JPH0760694B2 - 蓄電池およびそれを用いるシステム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は蓄電池、特に自動車の始動、点灯および点火用
蓄電池（以下、SLI蓄電池）に適用するものに関する。

（従来の技術） 伝統的な自動車用SLI蓄電池は直列接続された６個の2.2
V鉛・酸電池からなり、主たる機能として内燃エンジン
を始動させるためにクランクを回すべく短期間充分な高
電流を提供する。また、この蓄電池はスパークプラグを
点火させるためにコイルに電流を供給しなければならな
い。

他の重要な機能として自動車の発電機が作動していない
時の、自動車の点灯および点火のために電流を溜めてお
く必要がある。

スタータモータの電流必要量は自動車の点火、点灯の電
流必要量と大きく異なっている。一方、クランクを回す
にもスタータモータはシリンダの圧縮の抗してエンジン
をかけるので、比較的短時間大量の電流が必要となる。
しかしながら、点火や他の自動車付属設備は低電流であ
るが、長い時間必要とする。

それ故に、伝統的SLI蓄電池システムは第１に充分なク
ランク始動パワーを提供し、第２に点火およびコイルに
電流を供給し、第３に発電機が作動していない間自動車
付属設備に電流を供給するように設計されている。もう
一つの機能は発電機が作動している間自動車用電気回路
の一部として電圧負荷レベラーとして機能する。

この伝統的なSLI蓄電池システムはプランテの可逆電池
を改良したものであり、その発展過程において、プラン
テにより利用された基本的原理は今日まで維持されてき
た。即ち、蓄電池は２枚の対向する電極を有する電池を
直列して成り立っている。この電池は一般に2.2Vで、そ
の形状はスタータ蓄電池として好ましいものであった。

蓄電池を最初始動電流の供給手段に適用したときは現在
のものと全く異なっていた。事実、蓄電池に比較して自
動車は非常に変化してきた。もはや自動車のクランク始
動電流を供給するのは重要でない。現在の自動車は多く
の電気的および電子的機器を備え、これにより蓄電池の
予備電流の必要性が大きくなっている。種々の特別装置
を自動車に組み込んでいるが、これは消費者の要望に応
じてのことである。これらの特別装置よって、主として
始動用蓄電池として設計されている故に段々と旧式化す
る蓄電池システムに対し新たな要望が加えられている。
事実、始動機能はいまだ蓄電池の主たる機能であるが、
自動車デザインにおける変化は消費者がさらに余分のパ
ワーを要求するのと歩調を合わせ、蓄電池システム設計
変更を要求するに至っている。

これらの問題を克服する試みが多くの人々により行われ
てきた。米国特許第4068222号においては、内部分割板
によって２つのセル（電池）グループに分割した蓄電池
が示されている。また、米国特許第1924959号には４つ
のセルからなり、その２つが直列になり、他の２つがス
イッチの作動により並列または直列とすることができ、
その電池は全体として分離されているものが示されてい
る。さらに、米国特許第3242009号では２つの蓄電池部
分を備え、多数の異なった電圧を供給できるようになっ
ている。米国特許第3475221号では、２つの容器に２つ
別個の蓄電池が示されている。

米国特許第3758345号ではメインプレートに形成した凹
部に小型の予備蓄電池が設けられている。米国特許第38
83368号では２種以上の電流が異なるタイプの電極を使
用することに供給されている。米国特許第4684580号で
は蓄電池のケースがポケットまたは凹部を有し、そこに
第２の予備蓄電池を設けたものが示されている。しかし
ながら、単一の蓄電池構造において、クランク始動には
大きいが短時間の電流が必要であり、付属設備には小さ
いが長い時間の電流が必要であるという問題に対処した
構造は示されていない。即ち、米国特許第3883368号で
は異なる電流割合に対処するが、異なるタイプ電極を使
用しているし、このような試みはSLI蓄電池としては実
際的でない。米国特許第4684580号では異なる電流を取
り扱うが、２つの別々の蓄電池を使うことにより行わ
れ、その１つは他の上に設けることができる。このよう
な２個の蓄電池構造は自動車の電気構成を非常に変化さ
せる必要があり、製造が高くなるという問題点がある。

