含む標
準液(Bethesda Reserch Laboratories,Inc.)を用い
た。
02を有するE。coli 545πの菌体抽出物を、そして第3
列はpSI201を有するE.coli 545πの菌体抽出物をそれぞ
れ用いて得られたものである。分子量の基準には、ミオ
シン(200,000)、ホステリラーゼB(92,500)、牛血
清アルブミン(68,000)、卵白アルブミン(43,000)、
α−キモトリプシノゲン(25,700)、β−ラクトグロブ
リン(18,400)及びチトクロームC(12,300)を含む標
準液(Bethesda Reserch Laboratories,Inc.)を用い
た。
(発明の効果) ATLV抗原活性を有する蛋白を大腸菌の培養によって大量
生産する途をひらき、かつこの蛋白を容易に高純度で取
得しうる手段を提供するものである。それによって、AT
Lの臨床検査を普及させることも可能である。
生産する途をひらき、かつこの蛋白を容易に高純度で取
得しうる手段を提供するものである。それによって、AT
Lの臨床検査を普及させることも可能である。
第1図は本発明の抗原蛋白の合成に利用されるプラスミ
ドpHY202を構築するルートの一例を示すものである。第
2図は、白血病株化細胞抽出物、本発明の抗原蛋白を生
成させた菌体細胞の抽出物及びpHY202を構築する前段階
のプラスミドを保有させて培養した菌体細胞の抽出物を
電気泳動させて、各種抗体に対する反応性を測定した結
果を示すものである。
ドpHY202を構築するルートの一例を示すものである。第
2図は、白血病株化細胞抽出物、本発明の抗原蛋白を生
成させた菌体細胞の抽出物及びpHY202を構築する前段階
のプラスミドを保有させて培養した菌体細胞の抽出物を
電気泳動させて、各種抗体に対する反応性を測定した結
果を示すものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/574 33/577 (C12P 21/02 C12R 1:19)
Claims (2)
- 【請求項1】分子量が43,000ダルトンであって、成人T
細胞白血病に関連するウイルスのgag蛋白質であるp24及
びp19のそれぞれに対する抗体と反応する抗原蛋白。 - 【請求項2】1acプロモーター部分、合成コドン及びHTL
Vのgag遺伝子部分を有するプラスミドpHY202を保有する
大腸菌を培養し、培養物から成人T細胞白血病に関連す
るウイルスのgag蛋白質であるp24及びp19のそれぞれに
対する抗体と反応する抗原蛋白を分離することを特徴と
する抗原蛋白の取得方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20951284A JPH0762034B2 (ja) | 1984-10-05 | 1984-10-05 | Atlv抗原活性を有する蛋白及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20951284A JPH0762034B2 (ja) | 1984-10-05 | 1984-10-05 | Atlv抗原活性を有する蛋白及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6187697A JPS6187697A (ja) | 1986-05-06 |
JPH0762034B2 true JPH0762034B2 (ja) | 1995-07-05 |
Family
ID=16574020
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20951284A Expired - Lifetime JPH0762034B2 (ja) | 1984-10-05 | 1984-10-05 | Atlv抗原活性を有する蛋白及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0762034B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2564268B2 (ja) * | 1985-08-28 | 1996-12-18 | 協和醗酵工業株式会社 | 融合抗原ポリペプチド |
JPS62296889A (ja) * | 1986-05-14 | 1987-12-24 | Fujirebio Inc | Htlv−i抗原活性を有する蛋白及びその製造法 |
JP2501569B2 (ja) * | 1986-11-14 | 1996-05-29 | 協和醗酵工業株式会社 | 抗成人t細胞白血病ウイルス抗体の検出法 |
JPH01113663A (ja) * | 1987-10-28 | 1989-05-02 | Eisai Co Ltd | Atlv抗体の測定試薬および測定方法 |
-
1984
- 1984-10-05 JP JP20951284A patent/JPH0762034B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6187697A (ja) | 1986-05-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0387915B1 (en) | F antigens of the human immunodeficiency virus, and their applications | |
EP0552850B1 (en) | Cloning and expression of HTLV-III DNA | |
Aldovini et al. | Synthesis of the complete trans-activation gene product of human T-lymphotropic virus type III in Escherichia coli: demonstration of immunogenicity in vivo and expression in vitro. | |
US8785609B1 (en) | Cloning and expression of HTLV-III DNA | |
US6153377A (en) | Synthetic DNA derived recombinant HIV antigens | |
JPS61173782A (ja) | リンパ節疾患症候群および/または後天性免疫不全症候群に関連する組換えウイルスタンパク質 | |
EP0201716B1 (en) | Expression of immunologically reactive viral proteins | |
Samuel et al. | Diagnostic potential for human malignancies of bacterially produced HTLV-I envelope protein | |
US5843638A (en) | Nucleic acids and pepties of human immunodeficiency virus type-1 (HIV-1). | |
EP0151475A2 (en) | Adult T cell leukemia virus antigen polypeptide | |
US5688914A (en) | Composition containing a B epitope of the envelope glycoprotein of a retrovirus and a T epitope of another distinct protein of this retrovirus | |
JPH0762034B2 (ja) | Atlv抗原活性を有する蛋白及びその製造法 | |
JP2556965B2 (ja) | 細菌におけるヒトt細胞白血病(向リンパ性)レトロウイルス(htlv−▲i▼)エンベロ−プ蛋白質フラグメントの製造およびヒトリンパ系悪性化疾患の血清疫学的検索における使用 | |
Goh et al. | Expression of the art gene protein of human T-lymphotropic virus type III (HTLV-III/LAV) in bacteria | |
EP0246101A2 (en) | Protein having HTLV-1 antigenic activity and preparation thereof | |
US5063053A (en) | Isolation and purification of the R18 antigen of HTLV-III | |
JPH0762035B2 (ja) | Htlv−i抗原活性を有する蛋白及びその製造法 | |
US4963497A (en) | Isolation and purification of the eighth gene of HTLV-III | |
JPS62296889A (ja) | Htlv−i抗原活性を有する蛋白及びその製造法 | |
EP1231271B2 (en) | DNA fragments of the GAG gene of LAV | |
WO1991012325A1 (en) | Htlv envelope antigenic segment | |
GREGOIRE et al. | BOVINE LEUKEMIA VIRUS: PAST, PRESENT AND FUTURE A. BURNY'C. BRUCK, D. COUEZ, J. DESCHAMPS, J. GHYSDAEL' | |
WO1991004038A1 (en) | Antigen and immunoassay for human immunodeficiency virus type 2 | |
EP0235923A1 (en) | Sor gene product from human t-cell lymphotropic virus III | |
JPH08107786A (ja) | 成人t細胞白血病ウイルス抗原ポリペプチド |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |