JPH0761611B2 - 使用済アルミ缶の塗膜除去方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はジュースあるいはビール等の使用済アルミ缶の
表面に印刷されている塗膜を除去する方法に関する。

（従来技術と問題点） 一般にジュースあるいはビールのアルミ缶の表面に印刷
されている塗料には一部金属が含有されており、塗料付
きのまま溶解再生した場合、金属が不純物として混入
し、機械的性質を低下させ、材料の伸びがなくなり絞り
がきかなくなる問題がある。

このため従来はアルミ缶を小片に破断し、この小片に熱
を加えて印刷されている塗膜を焼いた後攪拌して小片相
互を摺り合わせて塗膜を除去するようにしている。しか
し塗料に含有する特殊な金属は焼いても完全には除去で
きず、再生した場合に絞りがきかず再生缶に不良品がで
るという問題があった。

またアルミ小片を焼いた後、攪拌して塗膜を除去するの
に長い時間を要するという問題もあった。

（目的） 本発明は、上記の事情に鑑みアルミ缶の表面に印刷され
ている塗膜を確実かつ効率よく除去する方法を提供する
ことを目的として完成されたものである。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、使用済アルミ缶を５〜40mm^□に切断して小片
となし、該小片の適当量を攪拌しながら粒径0.2〜0.8mm
の金属粒を投射速度55/秒以上にして投射し、もって該
小片表面に印刷されている塗膜を除去することを特徴と
するものである。

（作用） 本発明は、上記のような解決手段を採用することにより
アルミ缶の小片は攪拌状態において金属粒（例えば、鋼
粒、亜鉛粒、アルミ粒）の高速投射を受けて表面が浸食
されてゆき，塗膜が除去される。

尚，金属粒は，粒径が0,2mm未満になると，軽量のため
に投射の際に飛散状態となり高速投射が困難であった。
また金属粒の粒径が1,0mm以上になるとアルミ小片に衝
突した際にアルミ小片が折れ曲がり奥まった位置の塗膜
が完全には除去できなくなることがわかった． （実施例） 次に本発明の実施例を示す。

使用済アルミ缶を５〜40m/m^□に切断して小片としたも
の約15kgをドラム容量0.08m³の攪拌ドラムに投入し、こ
の攪拌ドラムをゆっくり回転してアルミ小片を攪拌しな
がら粒径0.2〜0.8mmの金属粒を回転輪を使ってアルミ小
片に向けて投射速度45〜65m/秒でかつ投射量を100Kg/分
として15分間投射した結果が表１の通りである。

尚、この工程において投射された金属粒及び除去された
塗膜の細片は、攪拌ドラムの胴部に穿った細孔から落下
回収されると共に金属粒のみを分離して再使用に供され
る。

上記結果から粒径0.2〜0.8mmの金属粒を攪拌状態にある
アルミ小片に投射速度55mm/秒以上の速度で、かつ投射
量を100Kg/分として15分間投射することにより塗膜は完
全に除去することができた。

尚、実験No.7で処理したアルミ小片を溶解し、化学成分
を調べた結果、微量のチタンが検出されたが機械的性質
はほとんど低下していないことが判った。

従って金属粒をアルミ小片に向けて投射する速度は、55
m/秒以上にすると良いことが判る。

また、塗膜を完全に除去出来る時間は、攪拌ドラムの大
きさ、アルミ小片の投入量、金属粒の投射量等により変
化することが別の実験から判明した。

（効果） 本発明は、上記の説明によって明らかなようにアルミ小
片に対して金属粒を投射衝突させて塗膜を浸食除去する
ものであるから、塗料に含まれる金属をもほぼ完全に除
去することができ、再生アルミ缶の不良が大幅に減少す
ると共に塗料除去を短時間のうちに行ない得る等すぐれ
た作用効果を奏するものである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】使用済アルミ缶を５〜40m/m^□に切断して
   小片となし，該小片の適当量を攪拌しながら粒径0.2〜
   0.8m/mの金属粒を投射速度55m/秒以上にして投射し、も
   って該小片表面に印刷されている塗膜を除去することを
   特徴とする使用済アルミ缶の塗膜除去方法。