（発明の目的） そこで、本発明は上記問題点を解消することができる蓄
電池を提供することを目的とする。

（発明の構成） したがって、本発明は複数のセルを収容する容器と、少
なくとも２つの正極端子セルと少なくとも１つの負極端
子セルを含み、各セルが複数の、互いに分離されて交互
に配置され、セル要素積層物を構成する複数の正極板と
負極板を含み、上記各極板が活物質を含み、正極端子セ
ル内のセル要素積層物の正極板が正極端子に電気的に接
続され、負極端子セルのセル要素積層物の負極板が単一
の負極端子に電気的に接続され、上記端子セル以外の各
セル要素の各極板が隣接するセルの反対極性の極板に直
列接続され、各接続列のセルが１つの共通の負極端子に
接続されるが別個の正極端子を有し、各セルの正極板お
よび負極板に接触する電解質を備え、 上記セルが複数の薄い極板セルと複数の厚い極板セルの
２種類からなり、電気的に並列接続されている蓄電池に
ある。

また、本発明は上記蓄電池の負極に接続されるとともに
自動車に接地される第１導電ケーブルと、上記蓄電池の
１以上の正極端子と接続するとともに自動車の電気スタ
ータモータに接続する第１スイッチに接続する第２導電
ケーブルと、上記蓄電池の正極端子の１以上に接続する
第３導電ケーブルと、上記第２導電ケーブルに接続しな
い正極端子に接続するとともに上記自動車のジェネレー
タ回路ラインと共通する回路にあって、第２スイッチに
接続する第４導電ケーブルと、上記第２導電ケーブルに
接続しない上記端子に接続する第２スイッチからの第５
導電ケーブルとを備える自動車用電気システムにある。

本発明は、正極端子セルと負極端子セルを含む複数のセ
ルを有する容器からなり、各セルはセパレータにより分
離され、かつセル要素積層物を形成する、交互に配置さ
れる複数の正極および負極を有する蓄電池からなるもの
である。上記極板の各々はその上に張り付けられた活物
質を有するグリッドからなる。セルの正極は電気的に接
続され、同様にセルの負極も電気的に接続される。各セ
ルの電極板は直列にして並列接続される。すなわち、偶
数のセルが直列に接続され、負極端子において同一の負
極接続を与える他の偶数のセルと並列接続する。セルの
半分は厚い正極板を含むが、他の半分は薄い正極板を有
する。

それ故に本発明は直列して並列配置された２組のセルを
有する蓄電池を提供し、正極端子において２つのまたは
多数の電流変化を与える。薄い正極を有するセル列は短
時間、接続された正極から高電流を供給する。厚い正極
を有する他のセル列は容積スペース当たりの極板は少な
いが、長い緩やかな蓄電池放電中、電流容量は薄い極板
を有するセルに等しい。

さらに、本発明は鉛電極からなる少なくとも１つのセル
と該鉛電池セルに電気的に並列接続された他の金属電極
からなる少なくとも１つのセルとを備える蓄電池からな
る。それ故、本発明はクランク始動のために薄い正極板
を有するセルを通して高電流を比較的短時間供給する２
または複数電流蓄電池を提供するものである。また、比
較的低いが、比較的長い電流は厚い正極板を有するセル
から利用することができる。双方のセル組はクランク始
動の目的で電気的に接続することができるが、厚い極板
を有するセルは自動車の付属回路に接続され、緩やかで
あるが、長い放電期間を与える。

セルの再充電中は、総てのセルは電気的に接続され、伝
統的な蓄電池のようにリバースサイクルが起こる。

本発明は当業者によれば、発明の範囲を逸脱することな
く、種々変形可能である。以下の実施例は本発明を例示
するもので、本発明を制限するものでない。

以下、本発明を添付図面に示す具体例に基づき、詳細に
説明する。

（実施例） 第１図は２つのセル隔室を通して切断された蓄電池の断
面側面図、第２図は内部隔壁を示す蓄電池の一体射出成
形品の斜視図、第３図は厚く層形成されているが、少な
い正極板の内部接続をしめすセルの拡大図、第４図は正
極端子を通して切断された蓄電池の端部立面図、第５図
は負極端子を通して切断された蓄電池の端部立面図、第
６図は直列して並列配置されたセルを示す蓋開放状態の
蓄電池の上部平面図、第７図は層形成した電極板の斜視
図、第８図は本発明の蓄電池に使用可能な自動車の電気
回路図、第９図は他の電気回路図である。

本発明を好ましい具体例に基づいて説明するが、本発明
はかかる具体例に制限されるものでない。反対に本発明
の範囲に含まれる総ての変形例、修正例は実施態様とし
て記載されている。したがって、本発明はSLI自動車蓄
電池と関連して説明されるが、本発明は他の蓄電池に等
しく適用することができるものと理解すべきである。事
実、以下に例示する電解液式の蓄電池とは違って電解液
吸収式蓄電池を使用する場合にも適用可能である。

本発明は伝統的なSLI蓄電池と等しいケースおよび寸法
のものを使用して長くゆっくりとしたパワーの取り出し
と組み合わせて高いしかも迅速な放電を必要とする場合
に使用すると特に有利である。

一般に、本発明は以下に説明するように物理的パラメー
タをユニークに組み合わせることによって、使用中およ
び／または比較的低くかつ緩やかな電流を必要とする付
属回路の延長された使用後に最小限必要な迅速放電容量
を維持する能力を有する複数または単一の電流を特徴と
する蓄電池を提供するものである。

この性能特性はここに挙げる伝統的な蓄電池の物理的パ
ラメータ内で実現することができる。上述したように、
伝統的なSLI蓄電池は国際基準に適合する貯蔵容量を必
要とする。伝統的な貯蔵の貯蔵容量は常態の25％蓄電容
量低下を基礎として計算され、依然として内燃期間のク
ランクを始動させる能力でなければならない。

それ故に本発明、必要とされる利用可能な高放電容量を
使い果たす長い緩やかな放電の問題を克服するものであ
る。以下に、標準的な蓄電池容器寸法内で複数の電流シ
ステムを達成するために最適形状においていかなる重量
および容量が可能かについて記述する。この場合、本発
明の利点はコストの節約および伝統的な蓄電池との両立
性にある。

また、本発明は電気的スイッチングを行うことによって
通常の日ごと利用において蓄電池内の活物質を十分に使
用することができるときの全容量に関して特徴を有す
る。電気回路設計によりクランク始動よりも緩慢な長い
電流の取り出しに適するように、以下に説明するように
設計された極板により蓄電池のセクションを単離するこ
ともできる。スイッチまたは回路設計により、本発明は
自動車の付属回路によって迅速放電容量を使用すること
を防止することにも特徴を有する。

本発明によれば、最適形状内で特定の電流必要量を区分
することにより実質的に蓄電池寿命を増加させることが
できる。

第１図〜第５図は12Vの12セル蓄電池の好ましい具体例
を示す。

第１図において、１は予備成形された容器２を有する蓄
電池で、該容器２に適当な手段により取り付けられる蓋
３は持ち上げられた状態となっている。４は負極端子ポ
ストで、５および5aは正極端子ポストである。端子ポス
トは上部端子として例示されているが、側部または他の
端子形も同様に使用することができる。

第１図に示される各セルは複数の独立した、交互に配置
される、正極板10と負極板11を有する。極板10および11
は全体として垂直に、しかも隔壁７に対して平行に配置
されるが、直角に配置されてもよい。

第２図において、容器は一体的に形成された隔壁７によ
り複数のセル室に分割され、上記隔壁は容器の端部壁６
に平行で、壁８に平行に延びる他の隔壁９に対し直角を
なし、容器内に12の分室を形成する。壁８に平行に走る
12セルが示されているが、他の形状のものが使用されて
もよい。

壁９は吸収された電解質を使用するときには必要がな
い。電解液を使用するときには壁９は必須である。

第３図は端部から交互に積層された正極板10と通常の負
極板11の具体例を示す。また、通常の鉛ストラップ（帯
金）12を使用することにより壁７を通しての連続接続が
示されている。セパレータ13も通常の電解液セルのもの
として例示されている。しかしながら、他の例では吸収
型電解質がセパレータとして使用することができる。

第４図はマルチ電流形から分離したものとして２電流形
の本発明の正極端子５および5aを通るセクションを示
し、非常に接近した正極端子５および5aを示している。

第５図は本発明の負極端子４を通るセクションを示し、
ストラップ40による隔壁７を通る共通の負極端子接続を
示している。

第６図はセル分室の上部平面図で、隔壁７および９、内
部セル接続部12、正極接続部５および5a、負極接続部４
を示し、セルの直列した並列配置を示している。

本発明においては、第６図のセル（ａ）〜（ｆ）は３層
の正極板10と通常の負極板11を有する。セル（ｇ）〜
（ｌ）は４枚の通常の正極板13と５枚の通常の負極板11
を有する。セル（ａ）〜（ｆ）は直列に接続され、セル
（ｇ）〜（ｌ）とストラップ12を介して並列に接続され
る。セル（ｆ）は隔壁を通して負極端子におけるストラ
ップ40によりセル（ｌ）に接続される。セル（ａ）およ
び（ｇ）は第１図の端子５および5aへの分離した正極ポ
ストを示す。セル（ｌ）は第１図の端子接続部４の単一
の負極ポストを示す。前述したように隔壁９は吸収電解
質を使用する場合は必要でない。セル（ａ）〜（ｆ）の
すべてに上記層形成した電極が使用されるが、かかる電
極はこの構造内のすべてのセル構成に使用することがで
きる。

第７図は層形成された電極板の斜視図で、構造を明確に
するために部分的に取り除いた活物質セクションを示
す。フレーム14は通常の極板構造と同様の外観を有する
が、互いに対向した２以上のフレーム構造からなり、活
物質16を保持する電流路となるグリッド15を有する。ま
た、グラスファイバーマット17は極板フレームの各面か
ら活物質を塗る前にフレーム14とグリッド15の間に配置
される。

毛細管現象が車動により増強され、活物質の内部に電解
液を浸透させる。

従来の蓄電池では活物質の表面積が大きくなると、比例
的に高電流性能を増加させるが、本発明では２またはマ
ルチ層形成した正極板を使用することにより必要なとき
には高い迅速な放電電流を供給するだけでなく、予備の
負荷用に使用されるときは比較的長く続き比較的低電流
を供給する。

層形成した正極を使用することにより付属回路が比較的
長く作動したときに生ずる深部までの放電の結果として
の損傷に大きな耐性を示す。特に正極には放電／充電に
より圧力が加わる。伝統的なSLI蓄電池は深い放電と充
電サイクルの効果に対抗するために厚い正極板を使用す
る深いサイクルの蓄電池とクランク始動のために最大の
高電流を比較的短時間供給する多数の薄い極板を有する
蓄電池の間の使い捨て用として設計されている。

エンジンを始動させる時には、必要な電流量は迅速放電
が起こるほど非常に大きい。しかしながら、放電がすば
やく行われるから電極表面の電子のみが一般に使用され
る。活物質内に深く入った電子は、クランク始動がしば
らく停止するまでは利用することができない。クランク
始動時の別の試みによってさらに別の電流が生ずる。し
たがって、比較的厚い極板はクランク始動力に見合う大
きな表面積を提供するためには、より多くの空間を必要
とし、またより長い充電サイクルを必要とする。

本発明は、延長される付属的使用に起因する長くまたは
深い放電により生ずる極板ひずみの問題を解決するもの
である。また、本発明は迅速放電のための表面電流を供
給することにも有効である。

積層された正極板を使用することにより、厚い極板が使
用される場合である自動車の発電機／同期発電機におい
て充電の問題を減少する。前述したように厚い極板は深
くかつ長い放電に適するものであるが、深くかつ長い充
電を必要とする。

本発明においては、薄い積層された正極板を使用するこ
とにより同寸法の薄い極板より強度が向上するだけでな
く、毛細管作用によって極板の活物質中に電解液を浸透
させやすくする。

第６図に示すセル形状は単に例示のためで、特定の形状
が決定的なものでないので、他の多くの形状が使用でき
る。同様に、必要な全体容量に応じて、各セル内におい
て複数の極板を使用することができる。積層された極板
の組み合わせは、仕様に応じてすべてのセルを含んでい
てもよく、第６図に示すよりセルが多くても少なくても
よい。

厚いかつ深いサイクルの極板を積層された極板または薄
い極板と組み合わせて使用することにより、２種の電流
形式を提供するように使用することができる。

第７図に示すように、積層された電極を使用することに
より蓄電池が設けられる自動車の移動中の振動による活
物質の落下の問題を解消することができる。もちろん、
本発明は第７図に示す層形成構造の使用に制限されるも
のでない。事実、毛細管の助力による拡散により電解液
が構造内に深く浸透するように、電気的に接続される単
一ユニットとして電極が構成されるなら、折り曲げ構造
は同一効果を達成することができる。すなわち、セル内
で正しい電気化学反応を行うように、構造は１つの電極
として電気的に構成される必要があり、各層に適当な毛
細管行路を与え、活物質全体を通る穿孔を通しての拡散
を行わせることにより構造内に深く電解液を供給する必
要もある。

層形成した電極は正極として記載されるが、負極として
使用することができる。層数は制限されるものでなく、
仕様により決定される。

製造コストにおいては、本発明は同等の伝統的なSLI蓄
電池として同一の寸法パラメータ内に収納される。なぜ
なら、伝統的な蓄電池は主としてクランク始動用蓄電池
として設計されているから、抵抗を減少させ、性能を向
上させるために重い内部セルコネクタが使用されてき
た。しかしながら、本発明は第３図に示すように、非常
に接近した正極端子に２またはマルチの電流を供給する
ことにより妥協している。回路設計により点火コイルに
おける電圧降下を避け、より大きな点火スパークが得ら
れ、必要なクランク始動容量を現象させることができる
ので、内部セルのコネクタの重量をかなり減少させるこ
とができる。

本発明で使用される活物質は同寸法の伝統的なSLI蓄電
池と同一重量および容量である。本発明で使用されるグ
リッドは層形成される形状の場合、鈍鉛から成形され
る。前述したように、極板の層はより強い構造を形成す
るので、アンチモニイまたはカルシウムのような添加物
の必要性を減少させることができる。これに関連して鉛
添加物によって生ずる発ガスの問題は減少し、本発明は
深いサイクルの形式であることができるが、メンテナン
スフリー型蓄電池として製造することができる。

セル通気システムの等価な設計を利用する本発明は複雑
な換気プラグを除去することができるものである。すな
わち、第１図に示すように、接着テープにより所定の場
所に保持されたテフロンテープのような微細多孔性エレ
メントによりおおわれるテーパを付けられた充填および
通気用入り口にはキャップを必要としない。

第２図の一体射出成形ケースは従来の蓄電池に比べて余
分の隔壁９を有し、この隔壁は流動式の電解質の蓄電池
に必要なものである。この隔壁は明らかにプラスチック
材料である必要があるが、使用される材料の重量を節減
することができる。隔壁９は横方向の支持を与えること
によりケースを強化し、これにより外壁および隔壁の厚
みを減少させる。例えば、伝統的な蓄電池にあっては2.
75〜3.25mmの外径と、1.75〜2.75mmの内部隔壁を有する
が、隔壁９により横方向支持が与えられるから、第２図
の外壁６および８は2.0〜2.75mmに必要な壁厚を減少さ
せることができる。同様に、内部隔壁は1.50〜1.75mmに
減少させることができる。さらに、隔壁９に要求される
追加のプラスチック、即ちポリプロピレンは総ての壁お
よび隔壁の厚みの減少により補償される。

製造コストの計算には装置の変更などを含める必要もあ
る。本発明は装置変更の必要を克服するように設計され
る。事実、蓄電池は目立つまたは主たる装置変更なく、
製造することができる。ケースおよび蓋の射出成形は従
来の蓄電池に使用されるものと異なっている。射出成形
操作は通常組み立て工程とは分離されるが、統合しても
問題はない。本発明の射出成形には重量または容積によ
って新たな材料にする必要はなく、伝統的な蓄電池を製
造するコストの10〜20％以上は上昇しない。２個の蓄電
池を使用する場合と比較すると、もちろんかなり安くな
る。

第８図は上記形式の蓄電池１を使用する場合について言
及しており、蓄電池はアースコネクタ18を介して接地さ
れている。この蓄電池は２個の正極リード線19および20
を備え、正極リード線19は点火スイッチ22の共通端子21
に適用されている。この点火スイッチ22はスペア端子23
を備え、該端子23は例えば、キーの反転により接触可能
で、ここから電気コンダクター25が延びている。このコ
ンダクター25は例えば、キーを外した時にラジオを作動
させるように使用することができる。即ち、キーが非ロ
ック位置にあるとき電気接続を行うようにする。端子26
から延びるリード線36は蓄電池１が使用されるべきであ
る自動車の付属および点火回路に利用される。発電機は
リード線19に直接接続される。端子27はリード線28を通
してソレノイド31に電流を供給し、該ソレノイドはリー
ド線38を通して始動モータ30に電流を供給するように作
動させる。リード線32はオプションで、第２正極端子か
らさらに高電流を導く。このリード線を備えると、蓄電
池の２部分が並列に接続される。それにより始動モータ
30に電流容量を負荷することになる。リード線32を設け
ない場合は熱遮断スイッチ33を設けるのが望ましい。ソ
レノイドスイッチをリード線34に設けることができる。
このリード線は点火スイッチ22のもう一つの端子35と正
極リード線20の間を延びる。39はトリップスイッチ39
で、例えば自動車のアクセル、油圧スイッチ、電圧調節
器その他の動作により作動させるようにすることができ
るが、アクセルの動作が望ましい。その結果、このスイ
ッチはアクセルを踏み込むと閉じることになる。スイッ
チ39は回路中にダイオードを設ける必要をなくす使用例
において蓄電池の再充電のために設けられる。リード線
24は点火スイッチとは独立して自動車の付属品に電流を
供給する。

第９図は他の蓄電池１のシステムを示し、点火スイッチ
22、正極リード線19および20を備え、実質的に同様に構
成されている。ただ、正極リード線19と20の間にはダイ
オード37が接続され、標準的使用中は蓄電池の２部分の
再充電を実質的に公知の方法で行うようにするとともに
第８図のスイッチ36またはリード線32を設ける必要をな
くしている。

このように、本発明の好ましい形態では比較的厚い電極
板と薄い電極板を組み合わせ、層の多少によって厚みを
決定し、共通のアース端子を共用するセル構造に配置す
るが、１以上の正極端子を有し、それによって極板構造
の厚みを選択することによって変更することができる電
流特性に従って電気計画案を通して放電管理能力を与え
る。電解質は乾燥したもの、流動するものの双方を使用
することができる。

以下、本発明の実施態様について記載する。

複数のセルを収容する容器と、少なくとも２つの正極端
子セルと少なくとも１つの負極端子セルを含み、各セル
が複数の、互いに分離されて交互に配置され、セル要素
積層物を構成する複数の正極板と負極板を含み、上記各
極板が活物質を含み、正極端子セル内のセル要素積層物
の正極板が正極端子に電気的に接続され、負極端子セル
のセル要素積層物の負極板が単一の負極端子に電気的に
接続され、上記端子セル以外の各セル要素の各極板が隣
接するセルの反対極性の極板に直列接続され、各接続列
のセルが１つの共通の負極端子に接続されるが別個の正
極端子を有し、各セルの正極板および負極板に接触する
電解質を備え、 上記セルが複数の薄い極板セルと複数の厚い極板セルの
２種類からなり、電気的に並列接続されていることを特
徴とする蓄電池において、 1.上記正極端子が非常に近接している態様。

2.少なくとも上記極板の幾つかが２以上の層からなる態
様。

3.各セルの電解質が吸収された電解質である態様。

4.上記極板がセパレータにより分離され、該セパレータ
に電解質が含浸され、乾燥形態をなしている態様。

5.各層がグリッドを含み、強化材料が各層間に設けら
れ、各セル内のグリッド構造が最小のまたは全く強化添
加物を必要としない態様。

6.等価設計の通気穴を有し、該通気穴が液漏れはないが
ガス逃散可能であるとともに再組立可能なようにテフロ
ンにより覆われている態様。

7.各セルの電解質が乾燥電解質からなる態様。

8.各セルの電解質が流動電解質からなる態様。

9.各セルが流動電解質と乾燥電解質との組み合わせであ
る態様。

10.少なくとも１つのセルが鉛電極構造からなり、少な
くとも１つのセルが鉛でない金属電極からなる態様。

上記蓄電池の負極に接続されるとともに自動車に接地さ
れる第１導電ケーブルと、上記蓄電池１以上の正極端子
と接続するとともに自動車の電気スタータモータに接続
する第１スイッチに接続する第２導電ケーブルと、上記
蓄電池の正極端子の１以上に接続する第３導電ケーブル
と、上記第２導電ケーブルに接続しない正極端子に接続
するとともに上記自動車のジェネレータ（発電機）回路
ラインと共通する回路にあって、第２スイッチに接続す
る第４導電ケーブルと、上記第２導電ケーブルに接続し
ない上記端子に接続する第２スイッチからの第５導電ケ
ーブルとを備えることを特徴とする自動車用電気システ
ムにおいて、 1.上記第２スイッチが上記自動車のアクセルの踏み込み
により作動する態様。

2.上記正極端子間にブロッキングダイオードを含み、上
記発電機回路ラインから方向の電流を有する態様。

3.上記正極端子間に電流オーバーロード回路ブレーキン
グスイッチを有する態様。

4.余分の接続が重い始動モータスイッチに組み込まれ、
このスイッチに上記蓄電池の正極端子の１以上から電流
が供給される態様。

5.上記システムが点火スイッチを含み、該スイッチにも
う一つの端子が含まれ、この端子が上記正極端子間を接
続する態様。

6.蓄電池セルの放電または再充電が油圧表示に使用され
るような圧力感応スイッチの作動により決定される態
様。

7.電流オーバーロード回路ブレーキングスイッチが熱電
流オーバーロード回路ブレーキングスイッチである態
様。

【図面の簡単な説明】

第１図は２つのセル隔室を通して切断された蓄電池の断
面側面図、第２図は内部隔壁を示す蓄電池の一体射出成
形品の斜視図、第３図は厚く層形成されているが、少な
い正極板の内部接続をしめすセルの拡大図、第４図は正
極端子を通して切断された蓄電池の端部立面図、第５図
は負極端子を通して切断された蓄電池の端部立面図、第
６図は直列して並列配置されたセルを示す蓋開放状態の
蓄電池の上部平面図、第７図は層形成した電極板の斜視
図、第８図は本発明の蓄電池に使用可能な自動車の電気
回路図、第９図は他の電気回路図である。 １……蓄電池、２……容器、３……蓋 ４……負極端子、５、5a……正極端子 ７、９……隔壁（パーティション） 10……正極板、11……負極板 12……リードストラップ、13……セパレータ 14……フレーム、15……グリッド 16……活物質 22……点火スイッチ、25……コンダクター

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数のセルを収容する容器と、少なくとも
   ２つの正極端子セルと少なくとも１つの負極端子セルを
   含み、各セルが複数の、互いに分離されて交互に配置さ
   れ、セル要素積層物を構成する複数の正極板と負極板を
   含み、上記各極板が活物質を含み、正極端子セル内のセ
   ル要素積層物の正極板が正極端子に電気的に接続され、
   負極端子セルのセル要素積層物の負極板が単一の負極端
   子に電気的に接続され、上記端子セル以外の各セル要素
   の各極板が隣接するセル反対極性の極板に直列接続さ
   れ、各接続列のセルが１つの共通の負極端子に接続され
   るが別個の正極端子を有し、各セルの正極板および負極
   板に接触する電解質を備え、 上記セルが複数の薄い極板セルと複数の厚い極板セルの
   ２種類からなり、電気的に並列接続され、各セル接続列
   は高率放電用と低率放電用の異なる電流を提供すること
   を特徴とする蓄電池。
2. 【請求項２】上記蓄電池の構成が、複数のセルを収容す
   る容器と、少なくとも２つの正極端子セルと少なくとも
   １つの負極端子セルを含み、各セルが複数の、互いに分
   離されて交互に配置され、セル要素積層物を構成する複
   数の正極板と負極板を含み、上記各極板が活物質を含
   み、正極端子セル内のセル要素積層物の正極板が正極端
   子に電気的に接続され、負極端子セルのセル要素積層物
   の負極板が単一の負極端子に電気的に接続され、上記端
   子セル以外の各セル要素の各極板が隣接するセルの反対
   極性の極板に直列接続され、各接続列のセルが１つの共
   通の負極端子に接続されるが別個の正極端子を有し、各
   セルの正極板および負極板に接触する電解質を備え、 上記セルが複数の薄い極板セルと複数の厚い極板セルの
   ２種類からなり、電気的に並列接続され、各セル接続列
   は高率放電用と低率放電用の異なる電流を提供する蓄電
   池であって、 上記蓄電池の負極に接続されるとともに自動車に接地さ
   れる第１導電ケーブルと、上記蓄電池の１以上の高率電
   流側の正極端子と接続するとともに自動車の電気スター
   タモータに接続する第１スイッチに接続する第２導電ケ
   ーブルと、上記蓄電池の低率電流側の正極端子の１以上
   に接続する第３導電ケーブルと、上記第２導電ケーブル
   に接続しない正極端子に接続するとともに上記自動車の
   ジェネレータ回路ラインと共通する回路にあって、第２
   スイッチに接続する第４導電ケーブルと、上記第２導電
   ケーブルに接続しない上記端子に接続する第２スイッチ
   からの第５導電ケーブルとを備えることを特徴とする自
   動車用電気システム。